JP3994334B2 - リィンフォースバー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、リィンフォースバーに関し、更に詳細には、乗員室前方に組付けた車両内装部材の裏側において、エアコンユニットに隣接して配設される中空状のリィンフォースバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乗用車等における乗員室前方には、例えば図1および図1に例示するように、各種車載機器(計器盤14、空調操作盤16、オーディオ18等)を設置した車両内装部材としてのインストルメントパネル10が組付けられている。また、前記インストルメントパネル10の外面所要位置には、乗員席(図示せず)等を指向した複数個(図示のものでは合計4個)の空気吹出部(エアーアウトレット)20が配設され、当該インストルメントパネル10の内側(裏側)に配設したエアコンユニット22から送出される調温空気は、前記各々の空気吹出部20から吹出して乗員室内の空調に供されるようになっている。
【0003】
このため前記インストルメントパネル10の裏側には、前記エアコンユニット22の空気送出部24と前記空気吹出部20の後部とを連通接続する空気ダクト26が配設され、エアコンユニット22からの調温空気を空気吹出部20へ案内するようになっている。ここで、図1に例示した空気ダクト26は、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の樹脂素材をブロー成形した異形断面形状の中空体として構成され、インストルメントパネル10における基材12の裏面にビス28等で組付けるタイプとされている。
【0004】
一方、前記インストルメントパネル10の裏側には、乗員室の前方において車体の横方向に延在する車体補強用のリィンフォースバー(「クロスカービーム(CCB)」とも称する)30が、前記エアコンユニット22に隣接した位置に延在している。このリィンフォースバー30は、例えば横断面形状が円形とされる細長パイプ状の中空体であり、車体の剛性向上を図り得るようになっている。なお前記リィンフォースバー30は、エアバッグ装置32やステアリングシャフト(図示せず)等の固定支持バーとしても機能する。
【0005】
従って、乗員室の前方に組付けた前記インストルメントパネル10の裏側スペースは、前述すると共に図1に示すように、該パネル10に搭載された各種車載機器(計器盤14、空調操作盤16、オーディオ18等)の設置スペースとなると同時に、前述したエアコンユニット22、空気ダクト26およびリィンフォースバー30等の配設スペースともなる。このため空気ダクト26は、前述した計器盤14、空調操作盤16、オーディオ18、リィンフォースバー30、エアバッグ装置32等との干渉を回避するべく複雑な屈曲形状に形成せざるを得ず、成形コストが嵩んでしまう問題や、調温空気の流通効率低下を招来する問題等を内在していた。
【0006】
そこで近年に至っては、前述した問題を解消するために、例えば特開平2000−185603号(特許文献1)に開示される如く、中空状とされる前記リィンフォースバー(特許文献1では、「リィンフォースメント」と称される)30に空気ダクトとしての機能を付加するようにし、前記空気ダクト26を廃止するようにした技術的思想が提案されている。すなわち、前記リィンフォースバー30の内部空間34と前記エアコンユニット22の空気送出部24とを連通接続させると共に、該内部空間34と前記空気吹出部20とを連通接続した構成とすることで、エアコンユニット22から送出された調温空気をリィンフォースバー30を介して空気吹出部20へ通出案内するという技術的思想である。このような構成とすれば前記空気ダクト26を廃止できるため、インストルメントパネル10の裏側スペースに該空気ダクト26の配設スペースを確保する必要がなくなり、該裏側スペースの有効利用を図り得る利点がある。
【0007】
【特許文献1】
特開平2000−185603号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した特許文献1に開示のリィンフォースバー(リィンフォースメント)は、中空体とされるリィンフォースバーを空気ダクトとして利用するという技術的思想を単に開示しているだけであって、実際に実施するに際しては次のような現実的な問題の発生が指摘される。先ず、従来のリィンフォースバーは、一般的に金属(スチール等)製の中空体であるため、場合によっては前記空間34に臨む内壁面に腐食が発生する可能性がある。従って、エアコンユニット22から送出される調温空気は、このような内壁面に接触しつつ前記空間34内を通過するようになるため、乗員室内へ吹出し案内される際には汚染されて異臭を伴う等の不都合が憂慮される。
【0009】
また前記リィンフォースバーは、比較的薄肉とされているため断熱性が低く、該リィンフォースバーの内部空間と外部との温度差が大きい場合に結露し易い欠点があった。更には、前記エアコンユニット22の運転作動音が前記空間内へ侵入すると、この運転作動音は該空間内で反響または共鳴するようになり、前記空気吹出部20を介して乗員室内へ洩れてしまう問題もあった。
【0010】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するべく提案されたもので、車体の剛性向上を図るという本来の機能を確保しつつも、エアコンユニットと空気吹出部とを連通接続する空気ダクトとしての機能を付加し、更には空気ダクトとしての断熱性能や吸音性能の向上を図るようにしたリィンフォースバーを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決して、所期の目的を達成するため本発明は、乗員室前方に組付けた車両内装部材の裏側において、エアコンユニットに隣接して配設される中空状のリィンフォースバーにおいて、
前記リィンフォースバーの所要位置に開設され、前記エアコンユニットの空気送出部に整合する複数の空気導入口と、
前記リィンフォースバーの所要位置に開設され、前記車両内装部材に配設した空気吹出部に整合する複数の空気導出口と、
前記リィンフォースバーの内部で成形して該リィンフォースバーに内装され、前記空気導入口と空気導出口とを連通する空気流通空間を画成する樹脂壁体と、
前記樹脂壁体の成形時に該樹脂壁体と一体的に形成され、前記空気流通空間を複数の空気流通路に画成する区画壁と、
前記樹脂壁体の成形時に該樹脂壁体と一体的に形成され、前記空気導入口および空気導出口の両方の開口縁または何れか一方の開口縁に沿って延設されるシール部とを有し、
前記各空気導入口と前記各空気導出口とを、前記各空気流通路で対応的に連通すると共に、
前記各空気導入口と前記空気送出部との接合および前記各空気導出口と前記空気吹出部との接合の両方または何れか一方を、前記シール部により密着的な接合となるよう構成したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るリィンフォースバーにつき、好適な実施例を挙げ、添付図面を参照しながら以下説明する。なお本実施例では、図1に示したインストルメントパネル10、すなわち正面中央および左右両端近傍に合計4個の空気吹出部20(20A,20B,20C,20D)を配設したインストルメントパネル10に対し、好適に適応するリィンフォースバーを例示して説明する。
【0013】
図1は、本発明の好適実施例に係るリィンフォースバーを例示した概略斜視図、図2は、図1のII−II線断面図、図3は、図1のIII−III線断面図、図4は、図1のIV−IV線断面図、また図5は、図2の部分拡大図である。本実施例のリィンフォースバー40は、内部に空間42を有する細長の中空体として形成され、乗員室前方に組付けた前記インストルメントパネル10の裏側において、その両側端部に設けた取付固定片44等を利用して車体側部位に強固に連結固定され、車体の横方向へ水平に延在するよう配設されることで当該車体の剛性向上を図るようになっている。
【0014】
本実施例のリィンフォースバー40は、横断面形状が略正方形(縦寸法Hおよび横寸法Wが約80mm)の矩形状をなす細長で真直な中空体とされ(図4)、かつ両側端部に開口部46,46が形成されており、前記空間42は両側に開口している。また、本体部の底壁面40Aにおいて、長手方向における略中央部位には、前記エアコンユニット22の空気送出部24に整合する合計4個の空気導入口48(便宜上、図1の左側から第1空気導入口48A、第2空気導入口48B、第3空気導入口48C、第4空気導入口48D)が、矩形状に開設されている。ここで、空気送出部24に対する各空気導入口48(48A,48B,48C,48D)の「整合」とは、▲1▼リィンフォースバー40がエアコンユニット22に接触する位置に配設され、空気導入口48と空気送出部24とが直接的に連結される直接整合態様、▲2▼リィンフォースバー40がエアコンユニット22から離間した位置に配設され、空気導入口48と空気送出部24とが適宜の連結ダクト等を介して連結される間接整合態様、等の各々の態様を意味している。但し実施例では、図6に図示するように、前記▲1▼の直接連結態様を例示している。
【0015】
一方、本体部の前壁面40Bにおいて、長手方向における略中央部位および左右両端の近傍部位には、前記インストルメントパネル10に配設された4個の空気吹出部20(図1の左から第1空気吹出部20A、第2空気吹出部20B、第3空気吹出部20C、第4空気吹出部20D)に整合する合計4個の空気導出口50(便宜上、図1の左側から第1空気導出口50A、第2空気導出口50B、第3空気導出口50C、第4空気導出口50D)が、矩形状に開設されている。すなわち、第1空気導出口50Aが第1空気吹出部20Aに整合し、第2空気導出口50Bが第2空気吹出部20Bに整合し、第3空気導出口50Cが第3空気吹出部20Cに整合し、第4空気導出口50Dが第4空気吹出部20Dに整合するようになっている。なお、中央部位に開設した第2空気導出口50Bおよび第3空気導出口50Cは、リィンフォースバー40の前壁面40Bから上壁面40Cに亘って大きく開口している。ここで、各空気吹出部20(20A,20B,20C,20D)に対する各空気導出口50(50A,50B,50C,50D)の「整合」とは、(i)各空気導出口50(50A,50B,50C,50D)と各空気吹出部20(20A,20B,20C,20D)とが直接的に連結される直接整合態様、(ii)各空気導出口50(50A,50B,50C,50D)と各空気吹出部20(20A,20B,20C,20D)とが適宜の連結ダクト等を介して連結される間接整合態様、等の各々の態様を意味している。但し実施例では、図6に図示するように、連結ダクト54を介して連結される前記(ii)の間接連結態様を例示している。
【0016】
このように構成されたリィンフォースバー40は、例えばスチールやアルミニウム等の金属、またはガラス繊維強化プラスチック(GRP)等の樹脂を材質とし、金属製の場合は引抜き成形技術または鋳造成形技術等を利用して成形され、また樹脂製の場合はインジェクション成形技術等を利用して成形され、要求される所要強度を有するようになる。なお、引抜き成形技術に基いて成形される金属製の場合は、後工程において前記第1〜第4の各空気導入口48A,48B,48C,48Dおよび第1〜第4の各空気導出口50A,50B,50C,50Dを開設する後作業と、前記取付固定片44等を取付ける後作業が必要とされる。また図示しないが、前記エアバッグ装置32、エアコンユニット22、ステアリングコラム等の組付けに供される種々の取付片等も、必要に応じて所定位置に配設される。
【0017】
そして実施例のリィンフォースバー40では、前記空間42内に、前記空気導入口48と空気導出口50とを連通する空気流通空間64を画成した筒体状の樹脂壁体60を内装してある。この樹脂壁体60は、後述するように、予備成形した前記リィンフォースバー40の空間42内で適宜の樹脂材料Uから形成したもので、該リィンフォースバー40の内壁面に密着した状態に内装されている。
【0018】
また前記樹脂壁体60は、適宜位置に区画壁62が一体的に形成されており、この区画壁62により前記空気流通空間64を複数の空気流通路に画成してある。具体的には、並列に開設された前記第1〜第4の各空気導入口48A,48B,48C,48Dの各々の間に、合計3個の区画壁62,62,62を形成することで、合計4個の空気流通路64A,64B,64C,64Dが画成されている(図2,図5)。すなわち、前記第1空気導入口48Aと第1空気導出口50Aとは第1空気流通路64Aで連通され、前記第2空気導入口48Bと第2空気導出口50Bとは第2空気流通路64Bで連通され、前記第3空気導入口48Cと第3空気導出口50Cとは第3空気流通路64Cで連通され、前記第4空気導入口48Dと第4空気導出口50Dとは第4空気流通路64Dで連通されている。
【0019】
また、前記第1〜第4空気導入口48A,48B,48C,48Dおよび前記第1〜第4空気導出口50A,50B,50C,50Dの開口縁には、前記樹脂壁体60の一部から形成されたシール部72,74が、適宜外方へ突出した状態で延設されている。このうちシール部72は、各々の空気導入口48A,48B,48C,48Dと前記エアコンユニット22の空気送出部24との当接部に位置して、これらの密着的接合を図るように機能する。またシール部74は、各々の空気導出口50A,50B,50C,50Dとこれらに対応する空気吹出部20A,20B,20C,20Dとの当接部に位置して、これらの密着的接合を図るように機能する。なお前記シール部72,74は、前記樹脂壁体60の成形作業時に形成される。
【0020】
ここで、前記樹脂壁体60を成形するための前記樹脂材料Uは、例えば発泡ソフトタイプ(軟質)のウレタン素材とされ、これにより成形後の該樹脂壁体60は次のような特性を具有している。すなわち、発泡ソフトタイプのウレタン素材から形成された成形体は、一般的に、(a)軽量である、(b)適度の弾力性および柔軟性を有する、(c)断熱性能に優れている、(d)吸音性能に優れている、等の様々な特性を有するので、この発泡ソフトタイプのウレタン素材から形成された前記樹脂壁体60は前記(a)〜(d)の特性を具有するようになる。なお前記ウレタン素材には、前述した発泡ソフトタイプ(軟質)の他に、無発泡ソフトタイプ(軟質)、発泡ソリッドタイプ(硬質)、無発泡ソリッドタイプ(硬質)等があるが、何れのタイプであっても樹脂壁体60の成形は可能とされる。
【0021】
このように、内部に樹脂壁体60を内装して構成された本実施例のリィンフォースバー40は、車体における乗員室前方の所定位置に設置した際に、前記空気導入口48(48A,48B,48C,48D)が、予め所定位置に設置した前記エアコンユニット22の空気送出部24に整合するようになり、該空気送出部24と前記各々の空気流通路64A,64B,64C,64Dとが対応的に連通するようになる。一方、前記空気吹出部20(20A,20B,20C,20D)を配設したインストルメントパネル10を車体における乗員室前方の所定位置に組付けると、第1〜第4の各空気吹出部20A,20B,20C,20Dが、前記リィンフォースバー40に開設した前記第1〜第4の各空気導出口50A,50B,50C,50Dに対応的に整合するようになり、各々の空気吹出部20A,20B,20C,20Dと各々の空気流通路64A,64B,64C,64Dとが対応的に連通するようになる。
【0022】
これにより、エアコンユニット22が運転作動した際において、空気送出部24から第1空気導入口48Aを介して第1空気流通路64Aへ導入された調温空気は、樹脂壁体60に接触しつつ該第1空気流通路64Aに沿って移動した後、前記第1空気導出口50Aを介して第1空気吹出部20Aへ導出されて乗員室へ吹出すようになる。同様に、空気送出部24から第2空気導入口48Bを介して第2空気流通路64Bへ導入された調温空気は、樹脂壁体60に接触しつつ該第2空気流通路64Bに沿って移動した後、前記第2空気導出口50Bを介して第2空気吹出部20Bへ導出されて乗員室へ吹出すようになる。また、空気送出部24から第3空気導入口48Cを介して第3空気流通路64Cへ導入された調温空気は、樹脂壁体60に接触しつつ該第3空気流通路64Cに沿って移動した後、前記第3空気導出口50Cを介して第3空気吹出部20Cへ導出されて乗員室へ吹出すようになる。更に、空気送出部24から第4空気導入口48Dを介して第4空気流通路64Dへ導入された調温空気は、樹脂壁体60に接触しつつ該第4空気流通路64Dに沿って移動した後、前記第4空気導出口50Dを介して第4空気吹出部20Dへ導出されて乗員室へ吹出すようになる。
【0023】
ここで実施例のリィンフォースバー40は、前述したように、前記樹脂壁体60により空間42の内壁面が全面的に被覆されているため、エアコンユニット22から送出された調温空気は、この内壁面に直接的に接触することがない。従って、例えばリィンフォースバー40がスチール製等である場合には、万一、内壁面に錆が発生したとしても、これに接触することによって調温空気が汚染される不都合が回避される。
【0024】
また実施例のリィンフォースバー40は、前記空気流通路64A,64B,64C,64Dを画成する樹脂壁体60が断熱性能に優れているため、エアコンユニット22から送出された調温空気の温度によって該リィンフォースバー40の内部と外部との温度差が大きい場合でも、外壁面または内壁面の結露が好適に防止される。従って、例えばリィンフォースバー40の外壁面の結露により、該リィンフォースバー40の下方に配設された車載電子機器等に水滴が滴下する不都合の発生が好適に回避される。また、スチール製のリィンフォースバー40では、内壁面の結露による錆の発生を助長することがない。
【0025】
更に実施例のリィンフォースバー40は、前記空気流通路64A,64B,64C,64Dを画成する樹脂壁体60が吸音性能に優れているため、空気送出部24を介して該空気流通路64A,64B,64C,64Dへ漏出したエアコンユニット22の運転作動音を、該樹脂壁体60が吸収するようになる。従って、実施例のリィンフォースバー40を採用した車両では、エアコンユニット22の運転作動音が該樹脂壁体60で殆ど吸収されるため、この運転作動音が前記第1〜第4の各空気吹出部20A,20B,20C,20Dを介して乗員室内へ漏出する不都合の発生も好適に回避し得る。
【0026】
そして実施例のリィンフォースバー40は、図1に示した空気ダクト26の機能を有するようになるため、該空気ダクト26を廃止することにより、インストルメントパネル10の裏側スペースの有効利用が図られるようになる(図6)。
【0027】
次に、前述のように構成された本実施例のリィンフォースバー40を製造する方法につき、図8〜図15を引用して概略的に説明する。なお、図8〜図11では、第1空気導出口50Aおよび第4空気導出口50Dの向きを上方へ変更して、第1〜第4の各空気導入口48A,48B,48C,48Dおよび第1〜第4の各空気導出口50A,50B,50C,50Dの成形工程を同時に図示している。
【0028】
本実施例のリィンフォースバー40における前記樹脂壁体60は、図8等に図示する成形装置80を利用して成形される。この成形装置80は、図9等に示すように、該リィンフォースバー40における一方の開口部44から空間42へ進入可能な第1成形体82と、他方の開口部44から空間42へ進入可能な第2成形体84と、前記第1〜第4の各空気導入口48A,48B,48C,48Dから空間42へ進入可能な第3成形体86と、第2および第3の空気導出口50B,50Cから空間42へ進入可能な第4成形体88と、第1の空気導出口50Aから空間42へ進入可能な第5成形体90と、第4の空気導出口50Dから空間42へ進入可能な第6成形体92とを有している。これら第1〜第6の各成形体82,84,86,88,90,92は、図示しない適宜の移動機構により、セット部94にセットしたリィンフォースバー40に対して近接・離間移動するように配設され、夫々をリィンフォースバー40に向けて所定位置まで前進させた際に、該リィンフォースバー40の内壁面と各成形体82,84,86,88,90,92との間に所要の成形空間96が画成される(図10、図12、図14)。従って、前記第4成形体88に設けた注入口98を介して前記成形空間96へ前記ウレタン素材(樹脂材料)Uを注入して硬化させることで、前記樹脂壁体60が形成されるに至る。
【0029】
具体的には、図7に示すような所定形状に予備成形した前記リィンフォースバー40を、前記成形装置80のセット部94にセットしたもとで(図8(a))、先ず前記第1成形体82および第2成形体84を空間42へ進入させる(図8(b))。第1成形体82および第2成形体84のセットが完了したら、第3〜第6の各成形体86,88,90,92を空間42へ進入させる(図9(a),(b))。なお図12および図14に示すように、前記第3〜第6成形体86,88,90,92の形状により、各々の空気導入口48A,48B,48C,48Dおよび各々の空気導出口50A,50B,50C,50Dの開口縁に、前記シール部72,74を形成するための副成形空間100,102が、前記成形空間96に連通した状態で画成されている。
【0030】
リィンフォースバー40に対する前記第1〜第6成形体82,84,86,88,90,92のセットが完了したら、前記第4成形体88に設けた注入口98に注入ヘッド104を到来させ(図10(a))、前記成形空間96へ所定量のウレタン素材(樹脂材料)Uを注入する。これにより、注入されたウレタン素材Uは、成形空間96の全体へ充填されて硬化するようになると共に、その一部が前記副成形空間100,102内へ進入して硬化するようになる(図10(b)、図13、図15)。
【0031】
前記ウレタン素材Uが硬化して樹脂壁体60の成形が完了したら、先ず前記第3〜第6の各成形体86,88,90,92を後退させてリィンフォースバー40から離間させ、次いで前記第1成形体82および第2成形体84を後退させてリィンフォースバー40から離間させる(図11(a))。これにより、内部に樹脂壁体60から形成された空気流通路64A,64B,64C,64Dを画成した実施例のリィンフォースバー40が製造される(図11(b))。
【0032】
なお前記実施例のリィンフォースバー40では、前記第1〜第4の各空気導入口48A,48B,48C,48Dおよび第1〜第4の各空気導出口50A,50B,50C,50Dの開口縁に沿ってシール部72,74を突設したものを例示したが、各空気導入口48A,48B,48C,48Dのみにシール部72を設けるようにしてもよい。また、前記空気導出口50A,50B,50C,50Dのみにシール部74を設けるようにしてもよい。
【0035】
また前記実施例では、横断面形状が略正方形の矩形状をなす細長で真直な中空体とされるリィンフォースバー40を例示したが、この横断面形状はこれに限定されるものではなく、例えば三角形、長角形、五角形以上の多角形、円形、楕円形等、様々な形状としてもよい。
【0036】
また前記実施例では、4個の空気吹出部20A,20B,20C,20Dを有するインストルメントパネル10に対応するように、4個の空気導入口48A,48B,48C,48Dおよび4個の空気導出口50A,50B,50C,50Dを開設すると共に、これらを個別に連通する4個の空気流通路64A,64B,64C,64Dを形成した樹脂壁体60を有するリィンフォースバー40を例示した。しかしながら、前記空気導入口、空気導出口および空気流通路の形成数はこれに限定されるものではなく、これ以下またはこれ以上であってもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るリィンフォースバーによれば、内部に形成された樹脂壁体により内壁面が全面的に被覆されるため、内部を通過する調温空気が汚染される不都合が回避される利点がある。また、ウレタン素材等からなる樹脂材料から前記樹脂壁体を形成するようにすれば、該樹脂壁体が断熱性能に優れるようになるため、リィンフォースバーの内部と外部との温度差が大きい場合でも、該リィンフォースバーの外壁面または内壁面の結露が好適に防止される有益な効果を奏する。更に、前記樹脂壁体が吸音性能に優れるようになるため、エアコンユニットの運転作動音を該樹脂壁体が吸収するようになり、この運転作動音が空気吹出部を介して乗員室内へ漏出する不都合の発生を好適に回避し得る利点もある。
【0038】
また本発明に係るリィンフォースバーによれば、前記樹脂壁体の適宜位置に区画壁を一体的に設けることにより、その内部に複数の空気流通路を画成することが可能となる。更には、前記樹脂壁体の一部により、空気導入口および/または空気導出口の開口縁に沿って延設されるシール部を形成するようにすれば、該空気導入口とエアコンユニットとの密着的接合を図り得る一方、該空気導出口と空気吹出部との密着的接合を図り得る等の利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例に係るリィンフォースバーを例示した概略斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】図2の部分拡大図である。
【図6】図1に示したリィンフォースバーを実施した車両における乗員室の前方を、インストルメントパネルを組付けた状態で示した側断面図である。
【図7】樹脂壁体を内部に内装する前のリィンフォースバーの概略斜視図である。
【図8】 (a)は、予備成形したリィンフォースバーを成形装置のセット部にセットした状態を示した説明断面図であり、(b)は、成形装置における第1成形体および第2成形体を、両側の開口部を介してリィンフォースバーの空間へ進入させる状態を示した説明断面図である。
【図9】 (a)は、第1成形体および第2成形体の挿入完了後に、第3〜第6の各成形体をリィンフォースバーの空間へ進入させる状態を示した説明断面図であり、(b)は、樹脂壁体の成形準備が完了した状態を示した説明断面図である。
【図10】 (a)は、第4成形体に設けた注入口に注入ヘッドを近接させた状態を示した説明断面図であり、(b)は、成形空間内へ樹脂材料を注入している状態を示した説明断面図である。
【図11】 (a)は、樹脂壁体の成形完了後に、リィンフォースバーから第1〜第6の各成形体を離間させる状態を示した説明断面図であり、成形完了したリィンフォースバーの断面図である。
【図12】図9(b)のX−X線断面図である。
【図13】図10(b)のX−X線断面図である。
【図14】図9(b)のY−Y線断面図である。
【図15】図10(b)のY−Y線断面図である。
【図16】 合計4個の空気吹出部を設けたインストルメントパネルの概略斜視図である。
【図17】 図16のZ−Z線断面図であって、従来のリィンフォースバーおよび空気ダクトを実施した車両における乗員室の前方を、インストルメントパネルを組付けた状態を示した側断面図である。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル(車両内装部材)
20 空気吹出部、20A 第1空気吹出部、20B 第2空気吹出部、
20C 第3空気吹出部、20D 第4空気吹出部、
22 エアコンユニット、 24 空気送出部、 40 リィンフォースバー
48 空気導入口、48A 第1空気導入口、48B 第2空気導入口、
48C 第3空気導入口、48D 第4空気導入口、50 空気導出口、
50A 第1空気導出口、50B 第2空気導出口、
50C 第3空気導出口、50D 第4空気導出口、60 樹脂壁体、
62 区画壁、64 空気流通空間、64A 第1空気流通路、
64B 第2空気流通路、64C 第3空気流通路、
64D 第4空気流通路、72,74 シール部、U 樹脂材料

Claims (2)

  1. 乗員室前方に組付けた車両内装部材(10)の裏側において、エアコンユニット(22)に隣接して配設される中空状のリィンフォースバー(40)において、
    前記リィンフォースバー(40)の所要位置に開設され、前記エアコンユニット(22)の空気送出部(24)に整合する複数の空気導入口(48/48A,48B,48C,48D)と、
    前記リィンフォースバー(40)の所要位置に開設され、前記車両内装部材(10)に配設した空気吹出部(20/20A,20B,20C,20D)に整合する複数の空気導出口(50/50A,50B,50C,50D)と、
    前記リィンフォースバー(40)の内部で成形して該リィンフォースバー (40)に内装され、前記空気導入口(48/48A,48B,48C,48D)と空気導出口(50/50A,50B,50C,50D)とを連通する空気流通空間(64)を画成する樹脂壁体(60)と、
    前記樹脂壁体 (60) の成形時に該樹脂壁体 (60) と一体的に形成され、前記空気流通空間 (64) を複数の空気流通路 (64A,64B,64C,64D) に画成する区画壁 (62) と、
    前記樹脂壁体 (60) の成形時に該樹脂壁体 (60) と一体的に形成され、前記空気導入口 (48/48A,48B,48C,48D) および空気導出口 (50/50A,50B,50C,50D) の両方の開口縁または何れか一方の開口縁に沿って延設されるシール部 (72,74) とを有し、
    前記各空気導入口 (48/48A,48B,48C,48D) と前記各空気導出口 (50/50A,50B,50C,50D) とを、前記各空気流通路 (64A,64B,64C,64D) で対応的に連通すると共に、
    前記各空気導入口 (48/48A,48B,48C,48D) と前記空気送出部 (24) との接合および前記各空気導出口 (50/50A,50B,50C,50D) と前記空気吹出部 (20/20A,20B,20C,20D) との接合の両方または何れか一方を、前記シール部 (72,74) により密着的な接合となるよう構成した
    ことを特徴とするリィンフォースバー。
  2. 前記樹脂壁体(60)は、硬質または軟質のウレタン素材等の樹脂材料(U)から形成される請求項1記載のリィンフォースバー。
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