JP4071128B2 - 補強材組成物、補強材、車体補強方法および車体補強構造 - Google Patents

補強材組成物、補強材、車体補強方法および車体補強構造 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、補強材組成物、補強材、車体補強方法および車体補強構造、詳しくは、自動車の車体などを補強するための補強材を成形する補強材組成物、その補強材組成物から得られる補強材、その補強材組成物が用いられる車体補強方法および車体補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車の車体は、重量を軽減するために、板厚の薄い鋼板により形成されており、その剛性の低下を補強するために、例えば、閉断面で形成される鋼板からなる箱型部材(中空部材)の内部空間に、樹脂発泡体からなる充填材を充填して、その箱型部材を補強することが知られている。
【0003】
そのような充填材として、例えば、オレフィン系樹脂発泡充填材が用いられることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−95869号公報(段落番号[0004])
【発明が解決しようとする課題】
しかし、オレフィン系樹脂発泡充填材では、特許文献1の段落番号[0007]にも記載されるように、剛性が十分でなく、箱型部材の内部空間に充填した場合でも、その箱形部材の剛性を十分に向上させることができないという不具合がある。
【0005】
なお、このことから、特許文献1では、ジエン系合成ゴム成分100重量部に対し、無機系充填材50〜200重量部、熱分解型発泡剤1〜50重量部、および有機過酸化物2〜10重量部を配合する車体補強用架橋発泡体が提案されている。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、ポリオレフィンを用いつつ、部材に対して十分な剛性を確保して、優れた補強効果を得ることのできる補強材を成形する補強材組成物、その補強材組成物から得られる補強材、さらには、その補強材組成物が用いられる車体補強方法および車体補強構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の補強材組成物は、ポリオレフィン100重量部に対して、熱膨張性微小球5〜30重量部、充填材50〜200重量部、架橋剤1〜10重量部を含有することを特徴としている。
【0008】
また、本発明は、上記の補強材組成物を加熱硬化させることによって得られ、曲げ弾性率が50〜250N/mmである補強材を含んでいる。
【0009】
さらに、本発明は、上記の補強材組成物を車体の鋼板に装着して加熱硬化させ、得られる補強材によって前記鋼板を補強する車体補強方法、および、車体の鋼板が、上記の補強材組成物を加熱硬化させることによって得られる補強材が装着されることによって、補強されている車体補強構造を含んでいる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の補強材組成物は、ポリオレフィン、熱膨張性微小球、充填材および架橋剤を含有している。
【0011】
本発明において、ポリオレフィンは、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン系炭化水素の重合体、または、これらエチレン系炭化水素の共重合体であって、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブチレン、ポリイソブチレンなどが挙げられる。これらポリオレフィンは、1種または2種以上を適宜選択して用いることができ、好ましくは、コストの観点より、ポリエチレンが用いられる。
【0012】
本発明において、このようなポリオレフィンを用いることにより、安価で適度な発泡倍率を実現でき、かつ、補強性にも優れるという利点がある。
【0013】
本発明において、熱膨張性微小球は、加熱によりガス化して膨張する物質を、弾性を有する殻内に内包させた微小球であって、熱膨張性マイクロカプセルとも呼ばれる。本発明において、このような熱膨張性微小球を用いることにより、独立気泡を形成することができ、補強性に優れるという利点がある。
【0014】
加熱によりガス化して膨張する物質としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどが挙げられる。
【0015】
また、殻を形成する物質は、例えば、熱溶融性物質や熱膨張により破壊する物質が用いられ、より具体的には、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホンなどが挙げられる。
【0016】
そして、熱膨張性微小球は、例えば、コアセルベーション法、界面重合法などの公知のマイクロカプセル化法により製造することができる。
【0017】
なお、これら加熱によりガス化して膨張する物質および殻を形成する物質は、1種または2種以上を適宜選択して組み合わせて用いることができ、また、このような熱膨張性微小球として、例えば、マツモトマイクロスフェア(商品名、松本油脂製薬(株)製)などの市販品を用いることもできる。
【0018】
また、熱膨張性微小球は、120〜160℃、好ましくは、150〜160℃で熱膨張し、その膨張前の粒径が、4〜20μm、好ましくは、6〜12μmであるものが好ましく用いられる。
【0019】
熱膨張性微小球の配合量は、ポリオレフィン100重量部に対して、5〜30重量部、好ましくは、15〜25重量部である。熱膨張性微小球の配合量が、これより少ないと、発泡倍率が低くなり、十分な充填性を得ることができず、また、これより多いと、発泡倍率が高くなり、十分な補強性を得ることができない。
【0020】
また、本発明では、このような熱膨張性微小球とともに、公知の発泡剤を併用することができる。発泡剤としては、特に制限されないが、例えば、無機系発泡剤や有機系発泡剤が挙げられる。無機系発泡剤としては、例えば、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、アジド類などが挙げられる。また、有機系発泡剤としては、例えば、N−ニトロソ系化合物(N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミドなど)、アゾ系化合物(例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボン酸アミド、バリウムアゾジカルボキシレートなど)、フッ化アルカン(例えば、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタンなど)、ヒドラジン系化合物(例えば、パラトルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)など)、セミカルバジド系化合物(例えば、p−トルイレンスルホニルセミカルバジド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)など)、トリアゾール系化合物(例えば、5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールなど)などが挙げられる。
【0021】
これら発泡剤は、1種または2種以上を適宜選択して、熱膨張性微小球と併用することができる。発泡剤の配合量は、ポリオレフィン100重量部に対して、例えば、1〜10重量部、好ましくは、2〜5重量部である。
【0022】
本発明において、充填材としては、特に制限されないが、例えば、炭酸カルシウム(例えば、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなど)、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ケイ酸およびその塩類、マイカ、クレー、タルク、雲母粉、ベントナイト、シリカ、ガラスビーズ、ガラスバルーン、シラスバルーン、アルミナ、アルミニウムシリケート、アルミニウム粉、カーボンブラック、アセチレンブラック、亜鉛華などが挙げられる。これら充填材は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。充填材としては、好ましくは、炭酸カルシウム、さらに好ましくは、重質炭酸カルシウムが用いられる。
【0023】
本発明において、このような充填材を配合することにより、補強効果の向上を図ることができる。
【0024】
また、充填材の配合量は、ポリオレフィン100重量部に対して、50〜200重量部、好ましくは、60〜150重量部、さらに好ましくは、80〜120重量部である。充填材の配合量が、これより少ないと、十分な補強効果を得ることができず、また、これより多いと、補強材組成物の粘度が高くなり過ぎて、体積発泡倍率が低くなる。
【0025】
本発明において、架橋剤としては、特に制限されないが、例えば、加熱により分解され、遊離ラジカルを発生する公知のラジカル発生剤が用いられる。そのようなラジカル発生剤として、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,1−ジターシャリブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリブチルパーオキシヘキシン、1, 3−ビス(タ−シャリ−ブチルパ−オキシイソプロピル)ベンゼン、ターシャリブチルパーオキシケトン、ターシャリブチルパーオキシベンゾエートなどの有機過酸化物が挙げられる。
【0026】
また、架橋剤として、その他に、例えば、硫黄、硫黄化合物類、セレン、酸化マグネシウム、一酸化鉛、酸化亜鉛、p−キノンジオキシムおよびp,p’-ジベンゾイルキノンジオキシムなどのオキシム類、p−ジニトロソベンジンなどのニトロソ化合物類、アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂およびメラミン−ホルムアルデヒド縮合物などの樹脂類、安息香酸アンモニウムなどのアンモニウム塩類なども挙げられる。
【0027】
これら架橋剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。架橋剤としては、好ましくは、有機過酸化物が用いられる。
【0028】
また、架橋剤の配合量は、ポリオレフィン100重量部に対して、1〜10重量部、好ましくは、1.5〜8重量部、さらに好ましくは、2〜7重量部である。架橋剤の配合量が、これより少ないと、発泡倍率が低くなり、十分な充填性を得ることができず、また、これより多いと、曲げ弾性率が低下したり、コスト面で不利となる。
【0029】
また、本発明の補強材組成物には、得られる補強材の物性に影響を与えない範囲において、例えば、発泡助剤、加硫促進剤、加工助剤や、さらには必要に応じて、例えば、安定剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料、着色剤、防カビ剤、難燃剤などの公知の添加剤を適宜含有させてもよい。
【0030】
発泡助剤としては、例えば、尿素系化合物、サリチル酸系化合物、安息香酸系化合物などが挙げられる。これら発泡助剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができ、その配合量は、ポリオレフィン100重量部に対して、例えば、1〜10重量部である。
【0031】
加硫促進剤としては、例えば、ジチオカルバミン酸類、チアゾール類、グアニジン類、スルフェンアミド類、チウラム類、キサントゲン酸類、アルデヒドアンモニア類、アルデヒドアミン類、チオウレア類などが挙げられる。これら加硫促進剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができ、その配合量は、ポリオレフィン100重量部に対して、例えば、1〜5重量部である。
【0032】
加工助剤としては、例えば、ステアリン酸やそのエステル類などの滑剤などが挙げられる。これら加工助剤は、1種または2種以上を適宜選択して用いることができ、その配合量は、ポリオレフィン100重量部に対して、例えば、1〜5重量部である。
【0033】
そして、本発明の補強材組成物は、上記した各成分を、上記した配合量において配合し、特に限定されないが、例えば、ミキシングロール、加圧式ニーダー、押出機などによって、必要により熱膨張性微小球(および発泡剤)が熱膨張する温度以下で加熱して、混練し、混練物として調製することができる。
【0034】
さらに、この調製においては、得られた混練物を、所定形状に成形することにより予備成形物(プリフォーム)として調製することもできる。
【0035】
混練物の成形は、特に限定されないが、例えば、混練物を、ペレタイザーなどによってペレット化し、このペレットを、熱膨張性微小球(および発泡剤)が実質的に分解しない温度条件下で、射出成形機または押出成形機などによって所定形状に成形するか、あるいは、カレンダー成形やプレス成形によって、直接、所定形状に成形すればよい。
【0036】
そして、このようにして調製される本発明の補強材組成物を、適宜の条件(例えば、後述する焼付塗装と同一の条件)下で加熱して、発泡、架橋および硬化させることにより、発泡体からなる本発明の補強材を形成することができる。
【0037】
このようにして得られる本発明の補強材は、その密度(発泡体の重量(g)/発泡体の体積(g/cm))が、例えば、0.2〜0.7g/cm、さらには、0.3〜0.6g/cmであることが好ましく、また、発泡時の体積発泡倍率が、2.0倍以上、さらには、2.0〜5.0倍であることが好ましい。
【0038】
体積発泡倍率が、これより低いと、後述するように、部材の間や中空部材の内部空間を補強材によって充填する場合には、その充填効果が不十分になる場合がある。
【0039】
また、このようにして得られる本発明の補強材は、その曲げ弾性率が、50〜250N/mm、さらには、70〜200N/mmであることが好ましい。曲げ弾性率が、これより低いと、十分な補強性が得られない場合があり、また、これより高いと、曲面への追従性に劣る場合がある。
【0040】
そして、このようにして得られる本発明の補強材は、たとえ、補強材組成物のベース樹脂としてポリオレフィンが用いられていても、熱膨張性微小球の熱膨張による発泡により、補強材の独立気泡率を向上させることができる。そのため、ポリオレフィンの、安価で適度な発泡倍率を実現でき補強性に優れるという利点を生かしつつ、部材に対してより十分な補強効果を付与することができる。
【0041】
そのため、本発明の補強材組成物および補強材は、特に制限されず、剛性が必要とされる各種の産業製品に用いられ、とりわけ、自動車の車体の鋼板を補強するために好適に用いられる。本発明の補強材組成物および補強材によって、車体の鋼板を補強すれば、剛性を確保しつつ軽量化を図ることができる。
【0042】
また、本発明の補強材組成物を、各種の部材の間や中空部材の内部空間において発泡成形させれば、その部材の間や中空部材の内部空間を補強材によって充填することができ、これによって、部材の間や中空部材に対する、制振、防音、防塵、断熱、緩衝、水密などを図りつつ、その部材の間や中空部材の十分な剛性を確保することができる。
【0043】
そのため、本発明の補強材組成物および補強材は、例えば、制振、防音、防塵、断熱、緩衝、水密などを目的とする、例えば、防振材、防音材、防塵材、断熱材、緩衝材、止水材などの充填材としても、好適に用いることができる。
【0044】
なお、各種の部材の間や中空部材の内部空間に充填して、これらの部材を補強するには、例えば、目的する部材の間や中空部材の内部空間に、補強材組成物を設置して、その後、設置された補強材組成物を加熱し、発泡、架橋および硬化させることにより、部材の間や中空部材の内部空間内で、補強材を発泡形成すればよい。
【0045】
より具体的には、例えば、中空部材の内部空間に充填して、中空部材を補強する場合には、まず、補強材組成物に取付部材を装着して充填用部材を作製し、その充填用部材の取付部材を、中空部材の内部空間に取り付けた後、加熱により、発泡、架橋および硬化させて補強材を形成すれば、その補強材によって中空部材の内部空間が充填され、これによって中空部材を補強することができる。
【0046】
そのような中空部材としては、より具体的には、自動車の車体を構成し、鋼板により閉断面として形成される各種の部材、例えば、ピラーを例示することができる。すなわち、本発明の補強材組成物により、充填用部材を作製して、ピラーの内部空間に取り付けた後、加熱により、発泡、架橋および硬化させれば、得られる本発明の補強材によってピラーの補強を十分に図りつつ、エンジンの振動や騒音、あるいは、風きり音などが車室内に伝達されることを、有効に防止することができる。
【0047】
次に、本発明の車体補強方法および車体補強構造の一実施態様として、上記した補強材組成物を用いて、補強材をピラーの内部空間に充填して、ピラーの補強を図る補強方法および補強構造について説明する。
【0048】
この方法では、まず、図1(a)に示すように、所定形状に成形された補強材組成物1をピラー2内に装着する。補強材組成物1をピラー2内に装着するには、例えば、取付部材3を補強材組成物1に取り付けて、充填用部材Pを作製し、その充填用部材Pの取付部材3をピラー2の内周面に設置すればよい。取付部材3を補強材組成物1に取り付けるには、例えば、取付部材3を、成形された補強材組成物1に取り付ける他、補強材組成物1の成形時に混練物とともにインサート成形してもよい。
【0049】
また、取付部材3をピラー2の内周面に設置するには、例えば、ピラー2の内周面に係止溝を形成して、取付部材3を差し込むことにより係止させるか、あるいは、取付部材3を吸盤または磁石などから構成して、吸着または磁力により固定するか、さらには、取付部材3を金属板から構成して、溶接により取り付ければよい。
【0050】
なお、このピラー2は、鋼板から形成される略断略凹状のインナパネル4およびアウタパネル5からなり、まず、補強材組成物1をインナパネル4に装着した後に、これらインナパネル4およびアウタパネル5の両端部を対向当接させて、溶接により接合することによって、閉断面として形成される。なお、このようなピラー2は、より具体的には、車体のフロントピラー、サイドピラーあるいはリヤピラーとして用いられる。
【0051】
その後、この方法では、図1(b)に示すように、防錆処理など適宜の処理をした後に、例えば、その後の焼付塗装時の乾燥ライン工程での加熱(例えば、140〜210℃)によって、補強材組成物1を加熱により発泡、架橋および硬化させて補強材6を形成し、この補強材6によって、ピラー2の内部空間を隙間なく充填することにより、ピラー2を補強する構造を形成すればよい。このような方法によれば、補強材6によってピラー2を十分な強度で補強することのできる補強構造を形成することができる。
【0052】
なお、以上の説明においては、補強材組成物1の形状、設置位置、配置方向および配置数などは、ピラー2の形状などに応じて適宜選択される。
【0053】
【実施例】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、何らこれらに限定されるものではない。
【0054】
実施例1
ポリオレフィンとして、ポリエチレン100重量部、熱膨張性微小球として、発泡性樹脂粒子マイクロスフェアーF−100SS(商品名、松本油脂製薬(株)製、粒径6〜12μm)20重量部、充填材として、重質炭酸カルシウム100重量部、架橋剤として、ジクミルパーオキサイド5重量部を、ミキシングロールを用いて130℃で混練し、得られた混練物を、ヒートプレスにて厚さ3mmのシート状に成形することによって、補強材組成物を調製した。
【0055】
実施例2
発泡性樹脂粒子マクロスフェアーF−100SSを30重量部とした以外は、実施例1と同様の成分および操作により、厚さ3mmのシート状の補強材組成物を調製した。
【0056】
比較例1
重質炭酸カルシウムを配合しなかった以外は、実施例1と同様の成分および操作により、厚さ3mmのシート状の補強材組成物を調製した。
【0057】
比較例2
発泡性樹脂粒子マクロスフェアーF−100SSを3重量部とした以外は、実施例1と同様の成分および操作により、厚さ3mmのシート状の補強材組成物を調製した。
【0058】
比較例3
熱膨張性微小球に代えて、発泡剤として、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(商品名:セルマイクSX、三協化成(株)製)2重量部を配合した以外は、実施例1と同様の成分および操作により、厚さ3mmのシート状の補強材組成物を調製した。
【0059】
評価
得られた各実施例および各比較例の補強材組成物の体積発泡倍率および補強性を、次のように評価した。その結果を表1に示す。
【0060】
体積発泡倍率
各実施例および各比較例の補強材組成物を、50mm×50mmに切り出して、180℃×20分にて発泡させたときの体積発泡倍率を次式に従い求めた。
【0061】
体積発泡倍率=発泡後の体積/発泡前の体積
補強性
各実施例および各比較例の補強材組成物を、180℃×20分にて発泡した後、20mm(幅)×140mm(長さ)に切り出して、スパン100mmで支持した状態において、その中央から加圧楔を垂直方向から圧縮速度5mm/分にて負荷させる3点曲げ試験によって、曲げ弾性率(N/mm)を求め、その曲げ弾性率を補強性として評価した。
【0062】
【表1】
Figure 0004071128
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の補強材組成物によれば、たとえ、補強材組成物のベース樹脂としてポリオレフィンが用いられていても、熱膨張性微小球の熱膨張による発泡により、補強材の独立気泡率を向上させることができる。そのため、本発明の補強材によれば、ポリオレフィンの、安価で適度な発泡倍率を実現でき補強性に優れるという利点を生かしつつ、部材に対してより十分な補強効果を付与することができる。
【0063】
したがって、本発明の補強材組成物が用いられる車体補強方法および車体補強構造によれば、剛性を確保しつつ軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の補強材組成物および補強材を用いて、自動車のピラーの内部空間を充填する方法の一実施形態の工程図であって、
(a)は、補強材組成物に取付部材を装着して充填用部材を作製し、これをピラーに装着する工程、
(b)は、加熱により補強材組成物を発泡、架橋および硬化させることにより、補強材によってピラーの内部空間を充填する工程を示す。
【符号の説明】
1 補強材組成物
2 ピラー
6 補強材

Claims (4)

  1. ポリオレフィン100重量部に対して、熱膨張性微小球5〜30重量部、充填材50〜200重量部、架橋剤1〜10重量部を含有することを特徴とする、補強材組成物。
  2. 請求項1に記載の補強材組成物を加熱硬化させることによって得られ、曲げ弾性率が50〜250N/mmであることを特徴とする、補強材。
  3. 請求項1に記載の補強材組成物を車体の鋼板に装着して加熱硬化させ、得られる補強材によって前記鋼板を補強することを特徴とする、車体補強方法。
  4. 車体の鋼板が、請求項1に記載の補強材組成物を加熱硬化させることによって得られる補強材が装着されることによって、補強されていることを特徴とする、車体補強構造。
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