JP4697947B2 - インクジェットプリンタ用クリーニング部材 - Google Patents

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Description

本発明は水性インクを用いてこれを吐出し、記録媒体上に記録を行うインクジェット記録装置において、記録ヘッドのインク吐出部を清掃するクリーニング部材に関するものである。
水性インクを記録媒体上に吐出して画像を記録するインクジェット記録装置において、そのインク吐出部は繰り返しの使用により、残存したインク等の汚れが付着する為、これを清掃する為の装置・部材が必須となる。この清掃方法としてはインクの吐出ヘッドに対してエッジ部を有する板状ゴム部材を接触させながら移動させて摺擦するように清掃する手法が一般的である(例えば特許文献1)。このようなクリーニング部材は繰り返しインク吐出部分と擦り合わされて使用されるので、耐磨耗性が必須となる。精密なインク吐出部分に対しクリーニング部材の寸法、精度は記録ヘッドと当接する当接圧に影響を及ぼし、清掃性能に深く関与するからである。その為、インクジェット記録装置用のクリーニング部材は耐磨耗性に強いポリウレタン化合物が用いられる事が多い。
一方、水性インクの汚れを清掃するには、インクの主成分が水である為、水に対して化学的に安定な物性が求められる。ポリウレタンは耐磨耗性能力に優れるものの、長期間水分に曝されると分解し易い性質を持っている為、これを改善する為にポリウレタン分子鎖の主成分に加水分解に強いポリエーテル系ポリウレタンを用い、さらには分子中の成分に撥水剤を導入する方法等も好ましい事が提唱されている(例えば、特許文献2)。
さらに物性面に要求される事として、耐磨耗性のみならず記録ヘッドのインク吐出部を摺擦、清掃する作用において繰り返し使用によるエッジ部分の欠け(チッピング)の起こり難さも要求される。板状ゴム部材においてそのエッジ部分で繰り返しヘッドを清掃すると、耐久使用時にエッジ部分が欠けてしまい、インク吐出部の清掃が完全に行われなくなり、画像形成の不良を起こしてしまうという問題である。
この解決策の例としてはポリウレタン中の分子成分として加水分解性の強いポリエーテル系ポリウレタンを用いつつ、硬化剤成分2官能のみで形成される材料を用いるという手段である(例えば、特許文献3)。多官能成分を用いるとポリウレタン中の分子構成がネットワーク状になり、これに伴いガラス転移温度が高くなり、樹脂としての物性が表れ、ゴム弾性が失われてエッジ欠けに対して弱くなる。これを防ぐ為にポリウレタン中の分子成分は2官能性のものが好ましいと提唱されている。
更に近年、水性インクによるインクジェット記録において、高画質化や高画質をより長期間保持する為に種々の手法が取られている。その手法の一つとしてインク成分中にグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、DMF、DMSO、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、スルホラン、尿素、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機溶剤・化合物数多く含有させる方法がある。水性インクであっても近年、高品質な記録画像の長期にわたる保持及び記録画像の耐水性を鑑みてインク中の成分に上記の有機溶剤系が多く使われるようになって来ている。
従って上記グリセリン等を含んだインクを用いるインクジェット記録装置のインク吐出口のクリーニング部材においては上述機能に加え、さらに耐有機溶剤性が求められ、特にポリウレタンが弱いとされる強塩基性の溶剤に対しても分解や溶解を起こしにくく、膨潤による物性低下が起こらないクリーニング部材の材料が求められる。
水性インクを用いてこれを吐出し、記録媒体上に記録を行うインクジェット記録装置内の、記録ヘッドのインク吐出部を清掃する部材について、1)耐磨耗性が良く、更に 2)耐加水分解性に良く、3)連続使用におけるエッジ欠けを起こさず、さらに 4)インク中に含まれる有機溶剤成分に対しても溶解し難く物性劣化を起こし難くする材料を提供する事を目的とした。これらの機能を発現する為の材料選択としては 1)耐磨耗性の良いポリウレタンを選択する 2)ポリエーテル系のポリウレタンが好ましい 3)2官能成分のみからなるポリウレタンがさらに好ましい という事項まで従来の技術で明らかとなっている。従ってインクジェット記録装置用クリーニング部材として、これらの課題を満足する為には、2官能からなるポリエーテル系ポリウレタンが良い事が知られている。
しかし近年、インクの多様化により、水性インク中に上述の有機溶剤群を含め種々の成分が含まれ、さらにその含有率も多くなっている。1)〜3)の課題を解決するためにはポリエーテル系ポリウレタンである事が必須であるが、一方でこれでは有機溶剤系に弱く、特に2-ピロリドンやN-メチル-2-ピロリドンのような強塩基性の有機溶剤系に対して特に弱い事が明らかとなった。
また更に、近年のインクジェット記録装置は高画質化に伴い、吐出ノズル径も小さく、精密な部品となりつつあり、その清掃も長期に渡って安定して行われる必要がある。
上述のようなポリウレタン材料においてこれまでインクに対して不具合は無かったが、出力画像を長期に渡って安定させるため、前述溶剤を増やした場合に、長期間連続して清掃しながらインクジェット記録装置で実機耐久を行った時(特許文献3の部材)に、6000枚程度の耐久試験でヨレと呼ばれる画像不良が発生する事が明らかとなった。
このような事例にてインクジェット記録装置を観察すると、上述高精度のノズル吐出部分にウレタン片の付着、クリーニング部材のエッジ部分の欠け発生、さらに該材料をインクに接液した際のポリウレタン成分の溶解が観察された。これらの現象は水性インク中に多量の前述の有機溶剤群が含まれた場合に発生しやすい。これはポリエーテル系ポリウレタンが、水性インクに含有された有機溶剤に対して溶解や膨潤を起こし易く、物性劣化を起こした結果であるといえる。
したがって、昨今では、上述成分を含んだ水性インクを用いたインクジェット記録装置用のクリーニング部材が、上記1)〜3)の課題を満足しつつ、耐有機溶剤性に強く、長期に渡って安定して清掃できるものであることが、望まれていた。
特開平02-289357号公報 特開平05-008403号公報 特開平05-201014号公報
以上を鑑みて、本発明では耐磨耗性に強く、かつ加水分解性を起こしにくい性質を保ちながら、強い極性を持った有機溶剤に侵される事もなく、さらに繰り返し使用によるエッジ欠けの起こり難いインクジェット記録装置用のクリーニング部材を提供する。
本発明の目的は、インクを吐出して記録媒体上に記録を行うインクジェット記録ヘッドのインク吐出面の付着物を除去するクリーニング部材において、該クリーニング部材が、3官能モノマーを含む成分を重合して得られるポリエーテル系ポリウレタンからなり、前記3官能モノマーが、トリメチロールプロパン及びトリメチロールエタンの少なくとも1種であり、かつ、前記ポリエーテル系ポリウレタンの0.1〜5重量%の割合で前記成分に含有されており、該クリーニング部材の材料がJIS−K−6258ゴム浸せき試験で70℃、72時間、2−ピロリドンに対して、膨潤した質量変化率が450%以下であることを特徴とするクリーニング部材により達成される。質量変化率が450%を上回るもの、及びこの条件にて溶解してしまうものはクリーニング部材として好ましくない。
また、長時間の画質保持は、少なくともグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、DMF、DMSO、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、スルホラン、尿素、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミンの中から1つ以上を含有するインクを吐出して記録媒体上に記録を行うインクジェット記録ヘッドのインク吐出面の付着物を除去するクリーニング部材が上述したポリエーテル系ポリウレタンからなることにより達成される。
また、該3官能以上のモノマー成分がポリオールであることを特徴とするクリーニング部材により、達成される。
さらには、該ポリオールが該ポリエーテル系ポリウレタン中に0.1重量%以上、含有されていることを特徴とする前記のクリーニング部材により、達成される。
そして、より具体的には、該ポリオールがトリメチロールプロパンであることを特徴とする前記のクリーニング部材により、達成される。但し3官能以上の多官能成分からなる架橋構造の場合はその量が多すぎる場合にはポリウレタンのゴム弾性が失われ、摺擦してクリーニングを長期にわたって使用する際にエッジ欠けを起こす場合があるので、トリメチロールプロパンのような3官能以上の成分は10重量%までを限度とするのが好ましい。
特開平05-008403号公報にて、2官能成分のみからなるクリーニング部材が長期に渡って安定してクリーニングができ、3官能成分が含まれた場合には欠け弱くなると記載されているが、本発明による上記範囲内での3官能成分の導入はこの欠けに対する弱さが発現しないまま耐溶剤性が確保できる。
また、クリーニング部材のインク成分に対する耐溶剤性を評価するにはインクの中に含まれる上述溶剤中で顕著にポリウレタンの膨潤・溶解を起こす物で評価するのが好ましい。本検討ではこの現象が特に起こりやすい溶剤が2-ピロリドンである事が明らかとなったので、これを用いJIS-K-6258に従い浸せき試験をする事により溶解・膨潤のしやすさの指標とした。
以上に示した通り、本発明では、有機溶剤を多く含んだ水性インクのインクジェット記録装置のクリーニング部材において、そのポリウレタン材料のプレポリマーとしてポリエーテル系ポリウレタンを選択し、更に硬化剤として2官能成分と3官能成分の混合物を使用する事により、耐磨耗性に強く、かつ加水分解性を起こしにくい性質を保ちながら強い極性を持った有機溶剤に侵される事もなくさらに繰り返し使用によるエッジ欠けの起こり難く、安定に清掃するインクジェット記録装置用のクリーニング部材を提供する。
本発明の原料及び製法について述べるが本発明はこれらに限定されるものではない。ウレタンゴムはポリイソシアネート及びポリオールを部分的に重合したプレポリマー、及び硬化剤として低分子量2価アルコールと3価以上の多価アルコール等を熱硬化によって製造されたものが好ましい。
ポリイソシアネートとしては4,4',-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシナネート(H-MDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、カルボジイミド変性MDI、ポリメチレンフェニルポリイソシアネート、オルトトルイジンイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、パラフェニレンジイソシアネート(PDI)、リジンジイソシアネートメチルエステル(LDI)、ジメチルジイソシアネート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、二種類以上併用してもよい。
上記高分子量ポリオールとしては例えばポリカプロラクトン、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のポリエーテルポリオールが挙げられる。この中でも分子量は1500〜3000程度のものを用いるのが好ましい。1500未満であると得られるウレタンゴムの物性が低下する傾向が見られ、3000以上になるとプレポリマー粘度が高くなり、弾性ブレード成型の作業性が著しく悪くなる傾向が見られる為である。
また硬化剤としては分子量300以下の低分子量2価アルコールや3価以上の多価アルコールを併用して用いる。低分子量2官能アルコールの例としては例えばエチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、1,4-ブタンジオール(BD)、ヘキサンジオール、1,4ヘキサンジオール(HD)などが挙げられる。さらに3官能以上のアルコールとしては例えばグリセリン、1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,6-ヘキサントリオール等のなどが挙げられ、本発明ではこれら硬化剤を2種類以上混合して用いるのが好ましい。
ポリイソシアネートと高分子量ポリオールはそれぞれ用いられてもよいし、イソシアネートリッチの条件で予め反応させてプレポリマーとして用いても良い。なお、型内での反応をコントロールしやすいことからプレポリマー法を用いる事が好ましい。
さらに、ポリイソシアネートに対する高分子量ポリオール、鎖延長剤等の使用量としては、イソシアネート基1モルに対し、活性水素として0.3〜1.0モルとなる量が適当であり、好ましくは0.6〜0.95モルとなる量である。
触媒としては、ジブチルチンジラウネート、スタナスオクトエート等の金属系触媒、トリエチルアミン、ジアザビシクロオクタン等の3級アミン系触媒があり、単独で、あるいは組み合わせて使用される。また、その使用量は原料ポリイソシアネート、高分子量ポリオール、その量比により適宜選択されるが、通常、ポリウレタン原料に対し100〜1000ppmとするのが適当である。
なお、本発明のクリーニング部材の製造方法は、射出成型、押出し成型等、各種あるが、遠心成型による場合は、成型型として、径30cm〜80cmのものを用い、回転速度500〜2000rpm、温度110〜160℃、反応時間は30〜60分で成型される。プレポリマーと硬化剤の反応が完了してから型より円筒状のポリエーテルポリウレタン成形物を取り出し、シート部材を切り出す。その後、1日エージングを行ってシート部材を得て、これを所定の形状に切り出してインクジェット記録装置用クリーニング部材とした。
次に評価方法を示す。前述材料で作成したポリエーテルポリウレタンをインクジェット記録装置のノズルのワイパーブレード部品形状に加工し、評価を行った。クリーニングしながら連続耐久試験を実施し、その性能を比較した。また、加水分解試験は80℃の温水に10日間置き、その後の印字試験を実施しクリーニング不良の有無を確認した。
ここで、使用のインクは、インク成分中にグリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、DMF、DMSO、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、スルホラン、尿素、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機溶剤・化合物を含有する高耐久性のタイプとこれらを含まない従来タイプのインクの2種類を用意したが、本発明のブレードならば、従来タイプのインクに対して何ら変化を示さず、また本発明比較のブレードの場合には従来タイプのインクに対して、若干の変化を示し、上記組成を含む新タイプのインクに対しては、膨潤する等の変化を示す事が予備実験で分かったので、下記実施例、比較例の評価においては、上記成分を含有する新タイプインクを用いて行った。
請求項1に記載されるクリーニング部材は、従来タイプのインクをも対象として、有効なブレード構造であるとするものである。従来タイプインクよりもブレードに対するダメージの大きいと考えられる新タイプのインクを用いての評価で、問題なしであるならば、従来タイプインクに対しても問題なしであると評価可能であると考えられるので、実施例、比較例の評価では新タイプのインクで評価している。
さらに耐溶剤性を示す指標として上述成分中で最もポリウレタンを膨潤・溶解しやすい2-ピロリドンに対する浸せき試験を実施した。これはJIS-K-6258に従い、各実施例で別途試験片を作製し、70℃で72時間浸せきした後、取り出して水で洗浄した直後の重量を再び測り、この質量変化率を示した。この値は小さい程インク中の溶剤に対して侵されにくい事を示し、完全に溶解してしまうものは装置中の他部材のウレタン汚染を起こしてしまうのでインクジェット用クリーニング部材としては好ましくない事を表している。
また本発明の実施例では2-ピロリドンに関して実験を行ったが、インクジェット記録装置において必須な性能はクリーニング部材の2-ピロリドンに対する耐溶剤性に限らない。インク中に使われる成分の中で特に浸食しやすい成分にて同様の実験を行えば同様に耐溶剤性を評価する事が可能である。つまり本発明では多官能成分や架橋構造の導入によってインクに対応するクリーニング部材の適切な選択方法を論じているのでインクの成分やそれに対応するクリーニング部材の選択方法、及び評価試験方法は2-ピロリドンに限定されるものではない。本研究では2-ピロリドンが最も質量変化率が大きかったのでこれで試験を実施したが、このインク成分に限らずどのようなインクを採用した場合でもインク成分中で特に質量変化率が高くなるもので判断するのが好ましい。本発明者らはクリーニング部材の評価方法の一つとして顕著に表現できる2-ピロリドンを基準として挙げたのであって2-ピロリドンが含まれないインクに対しても本試験方法で耐溶剤性は相対比較が可能である。
また本発明はインクジェット記録装置において適切なクリーニング部材が長期に渡ってインクに耐えうる為の材料に関するものであって、板状のワイピング部材で実験を行ったが形状はこれに限られるものでは無い。
(実施例1)
円筒状の遠心成型機の金型を130℃に加熱し、800rpmで回転させている中に、MDI-ポリエーテル系プレポリマーC4362(商品名:日本ポリウレタン工業社製)と1,4-ブタンジオール:トリメチロールプロパン(以下TMP)からなりアミン系触媒(1000ppm)からなる硬化剤を加えたポリウレタン原料を硬化後の厚みが0.5mm相当となる量を投入した。この時、TMPの量はポリエーテル系ポリウレタンに対して0.1重量%とし、1,4-ブタンジオールとTMPからなる硬化剤の合計量はα値(イソシアネート基に対する水酸基のモル比)を1.0に相当する量を加えた。45分の成型後、得られたシートを取り出して1日間エージングして多官能成分を含有したポリエーテル系ポリウレタンシート材料を得た。これを所定の形状に切り出し、インクジェット記録装置用クリーニング部材とした。
(実施例2)
実施例1と同等の方法にて、TMPを5重量%としてインクジェット記録装置用クリーニング部材を得た。
(実施例3)
実施例1と同等の方法にて、トリメチロールエタン(以下TME)を2.5重量%としてインクジェット記録装置用クリーニング部材を得た。
(比較例1)
実施例1と同等の方法にて、硬化剤を1,4-ブタンジオールのみ用い、インクジェット記録装置用クリーニング部材を得た。
(比較例2)
実施例1と同等の方法にて、TMPを0.05重量%としてインクジェット記録装置用クリーニング部材を得た。
(比較例3)
実施例1と同等の方法にてMDI-ポリエステル系プレポリマーにて、TMPを5重量%としてインクジェット記録装置用クリーニング部材を得た。
(比較例4)
実施例1と同等の方法にて、TMPを10重量%としてインクジェット記録装置用クリーニング部材を得た。
Figure 0004697947
*多官能成分の種類:1,4−BDの他に加えたプレポリマーに対する多官能の硬化剤
*α値:イソシアネート基に対する水酸基のモル比
×:画像不良発生 ○:実用上問題ない ◎:特に好ましい。
まず質量変化率評価方法を述べる。基本的にはJIS-K6258に準じるがインクジェット記録装置用クリーニング部材は薄くて小さい為、サンプルの大きさはこの記載より小さくして実験を行った。その他温度、接液時間、算出方法等はJIS-K6258に従った。
インクジェット記録装置に組み込まれるクリーニング部材を10mm×10mm×0.5mmのテストピース形状に取り出した。この手段は板状のクリーニング部材から切り取る方法、裁断加工前に作製した大きなシート形状のものからこの形状に切り取る方法、同じ材料を型成型して作製し、取り出す方法などが挙げられる。任意の材料にて少なくとも材料物性試験をする為に一定寸法に取り出せれば良い。この試験片を試験室の標準状態で各条件を3個取り出し、空気中で1mgまで量りこの時の値をm1とした。蓋付きで密閉可能なガラス容器に一つずつテストピースを入れ、2-ピロリドンで満たして浸せきさせた。その後完全に密閉して70℃の電気炉に投入して48時間放置した。そして取り出し後の質量をm3とした。
本発明者らの研究によると、例えば多官能性のポリウレタンの場合、2-ピロリドンに接液するとある程度の量を含んで膨潤し質量が大きくなるが、2-ピロリドンを含んだテストピースは浸せきした液から取り出し後、経時変化を起こして時間経過とともに膨潤して含んだ2-ピロリドンを放出しながら減量する。ポリウレタンに限らずこの経時変化が大きい場合は実験データの再現性が難しいので本発明の実施例では浸せき取り出し後のm3の求め方は以下のようにした。
48時間放置後のテストピースをピンセットで取り出した後、直ぐに純水にシート全体を漬け30秒間シートの表面をすすぎ洗いした。2-ピロリドンは純水に良好に溶けて洗浄できるので純水を用いた。次に純水から取り出してウエスにつけ、表面についた純水と2-ピロリドンを拭き取った。この作業は30秒で行い、すすぎ洗いと拭き取り作業の合計時間を1分とした。その直後に電子天秤で計量してこの時の値をm3とした。
すすぎ洗いの手順を省くと膨潤した分以外に表面に付着した2-ピロリドンの質量まで計量してしまい、また拭き工程を省くと洗いに使った水まで計量してしまうので、見かけ上の質量変化率が大きくなってしまう。また時間も規定しないと経時変化による2-ピロリドンの放出分があるのでm3の測定方法は以上の方法で統一した。
本発明の実験データは全てこの方法で測定した。質量変化率(Δm100)は以下の式により算出し、3回測定の平均値を採用した。
Δm100=(m3-m1)/m1×100
実施例1と比較例1を見比べてわかるように、3官能モノマー成分が無い場合においては浸せき試験において溶解する結果となり、同時に水性インクに対しても弱く耐久中に不具合を起こす事がわかる。また比較例2で示したように3官能成分が入っていてもこの量が少ない場合にもやはりクリーニング部材はインクに対して弱く、耐久画像不良を発生する。従って少なくとも水性インクに対して膨潤・溶解が起こり難く画像不良を発生しない領域はJIS-K-6258で2-ピロリドンに対して質量変化率が少なくとも450%以下が好ましい事がわかる。またこの質量変化率は3官能成分量を増やす事によってさらに抑制するのも可能であり(実施例2)、またTMP以外にもTMEでもこれが可能である事が確認された(実施例3)。ところが、TMP量が10重量%以上になると、ゴム弾性が著しく失われ、加工性が悪くなるばかりでなく、すぐにエッジ欠け現象が発生し、クリーニング部材としては不適切であるとわかった。また、分子主鎖をポリエステル系にした場合、加水分解試験によって水に対して弱く、更に浸せき試験による質量変化率が大きくて溶剤に対しても弱く、水性インクを用いたクリーニング部材としては好ましくない事が言える。従って水性インクを用いたインクジェット用のクリーニング部材としては耐溶剤性の視点から2-ピロリドンに対する浸せき試験で450%以下の質量変化率であるのが好ましく、これを実現する為には0.1〜重量%の3官能モノマー成分を含ませる材料設計が望ましいと言える。

Claims (3)

  1. インクを吐出して記録媒体上に記録を行うインクジェット記録ヘッドのインク吐出面の付着物を除去するクリーニング部材において、
    該クリーニング部材が、3官能モノマーを含む成分を重合して得られるポリエーテル系ポリウレタンからなり、
    前記3官能モノマーが、トリメチロールプロパン及びトリメチロールエタンの少なくとも1種であり、かつ、前記ポリエーテル系ポリウレタンの0.1〜5重量%の割合で前記成分に含有されており、
    該クリーニング部材の材料がJIS−K−6258ゴム浸せき試験で70℃、72時間、2−ピロリドンに対して、膨潤した質量変化率が450%以下であることを特徴とするクリーニング部材。
  2. 前記インクが、少なくとも、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、DMF、DMSO、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、スルホラン、尿素、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミン、トリエタノールアミンの中から1つ以上を含有するインクである請求項1に記載のクリーニング部材。
  3. 請求項1または2に記載のクリーニング部材を備えたインクジェット装置。
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