JP2017134386A - クリーニングブレード、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

クリーニングブレード、プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被クリーニング部材の表面のクリーニングに必要な当接圧を確保しつつ、かつ長期の使用によってもブレード先端部の欠けが生じないクリーニングブレードを提供する。【解決手段】弾性部材と、該弾性部材を支持する支持部材とを具備するクリーニングブレードであって、該弾性部材の自由端部分に、エッジと該エッジを構成する第一の面および第二の面を有し、該第一の面および該第二の面のいずれか一方または両方が硬化表面を有し、該硬化表面のダイナミック硬度をDHs(mN/μm2)とし、該弾性部材の長手方向に直交する断面内において、該エッジの角度を二等分する直線上の、該エッジからの距離Lが0μm<L≦100μmの各位置におけるダイナミック硬度のうちの最大値をDHm(mN/μm2)としたとき、下記式(1)および式(2)で示される関係を満たすクリーニングブレード。式(1)0.1≦DHs≦0.4、式(2)DHs<DHm。【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真装置に使用されるクリーニングブレード、プロセスカートリッジ、及び電子写真画像形成装置に関する。
電子写真装置は、感光体などの像担持体から用紙や中間転写体などの被転写体上にトナー像を転写後、像担持体上に残留したトナーを除去するために、クリーニング部材を備えている。これらのクリーニング部材のうち、板状の弾性部材を用いたクリーニングブレードがよく知られている。近年、電子写真画像の高画質化への要請からトナーの小径化・球形化が進められており、像担持体上に残留したトナーが、クリーニングブレードをすり抜けやすい状況になってきている。そのため、クリーニングブレードに対して、より優れたクリーニング性能が求められている。
特許文献1には、ポリウレタンエラストマーで構成されたクリーニングブレードの当接部位のイソシアヌレート基の濃度を高くすることにより、当接部位を高硬度化したクリーニングブレードが開示されている。これによって、像担持体とクリーニングブレードとの低摩擦化が図られることが開示されている。また、特許文献2には、クリーニングブレードの先端部分を硬化処理し、さらにゴム弾性を損なうことなく、硬化処理内部の物性を制御したクリーニングブレードが開示されている。
特開2001−75451号公報 特開2012−53311号公報
本発明は、より優れたクリーニング性能を発揮し得るクリーニングブレードの提供に向けたものである。また、本発明は、高品位な電子写真画像の安定した形成に資するプロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、弾性部材と、該弾性部材を支持する支持部材とを具備するクリーニングブレードであって、該弾性部材の自由端部分に、エッジと、該エッジを構成する第一の面および第二の面を有し、該第一の面および該第二の面のいずれか一方または両方が、硬化表面を有し、該硬化表面のダイナミック硬度をDHs(mN/μm)とし、該弾性部材の長手方向に直交する断面内において、該エッジの角度を二等分する直線上の、該エッジからの距離Lが、0μm<L≦100μmの各位置におけるダイナミック硬度うちの最大値をDHm(mN/μm)としたとき、下記式(1)および式(2)で示される関係を満たすクリーニングブレードが提供される。
式(1) 0.1≦DHs≦0.4
式(2) DHs<DHm。
また、本発明の他の態様によれば、前記クリーニングブレードを有するプロセスカートリッジが提供される。更に、本発明の他の態様によれば、前記クリーニングブレードを有する電子写真画像形成装置が提供される。
本発明の一態様によれば、より優れたクリーニング性能を発揮し得るクリーニングブレードを得ることができる。また、本発明の他の態様によれば、高品位な電子写真像の形成に資するプロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置を得ることができる。
本発明に係るクリーニングブレードの斜視図である。図1(a)は、一体成型タイプのクリーニングブレードの一例を示す。図1(b)は、接着タイプのクリーニングブレードの一例を示す。 プロセスカートリッジの静止時に、クリーニングブレードのエッジが被クリーニング部材に当接した状態を示す図である。弾性部材の長手方向(X方向)はこの図の紙面に垂直方向である。 プロセスカートリッジの稼働時に、クリーニングブレードが被クリーニング部材に当接した状態を示す図である。 実施例1、4及び11、並びに比較例1及び4における硬化表面と弾性部材内部のダイナミック硬度を表す図である。 測定サンプルの切り出し箇所を示す図である。 図6(a)は硬化表面のダイナミック硬度の測定図である。図6(b)は弾性部材の長手方向に直交する断面のダイナミック硬度の測定図である。 弾性部材の長手方向に直交する断面におけるダイナミック硬度の測定箇所を示す図である。 エッジ欠けの測定方法を示す図である。
本発明のクリーニングブレードが適用される被クリーニング部材としては、感光体などの像担持体、中間転写ベルトなどの無端状のベルト等が挙げられる。以下、被クリーニング部材として感光体を例として、本発明のクリーニングブレードの実施形態について詳細に説明する。
<クリーニングブレードの構成>
図1、図2および図3は、本発明に係るクリーニングブレードの例を示している。図1は、クリーニングブレードの構成を示す概略図である。本発明のクリーニングブレードは、弾性部材2と、弾性部材2を支持する支持部材3とから構成されている。弾性部材は被クリーニング部材に当接されるエッジを形成する第一の面および第二の面のいずれか一方または両方が、被クリーニング部材に当接する硬化表面を有する。即ち、クリーニング性能の向上を実現する観点から、被クリーニング部材に当接されるクリーニングブレードのエッジの両側にある第一の面および第二の面の少なくとも一方の被クリーニング部材に当接する面及びその表面近傍の内部に硬化領域が形成されている。図1において、クリーニングブレードの「長手方向」はX方向であり、「短手方向」及び「厚み方向」はZ方向及びY方向である。
本発明のクリーニングブレードにおいて、弾性部材の「自由端」とは、支持部材によって支持されている端部と反対側の弾性部材の端部である。また、弾性部材の「自由端部分」とは、自由端及びその近傍である。「エッジ」とは、被クリーニング部材に当接されるクリーニングブレードの当接部であって、第一の面および第二の面が交差することによって形成される稜線部である。また、「第一の面」とは、例えば、図2における弾性部材の下面5または立面6であり、「第二の面」とは、例えば、図2における弾性部材の立面6または下面5である。以下、下面5を第一の面とし、立面6を第二の面として、説明する。弾性部材の自由端およびその近傍を、弾性部材の「先端部」または、クリーニングブレードの「先端部」と称す場合がある。
図1(a)は、弾性部材2と支持部材3が一体成型されたクリーニングブレードの例である。本例のクリーニングブレードは、金型内に支持部材を配置した後、ポリウレタンエラストマー等の原料組成物を上記金型内に注入し、加熱して反応硬化させ脱型することによって得ることができる。脱型した後、必要に応じて弾性部材の自由端のZ方向の先端部及び弾性部材のX方向の両端部を切断等することができる。弾性部材の先端部に硬化領域を形成する工程は、その切断前であっても切断後でもよい。これにより弾性部材2と支持部材3とが一体化されたクリーニングブレードを得ることができる。
図1(b)は、弾性部材用のシートを別途成型した後、短冊状に切断して弾性部材2とし、これを接着剤等により支持部材3に接着することによって得た接着タイプのクリーニングブレードの例である。なお弾性部材の先端部に硬化領域4を形成する工程は、弾性部材を支持部材に接着する前であっても接着した後であってもよい。
〔支持部材〕
本発明のクリーニングブレードの支持部材を構成する材料は特に限定されず、例えば以下の材料を挙げることができる。鋼板、ステンレス鋼板、亜鉛めっき鋼板、クロムフリー鋼板の如き金属材料、6−ナイロン、6,6−ナイロンの如き樹脂材料等。また、支持部材の構造も特に限定されない。クリーニングブレードの弾性部材は、図2等に示すようにその一端が支持部材によって支持されている。
〔弾性部材〕
本発明のクリーニングブレードの弾性部材を構成する材料としては、例えば以下の材料が挙げられる。ポリウレタンエラストマー、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、多硫化ゴム等。ポリウレタンエラストマーとしては、機械的特性が優れることから、ポリエステルウレタンエラストマーが好ましい。ポリウレタンエラストマーは、主にポリイソシアネート、ポリオール、鎖延長剤、触媒、その他添加剤等の原料から得られる材料である。以下に、これらの原料について詳細に説明する。
上記ポリイソシアネートとしては、例えば以下のものが挙げられる。4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート(1,5−NDI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、カルボジイミド変性MDI、ポリメチレンフェニルポリイソシアネート(PAPI)。これらの中では、機械的特性が優れたポリウレタンエラストマーが得られることから、MDIが好ましい。
上記ポリオールとしては、例えば以下のものが挙げられる。ポリエチレンアジペートポリオール、ポリブチレンアジペートポリオール、ポリヘキシレンアジペートポリオール、(ポリエチレン/ポリプロピレン)アジペートポリオール、(ポリエチレン/ポリブチレン)アジペートポリオール、(ポリエチレン/ポリネオペンチレン)アジペートポリオールなどのポリエステルポリオール;カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトン系ポリオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテルポリオール;ポリカーボネートジオール。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。上記ポリオールの中でも、機械的特性に優れたポリウレタンエラストマーが得られることからポリエステルポリオールが好ましい。
上記鎖延長剤としては、ポリウレタンエラストマー鎖を延長可能なものであって、例えばグリコールが使用される。このようなグリコールとしては、例えば以下のものを挙げることができる。エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール(DPG)、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)、1,6−ヘキサンジオール(1,6−HD)、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシリレングリコール(テレフタリルアルコール)、トリエチレングリコール。また、上記グリコールの他に、その他の多価アルコールも使用でき、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールを挙げることができる。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記触媒としては、一般的に用いられるポリウレタンエラストマー硬化用の触媒を使用することができ、例えば、三級アミン触媒が挙げられ、具体的には、以下のものを例示できる。ジメチルエタノールアミン、N,N,N’−トリメチルアミノプロピルエタノールアミンの如きアミノアルコール;トリエチルアミンの如きトリアルキルアミン;N,N,N’N’−テトラメチル−1,3−ブタンジアミンの如きテトラアルキルジアミン;トリエチレンジアミン、ピペラジン系化合物、トリアジン系化合物。また、酢酸カリウム、オクチル酸カリウムアルカリなどの金属の有機酸塩も用いることができる。さらに、通常、ウレタン化に用いられる金属触媒、例えば、ジブチル錫ジラウレートも使用可能である。これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの原料組成物中には必要に応じて、さらに、顔料、可塑剤、防水剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加剤を配合することができる。
本発明の弾性部材において、第一の面と第二の面とによって形成されるエッジの角度は、特に限定されないが、通常、85〜95度程度である。
本発明の弾性部材における国際ゴム硬さ(IRHD)は、60度以上であることが好ましく、65度以上であることがより好ましい。
[硬化領域の形成部位]
弾性部材の先端部における硬化領域の形成部位は、被クリーニング部材に当接される第一の面と第二の面の少なくとも一方の表面及び該表面近傍の内部であることが、クリーニング性能の向上を実現する手段として有効である。被クリーニング部材が感光体である場合、感光体の表面の画像形成領域が、クリーニングブレードのエッジに当接されて、清掃される。
硬化領域は更に、弾性部材の先端部の他の面、即ち、第一の面に対向する面(図2の符号10の面)、及び弾性部材の長手方向の両端面(図1の符号9の面)において形成されていてもよい。この場合、弾性部材の両端面部の剛性を向上させることができ、クリーニングブレードのめくれをより一層低減させることができる。
[硬化領域の形成方法]
弾性部材における硬化領域の形成は、高硬度を所望する領域に、硬化領域形成用の材料を塗布して硬化させることによって行うことができる。この硬化領域形成用の材料は必要に応じて希釈溶剤で希釈して使用され、ディッピング、スプレー、ディスペンサ、刷毛塗り、ローラ塗布等、公知の手段で塗布することができる。硬化領域形成用の材料としては後述するイソシアネート化合物等を用いることができる。表面よりも内部に高硬度領域を存在させるためには、硬化領域形成用の材料(イソシアネート化合物等)を十分に弾性部材の中に含浸する必要がある。硬化領域形成用の材料を高濃度かつ低粘度にすることで含浸は促進されるため、硬化領域形成用材料を希釈等せずに加熱することが効果的である。材料温度は60℃以上が好ましい。
以下、硬化領域形成用の材料としてイソシアネート化合物を用いた例によって、硬化領域の形成方法の一例を説明する。硬化領域形成用の材料を塗布した弾性部材を「前駆体」と称す場合がある。
弾性部材の表面よりも内部に高硬度領域を存在させるためには、硬化領域形成用の材料を塗布後、前駆体を加熱処理することが好ましい。加熱処理によって、弾性部材の表面に存在する硬化領域形成用の材料の粘度が低下して、弾性部材の内部への浸透及び拡散を促進させることができる。加熱方法としては、加熱炉内を前駆体を通過させる方法や加熱風を前駆体に吹き付ける方法などが挙げられるが、特に制限されない。例えば加熱炉としては放射型加熱炉、循環風型加熱炉などが挙げられ、加熱風を形成する機器としては、熱風器、遠赤外線ヒーターなどが挙げられる。
加熱条件を高温及びまたは長時間とすることで硬化領域は広くなり、最も高硬度となる領域は弾性部材の表面からより内部の位置に推移する。加熱条件としては、少なくとも弾性部材の先端部の表面温度を80℃以上で3分間以上加熱することが好ましい。80℃未満の温度で弾性部材の先端部を加熱し続けても、イソシアネート化合物の粘度が弾性部材内での拡散に必要な粘度まで下がりきらないため、拡散速度が遅く、弾性部材の表面に多くのイソシアネート化合物が滞留して、弾性部材の表面の硬度が最も高くなる。加熱炉の雰囲気としては、弾性部材の先端部の表面温度を80℃以上にするため、80℃より高い温度に設定することが好ましい。
但し、この加熱処理の温度及び時間は、弾性部材中への硬化領域形成用材料の含浸量によって異なる。具体的には該材料が弾性部材に十分に含浸される条件(硬化領域形成用材料温度90℃等)では加熱炉条件100℃、10分間で弾性部材の表面よりも内部に高硬度領域を存在させることができる。しかし、該材料が弾性部材に十分には含浸していない条件(硬化領域形成用材料温度60℃等)では加熱炉条件100℃、10分間では弾性部材の内部に高硬度領域は存在せずに表面が最も高硬度となる。この場合、加熱炉条件としては130℃、10分間以上が必要となる。
また、弾性部材の表面よりも内部に高硬度である領域を存在させやすくするためには、弾性部材としてはプレポリマーと硬化剤との混合比を調整することが効果的である。具体的な配合比としては、イソシアネート基に対する水酸基のモル比(α値)が0.45以上0.65以下となるように混合することが好ましい。硬化領域形成時の弾性部材の状態としては、未反応のイソシアネート基が弾性部材の内部により多く存在していることが好ましい。弾性部材の表面及び内部に存在するイソシアネート基と硬化領域形成用の材料であるイソシアネート化合物が反応するので、弾性部材の内部により多くの未反応イソシアネート基が存在する場合は、弾性部材の内部がより高硬度になりやすいためである。
更に上記混合比においても残存イソシアネート量は成型後、時間の経過とともに徐々に減少する傾向にあるため、硬化領域の形成は弾性部材の製造後6時間以内に行うことが好ましい。残存イソシアネート量は、混合比及び弾性部材の製造後の時間によりコントロールすることが可能である。表面の残存イソシアネート量の測定に関しては、例えば、赤外線吸収分光法(IR)により測定することができ、得られたIRスペクトルから、イソシアヌレートのNCOピーク(2260cm−1〜2270cm−1付近)と、イソシアネートの芳香環ピーク(1600cm−1付近)とを求め、NCOの吸光度Aと、芳香環の吸光度Bとの比(A/B)を残存イソシアネート量の指標とする。表面よりも内部に高硬度である領域を存在させやすくするためには、残存イソシアネート量としては、弾性部材の表面における測定において0.2以上であることが好ましい。
[硬化領域形成用の材料]
硬化領域を形成するための材料は、弾性部材を硬化することが可能なもの、または、弾性部材の表面上に硬化領域を形成することが可能なものであれば特に限定されず、例えばイソシアネート化合物やアクリル樹脂等が挙げられる。硬化領域を形成する材料は、溶剤等で希釈して用いてもよい。希釈に用いる溶剤としては、使用する材料を溶解するものであれば特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
弾性部材の構成材料がポリエステルウレタンエラストマーである場合、硬化領域を形成する材料としては、弾性部材との相溶性や弾性部材への含浸性を考慮すると、ポリエステルウレタンエラストマーの構成材料であるイソシアネート化合物を用いることがより好ましい。弾性部材に接触させるイソシアネート化合物としては、分子中に1個以上のイソシアネート基を有するものを使用することができる。分子中に1個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、オクタデシルイソシアネート(ODI)等の脂肪族モノイソシアネート、フェニルイソシアネート(PHI)等の芳香族モノイソシアネートなどを使用することができる。分子中に2個のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、通常、ポリウレタン樹脂の製造に用いられるものが使用でき、具体的には、以下のものを挙げることができる。2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、m−フェニレンジイソシアネート(MPDI)、テトラメチレンジイソシアネート(TMDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等。また、分子中に3個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物として、例えば、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、2,4,4’−ビフェニルトリイソシアネート、2,4,4’−ジフェニルメタントリイソシアネート等が使用できる。また、2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物は、その変性誘導体や多量体等も使用可能である。中でも、硬化領域の硬度を効率的に上げるためには、結晶性の高い、つまり構造が対称性をもっているMDIが好ましく、さらに、変性体を含んだMDIは常温で液体であるため、作業性の面からより好ましい。
[硬化領域の硬度]
本発明の弾性部材の自由端近傍における硬化領域は、第一の面及びまたは第二の面の表面のダイナミック硬度よりも内部のダイナミック硬度が大きい。被クリーニング部材に当接する弾性部材の当接面は、被クリーニング部材との接触状態を安定にする観点から、柔軟であることが必要である。そのため、硬化表面のダイナミック硬度DHsは、0.1(mN/μm)以上0.4(mN/μm)以下である。
また、クリーニング性能の向上に対して、弾性部材の先端部の硬化領域の表面近傍の内部に表面のダイナミック硬度DHsよりも高いダイナミック硬度の硬化領域を存在させている。具体的には、弾性部材の長手方向に直交する断面内において、第一の面と第二の面とで構成されるエッジの角度を二等分する直線上の、該エッジからの距離Lが、0μm<L≦100μmの各位置におけるダイナミック硬度のうちの最大値をDHm(mN/μm)としたとき、DHmが、DHsよりも大きくなっている。このような構成を有することにより、該クリーニングブレードは、被クリーニング部材に当接した際に必要とする当接圧が確保され、当接部の面積(当接幅)が多少大きくなってもピーク圧(当接部の単位面積あたりの当接圧(当接圧を当接部の面積で割った圧))が下がりにくい。その結果として、優れたクリーニング性能を発揮する。
前記直線上の距離Lが、0μm<L≦100μmの範囲の位置にはダイナミック硬度の最大値が存在せず、Lが100μmを超えた位置にDHsよりも高いダイナミック硬度の部分が存在する場合、クリーニングブレードを被クリーニング部材に当接した時に当接幅が広がり過ぎてしまい、ピーク圧が上がらない場合がある。
尚、本発明では、弾性部材の自由端の内部のダイナミック硬度の測定位置を、弾性部材の長手方向に直交する断面内において第一の面と第二の面によって形成されるエッジを起点として該エッジの角度を2等分する直線上の位置としている。その理由は、ダイナミック硬度DHsの測定面が、第一の面と第二の面の少なくとも一方の面であること、及び、図3が示すようにクリーニング時の被クリーニング部材との位置関係から当該角度の方向がクリーニングブレードの実質的な厚み方向と見做すことができるからである。
前記硬化表面のダイナミック硬度DHsは、0.4より大きいと、表面の硬度が大き過ぎるため、エッジ欠けが発生する場合がある。また、前記硬化表面のダイナミック硬度DHsが0.1未満では、表面近傍の内部の硬度が大きくても、当接幅が広くなりすぎてピーク圧が下がり、クリーニング性能が低下する場合がある。ダイナミック硬度DHsのより好ましい値は0.12〜0.35の範囲である。
尚、前記直線上において、DHmを示す位置は、エッジからの距離Lが20μm以上100μm以下の範囲内にあることが、より好ましい。DHmを示す位置が、エッジからの距離が20μmから100μm以内に存在することにより、エッジ欠けの発生をより有効に抑制することができる。更に好ましい範囲としては、DHmを示す位置が、エッジからの距離20μmから80μm以内である。
また、前記弾性部材の長手方向に直交する断面のエッジを形成する角度を2等分する直線上におけるダイナミック硬度の最大値をDHm、そのエッジからの距離をPmax(μm)としたとき、ダイナミック硬度がエッジからPmaxの位置まで漸増していることが、より一層好ましい。硬度がこのように漸増していれば、表面から20μmの間の位置に極端に硬度の高い領域が存在しないため、長期使用時にもエッジ欠けが発生しにくいためである。
また、DHmは、硬化表面のダイナミック硬度DHsの1.1倍以上であることが好ましい。DHmがDHsの1.1倍以上であることにより、被クリーニング部材への当接圧をより確実に印加することができる。
また、DHmはDHsの10倍以下であることが好ましい。DHmがDHsの10倍以下であることにより、当接面の内部の硬化領域の硬度が大き過ぎないため、弾性部材の先端部のゴム弾性が損なわれ難い。DHmの更により好ましい範囲としてはDHsの1.2倍以上8倍以下である。
前記硬化領域は、前記弾性部材の被クリーニング部材に当接されるエッジを形成する第一の面と第二の面の両面に形成されていることが更に好ましい。図3が示すように、クリーニング時には被クリーニング部材に第一の面と第二の面の両面が接する場合があるためである。
[硬化領域の硬度測定方法]
本発明において硬化領域の硬度は、以下の方法により測定することができる。測定機としては、島津製作所製「島津ダイナミック超微小硬度計 DUH−W211S」を用いることができる。圧子としては、115°三角すい圧子を用い、以下の計算式よりダイナミック硬度を求めることができる。
ダイナミック硬度:DH=α×P/D
式中、αは、圧子形状による定数を、Pは、試験力(mN)を、また、Dは圧子のサンプルへの侵入量(押し込み深さ)(μm)を表す。
尚、測定条件は以下の通りである。
α:3.8584、
P:1.0mN、
負荷速度:0.03mN/sec、
保持時間:5秒、
測定環境:温度23℃、相対湿度55%、
測定サンプルのエージング:温度23℃、相対湿度55%の環境下で6時間以上放置。
測定サンプルの調製方法は以下の通りである。測定サンプルは、画像形成領域内における長手方向を3等分した3箇所のそれぞれの中間点(3個所)から、長手方向に4mm(中間点から両方向に2mm)、短手方向はエッジ7から2mmの寸法で切り出す(図5参照)。
硬化表面のダイナミック硬度DHsは、測定サンプルの硬化領域の硬化表面(第一の面、第二の面)に圧子が垂直に当たるようにサンプルを配置し、長手方向は端部から2mmの位置、短手方向もしくは厚み方向はエッジから100μm以上500μm以下離れた位置において測定される。図6(a)は、サンプルの第二の面に圧子が垂直に当たるように配置した図である。この測定を3個の測定サンプルについて行い、その平均値を第二の面の表面のダイナミック硬度DHsとする。同様にして、3個の測定サンプルの第一の面に圧子が垂直に当たるように配置して、3個の測定値の平均値を第一の面の表面のダイナミック硬度DHsとする。そして、第一の面の表面のダイナミック硬度DHsと第二の面の表面のダイナミック硬度DHsから、より高い値を硬化表面のダイナミック硬度DHs(mN/μm)とする。
弾性部材の長手方向に直交する断面内であって、弾性部材の先端部の硬化領域の表面近傍の内部のダイナミック硬度の測定は、下記の手順で行われる。上記測定後の各サンプルを長手方向2mmの位置で切断し、この切断面に圧子が垂直に当たるようにサンプルを配置する(図6(b)参照)。なお、測定位置は、エッジの角度を2等分する直線上であって、エッジからの距離Lが10μm間隔の位置とする(図7参照)。これらの各位置において順次測定を行い、測定値が、硬化領域が形成されていない弾性部材のダイナミック硬度となる点まで測定する。この測定を3個の測定サンプルについて行い、それらの平均値を、自由端の内部のダイナミック硬度とする。そして、これらのダイナミック硬度の測定値の最大値をDHm(mN/μm)とする。
〔クリーニングブレードの製造方法〕
[クリーニングブレード前駆体の製造]
本発明に係るクリーニングブレードの製造方法は、公知の方法の中から適したものを選択すればよく、特に限定されない。また、弾性部材の製造方法は、金型成形法や遠心成形法等の公知の方法の中から適したものを選択すればよい。例えば、弾性部材を形成するためのキャビティを備えたクリーニングブレード用金型内に、弾性部材との接触部分に接着剤を塗布した支持部材を配置する。一方、ポリイソシアネートとポリオールを部分的に重合したプレポリマーならびにポリオール、鎖延長剤、触媒、その他添加剤を含む硬化剤を注型機内に投入し、ミキシングチャンバー内で、一定比率にて混合、攪拌し、ポリウレタンエラストマー等の原料組成物を得る。この原料組成物を上記金型内に注入して支持部材の接着剤塗布面上に硬化成型物(弾性部材)を形成し、反応硬化後に脱型する。必要に応じて、弾性部材を所定の寸法や、弾性部材の当接部のエッジ寸法精度を確保するために適宜切断して、支持部材と弾性部材が一体的に成形されたクリーニングブレード前駆体を製造することができる。
また、弾性部材を遠心成形機により製造する場合は、ポリイソシアネートとポリオールを部分的に重合したプレポリマーならびにポリオール、鎖延長剤、触媒、その他添加剤を含む硬化剤を混合、攪拌して得たポリウレタンエラストマー等の原料組成物を、回転するドラム内に投入し、ポリウレタンエラストマーシートを得る。このポリウレタンエラストマーシートを、所定の寸法や、弾性部材の当接部のエッジ寸法精度を確保するために切断する。このようにして得られたポリウレタンエラストマーシート(弾性部材)を、接着剤を塗布した支持部材に貼り付けて、クリーニングブレード前駆体を製造することができる。
[硬化領域の形成]
硬化領域の形成は既に説明した方法によって行うことができる。即ち、先ず、クリーニングブレード前駆体の弾性部材の先端部の第一の面及び第二の面等に硬化領域形成用の材料を塗布する。次いで、弾性部材の先端部を、例えば温度80℃以上で3分間以上、加熱処理する。これにより、弾性部材の先端部の表面及び内部に硬化領域を形成することができる。
被クリーニング部材に当接するためのエッジをクリーニングブレードに形成するために弾性部材を切断することが必要な場合、硬化領域の形成はその切断前でも切断後であっても構わない。なお、遠心成形の場合は支持部材に接合される前に硬化領域を形成することもできる。以上のようにして、クリーニングブレードを得ることができる。
<プロセスカートリッジ及び電子写真画像形成装置>
本発明に係るクリーニングブレードは、電子写真画像形成装置用のプロセスカートリッジに組み込んで使用することができ、また電子写真画像形成装置に組み込んで使用することができる。
以下に製造例、実施例及び比較例によって本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。実施例及び比較例において表示した以外の原材料は、試薬または工業薬品を用いた。
〔実施例1〕
この実施例においては、図1に示す一体成型タイプのクリーニングブレードを製造して評価した。
1.支持部材
厚さ1.6mmの亜鉛めっき鋼板を用意し、これを加工して、図2の符号3で示す、断面がL字形状の支持部材を得た。なお、この支持部材の弾性部材が接触する箇所に、ポリウレタン樹脂接着用の接着剤(商品名;ケムロック219、ロード・コーポレーション社製)を塗布した。
2.弾性部材用原料の調製
表1中の成分1の欄に示す種類と量の材料を80℃で3時間、攪拌しながら反応させてイソシアネートのモル濃度が8.50%のプレポリマーを得た。このプレポリマー1000gに、表1中の成分2の欄に示す種類と量の材料からなる硬化剤212.9gを混合して、イソシアネート基に対する水酸基のモル比(α値)0.60のポリウレタンエラストマー組成物を調製し、これを弾性部材用原料とした。
Figure 2017134386
3.支持部材と弾性部材の一体成型
上記支持部材の接着剤塗布箇所をキャビティ内に突出する様に配置したクリーニングブレード用成形金型内に、前記ポリウレタンエラストマー組成物を注入し、130℃で2分間硬化させた後に脱型して、弾性部材と支持部材との一体成型体を得た。
この一体成型体を、硬化領域形成前に適宜切断して、エッジの角度90度、弾性部材の短手方向(下面5)、厚み方向(立面6)および長手方向の距離をそれぞれ7.5mm、1.8mm、240mmとした。
4.硬化領域の形成
硬化領域形成用材料として変性MDI(商品名;ミリオネートMTL、東ソー社製)を準備した。この硬化領域形成用材料を80℃に加熱し、この材料中に、支持部材に対向する側の表面(図2中の符号11)を除く他の5表面が浸漬するように前記一体成型体の弾性部材を20秒間浸漬して、各表面上に前記材料を塗工した。その後、溶剤として酢酸ブチルを浸したスポンジにて、弾性部材の表面上の硬化領域形成用材料を拭きとった。次いで、弾性部材中に含浸した硬化領域形成用材料が、更に弾性部材の内部に拡散して硬化する様に、電気炉内において温度130℃で40分間熱処理を行った。このようにして、弾性部材の5つの表面(第一の面、第二の面、第一の面に対向する面、長手方向の両端面)及びそれら表面下の内部に硬化領域が形成されたクリーニングブレード1を得た。なお、硬化領域の形成は弾性部材の成型1時間後に行った。
得られたクリーニングブレードは以下の方法によって評価した。各評価の結果を表4に示す。
<1.硬化領域の硬度測定>
前記硬化領域の硬度測定方法によって、第一の面および第二の面において硬度を測定し、ダイナミック硬度DHsを求めた。また、ダイナミック硬度の最大値DHmを測定した。
<2.クリーニング性能の評価>
クリーニングブレード1をカラーレーザービームプリンター(商品名;HP LaserJet Enterprise Color M553dn、ヒューレット・パッカード社製)のブラックカートリッジに被クリーニング部材である感光ドラムのクリーニングブレードとして組み込んだ。次いで、低温、低湿度環境(温度15℃、相対湿度10%)下で印刷可能枚数である1万2500枚の画像形成を行なった(以下、「通常評価」と称す。)。更に、現像機を新しいブラックカートリッジの現像機に付け替え、再度印刷可能枚数である1万2500枚の画像形成を行った(以下、「2倍評価」と称す。)。また、廃トナーは適時、カートリッジ背面に穴を開けて吸い出しながら、評価を行った。得られた画像について以下の評価基準により性能をランク付けした。
A:クリーニングブレード起因の画像不良(画像上スジ)が通常評価でも2倍評価でも発生しない。
B:クリーニングブレード起因の画像不良(画像上スジ)が通常評価では発生せず、2倍評価で軽微に発生するが、実使用上は問題ない。
C:クリーニングブレード起因の画像不良(画像上スジ)が通常評価では発生しないが、2倍評価では発生する。
D:クリーニングブレード起因の画像不良(画像上スジ)が通常評価でも2倍評価でも軽微に発生するが、実使用上問題ないレベルである。
E:クリーニングブレード起因の画像不良(画像上スジ)が通常評価でも2倍評価でも発生する。
<3.クリーニングブレードのエッジ欠け評価>
上記、クリーニング性能評価終了後(2倍評価)に、クリーニングブレードをカートリッジから取り外し、デジタルマイクロスコープ(商品名:本体VHX−5000、レンズVH−ZST、キーエンス社製)にて1000倍に拡大して観察を行った。クリーニングブレードの弾性部材の第一の面(下面5)の先端部を観察面とし、図8に示すように支持部材が上方で弾性部材の先端部が下方となるように斜め45°に傾けた位置に設置し、長手方向の全域を観察した。図8の部分拡大図に示すように、エッジ欠け部の短手方向の距離の最大値を「エッジ欠け量」として測定し、以下の評価基準により性能をランク付けした。
A:エッジ欠けは発生しない。
B:エッジ欠け量は2μm未満である。
C:エッジ欠け量は2μm以上5μm未満である。
D:エッジ欠け量は5μm以上である。
<4、総合評価>
クリーニング性能の画像評価のランク、及びクリーニングブレードのエッジ欠け評価の評価結果のランクを基に、下記の通り総合評価を行った。
A:評価結果が、A/A、A/B、またはB/Aの組合せである。
B:評価結果が、A/C、C/A、B/B,B/C、またはC/Bの組合せである。
C:評価結果が、C/Cの組合せである。
D:評価結果にEは無いが、Dが1つ以上ある。
E:評価結果にEが1つ以上ある。
<5.クリーニングブレードのめくれ評価(参考)>
上記、クリーニング性能の評価では、めくれや異音の発生はしなかったが、参考として通常使用よりも厳しい環境下におけるクリーニングブレードのめくれ評価を下記の通り実施した。
クリーニング性能の評価とは別の新しいブラックカートリッジに、本実施例のクリーニングブレードを、被クリーニング部材である感光ドラム用のクリーニングブレードとして組み込み、高温、高湿度環境(温度30℃、相対湿度80%)下で、1万枚の画像形成を行なった。その後、現像機をはずしたカートリッジを空回転機(感光ドラムを回転させながら、カートリッジを保持する冶具が付いている装置)にセットした。同環境下にて、感光ドラムの回転数170rpmで空回転を行い、10分間クリーニングブレードの先端部の状態を観察した。クリーニングブレードの先端部の観察は、カートリッジを加工し、CCDカメラ等を設置して行った。以下の評価基準により性能をランク付けした。
A:めくれ及び異音(ビビり音)は発生しない。
B:めくれは発生しないが、異音(ビビり音)は発生する。
C:めくれは発生する。
〔実施例2〜7、10〜12及び15〜16〕
硬化領域の形成における、硬化領域形成用材料の温度、浸漬時間、並びに、加熱条件(温度・時間)、弾性部材成型後経過時間を表2に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、弾性部材の5つの表面及びこれらの表面下の内部に硬化領域が形成されたクリーニングブレード2〜7、10〜12及び15〜16を得た。評価結果を表4に示す。
〔実施例8〕
硬化領域の形成における、硬化領域形成用材料の温度、浸漬時間、並びに、加熱条件(温度・時間)を表2に示す条件に変更した。また、硬化領域の形成における、浸漬面を4面(当接面、頂面、長手方向の両端面)とした。これら以外は、実施例1と同様にして、これら4面及びこれらの表面下の内部に硬化領域を有する、クリーニングブレード8を得た。評価結果を表4に示す。
〔実施例9〕
硬化領域の形成における、硬化領域形成用材料の温度、浸漬時間、並びに、加熱条件(温度・時間)を表2に示す条件に変更し以外は、実施例1と同様にして、一体成型体の5つの表面及びこれらの表面下の内部に硬化領域を形成した。次いで、この一体成型体を冷却して、長手方向の距離が240mmとなるように弾性部材の両端部を切断し、3面(第一の面、第二の面、第一の面に対向する面)及びこれらの表面下の内部に硬化領域を有する、クリーニングブレード9を得た。評価結果を表4に示す。
〔実施例13〕
実施例1と同様にして支持部材と弾性部材の一体成型体を製造した。実施例1と同様の硬化領域形成用材料を70℃に加熱し、スプレー吐出量を2秒間で20mgに設定し、該弾性部材の先端部の下面(エッジからZ方向の距離3mmの領域、第一の面)に、弾性部材を50mm/sで移動させながら、スプレー塗工を行った。次いでこの一体成型体を温度25℃、相対湿度50%の環境下に10分間放置した後、電気炉内にて温度180℃で3分間熱処理を行った。次に、冷却を行い、短手方向及び長手方向が所定の寸法になるように弾性部材を切断してクリーニングブレード13を得た。硬化領域の形成は弾性部材の下面(第一の面)のみの1面である。評価結果を表4に示す。
〔実施例14〕
実施例1と同様にして支持部材と弾性部材の一体成型体を製造した。次いで、硬化領域形成前に、この弾性部材の短手方向が所定寸法になるように切断した。次に実施例1と同様の硬化領域形成用材料を80℃に加熱し、塗布量が20滴で18mgになるよう設定し、ディスペンサを用いて弾性部材の立面(第二の面)に、弾性部材を100mm/sで移動させながら、塗布した。次いでこの一体成型体を温度25℃、相対湿度50%の環境下に10分間放置した後、電気炉内にて温度130℃で30分間熱処理を行った。次に、冷却を行い、長手方向の距離が240mmとなるように弾性部材を切断してクリーニングブレード14を得た。硬化領域の形成は弾性部材の立面(第二の面)のみの1面である。評価結果を表4に示す。表3に実施例13と14の製造条件の違いを示す。
〔比較例1〕
この比較例は弾性部材に硬化領域を形成しない例である。実施例1と同様にして支持部材と弾性部材の一体成型体を製造した。次いで、この弾性部材の短手方向が7.5mm及び長手方向が240mmになるように切断して、クリーニングブレード21を得た。評価結果を表4に示す。
〔比較例2及び3〕
硬化領域の形成における、硬化領域形成用材料の温度、浸漬時間、並びに、加熱条件(温度・時間)、弾性部材成型後経過時間を表2に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして、弾性部材の5面及びこれらの表面下の内部に硬化領域が形成されたクリーニングブレード22及び23を得た。評価結果を表4に示す。
〔比較例4〕
硬化領域の形成における、硬化領域形成用材料の温度、浸漬時間を表2に示す条件に変更した。加熱処理は実施しなかった。これら以外は、実施例1と同様にして、弾性部材の5面及びこれらの表面下の内部に硬化領域が形成されたクリーニングブレード24を得た。なお、弾性部材の成型から24時間経過後に硬化領域の形成を行った。評価結果を表4に示す。
Figure 2017134386
Figure 2017134386
Figure 2017134386
実施例1〜14では、いずれも、硬化領域の表面のダイナミック硬度DHsが式(1)の条件を満たし、かつ、自由端の内部におけるダイナミック硬度の最大値DHmが式(2)の条件を満たすことから、被クリーニング部材の表面のクリーニングに必要な当接圧が確保され、それによってクリーニング性能が保たれ、かつ長期の使用によってもクリーニングブレードの先端部のエッジ欠けが低減されるという、良好な結果が得られた。中でも実施例1、8、15及び16はより、良好であった。
実施例1〜12では、硬化領域が、前記弾性部材の被クリーニング部材に当接されるエッジを形成する第一の面と第二の面の両面に形成されていることで、クリーニング時における先端部の挙動が安定し、よりクリーニング性の良好な結果が得られた。
実施例1〜11では、前記DHmが前記DHsの10倍以下であることにより、当接面内部の硬化領域の硬度が大き過ぎないため、弾性部材の先端部のゴム弾性が損なわれ難く、被クリーニング部材との追従性が良化し、よりクリーニング性の良好な結果が得られた。
実施例1〜10では、ダイナミック硬度がエッジから前記DHmを示す位置に至るまで漸増しているため、エッジから前記DHmを示す位置の間に極端に硬度の高い領域が存在せず、より長期の使用時にもエッジ欠けが発生しにくい結果が得られた。
実施例1〜8及び10〜12では、長手方向の両端面が硬化表面を有するために、両端部の剛性を向上させることができ、クリーニングブレードのめくれをより一層低減させることができる結果が得られた。
1 クリーニングブレード
2 弾性部材
3 支持部材
4 先端部
5 弾性部材の下面
6 弾性部材の立面
7 エッジ
8 被クリーニング部材
9 端部
X 長手方向
Y 厚み方向
Z 短手方向
R 被クリーニング部材の回転方向

Claims (9)

  1. 弾性部材と、該弾性部材を支持する支持部材とを具備するクリーニングブレードであって、
    該弾性部材の自由端部分に、エッジと、該エッジを構成する第一の面および第二の面を有し、
    該第一の面および該第二の面のいずれか一方または両方が、硬化表面を有し、
    該硬化表面のダイナミック硬度をDHs(mN/μm)とし、
    該弾性部材の長手方向に直交する断面内において、該エッジの角度を二等分する直線上の、該エッジからの距離Lが、0μm<L≦100μmの各位置におけるダイナミック硬度のうちの最大値をDHm(mN/μm)としたとき、
    下記式(1)および式(2)で示される関係を満たすことを特徴とするクリーニングブレード:
    式(1) 0.1≦DHs≦0.4
    式(2) DHs<DHm 。
  2. 前記直線上の各位置におけるダイナミック硬度のうちの最大値を示す位置が、前記エッジから20μm以上100μm以下の距離にある請求項1に記載のクリーニングブレード。
  3. 前記直線上におけるダイナミック硬度が、前記エッジから前記DHmを示す位置に至るまで漸増している請求項1または2に記載のクリーニングブレード。
  4. 前記DHmが前記DHsの1.1倍以上である請求項1〜3のいずれかの一項に記載のクリーニングブレード。
  5. 前記DHmが前記DHsの10倍以下である請求項1〜4のいずれかの一項に記載のクリーニングブレード。
  6. 前記弾性部材の長手方向の両端面が硬化表面を有する請求項1〜5のいずれかの一項に記載のクリーニングブレード。
  7. 前記硬化表面が、前記第一の面及び前記第二の面の両方に存在する請求項1〜6のいずれかの一項に記載のクリーニングブレード。
  8. 請求項1〜7のいずれかの一項に記載のクリーニングブレードを有するプロセスカートリッジ。
  9. 請求項1〜7のいずれかの一項に記載のクリーニングブレードを有する電子写真画像形成装置。
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