JPH05201014A - 改善されたインクジェットヘッド用クリーニング部材及び該クリーニング部材を備えたインクジェット装置 - Google Patents

改善されたインクジェットヘッド用クリーニング部材及び該クリーニング部材を備えたインクジェット装置

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JPH05201014A
JPH05201014A JP24370492A JP24370492A JPH05201014A JP H05201014 A JPH05201014 A JP H05201014A JP 24370492 A JP24370492 A JP 24370492A JP 24370492 A JP24370492 A JP 24370492A JP H05201014 A JPH05201014 A JP H05201014A
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春男 内田
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博司 田鹿
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 インクジェット記録ヘッドのインク吐出面に
付着した付着物を除去するクリーニング部材で、エーテ
ル系ポリウレタンゴム弾性体からなり、かつその硬化剤
成分が2官能成分のみで構成されている、またはポリウ
レタンゴム弾性体からなり、かつその硬化剤成分が2官
能成分のみで構成され、さらに前記ポリウレタンゴムと
化学結合し得る活性基を有する撥水性付与物質が含有さ
れているインクジェット記録ヘッド用クリーニング部
材、およびこれを用いた装置を提供する。 【効果】 クリーニングブレードが均一に摩耗すること
で、インク拭き残し、ノズルからのインク引き出しがな
くなり、長期にわたり良好な画像が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】インクを吐出して記録などを行な
うインクジェットヘッドの吐出口面に付着した付着物を
除去する改善されたクリーニング部材及び該クリーニン
グ部材を備えたインクジェット装置に関する。
【0002】前記クリーニング部材は、ポリウレタンプ
レポリマーに対して2官能硬化剤を使用し、さらに撥水
性付与物質を添加したもので構成され、特にクリーニン
グ耐久性の点で従来のクリーニング部材を卓越する。
【0003】
【従来の技術】米国特許第4,723,129号明細書
や米国特許第4,740,796号明細書等に記載され
ているインクジェット方式によれば、高速高密度で高精
細高画質の記録を得ることができる。
【0004】また、インクジェット方式によれば、カラ
ー記録等も容易に達成することが可能であり、さらには
半導体技術を利用して記録ヘッドを製造することができ
るために装置にコンパクト化なども達成できる。
【0005】このようなインクジェット方式には、極め
て微細な口径の複数のインク吐出口を備えたインクジェ
ットヘッドが用いられる。
【0006】記録を行う際には、それらのインク吐出口
から所定の記録信号の入力に応じてインクが吐出され、
被記録媒体上に付着させる。
【0007】従来のインクジェットヘッドには、連続的
にインクを吐出し、吐出されたインクを選択的に被記録
媒体に付着させるコンティニュアス形式、記録に必要な
インク滴のみを間欠的に吐出するオンデマンド形式等が
ある。
【0008】オンデマンド形式のインクジェットヘッド
については、被記録媒体の記録幅に対応して複数の吐出
口を配列させたフルラインタイプのものと、インクジェ
ットヘッドを被記録媒体に対して相対的に移動させて記
録を行うようにしたシリアルスキャニングタイプのもの
が代表的に知られている。
【0009】このようなインクジェットヘッドを用いた
インクジェット装置においては、インクジェットヘッド
に関して次のような問題がある。即ち、微細な口径で形
成された吐出口から粒子化されたインクを吐出するイン
クジェットヘッドの場合、記録装置内に存在しているゴ
ミ、ホコリあるいは被記録媒体からの紙粉さらには、イ
ンク滴等が図7(a)、(b)に示されるように吐出口
面や吐出口近傍に付着することがある。これらの付着物
の影響によって、吐出口から吐出されるインク粒子の飛
行軌道を不安定にしたり、あるいは付着物が乾燥凝固し
てインク吐出口を閉塞し、吐出不能とすることがある。
【0010】この問題を解決する手段の一つとして、ポ
リエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム、
水素化ニトリルゴム、シリコーンゴム等の弾性部材より
なるブレードを用いて、吐出口面を摺擦して付着物をぬ
ぐいさるブレードクリーニング法が知られている。
【0011】ところで、インクジェット記録装置は単色
で記録を行うものに加え、例えばイエロー、マジェン
タ、シアン、ブラック等の4色のインクを吐出する4つ
のインクジェットヘッドを具備したフルカラー対応のも
のの需要が高まっている。このように4色のインクを用
いて色調を変化させる記録では、1つのドットに対して
複数の異なるインクを吐出させる必要があるため、吐出
精度が従来の単色記録を行う装置以上に要求される。
【0012】したがって、各色を吐出する記録ヘッドの
吐出口面の状態を常時清浄化し、常に安定したインク吐
出状態が維持される必要がある。
【0013】このようなフルカラー記録装置におけるク
リーニングブレードの利用形態としては、各記録ヘッド
毎に独立したクリーニングブレードを設けるものや、各
記録ヘッドを共通の1枚のクリーニングブレードでクリ
ーニングするものがある。特に記録装置内における占有
面積を小さくし、コンパクト化を図る観点からは、1つ
のクリーニングブレードで4つの記録ヘッドをクリーニ
ングするクリーニング方法が好適である。
【0014】このようなクリーニング方法では、連続し
て異なるインクを吐出する記録ヘッドをクリーニングす
るため、インクがブレード上で混色し、画像の色不良を
生じるおそれがある。この問題を解決するクリーニング
方法の1つとして、相対的に淡いインクを吐出する記録
ヘッドから濃いインクを吐出する記録ヘッドへと順にク
リーニングすることで、淡いインクを吐出する記録ヘッ
ドにおける混色の影響を実質的になくする方法が提案さ
れている。
【0015】また、別の方法として、カラーインクジェ
ットヘッドそれぞれの間にインク吸収体等を配設し、ク
リーニングブレードで1つのヘッドをクリーニング後、
前記インク吸収体でクリーニングブレード上に付着した
インクを拭き取る構成が提案され、次のヘッドをクリー
ニングする時には、先にクリーニングしたヘッドのイン
クの影響が及ばないようにされている。
【0016】以下、後述の提案方法を図1を用いて簡単
に説明する。インクジェットヘッド1を有する主走査キ
ャリッジ2が主走査レール3上を移動する。また記録装
置の記録領域をはずれた非記録領域には、インクジェッ
トヘッド1の吐出口面1aと接触する位置にクリーニン
グブレード4を配置する。5はクリーニングブレード4
を固定するホルダーである。主走査キャリッジ2が矢印
A方向に移動走査することにより、非記録領域に設けら
れたクリーニングブレード4が吐出口面1aを摺擦し、
吐出口面1aに付着したインク滴、紙粉、ゴミ等の付着
物Xをクリーニングブレード4のエッジを利用して吐出
口面1aから除去する。そして、クリーニングブレード
4上に付着したインクを各インクジェットヘッド間に設
けられたインク吸収体6にて除去し、クリーニングブレ
ード4は清浄化された状態で次のインクジェットヘッド
をクリーニングする。したがって、異なるインクを吐出
する全記録ヘッドは、全て清浄化された状態のクリーニ
ングブレードで良好に記録ヘッド間で混色を生じること
なくクリーニングできる。
【0017】この場合、1回のクリーニング動作で、配
設されているインクジェットヘッドの数だけクリーニン
グブレードとヘッドとが摺擦することになり、従来に比
べブレードのヘッド摺擦回数が増加する。
【0018】一方、インクジェット記録分野では、近
年、下述する観点で、高速記録化についての研究開発
と、記録ヘッドを交換タイプとして1機種で極めて多量
の記録を可能とするための研究開発とがなされている。
【0019】例えば、高速記録装置では、単位時間当り
に吐出されるインク量が多くなるため、記録ヘッドの吐
出口面にインクが付着しやすくなり、それによって発生
する弊害を除く目的で記録ヘッドのクリーニングのタイ
ミングを短くし、数多いクリーニングを行う必然性があ
る。
【0020】また、多量の記録を可能とする装置にあっ
ては、記録ヘッドを複数回交換して長期間にわたっての
使用がなされるため、ブレードによって記録ヘッドをク
リーニングする回数が極めて多くなる。
【0021】このように各種のインクジェット記録装置
において、クリーニングブレードによるクリーニング動
作は、極めて多数回にわたって繰り返されることにな
る。ましてや、前述のカラー記録を行う場合には図1で
説明したように記録ヘッドの吐出口面だけでなく、ヘッ
ド間に設けられたインク吸収体とも摺擦するために、ブ
レードの摺擦回数は一層増加する。
【0022】したがって、これからのクリーニングブレ
ードにとってはその特性として耐久性の向上がより一層
望まれる。
【0023】ところで、ブレードクリーニング法に用い
られるクリーニングブレード用弾性部材としては、従来
シリコーンゴム、水素化ニトリルゴム、ポリエステルウ
レタンゴム、ポリエーテルウレタンゴム等が利用されて
いるが、それぞれ以下のような課題を有している。
【0024】シリコーンゴムは耐摩耗性が低く、インク
ジェットヘッド、インク吸収体との連続した摺擦により
シリコーンゴムの摩耗が生じ、ブレードのエッジ部分を
利用して行われるクリーニングが十分に行われなくなる
場合がある。つまり、摩耗の生じたクリーニングブレー
ドは、ヘッド吐出口面との接触部からのインクのすり抜
けを生じたり、付着物の除去が十分に行えない。そのた
め、クリーニング不良による残インクや残付着物によっ
て吐出されるインク粒子の飛行軌道が不安定となり、画
像不良(ヨレや不吐出によるスジ)を生じたり、クリー
ニング部材の摩耗粉がインクジェットヘッドのノズルに
詰まり、インク吐出を妨げ、画像不良(不吐出によるス
ジ)となることがある。また、シリコーンゴム中のシリ
カ等の無機フィラーによりインクジェットヘッドの吐出
口近傍を傷つけ、インク粒子の飛行軌道を不安定にして
画像不良とさせる場合がある。またさらにはシリコーン
ゴム中のオイル成分がインクを変質させることによる画
像不良(発泡不良によるショボ印字がスジを発生する)
を生じることもある。さらに熱エネルギーを用いて液滴
を吐出エレメントから吐出させて記録を行うインクジェ
ット方式にシリコーンゴムブレードを用いた場合、シリ
コーンゴム中のオイル成分がインク吐出口部に侵入し、
熱エネルギーを付与するための発熱体が該オイル成分に
より焼けつきを起こし、インク吐出が不能となって画像
不良となるおそれがある。
【0025】また、水素化ニトリルゴムは、シリコーン
ゴムと同様に耐摩耗性が低く、特に前述したようなイン
ク吸収体を具備したカラーインクジェット記録装置に適
用した場合、インクジェットヘッド及びインク吸収体と
の摺擦により長期の使用においてブレードの著しい摩耗
が生じ、インククリーニングが十分に行われなくなり、
ノズル近傍にインクや付着物を残し、吐出精度を悪化さ
せたり、色ずれ等の画像不良の原因となるなど耐久性が
十分とはいえない。さらに水素化ニトリルゴムは、その
ゴム硬度を低くするためにオイル成分を含有させている
が、そのオイル成分がシリコーンゴムの場合と同様、オ
イル成分のヘッド内への侵入により発熱体の焼き付けや
インクの組成を変化させてしまう恐れがある。
【0026】さらに、ポリエステルウレタンゴム、ポリ
エーテルウレタンゴム等のウレタンゴム系は、無機フィ
ラー、オイル成分を添加する必要がないので、フィラー
によるヘッド吐出口面の損傷、オイル成分による弊害は
無く、さらに耐摩耗性に比較的優れているので、現在イ
ンクジェットヘッド用クリーニングブレード材料として
多用されている。
【0027】ところが、ウレタンゴムは摩耗性に優れて
いるものの、図1に示したようなカラーインクジェット
記録装置に適用した場合、4つのインクジェットヘッド
及びインク吸収体と連続的に摺擦することによりクリー
ニングの回数が極めて増加するような場合、図4(b)
に示すようにブレードのエッジ部に材料の欠け落ちが発
生し不均一な摩耗(粗面化状態)を生じる。このような
不均一な摩耗はクリーニング動作において十分にインク
をクリーニングできず、欠け落ちの発生部分から図8
(b)に示すようにインク抜け10Bが生じて、ノズル
近傍にインクを残留させてしまう。その結果、インク吐
出時にノズル近傍の残インクが吐出インクの飛行軌道を
狂わす、いわゆるヨレ不良を生じさせてしまうおそれが
ある。さらに不均一な摩耗が大きくなり、残インク量が
多くなると、吐出インクが残インクに引き込まれ、印字
を行わない、いわゆる不吐出が生じる場合がある。加え
て、ブレードエッジ部に不均一な摩耗が生じた場合、ブ
レードの押し付け圧が欠け落ちていないエッジ部に集中
してインク(メニスカス部)との接触面積が増大し、ノ
ズルからインク引き出しを促進してしまうことがおこり
得る(図5(b))。
【0028】また、ポリエステルウレタンゴムは、その
構造上、加水分解を起こし易く、空気中の水分、あるい
は水系インクを用いるインクジェット記録装置の場合は
インク中の水分によりゴムが劣化し、弾性力を失うこと
で、エッジに正常な当接圧が加わらなくなり、長期使用
には耐えない場合もあった。
【0029】さらに、ウレタンゴムは、その構造中に極
性基を有するため、一般にインクジェット記録装置に用
いる水系インクを吸収し易く、そのため長期にインクと
接触しているとウレタンゴムがインクにより膨潤してし
まう。その結果、クリーニング時にノズル内部のインク
をクリーニングブレードがその親和力で引っ張り出し
(図5(b))ノズル近傍にインクが残留し、その残留
インクによってインクの吐出方向が影響され吐出精度を
悪くするヨレ不良の原因となったり、クリーニング後に
ブレード表面に残留したインクが取れ難くなり、ブレー
ド汚れとして残り、次のクリーニング時にクリーニング
性能を低下させる原因となってしまう場合がある。特
に、多色のインクを用いるインクジェット記録装置に適
用した場合には前述したように吐出精度不良による色ず
れが問題となり、さらにクリーニングブレードでヘッド
から拭き取った残留インクをインク吸収体で除去する段
階で、クリーニングブレードとインクとの親和力が強い
と十分にインクを除去できず、混色の原因となる場合も
ある。
【0030】前述したような各種ブレード材料における
課題は1回の印字枚数が比較的少なく、その使用頻度も
余り多くない現在のパーソナルタイプの記録装置ではあ
まり問題とならない。つまり、パーソナルタイプの装置
は単色記録を実行するものが一般的であり、その使用状
態も前述のように1回の記録枚数が少なくクリーニング
が頻繁に行われるような頻度の高い使用がなされない場
合が多いためである。
【0031】ところが前述したようなフルカラータイプ
の記録装置や、高速記録装置さらには記録ヘッド交換タ
イプの長期使用可能装置などに対しては、パーソナル機
に比べ印字品位を回復向上させるために使用されるクリ
ーニングブレードの使用頻度が格段に高く、高い信頼性
あるいは耐久性などが要求される。特にフルカラー記録
装置ではクリーニングブレードは前述したように1回の
クリーニング動作で例えば複数の記録ヘッドと複数の吸
収体と連続的に摺擦されるためヘッド等との摺擦回数が
実質上極めて多くなり、やはり高い信頼性が要求され
る。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下にあ
って、本発明は特に高品位の画像が要求されるようなあ
るいは長期使用がなされるようなタイプの記録装置のク
リーニング用ブレードとして好適な材料を提供しようと
するものである。
【0033】本発明者らは、前述の課題を改善せんと各
種検討した結果、各種のブレード材として挙げられたも
ののうち、特にインクや記録ヘッドに対して影響を及ぼ
しやすい無機フィラー、オイル成分などの添加が不要で
あり、比較的耐摩耗性にも優れているポリウレタンゴム
系の材料に着目した。そしてこの材料を用い構成材料の
選択や添加剤の変更、調整などの各種の実験を行い、次
のような見解を得た。
【0034】まず、クリーニングブレードの摩耗性の改
善についての見解を示す。
【0035】一般に、ポリウレタンゴムの硬化剤として
は鎖延長剤である2官能成分と架橋剤である3官能以上
の多官能成分とが使用されている。
【0036】多官能成分は近傍の分子を化学的な結合で
つなぐために、ゴムに変形が加わった場合に、近傍分子
間の滑り、ずれ等を発生し難くする役割に関与する。そ
の結果、永久変形し難く、圧縮永久歪みが小さいゴムを
製造することができる。しかし、この多官能成分は、近
傍の分子の動きを拘束するため、ウレタンゴム中の極性
基間の相互作用(凝集)、主鎖分子間の相互作用(結晶
化)を妨げてしまう。その結果、ゴムの強度(引き裂き
強度、引っ張り強度)を低下させてしまう。特にポリエ
ーテル系ウレタンの場合、多官能成分の有無による引っ
張り強度、引き裂き強度の違いが顕著に現れる。
【0037】本発明者らの検討によると、多官能成分の
有無により摩耗形態が異なることが明らかとなった。即
ち、多官能成分を有するゴムの配合にて作製したポリエ
ーテルウレタンゴムを後述する図9に示したようなイン
クジェット記録装置に用いて摩耗の検討を行ったところ
クリーニングブレードの記録ヘッドの吐出口面との摺擦
部分に図4(b)に示されるような材料の部分的欠け落
ち(チッピング)が発生し不均一な摩耗形態となること
がわかった。一方、2官能成分のみを有するゴム配合に
て作製したポリウレタンゴムは図4(a)に示されるよ
うにブレードの摺擦面に欠けは無く均一な摩耗形態とな
ることがわかった。
【0038】この摩耗形態の違いは、インクジェット記
録装置用クリーニングブレードにおいて大きな問題とな
る。即ち、図4(b)に示されるように欠け落ちによる
不均一な摩耗が生じた場合、クリーニング動作時に欠け
落ちた部分から図8(b)に示されるようにインクのす
り抜け10Bが生じ、ノズル近傍にインクを残留させ、
ヨレ、不吐出等の印字不良の原因となる。さらに欠け落
ちが生じるとブレードのヘッドに対する押し付け圧が、
欠けの生じていないエッジ部に集中し、その結果、ノズ
ルからのインク引き出しを引き起こしてしまう。一方、
2官能成分により構成されたポリウレタンゴムは均一な
摩耗を生じるので、ブレードエッジ部の欠けが無く、イ
ンクのすり抜けは生じず、さらに均一に圧力が掛かるた
めノズルからのインク引き出しを最小限に抑えることが
でき、図8(a)に示されるように良好なクリーニング
がなされる。
【0039】ここでインクの引き出しについて図2、図
3を参照して説明する。
【0040】記録ヘッドのインク吐出口面1aを摺擦す
るクリーニングブレード4は、適当な圧力で押圧されて
いる。そのため、前述のように欠けが生じたクリーニン
グブレード4では、欠けの生じていないエッジ部分に応
力が集中し図2に示されるようにクリーニングブレード
4の該エッジ部分がインク吐出口1bの内方に侵入する
ことがある。ところで、インク吐出口1bではインク液
路内に存在するインクが有する所定表面張力とインクに
かかる負圧力とによってメニスカスMが形成されてい
る。
【0041】このようにブレード4の応力が集中したエ
ッジ部分がインク吐出口1b内に侵入した時、その侵入
量によっては、エッジ部分とインクのメニスカスM部分
とが接触する場合があり、このように接触した状態でブ
レードが移動すると、ブレードと接触したインクが吐出
口1bの外に引き出されることになる(図5(b))。
尚、ここで、クリーニングブレード4と記録ヘッドのイ
ンク吐出口面1aとの間に存在するインク溜りは、クリ
ーニング動作でかきとってきたインクを示している。
【0042】これに対して、硬化剤として2官能成分の
みを用いて形成したポリエーテルポリウレタン系のクリ
ーニングブレードでは欠けなどが発生せず、応力集中す
ることがないため、そもそもブレードのエッジ部分が吐
出口1b内に侵入する現象自体がおこりにくい。
【0043】また、ブレードのエッジ部分の吐出口内へ
の侵入が発生したとしても、その侵入量が極めて少ない
のでメニスカスMとの接触が生じにくい。さらに、2官
能成分の硬化剤のみを使用したポリウレタン系のクリー
ニングブレードは、均一な摩耗を示す。従って、図3の
破線で示されるようにクリーニングブレードの摩耗が生
じたとしても吐出口1b内には、ブレードのエッジ部分
は極めて侵入しにくい。また、仮に摩耗が生じたクリー
ニングブレードのエッジが吐出口内に侵入したとして
も、極めてわずかの侵入量であり、インクのメニスカス
Mと接触することがほとんど生じ得ない。つまり、クリ
ーニングを実行しても吐出口からのインク引き出しを極
めて起こし難いのである。
【0044】一方、クリーニングブレードの撥水性の改
善に関して以下のような見解を得た。
【0045】図2に示すように、クリーニング動作中に
ブレード4が吐出口1b内へ侵入し、ブレードの移動に
伴って吐出口内に形成されたインクのメニスカスMと接
触し、ブレードに付着したインク(インク自身の表面張
力とブレードの撥水性によってインクの引き出し量は変
化する)を吐出口の外に引き出す現象は、ブレード材料
の撥水性によっても異なる。ここで、図6に接触角と付
着面積との関係を示す。 図6から明らかなように、ブ
レード材料の接触角θが小さいほどブレードに対するイ
ンク付着面積が大きく、接触角θが大きいほどインク付
着面積が小さくなる傾向を示している。つまり、ブレー
ド4が吐出口を通過し終る時にブレードと吐出口1bと
が接している部分のインク接触角がインク引き出し量と
関係し、ブレードの撥水性が低い程、接触角が小さくな
り、ブレードに付着するインク量が増すためにインク引
き出し量が多くなる傾向を示す。したがって、ブレード
材料に対してインクが付着しやすい条件では吐出口部分
で一旦ブレードに付着したインクはブレードから離れる
ことなくクリーニングによるブレードの移動とともに吐
出口からインクが容易に引き出される結果を招いてしま
う(図5(b))。
【0046】すなわち、クリーニングブレードに撥水性
を持たせることによって、インクとクリーニングブレー
ドとの接触角が大きくなり、インクの付着を少なくで
き、クリーニングによるインクの引き出し量を低下さ
せ、良好なクリーニング状態を達成することができる。
【0047】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述したよう
な本発明者らによってなされた検討結果に基づきなされ
たものであって、ポリウレタンプレポリマーに対して2
官能硬化剤を使用し、さらには撥水性付与物質を添加し
た材料によってブレードを形成し、これを使用すること
で長期にわたって記録を行い、その間に繰り返しクリー
ニングを行ってもクリーニングブレードの欠け等による
不均一な摩耗がなく、長期使用においても常に良好なク
リーニングを維持でき、インクジェットヘッドのノズル
部よりのインク引き出しを防止するインクジェットヘッ
ド用のクリーニングブレードを提供することにある。
【0048】また、耐摩耗性に優れた弾性部材にさらに
撥水性を付与することにより、クリーニングブレードか
らのインクぎれをよくし、吐出口からのインク引き出し
をなくし、良好な画像を与え得るインクジェットヘッド
用クリーニングブレードを提供することにある。更に、
これらクリーニングブレードを使用したインクジェット
記録装置を提供することも目的とする。
【0049】また、本発明は、インクを吐出して記録媒
体上に記録を行うインクジェット記録ヘッドのインク吐
出面に付着した付着物を除去するクリーニング部材にお
いて、該クリーニング部材は、エーテル系ポリウレタン
ゴム弾性体からなり、かつ前記エーテル系ポリウレタン
ゴム弾性体の硬化剤成分が2官能成分のみで構成されて
いることを特徴とするインクジェットヘッド用クリーニ
ング部材である。
【0050】さらに本発明は、インクを吐出して記録媒
体上に記録を行うインクジェット記録ヘッドのインク吐
出面に付着した付着物を除去するクリーニング部材にお
いて、前記クリーニング部材は、ポリウレタンゴム弾性
体からなり、かつ前記ポリウレタンゴム弾性体の硬化剤
成分が2官能成分のみで構成され、さらに前記ポリウレ
タンゴムと化学結合し得る活性基を有する撥水性付与物
質が含有されていることを特徴とするインクジェットヘ
ッド用クリーニング部材である。
【0051】さらに本発明は、水系インクを吐出して記
録媒体上に記録を行うインクジェットヘッドを搭載可能
な支持部材を備えたインクジェット装置であって、前記
支持部材を、前記記録媒体が搬送される記録領域と該領
域を外れた非記録領域との間で走査する手段と、前記非
記録領域には、前記ヘッドの吐出口面をクリーニングす
ることが可能なクリーニングブレードを備えており、該
クリーニングブレードは、エーテル系ポリウレタンゴム
弾性体からなり、かつ前記エーテル系ポリウレタンゴム
弾性体の硬化剤成分が2官能成分のみで構成されている
ことを特徴とするインクジェット装置である。
【0052】さらに又、本発明は、水系インクを吐出し
て記録媒体上に記録を行うインクジェットヘッドを搭載
可能な支持部材を備えたインクジェット装置であって、
前記支持部材を前記記録媒体が搬送される記録領域と該
領域を外れた非記録領域との間で走査する手段と、前記
非記録領域には、前記ヘッドの吐出面をクリーニングす
ることが可能なクリーニングブレードを備えており、前
記クリーニングブレード部材は、ポリウレタンゴム弾性
体からなり、かつ前記ポリウレタンゴム弾性体の硬化剤
成分が2官能成分のみで構成され、さらに前記ポリウレ
タンゴムと化学結合し得る活性基を有する撥水性付与物
質が含有されていることを特徴とするインクジェット装
置である。
【0053】ここで、本発明のクリーニングブレードの
材料として好適に使用されるウレタン原料としては、エ
チレンアジペート系、ラクトン系のポリエステル系、ポ
リカーボネート系、ポリエーテル系等を任意に使用でき
る。特に加水分解性を考慮すれば、ポリエーテル系ウレ
タンが好ましい。ポリエーテル系ウレタン材料として
は、下記一般式 HO(CH2CH2CH2CH2O)nH で表されるポリオキシテトラメチレングリコール(以下
PTMEGと略記する)とポリイソシアネートとの反応
により得られるポリエーテルウレタン原料で、市販の製
品としては、バイブラセンB625、B635、B67
0、B821、B836(商品名、ユニロイヤル社
製)、アジプレンM400、M415、M467、M4
83、LW520、LW570(商品名、デュポン社
製)等が挙げられる。他のポリエーテルウレタン原料と
しては、一般式 HO(CH2CH2CH2O)nH で表されるポリオキシプロピレングリコール(以下PP
Gと略記する)とポリイソシアネートとの反応により得
られるポリエーテルウレタン原料で、市販の製品とし
て、バイブラセンB843(商品名、ユニロイヤル社
製)等が挙げられるが、これに限定されるものではな
い。
【0054】尚、上記ポリオールと反応せしめられるイ
ソシアネートは特に限定されるものではなく、従来から
ポリウレタン製造に使用されるイソシアネートを使用す
ることができ、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネ
ート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、水素化ジ
フェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
【0055】また前述したようにブレードが均一な摩耗
性を示すために必要な上記ポリウレタン原料の硬化剤と
しては、2官能性の硬化剤であることが必要である。2
官能性硬化剤としては、例えば、4,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ハイ
ドロキノンエチロールエーテル、ビスフェノールA、メ
チレンビスオルトジクロロアニリン、トリエチレングリ
コールパラアミノベンゾエート等の硬化剤、及び市販さ
れている硬化剤としてバイブラキュア−A120、A9
31(商品名、ユニロイヤル社製)、MOCA等、及び
これらの混合物を用いることができる。これらの中でも
耐加水分解性が良好であること及び結晶性を阻害しない
ことから直鎖のジオールのものが好ましい。尚、本発明
において2官能性の硬化剤のみを使用するとは、不純物
程度に多官能性硬化剤が含まれてしまうことを防げるも
のではない。
【0056】また上記ポリウレタン原料の硬化剤として
は前述の2官能性の硬化剤だけでなく、以下に示す撥水
性付与部材を添加することを条件として多官能性の硬化
剤も使用可能である。例えば、多官能性の硬化剤として
は、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
グリセリン等の一般的なウレタン硬化剤、及び市販され
ている硬化剤として、バイブラキュアA125、A51
0、A567、バイブラセン3080、3095(商品
名、ユニロイヤル社製)、及びこれらの混合物を挙げる
ことができる。
【0057】加えて、本発明で用いるブレードのインク
に対する引き出し性を改善する撥水性付与物質として
は、長期使用において撥水性付与物質がブリードし、撥
水性が経時的に低下することを防止するため、ポリウレ
タン材料と化学結合し得る水酸基、アミノ基、エポキシ
基、イソシアネート基等の活性基を1分子中に1個以上
有する撥水性付与物質が好ましく、またクリーニングブ
レードがインクを吸収し、膨潤状態となった場合にもそ
の撥水性を保持しなければならないので、表面エネルギ
ーの低い化学構造がその分子中に存在するものが好まし
い。
【0058】具体的な撥水性付与物質としては、変性シ
リコーン化合物、反応性フッ素化合物が挙げられ、市販
の製品の例としては、反応性フッ素化合物としては、M
F100、MF110、MF120、M130(三菱マ
テリアル社製)、Cmアルコール、HFIP(セントラ
ル硝子社製)、PFA6(ネオス社製)等が挙げられ、
変性シリコーン化合物としては、SF8417、BY1
6−828(東レダウコーニング社製)等のアミノ変性
シリコーン、SF8411(東レダウコーニング社製)
等のエポキシ変性シリコーン、BX16−005、SF
8427、SF8428(東レダウコーニング社製)、
X−22−160AS(信越シリコーン社製)、DKQ
8−779(ダウコーニング社製)等のアルコール変性
シリコーン等が挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。さらにポリウレタンゴム材料への溶解性の悪
い撥水性付与物質を用いた場合、ポリウレタンゴム中に
粒子状で存在してしまう。撥水性付与物質が粒子状で存
在する場合、ポリウレタンゴムへの撥水性付与効果が減
少してしまうため必要以上の撥水性付与物質の添加が必
要となり、ゴム物性が多少なりとも悪化してしまう。ま
た粒子成分がウレタンクリーニングブレードの不均一な
摩耗の原因となる場合もあり、長期使用の場合は余り適
さない。よって、撥水性付与物質はポリウレタンゴム材
料中へ相溶した状態で存在することが好ましい。また記
録ヘッドが熱エネルギーを用いて液滴を吐出エレメント
から吐出させて記録を行うインクジェット記録方式であ
る場合、発熱体への異物焼け付きの点から変性シリコー
ン化合物は好ましくない。よって、ポリウレタンゴム材
料への溶解性と発熱体への異物焼け付きの危険性を加味
すれば、反応性フッ素化合物が特に好ましい。
【0059】本発明においては、ブレードのインク接触
角(後退接触角)が80度以上であることが好ましい。
尚、以下説明する各成分の量を満足するものはインク接
触角が前述の範囲に含まれる。
【0060】尚、本発明における最良の実施態様として
は、クリーニングブレードのポリウレタンの硬化剤とし
て2官能性の硬化剤のみを使用し、これに撥水性付与物
質を添加して形成されるブレード材が挙げられる。
【0061】このような構成のクリーニングブレード
は、2官能性硬化剤で形成されるブレード特有の均一な
摩耗を生じるとともに、撥水性付与物質を添加すること
で得られるインクとの好適な接触角が維持され、クリー
ニング時におけるインクの引き出しを低下させることが
でき、長期にわたって均一圧力でインクのすり抜けのな
い良好なクリーニングを達成することができる。
【0062】上記実施態様におけるブレード材のポリウ
レタン中に含有されるイソシアネート基のモル数に対し
て2官能硬化剤と撥水性付与物質の活性元素のモル数の
和を0.80〜1.05にすることが好ましく、より好
ましくは0.90〜1.00が望ましい。
【0063】また、撥水性付与物質は、ポリウレタン及
び硬化剤の総量100重量部に対し0.1〜20重量
部、好ましくは1〜10重量部使用するのが望ましい。
撥水性付与物質の使用量が0.1重量部よりも少ない
と、撥水性が充分に得られずインク引き出し、混色等の
原因となり、20重量部より多い場合はゴム物性が低下
し著しい摩耗の原因となる可能性があり好ましくない。
【0064】もちろん、本発明の好適な実施態様として
は、ポリウレタンに2官能性硬化剤のみを用いて構成し
たブレード材、あるいはポリウレタン原料に2官能性硬
化剤、多官能性硬化剤、撥水性付与物質を用いて構成し
たブレード材も含まれる。
【0065】尚、ここで2官能性硬化剤のみを用いると
は、不純物程度に多官能性硬化剤が含まれてしまうこと
を防げるものではない。
【0066】これらの好適な実施態様として挙げられた
2種のブレード材における、2官能性硬化剤の添加量、
撥水性付与物質の添加量は、最適な実施態様として挙げ
た例のブレード材の説明で挙げた数値を満足するもので
ある。
【0067】本発明のクリーニングブレードを製造する
には、予め加熱溶融したポリウレタンと硬化剤、さらに
所望に応じ加熱した撥水性付与物質を所定量計量し、混
合撹拌、必要に応じて脱泡を行い、金型もしくは遠心成
型機等に注型し、80〜140℃で加熱硬化させること
により行う。また、撥水性付与物質は予めポリウレタン
原料と混合、反応させた後、硬化剤を加えても、予め硬
化剤に溶解、分散させてポリウレタンと反応させても良
い。
【0068】このような方法によると撥水性付与物質が
ポリウレタンゴム内部に含有されるため、摺擦による表
面の摩耗が生じた場合にも撥水性が低下することがな
い。
【0069】成型されたクリーニングブレード用ゴムの
硬度は、液体インクのクリーニング性より、JISA硬
度40〜90度のものが良い。
【0070】より好ましくは、50〜90度である。
【0071】
【実施例】実験 以下、本発明者らが行った実験を示す。
【0072】実験A 加熱溶解したポリエチレングリコール(2官能硬化剤、
分子量1000)22.7重量部と、1,4−ブタンジ
オール(2官能性硬化剤)5.7重量部とを混合し、こ
れにN−n−プロピル−N−2,3−ジヒドロキシプロ
ピルパーフルオロオクチルスルホンアミド(フッ素系撥
水性付与物質、商品名MF110、三菱マテリアル社
製)を3.6重量部加え90℃にて加熱撹拌溶解し、均
一な溶液とした。
【0073】この溶液を、80℃に加熱したポリウレタ
ンポリマー(エーテル系ウレタンPTMEG−MDI、
NCO含有量7.7wt%、商品名バイブラセンB63
5、ユニロイヤル社製)100重量部に、イソシアネー
ト基のモル数に対する硬化剤及び撥水性付与物質それぞ
れの活性元素のモル数(以下、OH/NCOと示す。)
が1.00となるように計量し、撹拌混合した後、真空
にて脱泡し均一な混合液とした。
【0074】この混合液を予め130℃に加熱した遠心
成型機に注型し、1時間加熱硬化を行った。その後脱型
し130℃で4時間2次硬化を行い、厚み0.7mm
で、撥水性付与物質をポリウレタン原料及び硬化剤の総
量100に対し3重量部含有した透明シート材を成型し
た。
【0075】このシート材をエッジ切断後10mm×1
5mm寸法に打ち抜き、後述する各評価項目のテスト用
ブレードAを製造した。
【0076】実験B ポリエチレングリコール23.6重量部と、1,4−ブ
タンジオール5.9重量部、N−n−プロピル−N−
2,3−ジヒドロキシプロピルパーフルオロオクチルス
ルホンアミド1.3重量部とし、他の条件は実験Aと同
様にして、撥水性付与物質の含有量が約1重量部に調整
された透明シート材を成型し、これを実験Aと同一条件
で打ち抜き、テスト用ブレードBを製造した。
【0077】実験C ポリエチレングリコール21.6重量部と、1,4−ブ
タンジオール5.4重量部、N−n−プロピル−N−
2,3−ジヒドロキシプロピルパーフルオロオクチルス
ルホンアミド6.3重量部とし、他の条件は実験Aと同
様にして、撥水性付与物質の含有量を約5重量部に調整
した透明シート材を成型し、これを実験Aと同一条件で
打ち抜き、テスト用ブレードCを製造した。
【0078】実験D ポリエチレングリコール24.0重量部、1,4−ブタ
ンジオール6.0重量部、N−n−プロピル−N−2,
3−ジヒドロキシプロピルパーフルオロオクチルスルホ
ンアミド0.2重量部とし、他の条件は実験Aと同様に
して、撥水性付与物質の含有量を約0.2重量部に調整
した透明シート材を成型し、これを実験Aと同一条件で
打ち抜き、テスト用ブレードDを製造した。
【0079】実験E ポリエチレングリコール18.6重量部、1,4−ブタ
ンジオール4.7重量部、N−n−プロピル−N−2,
3−ジヒドロキシプロピルパーフルオロオクチルスルホ
ンアミド13.4重量部とし、他の条件は実験Aと同様
にして、撥水性付与物質の含有量を約10重量部に調整
した透明シート材を成型し、これを実験Aと同一条件で
打ち抜き、テスト用ブレードEを製造した。
【0080】実験F ポリエチレングリコール14.1重量部、1,4−ブタ
ンジオール3.5重量部、N−n−プロピル−N−2,
3−ジヒドロキシプロピルパーフルオロオクチルスルホ
ンアミド23.5重量部とし、他の条件は実験Aと同様
にして、撥水性付与物質の含有量を約20重量部に調整
した透明シート材を成型し、これを実験Aと同一条件で
打ち抜き、テスト用ブレードFを製造した。
【0081】実験G ポリエチレングリコール19.3重量部、1,4−ブタ
ンジオール4.8重量部、N−n−プロピル−N−2,
3−ジヒドロキシプロピルパーフルオロオクチルスルホ
ンアミド3.2重量部とし、OH/NCOが0.8とな
るように計量し、他の条件は実験Aと同様にして、テス
ト用ブレードGを製造した。
【0082】実験H ポリエチレングリコール23.8重量部、1,4−ブタ
ンジオール6.0重量部、N−n−プロピル−N−2,
3−ジヒドロキシプロピルパーフルオロオクチルスルホ
ンアミド3.8重量部とし、OH/NCOが1.05と
なるように計量し、他の条件は実験Aと同様にして、テ
スト用ブレードHを製造した。
【0083】実験I 実験Aにおいて、撥水性付与物質を3−(2−パーフル
オロヘキシル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパ
ン(フッ素系撥水性付与物質、商品名MF100、三菱
マテリアル社製)3.6重量部に変えた他は、実験Aと
同様にして、テスト用ブレードIを製造した。
【0084】実験J 実験Aにおいて、撥水性付与物質をC917O−(CH
26 −OH(フッ素系撥水性付与物質、商品名PFA
6、ネオス社製)3.6重量部に変えた他は、実験Aと
同様にして、テスト用ブレードJを製造した。
【0085】実験K 実験Aにおいて、撥水性付与物質をアルコール変性シリ
コーンオイル(シリコーン系撥水性付与物質、東レダウ
社製)3.8重量部に変えた他は、実験Aと同様にし
て、テスト用ブレードKを製造した。
【0086】実験L ポリエチレングリコール24.3重量部、1,4−ブタ
ンジオール6.1重量部とし、撥水性付与物質を添加し
ない他は、実験Aと同様にして、テスト用ブレードLを
製造した。
【0087】実験M 2官能硬化剤をポリエチレングリコール69.8重量部
のみとし、N−n−プロピル−N−2,3−ジヒドロキ
シプロピルパーフルオロオクチルスルホンアミド3.9
重量部とした他は、実験Aと同様にして、テスト用ブレ
ードMを製造した。
【0088】実験N 2官能硬化剤をポリエチレングリコール34.0重量部
のみとし、N−n−プロピル−N−2,3−ジヒドロキ
シプロピルパーフルオロオクチルスルホンアミド3.3
重量部とした他は、実験Aと同様にして、テスト用ブレ
ードNを製造した。
【0089】実験O ポリウレタンポリマーをエーテル系PPG−MDI(商
品名バイブラセンB843、ユニロイヤル社製)100
重量部、2官能硬化剤をエチレングリコール2.3重量
部、及び1,6−ヘキサンジオール9.3重量部に変
え、N−n−プロピル−N−2,3−ジヒドロキシプロ
ピルパーフルオロオクチルスルホンアミド2.9重量部
とした他は、実験Aと同様にして、テスト用ブレードO
を製造した。
【0090】実験P ポリウレタンポリマーをエーテル系PTMEG−HMD
I(商品名アジプレンLW520、ユニロイヤル社製)
100重量部とし、N−n−プロピル−N−2,3−ジ
ヒドロキシプロピルパーフルオロオクチルスルホンアミ
ド3.5重量部とした他は、実験Aと同様にして、テス
ト用ブレードPを製造した。
【0091】実験Q ポリウレタンポリマーをエステル系EA−MDI(商品
名コロネートC4369、日本ポリウレタン社製)10
0重量部に、2官能硬化剤を1,4−ブタンジオール
1.5重量部、1,6−ヘキサンジオール5.9重量
部、撥水性付与物質を三菱マテリアル社製商品名MF1
00 3.2重量部に変え、後は実験Aと同様にして、
テスト用ブレードQを製造した。
【0092】実験R ポリウレタンポリマーをエステル系EA−MDI 10
0重量部に、2官能硬化剤を1,4−ブタンジオール
1.6重量部、1,6−ヘキサンジオール6.5重量部
とし、撥水性付与物質を添加しない他は実験Aと同様に
して、テスト用ブレードRを製造した。
【0093】実験S ポリウレタンポリマーをエステル系EA−MDI 10
0重量部、2官能硬化剤を1,4−ブタンジオールのみ
を4.0重量部、多官能硬化剤トリメチロールプロパン
(3官能硬化剤)1.0重量部、撥水性付与物質をMF
100 3.1重量部に変えた他は実験Aと同様にし
て、テスト用ブレードSを製造した。
【0094】実験T 2官能硬化剤を1,4−ブタンジオールのみを5.8重
量部、多官能硬化剤トリメチロールプロパン1.4重量
部とし、撥水性付与物質は添加しない他は、実験Aと同
様にして、テスト用ブレードTを製造した。
【0095】実験U ポリウレタンポリマーをエステル系EA−MDI 10
0重量部に、2官能硬化剤を1,4−ブタンジオールの
みを4.8重量部、多官能硬化剤トリメチロールプロパ
ン1.2重量部とし、撥水性付与物質は添加しない他は
実験Aと同様にして、テスト用ブレードUを製造した。
【0096】実験V 水素化ニトリルゴムとして商品名G−655、日本オイ
ルシール社製を用い、厚み0.7mmのシート材を実験
Aと同様に切断してテスト用ブレードVを製造した。
【0097】実験W シリコーンゴムとして商品名SH861V、東レダウコ
ーニング社製を100重量部と、硬化剤として商品名R
C4、東レダウコーニング社製を2重量部を混合し、金
型でプレス成型し、厚み0.7mmのシート材を成型し
た。これを実験例Aと同様に切断してテスト用ブレード
Wを製造した。
【0098】以上の実験A乃至Wのそれぞれにおいて製
造されたテスト用ブレードA乃至Wのそれぞれを図9に
示されるインクジェット記録装置に取り付け、クリーニ
ングを行い、耐粗面化性、耐摩耗性、ヘッド対傷性、イ
ンク引き出し性及び得られる画像について評価を行っ
た。
【0099】ここで、前述の評価を行うにあたって使用
したインクジェット記録装置について概略的に説明す
る。
【0100】図9は、ブレードが取りつけられるインク
ジェット記録装置の一例を示す外観斜視図である。
【0101】図において、501はプラテン507上に
送紙されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を
行うノズル群を備えたインクジェットヘッドカートリッ
ジ(IJC)である。502はIJC501を保持する
キャリッジ(HC)であり、駆動モーター503の駆動
力を伝達する駆動ベルト504の一部と連結し、互いに
平行に配設された2本のガイドシャフト505及び50
6と摺動可能とすることにより、記録紙の全幅にわたる
インクジェットヘッドによる往復移動が可能となる。
【0102】508はヘッド回復装置であり、IJC5
01の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向
する位置に配設される。伝動機構509を介したモータ
ー510の駆動力によって、ヘッド回復装置508を動
作せしめ、IJC501のキャッピングを行う。このヘ
ッド回復装置508のキャップ部511によるIJC5
01へのキャッピングに関連させて、ヘッド回復装置5
08内に設けた適宜の吸引手段によるインク吸引もしく
はIJC501へのインク供給経路に設けた適宜の加圧
手段によるインク圧送を行い、インクを吐出口より強制
的に排出させることによりノズル内の増粘インクを除去
する等の吐出回復処理を行う。また、記録終了時等にキ
ャッピングを施すことにより記録ヘッドが保護される。
【0103】512はヘッド回復装置508の側面に配
設される本発明のクリーニングブレードである。ブレー
ド512はブレード保持部材513にカンチレバー形態
で保持され、ヘッド回復装置508と同様、モーター5
10及び伝動機構509によって作動し、IJC501
の吐出面との係合が可能となる。これにより、IJC5
01の記録動作における適切なタイミングで、あるいは
ヘッド回復装置508を用いた吐出回復処理後に、ブレ
ード512をIJC501の移動経路中に突出させ、I
JC501の移動動作に伴ってIJC501の吐出面に
おける結露、濡れあるいは塵埃等を拭き取る。
【0104】また、各テスト用ブレードについて、JI
SAにおけるゴム硬度、撥水性付与物質の存在状態、イ
ンク接触角、インク変質性を評価した。
【0105】以下に、以上の評価項目のそれぞれについ
ての評価方法を概説する。 (1)ゴム硬度:JIS(日本工業規格)Aに示される
ゴム硬度の測定法に従って測定した。結果を表1に示し
た。 (2)撥水性付与物質の存在状態:各テスト用ブレード
として切断したところで、切断面について顕微鏡による
観察を行った。得られた結果について、撥水性付与物質
の粒子成分の存在が認められたものを「粒子」、粒子成
分の存在が認められなかったものを「相溶」として表1
に示した。 (3)インク接触角:製造したテスト用ブレードA〜W
について、C.I.マードフフッソ2 3wt%、ジエ
チレングリコール 25wt%、N−メチル−2−ピロ
リドン 20wt%、水52wt%の組成で示される水
系インク(以下使用インクと称する。)を用いて接触角
計(商品名CA−Z150、共和界面科学社製)にて測
定を行った。結果を表1に示した。尚、表1において、
インク接触角「初期」はテスト用ブレード製造後、未使
用状態のものについての測定結果を示すものである。ま
たインク接触角「インク膨潤後」とは、使用インクに対
してテスト用ブレードを10日間浸漬した状態のものに
ついての測定結果を示すものである。 (4)インク変質性:各テスト用ブレードをそれぞれ使
用インクに3ヵ月浸漬し、浸漬後のインクをガスクロマ
トグラフィ(商品名GC−9A、島津製作所社製)にて
成分を測定し、テスト用ブレード浸漬前のインクとの成
分変化を比較した。ここで変質状態が確認されなかった
ものを◎、実質的に変質状態が確認されなかったものを
○、インク成分に変化が見られるが画像形成する上では
問題とならないものを△、インク成分変化が見られ画像
形成に影響を与えるものを×として評価し、結果を表1
に示した。 (5)耐粗面化性、耐摩耗性:図9に示されるインクジ
ェット記録装置にテスト用ブレードをブレードの自由長
8mm、ヘッドに対する侵入量1.5mmの条件で取り
付けた。そして、キャップに対して空吐出を50発行な
い、その後1回クリーニング動作を行うシーケンスを1
0回繰り返したところで所定のパターンを記録紙に記録
する。このサイクルを繰り返し行いクリーニング回数が
5万回となるまで行った。尚、この時クリーニング速度
は150mm/sec、ブレードのヘッド面に対する線
圧は5g/cmであった。
【0106】5万回終了後のテスト用ブレードそれぞれ
を顕微鏡観察した。
【0107】耐粗面化性については、ブレードのエッジ
部分に欠け落ちが認められず粗面化していないものを
◎、わずかに欠け落ち部分が認められるが、クリーニン
グを行う上で問題とならないものを○、欠け落ち部分が
認められ粗面化しており、ややクリーニングに影響を及
ぼすものを△、著しく欠け落ち部分が認められ粗面化し
ておりクリーニングに影響を及ぼすものを×として評価
し、結果を表1に示した。
【0108】また、耐摩耗性については、ブレードのエ
ッジに摩耗の認められないものを◎、わずかに摩耗が認
められるが、クリーニングには影響を及ぼさない程度で
あるものを○、摩耗が認められクリーニングにわずかに
影響を及ぼすものを△、著しく摩耗しクリーニングに影
響を及ぼすものを×として評価し、結果を表1に示し
た。 (6)ヘッド対傷性、インク引き出し性:前述と同様の
条件でクリーニング操作を5万回繰り返した後の記録ヘ
ッドの吐出口面の吐出口近傍を顕微鏡にて観察した。ヘ
ッド対傷性については、記録ヘッドの吐出口面に対して
何ら損傷を認められないものを◎、実質的に損傷が認め
られずインク吐出に何ら影響を及ぼさないものを○、損
傷が認められるが、インク吐出にわずかに影響を与える
ものを△、損傷が認められインク吐出に影響を与えるも
のを×として評価し、その結果を表1に示した。
【0109】またインク引き出し性については、インク
引き出しが認められないものを◎、実質的にインク引き
出しが認められないものを○、インク引き出しが認めら
れ、わずかにインク吐出に影響があるものを△、インク
引き出しが著しく認められインク吐出に影響があるもの
を×として評価し、その結果を表1に示した。 (7)画像評価:図9に示されるインクジェット記録装
置にテスト用ブレードをブレードの自由長8mm、ヘッ
ドに対する侵入量1.5mmの条件で取り付けた。そし
て、キャップに対して空吐出を50発行ない、その後1
回クリーニング動作を行うシーケンスを10回繰り返し
たところで所定のパターンを記録紙に記録する。このサ
イクルを繰り返し行い、クリーニング回数が1万回、5
万回、10万回の時の記録パターンの記録状態をそれぞ
れ目視観察した。尚、この時クリーニング速度は150
mm/sec、ブレードのヘッド面に対する線圧は5g
/cmであった。
【0110】良好な画像が形成されたものを◎、実質的
に問題のない画像が形成されたものを○、1000枚程
度の記録に1枚程度の割合で画像のみだれ(不吐出部)
が認められたものを△、ほぼ毎印時毎に不吐出部が認め
られるものを×として評価し、その結果を表1に示し
た。
【0111】表1に示した結果から次のことがわかっ
た。即ち、(i)ポリウレタンプレポリマーに対して、
2官能硬化剤のみを使用し、さらに撥水性付与物質を添
加したもので作成したブレード材は、上述した評価項目
のいずれについても良好である;(ii)これらのブレ
ード材の中、ポリウレタンプレポリマー中に含有される
イソシアネート基のモル数に対して2官能硬化剤と撥水
性付与物質との両者の活性元素のモル数(OH/NC
O)の比が0.80以上1.05以下程度、より好まし
くは0.9以上1.0以下程度としたもので作成したブ
レード材は、上述した評価項目の全てについて満足のゆ
く結果を与える;そして(iii)特に、ポリウレタン
プレポリマーと2官能硬化剤の総量100重量部に対し
て0.1以上20重量部以下、より好ましくは1以上1
0重量部以下の撥水性付与物質を添加したもので作成し
たブレード材は、上述した評価項目の全てについて極め
て優れた結果を与える。
【0112】以上判明した事実に加えて、撥水性付与物
質のブレード材内での存在状態が相溶状態であること
が、ブレード材の性能にとって極めて重要な因子である
ことがわかった。
【0113】
【表1】
【0114】
【表2】
【0115】
【表3】
【0116】
【表4】
【0117】実施例1 以下、本発明の実施例について説明する。
【0118】本実施例では、先の実験でブレード材とし
て優れた効果を示したテスト用ブレードAと十分な効果
が得られなかったテスト用ブレードSとを用いて、図1
0〜図13に示されるフルカラー記録が可能なインクジ
ェット装置にこれらのブレードを取り付け、5万回クリ
ーニングを繰り返す耐久試験を行った。
【0119】以下、図10〜図13に示されるフルカラ
ーインクジェット装置の概略とクリーニングの様子を順
を追って簡単に説明する。
【0120】これらの図において、ヘッドユニット10
1はキャリッジ102に固定され、キャリッジ102が
主走査レール103に保持され印字方向に移動可能な状
態で取り付けられている。そして、例えばヘッドユニッ
ト101の吐出口101bに目詰まりが発生した場合に
は非印字ポジションにおいてヘッドに密閉空間を形成す
るキャップ300を有するホルダ301が矢印a方向に
移動し、キャップ300が吐出面101aと接触し、密
閉形を形成できる位置で停止する。この状態でチューブ
302を介してポンプユニット303によって吸引回復
を行う。吸引によってヘッドユニット101から引き出
されたインクは、チューブ304を介して排インク処理
部材305へと運ばれる。吸引回復後にはキャップ30
0を有するホルダ301は矢印b方向に退避する。この
時、ヘッドユニット101の吐出面101aには吸引回
復によって吐出口101bより引き出されたインクIが
残る。ここでキャリッジ102が移動し、ブレードホル
ダ402に保持されたクリーニングブレード401によ
って吐出面101aのワイピングが行われ(図11、図
12の状態)、吐出面101a上のインクIが吐出面1
01aから除去される。
【0121】ヘッドユニット101のワイピング下流側
には当該ヘッドユニット101に対して吸収体104が
一個ずつ、接着もしくは熱カシメ等の手段により固定さ
れている。またヘッド側の構成において、吸収体104
に隣接し、かつ吸収体104によりワイピング上流側に
位置する吐出面101aの部分にはテーパ部101cを
形成してあり、吸収体104のエッジ部が突出する構成
になっている。
【0122】また、わずかにブレード401に残り得る
インクは、キャリッジ102に設けられた第二吸収部材
としての吸収体105で吸収して完全なクリーニングを
行うようにする。
【0123】吸収体104、105の材質としては、ポ
リオレフィン系の多孔質性の部材で吸液時に膨潤をほと
んどしない性質のものである(例えばポリエチレンの多
孔質焼結体に親水化処理を行うもので、膨潤率が0.0
1〜0.02%のものである。商品名:サンファインA
Q、旭化成(株)製)。
【0124】図11、図12を用いてさらに詳しく説明
すると、吸引回復によって吐出面101aに付着したイ
ンクIがキャリッジ102の移動に伴いブレード401
によって吐出面101aより除去され、ブレード401
と共に吐出面101a部を移動し、吐出面101a部に
形成されたテーパ部101cにおいて、ヘッドの吸収体
104のエッジ104aに当接することにより、インク
Iをブレード401から掻き取り、テーパ部101cに
一度インクを溜める。すると直ちにインクI′は吸収体
104に吸収される(図11のI′の状態)。そしてさ
らにキャリッジ102がさらに移動すると、ブレード4
01は次にキャリッジの吸収体105に摺擦して移動す
る。この時、ブレード401にはヘッドの吸収体104
で取り切れなかったわずかなインクI″を吸収体105
に吸収させながら移動し、次のヘッドに到着するときに
は、ブレード401のエッジ部401aからインクを完
全に除去する(図12の状態)。よって吐出面101a
から除去されたインクが次のヘッドに影響を及ぼすこと
がなく、混色等を防ぎ、またブレード401のエッジ4
01aが常に清純な状態で次のワイピングを行うことが
可能となる。
【0125】耐久試験後のテスト用ブレードAとSとの
エッジ状態を観察した。その結果、2官能硬化剤のみと
撥水性付与物質とを用いて製造したブレードAはまった
く粗面化せず(図4(a))また摩耗もなく極めて良好
なクリーニング状態を長期にわたって維持でき(図5
(a)、図7(a))、画像品位の低下もない。一方、
3官能硬化剤を多量に入れて製造したブレードSは著し
くブレード材が欠け落ちて粗面化されてしまい(図4
(b))、ヘッド表面を損傷したり、インクのスリ抜け
あるいはインク引き出し(図5(b))などをおこし、
長期にわたるクリーニング性はまったく維持できず、画
像品位も劣化してしまった。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように、無機フィラー等の
添加されていないポリウレタンを原料とし、2官能硬化
剤と撥水性付与物質を添加して作成された材料を用いる
ことで、記録ヘッドの吐出口面に対して損傷を与えず、
インクに対する変質性もなく、ブレード材自身が摩耗し
にくく、部分的に材料が欠け落ちるような粗面化に対し
ても極めて耐久性が高く、また撥水性が維持されるため
ブレードのインク離れが良いためインク引き出しを生じ
ることなく長期間の使用においても極めて安定したクリ
ーニング特性を示すクリーニングブレードを提供するこ
とができる。
【0127】このような特性のクリーニングブレードを
用いることで長期にわたり安定した高品位の画像を記録
可能な高速記録あるいはフルカラー記録などが可能なイ
ンクジェット装置を信頼性高く提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー記録を行うインクジェット記録装置にお
けるクリーニングブレードによるクリーニングの様子を
示す説明図である。
【図2】クリーニングブレードのエッジ部分が記録ヘッ
ドの吐出口に侵入し、インクを引き出す状態を説明する
説明図である。
【図3】クリーニングブレードのエッジ部分が良好に摩
耗した場合における記録ヘッドの吐出口からのインクを
引き出す状態を示す説明図である。
【図4】耐久後のブレード形態を示す説明図であり、
(a)は耐粗面性に優れたブレード、(b)は耐粗面化
性が低く粗面化したブレードを示す。
【図5】(a)は、良好なクリーニング状態を示し、
(b)はクリーニングによって吐出口からインク引き出
しが生じた状態を示す説明図である。
【図6】ブレード材料の接触角とインク付着面積との関
係を示す図である。
【図7】(a)、(b)は吐出口面にインクなどの付着
物が付着している状態をそれぞれ示す概略図である。
【図8】(a)は良好なクリーニングがなされた状態、
(b)は粗面化されたブレードによってクリーニングが
なされた状態を示す概略図である。
【図9】本発明が適用されるクリーニングブレードを備
えたインクジェット記録装置の一例を示す外観斜視図で
ある。
【図10】カラー記録が行われるインクジェット記録装
置におけるブレードクリーニングの様子を順を追って示
す概略図であり、初期の状態を示す。
【図11】カラー記録が行われるインクジェット記録装
置におけるブレードクリーニングの様子を順を追って示
す第2の概略図であり、ヘッドの吸収体にインクが吸い
取られる状態を示す。
【図12】カラー記録が行われるインクジェット記録装
置におけるブレードクリーニングの様子を順を追って示
す第3の概略図であり、キャリッジの吸収体にインクが
吸い取られる状態を示す。
【図13】カラー記録が行われるインクジェット記録装
置におけるブレードクリーニングの様子を順を追って示
す第4の概略図であり、ブレードクリーニングの終了し
た状態である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 1a 吐出口面 1b インク吐出口 2 主走査キャリッジ 3 主走査レール 4 クリーニングブレード 5 ブレードホルダー 6 インク吸収体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 春男 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 田鹿 博司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 新井 篤 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出して記録媒体上に記録を行
    うインクジェット記録ヘッドのインク吐出面に付着した
    付着物を除去するクリーニング部材において、該クリー
    ニング部材は、エーテル系ポリウレタンゴム弾性体から
    なり、かつ前記エーテル系ポリウレタンゴム弾性体の硬
    化剤成分が2官能成分のみで構成されていることを特徴
    とするインクジェット記録ヘッド用クリーニング部材。
  2. 【請求項2】 前記2官能の硬化剤成分が直鎖のジオー
    ルである請求項1に記載のクリーニング部材。
  3. 【請求項3】 前記インクは水系インクである請求項1
    に記載のクリーニング部材。
  4. 【請求項4】 前記クリーニング部材の表面におけるイ
    ンク接触角が80度以上である請求項1に記載のクリー
    ニング部材。
  5. 【請求項5】 前記エーテル系ポリウレタンゴム弾性体
    中に含有されるイソシアネート基のモル数に対し前記2
    官能硬化剤の活性元素のモル数が0.8以上1.05以
    下である請求項1に記載のクリーニング部材。
  6. 【請求項6】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを用い
    て液滴を吐出エレメントから吐出させて記録を行うイン
    クジェット記録方式によるもので、熱エネルギーを発生
    する手段として電気熱変換体を有することを特徴とする
    請求項1に記載のクリーニング部材。
  7. 【請求項7】 インクを吐出して記録媒体上に記録を行
    うインクジェット記録ヘッドのインク吐出面に付着した
    付着物を除去するクリーニング部材において、前記クリ
    ーニング部材は、ポリウレタンゴム弾性体からなり、か
    つ前記ポリウレタンゴム弾性体の硬化剤成分が2官能成
    分のみで構成され、さらに前記ポリウレタンゴムと化学
    結合し得る活性基を有する撥水性付与物質が含有されて
    いることを特徴とするインクジェット記録装置用クリー
    ニング部材。
  8. 【請求項8】 撥水性付与物質がポリウレタンゴム内に
    相溶状態で含有されている請求項7に記載のクリーニン
    グ部材。
  9. 【請求項9】 前記インクは水性インクである請求項7
    に記載のクリーニング部材。
  10. 【請求項10】 記録ヘッドは熱エネルギーを用いて液
    滴を吐出エレメントから吐出させて記録を行うインクジ
    ェット記録方式によるものである請求項7に記載のクリ
    ーニング部材。
  11. 【請求項11】 撥水性付与物質がフッ素化合物である
    請求項7に記載のクリーニング部材。
  12. 【請求項12】 前記ポリウレタンゴム原料と前記2官
    能硬化剤との総量100重量部に対して前記撥水性付与
    物質が0.1以上20重量部以下添加される請求項7に
    記載のクリーニング部材。
  13. 【請求項13】 前記ポリウレタンゴム原料中に含有さ
    れるイソシアネート基のモル数に対し、前記2官能硬化
    剤と前記撥水性付与物質との活性元素の加算されたモル
    数は0.8以上1.05以下である請求項7に記載のク
    リーニング部材。
  14. 【請求項14】 前記クリーニング部材の表面における
    インク接触角は80度以上である請求項7に記載のクリ
    ーニング部材。
  15. 【請求項15】 水系インクを吐出して記録媒体上に記
    録を行うインクジェットヘッドを搭載可能な支持部材を
    備えたインクジェット装置であって、前記支持部材を、
    前記記録媒体が搬送される記録領域と該領域を外れた非
    記録領域との間で走査する手段と、前記非記録領域に
    は、前記ヘッドの吐出面をクリーニングすることが可能
    なクリーニングブレードを備えており、該クリーニング
    ブレードはエーテル系ポリウレタンゴム弾性体からな
    り、かつ前記エーテル系ポリウレタンゴム弾性体の硬化
    剤成分が2官能成分のみで構成されていることを特徴と
    するインクジェット装置。
  16. 【請求項16】 水系インクを吐出して記録媒体上に記
    録を行うインクジェットヘッドを搭載可能な支持部材を
    備えたインクジェット装置であって、前記支持部材を、
    前記記録媒体が搬送される記録領域と該領域を外れた非
    記録領域との間で走査する手段と、前記非記録領域に
    は、前記ヘッドの吐出面をクリーニングすることが可能
    なクリーニングブレードを備えており、前記クリーニン
    グブレードは、ポリウレタンゴム弾性体からなり、かつ
    前記ポリウレタンゴム弾性体の硬化剤成分が2官能成分
    のみで構成され、さらに前記ポリウレタンゴムと化学結
    合し得る活性基を有する撥水性付与物質が含有されてい
    ることを特徴とするインクジェット装置。
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