JP2006330586A - トナー供給ローラの製造方法及びトナー供給ローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】 繰り返し成形しても成形型の成形面にウレタンや離型剤残渣が固着せず、離型性の低下や、成形後トナー供給ローラ表面のセル開口性の低下を防止するトナー供給ローラの製造方法及びトナー供給ローラを提供すること。
【解決手段】 芯金と該芯金外周にポリエーテルポリオールとイソシアネートを主成分として得られるウレタンフォーム層を有するトナー供給ローラの製造方法であって、
(1)N−メチル−2−ピロリドンとアルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))の混合質量比が6:4〜8:2である洗浄剤を用いて成型面を洗浄する工程と、
(2)水を用いて成型面を洗浄する工程と、
(3)エアーブロー工程と、
の工程により洗浄されたトナー供給ローラ成形型に離型剤を塗布した後にウレタン材料を注入することにより芯金と該ウレタンフォーム層を一体成形するトナー供給ローラの製造方法及び該製造方法により得られるトナー供給ローラ。
【選択図】 なし
【解決手段】 芯金と該芯金外周にポリエーテルポリオールとイソシアネートを主成分として得られるウレタンフォーム層を有するトナー供給ローラの製造方法であって、
(1)N−メチル−2−ピロリドンとアルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))の混合質量比が6:4〜8:2である洗浄剤を用いて成型面を洗浄する工程と、
(2)水を用いて成型面を洗浄する工程と、
(3)エアーブロー工程と、
の工程により洗浄されたトナー供給ローラ成形型に離型剤を塗布した後にウレタン材料を注入することにより芯金と該ウレタンフォーム層を一体成形するトナー供給ローラの製造方法及び該製造方法により得られるトナー供給ローラ。
【選択図】 なし
Description
本発明は、繰り返し成形しても、成形型の成形面にウレタンや離型剤残渣が固着せず、離型性の低下や、成形後トナー供給ローラ表面のセル開口性の低下を防止するトナー供給ローラの製造方法及び該製造方法により得られるトナー供給ローラに関するものである。
従来、複写機、プリンター及びファクシミリ等の画像形成装置においては、電子写真感光体や静電記録誘電体等からなる像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像を現像装置により現像している。このような現像装置には、ホッパー内に収容された所定のトナー(現像剤)を、該現像担持体表面上にムラ無く均一に供給し、かつ現像後に該現像担持体表面上の残存トナーを掻き取るためにトナー供給ローラが内蔵されている。この現像機構においては、該現像担持体のトナー保持性能に加え、トナー供給ローラの表面性能が重要になってくる。
上記要求を満足できる良好なトナー供給ローラを得るために、適切な弾性発泡体ローラとして、柔軟性や強度面等からトナー供給ローラが好適に使用されている通常トナー供給ローラの製造方法としては、まず、トナー供給ローラ成形型を準備し、金型からの成形品の脱型を容易にするため離型剤が塗布された成形型内に、イソシアネートとポリオール成分(ポリオール、整泡剤、触媒及び水等)とを含有する組成物を混合した後で注入し、これを型内で発泡させ、トナー供給ローラを成形し、脱型することによりローラ表面セルが開口したトナー供給ローラを製造することができる。
成形を繰り返し行っていると、成形型の成形面にウレタンや離型剤残渣が固着するために、離型性の低下や、成形後ローラ表面のセル開口性の低下が起こるために、成形型内面の洗浄が必要になる。これまで、成形型の付着物の除去方法としては、物理的な除去が考えられる。物理的な除去は、へらのような道具を用い剥離させたり、研摩により行うが、成形型を傷つけ易いと共に、手間と時間が係るため、実用的でない。また、トナー供給ローラの成形には円筒状成形型を使用するため、へらの使用は困難であり、ブラシ等を使用しているが、近年、画像形成装置の高性能化に伴い、トナー供給ローラの形状も多様化しており、ウレタンフォーム層の外周面が、回転軸方向に回転軸と平行な直線状、又は螺旋状に延びるように設けられた、ローラ周方向に歯車形状の断面をもって延びる複数の凸条によって、ローラ表面の凹凸化すること等が提案され(例えば、特許文献1、2参照)、金型内面形状も複雑化し、ブラシをはじめとする物理的な除去では十分な除去が困難である。そこで、以前から成形型の洗浄方法として、化学的な除去方法も提案されている。化学的な除去では、ウレタン材料重合物が付着した被洗浄物を溶剤系洗浄液に浸漬し、揺動、攪拌、熱及び超音波等の機械的力を併用させながら洗浄除去していた。
これらの溶剤洗浄では、通常、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びジクロロメタン等の塩素系炭化水素を主成分とする溶剤を使用していた。しかし、塩素系炭化水素の毒性や使用規制(環境規制)により廃止の方向にあり、付着したウレタン付着物の除去方法としてN−メチル−2−ピロリドンをはじめとするラクトン類及びアルカリ溶液による洗浄方法が提案されている(例えば、特許文献3)。この場合、ウレタン付着物をN−メチル−2−ピロリドンにて膨潤させ、アルカリ溶液で溶解させる方法である。この方法は成形型内面に付着したウレタンは除去できるが、成形型内面の離型剤の除去が難しく、付着した離型剤の劣化が始まり、残渣離型剤の劣化層上に新規離型剤が均一な塗布が困難になり、繰り返し成形すると、成形型の成形面にウレタンや離型剤残渣が固着し、離型性の低下や、成形後ローラ表面のセル開口性の低下が起こる。
特開平5−61350号公報
特許第2834716号公報
特開平8−244040号公報
本発明の目的は、前記従来技術における課題を解決するためのものであり、繰り返し成形しても、成形型の成形面にウレタンや離型剤残渣が固着せず、離型性の低下や、成形後トナー供給ローラ表面のセル開口性の低下を防止するトナー供給ローラの製造方法及び該製造方法により得られるトナー供給ローラを提供することにある。
本発明に従って、芯金と該芯金外周にポリエーテルポリオールとイソシアネートを主成分として得られるウレタンフォーム層を有するトナー供給ローラの製造方法であって、
(1)N−メチル−2−ピロリドンとアルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))の混合質量比が6:4〜8:2である洗浄剤を用いて成型面を洗浄する工程と、
(2)水を用いて成型面を洗浄する工程と、
(3)エアーブロー工程と、
の工程により洗浄されたトナー供給ローラ成形型に離型剤を塗布した後にウレタン材料を注入することにより芯金と該ウレタンフォーム層を一体成形することを特徴とするトナー供給ローラの製造方法が提供される。
(1)N−メチル−2−ピロリドンとアルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))の混合質量比が6:4〜8:2である洗浄剤を用いて成型面を洗浄する工程と、
(2)水を用いて成型面を洗浄する工程と、
(3)エアーブロー工程と、
の工程により洗浄されたトナー供給ローラ成形型に離型剤を塗布した後にウレタン材料を注入することにより芯金と該ウレタンフォーム層を一体成形することを特徴とするトナー供給ローラの製造方法が提供される。
また、本発明に従って、上記トナー供給ローラの製造方法により形成され、該トナー供給ローラ表面のセル開口率が50〜90%であることを特徴とするトナー供給ローラが提供される。
以上述べたところから明らかなように、本発明によれば、繰り返し成形しても、成形型の成形面にウレタンや離型剤残渣が固着せず、離型性の低下や、成形後トナー供給ローラ表面のセル開口性の低下を防止するトナー供給ローラの製造方法及び該製造方法により得られるトナー供給ローラを提供することができる。
以下の本発明について詳細に説明する。
その方法は、芯金と該芯金外周にポリエーテルポリオールとイソシアネートを主成分として得られるウレタンフォーム層を有するトナー供給ローラの製造方法において、(1)N−メチル−2−ピロリドンとアルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))の混合比が6:4〜8:2を含有してなる洗浄剤を用いて成型面を洗浄する工程、(2)水を用いて成型面を洗浄する工程、(3)エアーブロー工程、の工程により洗浄されたトナー供給ローラ成形型に離型剤を塗布した後にウレタン材料を注入することにより芯金と該ウレタンフォーム層を一体成形することを特徴とするトナー供給ローラの製造方法である。
N−メチル−2−ピロリドンとアルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))の混合比が6:4〜8:2を含有してなる洗浄剤を用いて成型面を洗浄する工程からなり、N−メチル−2−ピロリドンとアルカン炭化水素(CnH2n+2)n>8の混合比が6:4未満の場合、成形型内面に付着したウレタンが除去できない。また、混合比が8:2を超えると成形型内面に付着した離型剤が除去できない。従って、(1)N−メチル−2−ピロリドンとアルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))の混合比が6:4〜8:2にする必要がある。
N−メチル−2−ピロリドンは極性溶媒であり、極性を有するウレタンとは馴染みが良く、低毒性、低融点、高沸点、高引火点と洗浄液して使用する場合の要求特性を満たし、かつ入手し易い。ここでのN−メチル−2−ピロリドンの役割は、成形型内面に付着したウレタンを膨潤させることにある。
アルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))としては、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン及びヘプタデカンが挙げられるが、nが増えることにより、粘度、凝固点が上昇するため、N−メチル−2−ピロリドンとの混ざりが悪化する。ここでのアルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))の役割は、成形型内面に付着したワックス系離型剤を膨潤させることにある。
具体的に(1)工程は、N−メチル−2−ピロリドンとアルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))の混合比が6:4〜8:2の洗浄液に成形型を浸積させる工程であり、この際、超音波、攪拌及び振動等の機械的作用とブラシやへら等の物理的除去とを併用することにより、洗浄効率が上がり好ましい。また、洗浄液は循環させる。
具体的に(2)工程は水のすすぎ工程であり、水に成形型を浸積させる工程であり、また水を循環させる。この際、超音波、攪拌及び振動等の機械的作用とブラシやへら等の物理的除去とを併用することにより、洗浄効率が上がり好ましい。ここでの水の役割は、成形型内面に付着しているN−メチル−2−ピロリド、アルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))、N−メチル−2−ピロリドにより膨潤されたウレタンを成形型内面から流し落とすことにある。
具体的に(3)工程はエアーブロー工程であり、ここでのエアーブローの役割は、型内面に残存している水滴を完全に除去することにある。水滴が成形型内面に残存していると、水は発泡剤役割をしているために、次の成形時に異常発泡することがある。
更に、本発明のトナー供給ローラの製造方法において、離型性分としてワックスを含有する離型剤をトナー供給ローラ成形型内面に塗布する工程を有することが好ましい。かかる離型剤が塗布された成形型内表面に使用する離型剤中の成分として、ワックスを含有させることで、成形耐久性が向上し、トナー供給ローラ表面の汚染を防ぐことができる。
該ワックスは、例えば、ポリエチレンワックス、酸化ワックス、天然ワックス及び流動パラフィン等のワックス成分が挙げられ、公知のワックス類の中から適宜選択して使用することが出来、一種又は二種以上を組み合せて用いてもよい。
本発明にいう離型剤を型に塗布するには通常公知の方法を用いればよく、例えば離型剤を型に浸漬、吹付、刷毛塗り等により、或いはエアゾール化して噴射したり、布に浸み込ませて塗り付けることにより塗布して、媒体を蒸発除去すればよい。
本発明のトナー供給ローラの製造方法は特に限定されず、従来公知の材質、形状の中から適宜選択して使用することが出来る。例えば、ステンレス(SUS304等)製で、ベントホール(型内にガスが溜まり発泡体に欠肉を生じるのを未然に防止するため設けられた孔径約1mm程度の成形型内外に連通する小孔)を有し、内面に凹凸形状を有するパイプ状成形型等がある。
また、(1)工程は、好ましくは液温が80℃〜120℃の該洗浄剤を用いて洗浄する工程を有する洗浄方法である。洗浄剤の液温が80℃未満の場合、ウレタンの膨潤速度及び離型剤の溶解速度に時間がかかり好ましくない。また、120℃を超えるとアルカン炭化水素で最も低沸点のオクタンの沸点より高くなり、突沸する恐れがあり、安全上好ましくない。従って、液温が80℃〜120℃の該洗浄剤を用いて洗浄することが好ましい。
また(1)工程は、好ましくは型温が40℃〜120℃の該成形型を用いて洗浄する工程を有する洗浄方法である。ワックス系離型剤は通常融点が40℃から100℃付近であり、型内面の温度を離型剤の融点より上に保ち、離型剤を溶融した状態で洗浄することで、洗浄効率が上がる。型温が40℃未満の場合、離型剤が溶融せずに好ましくない。また、型温が120℃を超えて長時間放置すると成形型の寸法精度が落ちる場合があり好ましくない。従って、成形型の型温が80℃〜120℃の該洗浄剤を用いて洗浄することが好ましい。
また、(3)工程はエアーブローを用いて洗浄する工程を有する洗浄方法であり、エアーブロー流量が50L/min〜150L/minであることが好ましい。50L/min未満の場合、残存している成形型内面の水滴を除去することが難しく、150L/minを超える流量をエアーブローすることは機械的に困難である。
トナー供給ローラは円柱状の芯金と、芯金の両端部を除いて芯金の周りに設けられたポリウレタンフォーム層を備える。この場合、セル開口率は50〜90%であることが好ましい。前記セル開口率とは、全表面積に対する開口した部分(セル)の割合である。セル開口率が50%未満の場合、トナー搬送量が不安定化し、トナーを均一に供給することが出来ないため好ましくない。また、トナー供給ローラのセル開口率を90%超過とすることは、製造手法上では容易なことではない。
本発明に係るトナー供給ローラは、ポリウレタンフォームからなる弾性体層を有するトナー供給ローラであり、前記ポリウレタンフォームが、少なくともポリエーテルポリオールとポリイソシアネートとを含むウレタン原料から形成されたものである。
(ポリエーテルポリオール)
ポリエーテルポリオールとしては特に制限は無く、従来公知の各種ポリエーテルポリオールの中から適宜選択して使用することが出来る。例えば、そのような液状のポリウレタン原料を構成するポリエーテルポリオール成分としては、一般に軟質ポリウレタンフォームの製造に用いられているポリエーテルポリエーテルポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオール及びポリマーポリエーテルポリオール等の公知のポリエーテルポリオール類の中から適宜選択して使用することが出来、一種又は二種以上を組み合せて用いてもよい。
ポリエーテルポリオールとしては特に制限は無く、従来公知の各種ポリエーテルポリオールの中から適宜選択して使用することが出来る。例えば、そのような液状のポリウレタン原料を構成するポリエーテルポリオール成分としては、一般に軟質ポリウレタンフォームの製造に用いられているポリエーテルポリエーテルポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオール及びポリマーポリエーテルポリオール等の公知のポリエーテルポリオール類の中から適宜選択して使用することが出来、一種又は二種以上を組み合せて用いてもよい。
なお、上記ポリエーテルポリオールを用いると、耐湿熱耐久性に優れた軟質高弾性ポリウレタン製造に好適である。更に、エチレンオキシドを5モル%以上含有するポリエーテルポリエーテルポリオールを使用すると、成形性が良く好ましい。また、予めポリイソシアネートと重合させたプレポリマーとして用いても構わない。
(ポリイソシアネート)
ポリイソシアネートとしては特に制限は無く、従来公知の各種ポリイソシアネートの中から、適宜選択して使用することが出来る。例えば2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、カーボジイミド変成MDI、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネート等が、単独で又は二種以上を組み合せて用いてもよい。なお、前記ポリイソシアネートを公知の活性水素化合物の1種又は2種以上と反応させることにより得られるイソシアネート基末端プレポリマーも、ポリイソシアネートとして使用することもできる。
ポリイソシアネートとしては特に制限は無く、従来公知の各種ポリイソシアネートの中から、適宜選択して使用することが出来る。例えば2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、カーボジイミド変成MDI、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネート等が、単独で又は二種以上を組み合せて用いてもよい。なお、前記ポリイソシアネートを公知の活性水素化合物の1種又は2種以上と反応させることにより得られるイソシアネート基末端プレポリマーも、ポリイソシアネートとして使用することもできる。
ポリウレタン原料のNCOインデックスは、60〜120であることが好ましく、70〜100であることがより好ましい。なお、NCOインデックスとは、ポリイソシアネート中のイソシアネート基の総数をイソシアネート基と反応する活性水素の総数で除したものに100を乗じた値とする。即ち、イソシアネート基と反応する活性水素数とポリイソシアネート中のイソシアネート基が化学量論的に等しい場合にそのNCOインデックスは100となる。
(その他のポリウレタンフォーム用原料)
触媒としては特に制限は無く、従来公知の各種触媒の中から適宜選択して使用することが出来る。トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン及びビス(ジメチルアミノ)エチルエーテル等、従来公知の触媒が使用できる。
触媒としては特に制限は無く、従来公知の各種触媒の中から適宜選択して使用することが出来る。トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン及びビス(ジメチルアミノ)エチルエーテル等、従来公知の触媒が使用できる。
整泡剤としては特に制限は無く、従来公知の各種整泡剤の中から適宜選択して使用することが出来る。例えばシリコーン系界面活性剤としては、東レ・ダウコーニング社製のSRX−274C、日本ユニカー社製のL−5309、L−520等が使用できる。
また、これらポリエーテルポリオール成分とポリイソシアネート成分とが配合されてなるポリウレタン原料には更に、従来と同様に架橋剤、発泡剤(水、低沸点物、ガス体等)、破泡剤等が、目標とする発泡成形後のポリウレタンスポンジ層の構造、即ち、連続気泡型若しくは独立気泡型の何れか一方を生ぜしめ易い公知の配合となるように添加されて、反応性の発泡原料とされる。また、そのような原料には必要に応じて所望の導電性を付与するための導電性付与剤や帯電防止剤等も、従来と同様に公知のものが添加せしめられる。導電付与剤は公知の物を使用することができ、例えば導電付与剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化チタンや酸化錫等の導電性の金属酸化物、CuやAg等の金属、これら導電性材料を粒子表面に被覆して導電化した粒子等が挙げられる。これらの導電付与剤は、単独あるいは複数種を組み合わせて用いることができる。特に、カーボンブラックは、比較的少量(質量比)の添加によって、所望の導電性を付与できる点で好ましい。その他添加剤として、難燃剤、減粘剤、顔料、安定剤、着色剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、酸化防止剤等を必要に応じて配合することが出来る。架橋剤としては、トリエタノールアミンやジエタノールアミン等の従来公知のものが挙げられる。
そして、混合操作の容易性や得られるポリウレタンフォームの特性の見地から、ポリイソシアネート、ポリエーテルポリオール及び整泡剤の好適な組み合わせは、ポリイソシアネートとしてはジフェニルメタンジイソシアネートとTDIを混合したものを用い、ポリエーテルポリオールとしてはポリエーテルポリエーテルポリオールを用い、整泡剤としては水溶性ポリエーテルシロキサンとを用いた組み合わせである。
(トナー供給ローラの製造方法)
本発明のトナー供給ローラの製造方法は、まず円筒状成形型に離型剤をスプレーを用いて均一に塗布し50℃に加温乾燥した。この加熱乾燥の温度は、離型剤の融点未満で行うことが好ましく、離型剤塗布面を十分に乾燥させることが好ましい。前記ポリエーテルポリオール、ポリイソシアネート、触媒及び所望により用いられる整泡剤、水、その他助剤等を均質に混合してウレタン原料を調製した後、これを型に注入し、加熱して反応硬化させることによりポリウレタンフォームを形成することができる。
本発明のトナー供給ローラの製造方法は、まず円筒状成形型に離型剤をスプレーを用いて均一に塗布し50℃に加温乾燥した。この加熱乾燥の温度は、離型剤の融点未満で行うことが好ましく、離型剤塗布面を十分に乾燥させることが好ましい。前記ポリエーテルポリオール、ポリイソシアネート、触媒及び所望により用いられる整泡剤、水、その他助剤等を均質に混合してウレタン原料を調製した後、これを型に注入し、加熱して反応硬化させることによりポリウレタンフォームを形成することができる。
前記ウレタン原料を混合する際の温度や時間については特に制限は無いが、混合温度は、通常10〜90℃、好ましくは20〜60℃の範囲であり、混合時間は、通常1秒〜10分間、好ましくは3秒〜5分間程度である。
また、加熱して反応硬化させる際、従来公知の方法により、発泡させることにより、ポリウレタンフォームからなるトナー供給ローラを作製することが出来る。発泡方法については特に制限は無く、発泡剤を用いる方法、機械的な撹拌により気泡を混入する方法等、いずれの方法をも用いることが出来る。この発泡時の成形型の温度を35〜100℃にすることが好ましく、40〜80℃にすることがより好ましい。なお、発泡倍率は適宜定めればよく、特に制限はない。
(トナー供給ローラ)
本発明のトナー供給ローラは、このようにして得られたポリウレタンフォームを用いたものであって通常、鉄にメッキを施したものやステンレス鋼等からなる例えば直径が4〜6mm、長さが200〜400mmの芯金を、前記ポリウレタンフォームで被覆して弾性体層を形成することにより製造することができる。用途によっては、導電性や半導電性、或いは絶縁性の塗料により、その外側を塗装してもよい。本発明のトナー供給ローラの外径は特に限定されず、その目的によりさまざまな外径を有するものとすることができるが、一般的には10〜20mmの外径を有する。芯金とポリウレタンフォームとの接合方法については特に限定されないが、芯金を予めモールド(成形型)内部に配設しポリウレタン原料を注型し硬化する方法や、ポリウレタンフォームを所定の形状に成形した後に接着する方法等を用いることが出来る。どちらの方法においても、必要に応じて芯金とポリウレタンフォームの間に接着層を設けることが出来る。この接着層としては、接着剤やホットメルトシート等の公知の材料を用いることが出来る。
本発明のトナー供給ローラは、このようにして得られたポリウレタンフォームを用いたものであって通常、鉄にメッキを施したものやステンレス鋼等からなる例えば直径が4〜6mm、長さが200〜400mmの芯金を、前記ポリウレタンフォームで被覆して弾性体層を形成することにより製造することができる。用途によっては、導電性や半導電性、或いは絶縁性の塗料により、その外側を塗装してもよい。本発明のトナー供給ローラの外径は特に限定されず、その目的によりさまざまな外径を有するものとすることができるが、一般的には10〜20mmの外径を有する。芯金とポリウレタンフォームとの接合方法については特に限定されないが、芯金を予めモールド(成形型)内部に配設しポリウレタン原料を注型し硬化する方法や、ポリウレタンフォームを所定の形状に成形した後に接着する方法等を用いることが出来る。どちらの方法においても、必要に応じて芯金とポリウレタンフォームの間に接着層を設けることが出来る。この接着層としては、接着剤やホットメルトシート等の公知の材料を用いることが出来る。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが理解されるべきである。
(実施例1〜7及び比較例1〜6)
先ず、成形型としては、パイプ型を用い、型内面に相当する金属製パイプの内面にワックス系離型剤(商品名:フリリース600、ネオス(株)製)を塗布せしめたパイプ型も準備した。
先ず、成形型としては、パイプ型を用い、型内面に相当する金属製パイプの内面にワックス系離型剤(商品名:フリリース600、ネオス(株)製)を塗布せしめたパイプ型も準備した。
次に、ポリエーテルポリエーテルポリオール(OH価=28、商品名:FA−718、三洋化成工業(株)製)100質量部、三級アミン触媒(商品名:ToyoCat−ET、東ソー(株)製)0.3質量部、三級アミン触媒(商品名:TEDA−L33、東ソー(株)製)0.5質量部、シリコーン系整泡剤(商品名:L5366、日本ユニカー(株)製)、イソシアネート(NCO%=44.5、商品名:コロネート1021、日本ポリウレタン(株)製)25.7質量部、水2質量部を配合せしめたポリウレタン原料を該成形型に注入し、注入し、加熱して反応硬化させる。この際のポリウレタンフォーム原料の混合温度や時間については特に制限は無いが、混合温度は60℃、混合時間は5分間で羽による撹拌により気泡を混入する方法を用いて成形した。この発泡時の成形型の温度は65℃に設定した。同一の成形型を用い上記成形条件で5回成形を繰り返し、その後、該成形型を下記洗浄を行った。
「セル開口性及び総合評価」
(1)表1に示されるようにN−メチル−2−ピロリドン、アルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))を含有してなる洗浄剤を用いて成型面を洗浄する工程、(2)水を用いて成型面を洗浄する工程、(3)エアーブロー工程、の各工程を2分間行い、洗浄後に上記5回成形を繰り返し20回行った。10回及び20回繰り返し成形後のトナー供給ローラの表面のセル開口について、リアルタイム走査型レーザー顕微鏡を用いて表面の画像を取り込み画像解析により2値化処理を行いセル開口面積率を求めた;
セル開口面積率[%]=セル開口面積/画像範囲×100
(1)表1に示されるようにN−メチル−2−ピロリドン、アルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))を含有してなる洗浄剤を用いて成型面を洗浄する工程、(2)水を用いて成型面を洗浄する工程、(3)エアーブロー工程、の各工程を2分間行い、洗浄後に上記5回成形を繰り返し20回行った。10回及び20回繰り返し成形後のトナー供給ローラの表面のセル開口について、リアルタイム走査型レーザー顕微鏡を用いて表面の画像を取り込み画像解析により2値化処理を行いセル開口面積率を求めた;
セル開口面積率[%]=セル開口面積/画像範囲×100
評価方法は、10回及び20回繰り返し成形後共に開口面積がスキン層表面の60%〜90%を占めムラ無く均一にセルが開口しているものを◎、10回及び20回繰り返し成形後どちらか一方でもセル開口率が50%〜59%であるものを○、10回及び20回繰り返し成形後どちらか一方でもセル開口率が50%未満であるものを×とした。
実施例1〜7は、N−メチル−2−ピロリドンとアルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))の混合比が6:4〜8:2を含有してなる洗浄剤を用いて成型面を洗浄する工程、(2)水を用いて成型面を洗浄する工程、(3)エアーブロー工程、の工程からなっているため、成形型内面の付着物を完全に除去でき、トナー供給ローラのセル開口率も高い。その中でも、実施例1〜3は、該洗浄液の液温が80℃〜120℃の該洗浄剤を用いかつ、成形型温が40℃〜120℃の該成形型を用いているので、20回繰り返し成形後も高セル開口率を維持している。
比較例1は、洗浄液にアルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))を含有していないために、成形型内面の離型剤を除去することができず、セル開口率が低い。
比較例2は、洗浄液にN−メチル−2−ピロリドンを含有していないために、ウレタン付着物を除去することができず、セル開口率が低い。
比較例3は、アルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))とN−メチル−2−ピロリドンとの混合比率が高く、成形型内面に付着した離型剤を除去する効果はあるが、ウレタン付着物を完全に除去することができず、セル開口率が低い。
比較例4は、アルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))とN−メチル−2−ピロリドンとの混合比率が低く、成形型内面に付着したウレタンを除去する効果はあるが、離型剤を完全に除去することが出来なかった。
比較例5は、水を用いて成型面を洗浄する工程を有しないために、次の工程のエアーブローを用いてもウレタンや離型剤の付着物を型内面から除去することができず、セル開口率が低い。
比較例6は、エアーブローを用いて成型面を洗浄する工程を有しないために、水分を除去することができず、セル開口率が低い。
Claims (6)
- 芯金と該芯金外周にポリエーテルポリオールとイソシアネートを主成分として得られるウレタンフォーム層を有するトナー供給ローラの製造方法であって、
(1)N−メチル−2−ピロリドンとアルカン炭化水素(CnH2n+2(8≦n≦12))の混合質量比が6:4〜8:2である洗浄剤を用いて成型面を洗浄する工程と、
(2)水を用いて成型面を洗浄する工程と、
(3)エアーブロー工程と、
の工程により洗浄されたトナー供給ローラ成形型に離型剤を塗布した後にウレタン材料を注入することにより芯金と該ウレタンフォーム層を一体成形することを特徴とするトナー供給ローラの製造方法。 - 更に、離型性分としてワックスを含有する離型剤をトナー供給ローラ成形型内面に塗布する工程を有する請求項1に記載のトナー供給ローラの製造方法。
- (1)工程での液温が80℃〜120℃の洗浄剤を用いて洗浄する工程を有する請求項1又は2に記載のトナー供給ローラの製造方法。
- (1)工程での型温が40℃〜120℃の成形型を用いて洗浄する工程を有する請求項1〜3のいずれかに記載のトナー供給ローラの製造方法。
- (3)工程でのエアーブロー流量が50L/min〜150L/minであるエアーブローを用いて洗浄する工程を有する請求項1〜4のいずれかに記載のトナー供給ローラの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のトナー供給ローラの製造方法により形成され、該トナー供給ローラ表面のセル開口率が50〜90%であることを特徴とするトナー供給ローラ。
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JP2008242244A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Bridgestone Corp | トナー供給ローラ |
JP2012127743A (ja) * | 2010-12-14 | 2012-07-05 | Canon Chemicals Inc | 発泡体ローラーの表面の測定方法及び測定装置 |
US11214762B2 (en) | 2019-08-05 | 2022-01-04 | Chem-Trend Limited Partnership | Compositions and methods for cleaning urethane molds |
-
2005
- 2005-05-30 JP JP2005157456A patent/JP2006330586A/ja not_active Withdrawn
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