JP2005234017A - 画像形成装置用ローラおよび画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ローラ性能を安定化し濃度ムラのない高品質の画像が得られる画像形成装置用ローラおよび画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】芯金と、該芯金上に形成された少なくとも一層以上のポリウレタンフォーム層を有する画像形成装置用ローラであって、ポリウレタンフォーム層は、内側に水系離型剤を塗布した金型内で発泡成形を行うことによって得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置用ローラ及びそれを装着してなる画像形成装置に関する。さらに詳しくは画像形成装置に装着して使用される各種ローラ、例えば帯電ローラ、現像ローラ、トナー供給ローラ、転写ローラ等に好適に利用できる画像形成装置用ローラ、これを装着してなる画像形成装置に関する。
電子写真技術の進歩に伴い、乾式電子写真装置等の画像形成装置には帯電用、現像用、転写用、トナー供給用などに供される部品の部材として、ゴム弾性を有する高分子材料を含む部材が注目されており、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、トナー供給ローラ等のローラの形態で用いられている。
近年、画像をデジタル化して扱うコンピュータなどでの画像の需要が増し、これに伴いより高精細、高品位な画像が要求され、さらにはカラー画像と電子写真画像の改良が求められている。これらの目的に使用されるゴム弾性を有する高分子材料を含む部材には、トナーへのストレス低減や再生画像の画質向上のためにスキンレスのポリウレタンフォームの適用が増加してきている。ポリウレタンフォームをトナー供給ローラなどの画像形成装置用弾性部材の用途に供する場合、低硬度であると同時に微細セルを有し、圧縮残留歪が小さく引張り強さが大きく、かつ低コストであることが要求される。
従来、そのような弾性ローラの製法としては(A)スラブ発泡若しくは型発泡のフォーム材からローラ素材を切り出し、それに芯金を通した後、表面を研磨して、ローラ形状に仕上げる方法、(B)芯金と一体で型内発泡した後、不要部分を研磨してローラ形状に仕上げる方法、(C)ローラ形状の型内で芯金と一体で発泡成形し、研磨を行わない方法等が提案されている。
トナー供給ローラを製造する方法として、成形キャビティを与える型内面に弗素樹脂コーティング層を形成すると共に、かかる弗素樹脂コーティング層の表面の表面粗さ:Rzが5〜20μmとなるように加工してなる成形型を用い、軟質ポリウレタンスポンジ層を形成したことを特徴とするトナー供給ローラの製造法が提案されている(特許文献1参照。)。
また、モールド内において該混合物を発泡成形させることを特徴とする弾性部材の製造方法において、モールドがその円筒空洞面のぬれ性を低下させるための表面処理が施されたものであり、表面処理としては樹脂によるコーティング処理、プラズマ処理による表面加工及びスキンレス離型剤コーティング処理などがあり、このモールドを用いて成形したスキンレスポリウレタンフォーム提案されている(特許文献2参照。)。
一方、従来から、ポリウレタンフォーム等の発泡成形品を製造するに際して、金型からの成形品の脱型を容易にするために、予め金型の内面への離型剤の塗布が一般に行われている。従来から汎用されている離型剤としては有機溶剤、例えば、石油系溶剤やフロン系溶剤にワックスやシリコーンオイルまたはフッ素系化合物を配合した、いわゆる溶剤型の離型剤が挙げられる。また、水をベースとした水系離型剤も提案されている(特許文献3参照。)。
特開平9−274373号公報 特開2001−341139号公報 特許第2972824号公報
しかしながら、上記(A)、(B)及び(C)のような従来の弾性ローラの製法にあっては各種の問題点が発生する場合があった。例えば、上記(A)方法や(B)方法においては製造工程が煩雑であり、また研磨によるローラ表面の毛羽立ち、寸法精度が悪い等の問題が発生する場合があった。また、上記の(C)の方法においてはそのような不具合はないものの表面のスキン層が薄いために例えば、トナー供給ローラとして使用した場合において、該トナー供給ローラが相手たる現像ローラに対して接触して摩擦抵抗が生じた場合に、破れやすく耐久性が悪い場合があった。
また、現像装置におけるトナー供給ローラには、現像ローラに対してトナーを供給し、またその不要分を掻き取り、現像ローラ上に均一にトナーを供給する機能が求められている。しかし、前記(A)や(B)の方法において得られる弾性ローラにおけるローラ表面の毛羽立ちは例えばトナー供給ローラとして使用された場合、トナー搬送量を不安定化し、画像不良の問題をひきおこす場合があった。また、ロール表面から毛羽が欠落した場合には、電子写真システムの他の部位に詰まる等の異物となり、画像不良や故障の原因となる場合があった。
更に、前記(C)の方法にて得られる弾性ローラにあってはローラ表面にスキン層が形成されると、破れが発生した場合においてスキン層破片の欠落によって異物が発生し、上記のように画像不良や故障の原因となる場合があった。また、ローラ表面の破れた部分からトナーが入り込みその部分が硬くなって、ローラ硬度が部分的に変化しトナー搬送量が不安定となる場合があった。
即ちローラ表面に部分的にスキン層が形成されると、トナー像や再生画像に色抜けや濃度むら等が発生する場合があった。また、離型性が悪いとフォームがちぎれたりして寸法精度が悪化する場合があった。
また、弗素樹脂コーティング金型で繰り返し成形した場合には、ポリウレタン材料がコーティング層に徐々に蓄積し、離型剤の耐久性が不足していた。さらに、樹脂によるコーティング処理、プラズマ処理による表面加工は非常に手間がかかる作業であり、仮にそういった処理をしても繰り返し(耐久)性に劣る場合があった。
従来使用されている溶剤型の離型剤を使用すると溶剤に起因する臭気による作業性の低下、また環境や人体に悪影響を与える場合があった。更に、特許文献3記載の水系離型剤は型との馴染みが悪く均一な塗布が困難な場合があり、部分的にスキン層が形成されたり離型性が悪い部分のフォームがちぎれたりして寸法精度が悪化する場合があった。その上、本発明が目的とする表面にセル開口したポリウレタンフォーム製の画像形成装置用ローラへの適合性の観点からはまったく検討がなされていなかった。
本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、長期使用時のローラ性能を安定化し濃度ムラのない高品質の画像が得られる画像形成装置用ローラ、及びこれを装着してなる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記問題を解決するため鋭意研究を行い、金型内でポリウレタン原料を成形し表面にセル開口したポリウレタンフォーム製ローラにおいて、金型に水系離型剤を塗布し成型することを特徴とする画像形成装置用ローラは前記本発明の目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の構成を有することを特徴とする。
本発明は芯金と、該芯金上に設けられた少なくとも一層以上のポリウレタンフォーム層を有する画像形成装置用ローラであって、
該ポリウレタンフォーム層は、内側に水系離型剤を塗布した金型内で発泡成形(反応、発泡)を行うことによって得られたものであることを特徴とする画像形成装置用ローラに関する。
本発明によれば長期使用時のローラ性能を安定化し濃度ムラのない高品質の画像が得られる画像形成装置用ローラ、及びこれを用いた画像形成装置を提供する。
次に、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の画像形成装置用ローラは、金型内でポリウレタン原料を成形し表面にセル開口したポリウレタンフォーム製の画像形成装置用ローラにおいて、前記金型に水系離型剤を塗布して成型することを特徴とする画像形成装置用ローラである。
(水系離型剤)
本発明の水系離型剤は少なくとも一種以上のワックスを含有し、かつシリコーンオイル及びフッ素化合物の少なくとも一方を含有することが好ましい。水系離型剤がこれらの成分を含有することによって成形後の成形型からのローラの脱型性を向上させ寸法精度に優れたローラとすることができる。水系離型剤の粘度は1〜1000Pa・sであることが好ましく、1〜500Pa・sであることがより好ましい。粘度がこれらの範囲内にあることによって、良好な成形型への塗布性を有することができる。更に水系離型剤は界面活性剤を含有し、該界面活性剤によって上記ワックス、シリコーンオイル及びフッ素化合物などの成分を溶解、分散あるいは乳化分散させても良い。界面活性剤を使用することによって、水系離型剤の安定性及び均一性を向上させることができる。また、この水系離型剤を用いて製造したローラの品質安定性も向上させることができる。
(ワックス)
本発明にいう水系離型剤成分としてのワックスは特に制限は無く、従来公知の各種ワックスの中から適宜選択して使用することが出来る。例えばモンタンワックス、モンタン酸エステルワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、ビーズワックス、ポリエチレンワックスなどの天然あるいは合成ワックス、これらの1種または2種以上のものを組み合せて用いても良い。
これらのワックス成分はウレタン原料との反応性が全くないかあるいは殆どないため、ポリウレタンフォーム成形時に悪影響を及ぼすことがない。なかでもモンタン酸エステルワックスを用いることが好ましい。モンタン酸エステルワックスは離型性能を阻害せず離型性、水中への乳化分散を容易に行うことができる。このワックスの配合量は水系離型剤中に1〜15質量%とすることが好ましく、5〜12質量%とすることがより好ましい。ワックスの配合量が1質量%以上のとき充分な成膜性を保つことができ、15質量%以下であるとウレタン成形型枠への堆積が問題とならない。
このワックスの融点は50℃〜120℃であることが好ましく、50〜80℃であることがより好ましい。発泡成形時の金型温度を120℃以下にするとウレタンのガス化が急激に起こらず発泡コントロールが容易となり、ボイド、エア溜まり等発生しにくく本発明には好適である。また、50℃以上であると短時間で効果的にポリウレタンの発泡成形を行うことができる。
特に、ワックスの融点がポリウレタンフォームで金型内が充填された時(発泡成形時)の金型温度以上であることが好ましい。ワックスの融点が、金型温度以上であるとワックスが溶融しなかったりポリウレタンフォーム表面が荒れることがなく、均一なセルが得られる。
(シリコーンオイル)
本発明にいう水系離型剤成分としてのシリコーンオイルは特に制限は無く、従来公知の各種シリコーンオイルの中から、適宜選択して使用することが出来る。本発明において使用するシリコーンオイルとしては側鎖にアルキル基、フォニル基またはフルオロアルキル基を有するポリシロキサン等が例示され、これらのシリコーンオイルも所望により、2種以上適宜併用してもよい。また、これらのシリコーンオイルは添加剤、例えば、シリコーン樹脂等を含有していてもよい。
水系離型剤中のシリコーンオイルの含量は0.5〜30質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましい。シリコーンオイルの含量がこれらの範囲内にあることによって、ポリウレタンの良好な発泡成形を行うことができると共に十分な離型性を有することができる。シリコーンオイルの粘度は1〜100000Pa・sであることが好ましく、10〜10000Pa・sであることがより好ましい。粘度がこれらの範囲内にあることによって、より効果的に成形型への水系離型剤の塗布性を向上させることができる。
(フッ素系化合物)
本発明にいう水系離型剤成分としてのフッ素系化合物は特に制限は無く、従来公知の各種フッ素系化合物の中から、適宜選択して使用することが出来る。例えばフッ素処理された低分子量ポリオレフィンもしくはオレフィンとテトラフルオロエチレンとの共重合体、低分子量オレフィンとポリテトラフルオロエチレンとの溶融混合物、パーフルオロアルケニルアリールエーテルのスルホン酸塩及びホスホン酸誘導体、フッ素スルホン酸塩及びホスホン酸塩、フッ素を含有する縮合多環化合物(例えばフッ素化ピッチ)、これらの1種または2種以上のものを組み合せて用いても良い。
本発明による水性離型剤におけるフッ素化合物の配合量は、成形品の原料樹脂の種類、成形温度、成形品の表面状態および離型成分の種類等に応じて適宜選定すればよく、特に限定的ではないが、0.1〜15質量%が好ましく、0.5〜5.0質量%がより好ましい。
(界面活性剤)
本発明にいう水系離型剤の成分を水に溶解、分散あるいは乳化分散せしめる界面活性剤は特に制限は無く、従来公知の各種界面活性剤の中から、適宜選択して使用することが出来る。例えば一般的な乳化剤、分散剤、これらの1種または2種以上のものを組み合せて用いても良い。
乳化剤は非イオン性乳化剤とイオン性乳化剤から選択される1種または2種以上を使用することが好ましい。これらの乳化剤を使用することによって、より安定して水系離型剤の成分を水中に溶解、分散等させることができる。この非イオン性乳化剤としてはポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ソルビタンモノアルキレート、ソルビタントリアルキレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレート、ポリオキシエチレンソルビタントリアルキレート、ポリオキシエチレンソルビトールテトラアルキレート、グリセロールモノアルキレートなどが例示され、これらは単独で、または2種以上の併用で用いることができる。また、これらの一般的な非イオン性乳化剤のほかにフッ素系乳化剤あるいはシリコーン系非イオン系乳化剤も使用することができるが、この非イオン性乳化剤はHLBが1.5〜20の範囲のものが好ましく、7.0〜15.0の範囲のものとすることがより好ましい。
また、このイオン性乳化剤としてはアニオン性、カチオン性および両イオン性のものがあり、このアニオン性乳化剤としてはラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、アルキルリン酸カリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレントリデシルエーテル硫酸ナトリウムなどが、カチオン性乳化剤としてはセチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルアミン塩酸塩、ココナットアミン塩酸塩、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライドなどが例示される。
さらに、この両イオン性乳化剤としてはN−アシルアミドプロピル−N、N−ジメチルアンモニオベタイン類、N−アシルアミドプロピル−N、N’−ジメチル−N’−β−ヒドロキシプロピルアンモニオベタイン類などが例示される。
なお、乳化剤はこれらの非イオン性乳化剤とイオン性乳化剤のいずれか、またはこれらの混合物とすればよい。水系離型剤中の乳化剤の含量は0.5〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。これらの配合量は水系離型剤中に0.5質量%以上のとき乳化分散が容易で剥離性能が低下しない。配合量が30質量%以下であると乳化組成物の粘度が高くならずに作業性が損なわれない。
(乳化分散助剤)
本発明による水性離型剤における上記離型成分の乳化分散助剤としては、乾燥性がよい低沸点の水性の極性有機溶剤、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトンまたは2−ブタノン等を適宜使用することができる。
(その他の水系離型剤への添加成分)
本発明の離型剤にはワックスのレベリング性向上のために適当な有機溶剤、例えばシクロヘキサン等を適宜配合してもよく、また、前記の成分以外に必要に応じて、酸化防止剤、アルコール、石油系溶剤、防錆剤、防腐剤、消泡剤、増粘剤等の他の添加剤を適宜添加することができる。
(離型剤の製造方法及び塗布方法)
本発明にいう水系離型剤組成物を調整する場合、その各成分の配合、エマルジョン化の手順は従来公知の方法で行うことができる。ワックスは乳化前に混合してもよく、別々に乳化した後混合してもよい。例えば、後者の乳化した後に混合する方法は融点が110℃以上のワックスが少量で効果を発揮でき、脱型時の抵抗が小さくなるので有利な方法である。すなわち、乳化剤と水の混合物を90〜95℃に加熱して石けんを作製する。別の容器にワックス、酸化防止剤及び溶剤その他添加剤を入れて加熱してワックスを溶解する。この溶液を前記石けん液中に攪拌下で添加して、予備乳化液を調製する。次いで、ホモジナイザー処理を行い、室温まで急冷して離型剤組成物を得ることができる。予備成形をすることで可能なものを使用することが可能となるものである。
本発明にいう水系離型剤を型に塗布するには通常公知の方法を用いれば良く、例えば離型剤を型に浸漬、吹付、刷毛塗り等により、或いはエアゾール化して噴射したり、布に浸み込ませて塗り付けることにより塗布して、媒体を蒸発除去すればよい。
本発明の画像形成装置用ローラは、ポリウレタンフォームからなる弾性体層を有する画像形成装置用ローラであり、前記ポリウレタンフォームが、少なくともポリオールとポリイソシアネートとを含むウレタン原料から形成されたものである。
(ポリオール)
前記ポリオールとしては特に制限は無く、従来公知の各種ポリオールの中から適宜選択して使用することが出来る。例えば、そのような液状のポリウレタン原料を構成するポリオール成分としては、一般に軟質ポリウレタンフォームの製造に用いられているポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール等の公知のポリオール類の中から適宜選択して使用することが出来、一種又は二種以上を組み合せて用いても良い。
なお、上記ポリオールのうち、ポリエーテルポリオールを用いると、耐湿熱耐久性に優れた軟質高弾性ポリウレタン製造に好適である。更に、エチレンオキシドを5モル%以上含有するポリエーテルポリオールを使用すると、成形性が良く好ましい。また、あらかじめポリイソシアネートと重合させたプレポリマーとして用いても差し支えない。
(ポリイソシアネート)
また、前記ポリイソシアネートとしては特に制限は無く、従来公知の各種ポリイソシアネートの中から、適宜選択して使用することが出来る。例えば2、4−及び2、6−トリレンジイソシアネート(TDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、4、4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、及びカーボジイミド変成MDI、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネート等が、単独で、又は二種以上を組み合せて用いても良い。なお、前記ポリイソシアネートを公知の活性水素化合物の1種または2種以上と反応させることにより得られるイソシアネート基末端プレポリマーも、ポリイソシアネートとして使用することもできる。
ポリウレタン原料のNCOインデックスは60〜120であることが好ましく、70 〜100であることがより好ましい。なお、NCOインデックスとは、ポリイソシアネート中のイソシアネート基の総数をイソシアネート基と反応する活性水素の総数で除したものに100を乗じた値とする。即ち、イソシアネート基と反応する活性水素数とポリイソシアネート中のイソシアネート基が化学量論的に等しい場合にそのNCOインデックスは100となる。
(その他のポリウレタンフォーム用原料)
触媒としては特に制限は無く、従来公知の各種触媒の中から適宜選択して使用することが出来る。トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン、ビス(ジメチルアミノ)エチルエーテル等、従来公知の触媒が使用できる。
整泡剤としては特に制限は無く、従来公知の各種整泡剤の中から適宜選択して使用することが出来る。例えばシリコーン系界面活性剤としては、東レ・ダウコーニング社製のSRX−274C、日本ユニカ社製のL−5309、L−520等が使用できる。
また、これらポリオール成分とポリイソシアネート成分とが配合されてなるポリウレタン原料には更に、従来と同様に架橋剤、発泡剤(水、低沸点物、ガス体等)、破泡剤等が、目標とする発泡成形後のポリウレタンスポンジ層の構造、即ち、連続気泡型若しくは独立気泡型の何れか一方を生ぜしめ易い公知の配合となるように添加されて、反応性の発泡原料とされる。また、そのような原料には必要に応じて所望の導電性を付与するための導電性付与剤や帯電防止剤等も、従来と同様に公知のものが添加せしめられる。導電付与剤は公知の物を使用することができ、例えば導電付与剤としては、カーボンブラック、グラフアイト、酸化チタン、酸化錫などの導電性の金属酸化物、Cu、Agなどの金属、これら導電性材料を粒子表面に被覆して導電化した粒子などが挙げられる。これらの導電付与剤は単独、あるいは複数種を組み合わせて用いることができる。特に、カーボンブラックは、比較的少量(重量比)の添加によって、所望の導電性を付与できる点で好ましい。その他添加剤として、難燃剤、減粘剤、顔料、安定剤、着色剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、酸化防止剤等を必要に応じて配合することが出来る。架橋剤としてはトリエタノールアミン、ジエタノールアミン等の従来公知のものが挙げられる。
そして、混合操作の容易性や得られるポリウレタンフォームの特性の見地から、前記ポリイソシアネート、ポリオール、整泡剤の好適な組み合わせは、ポリイソシアネートとしては、ジフェニルメタンジイソシアネートとTDIを混合したものを用い、ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、整泡剤としては水溶性ポリエーテルシロキサンとを用いた組み合せである。
(成形型)
本発明の画像形成装置用ローラ用成形型は特に限定されず、従来公知の材質、形状の中から適宜選択して使用することが出来る。例えば、SUS304製で、ベントホール(型内にガスがたまり発泡体に欠肉を生じるのを未然に防止するため設けられた孔径約1mm程度の金型内外に連通する小孔)を有し、内面に凹凸形状を有するパイプ状成形型等がある。
(画像形成装置用ローラの製造方法)
本発明の画像形成装置用ローラの製造方法はの一例を示せば次の通りである。まず、金型に水系離型剤をスポンジに含ませて均一に塗布し50℃に加温乾燥した。この加熱乾燥の温度は、離型剤の融点未満で行うことが好ましく、離型剤塗布面を十分に乾燥させることが好ましい。前記ポリオール、ポリイソシアネート、触媒及び所望により用いられる整泡剤、水、その他助剤などを均質に混合してウレタン原料を調整した後、これを型に注入し、加熱して反応硬化させることによりポリウレタンフォームを形成することができる。
前記ウレタン原料を混合する際の温度や時間については特に制限は無いが、混合温度は、通常10〜90℃、好ましくは20〜60℃の範囲であり、混合時間は、通常1秒〜10分間、好ましくは3秒〜5分間程度である。
また、加熱して反応硬化させる際、従来公知の方法により、発泡させることにより、ポリウレタンフォームからなる画像形成装置用ローラを作製することが出来る。発泡方法については特に制限は無く、発泡剤を用いる方法、機械的な撹拌により気泡を混入する方法など、いずれの方法をも用いることが出来る。この発泡時の成形型の温度を35〜100℃にすることが好ましく、40〜80℃にすることがより好ましい。なお、発泡倍率は、適宜定めればよく、特に制限はない。
(画像形成装置用ローラ)
本発明の画像形成装置用ローラはこのようにして得られたポリウレタンフォームを用いたものであって通常、鉄にメッキを施したものやステンレス鋼などからなる例えば直径が4〜6mm、長さが200〜400mmの芯金を、前記ポリウレタンフォームで被覆して弾性体層を形成することにより製造することができる。用途によっては、導電性や半導電性、或いは絶縁性の塗料により、その外側を塗装してもよい。本発明の画像形成装置用ローラは、その用途が画像形成装置用であれば特に制限は無いが、例えば帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、トナー供給ローラ及びクリーニングローラなどとして用いることができる。
本発明の画像形成装置用ローラの外径は特に限定されず、その目的によりさまざまな外径を有するものとすることができるが、一般的には10〜20mmの外径を有する。
芯金とポリウレタンフォームとの接合方法については特に限定されないが、芯金を予めモールド(成形型)内部に配設しポリウレタン原料を注型し硬化する方法や、ポリウレタンフォームを所定の形状に成形した後接着する方法などを用いることが出来る。どちらの方法においても、必要に応じて芯金とポリウレタンフォームの間に接着層を設けることが出来る。この接着層としては、接着剤やホットメルトシートなどの公知の材料を用いることが出来る。
図2は本発明の画像形成装置用ローラの一例を示す説明図である。図2に示すように画像形成装置用ローラは円柱状の芯金11と、芯金11の両端部を除いて芯金11の周りに設けられたポリウレタンフォーム層12を備える。また、必要に応じてポリウレタンフォーム層12はその表面に内部から連通したセル開口部を備えたスキン層を有しても良い。この場合、セル開口径は10〜1000μmであることが好ましく、100〜600μmであることがより好ましい。セル開口率は10〜90%であることが好ましく、30〜80%であることがより好ましい。前記セル開口率とは、全表面積に対する開口した部分(セル)の割合である。
画像形成装置用ローラは上記構成のものに限定されるわけではなく、ポリウレタンフォーム層の内周側及び外周側に更に複数の層を有していても良い。
図1は、本発明の電子写真方式の画像形成装置の一例を示す説明図であって、本発明に係るトナー供給ローラ3と静電潜像を保持した画像形成体1との間に現像ローラ2がその外周面を画像形成体1の表面に近接させた状態で配設され、かつ画像形成体1に紙などの記録媒体8を介して、転写ローラ5を当接させた構造を示している。トナー供給ローラ3、現像ローラ2及び画像形成体1を矢印方向に回転させることにより、トナーがトナー供給ローラ3により現像ローラ2の表面に供給され、層規制ブレード4によって均一な薄層に整えられた後、画像形成体1上に供給される。画像形成体1は帯電ローラ7によって所定の極性・電位に一様帯電処理され、次いで露光系(図示していない)により目的の画像情報に対応したネガ画像露光(原稿像のアナログ露光、デジタル走査露光)を受けて周面に目的画像情報の静電潜像が形成される。この静電潜像上に現像ローラから供給されたトナーが付着し、該潜像が可視化される。そして画像形成体1と転写ローラ5との間に電界を発生させることにより、画像形成体1上のトナー画像を記録媒体8に転写させる。また、6はクリーニングブレードであり、このクリーニングブレード6により、転写後に画像形成体1表面に残留するトナーが除去される。本発明の画像形成装置用ローラは例えば、上記画像形成装置内で帯電ローラ7、現像ローラ2、トナー供給ローラ3又は転写ローラ5として使用することができる。本発明のローラは寸法精度に優れているため上記ローラとして使用した場合、安定的に回転することができ該ローラとの接触体を傷つけることがない。また、上記のそれぞれのローラに要求される性能を長期間、維持することができ安定性に優れたローラとすることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
[実施例1〜10、比較例1〜11]
まず、表1に示す組成の離型剤をスポンジ等に含ませてSUS304製金型に塗布する。(塗布した離型剤の)膜厚については、製品寸法に影響を与えない範囲であれば特に制限しないが、1〜1000μmであるとより好ましい。このようにして離型剤を塗布した後、50℃で20分間に加温乾燥した。次に、ポリオール成分(ポリオール、整泡剤、触媒、水など)、ポリイソシアネート成分を液温25℃に調整した。そして、両液をNCOインデックスが100となるように配合し撹拌羽根で5秒間撹拌した後、予めSUS304製の直径5mm、長さ270mmの芯金を内部の所定位置に取り付けた金型内に流し込んだ。次に、100℃の電気炉でトナー供給ローラ用成形型を40℃に温度調節し、この金型内で20分硬化し金型から取り出して外径が16mmのトナー供給ローラを製造した。ポリウレタンフォームで金型内が充填されるのに約1分を要し金型温度はいずれも40〜45℃であった。
〈ウレタン原料〉
ポリオール:EP901(三井武田ケミカル(株)製)・・・100質量部
整泡剤:L−5366(日本ユニカー(株)製)・・・1質量部
触媒:TOYOCAT−ET(東ソー(株)製)・・・0.1質量部
TOYOCAT−MR(東ソー(株)製)・・・0.3質量部
水・・・1.7質量部
ポリイソシアネート
:コスモネートT−80(三井武田ケミカル(株)製)・・・17.4質量部
コスモネートM200(三井武田ケミカル(株)製)・・・ 4.4質量部
得られたポリウレタンフォームローラについてセル開口性、及び脱型性を評価した。また、上記各トナー供給ローラをフルカラーレーザービームプリンタ(キヤノン(株)製
;LBP−2510)のシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各トナーカートリッジに組み込み、このカートリッジを取り付けたフルカラーレーザービームプリンタを用いて、連続耐久試験用のテキストページを連続4000枚出力した。出力終了後1晩以上放置してから各色ベタ画像を作像して下記の方法に従って評価した。これらの結果を表1に示す。
Figure 2005234017
Figure 2005234017
1)上記固形分を、工業用ガソリンで固形分が5%となるように希釈したもの
2)上記固形分を、固形分が5%となるように乳化した水溶液
3)信越化学工業(株)製シリコーン樹脂(工業用ガソリン希釈、樹脂分15%)
4)東レ・ダウコーニン・グシリコーン(株)製シリコーンオイル(500cs)
5)キシダ化学(株)製パラフィン(m.p.=60〜62℃)
6)キシダ化学(株)製パラフィン(m.p.=68〜70℃)
7)三井化学(株)製ポリエチレンワックス(m.p.=108〜111℃)
8)弗素スルホン酸ナトリウム
9)パーフルオロノネニルオキシフェネチルアルコール5
表1に示す評価の表示は以下の通りである。
〈セル開口性〉
リアルタイム走査型レーザー顕微鏡を用いて表面の画像を取り込み画像解析により2値化処理を行いセル開口面積率を求めた。セル開口面積率[%]=セル開口面積/画像範囲×100
◎:セル開口面積率が60%以上
○:セル開口面積率が60〜30%
×:セル開口面積率が30%未満。
〈脱型性〉
◎:極めて良好
○:良好
×:不良。
〈画像評価〉
目視による判定を行った。
◎:極めて良好
○:良好
×:不良(色抜け、濃度むら)。
本結果より本実施例に示したポリウレタンフォーム製ローラにおいて、金型に水系離型剤を塗布し成型することにより、セル開口性、脱型性等の成形性に優れ、高品質の画像が得られることがわかる。また表面セル径のローラ内バラツキも改善されることで濃度ムラが良化する結果となった。
本発明の画像形成装置用ローラを装着した電子写真方式の画像形成装置の一例を示す説明図である。 本発明の画像形成装置用ローラを示す説明図である。
符号の説明
1 画像形成体
2 現像ローラ
3 トナー供給ローラ
4 層規制ブレード
5 転写ローラ
6 クリーニングブレード
7 帯電ローラ
8 記録媒体
11 芯金
12 ポリウレタンフォーム層




Claims (8)

  1. 芯金と、該芯金上に設けられた少なくとも一層以上のポリウレタンフォーム層を有する画像形成装置用ローラであって、
    該ポリウレタンフォーム層は、内側に水系離型剤を塗布した金型内で発泡成形を行うことによって得られたものであることを特徴とする画像形成装置用ローラ。
  2. 前記水系離型剤が、少なくとも一種以上のワックスを含有し、かつシリコーンオイル及びフッ素系化合物の少なくとも一方を含有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置用ローラ。
  3. 前記ワックスの融点が50℃〜120℃であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置用ローラ。
  4. 前記ワックスの融点が、前記ポリウレタンフォーム層の発泡成形時の金型の温度以上であることを特徴とする請求項2又は3記載の画像形成装置用ローラ。
  5. 前記水系離型剤が更に界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置用ローラ。
  6. 前記界面活性剤が、少なくとも非イオン性乳化剤およびイオン性乳化剤の何れか一方であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置用ローラ。
  7. 前記画像形成装置用ローラが、帯電ローラ、現像ローラ、トナー供給ローラ又は転写ローラである請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置用ローラ。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成装置用ローラを装着してなる画像形成装置。


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