JP4696957B2 - 配線基板修正方法及び配線基板修正装置 - Google Patents

配線基板修正方法及び配線基板修正装置 Download PDF

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Description

本発明は、TFT型液晶表示パネルのTFT基板におけるマトリックス配線などの断線欠陥の修正に好適な配線基板修正方法及び配線基板修正装置に関する。
従来より、配線基板の配線パターンの欠陥箇所の修正について種々の方法が行われている。ここで、配線パターンの欠陥は、主に短絡(ショート)モードと断線(オープン)モードに分けられる。
前者の短絡モードは、隣り合う配線パターン間に必要な間隙(スペース)に、配線材料自体が余分に形成されたり導電性の異物が付着したりして、短絡や絶縁性が阻害されたりするものであり、修正方法としては、例えば金属の細径ピンにより機械的に除去する方法、レーザ照射による熱的に除去する方法、当該短絡部をマスキングしたのち局所的にエッチングする方法などが採られる。
後者の断線モードは、配線パターン自体が断線するもので、これには虫食いやくびれなど局所的に配線パターンが細く形成されるものも含まれる。虫食い状の配線が不都合なのは、実使用時に細くなっている箇所では電流密度が大きくなりマイグレーションなどにより断線する可能性が大きくなるためである。この断線モードでは、修正方法としては、当該断線部をマスキングしたのち局所的にめっきなどでパターン形成する方法や、導電性ペーストを当該断線部に塗布し硬化させる方法などが採られている。
このように、短絡モードにおける修正は、余分な導体の除去作業であるため比較的簡便に実施することができるものの、断線モードでの修正は、配線パターンを接続したり、線幅の不足を補う作業であるため、より微細な作業を必要とするものとなっている。そして、この断線モードの修正には、上述した導電性ペーストを用いる方法が従来から行われており、種々の例が知られている。
従来の導電性ペーストを用いた配線パターンの断線の修正について、特許文献1,2に開示されているものが知られている。
特許文献1には、特に、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイ)、マスクなどの基板のパターン欠陥を修正するような表示基板の欠陥修正方法および欠陥修正装置に関するものが記載されている。
この表示基板の欠陥修正方法は、その先端の形状が平坦に形成された針にペーストを付着して表示基板の配線の断線箇所に接触させ、微少部分にペーストを塗布することにより導電性膜のパターニングを行う表示基板の欠陥修正方法において、塗布針の近傍でこの針に沿って補助部材を上下に相対移動させ、ペーストを連続して塗布させるようにしたものである。
これにより、ペースト補給のために針をペーストタンクまで移動させる必要がなくなり、数回ないし数十回の連続塗布を行うことができ、塗布時間の短縮を図ることができる。また、高粘度ペーストを使用することにより、塗布の膜厚を厚くすることもできる。
特許文献2には、液滴を吐出(噴出)し、パターンを形成する液滴吐出装置、パターン形成方法、並びにその方法を用いた表示装置の作製に関するものが記載されている。
このパターン形成方法は、パターン形成材料を含む組成物を被形成領域に向かって吐出し、組成物が被形成領域に付着する前に、組成物の形状を整形することによって、選択的にパターンを形成するものである。
そして、導電層のパターンをその線幅によって作り分けることができるようにしている。
特開2000−321996号公報(第2頁左欄,図5) 特開2005−199269号公報(第2頁,第8頁,図1)
一般にTFT型液晶表示パネルのTFT基板や有機EL(Electro-Luminescence)パネルにおけるマトリックス配線の配線パターンでは、例えばラインとスペースが最小5μm程度にもなり小さいため、欠陥部の修正もこれに対応する精度が求められている。
しかしながら、特許文献1,2に記載の技術には以下の欠点がある。
すなわち、特許文献1に開示されている表示基板の欠陥修正方法は、先端が平坦な極細の針を用いてを欠陥部に直接塗布し修正するもので、一度針先へ導電性ペーストが補給されるとその後補給なしで連続塗布を行うことができる利点を有するものの、修正に用いられる針が非常に細いため修正作業のとき、基板に接触するなどして針を破損させ、基板にさらなる損失を与えるおそれがある。
特許文献2に開示されているパターン形成方法では、整形手段及びヘッド部を方向の方へ走査して線状のパターンを形成する前に、制御手段よってノズルより吐出されたパターン形成材料を有する液滴が筆状の整形部に供給されるが、このとき筆状の整形部は被形成領域に接触し弓なりになった状態で液滴を付着させるものであるため、余分の液滴が被形成領域にそのまま付着してしまうおそれがある。
本発明はかかる点に鑑み、配線基板の断線欠陥部分を修正筆により修正するときの修正筆への導電性ペーストの供給を、簡便かつ確実に行うことができる配線基板修正方法及びを配線基板修正装置を提案するものである。
上記課題を解決するため本発明は、配線基板に形成された配線パターンの断線欠陥部分を修正する配線基板修正方法において、先端部が柔軟性を有する先細の毛を設け、この毛の軸を配線基板に対し略直交する面上で配線基板に対して傾けて配設した修正筆と、修正筆への導電性ペーストを供給するペースト供給機構と、配線基板と修正筆との間に、余分に供給された導電性ペーストを受ける受け皿を挿脱自在に設ける駆動機構と、を有し、駆動機構は、修正筆への導電性ペーストの供給のとき修正筆の下側に受け皿を配し、断線欠陥部分の修正のとき修正筆の下側から受け皿を退避させるものである。
また、上記課題を解決するため本発明は、配線基板に形成された配線パターンの断線欠陥部分を修正する配線基板修正装置において、先端部が柔軟性を有する先細の毛が設けられ、この毛の軸を配線基板に対し略直交する面上で配線基板に対して傾けて配設された修正筆と、毛の先端に導電性ペーストを供給するペースト供給機構を備え、修正筆を保持する修正筆保持部と、修正筆保持部を昇降移動させる昇降駆動機構と、修正筆に余分に供給された導電性ペーストを受ける受け皿を、配線基板と修正筆との間に挿脱自在に設ける受け皿駆動機構と、修正筆を配線基板に対して相対的に直線移動させる直線駆動機構と、を備え、受け皿駆動機構は、修正筆への導電性ペーストの供給のとき修正筆の下側に受け皿を配し、断線欠陥部分の修正のとき修正筆の下側から受け皿を退避させるものである。
このように構成した本発明配線基板修正方法及び配線基板修正装置によれば、修正筆への導電性ペーストの供給のとき、余分な導電性ペーストが受け皿で受け止められ配線基板上に付着することがないので、簡便かつ確実に導電性ペーストを修正筆に供給することができる。
本発明配線基板修正方法及び配線基板修正装置によれば、修正筆への導電性ペーストの供給を、簡便かつ確実に行うことができる。
本発明の一実施の形態の例による配線基板修正装置を、図1〜図7を参照して説明する。
先ず、修正筆が設けられる修正ヘッドを、図1〜図4を参照して説明する。
図1は、本例の配線基板修正装置の構成を説明する説明図であり、図2は、図1例の配線基板修正装置の要部を拡大して示す斜視図である。また、図3は、本例の配線基板修正装置に用いる修正ヘッドの構成を説明する、図3Aは側面図、図3Bは下面図である。また,図4は図3に示す修正ヘッドに内蔵されるインクジェット機構の例を示す模式図である。
図3A及び図3Bにおいて10は修正ヘッドであり、この修正ヘッド10に修正筆11が摺動自在に組み込まれる。
修正ヘッド10は、例えば側面が略三角形をなす箱状のもので、図3Aに示す外側の斜面に修正筆11とその駆動機構が設けられ、内部に図示しないインクジェット方式による導電性ペーストの吐出機構が設けられ、この吐出機構の吐出ノズル10aが図3Bに示す下面に複数設けられる。
修正筆11は、例えば耐溶剤性のある樹脂材料からなり根元側の軸径が50〜60μmで先細の先端径が2〜5μm程度とされた毛を複数本束ね、この束ねられた毛の先端部分が略円錐状となるようにして筒状の筆ホルダ12に収納され固定される。
そして、この筆ホルダ12自体は、スライドガイド13を介して修正ヘッド10の下側に設けられる斜面方向に摺動自在に、かつ修正ヘッド10の側面10-1,10-2と平行になるように組み込まれる。また、筆ホルダ12の略中央にはナット12bを有する駆動片12aが突設される。
また、修正ヘッド10の下側の斜面には、図3Bに示すように、スライドガイド13と略平行に配されるボールねじ14aを備えたモータ14が設けられる。
そして、モータ14の駆動により、修正筆11の図3Aに示す先端が、例えば後退位置、吐出ノズル10a直下の導電性ペーストの供給位置(中間位置)、修正作業位置(前進位置)とされる。
このように、修正筆11は修正ヘッド10の斜面に摺動自在に設けられるが、この斜面が後述する基板20の上面となす角度θは、例えば30°程度であれば十分である。
そして、修正筆11の図3Aに示す電性ペーストの供給位置(中間位置)となる、吐出ノズル10a直下とした状態で修正筆11に、インクジェット方式により導電性ペーストを供給することができる。
この導電性ペーストが供給された修正筆11を、配線パターンの断線欠陥部分を挟む両側の導体の一方から他方へ接触させながら配線方向に、相対的に移動させることで導電性ペーストによる修正塗布を行うことができる。
このときの修正筆11の移動は、修正ヘッド10を基板20上面に略平行で、修正ヘッド10の側面10-1,10-2に平行な方向とされる。これにより、修正筆11の毛の先端は、筆ホルダ12が傾けられた方向に対し反対の側で略同一の方向に向いて僅か撓むこととなる。このため、筆ホルダ12が傾けられた方向に修正筆11を直線移動させることにより、毛の先端が同一直線上を倣うようにすることができる。
そして、導電性ペーストが供給されているとき、毛の先端から微少量の導電性ペーストによる線状の配線パターンを基板20上に描画(塗布)することができる。
このとき、毛の先端の径が2〜5μmと細くかつ基板20との接地面積も小さく、導電性ペーストの供給量も微量なので、細い配線パターンの断線欠陥に対しはみ出すことなく塗布し修正することができる。
ここで、修正ヘッド10に内蔵されるインクジェット方式としては、例えば図4に示す印加電圧により伸縮量を制御することができるピエゾ圧電素子により、ペースト室からノズル部分に供給された導電性ペーストを噴出させるなど種々の方式を採用することができる。
このように構成した本例の修正ヘッドでは、修正筆11に先端の径が2〜5μmの毛を設け、この修正筆11を修正ヘッド10の傾斜面の角度だけ傾けて直線移動させることにより、基板20上の所定部に導電性ペーストを塗布することができる。このとき、毛の先端が細くかつ基板20との接地面積も小さく、導電性ペーストの供給量も微量なので、細い配線パターンの断線欠陥に対しはみ出すことなく修正することができる。また先端が柔軟性を有する先細の毛を用いているため基板20にダメージを与えることがない。
次に、本例の配線基板修正装置の構成を、図1及び図2を参照して説明する。
図1及び図2は、本例の配線基板修正装置100の例を示す斜視図である。図1は、配線基板修正装置100の概略構成を示す説明図で、図2は図1の機構部分を示す斜視図である。
配線基板修正装置100は、図1に示すように、右側の架台60上の定盤60aに設置される基板20の断線欠陥を修正するための修正機構部と、左側のテーブル上に設置される画像処理部から構成される。
修正機構部の定盤60a上面に、基板20の直線駆動機構をなすXステージ42,Yステージ41と、受け皿となる吸液シート47が設けられたアーム46を駆動する、受け皿駆動機構であるロータリアクチュエータ45などが設けられる。
なお、定盤60aとYステージ41の間には、回転テーブル40が設けられる。
また、架台60上には、図1に示すように、例えば門型に設けられる支持フレーム71が設けられ、支持フレーム71に対し修正ヘッド10の昇降機構30と、対物レンズを有する撮像装置32と、レーザ照射装置33が設けられる。
一方、画像処理部は、撮像装置32からの画像信号を処理する画像処理装置51と、画像処理前後の画像を表示するための画像モニタ50とから構成される。
始めに、修正機構部について説明する。
回転テーブル40の回転中心Oを原点とし、x軸とy軸とを図2に示す基板20上に記載したように定める。基板20を移動させる機構は、図1及び図2に示すように、下から回転テーブル40、Yステージ41、Xステージ42の順に設けられるものとなる。そして、最上部となるXステージ42上に、修正される基板20を固定するための固定板43が設けられる。
回転テーブル40は、図1に示すように、定盤60aに固定される固定リング40aとこの固定リング40aに対して回転自在とされる回転リング40bと、この回転リング40bを回転駆動する、図示しないモータから構成される。この回転テーブル40は、修正筆11の移動方向と、修正される基板20の断線欠陥部分の配線パターンの方向とが一致するように調整するもので、通常は配線パターンに斜め配線がないときは角度0°又は90°の2つの角度の何れかとなるように回動駆動される。
この回転テーブル40の回転リング40bにY固定プレート41cが固定される。このY固定プレート41c上には、略平行に2本のY固定ガイド41aが設けられる。そして、この2本のY固定ガイド41aに摺動自在に係合するように、Y移動プレート41dにYスライドガイド41bが設けられる。
そして、Y駆動モータ61によって、Y移動プレート41dを図2に示すy軸方向に移動自在としている。ここで、Y固定ガイド41a、Yスライドガイド41b、Y固定プレート41c、Y移動プレート41dでYステージ41が構成される。
また、Y移動プレート41d上には、X固定ガイド42aが固定される。そして、このX固定ガイド42aに対して摺動自在に係合するように、X移動プレート42dにXスライドガイド42bが設けられる。そして、X駆動モータ62によって、X移動プレート42dを図2に示すx軸方向に移動自在としている。
ここで、Y移動プレート41d、X固定ガイド42a、Xスライドガイド42b、X移動プレート42dでXステージ42が構成され、Y移動プレート41dはYステージ41とXステージ42とで共用される。
また、図1に示す固定板43は、例えば上面に吸引のための孔が多数設けられて排気ポンプに配管が接続されたものや、位置決めピンに押付けばねなどにより固定するようにして基板20をがたなく位置決め固定する周知のものである。
また、定盤60a上には、図1及び図2に示すように、ロータリアクチュエータ45がスペーサを介して設けられる。ロータリアクチュエータ45の回動軸45aに、板金によるL字形状のアーム46が回動自在に設けられ、アーム46先端部に供給される導電性ペーストの受け皿をなす、略長方形の不織布などによる吸液シート47が設けられる。そして、アーム46のロータリアクチュエータ45による回動では、アーム46下面が基板20上面に接触することなく所定の間隙をもってなされ、吸液シート47が略中心O上に配されるようになされる。
なお、ロータリアクチュエータ45の位置は、Xステージ41が最も右側(+x方向)で、Yステージ42が最も奥側(−y方向)において、機械的に干渉しない位置に設けられる。
定盤60aに立設され支持フレーム71に設けられる昇降機構30は、図示しないアームにより修正ヘッド10を略鉛直方向に上下動させるものである。
そして、修正ヘッド10は、基板20に対してその上面10-3が略平行となり、修正ヘッド10の側面10-1,10-2がx軸と平行となるように、昇降機構30に対して位置決めされる。
そして、修正ヘッド10の上下動での待機位置の高さでアーム46先端部との干渉がなく、また、修正ヘッド10が下降駆動された最下位置かつ修正ヘッド10における修正筆11の最前進位置で、筆先部分が基板20上の修正部分に接触し僅か撓むように調整される。
また、支持フレーム71に設けられる撮像装置32は、オートフォーカス機能により焦点が基板20上面に合致するように自動調整される。そして、修正ヘッド10が最下位置で修正筆11により導電性ペーストの塗布作業を行っている状態のときに、毛先を撮像できるように固定される。なお、図1で31は対物レンズである。
さらに、支持フレーム71に設けられるレーザ照射装置33は、離れた位置からの局所加熱に好適なYAGレーザなどによる加熱装置である。このレーザの照射スポットは、筆先から−x方向に僅か離れた位置とされる。
画像処理部の画像処理装置51は、撮像装置32で生成された基板20の配線パターンの画像信号を取り込み、画像認識する。
そして、例えば導電性ペーストが基板20上に供給され始めたタイミングを検出して、Xステージ42を移動開始するようにX駆動モータ62を駆動させることができる。
また、画像モニタ50は、実作業中のモニタ像や画像処理装置51から入力される処理前後の画像を目視により確認するときや、処理条件の入力・設定するときなどに用いる。
次に、このように構成された配線基板修正装置100における修正動作を図3,図5〜図7を参照して説明する。
ここで、図5は動作フローチャート図、図6及び図7は修正ヘッド10とアーム46の動作を説明する説明図であり、図6A〜図6Eは動作前半、図7F〜図7Hは動作後半である。
始めに、本例の基板20の製造ラインでは、所定工程に配線パターンの欠陥検査が行われる。そして、配線基板の欠陥検査装置での検査結果である、基準座標系に対する当該基板における欠陥座標と欠陥モードがデータベース化される。そして、データベース化された欠陥情報が適宜参照可能にシステムが構成される。このデータベース化の作業が、配線基板修正のための前処理となる(ステップS0)。
つまり、本例の配線基板修正装置100では、基板を特定するための基板ID(identification)に一対一対応する欠陥情報が予めデータベース化され、このデータベースを適宜参照して配線パターンの修正作業を行うようにする。
配線基板修正装置100の電源が投入されることで作業が開始する(ステップS1)。そして、基板20を固定板43に載置・固定する(ステップS2)。
それから、当該基板20の基板IDを取得する(ステップS3)、断線パターン欠陥の座標をダウンロードする(ステップS4)。ここで、当該基板20の基板IDの取得は、例えば基板上のID文字の自動文字認識や基板上に設けられるバーコードをバーコードリーダで取り込むようにして行うことができる。
次に、基板20の所定パターンを基準にアライメントを行い、当該基板20に座標系を設定する(ステップS5)。この座標系は、ステップS0の前処理での基準座標系と略等価となるように設定されることで、データベースの欠陥座標値を略そのまま本例の配線基板修正装置100に設定して用いることができるようにする。
そして、修正ヘッド10が上昇した位置(上位置)を確認(ステップS6)する。それから、ロータリアクチュエータ45のアーム46が時計回りに回動駆動される(ステップS7)。
このとき、吸液シート47の部分が、図6Aに示すように、修正ヘッド10の修正筆11の直下に配され、修正筆11の直下にアーム46の吸液シート47が配された状態で、図6Bに示すように、筆ホルダ12が前進駆動されて修正ヘッド10のインクジェット部の直下に修正筆11が配される。
それから、図6Cに示すように、修正ヘッド10のインクジェット部から修正筆11に導電性ペーストが供給される(ステップS8)。このとき、導電性ペーストが図3Bに示す複数の吐出ノズル10aにより確実に修正筆11に供給される。
その後アーム46が反時計回りに回動駆動されて図6Dに示すように、吸液シート47が退避される(ステップS9)。
次に、欠陥データのxy座標値に基づきXYステージ41,42を駆動し、基板20上の断線欠陥部分が回転テーブル40の回転中心Oに配されるようにし(ステップS10)、欠陥部分の配線パターンの方向がx軸方向となるように、回転テーブル40を回転駆動する(ステップS11)。これにより、欠陥部分の配線パターンの直上に修正筆11が配されものとなる(図6E参照)。
そして、撮像装置32により欠陥部分を撮像し(ステップS12)、データベースにある欠陥像との照合を行い(ステップS13)、同定されたときは次のステップS14に進み、合致しないと判定されたときはアラームを発するようにする(ステップS14’)。
データベースの欠陥と、当該断線欠陥の実パターン像とが同じ部分であると判定されたとき、昇降機構30を下降駆動し、図7Fに示すように修正ヘッド10を最下位置とする(ステップS14)。なお、図7Fに示す状態では未だ基板20に修正筆11は非接触である。
そして、修正筆11を、図7Gに示すように、最前位置まで斜め下方に駆動する(ステップS15)。それから、Xステージ42を−x軸方向に駆動し、修正筆11で配線パターンの断線欠陥部に導電性ペーストを塗布する(ステップS16)。この修正塗布の動作開始では、撮像装置32で基板20への修正筆11の接触を確認してから、Xステージ42が駆動される。
修正後は、先ず修正筆11が斜め上方に駆動されて基板20上から離れるようにされ、次に昇降機構30の上昇駆動により修正ヘッド10が持ち上げられ、修正筆11が配線パターンから完全に離れた最上位置の待機位置に戻る(ステップS17)。
塗布・修正されたパターンに、かすれなどがなく適正な形状であるときはレーザ照射装置33で塗布された導電性ペーストを加熱・硬化させる(ステップS18)。塗布・修正後のパターンが適正形状であるか否かは、撮像装置32で取り込まれた画像の認識処理あるいは、拡大モニタ像を目視確認することなどによって判定することができる。
そして、当該基板20上の全欠陥について処理済か否かを判定し(ステップS19)、未処理の断線欠陥があるときはステップS10に戻って処理を続行し、処理済のときは作業し基板20を取り出し(ステップ20)、作業終了とする(ステップS21)。
本例の配線基板修正装置100では、基板20は、図3に示すように、定盤60a上でXステージ42上の固定板43に、図示しない位置決め機構により位置決め固定される。ここで基板20は、予め欠陥検査装置により基板20の基準位置に対する欠陥位置の座標が欠陥情報として取得される。そして、配線基板修正装置100では、欠陥検査装置で基板20を検査する際に用いたものと同じ基準位置とこれに対する座標系を適用することにより、欠陥検査装置で得られた欠陥情報から容易に修正における欠陥位置を見出すことができるようにしている。
また、配線基板修正装置100には、例えば制御のためのシーケンスコントローラや、デスクトップ型やラップトップ型のパーソナルコンピュータが設置される。
本例の配線基板修正方法によれば、複数のノズルを有するインクジェット方式とすることにより確実に修正筆11に導電性ペーストを供給することができる。
また、本例の配線基板修正装置によれば、修正筆11への導電性ペーストの供給のとき、修正筆11の下でインクジェットノズルの直下に受け皿となる吸液シート47が配されるため、余分の導電性ペーストを基板20上の周辺に付着させることなく確実に修正筆11へ供給することができる。
なお、上述例では修正筆への導電性ペーストの供給をインクジェット方式として説明したが、これに限らず空圧あるいは水圧により導電性ペーストを圧送する、いわゆるディスペンス方式で液供給するようにしてもよい。また、塗布後の導電性ペーストの硬化をレーザ照射によるレーザ光の加熱による例で説明したが、ほかにホットエアーブローなどの局所加熱やベーク炉なども採用できるものである。
本発明の配線基板修正方法及び配線基板修正装置は、上述例に限ることなく本発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成を採り得ることは勿論である。
本発明の一実施の形態の例による配線基板修正装置の構成を説明する説明図である。 図1例の配線基板修正装置の要部を拡大して示す斜視図である。 本発明の一実施の形態の例による配線基板修正装置に用いる修正ヘッドの構成を説明する、Aは側面図、Bは下面図である。 図3例の修正ヘッドに内蔵されるインクジェット方式の構造の例を示す模式図である。 図1例の配線基板修正装置の修正動作の例を説明する動作フローチャートである。 図5例の動作フローでの修正ヘッドの動作を説明する、Aは吸液シートセット状態、Bは修正筆へのペースト供給位置、Cはペースト供給状態、Dは吸液シート退避状態、Eは基板位置決め状態での説明図である。 図6例に続く動作フローでの修正ヘッドの動作を説明する、Fは修正ヘッドの下降動作状態、Gは塗布・修正動作状態、Hは塗布終了状態での説明図である。
符号の説明
10…修正ヘッド、10a…吐出ノズル、11…修正筆、20…配線基板、47…吸液シート(受け皿)

Claims (5)

  1. 配線基板に形成された配線パターンの断線欠陥部分を修正する配線基板修正方法において、
    先端部が柔軟性を有する先細の毛を設け、該毛の軸を前記配線基板に対し略直交する面上で前記配線基板に対して傾けて配設した修正筆と、
    前記修正筆への導電性ペーストを供給するペースト供給機構と、
    前記配線基板と前記修正筆との間に、余分に供給された前記導電性ペーストを受ける受け皿を挿脱自在に設ける駆動機構と、を有し、
    前記駆動機構は、前記修正筆への導電性ペーストの供給のとき前記修正筆の下側に前記受け皿を配し、前記断線欠陥部分の修正のとき前記修正筆の下側から前記受け皿を退避させる
    ことを特徴とする配線基板修正方法。
  2. 請求項1記載の配線基板修正方法において、
    前記修正筆への前記導電性ペーストの前記ペースト供給機構を、インクジェット方式で行い、前記毛の軸に略直交する面内に吐出ヘッドを複数並設保持した
    ことを特徴とする配線基板修正方法。
  3. 請求項2記載の配線基板修正方法において、
    前記複数の吐出ヘッドの配設位置を、
    前記複数の吐出ヘッドからの吐出される前記導電性ペーストの軌跡が、前記毛の軸で交わるようにした
    ことを特徴とする配線基板修正方法。
  4. 請求項1記載の配線基板修正方法において、
    前記修正筆への導電性ペーストのペースト供給機構を、ノズルからの定量吐出方式で行う
    ことを特徴とする配線基板修正方法。
  5. 配線基板に形成された配線パターンの断線欠陥部分を修正する配線基板修正装置において、
    先端部が柔軟性を有する先細の毛が設けられ、該毛の軸を前記配線基板に対し略直交する面上で前記配線基板に対して傾けて配設された修正筆と、
    前記毛の先端に導電性ペーストを供給するペースト供給機構を備え、前記修正筆を保持する修正筆保持部と、
    前記修正筆保持部を昇降移動させる昇降駆動機構と、
    前記修正筆に余分に供給された前記導電性ペーストを受ける受け皿を、前記配線基板と前記修正筆との間に挿脱自在に設ける受け皿駆動機構と、
    前記修正筆を前記配線基板に対して相対的に直線移動させる直線駆動機構と、を備え、
    前記受け皿駆動機構は、前記修正筆への前記導電性ペーストの供給のとき前記修正筆の下側に前記受け皿を配し、前記断線欠陥部分の修正のとき前記修正筆の下側から前記受け皿を退避させる
    ことを特徴とする配線基板修正装置。
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