JP4696941B2 - 消弧装置 - Google Patents

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Description

本発明は回路遮断器等に適用される消弧装置に関する。
特許文献1、2には、回路遮断器等の遮断時に発生するアークを消弧する消弧装置が開示されている。この種の消弧装置は、固定接触子と可動接触子とヨークと冷却部材と走行板とを備える。
固定接触子は、導電材料で形成され、一端部に矩形状の端子部と、他端部から端子部の近傍まで延びその先端付近に固定接点が固着された接点支持片と、固定接点の両側において前記一端部と前記他端部間を連結し通電により磁束を発生させる駆動コイル部と、を有して構成される。
可動接触子は、導電材料で形成され、固定接点と接する可動接点を有しており、可動接点が固定接点に対して接離自在となるように回動自在に構成されている。固定接点と可動接点とにより接点部が構成され、電路に過電流が通過すると過電流検出回路によって可動接触子が回動駆動されて、接点部が開極するようになっている。
ヨークは、磁性材料で形成され、両駆動コイル部に跨る形で、一対の対向片と両対向片を連結する連結片とを有して略U字状に形成されている。このヨークに駆動コイル部が発生させる磁束が通る。
冷却部材は、加熱されると熱分解ガスを発生させる絶縁材料で形成され、ヨークの内面に沿って設けられ、接点部が開極した際に両接点間に発生するアークの熱を奪って熱分解ガスを発生させるものである。
走行板は、接点支持片よりも高抵抗の導電材料で形成され、アークが接点支持片の先端からとび出して固定接点からさらに遠くに走行できるようにするもので、接点支持片の先端よりも突出して設けられている。
このような構成の消弧装置は以下のように動作する。接点部が開極すると、固定接点と可動接点の間にアークが発生する。このアークは、駆動コイル部の回りにできる磁界との間に生じるローレンツ力によって、接点支持片の先端側に走行していく。アークは接点支持片の先端までくると接点支持片から走行板に乗り移って走行板を走行する。このようにアークが走行すると、アーク長が引き延ばされるので、アーク電圧が上昇する。このとき同時に、冷却部材がアークの熱を吸熱して熱分解ガスを発生するため、アークは冷却される。このようなアークの伸長およびアークの冷却により、アークが急速に遮断される。つまり、急速に消弧される。
特開平9−17316号公報 特開平7−220611号公報
このような消弧装置においては、小型・高容量化が求められており、大電流化すると冷却部材から発生するガス量が増え、消弧装置の内圧が上昇することとなる。このような場合、消弧装置の各構成部品の耐圧性を高める必要があり、製造原価が高くなってしまう。
冷却部材からの発生ガス量は、アーク電流が大きくなるほど増加するので、限流性能を向上させてアーク電流を小さくすることが有効となる。
本発明は、かかる事由に鑑みてなしたもので、限流性能を向上させた消弧装置の提供を目的とする。
そこで本発明者は、限流性能を向上するために、アークを効率的に冷却することが有効であることに着目した。
請求項1に記載の発明の消弧装置は、一端部に設けられた端子部と、他端部から前記端子部の近傍まで延びその長手方向の先端付近に固定接点を設けた接点支持片と、前記接点支持片の両側において前記一端部と前記他端部と連結し通電により磁束を発生させる駆動コイル部と、を有する固定接触子と、前記固定接点に接触する可動接点を有し、前記固定接点と前記可動接点とを接離自在とする可動接触子と、磁性材料で形成され、前記接点支持片の両側に設けられた対向片と前記対向片の端部同士を連結する連結片とを有して略U字状に形成されたヨークと、前記ヨークの内面を覆うよう形成されて両接点間に発生したアークに曝される絶縁性の冷却部材と、を備え、前記固定接点から前記可動接点が開極した際に生じるアークを、前記駆動コイル部が発生させる磁界によって、前記固定接点から前記接点支持片の先端方向に走行させる消弧装置であって、前記ヨークから突設された複数の吸熱片が、前記可動接点の回動方向に沿って互いに離間して連設されるとともに、前記可動接点の可動軌跡に近接して配置されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の消弧装置であって、前記吸熱片の接点支持片側の端部に前記アークの走行方向に延びるスリット状の切欠部が設けられていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の消弧装置であって、前記冷却部材は、前記固定接触子の端子部に被せられる被覆片を有し、前記被覆片には、前記接点支持片側の端部に前記アークの走行方向に延びるスリット状の切欠部が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の消弧装置であって、前記複数の吸熱片のうち少なくとも1つの吸熱片は、他の吸熱片と電気的に絶縁されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の消弧装置であって、前記ヨークは、前記冷却部材に設けられた係合片を狭持する狭持部を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、ヨークから突設された一以上の吸熱片が可動接点の可動軌跡に近接しているため、開極直後から両接点の間に生じるアークに吸熱片が近接することとなる。そのため、吸熱片でアークの熱を多く吸熱できるため、アーク冷却性能が向上し、限流性能が向上する。
また、磁界により膨らんできたアークが早い段階で吸熱片で分割されるため、アーク電圧が早い段階で速やかに上昇する効果もある。
請求項2に記載の発明によれば、アークがスリット状切欠部を貫通しつつ吸熱片の内方まで走行することができるため、スリット状切欠部が無い場合よりもアークが固定接点から遠い位置まで走行できる。そのため、アーク伸長によるアーク電圧上昇効果がさらに向上する。また、アークが吸熱片のスリット状切欠部を貫通しつつ吸熱片の内方まで走行する際には、吸熱片のアークと近接する部位が増えるため、吸熱片の吸熱量が増大し、これによりアーク冷却効果がさらに向上する。結果、さらに限流性能が向上する。
請求項3に記載の発明によれば、冷却部材が固定接触子の端子部に被せられる被覆片が冷却部材に設けられた構造であっても、アークが被覆片のスリット状切欠部を貫通しつつ被覆片の内方まで走行できるため、スリット状切欠部を備えない場合に比べてアークがより遠くまで走行できる。そのため、アーク伸長によるアーク電圧上昇効果がさらに向上する。しかも、アークが被覆片のスリット状切欠部を貫通しつつ被覆片の内方まで入り込んだ際には、被覆片のアークと近接する部位が増えるため、被覆片の吸熱量が増大し、これによりアーク冷却性能がさらに向上する。結果、さらに限流性能が向上する。
請求項4に記載の発明によれば、それぞれ電気的に絶縁された複数の吸熱片でアークを分割できるため、アーク電圧が飛躍的に大きくなり、さらに限流性能が向上する。
請求項5に記載の発明によれば、ヨークは、冷却部材に設けられた係合片を狭持する狭持部を備えるため、消弧装置の組立時には、冷却部材とヨークとを仮組することで組立性が向上する。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
まず第1実施形態の消弧装置を図1〜図5を参照しつつ説明する。
図1は本実施形態の消弧装置を適用した回路遮断器の概略を示す一部破断部を有する側面図、図2は本実施形態の消弧装置の分解斜視図、図3は同消弧装置の断面図、図4は同消弧装置の動作説明図であって可動接点の開極直後を示す図、図5は同消弧装置の動作説明図であって可動接点が大きく開極した状態を示す図である。
本実施形態の消弧装置10は、図1に示すように漏電遮断用の回路遮断器1内に組み込まれる。回路遮断器1は、容器状のハウジング本体3aとハウジング本体3aの開口端を塞ぐカバー3bとからなる絶縁性のハウジング3を備え、このハウジング3内に、消弧装置10の他に、過電流が流れた際に固定接点と可動接点とからなる接点部を開極させる過電流検出装置(図示せぬ)やその他の構成部品が配置される。なお、本発明にかかる消弧装置は、漏電遮断用の回路遮断器に限らず、配線用遮断器や電磁接触器などの様々な装置に用いることができる。
本実施形態の消弧装置10は、図2〜3に示すように固定接触子11、可動接触子18、ヨーク20、冷却部材23及び走行板24を備えて構成されている。固定接触子11はハウジング本体3aに後述する端子ネジ15により固定され(図1参照)、可動接触子18は図示せぬ支持構造によってハウジング3内に回転自在に支持されている。ヨーク20および冷却部材23は、互いに仮組された状態で、ハウジング本体3aに嵌合・締結されるカバー3bによって、固定接触子11に対して押しつけられるように固定される(図1参照)。
固定接触子11は、板状の導電材料を折り曲げることにより形成され、一端部に設けられた略矩形状の端子部12と、他端部から端子部12の近傍まで延びる略矩形状の接点支持片13と、一端部と他端部間を連結する駆動コイル部14と、を備えて構成されている。
端子部12には、その先端12a近傍に外部からの電線を接続するための端子ネジ15が螺合している。
接点支持片13は、端子部12と上下に高さの異なる位置で且つ長手方向にやや離れた位置で、端子部12とほぼ平行に設けられている。接点支持片13の先端13a近傍には上面(接点固着面)に固定接点16が固着されている。
駆動コイル部14は、接点支持片13の両側において端子部12の基端12bと接点支持片13の基端13bを連結する一対の長尺板として構成され、接点支持片13の基端13bの近傍には略4半円弧状に湾曲した部分を有して構成されている。
可動接触子18は、導電材料であって、回路遮断器のハウジング3内に図示せぬ支持構造によって回動自在に支持されている。可動接触子18の回転先端18a側の下面には、固定接点16と接離する可動接点19が設けられている。この可動接点19と固定接点16とで接点部を構成し、この接点部が、電源と負荷の間に形成される電路の途中に介在している。可動接触子18は、電路に過電流が通過した際に過電流検出装置(図示せぬ)により接点部が開極するように回動駆動されるようになっている。
ヨーク20は、磁性材料で形成され、両駆動コイル部14に跨がるようにその上方に設けられている。このヨーク20は、可動接触子18の両側に配設される一対の対向片20a、20aと、両対向片20a、20aの上端部間を磁気的に短絡する連結片20bと、を有して、下方に開口した略U字形状に形成されている。駆動コイル部14に電流が流れると、駆動コイル部14の回りに磁界が発生し、その磁束がヨーク20のU字に沿って各片20a、20b、20aを通るようになっている。この磁束は、接点部近傍では、離間する対向片20a、20aの間を跨いで、連結片20bを通る磁束の方向とは逆向きに通るようになっている。
冷却部材23は、両接点間に生じるアークに曝されるようにヨーク20の内周面を覆った状態で、固定接触子11の上面に配置される。冷却部材23は、絶縁材料で形成され、この絶縁材料としてはアーク熱により熱分解ガスを発生する材料、例えば、ポリアミド樹脂等が用いられる。すなわち、この熱分解ガスによりアークを冷却し、迅速な消弧を行う。
冷却部材23は、ヨーク20の内周面を覆うべくヨーク20の内周面に沿って略U字状に設けられたU字状の本体部23aと、この本体部23aの下端から突設され接点支持片13と駆動コイル部14との間を仕切る仕切片23b、23bと、本体部23aの側面から外方に突設され駆動コイル部14の上面を覆う覆い片23c、23cと、本体部23aから側面から内方に突設され且つ接点支持片13の固定接点16よりも基端13b側を覆う覆い片23dと、本体部23aから内方に突設され且つ端子部12の基端12b(つまり端子部12のうち接点支持片13側の端部)を覆う被覆片23eと、を有する。そのため、接点部の開極時に発生するアークが、端子部12、駆動コイル部14等の部分に移行することが防止される。
走行板24は、接点支持片13よりも高抵抗の導電材料で形成され、アークが接点支持片13の先端13aからとび出して走行できるようにするものである。走行板24は、その基端部24bが、接点支持片13の固定接点16とは反対側の面つまり下面に取り付けられており、その本体部24aが接点支持片13の長手方向に向けて接点支持片13の先端13aによりも突出して設けられている、つまり、本体部24aが接点支持片13の長手方向に向けて接点支持片13の先端13aよりも端子部12側に延びている。走行板24の基端部24bの両側からは一対の対向片24c、24cが突設されており、組立状態ではこの対向片24c、24cが冷却部材23の仕切片23b、23bに外側から嵌合している。
ここで、本実施形態の消弧装置10では、ヨーク20の端子部12側の開口を塞ぐ位置に、両対向片20a、20aから複数の矩形のグリッド片20cが突設されている。グリッド片20cは、それぞれ上下方向に複数多段に隙間をあけて配置されており、その隙間を通じてアークガスが通過できるようになっている。
そして、ヨーク20の両対向片20a、20aまたはグリッド片20cから、複数(この例では4つ)の吸熱片31a、31b、31c、31dが突設されている。この吸熱片31a、31b、31c、31dは、グリッド片20cよりも可動接点19側に設けられ、可動接点19の回動軌跡(可動軌跡)に近接して配置されている。そのためこの吸熱片31a、31b、31c、31dは、接点部の開極直後からアークに近接することとなり、アークの熱を効率的に吸熱して冷却できる。特に、本実施形態では、端子部12および冷却部材23の被覆片23eよりも接点16、19側に位置し、しかも、接点支持片13と上下方向に重合する位置に設定されており、極めて両接点16、19側に近接している。
本実施形態では、複数の吸熱片31a、31b、31c、31dは可動接点19の回動方向(略上下方向)に沿って互いに離間して設けられている。上下に列ぶ複数の吸熱片31a、31b、31c、31dのうち下の2つの吸熱片31c、31dには、接点支持片13側の端部にアークの走行方向(矢示Z方向)に延びるスリット状の切欠部33、33が設けられている。
次に、本実施形態の消弧装置の動作について図3〜図5に基づいて説明する。
図3に示す接点部の閉極状態において過電流が流れると、図4に示すように過電流検出装置(図示せぬ)によって固定接点16と可動接点19が開極され、両接点16、19間にアークAが発生する。このとき、ヨーク20から突設された吸熱片31a、31b、31c、31dが、可動接点19の回動軌跡に近接して設けられているため、接点部の開極直後からアークAの熱を効率的に吸熱して冷却できる。
発生したアークAは、駆動コイル部14を通電する電流により発生する磁束によってローレンツ力を受けて、図4、図5に示すようにアーク下端(固定接点側の発弧点)が固定接点から接点支持片13の先端13a側(矢示Z方向)に向けて走行していく。つまり、接点支持片13の上面のうち固定接点16よりも先端13a側はアーク走行面17となる。そして、アークが接点支持片13の先端13aまでくると、走行板24の乗り移り走行板24のさらに先端方向(矢示Z方向)へ走行しつつさらに伸長していく。
そして、伸長したアークAは図5に示すように少なくとも1つ(この例では上から2つ目の吸熱片31b)に接触して分割される(この例ではアークA1とアークA2の2つの分割される)。すると、アークAが、常温の吸熱片31bに接触して冷却されるとともに複数に分割されることとなるため、アーク電圧が急激に上昇する。
また、分割されたアークA1、A2のうち下側のアークA2は、吸熱片31c、31dのスリット状切欠部33、33を貫通するようにして吸熱片31c、31dの内方まで入り込んでいくので、スリット状切欠部33、33が無い場合よりも、アークA2が固定接点16から遠い位置まで走行できるし、またアークA2がスリット状切欠部33、33の周縁にとり囲まれるようにして近接することで吸熱片31c、31dにさらに多くの熱が奪われていく。このようにして、アークA1、A2が伸長しつつ冷却されることで、最終的にアークが消弧し、電路が遮断する。
消弧により発生したアークガスは、複数の吸熱片31a、31b、31c、31d同士の隙間(通気口)およびハウジング3に設けられた図示せぬ排気口を通って、ハウジング3外に排出される。
次に、本実施形態の消弧装置の効果を列挙する。
第1に、本実施形態の消弧装置10によれば、ヨーク20から突設された一以上の吸熱片31a、31b、31c、31dが、可動接触子18の回動軌跡に近接して配置されている。そのため、開極直後の早い段階からアークAに吸熱片31a、31b、31c、31dが近接することとなり、アークを早い段階から効率的に冷却できる。また、磁界により膨らんできたアークAが早い段階で吸熱片31a、31b、31c、31dのいずれかで分割できるため、アーク電圧が早い段階で急速に上昇する効果もある。これにより、限流性能が高い消弧装置となる。
また、ヨーク20でアークAの熱を吸熱することで、冷却部材23での吸熱量が減少して冷却部材23から発生する熱分解ガスの量が減少するため、消弧装置10の内圧上昇を抑えることができる。
第2に、本実施形態の消弧装置10によれば、吸熱片31a、31b、31c、31dは可動接点19の回動方向に沿って互いに離間して複数(この例では4つ)連設されている。そのため、両接点間に生じるアークAの熱を、複数の吸熱片31a、31b、31c、31dで吸熱できるため、さらに限流性能が向上する。
第3に、本実施形態の消弧装置10によれば、接点支持片13のうち固定接点16が固着された接点固着面の裏面に接触配置されるとともに接点支持片13の長手方向に向けて延在して接点支持片13の先端13aより突出する導電性の走行板24を備える。そのため、アークAが固定接点16から接点支持片13の先端方向に走行していく際には、アークAが接点支持片13の先端13aから走行板24に乗り移って、さらに走行板24の先端方向(矢示Z方向)に走行できる。結果、アークAがさらに引き延ばされることとなるため、さらに限流性能が向上する。
第4に、本実施形態の消弧装置10によれば、吸熱片31c、31dがスリット状切欠部33、33を備えるため、アークが吸熱片31c、31dのスリット状切欠部33、33を貫通しつつ吸熱片31c、31dの内方まで入り込んでいくことで、スリット状切欠部33、33が無い場合よりも、アークは固定接点16から遠い位置まで走行できる。そのため、アーク伸長によるアーク電圧上昇効果がさらに向上する。また、アークが吸熱片31c、31dのスリット状切欠部33、33を貫通しつつ吸熱片31c、31dの内方まで入り込んできた際には、当該アークがスリット状切欠部33、33の周縁にとり囲まれるようにして吸熱片31c、31dと近接するため、吸熱片31c、31dのアークに近接する部位が増え、そのため、吸熱片31c、31dの吸熱量が増大して、アーク冷却効果がさらに向上し、さらに限流性能が向上する。
次に、本発明のその他の実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一符号を付してその構造および作用効果の説明を省略する。
図6、7を参照しつつ第2実施形態の消弧装置を説明する。第2実施形態の消弧装置は、主に第1実施形態の消弧装置とはヨークの形状が異なる。第2実施形態では、ヨーク20は二分割されており、2つのヨーク片21、22から構成されている。各ヨーク片21、22はそれぞれ対向片21a、22aを備える。この一対の対向片21a、22aは、両駆動コイル部14に跨がるように可動接触子18の両側に配設され、各対向片21a、22aの上端部からは相手側の対向片22a、21aに向けて延在し両対向片21a、22aを磁気的に連結する連結片21b、22bを備えている。対向片21aの連結片21bは、他方の対向片22aとは離間して電気的に絶縁されており、また、対向片22aの連結片22bは、他方の対向片21aとは離間して電気的に絶縁されている。
冷却部材23のU字状の本体部23aの上片からは、係合片としての鍔部23gが延長形成されている。一方のヨーク片21は、鍔部23gの上面に当接する連結片21bとの間で鍔部23gを狭持すべく、グリット片20cから上方に突設された突片21cが設けられている。つまり、連結片21bと突片21cとによって、鍔部23gを狭持する狭持部が構成されている。また、他方のヨーク片22は、連結片22bとの間で鍔部23gを狭持すべく、対向片22aから内方に傾斜して突設された突片22cが設けられている。つまり、連結片22bと突片22cとによって、鍔部23gを狭持する狭持部が構成されている。そのため、ヨーク20と冷却部材23とを上下方向に位置決めされた状態に仮組みでき、消弧装置の組立性が向上する。特に、本実施形態では、各ヨーク片21、22ごとに狭持部が設けられているため、複数のヨーク片21、22からなるヨーク20であっても組立性がよい。
また、両連結片21b、22bの下面には、それぞれ係合凸部41、42が設けられており、鍔部23gの上面には係合凸部41、42を受け入れて位置決めする係合凹部43、44が設けられており、これにより、冷却部材23に対して各ヨーク片21、22が水平方向にも位置決めされて、固定がより確実になっている。
そしてこの第2実施形態では、ヨーク20は3つの吸熱片32a、32b、32cを備えている。2本の吸熱片32a、32bは一方の対向片21aの端子部12側の端末から突設されており、残る1本の吸熱片32cは他方の対向片22aの端子部12側の端末から突設されている。いずれの吸熱片32a、32b、32cも、第1実施形態と同様に可動接点19の回動軌跡に近接して配置され、グリッド片20cおよび冷却部材23の被覆片23eよりも接点16、19側に位置しておいる。特に上の2つの吸熱片32a、32bは、接点支持片13に上下方向に重なる位置まで接点16、19側に近接している。
また第2実施形態の消弧装置では、吸熱片32a、32b、32cの下方に位置する冷却部材23の被覆片23eの、接点支持片13側の端部に、アークの走行方向(矢示Z方向)に延びるスリット状の切欠部35が設けられており、図7に示すようにアークが引き延ばされて伸長した際には、アークは被覆片23eのスリット状切欠部35を貫通しながら被覆片23の内方に入り込んでいく。
以下、第2実施形態の消弧装置10の効果を列挙する。
第2実施形態の消弧装置10によれば、第1実施形態と同様に、可動接点19の回動軌跡に近接する吸熱片32a、32b、32cによるアーク冷却効果により、限流性能が高い消弧装置10となる。
また第2実施形態の消弧装置10によれば、電気的に絶縁された各対向片21a、20bからそれぞれ吸熱片32a、32b、32cが突設されている。これにより、それぞれ電気的に絶縁された2つの吸熱片32b、32cでアークAを分割(この例では3分割A1、A2、A3)できるため、アーク電圧が飛躍的に大きくなり、さらに限流性能が向上する。
また第2実施形態の消弧装置10によれば、ヨーク20は、冷却部材23に設けられた鍔部23gを上下から狭持する狭持部(連結片21bおよび突片21c、又は、連結片22bおよび突片22c)を備える。そのため、冷却部材23とヨーク20との仮組が容易となり、消弧装置10の組立性が向上する。
また第2実施形態の消弧装置10によれば、冷却部材23が固定接触子11の端子部12に被せられる被覆片23eを有する構造において、被覆片23eの接点支持片13側の端部にアークAの走行方向に延びるスリット状の切欠部35が設けられている。そのため、接点支持片13の走行面17または走行板24を走行してきたアークAは、被覆片23eに触れずにスリット状切欠部35を貫通しながら被覆片23eの内方に入り込んでいく。そのため、スリット状切欠部35が無い構造に比べてアークA2が固定接点16からより遠い位置まで走行でき、アークをより長く引き延ばすことによるアーク電圧上昇効果が得られる。しかも、アークAがスリット状切欠部35を貫通しつつ被覆片23eの内方に入りこんでいく際には、当該アークがスリット状切欠部35の周縁にとり囲まれるようにして被覆片23eと近接するため、被覆片23eのアークに近接する部位が増える。これにより、冷却部材23(被覆片23e)の吸熱量が増大してアーク冷却効果も向上する。結果、アーク電圧上昇効果とアーク冷却効果とがそれぞれさらに向上し、さらに限流性能が向上する。
なお、従来例(特許文献2図1)と、本第1実施形態および本第2実施形態の消弧装置を用いて、単極で遮断試験(試験条件200V1500A)を行い接点間に生じるアーク電圧を比較したところ、従来例では約90Vであったのに対し、第1実施形態では約120V、第2実施形態では140Vと、性能向上が観測された。
なお、本発明は以上の実施形態のみに限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
本発明の第1実施形態の消弧装置を組み込んだ回路遮断装置を示す側面図。 同消弧装置の分解斜視図。 同消弧装置の断面図であって、閉極時の状態を示す図。 同消弧装置の開極直後の断面図。 同消弧装置の大きく開極した状態を示す断面図。 本発明の第2実施形態の消弧装置の分解斜視図。 同消弧装置の断面図であって、大きく開極した状態を示す図。
符号の説明
1…回路遮断器
10…消弧装置
11…固定接触子
12…端子部
12a…先端
12a…基端
13…接点支持片
13a…先端
13b…基端
14…駆動コイル部
16…固定接点
18…可動接触子
19…可動接点
20…ヨーク
20a、20a…対向片
20b…連結片
21…ヨーク片
21a…対向片
21b…連結片(狭持部)
21c…突片(狭持部)
22…ヨーク片
22a…対向片
22b…連結片(狭持部)
22c…突片(狭持部)
23…冷却部材
23d…被覆片
23g…鍔部(係合片)
24…走行板
31a〜31d…吸熱片
32a〜32c…吸熱片
33…切欠部
35…切欠部

Claims (5)

  1. 一端部に設けられた端子部と、他端部から前記端子部の近傍まで延びその長手方向の先端付近に固定接点を設けた接点支持片と、前記接点支持片の両側において前記一端部と前記他端部と連結し通電により磁束を発生させる駆動コイル部と、を有する固定接触子と、 前記固定接点に接触する可動接点を有し、前記固定接点と前記可動接点とを接離自在とする可動接触子と、
    磁性材料で形成され、前記接点支持片の両側に設けられた対向片と前記対向片の端部同士を連結する連結片とを有して略U字状に形成されたヨークと、
    前記ヨークの内面を覆うよう形成されて両接点間に発生したアークに曝される絶縁性の冷却部材と、
    を備え、
    前記固定接点から前記可動接点が開極した際に生じるアークを、前記駆動コイル部が発生させる磁界によって、前記固定接点から前記接点支持片の先端方向に走行させる消弧装置であって、
    前記ヨークから突設された複数の吸熱片が、前記可動接点の回動方向に沿って互いに離間して連設されるとともに、前記可動接点の可動軌跡に近接して配置されていることを特徴とする消弧装置。
  2. 請求項1に記載の消弧装置であって、
    前記吸熱片の前記接点支持片側の端部に前記アークの走行方向に延びるスリット状の切欠部が設けられていることを特徴とする消弧装置。
  3. 請求項1または2に記載の消弧装置であって、
    前記冷却部材は、前記固定接触子の端子部に被せられる被覆片を有し、
    前記被覆片には、前記接点支持片側の端部に前記アークの走行方向に延びるスリット状の切欠部が設けられていることを特徴とする消弧装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の消弧装置であって、
    前記複数の吸熱片のうち少なくとも1つの吸熱片は、他の吸熱片と電気的に絶縁されていることを特徴とする消弧装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の消弧装置であって、
    前記ヨークは、前記冷却部材に設けられた係合片を狭持する狭持部を備えることを特徴とする消弧装置。
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