JP4696441B2 - 高分子電解質膜およびその用途 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子電解質膜及びそれを用いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】
従来より、疎水性セグメントとイオン伝導性セグメントからなる共重合体であるNafion(デュポン社の登録商標)等が、固体高分子型燃料電池の高分子電解質として知られており、キャスト法などの製膜方法により膜の形で使用されている。
【0003】
このような高分子電解質膜を用いた場合は、固体高分子型燃料電池を高効率で作動させるために、電解質膜や電極を加湿するなどの水分供給が必要とされている。このため、従来の固体高分子電解質型の燃料電池はポンプ、ブロワ等を用いた水補給システムや、ガスの温度や流速を制御し生成水を気散させるシステム等複雑な配管系、駆動系、制御系を備える必要があり、固体高分子電解質型の燃料電池の本来の長所である小型軽量化の妨げとなるばかりでなく、低温作動型の場合には生成水の気散にも外部からのエネルギー供与が必要となるなど種々の困難が伴うという問題があった。
【0004】
一方、Nafion(デュポン社の登録商標)等と親水性セグメントを有するポリビニルアルコール等の混合物からなる高分子電解質膜も提案されている。この電解質を用いた燃料電池は、ポリビニルアルコール等の吸水性又は保水性物質によって空気極側と燃料極側を連結し、空気極側で発生した水分及び電池セル内部で燃料極側から空気極側へ移動した水分を集め、これらの水分を上記吸水性又は保水性物質を通して燃料極側へ表面張力により移動させ、燃料極側に必要な水分の補給に当てることがでるとし、これにより複雑な水分制御なしに作動することができ、加湿・給水のためのシステムが不要であり、燃料電池の小型化を実現できるとしている(特許文献1)。
しかしながら、得られた高分子電解質膜がマクロに不均一であるためか、プロトン伝導性が充分ではないという問題があった。
またNafion(デュポン社の登録商標)等からなる電解質に、イオン伝導性セグメントを有する粒状のアクリル樹脂等を分散させ、これを製膜した電解質膜も提案されている(特許文献2、3)。
しかしながら、この高分子電解質膜もマクロに不均一であるためか、プロトン伝導性が充分ではないという問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−283094号公報
【特許文献2】
特開2000−294259
【特許文献3】
特開2000−294260
【0006】
本発明の目的は、プロトン伝導性に一層優れ、水分バランスの制御が容易で、高効率の燃料電池作動が可能な高分子電解質膜を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意研究を行った結果、イオン伝導性セグメント、ノニオン親水性セグメントおよび疎水性セグメントの全てを有する高分子電解質からなる膜であって、マクロに実質的に均一であるという特定の高分子電解質膜が、該膜内部において水が隅々まで自動的に循環し得、特に高温、低加湿下においても優れたプロトン伝導性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、イオン伝導性セグメント、ノニオン親水性セグメントおよび疎水性セグメントの全てを有する高分子電解質からなる膜であって、マクロには、実質的に均一であることを特徴とする実用的に優れた高分子電解質膜、その製造方法及びそれを用いた燃料電池を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明を更に詳細に説明する。
本発明の高分子電解質膜は、イオン伝導性セグメントを含む共重合体とイオン伝導性単一ポリマーとからなる群から選ばれる1種以上の重合体、および、ノニオン親水性セグメントと疎水性セグメントのみを有する共重合体を含むものである。
ここで、共重合体を含む場合は、その結合形態はブロックであってもグラフトであっても、ブロック・グラフトであっても良い。もちろんこれらが2種以上混在していても良い。
【0009】
イオン伝導性セグメントとしては、例えば、下記一般式(1)及び/又は(2)で表されるモノマー単位を有するセグメントの陽イオン交換基置換体が挙げられる。 中でも、化学的安定性および耐熱性の観点からは(2)の陽イオン交換基置換体が好ましい。
【0010】
Figure 0004696441
(式中、X、Xは互いに独立に直接結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−CONH−、−SO−、または−SO−を表し、X、Xの結合の向きに特に制限はない。Rは、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、−COR、−COOR、−OCOR、−N(R2、−CON(R、−NRCOR(Rは、水素原子または置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基を表す。Rが複数ある場合は、これらは同一であっても異なっていても良い。)、置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基、置換されていても良い炭素数1〜10のアルコキシ基、置換されていても良い炭素数6〜10のアリール基又は置換されていても良い炭素数6〜10のアリールオキシ基を表し、R1が複数ある場合は、これらは同一でも異なっていてもよい。aは1〜10の整数を、bは0〜10の整数を表す。Ar、Arは互いに独立に、下記式(3)乃至(7)の何れかの2価の芳香族系の基を表す。
【0011】
Figure 0004696441
(式中、cは0〜3の整数を、dは0〜5の整数を、eは0〜3の整数を表す。Yは、直接結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−CONH−、−SO−、−SO−、置換されていても良い炭素数1〜5のアルキレン基、置換されていても良い炭素数1〜5のアルキレンジオキシ基を表し、nは0〜2の整数を表す。Yの結合の向きに特に制限はない。Yが複数ある場合は、これらは同一であっても異なっていてもよい。Aは、−O−、−S−、―NR−を表し、2つのAは同一であっても異なっていてもよい。Arは下記式(8)乃至(11)
Figure 0004696441
のいずれかの4価の芳香族系の基を表す。W、mは前記のY、nと同じ意味を表し、fは0〜1の整数を、gは0〜3の整数を、hは0〜2の整数を表す。))
【0012】
イオン伝導性セグメントにおいて、上記一般式(1)、(2)等で表されるモノマー単位は、それぞれ2種以上存在することもできる。この場合は、その共重合形式は、交互共重合、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合、それらの組合せ等のいずれであっても良い。
ここで、ハロゲン原子としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。
また置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−メチルペンチル、2−エチルヘキシル等の炭素数1〜10のアルキル基、これらの基にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基などが置換したアルキル基等が挙げられる。
【0013】
置換されていても良い炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、n−ペンチルオキシ、2,2−ジメチルプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、2−メチルペンチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ等の炭素数1〜10のアルコキシ基、これらの基にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基などが置換したアルコキシ基が挙げられる。
また置換されていても良い炭素数6〜10のアリール基としては、例えばフェニル、ナフチル等の炭素数6〜10のアリール基、これらの基にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基などが置換したアリール基などが挙げられる。
置換されていても良い炭素数6〜10のアリールオキシ基としては、例えばフェノキシ、ナフチルオキシ等の炭素数6〜10のアリールオキシ基、これらの基にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基などが置換したアリールオキシ基などが挙げられる。
またaは1〜10の整数を、bは0〜10の整数を表すが、aは2〜6の整数、bは0〜6の整数であることが好ましい。
【0014】
置換されていても良い炭素数1〜5のアルキレン基としては、例えばメチレン、メチルメチレン、ジメチルメチレン、1,2−エチレン、1−メチル−1,2−エチレン、1,3−トリメチレン、1,4−テトラメチレン、2−メチル−1,4−テトラメチレン等の炭素数1〜5のアルキレン基、これらの基にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基などが置換したアルキレン基が挙げられる。
置換されていても良い炭素数1〜5のアルキレンジオキシ基としては、例えばメチレンジオキシ、メチルメチレンジオキシ、ジメチルメチレンジオキシ、エチレン−1,2−ジオキシ、1−メチルエチレン−1,2−ジオキシ、トリメチレン−1,3−ジオキシ、テトラメチレン−1,4−ジオキシ、2−メチルテトラメチレン−1,4−ジオキシ等の炭素数1〜5のアルキレンジオキシ基、これらの基にフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトリル基、アミノ基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基、ナフチルオキシ基などが置換したアルキレンジオキシ基が挙げられる。
【0015】
またイオン伝導性セグメントにおける陽イオン交換基としては、例えばフェノール性水酸基、カルボン酸、ホスホン酸、ホウ酸等の弱酸類、スルホン酸、スルホニルイミド等の強酸類、パーフルオロアルキレンスルホン酸、パーフルオロフェニレンスルホン酸、パーフルオロアルキレンスルホニルイミド等の超強酸類などの酸基いずれであることもできる。中でも強酸の基、超強酸の基が好ましく、例えば、スルホン酸、パーフルオロアルキレンスルホン酸、パーフルオロフェニレンスルホン酸などが好適に用いられる。
かかる陽イオン交換基は、本発明のイオン伝導性セグメントにおけるセグメントを構成するモノマー単位1個あたり平均0.5個以上である。
またイオン伝導性セグメントのモノマー単位の数は、通常10〜1000個程度であり、20〜400個程度であることが好ましい。モノマー単位の数が小さすぎると共重合体の膜強度が低下する傾向にあり、大きすぎるとキャスト溶媒への溶解性が低下する傾向にある。
【0016】
ここで、イオン伝導性セグメントの代表例としては、単一セグメントポリマーの形で表すと、上記一般式(1)の陽イオン交換基置換体に対応する例としては、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルホスホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(α−メチルスチレンスルホン酸)、ポリビニル安息香酸、ポリスチレンホスホン酸、及びこれらのポリマーを構成するモノマー単位の複数種からなる共重合体、
また上記一般式(2)の陽イオン交換基置換体に対応する代表例としては、例えばポリパラフェニレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリベンズオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンズイミダゾール、及びこれらの共重合体等の陽イオン交換基置換体が例示され、一般式(1)及び(2)の陽イオン交換基置換体としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の陽イオン交換基置換体が例示される。
【0017】
本発明の高分子電解質膜は、上記のようなイオン伝導性セグメントの他に、疎水性セグメントとノニオン親水性セグメントとを有するものであるが、疎水性セグメントとしては、前記のイオン伝導性セグメント及び後記のノニオン親水性セグメントの何れにも該当せず、実質的にイオン交換基を有さず単一セグメントポリマーの形で水に溶解しないものが挙げられる。例えば下記一般式(12)及び/又は(13)で表されるモノマー単位を有するセグメントが挙げられる。中でも、化学的安定性および耐熱性の観点からは(13)が好ましい。
Figure 0004696441
(式中、X3、X4は互いに独立に直接結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、または−SO2−を表し、X3、X4の結合の向きに特に制限はない。R3は、水素原子、ハロゲン原子、ニトリル基、−COR4、−COOR4、−OCOR4、(R4は、水素原子または置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基を表す。R4が複数ある場合は、これらは同一であっても異なっていても良い。)、置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基、置換されていても良い炭素数6〜10のアリール基又は置換されていても良い炭素数6〜10のアリールオキシ基を表し、R3が複数ある場合は、これらは同一でも異なっていてもよい。iは1〜10の整数を、jは0〜10の整数を表す。R3が複数ある場合は、これらは同一でも異なっていてもよい。式中、Ar4、Ar5は互いに独立に、下記式(14)乃至(18)の何れかの2価の芳香族系の基を表す。
【0018】
Figure 0004696441
(式中、kは0〜4の整数を、lは0〜6の整数を、rは0〜4の整数を表す。Uは、直接結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−SO2−、置換されていても良い炭素数1〜5のアルキレン基、置換されていても良い炭素数1〜5のアルキレンジオキシ基を表し、pは0〜2の整数を表す。Uの結合の向きに特に制限はない。Uが複数ある場合は、これらは同一であっても異なっていてもよい。Bは、−O−、−S−、―NR−を表し、2つのBは同一であっても異なっていてもよい。Ar6は下記式(19)乃至(22)
Figure 0004696441
のいずれかの4価の芳香族系の基を表す。Z、qは前記のU、pと同じ意味を表し、sは0〜2の整数を、tは0〜4の整数を、uは0〜2の整数を表す。))
【0019】
疎水性セグメントにおいて、上記一般式(12)、(13)で表されるモノマー単位は、それぞれ2種以上存在することもできる。
ここで、ハロゲン原子としては、例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが、置換されていても良い炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、前記と同様のアルキル基等が挙げられる。
また置換されていても良い炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、前記と同様のアリール基等が、置換されていても良い炭素数6〜10のアリールオキシ基としては、例えば、前記と同様のアリールオキシ基等が挙げられる。
iは、1〜10の整数を、jは0〜10の整数を表すが、iは2〜6の整数、jは0〜6の整数であることが好ましい。
【0020】
また置換されていても良い炭素数1〜5のアルキレン基としては、例えば前記と同じアルキレン基等が、置換されていても良い炭素数1〜5のアルキレンジオキシ基としては、例えば前記と同じアルキレンジオキシ基等が挙げられる。
【0021】
疎水性セグメントの代表例としては、単一セグメントポリマーの形で表すと、上記一般式(12)に対応する例としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸−n−プロピル、ポリアクリル酸イソプロピル、ポリアクリル酸−n−ブチル、ポリアクリル酸イソブチル、ポリアクリル酸−tert−ブチル、ポリアクリル酸−2−エチルヘキシル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸−n−プロピル、ポリメタクリル酸イソプロピル、ポリメタクリル酸−n−ブチル、ポリメタクリル酸イソブチル、ポリメタクリル酸−tert−ブチル、ポリメタクリル酸−2−エチルヘキシル、及びこれらのポリマーを構成するモノマー単位の複数種からなる共重合体、6−ナイロン、6、6−ナイロン、6、10−ナイロン、などが例示される。
【0022】
また上記一般式(13)に対応する例としては、ポリパラフェニレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリベンズオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンズイミダゾール等、及びこれらの共重合体に由来するセグメントが例示され、(12)および(13)のモノマー単位から選ばれる2種以上のモノマー単位からなる共重合セグメントに対応する例としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。
【0023】
本発明の疎水性セグメントは、前記のような陽イオン交換基を実質的に持たないセグメントであり、陽イオン交換基の数は、通常セグメントを構成するモノマー単位1個あたり平均0.1個以下である。
また疎水性セグメントのモノマー単位の数は、通常10〜1000個程度であり、20〜400個であることが好ましい。モノマー単位の数が小さすぎると共重合体の膜強度や耐水性が低下する傾向にあり、大きすぎるとキャスト溶媒への溶解性が低下する傾向にある。
【0024】
本発明の高分子電解質膜は、上記のようなイオン伝導性セグメント、疎水性セグメントの他に、ノニオン親水性セグメントを有するものであるが、ノニオン親水性セグメントとしては、実質的にイオン交換基を有さず、親水性の高いセグメントであれば特に制限はない。ノニオン親水性セグメントはその単一セグメントポリマーの形のものが水に溶けても溶けなくてもい。
ノニオン親水性セグメントとしては、例えばモノマー単位にアルコール性水酸基、アミノ基、スルホキシド基等の官能基やエーテル結合、アミド結合等の結合を有するセグメントが挙げられる。
【0025】
本発明のノニオン親水性セグメントは、上記のようなイオン交換基を実質的に持たないセグメントであり、イオン交換基の数は、通常セグメントを構成するモノマー単位1個あたり平均0.1個以下である。
ノニオン親水性セグメントの代表例としては、単一セグメントポリマーの形で表すと、例えば天然高分子であるタンパク質、デンプン、オリゴ糖類、または合成高分子であるポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリメチルビニルエーテル、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリジエチルアクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、これらの混合物等が挙げられる。特に価格の安さ、後述のブロック化反応への容易さ、ポリマー主鎖の柔軟さ等からポリエチレンオキシドが好ましい。
好ましいノニオン親水性セグメントのモノマー単位の数は、イオン伝導性セグメントの場合と同様である。
【0026】
ここで、本発明におけるノニオン親水性セグメントは、水を高分子電解質膜中に隅々まで自動的に循環させるという作用を有するものと推定される。イオン伝導性セグメントも親水性であるが、プロトンがイオン伝導性セグメント中を移動する際、イオン伝導性セグメント中に含浸している水も同方向へ動くこととなるので、膜全体への水の循環という観点から、イオン交換基を有さないノニオン親水性セグメントが好ましく使用される。
【0027】
本発明においては、前記のとおり共重合体、特にブロック、グラフト、ブロック・グラフト等の共重合体が好ましく用いられる。
ここで、これらの共重合体等の製法すなわちイオン伝導性セグメント、ノニオン親水性セグメントおよび疎水性セグメントの3種のセグメントのうち2種以上を結合させる方法には特に制限はなく、それぞれのセグメントの組み合わせに応じた適切な公知の方法を用いることができる。
例えば、イオン伝導性セグメント、ノニオン親水性セグメント、および疎水性セグメントの前駆体として、それぞれ、鎖の両末端にヒドロキシ基、メルカプト基などの求核置換反応に際して求核基とて働く基を有する高分子、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲノ基やトシル基など、求核置換反応に際して脱離基として働く基を有する高分子を用いることができる。
【0028】
また末端にヒドロキシ基を有する高分子同士をブロック化する際には、例えばパーフルオロビフェニルや4,4'-ジフルオロベンゾフェノンなどを連結剤として用い、アルカリなどの塩基存在下、ブロック共重合体化することができる。
また末端にハロゲノ基などを有する高分子同士をブロック化する際には、例えばヒドロキノン、4,4'-ビフェノールやビスフェノールAなどを連結剤として用い、アルカリなどの塩基存在下、ブロック共重合体化することができる。
末端にヒドロキシ基を有する高分子と末端にハロゲノ基などを有する高分子をブロック化する際には、例えば必要に応じて触媒の存在下、および/またはアルカリなどの塩基存在下、ブロック共重合体化することができる。
上記の方法の組合せにより、一段階または多段階で、二元系、三元系のブロック共重合体などを得ることができる。
【0029】
より具体的には、例えば鎖末端に水酸基を有するポリ(2−フェニルフェノール)と鎖末端に水酸基を有するポリエチレンオキシドの末端水酸基をNaH等で活性化させた後、ジフルオロベンゾフェノン等により連結した後、硫酸によりポリ(2−フェニルフェノール)にスルホン酸基を導入する方法を用いて、イオン伝導性セグメントとノニオン親水性セグメントの二元系ブロック共重合体を合成することができる。
また例えば、特開2001−250567記載の方法を用いることにより、イオン伝導性セグメントと疎水性セグメントの二元系ブロック共重合体を合成することができるし、例えば鎖末端に水酸基を有するポリエチレンオキシドの末端水酸基をNaH等で活性化させた後、鎖末端にフッ化フェニル基を有するポリエーテルスルホンと反応させる方法を用いることにより、ノニオン親水性セグメントと疎水性セグメントの二元系ブロック共重合体を合成することができる。
【0030】
また例えば、二元系ブロック共重合体の例と類似の方法により、三元系ブロック共重合体を合成することができるし、例えば、鎖末端に水酸基を有するポリ(2−フェニルフェノール)と鎖末端に水酸基を有するポリエチレンオキシドと鎖末端に水酸基を有するポリエーテルスルホンの末端水酸基をNaH等で活性化させた後、ジフルオロベンゾフェノン等により連結し、次いで硫酸によりポリ(2−フェニルフェノール)セグメントにスルホン酸基を導入することができる。
【0031】
本発明の高分子電解質からなる膜は、上記のようなイオン伝導性セグメント、ノニオン親水性セグメントおよび疎水性セグメントを有する高分子電解質を製膜することにより得られる。
また高分子電解質は、イオン伝導性セグメント、ノニオン親水性セグメント、および疎水性セグメントの3種のセグメントの比率が、後述のような高分子電解質膜になるように、共重合体、単一セグメントポリマー等を混合する。
電解質を膜へ転化する方法に特に制限はないが、溶液状態より製膜する方法(溶液キャスト法)が通常採用される。
具体的には、例えば、高分子電解質を適当な溶媒に溶解し、その溶液を基板上に流延塗布し、溶媒を除去することにより製膜される。基盤には、例えばガラス板、ステンレス板、ステンレスベルト、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどが用いられる。これらの基盤は必要に応じ鏡面加工や表面離型剤処理などを施してもよい。
【0032】
製膜に用いる溶媒は、本発明に係る高分子電解質を溶解可能であり、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル、または水などが用いられる。これらは単独で用いることもできるが、必要に応じて2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。中でも、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドがポリマーの溶解性が高く好ましい。
【0033】
高分子電解質膜におけるイオン伝導性セグメント、ノニオン親水性セグメント、および疎水性セグメントの3種のセグメントの存在比は、3種全てが連続相を取ることが好ましいことからそれぞれが全体の10重量%以上存在することが好ましく、それぞれが20重量%以上存在することがさらに好ましい。
またイオン交換基が高分子電解質膜1gあたりに存在するミリモル数をイオン交換容量(meq/g)と定義した場合、イオン伝導性セグメントの存在比はイオン交換容量が1meq/g以上、好ましくは1.2meq/g以上、さらに好ましくは1.5meq/g以上である。
また疎水性セグメントの重量比は高分子電解質膜の膜強度を担うことから好ましくは20重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上である。
【0034】
本発明の高分子電解質膜は、マクロに実質的に均一であることを一つの特徴とするものである。ここでマクロに実質的に不均一である場合は、膜の機械強度、イオン伝導性、プロトン伝導性等が不十分であるといった問題があるが、マクロに実質的に均一のものは、この問題が解消される。
なお、マクロに実質的に均一であるか否かは、膜が透明であるか否か目視により確認できる。
また本発明の高分子電解質膜は、実質的にミクロに相分離構造を有していることが好ましく、このことにより各セグメントが担う機能が効果的に発現される。
すなわちイオン伝導性セグメントにおいては、イオン伝導性、プロトン伝導性等が向上し、ノニオン親水性セグメントにおいては、水の膜内における循環性等が向上し、疎水性セグメントにおいては、膜の機械的、力学的性能が向上する。
【0035】
本発明の高分子電解質膜は支持膜である多孔膜と複合化してもよく、使用する多孔膜は高分子電解質を含浸する母材となるものであり、高分子電解質の強度や柔軟性、耐久性のさらなる向上のために使用される。
そのため、上記使用目的を満たすものであればその形状や材質によらず用いる事ができるが、固体高分子電解質型燃料電池の隔膜として使用する場合、多孔膜の形状としては膜厚1〜100μm、好ましくは3〜30μm、さらに好ましくは5〜20μm、孔径は0.01〜10μm、好ましくは0.02〜7μm、空隙率は20〜98%、好ましくは30〜95%である。
多孔膜の膜厚が薄すぎると複合化後の強度補強の効果あるいは、柔軟性や耐久性を付与するといった補強効果が不十分となり、ガス漏れ(クロスリーク)が発生しやすくなる。膜厚が厚すぎると電気抵抗が高くなり、得られた複合膜が固体高分子型燃料電池の隔膜として好ましくない。孔径が小さすぎると高分子固体電解質の含浸が非常に困難となり、大きすぎると高分子固体電解質への補強効果が弱くなる。空隙率が小さすぎると固体電解質膜としての抵抗が大きくなり、大きすぎると一般に多孔膜自体の強度が弱くなり補強効果が得られない。
また、多孔膜の材質としては、耐熱性の観点や、物理的強度の補強効果を鑑みれば、脂肪族系高分子または、含フッ素高分子が好ましい。
【0036】
ここで、脂肪族系高分子としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。なおポリエチレンはポリエチレンの結晶構造を有するエチレン系のポリマーであり、例えばエチレンと他のモノマーとの共重合体をも含み、具体的には直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と称されるエチレンとα−オレフィンとの共重合体や、超高分子量ポリエチレンなどを含む。またここでいうポリプロピレンはポリプロピレンの結晶構造を有するプロピレン系のポリマーであり、一般に使用されているプロピレン系ブロック共重合体、ランダム共重合体など(これらはエチレンや1−ブテンなどとの共重合体である)を含むものである。
【0037】
また、含フッ素高分子とは、分子内に炭素−フッ素結合を少なくとも1個有する公知の熱可塑性樹脂が制限なく使用される。通常は、脂肪族系高分子の水素原子のすべてまたは大部分がフッ素原子によって置換された構造のものが好適に使用される。
【0038】
好適に使用できる含フッ素高分子を例示すれば、ポリトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルエーテル)、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。このうち、本発明では、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)が好ましく、特にポリテトラフルオロエチレンが好ましい。また、これらのフッ素系樹脂は、機械的強度の良好さから平均分子量が10万以上のものが好ましい。
【0039】
本発明の高分子電解質膜の複合化方法に特に制限は無く、高分子電解質溶液中に多孔膜を含浸し、多孔膜を取り出した後に溶媒を乾燥させて複合膜を得る方法や、高分子電解質溶液を多孔膜に塗布し、溶媒を乾燥させて複合膜を得る方法、多孔膜に減圧下で高分子電解質溶液を接触させ、その後常圧に戻す事で溶液を多孔膜空孔内に含浸させ、溶媒を乾燥させて複合膜を得る方法、等が複合化方法として例示されるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
本発明の高分子電解質膜は通常用いられる添加剤、例えば酸化防止剤などの安定剤や離型剤を含んでいてもよい。
【0041】
膜の厚みは、特に制限はないが10〜200μmが好ましい。実用に耐える膜の強度を得るには10μmより厚い方が好ましい。膜抵抗の低減つまり発電性能の向上のためには200μmより薄い方が好ましく、100μmより薄い方がより好ましい。膜厚は溶液濃度あるいは基板上への塗布厚により制御できる。
【0042】
次に本発明の燃料電池について説明する。
本発明の燃料電池は、高分子電解質膜の両面に、触媒および集電体としての導電性物質を接合することにより製造することができる。
該触媒としては、水素または酸素との酸化還元反応を活性化できるものであれば特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、白金の微粒子を用いることが好ましい。白金の微粒子は活性炭や黒鉛などの粒子状または繊維状のカーボンに担持されて用いることが好ましい。
集電体としての導電性物質に関しても公知の材料を用いることができるが、多孔質性のカーボン不織布またはカーボンペーパーが、原料ガスを触媒へ効率的に輸送するために好ましい。
多孔質性のカーボン不織布またはカーボンペーパーに白金微粒子または白金微粒子を担持したカーボンを接合させる方法、およびそれを高分子電解質膜と接合させる方法については、例えば、J. Electrochem. Soc.:Electrochemical Science and Technology, 1988, 135(9), 2209 に記載されている方法等の公知の方法を用いることができる。
このようにして製造された本発明に係る燃料電池は、燃料として水素ガス、改質水素ガス、メタノールを用いる各種の形式で使用可能である。
【0043】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
【0044】
【合成例1】
ポリエチレンオキシド(以下PEOと呼ぶ)とポリエーテルスルホン(以下PESと呼ぶ)を反応させたブロック共重合体の合成例
鎖末端に水酸基を有する分子量70000のPEO 1.00gをN、N―ジメチルアセトアミド(以下DMAcと呼ぶ)に溶解させ、油性のNaH(60wt%)を10.7mg加え室温でしばらく撹拌し鎖末端水酸基をナトリウム塩とした。さらに分子量60000の鎖末端フルオロフェニル基のPES 1.00gを加えて撹拌することで目的のブロック共重合体を得た。ポリマー溶液をメタノールに注ぎ、ポリマー(以下PSPOと呼ぶ)を取り出した。H NMR測定より各セグメントの重量比を算出したところPES:PEO=3:1であった。
【0045】
【合成例2】
ポリ(2―フェニルフェニレンエーテル)のスルホン化物(以下PPEと呼ぶ)とPESからなるブロック共重合体(以下BCと呼ぶ)の合成例
特開2001−250567記載の方法に準拠して合成した。BCのイオン交換容量は、1.92meq/gであった。
【0046】
【実施例1】
BCとPSPOとPEOからなる高分子電解質膜の調製
BC、PSPO、およびPEOをそれぞれ1.00g、0.400g、および0.200g量り取り、DMAcに約10重量%の濃度で溶解し、少量の水を加えた後ガラス板に流延し、80℃で乾燥して溶媒を除去することにより、厚さ33mmの透明で強靭なゴム弾性を有する柔軟な膜を得た。
H NMR測定より各セグメントの重量比を算出した。膜のプロトン伝導度を、温度80℃、湿度90%の条件で交流インピーダンス法で測定した。また膜の吸水率を、乾燥した膜を100℃の脱イオン水に2時間浸漬した後の膜重量増加量を乾燥時の重量を基準として求めた。さらに、滴定法によりイオン交換容量を求めた。結果をまとめて表1に示す。
【0047】
【実施例2】
BCとPSPOとPEOからなる高分子電解質膜の調製
BC、PSPO、およびPEOをそれぞれ0.975g、0.150g、および0.375g量り取り、DMAcに約10重量%の濃度で溶解し、少量の水を加えた後ガラス板に流延し、80℃で乾燥して溶媒を除去することにより、厚さ33mmの透明で強靭なゴム弾性を有する柔軟な膜を得た。H NMR測定より各セグメントの重量比を算出した。膜のプロトン伝導度を、温度80℃、湿度90%の条件で交流インピーダンス法で測定した。また膜の吸水率を、乾燥した膜を100℃の脱イオン水に2時間浸漬した後の膜重量増加量を乾燥時の重量を基準として求めた。さらに、滴定法によりイオン交換容量を求めた。結果をまとめて表1に示す。
【0048】
【比較例1】
特開2001−250567記載の方法に準拠することにより、イオン交換容量1.30meq/gのBCを合成した。結果をまとめて表1に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0004696441
【0050】
【実施例3】
高分子電解質膜の燃料電池評価結果
燃料電池評価は加湿した水素および空気を各々の極に供給しながらセル温度90℃で行った。実施例2の高分子電解質膜は比較例1のそれに比べ高い最大電流密度を示した。表2は実施例2の高分子電解質膜および比較例1それのセル温度90℃におけるI−Vプロットを示す。
【0051】
【表2】
Figure 0004696441
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、高分子電解質膜内部において水が隅々まで自動的に循環し得、特に高温、低加湿下においても優れたプロトン伝導性を示す高分子電解膜を提供することができる。加えて、本発明の高分子電解質膜は、強靭なゴム弾性を有する柔軟な膜であって、ひび割れ等の問題も軽減されるので、この点においても燃料電池用の高分子電解質膜として有利である。

Claims (5)

  1. イオン伝導性セグメントを含む共重合体とイオン伝導性単一ポリマーとからなる群から選ばれる1種以上の重合体、および、ノニオン親水性セグメントと疎水性セグメントのみを有する共重合体を含む高分子電解質からなる膜であって、膜がマクロには、均一であることを特徴とする高分子電解質膜。
  2. イオン伝導性セグメントおよびイオン伝導性単一ポリマーから選ばれる1種以上と、ノニオン親水性セグメントと、疎水性セグメントとが、ミクロに相分離構造を形成していることを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜。
  3. ノニオン親水性セグメントと疎水性セグメントのみを有する共重合体が、ブロック、グラフト、ブロック・グラフトから選ばれる少なくとも一種の共重合体であることを特徴とする請求項1又は2記載の高分子電解質膜。
  4. 溶媒キャスト法により得られたものであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の高分子電解質膜。
  5. 請求項1〜4いずれかに記載の高分子電解質膜を用いてなる燃料電池。
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