JP2009235240A - 高分子電解質組成物、高分子電解質膜及び燃料電池 - Google Patents

高分子電解質組成物、高分子電解質膜及び燃料電池 Download PDF

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恭弘 山下
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Abstract

【課題】高分子電解質膜の製造時のハンドリング性が良好となるような柔軟性を有する高分子電解質膜、該高分子電解質膜を与える高分子電解質組成物、及び該高分子電解質膜用いてなる燃料電池を提供する。
【解決手段】成分(A)芳香族系高分子電解質と、成分(B)複数種の構造単位からなる共重合体とを、含む高分子電解質組成物であって、
前記複数種の構造単位のうち、少なくとも1つの構造単位が、この構造単位のみからなる単独重合体1を得たとき、該単独重合体1のガラス転移温度が80℃を下回る構造単位である共重合体を成分(B)として含む高分子電解質組成物、該高分子電解質組成物を用いてなる高分子電解質膜、燃料電池の提供。
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子電解質組成物、当該高分子電解質組成物を用いてなる高分子電解質膜等の燃料電池用部材、並びに燃料電池に関する。
固体高分子型燃料電池(以下、「燃料電池」と略記することがある。)は、燃料ガス(例えば、水素が挙げられる。)と酸素との化学的反応により発電させる発電装置であり、次世代エネルギーの一つとして電気機器産業や自動車産業等の分野において大きく期待されている。燃料電池は2つの触媒層と、これら触媒層に挟まれた隔膜(高分子電解質膜)を基本単位として構成されている。典型的な燃料電池として、水素を燃料ガスとして用いる燃料電池の発電メカニズムを簡単に説明すると、一方の触媒層で水素がイオン化され水素イオンが生成し、この水素イオンが隔膜を通じて他方の触媒層に伝導(イオン伝導)し、ここで酸素と反応して水を形成する。このとき、2つの触媒層を外部回路に接続していると、電流が流れ外部回路に電力が供給される。
隔膜となる高分子電解質膜としては、ナフィオン(商標登録)に代表されるようなフッ素系高分子電解質膜が、これまで主流であったが、近年はフッ素系高分子電解質膜よりも、安価で、耐熱性に優れ、環境負荷がより少ない高分子電解質膜として、芳香族系高分子電解質からなる膜(芳香族系高分子電解質膜)が期待されている。
ところで、芳香族系高分子電解質膜を工業的に大量に生産する上では、連続的に製造するといった連続製造法が一般的に行われている。このような製造法においては、高分子電解質膜に張力を与えて引き伸ばした状態で、ロール間を搬送するといった工程(搬送工程)や、原反状に巻き取ったりする工程(巻取り工程)を行う必要がある。高分子電解質膜を連続的に搬送する上で、搬送工程や巻取り工程において、高分子電解質膜が折れや皺が入らないよう、高分子電解質膜を柔軟にすることでハンドリング性を向上させることが求められている。
例えば、特許文献1には、スルホン酸基を有するポリアリーレン(芳香族系高分子電解質)に可塑剤を混ぜ合わせることによって、弾性率が抑えられ、生産性や加工性が高い高分子電解質膜が得られることが開示されている。
特開2005−132880号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、特許文献1で提案されている高分子電解質膜は、燃料電池の作動中に生成する生成水によって可塑剤が膜から溶出し易く、溶出した可塑剤が、例えば燃料電池の触媒層にある触媒成分を被毒するといった弊害が生じることがあった。
このような状況下、本発明の目的は、芳香族系高分子電解質膜を工業的に生産する上で、燃料電池用隔膜としての特性を著しく損なうことなく、芳香族系高分子電解質膜の製造時のハンドリング性が良好となるような高分子電解質膜、該高分子電解質膜を与える高分子電解質組成物、及び該高分子電解質膜を用いてなる燃料電池を提供することにある。
本発明者等は前記課題を解決し得るため鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は
<1>成分(A)芳香族系高分子電解質と、成分(B)複数種の構造単位からなる共重合体とを、含む高分子電解質組成物であって、
前記複数種の構造単位のうち、少なくとも1つの構造単位が、この構造単位のみからなる単独重合体1を得たとき、該単独重合体1のガラス転移温度が80℃を下回る構造単位である共重合体を成分(B)として含む、高分子電解質組成物。
<2>前記複数種の構造単位のうち、少なくとも1つの構造単位が、この構造単位のみからなる単独重合体2を得たとき、該単独重合体2の溶解度パラメータが20(MPa)1/2以上である構造単位である共重合体を成分(B)として含む、<1>の高分子電解質組成物。
<3>前記成分(B)が、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアノ基、アシル基、アルキルカルボニルオキシ基及びアルキルオキシカルボニル基から選ばれる官能基を有する構造単位を含む共重合体である、<1>又は<2>の高分子電解質組成物。
<4>前記成分(B)が、共重合様式がランダム共重合又は交互共重合の共重合体であることを特徴とする、<1>〜<3>の何れかの高分子電解質組成物。
<5>前記成分(A)が、酸性基を有する構造単位と、イオン交換基を有さない構造単位とをする芳香族系高分子電解質であることを特徴とする、<1>〜<4>の何れかの高分子電解質組成物。
<6>前記酸性基を有する構造単位として下記式(1a)、(2a)、(3a)、(4a)
Figure 2009235240

(式中、Ar1〜Ar9は、互いに独立に、主鎖に芳香族環を有し、さらに芳香族環を有する側鎖を有してもよい2価の芳香族基を表す。該主鎖の芳香族環か側鎖の芳香族環の少なくとも1つが該芳香族環に直接結合したイオン交換基を有する。
Z、Z’は互いに独立にCO、SO2の何れかを表し、X、X’、X”は互いに独立にO、Sの何れかを表す。Yは直接結合もしくは下記式(10)で表される基を表す。pは0、1又は2を表し、q、rは互いに独立に1、2又は3を表す。)
から選ばれる構造単位を有し、
且つ前記イオン交換基を有さない構造単位として下記式(1b)、(2b)、(3b)、(4b)
Figure 2009235240

(式中、Ar11〜Ar19は、互いに独立に側鎖としての置換基を有していてもよい2価の芳香族炭素基を表す。Z、Z’は互いに独立にCO、SO2の何れかを表し、X、X’、X”は互いに独立にO、Sの何れかを表す。Yは直接もしくは下記式(10)で表される基を表す。p’は0、1又は2を表し、q’、r’は互いに独立に1、2又は3を表す。)
から選ばれる構造単位を有する、<5>の高分子電解質組成物。
Figure 2009235240
(式中、R1及びR2は互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリールオキシ基又は置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基を表し、R1とR2が連結してそれらが結合する炭素原子と一緒に環を形成していてもよい。)
<7>前記成分(A)と前記成分(B)との含有重量比が、[成分(A)]/[成分(B)]で表して、99.5/0.5〜70/30の範囲である、<1>〜<6>の何れかの高分子電解質組成物。
<8><1>〜<7>の何れかの高分子電解質組成物からなる高分子電解質膜。
<9>100℃の熱水中に2時間浸漬したとき、浸漬前後における重量維持率が95重量%以上であることを特徴とする、<8>の高分子電解質膜。
<10><8>又は<9>の高分子電解質膜を有する膜−電極接合体。
<11><10>の膜−電極接合体を具備する燃料電池。
を提供するものである。
本発明の高分子電解質組成物によれば、芳香族系高分子電解質膜の連続製造法において、製造時のハンドリング性が良好となるような柔軟性を有する高分子電解質膜を得ることができるため、産業上極めて有用である。
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
<成分(B)>
本発明の成分(B)に適用される共重合体は、複数種の構造単位からなり、これら複数種の構造単位のうち、少なくとも1つの構造単位が、この構造単位からなる単独重合体1を得たとき、該単独重合体1のガラス転移温度が80℃を下回るような構造単位であることを特徴とする。かかるガラス転移温度とは、JIS K 7121に準拠した方法で、示差走査熱量測定により測定されるか、一般文献(例えば、L.E.Nielsen 著,小野木重治訳,「高分子と複合材料の力学的性質」(第1版),(株)化学同人出版等)に記載されているガラス転移温度を用いるものである。
本発明者等は、このような特性を有する共重合体を、後述する成分(A)芳香族系高分子電解質に配合してなる高分子電解質組成物は、該高分子電解質組成物からなる高分子電解質膜が、燃料電池用隔膜としての特性を損なうことなく、高分子電解質のハンドリング性が良好となる程度の柔軟性を有するものとなることを見出した。このように、高分子電解質膜の柔軟性を向上できる理由は定かではないが、本発明者等は次のように推定している。すなわち、該共重合体が、ガラス転移温度の低い前記単独重合体1を形成せしめる構造単位1を含むことから、共重合体自体のガラス転移温度が低くなり、高分子電解質に比べて分子運動性が高くて柔軟な共重合体となり、該共重合体を高分子電解質に配合することで、高分子電解質膜の柔軟性が向上したと推定される。
なお、前記単独重合体1のガラス転移温度は、60℃以下であると好ましく、40℃以下であると、より好ましく、20℃以下であると更に好ましい。本発明に適用する成分(A)共重合体は、このような構造単位1を含むことにより、共重合体自身のガラス転移温度も80℃以下となり易い。
このような構造単位を、該構造単位からなる前記単独重合体1の形で表すと、例えば、ポリ−1,4−cis−ブタジエン(Tg:−108℃)、ポリ−cis−イソプレン(Tg:−73℃)、ポリ−trans−イソプレン(Tg:−60℃)等のポリジエン類;ポリエチレン(Tg:−120℃)、ポリ−isotactic−プロピレン(Tg:−10℃)、ポリイソブチレン(Tg:−70℃)、ポリ−1−ブテン(Tg:−25℃)、ポリ−1−ペンテン(Tg:−40℃)、ポリ−1−オクテン(Tg:−65℃)等のポリオレフィン類;ポリ塩化ビニリデン(Tg:−19℃)、ポリフッ化ビニリデン(Tg:−40℃)等のポリハロオレフィン類;ポリビニルメチルエーテル(Tg:−13℃)、ポリビニルエチルエーテル(Tg:−25℃)、ポリビニル−n−ブチルエーテル(Tg:−52℃)、ポリビニルイソブチルエーテル(Tg:−27℃)等のポリビニルエーテル類;ポリアクリル酸メチル(Tg:3℃)、ポリメタクリル酸エチル(Tg:65℃)、ポリメタクリル酸−n−プロピル(Tg:35℃)、ポリメタクリル酸−n−ブチル(Tg:21℃)、ポリメタクリル酸−n−ヘキシル(Tg:−5℃)、ポリメタクリル酸−n−オクチル(Tg:−20℃)等のポリ(メタ)アクリル酸エステル類;ポリ酢酸ビニル(Tg:28℃)等のポリビニルエステル類;ポリオキシメチレン(Tg:−83℃)、ポリオキシエチレン(Tg:−66℃)等のポリエーテル類;ナイロン6(Tg:50℃)、ナイロン11(Tg:43℃)、ナイロン12(Tg:42℃)等のポリ脂肪族アミド類;ポリジメチルシロキサン(Tg:−123℃)等のポリシロキサン類;ポリチオエチレン(Tg:−50℃)等のポリスルフィド類;ポリジクロロホスファゼン(Tg:−63℃)、ポリジフェノキシホスファゼン(Tg:−8℃)等のポリホスファゼン類;エチルセルロース(Tg:43℃)等のセルロース類が挙げられ、このような単独重合体を形成するような構造単位を含む共重合体が成分(B)として好適に用いることができる。これら単独重合体1の中でも、より好ましくは、ポリ−1,4−cis−ブタジエン、ポリ−cis−イソプレン、ポリ−trans−イソプレン、ポリエチレン、ポリ−isotactic−プロピレン、ポリイソブチレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−1−ペンテン、ポリ−1−オクテン、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリ酢酸ビニル、ポリジクロロホスファゼン、ポリジフェノキシホスファゼンであり、特に好ましくはポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンであり、これを構成する構造単位を含む共重合体が成分(B)として特に好ましい。なお、これら単独重合体1の例示において、「Tg」とはガラス転移温度の略称である。
また、成分(B)共重合体は、該共重合体を構成する複数種の構造単位のうち、少なくとも1つの構造単位2が、この構造単位2からなる単独重合体2を得たときに、該単独重合体2の溶解度パラメータが20(MPa)1/2以上である構造単位であると好ましい。該溶解度パラメータは、21(MPa)1/2以上であるとより好ましく、22(MPa)1/2以上であると更に好ましく、23(MPa)1/2以上であると特に好ましい。溶解度パラメータが20(MPa)1/2以上であるような構造単位2を有する共重合体は、成分(A)芳香族系高分子電解質との親和性が比較的良好となり、得られる高分子電解質膜の強靭性をより良好にするといった効果を発現する。なお、この溶解度パラメータは、一般文献(例えば、「POLYMER HANDBOOK」(FOURTH EDITION),JOHN WILEY & SONS,INC.出版等)に記載されたものを用いればよい。
このような構造単位2を有する共重合体を成分(B)として使用すると、得られる高分子電解質膜は、成分(A)と成分(B)との親和性に優れることから、膜中に成分(B)がほぼ均一に存在させることができる。このような高分子電解質膜は脆化し難くなって機械強度にも優れたものとなる。
前記構造単位1と前記構造単位2は同一であっても異なっていてもよいが、高分子電解質組成物からなる高分子電解質膜の柔軟性と、膜中に含まれる成分(A)芳香族系高分子電解質と成分(B)共重合体との親和性を両立させる面では、前記構造単位1と前記構造単位2は異なることが好ましい。なお、前記に例示した好適な構造単位1からなる単独重合体1は、いずれも溶解度パラメータが20(MPa)1/2を下回るものである。
前記構造単位1と前記構造単位2とが異なる場合、成分(B)共重合体中に含まれる構造単位1の、全構造単位の合計に対するモル分率は10〜90%の範囲が好ましい。また、成分(B)共重合体に含まれる構造単位2の、全構造単位の合計に対するモル分率は90〜10%の範囲にあることが好ましい。また、成分(B)共重合体には、該共重合体のガラス転移温度が80℃以下となる範囲であれば、構造単位1及び構造単位2以外の構造単位を有していてもよいが、共重合体の製造上の容易さを勘案すれば、該共重合体は構造単位1と構造単位2とからなるものであると好ましい。
前記構造単位2としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアノ基、アシル基、アルキルカルボニルオキシ基(なお、アルキルカルボニルオキシ基のアルキル基は炭素数1〜10程度のアルキル基である。)、及びアルキルオキシカルボニル基(なお、アルキルオキシカルボニル基のアルキル基は炭素数1〜10程度のアルキル基である。)から選ばれる官能基を有する構造単位が好ましい。中でも、成分(A)芳香族系高分子電解質との親和性がより良好となる観点から、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアノ基、アシル基から選ばれる官能基を有する構造単位がより好ましく、中でもヒドロキシル基、アミド基、シアノ基、アシル基から選ばれる特性基を有する構造単位が更に好ましい。ここに例示した官能基を有する構造単位2は、この構造単位2のみからなる単独重合体2を得たとき、該単独重合体2の溶解度パラメータが20(MPa)1/2以上となり易いので好ましい。
このような官能基を有する構造単位2を具体的に例示すると、
Figure 2009235240
を挙げることができる。ここで、R3は水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基、R4〜R7は水素基又は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、R8は置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基をそれぞれ表す。
成分(B)は、好ましくは前記構造単位1と前記構造単位2とからなる共重合体であれば、その共重合体様式はランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体又はその組合せの何れでもよいが、共重合体自身の製造上の容易さを勘案すると、構造単位1と構造単位2とが、共重合体様式としてランダム共重合又は交互共重合である共重合体が、より好ましい。
具体的に、成分(B)として好適な共重合体を例示すると、以下のものが挙げられる。
Figure 2009235240

Figure 2009235240

なお、(a)〜(p)において、「co」の表記は、括弧内で表される構造単位の共重合体であることを示し、その共重合様式はランダム共重合体又は交互共重合体の何れかであると好ましい。添え字のs、t、uはそれぞれ構造単位の共重合体中のモル分率を示し、何れも0.01以上1.00未満の範囲である。
また、これらの例示の中でも、特に好ましい共重合体は、(d)、(g)、(j)、(k)を挙げることができる。
前記共重合体の分子量は、ポリスチレン換算の数平均分子量で表して、3000〜500000であることが好ましい。
<成分(A)>
次に、本発明に適用する成分(A)芳香族系高分子電解質について説明する。ここで、芳香族系高分子電解質とは、その主鎖が主として芳香族基で構成されている高分子電解質を意味し、好適にはそのガラス転移温度が140℃を越えるものが好ましい。芳香族系高分子電解質は、得られる高分子電解質膜が、機械強度に優れ、高耐熱性であることからという利点がある反面、比較的高弾性であるので柔軟性に劣る傾向がある。したがって、本発明で用いる成分(B)の効果が一層顕著に発現される。
芳香族系高分子電解質としては、酸性基を有する構造単位と、イオン交換基(酸性基及び塩基性基)を有さない構造単位とを有するものであると、高分子電解質膜としたときに耐水性や機械強度に優れる傾向があるので、好ましい。この2種の構造単位の共重合様式は、ランダム共重合、交互共重合、ブロック共重合、グラフト共重合の何れでもよく、これらの共重合様式の組み合わせでもよい。
なお、本発明に適用する芳香族系高分子電解質とは、当該芳香族系高分子電解質を構成する元素重量含有比で表してハロゲン原子が15重量%以下である芳香族炭化水素系高分子電解質が好ましい。かかる芳香族炭化水素系高分子電解質は、前記のフッ素系高分子電解質と比較して安価であるという利点を有する。より好ましい芳香族系高分子電解質とは実質的にハロゲン原子を含有していない芳香族炭化水素系高分子電解質であり、このような芳香族炭化水素系高分子電解質は燃料電池の作動時に、ハロゲン化水素を発生して、他の燃料電池用部材を腐食させる恐れがないという利点もある。
該芳香族系高分子電解質は、酸性基を有する構造単位からなるセグメント(親水性セグメント)及び、主としてイオン交換基を有さない構造単位からなるセグメント(疎水性セグメント)とを有し、共重合様式がブロック共重合又はグラフト共重合の芳香族系高分子電解質が好適である。なお、この場合、親水性セグメント及び疎水性セグメントのどちらもが、主鎖が主として芳香族基で構成されているセグメントであることが好ましい。
ここで、「酸性基を有するセグメント」とは、該セグメントを構成する構造単位1個あたりで、酸性基が平均0.5個以上含まれているセグメントであることを意味し、構造単位1個あたりで酸性基が平均1.0個以上含まれているとより好ましい。
一方、「イオン交換基を実質的に有さないセグメント」とは、イオン交換基が、該セグメントを構成する構造単位1個あたりで平均0.5個未満であるセグメントであることを意味し、構造単位1個あたりで平均0.1個以下であるとより好ましく、平均0.05個以下であるとさらに好ましい。
典型的には、親水性セグメントと疎水性セグメントとが、直接結合で結合されているか、適切な原子又は原子団で結合された形態のブロック共重合体である。
本発明に適用する芳香族系高分子電解質においては、プロトン伝導性を担う酸性基の導入量は、イオン交換容量で表して、0.5meq/g〜4.0meq/gの範囲が好ましく、更に好ましくは1.0meq/g〜3.0meq/gの範囲である。イオン交換容量が前記の範囲であると、燃料電池用隔膜として、十分なプロトン伝導性が発現され、比較的耐水性も良好であるという利点もある。
また、好適な芳香族系高分子電解質としては、親水性セグメントにおいて、該セグメントの主鎖に芳香族環を有し、さらに芳香族環を有する側鎖を有してもよく、主鎖の芳香環か側鎖の芳香族環の少なくとも1つが該芳香族環に直接結合した酸性基を有する形態であると好ましい。
酸性基としては、スルホン酸基(−SO3H)、カルボキシル基(−COOH)、リン酸基(−OP(O)(OH)2)、ホスホン酸基(−P(O)(OH)2)、スルホニルイミド基(−SO2−NH−SO2−)等が例示され、中でもスルホン酸基が好ましい。これらの酸性基は、部分的にあるいは全てが金属イオン等でイオン交換されて塩を形成していてもよいが、実質的に全てが遊離酸の状態であることが好ましい。
本発明に用いる芳香族系高分子電解質は、親水性セグメントとして、前記の式(1a)、(2a)、(3a)、(4a)[以下、「式(1a)〜(4a)」と略記することがある。]の何れか1種以上の構造単位からなるセグメントと、疎水性セグメントとして、前記の式(1b)、(2b)、(3b)、(4b)[以下、「式(1b)〜(4b)」と略記することがある。]の何れか1種以上の構造単位からなるセグメントとを有し、その共重合様式がブロック共重合又はグラフト共重合の芳香族系高分子電解質が好ましい。このような芳香族系高分子電解質は、親水性セグメントの密度が疎水性セグメントの密度よりも高い相と、疎水性セグメントの密度が親水性セグメントの密度よりも高い相とを、含むミクロ相分離構造の高分子電解質膜を形成し易くなる。そして、このようなミクロ相分離構造を有する高分子電解質膜は、プロトン伝導性と耐水性とに優れるものになるという利点がある。
式(1a)〜(4a)におけるAr1〜Ar9は、2価の芳香族基を表す。2価の芳香族基としては、例えば、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン等の2価の単環性芳香族基、1,3−ナフタレンジイル、1,4−ナフタレンジイル、1,5−ナフタレンジイル、1,6−ナフタレンジイル、1,7−ナフタレンジイル、2,6−ナフタレンジイル、2,7−ナフタレンジイル等の2価の縮環系芳香族基、ピリジンジイル、キノキサリンジイル、チオフェンジイル等のヘテロ芳香族基等が挙げられる。好ましくは2価の単環性芳香族基である。
また、Ar1〜Ar9は、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリールオキシ基又は置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基で置換されていてもよい。
式(1a)のセグメントを構成する構造単位におけるAr1及び/又はAr2、式(2a)のセグメントを構成するAr1〜Ar3の少なくとも1つ以上、式(3a)のセグメントを構成する構造単位におけるAr7及び/又はAr8、式(4a)のセグメントを構成する構造単位におけるAr9には、主鎖を構成する芳香環に少なくとも一つのイオン交換基を有する。イオン交換基として、上述のようにスルホン酸基がより好ましい。
式(1b)〜(4b)におけるAr11〜Ar19は、2価の芳香族基を表す。2価の芳香族基としては、例えば、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン等の2価の単環性芳香族基、1,3−ナフタレンジイル、1,4−ナフタレンジイル、1,5−ナフタレンジイル、1,6−ナフタレンジイル、1,7−ナフタレンジイル、2,6−ナフタレンジイル、2,7−ナフタレンジイル等の2価の縮環系芳香族基、ピリジンジイル、キノキサリンジイル、チオフェンジイル等のヘテロ芳香族基等が挙げられる。好ましくは2価の単環性芳香族基である。
また、これらの2価の芳香族基は置換基を有していてもよく、この置換基の説明は前記Ar1〜Ar9の場合と同様である。
本発明に用いる芳香族系高分子電解質としては、上述のようにブロック共重合体、グラフト共重合体の何れか、あるいはこれらを組合わせたものであることが好ましく、特にブロック共重合体が好ましい。より好ましいセグメントの組合わせを具体的に例示すると、下記表1に示すようなものが挙げられ、これら中でも、<イ>、<ウ>、<エ>、<キ>又は<ク>が好ましく、<キ>又は<ク>が特に好ましい。
Figure 2009235240
親水性セグメントにおける構造単位の繰り返し数m及び疎水性セグメントにおける構造単位の繰り返し数nは、ともに5以上であることが好ましい。より好ましくは、m及びnがともに、5〜1000の範囲であり、さらに好ましくは10〜500の範囲である。繰り返し数がこのような範囲であり、共重合様式がブロック共重合又はグラフト共重合の芳香族系高分子電解質は、該芳香族系高分子電解質から高分子電解質膜を得たとき、プロトン伝導性と耐水性とのバランスに優れた高分子電解質膜を得ることが可能であり、すなわち燃料電池部材としての特性に優れるものが得やすいことから好ましい。
具体的に、好適なブロック共重合体を例示すると、以下のものが挙げられる。

Figure 2009235240
Figure 2009235240
Figure 2009235240
Figure 2009235240
Figure 2009235240
Figure 2009235240
芳香族系高分子電解質の分子量は、ポリスチレン換算の数平均分子量で表して、5000〜1000000であることが好ましく、15000〜400000であることが特に好ましい。
好適な芳香族系高分子電解質としては、例えば、特開2005−126684号公報や特開2005−139432号公報に開示されている芳香族ポリエーテル系ブロック共重合体、特開2007−177197号公報に開示されているポリアリーレン系の親水性セグメントを有するブロック共重合体等が挙げられる。
<高分子電解質組成物>
本発明の高分子電解質組成物は、成分(A)と成分(B)とを含むものであり、成分(A)と成分(B)とを混合して調製することができる。なお、成分(A)と成分(B)との含有重量比が、[成分(A)]/[成分(B)]で表して、99.5/0.5〜70/30の範囲であると好ましく、99/1〜78/22であるとより好ましく、95/5〜75/25であるとさらに好ましい。[成分(A)]/[成分(B)]で表される含有重量比がこの範囲である場合、得られる高分子電解質膜の柔軟性が十分に発現され、成分(A)と成分(B)との親和性がより良好となるため好ましい。
また、本発明の高分子電解質組成物には、当業分野で周知の添加剤を含んでいてもよい。該添加剤とは、通常の高分子に使用される可塑剤、安定剤、離型剤等や、保水剤として添加される、無機あるいは有機の微粒子を挙げることができる。このような添加剤を使用する際には、得られる高分子電解質膜の燃料電池用部材としての特性を著しく低下しない範囲で選択することが好ましい。
<高分子電解質組成物の製造方法>
次に、本発明の高分子電解質組成物の好適な製造方法について説明する。
本発明の好適な高分子電解質組成物は、上述したように、成分(A)と成分(B)とを混合すればよいが、高分子電解質組成物の製造をより容易にする点で、下記の(a)又は(b)の製造方法が好ましい。
(a)成分(A)と成分(B)と溶媒とを一括で混合して溶液を調製し、該溶媒を除去することで高分子電解質組成物を作製する方法、
(b)成分(A)を溶媒に溶解させて成分(A)溶液を調製し、別に成分(B)を溶媒で溶解させて成分(B)溶液を調整し、得られた成分(A)溶液と成分(B)用溶液とを混合して混合溶液を調整する。そして、この混合溶液から溶媒を除去することで高分子電解質組成物を作製する方法。
<高分子電解質膜の製造方法>
次に、本発明の高分子電解質組成物から溶液キャスト法を用いて、燃料電池用隔膜(高分子電解質膜)を製造する方法について説明する。この溶液キャスト法は、高分子電解質膜製造として、当業分野で、これまで広範に使用されている方法であり、工業的に特に有用である。
この溶液キャスト法とは、本発明の高分子電解質組成物を溶媒に溶かして高分子電解質溶液を調製し、ガラス基板、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等の支持基材上に流延塗布(キャスト製膜)して塗膜を形成せしめ、該塗膜からキャスト溶媒等の揮発成分を除去することにより支持基材上に高分子電解質膜を製膜する方法である。そして、支持基材を剥離等によって除去することで、高分子電解質膜を得ることができる。
高分子電解質溶液に用いる溶媒は、前記成分(A)、前記成分(B)、並びに必要に応じて添加される添加剤が溶解可能であり、その後に除去し得るものであるならば特に制限はなく、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の非プロトン性極性溶媒、あるいはジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好適に用いられる。これらは単独で用いることもできるが、必要に応じて2種以上の溶媒を混合して用いることもできる。中でも、DMSO、DMF、DMAc、NMPが、成分(A)の溶解性が特に高いので、好ましく使用される。
このようにして得られる高分子電解質膜の厚みは、特に制限はないが、燃料電池用隔膜としての実用的な範囲で5〜300μmが好ましい。膜厚が5μm以上の膜では実用的な強度が優れるため好ましく、300μm以下の膜では膜抵抗自体が小さくなる傾向があるので好ましい。膜厚は、前記高分子電解質溶液における成分(A)や成分(B)の重量濃度及び支持基材上の塗膜の塗布厚により制御できる。
また、膜の強度や柔軟性、耐久性のさらなる向上のために、本発明の高分子電解質組成物を多孔質基材に含浸させ複合化することにより、複合膜とすることも可能である。複合化方法は公知の方法を使用し得る。
多孔質基材としては、上述の使用目的を満たすものであれば特に制限は無く、例えば多孔質膜、織布、不織布、フィブリル等が挙げられ、その形状や材質によらず用いることができる。多孔質基材の材質としては、耐熱性の観点や、物理的強度の補強効果を考慮すると、脂肪族系高分子、芳香族系高分子、または含フッ素高分子が好ましい。
この場合、多孔質基材の膜厚は、好ましくは1〜100μm、さらに好ましくは3〜30μm、特に好ましくは5〜20μmであり、多孔質基材の孔径は、好ましくは0.01〜100μm、さらに好ましくは0.02〜10μmであり、多孔質基材の空隙率は、好ましくは20〜98%、さらに好ましくは40〜95%である。
多孔質基材の膜厚が1μm以上であると、複合化後の強度補強の効果あるいは、柔軟性や耐久性を付与するといった補強効果がより優れ、ガス漏れ(クロスリーク)が発生しにくくなる。また、該膜厚が100μm以下であると、電気抵抗がより低くなり、得られた複合膜が固体高分子型燃料電池のイオン伝導膜として、より優れたものとなる。該孔径が0.01μm以上であると、本発明の高分子電解質組成物の充填がより容易となり、100μm以下であると、得られる複合膜の補強効果がより大きくなる。空隙率が20%以上であると、イオン伝導性の抵抗がより小さくなり、98%以下であると、多孔質基材自体の強度がより大きくなり補強効果がより向上するので好ましい。
本発明の高分子電解質組成物からなる高分子電解質膜は、前記特許文献1に開示されているような可塑剤を用いた高分子電解質膜の問題点であった、燃料電池作動中に生成する生成水によって可塑剤が溶出するという不都合を好適に回避することができる。具体的には、本発明の高分子電解質組成物からなる高分子電解質膜は、100℃の熱水中に2時間浸漬したとしても、浸漬前後における重量維持率が95重量%以上であるので、燃料電池作動による生成水によって、成分(B)が高分子電解質膜から溶出するのを良好に防止することができる。なお、前記重量維持率とは、100℃の熱水中に浸漬する前の十分乾燥されている高分子電解質膜の絶乾重量をW0(g)、100℃の熱水中に2時間浸漬し、さらに十分乾燥させた後の高分子電解質膜の絶乾重量をW1(g)としたとき、
重量維持率(%)=(W1/W0)×100
で求められるものである。なお、このような重量維持率の測定において、使用する高分子電解質膜は、100mg程度で十分であり、このような高分子電解質膜を測定に使用するに当り、浸漬前後それぞれの絶乾重量を求めるには、高分子電解質膜をハロゲン水分計を用いて、110℃で10分間程度乾燥させればよい。
本発明の高分子電解質組成物からなる高分子電解質膜は、成形加工時のハンドリング性が良好となるような柔軟性を有するものである。具体的には、高分子電解質膜を120℃で1時間程度乾燥させて十分に水を除去したとき、その貯蔵弾性率が1000〜3900MPaの範囲の高分子電解質膜を得ることができる。本発明の高分子電解質組成物によれば、貯蔵弾性率1500〜3850MPaの高分子電解質膜の製造を可能とし、より好ましくは貯蔵弾性率が2000〜3800MPaの高分子電解質膜の製造を可能とする。本発明に適用する成分(B)共重合体の存在は、成分(A)芳香族系高分子電解質からなる高分子電解質膜の貯蔵弾性率を良好に低減するという効果を発現する。具体的には、成分(B)を含有しない芳香族系高分子電解質からなる高分子電解質膜の貯蔵弾性率に対し、貯蔵弾性率を5%程度、好ましくは8%程度低下させることができる。なお、ここでいう貯蔵弾性率とは、周波数10Hz、歪振幅0.1%、温度120℃の条件下、測定開始から1時間後の貯蔵弾性率の値であり、本発明においてはTAインスツルメント社製DMA(型式Q800)を用いて測定されるものである。
また、本発明に適用する成分(B)が上述のように、単独重合体2の溶解度パラメータが20(MPa)1/2以上となるような構造単位2を有していると、得られる高分子電解質膜について、成分(B)と成分(A)芳香族系高分子電解質との親和性を良好に発現して、芳香族系高分子電解質中に成分(B)がほぼ均一に存在させることができる。このように、芳香族系高分子電解質中に成分(B)がほぼ均一に存在すれば、得られる高分子電解質膜は極めて透明性に優れるものとなり、このような膜は脆化し難く、機械特性に優れるものとなる。成分(A)と成分(B)との親和性は、得られた高分子電解質膜の透明性で評価できるものである。この透明性を曇価で表すと、曇価15%以下の高分子電解質膜は成分(A)と成分(B)とがほぼ均一に存在しているものとなる。この曇価は、10%以下であればより好ましく、8%以下であればさらに好ましく、5%以下であれば特に好ましい。なお、かかる曇価とは、23℃50%RHの環境下において測定されるものであり、本発明においては、スガ試験機社製直読ヘーズコンピュータ(型式HGM−2DP)を用いて測定されたものである。
<燃料電池>
次に、前記高分子電解質膜を用いてなる燃料電池について説明する。
本発明の燃料電池は、本発明の高分子電解質組成物からなる高分子電解質膜の両面に、触媒及び集電体としての導電性物質からなる触媒層を接合することにより製造することができる。
ここで触媒としては、水素又は酸素との酸化還元反応を活性化できるものであれば特に制限はなく、公知のものを用いることができるが、白金又は白金系合金の微粒子を触媒成分として用いることが好ましい。白金又は白金系合金の微粒子はしばしば活性炭や黒鉛などの粒子状又は繊維状のカーボンに担持されて用いられることもある。
カーボンに担持された白金又は白金系合金(カーボン担持触媒)を、高分子電解質としてのパーフルオロアルキルスルホン酸樹脂のアルコール溶液と共に混合してペースト化した触媒インクを調製し、ガス拡散層及び/又は高分子電解質膜に塗布・乾燥することにより触媒層が得られる。具体的な方法としては例えば、J. Electrochem. Soc.: Electrochemical Science and Technology, 1988, 135(9), 2209 に記載されている方法等の公知の方法を用いることができる。このようにして、本発明の高分子電解質膜の両面に触媒層を形成させることで、膜−電極接合体(MEA)が得られる。なお、該MEAの製造において、ガス拡散層となる基材上に触媒層を形成した場合は、得られるMEAは高分子電解質膜の両面にガス拡散層と触媒層とをともに備えた膜−電極−ガス拡散層接合体の形態で得られる。また、触媒インクを高分子電解質膜に塗布して高分子電解質膜上に触媒層を形成させた場合は、得られた触媒層上にさらにガス拡散層を形成させることで、膜−電極−ガス拡散層接合体が得られる。
ここで、触媒層の製造用に使用される触媒インクを、本発明の高分子電解質組成物に前記カーボン担持触媒を混合してなる、触媒組成物に置き換えて触媒層を製造することもできる。
ガス拡散層には公知の材料を用いることができるが、多孔質性のカーボン織布、カーボン不織布またはカーボンペーパーが、原料ガスを触媒へ効率的に輸送するために好ましい。
また、前記に示したMEAの製造において、高分子電解質膜を、本発明の高分子電解質組成物を用いてなる複合膜に置き換えてもよい。
このようにして製造された本発明の燃料電池は、燃料として水素ガス又は改質水素ガスを使用する形式はもとより、メタノールを用いる各種の形式で使用可能である。
以下に本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明に係わる物性測定方法を以下に示す。
(イオン交換容量の測定)
測定に供する高分子電解質膜を、加熱温度105℃に設定されたハロゲン水分率計を用いて、乾燥重量を求めた。次いで、この高分子電解質膜を0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液5mLに浸漬した後、更に50mLのイオン交換水を加え、2時間放置した。その後、この高分子電解質膜が浸漬された溶液に、0.1mol/Lの塩酸を徐々に加えることで滴定を行い、中和点を求めた。そして、高分子電解質膜の乾燥重量と上記の中和に要した塩酸の量から、高分子電解質膜のイオン交換容量(単位:meq/g)を算出した。
(GPCの測定)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記条件でポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を測定した。なお、移動相(溶離液)としては以下のいずれかを用いて測定した。
[移動相1]DMAc(LiBrを10mmol/dm3になるように添加)
[移動相2]DMF(LiBrを10mmol/dm3になるように添加)
(貯蔵弾性率の測定)
測定に供する高分子電解質膜を、40mm×4.8mmの矩形に切り出し、引張用治具を用いて長辺側の両端をチャックで挟持し、TAインスツルメント社製DMA(型式Q800)を用いて貯蔵弾性率を求めた。周波数10Hz、歪振幅0.1%、温度120℃の条件下、測定開始から1時間後の貯蔵弾性率の値を、高分子電解質膜の貯蔵弾性率として用いた。
(曇価の測定)
測定に供する高分子電解質膜を、40mm×40mmの矩形に切り出し、スガ試験機社製直読ヘーズコンピュータ(型式HGM−2DP)を用いて、曇価を求めた。高分子電解質膜を23℃50%RHの雰囲気下で24時間静置後、測定した時の曇価の値を、高分子電解質膜の曇価として用いた。この曇価は、以下に示す実施例、比較例において成分(A)と成分(B)とが高分子電解質膜中で均一に存在しているかどうかの指標である。
(重量維持率の測定)
測定に供する高分子電解質膜を、約100mg切り出し、絶乾重量W1(g)を求めた。また、100mLのミリQ水が入ったスクリュー管に高分子電解質膜を浸漬させ、水温が100℃になった時点から2時間、熱水浸漬処理を実施した。その後、該高分子電解質膜を取り出し、絶乾重量W2(g)を求めた。高分子電解質膜の重量維持率は、以下の式で算出した。
重量維持率(%)=(W2/W1)×100
(プロトン伝導度の測定)
新実験化学講座19 高分子化学(II)992p(日本化学会編、丸善)に記載の方法で膜抵抗を測定した。
ただし、使用したセルはカーボン製であり、また白金黒付白金電極は使用せず、セルに直接インピーダンス測定装置の端子を接続した。まずセルに高分子電解質膜をセットして抵抗値を測定し、その後高分子電解質膜を除いて再度抵抗値を測定して、両者の差から膜抵抗を算出した。高分子電解質膜の両側に接触させる溶液には、1mol/Lの希硫酸を用いた。測定はいずれも23℃で行った。希硫酸浸漬時の膜厚と抵抗値からプロトン伝導度を算出した。
(合成例1)高分子電解質の製造
特開2007−284653号公報に記載されていた実施例7、実施例21記載の方法を参考にして、スミカエクセルPES 5200P(住友化学株式会社製)を使用して合成した、下記
Figure 2009235240
で示される構造単位からなる、スルホン酸基を有するブロックと、下記

Figure 2009235240

で示される、イオン交換基を有さないブロックとを有するブロック共重合体型高分子電解質(IEC=2.5meq/g、Mw=348,000、Mn=174,000[移動相1])を得た。このブロック共重合体型高分子電解質をA−1とする。
(製膜条件1)
キャスト製膜について、連続式製膜装置を用いて行った。すなわち、高分子電解質組成物を、膜厚可変型ドクターブレードを用いて所望の膜厚へと調整し、連続的に走行している支持基材上に連続的に流延塗布して、流延塗布後の支持基材を連続的に乾燥炉へと入れていき、大部分の溶媒を除去した。乾燥条件を下記に記す。
乾燥条件:温度90℃、時間33分
(なお、温度は乾燥炉の設定温度を指し、時間はキャスト製膜された
高分子電解質膜が乾燥炉に入炉してから出炉するまでの時間を指す。)
乾燥後の高分子電解質膜をイオン交換水で水洗を行って溶媒を完全に除去した。この膜を2N硫酸に2時間浸漬後、再度イオン交換水で水洗せしめて、更に風乾することで、高分子電解質膜を作製した。
参考例1
合成例1で得られたA−1をジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して、濃度が8重量%の溶液を調整した。該溶液について、支持基材として巾300mm、長さ100mのポリエチレンテレフタレート(東洋紡績社製、E5000グレード)を用いて、製膜条件1の方法で膜厚約20μmの高分子電解質膜1を作製した。得られた高分子電解質膜1の貯蔵弾性率および曇価を測定した。その結果を表1に示す。
実施例1
合成例1で得られたA−1をDMSOに溶解して、濃度が8重量%の溶液を調整した。また、アルドリッチ社製ポリ(エチレン−ビニルアルコール)共重合体(エチレン含量:32mol%、Tg:69℃、以下B−1とする。)をDMSOに溶解して、濃度が8重量%の溶液を調整した。A−1の溶液とB−1の溶液を、重量比で90対10の割合で混合して、室温下で6時間攪拌して均一な混合溶液を調整した。該溶液について、参考例1と同様の方法にて膜厚約20μmの高分子電解質膜2を作製した。得られた高分子電解質膜2の貯蔵弾性率および曇価を測定した。その結果を表2に示す。また、得られた高分子電解質膜の100℃の水に2時間浸漬したときの、浸漬前後の重量維持率は99%であった。
なお、ビニルアルコールの単独重合体であるポリビニルアルコールの溶解度パラメータは、一般文献に記載された値から25.8(MPa)1/2である。
実施例2
合成例1で得られたA−1をDMSOに溶解して、濃度が8重量%の溶液を調整した。また、B−1をDMSOに溶解して、濃度が8重量%の溶液を調整した。A−1の溶液とB−1の溶液を、重量比で80対20の割合で混合して、室温下で6時間攪拌して均一な混合溶液を調整した。該溶液について、参考例1と同様の方法にて膜厚約20μmの高分子電解質膜3を作製した。得られた高分子電解質膜3の貯蔵弾性率および曇価を測定した。その結果を表2に示す。また、得られた高分子電解質膜の100℃の水に2時間浸漬したときの、浸漬前後の重量維持率は99%であった。
実施例3
合成例1で得られたA−1をDMSOに溶解して、濃度が8重量%の溶液を調整した。また、アルドリッチ社製ポリ(エチレン−ビニルアルコール)共重合体(エチレン含量:44mol%、Tg:55℃、以下B−2と略す)をDMSOに溶解して、濃度が8重量%の溶液を調整した。A−1の溶液とB−2の溶液を、重量比で90対10の割合で混合して、室温下で6時間攪拌して均一な混合溶液を調整した。該溶液について、参考例1と同様の方法にて膜厚約20μmの高分子電解質膜4を作製した。得られた高分子電解質膜4の貯蔵弾性率および曇価を測定した。その結果を表2に示す。また、得られた高分子電解質膜の100℃の水に2時間浸漬したときの、浸漬前後の重量維持率は100%であった。
比較例1
合成例1で得られたA−1と住友化学社製ポリエチレン(スミカセンF200、以下B−3と略す)を、重量比で90対10の割合で混合して、濃度が8重量%となるようにDMSOを加えたが、B−3が溶解せずに析出したため、高分子電解質膜を作製できなかった。
実施例4
合成例1で得られたA−1をDMSOに溶解して、濃度が8重量%の溶液を調整した。また、アルドリッチ社製ポリ(塩化ビニリデン−アクリロニトリル)共重合体(Tg:50℃、以下B−4と略す)をDMSOに溶解して、濃度が8重量%の溶液を調整した。A−1の溶液とB−4の溶液を、重量比で90対10の割合で混合して、室温下で6時間攪拌して均一な混合溶液を調整した。該溶液について、参考例1と同様の方法にて膜厚約20μmの高分子電解質膜5を作製した。得られた高分子電解質膜5の貯蔵弾性率および曇価を測定した。その結果を表2に示す。また、得られた高分子電解質膜の100℃の水に2時間浸漬したときの、浸漬前後の重量維持率は100%であった。
尚、アクリロニトリルの単独重合体であるポリアクリロニトリルの溶解度パラメータは一般文献に記載された値から25.3(MPa)1/2である。
比較例2
合成例1で得られたA−1をDMSOに溶解して、濃度が8重量%の溶液を調整した。また、アルドリッチ社製ポリフッ化ビニリデン(Tg:−40℃、以下B−5と略す)をDMSOに溶解して、濃度が8重量%の溶液を調整した。A−1の溶液とB−5の溶液を、重量比で90対10の割合で混合して、室温下で6時間攪拌して均一な混合溶液を調整した。該溶液について、参考例1と同様の方法にて膜厚約20μmの高分子電解質膜6を作製した。得られた高分子電解質膜6の貯蔵弾性率および曇価を測定した。その結果を表2に示す。また、得られた高分子電解質膜の100℃の水に2時間浸漬したときの、浸漬前後の重量維持率は100%であった。
Figure 2009235240
本発明の好適な高分子電解質組成物(実施例1〜4)である、成分(A)と成分(B)とを含有してなる高分子電解質組成物は、貯蔵弾性率が低いことで成形加工時にハンドリング性が向上し、また成分(A)と成分(B)が混ざり易いことで曇価が低く、脆化せず透明性を維持させた高分子電解質膜が得られることが判明した。

Claims (11)

  1. 成分(A)芳香族系高分子電解質と、成分(B)複数種の構造単位からなる共重合体とを、含む高分子電解質組成物であって、
    前記複数種の構造単位のうち、少なくとも1つの構造単位が、この構造単位のみからなる単独重合体1を得たとき、該単独重合体1のガラス転移温度が80℃を下回る構造単位である共重合体を成分(B)として含むことを特徴とする高分子電解質組成物。
  2. 前記複数種の構造単位のうち、少なくとも1つの構造単位が、この構造単位のみからなる単独重合体2を得たとき、該単独重合体2の溶解度パラメータが20(MPa)1/2以上である構造単位である共重合体を成分(B)として含むことを特徴とする、請求項1に記載の高分子電解質組成物。
  3. 前記成分(B)が、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、イミノ基、アミド基、シアノ基、アシル基、アルキルカルボニルオキシ基及びアルキルオキシカルボニル基から選ばれる官能基を有する構造単位を含む共重合体であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の高分子電解質組成物。
  4. 前記成分(B)が、共重合様式がランダム共重合又は交互共重合の共重合体であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の高分子電解質組成物。
  5. 前記成分(A)が、酸性基を有する構造単位と、イオン交換基を有さない構造単位とをする芳香族系高分子電解質であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の高分子電解質組成物。
  6. 前記酸性基を有する構造単位として下記式(1a)、(2a)、(3a)、(4a)
    Figure 2009235240

    (式中、Ar1〜Ar9は、互いに独立に、主鎖に芳香族環を有し、さらに芳香族環を有する側鎖を有してもよい2価の芳香族基を表す。該主鎖の芳香族環か側鎖の芳香族環の少なくとも1つが該芳香族環に直接結合したイオン交換基を有する。
    Z、Z’は互いに独立にCO、SO2の何れかを表し、X、X’、X”は互いに独立にO、Sの何れかを表す。Yは直接結合もしくは下記式(10)で表される基を表す。pは0、1又は2を表し、q、rは互いに独立に1、2又は3を表す。)
    から選ばれる構造単位を有し、
    且つ前記イオン交換基を有さない構造単位として下記式(1b)、(2b)、(3b)、(4b)
    Figure 2009235240

    (式中、Ar11〜Ar19は、互いに独立に側鎖としての置換基を有していてもよい2価の芳香族炭素基を表す。Z、Z’は互いに独立にCO、SO2の何れかを表し、X、X’、X”は互いに独立にO、Sの何れかを表す。Yは直接もしくは下記式(10)で表される基を表す。p’は0、1又は2を表し、q’、r’は互いに独立に1、2又は3を表す。)
    から選ばれる構造単位を有することを特徴とする請求項5に記載の高分子電解質組成物。
    Figure 2009235240
    (式中、R1及びR2は互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリール基、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリールオキシ基又は置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアシル基を表し、R1とR2が連結してそれらが結合する炭素原子と一緒に環を形成していてもよい。)
  7. 前記成分(A)と前記成分(B)との含有重量比が、[成分(A)]/[成分(B)]で表して、99.5/0.5〜70/30の範囲である、請求項1〜6の何れか一項に記載の高分子電解質組成物。
  8. 請求項1〜7の何れか一項に記載の高分子電解質組成物からなる高分子電解質膜。
  9. 100℃の熱水中に2時間浸漬したとき、浸漬前後における重量維持率が95重量%以上であることを特徴とする、請求項8に記載の高分子電解質膜。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の高分子電解質膜を有する膜−電極接合体。
  11. 請求項10に記載の膜−電極接合体を具備する燃料電池。
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