JP2009080957A - 高分子電解質膜及び高分子電解質膜の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】延性が高く、化学劣化した状態においても、高い機械的強度を有し、耐久性に優れた高分子電解質膜及びその製造方法を提供する。
【解決手段】粒径が0.5〜0.9μmのアクリル系エラストマー微粒子と、ポリエーテルエーテルケトン系電解質樹脂とを混合した組成物を用いて形成されたことを特徴とする高分子電解質膜並びにその製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】粒径が0.5〜0.9μmのアクリル系エラストマー微粒子と、ポリエーテルエーテルケトン系電解質樹脂とを混合した組成物を用いて形成されたことを特徴とする高分子電解質膜並びにその製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、高分子電解質膜及び高分子電解質膜の製造方法に関する。
燃料電池は、電気的に接続された2つの電極に燃料と酸化剤を供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。火力発電とは異なり、燃料電池はカルノーサイクルの制約を受けないので、高いエネルギー変換効率を示す。燃料電池は、通常、電解質膜を一対の電極で挟持した膜・電極接合体を基本構造とする単セルを複数積層して構成されている。中でも、電解質膜として固体高分子電解質膜を用いた固体高分子電解質型燃料電池は、小型化が容易であること、低い温度で作動すること、などの利点があることから、特に携帯用、移動体用電源として注目されている。
固体高分子電解質型燃料電池において、アノード(燃料極)では(2)式の反応が進行する。
H2 → 2H+ + 2e- ・・・(2)
(2)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、カソード(酸化剤極)に到達する。そして、(2)式で生じたプロトンは、水と水和した状態で、電気浸透により固体高分子電解質膜内をアノード側からカソード側に移動する。
一方、カソードでは(3)式の反応が進行する。
4H+ + O2 + 4e− → 2H2O ・・・(3)
H2 → 2H+ + 2e- ・・・(2)
(2)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、カソード(酸化剤極)に到達する。そして、(2)式で生じたプロトンは、水と水和した状態で、電気浸透により固体高分子電解質膜内をアノード側からカソード側に移動する。
一方、カソードでは(3)式の反応が進行する。
4H+ + O2 + 4e− → 2H2O ・・・(3)
一般的な固体高分子電解質型燃料電池に搭載される単セルは、固体高分子電解質膜(以下、高分子電解質膜ということがある)の両面に、触媒層及びガス拡散層をこの順序で積層した電極が設けられた膜・電極接合体を有し、さらに膜・電極接合体を2枚のセパレータで狭持した構造を有している。
上述したように、アノードで生成したプロトンが高分子電解質膜内を通ってカソードへ移動する際には、いくつかの水分子を同伴するため、高分子電解質膜を高い湿潤状態に保持する必要がある。そのため、反応ガス(燃料ガス、酸化剤ガス)を加湿して膜・電極接合体に供給することも行われている。
燃料電池内における高分子電解質膜の湿潤状態は、燃料電池の運転状態や運転条件等によって異なる。例えば、燃料電池が作動中か非作動中かによって、また、燃料電池作動環境下においては、電流密度や電池温度、反応ガスの加湿温度等によっても電解質膜の湿潤状態が異なってくる。このような湿潤状態の変動(湿潤・乾燥)に伴って、電解質膜は膨張(湿潤時)・収縮(乾燥時)する。
一方、上記のように、酸素と水素とが存在する燃料電池内においては、上記の主反応(1)、(2)の他、副反応が起こり、過酸化物、典型的には過酸化水素が生成することが知られている。過酸化物は、ヒドロキシラジカル(・OH)や過酸化物ラジカル(・OOH)等の酸化力の強いラジカルを発生させる。これらのラジカルは高分子電解質膜へ移動すると、高分子電解質膜の電解質樹脂から水素等の原子を引き抜いたり、高分子鎖を切断することにより高分子電解質膜の化学劣化を引き起こす。このようなラジカルによる酸化は、高分子電解質膜の化学劣化の主な原因の一つである。化学劣化した高分子電解質膜は脆化し、その延性が低下する。
燃料電池内のセパレータに狭持され固定された状態の高分子電解質膜に、湿潤状態の変化に伴う寸法変化が生じた場合、該高分子電解質膜内には大きな応力が発生する。化学劣化により脆化した高分子電解質膜は、この応力に耐え切れず、割れや破断等を引き起こしやすい。
このような高分子電解質膜の化学劣化に伴う機械的強度の低下を改善し、耐久性に優れた高分子電解質膜を得るべく、様々な技術が提案されている。その一例として、高分子電解質膜に可塑剤を添加し、高分子電解質膜の柔軟性を高め、延性化を図る方法が挙げられる(例えば、特許文献1〜2)。特許文献1には、スルホン化芳香族ポリマー、架橋ゴム、及び有機溶剤を含有することを特徴とするスルホン化ポリマー組成物を塗布、乾燥してなるフィルムが記載されている。
本発明者らは、延性が高く、耐久性に優れた高分子電解質膜を得るべく、鋭意検討したところ、エラストマーを高分子電解質膜に添加する場合、エラストマーの粒径がそのエラストマー添加による効果を大きく左右するという知見を得た。
特許文献1では、架橋ゴムの組成物分散時における粒径を10〜500nm、好ましくは50〜200nmとしている。しかしながら、本発明者らの知見によれば、このように小さいエラストマー粒子では、充分な延性向上効果を得るためには、その含有量を多くしなければならず、その結果、高分子電解質樹脂の含有量が低下し、プロトン伝導性が低下してしまう。
特許文献1では、架橋ゴムの組成物分散時における粒径を10〜500nm、好ましくは50〜200nmとしている。しかしながら、本発明者らの知見によれば、このように小さいエラストマー粒子では、充分な延性向上効果を得るためには、その含有量を多くしなければならず、その結果、高分子電解質樹脂の含有量が低下し、プロトン伝導性が低下してしまう。
本発明は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、延性が高く、化学劣化した状態においても、高い機械的強度を有し、耐久性に優れた高分子電解質膜を提供することを目的とする。
本発明の高分子電解質膜は、粒径が0.5〜0.9μmのアクリル系エラストマー微粒子と、ポリエーテルエーテルケトン系電解質樹脂とを混合した組成物を用いて形成されたことを特徴とするものである。
本発明は、ポリエーテルエーテルケトン系電解質樹脂と、上記特定の範囲の粒径を有するアクリル系エラストマー微粒子とを組み合わせることで、高い延性を有し、化学劣化後の脆化した状態でも機械的強度を示す高分子電解質膜を実現可能とした。
本発明は、ポリエーテルエーテルケトン系電解質樹脂と、上記特定の範囲の粒径を有するアクリル系エラストマー微粒子とを組み合わせることで、高い延性を有し、化学劣化後の脆化した状態でも機械的強度を示す高分子電解質膜を実現可能とした。
延性向上及びプロトン伝導性の両立が可能であることから、前記アクリル系エラストマー微粒子は10〜30重量%含有させることが好ましい。
本発明の高分子電解質膜の製造方法は、粒径が0.5〜0.9μmのアクリル系エラストマー微粒子と、ポリエーテルエーテルケトン系電解質樹脂とを混合した組成物を用いて高分子電解質膜を製膜することを特徴とするものである。
本発明によれば、延性が高く、化学劣化後も高い機械的強度を示し、耐久性に優れた高分子電解質膜を提供することができる。
本発明の高分子電解質膜は、粒径が0.5〜0.9μmのアクリル系エラストマー微粒子と、ポリエーテルエーテルケトン系電解質樹脂とを混合した組成物を用いて形成されたことを特徴とする。
本発明は、湿潤状態の変化に伴って高分子電解質膜に寸法変化が生じた際に、高分子電解質膜内で発生した応力によって、高分子電解質膜が破断等し、長期間にわたって安定した性能を維持できないことを鑑みて成し遂げられたものである。すなわち、本発明は上記高分子電解質膜内で発生する応力を緩和することによって、高分子電解質膜に破断等の物理的ダメージが生じるのを防止することを目的としている。
高分子電解質と共にエラストマー粒子を添加して作製された本発明の高分子電解質膜は、該高分子電解質膜に寸法変化が生じた際、該高分子電解質膜を構成するエラストマーが高分子電解質に先行して寸法変化し、応力集中を防止して高分子電解質にかかる応力を緩和することができる。本発明では、高分子電解質膜内に分散させるエラストマー粒子の粒径を特定することによって、エラストマー粒子による上記応力緩和の効果を一層高めることを可能とした。さらには、特定の粒径を有するエラストマー粒子を用いて、プロトン伝導性を保持しつつ、電解質樹脂膜の延性を充分に高めることを可能とするエラストマー粒子の含有量を特定した。
本発明においては、高分子電解質として、ポリエーテルエーテルケトン系電解質樹脂を用いる。ここでポリエーテルエーテルケトン系電解質樹脂(以下、PEEK系電解質樹脂ということがある。)とは、主鎖骨格の連鎖構造を形成する主鎖骨格形成部として下記式(1)で表されるエーテルエーテルケトン構造を含む繰り返し単位を含有し、且つ、主鎖又は側鎖にプロトン伝導性基を有するものである。
ここで、エーテルエーテルケトン構造は、式(1)の構造に置換基等を導入したものでもよい。
上記エーテルエーテルケトン構造を主鎖骨格形成部として含む繰り返し単位は、主鎖骨格形成部として、上記エーテルエーテルケトン構造の他に、芳香族基や脂肪族基、ヘテロ原子等を含んでいてもよい。PEEK系電解質樹脂としては、エーテルエーテルケトン構造を主鎖骨格形成部として含む繰り返し単位を、1種のみ含むものであっても、2種以上を組み合わせて含むものであってもよい。
上記エーテルエーテルケトン構造を主鎖骨格形成部として含む繰り返し単位は、主鎖骨格形成部として、上記エーテルエーテルケトン構造の他に、芳香族基や脂肪族基、ヘテロ原子等を含んでいてもよい。PEEK系電解質樹脂としては、エーテルエーテルケトン構造を主鎖骨格形成部として含む繰り返し単位を、1種のみ含むものであっても、2種以上を組み合わせて含むものであってもよい。
また、プロトン伝導性基とはプロトンを解離し得る基であり、例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、ヒドロキシル基、ボロン酸基等が挙げられる。プロトン伝導性の高さ、高分子材料への導入の容易さ等の観点から、特にスルホン酸基が好ましい。
プロトン伝導性基は、主鎖骨格に直接結合していても、連結基を介して間接的に結合していてもよいし、主骨格の側鎖に結合していてもよい。連結基としては、例えば、アルキル基、エーテル基、フェニル基等が挙げられる。
本発明において用いられるポリエーテルエーテルケトン系電解質樹脂は、上記エーテルエーテルケトン構造を含む繰り返し単位からなるものでもよいし、上記エーテルエーテルケトン構造を含む繰り返し単位とその他の繰り返し単位(プロトン伝導性基を有していても、有していなくてもよい)との共重合体であってもよい。
プロトン伝導性、耐久性等の観点から、PEEK系電解質樹脂は、上記エーテルエーテルケトン構造を含む繰り返し単位を40モル%以上、特に50モル%以上含むことが好ましい。また、共重合体の場合、重合形式に特に限定はなく、ランダム共重合、グラフト共重合、ブロック共重合、交互共重合、ブロック状ランダム共重合等のいずれでもよい。また、分子量に特に限定はなく、通常は、重量平均で10,000〜1,000,000であることが好ましく、特に50,000〜150,000であることが好ましい。
プロトン伝導性の観点から、イオン交換容量は0.5meq/g以上、特に0.8meq/g以上であることが好ましい。
プロトン伝導性の観点から、イオン交換容量は0.5meq/g以上、特に0.8meq/g以上であることが好ましい。
本発明において用いられるアクリル系エラストマー微粒子は、アクリル酸エステルを重合(共重合も含む)して得られる樹脂であって、弾性を有するアクリル系エラストマーを含有するものであれば特に限定されず、例えば、アクリル酸アルキルエステル又はアクリル酸アルコキシエステルの単量体又は共重合体が挙げられる。アクリル酸アルキルエステル、アクリル酸アルコキシエステルとしては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリレート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルアクリレート等が挙げられる。
また、これらに共重合成分として、非共役ジエンやアクリロニトリル、スチレン、塩素等を分子内に有するもの、例えば、2−クロロエチルビニルエーテル、ビニルベンジルクロライド、ビニルクロルアセテート、ビニルクロルプロピオネート、アリルクロルアセテート、アリルクロルプロピオネートや、エポキシ基を分子内に有するグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどを共重合したものも用いることができる。
尚、本発明において用いるアクリル系エラストマー微粒子は、1種のアクリル系エラストマーからなるものであっても、2種以上のアクリル系エラストマーからなるものであってもよいし、アクリル系エラストマー以外の成分を含有してなるものであってもよい。また、構成成分として2成分以上を含有する場合には、コア−シェル型であってもよい。
本発明で用いるアクリル系エラストマー微粒子は、0.5〜0.9μmという特定の範囲の粒径を有する。0.5μm〜0.9μmの粒径を有するアクリル系エラストマーを用いることで、プロトン伝導性を保持しつつ、高分子電解質膜の延性を効果的に高めることができる。粒径が0.5μm以下の場合、高分子電解質膜の延性を充分に向上させるためにその含有割合を多くする必要がある。その結果、高分子電解質樹脂の含有割合が減り、充分なプロトン伝導性を有する高分子電解質膜が得られない。一方、粒径が0.9μmを超える場合、高分子電解質膜内のプロトン伝導路が分断され、充分なプロトン伝導性を有する高分子電解質膜が得られない。
得られる高分子電解質膜の延性及びプロトン伝導性をバランスよく両立できることから、アクリル系エラストマー微粒子の粒径は、特に0.6〜0.8μmであることが好ましい。
ここで、アクリル系エラストマー微粒子の粒径とは、高分子電解質樹脂又は高分子電解質樹脂を含む組成物と、該アクリル系エラストマー微粒子とを混合する際の粒径である。
ここで、アクリル系エラストマー微粒子の粒径とは、高分子電解質樹脂又は高分子電解質樹脂を含む組成物と、該アクリル系エラストマー微粒子とを混合する際の粒径である。
アクリル系エラストマー微粒子の含有量は特に限定されないが、5重量%以上、特に10重量%以上、さらに15重量%以上が好ましい。5重量%未満の場合、アクリル系エラストマー微粒子を添加する効果が充分に得られないおそれがある。また、アクリル系エラストマー微粒子は35重量%以下、特に30重量%以下、さらに25重量%以下であることが好ましい。35重量%より多いと、電解質膜のプロトン伝導性を保持することが難しくなるおそれがある。
本発明の電解質膜には、PEEK系電解質樹脂及びアクリル系エラストマー微粒子以外の成分、例えば、PEEK以外の電解質樹脂や添加剤等を、必要に応じて適宜含有させてよい。
本発明の電解質膜の作製方法は特に限定されず、一般的な方法に準じることができる。例えば、PEEK電解質樹脂及び上記特定の範囲の粒径を有するアクリル系エラストマー微粒子を適当な溶媒中に溶解又は分散させて得られる混合溶液(組成物)を基材上に流延塗布し、乾燥させることで製膜できる。このとき溶媒としては特に限定されず適宜選択すればよい。また、各成分の混合順序に特に限定はないが、PEEK系電解質樹脂及びアクリル系エラストマー微粒子の分散性の観点から、予めPEEK系電解質樹脂を溶媒に分散させた後、アクリル系エラストマー微粒子を添加、混合して分散させることが好ましい。
或いは、溶融状態の電解質樹脂中にアクリル系エラストマー微粒子を分散させた組成物を成形することで製膜することもできる。
本発明の電解質膜の膜厚は特に限定されず、例えば、5〜100μm程度とすればよい。
本発明の高分子電解質材料は、様々な分野において使用することが可能であり、代表的なものとして、燃料電池用固体高分子電解質膜が挙げられる。
本発明の電解質膜の膜厚は特に限定されず、例えば、5〜100μm程度とすればよい。
本発明の高分子電解質材料は、様々な分野において使用することが可能であり、代表的なものとして、燃料電池用固体高分子電解質膜が挙げられる。
[比較例1]
<電解質膜の作製>
PEEK系電解質樹脂を、溶媒(ジメチルスルホキシド(DMSO))と混合し、得られた混合液を、基材上に流延塗布、乾燥して比較例1の電解質膜を得た。
<電解質膜の作製>
PEEK系電解質樹脂を、溶媒(ジメチルスルホキシド(DMSO))と混合し、得られた混合液を、基材上に流延塗布、乾燥して比較例1の電解質膜を得た。
<破断伸びの測定>
上記にて作製した比較例1の電解質膜について、破断伸び[(L−L0)/L0×100%]を測定した。ここで、L0は電解質膜試験片の初期長さ、Lは電解質膜試験片の破断時の長さである。尚、破断伸びは、JISK7113「プラスチックの引っ張り試験方法」に準拠して行った。
比較例1の電解質膜の破断伸びは52%だった。
[実施例1〜3]
<電解質膜の作製>
PEEK系電解質樹脂と、アクリル系エラストマー微粒子と、溶媒(DMSO)を、PEEK系電解質樹脂:アクリル系エラストマー微粒子=90:10の重量比で混合し、得られた混合液を、基材上に流延塗布、乾燥して実施例1〜3の電解質膜を得た。
尚、アクリル系エラストマー微粒子として、実施例1では、粒径0.57μmの微粒子(商品名S2100、三菱レイヨン製)、実施例2では、粒径0.64μmの微粒子(商品名WAK136、三菱レイヨン製)、実施例3では、粒径0.87μmの微粒子(商品名W450A、三菱レイヨン製)をそれぞれ用いた。
上記にて作製した比較例1の電解質膜について、破断伸び[(L−L0)/L0×100%]を測定した。ここで、L0は電解質膜試験片の初期長さ、Lは電解質膜試験片の破断時の長さである。尚、破断伸びは、JISK7113「プラスチックの引っ張り試験方法」に準拠して行った。
比較例1の電解質膜の破断伸びは52%だった。
[実施例1〜3]
<電解質膜の作製>
PEEK系電解質樹脂と、アクリル系エラストマー微粒子と、溶媒(DMSO)を、PEEK系電解質樹脂:アクリル系エラストマー微粒子=90:10の重量比で混合し、得られた混合液を、基材上に流延塗布、乾燥して実施例1〜3の電解質膜を得た。
尚、アクリル系エラストマー微粒子として、実施例1では、粒径0.57μmの微粒子(商品名S2100、三菱レイヨン製)、実施例2では、粒径0.64μmの微粒子(商品名WAK136、三菱レイヨン製)、実施例3では、粒径0.87μmの微粒子(商品名W450A、三菱レイヨン製)をそれぞれ用いた。
<破断伸びの測定>
上記にて作製した実施例1〜3の電解質膜について、比較例1と同様にして、破断伸びを測定した。結果を図1に示す。比較例1の電解質膜の破断延びが52%であったのに対して、0.5μm〜0.9μmの粒径を有するアクリル系エラストマー微粒子を含有する実施例1〜3の電解質膜は、約108%〜約126%と著しくその破断伸びが向上した。中でも、粒径0.64μmのアクリル系エラストマー微粒子を含有する実施例2の電解質膜は、特に高い延性を示した。
上記にて作製した実施例1〜3の電解質膜について、比較例1と同様にして、破断伸びを測定した。結果を図1に示す。比較例1の電解質膜の破断延びが52%であったのに対して、0.5μm〜0.9μmの粒径を有するアクリル系エラストマー微粒子を含有する実施例1〜3の電解質膜は、約108%〜約126%と著しくその破断伸びが向上した。中でも、粒径0.64μmのアクリル系エラストマー微粒子を含有する実施例2の電解質膜は、特に高い延性を示した。
[実施例4〜6、比較例2]
<電解質膜の作製>
PEEK系電解質樹脂と、アクリル系エラストマー微粒子(粒径0.64μmの微粒子、商品名WAK136、三菱レイヨン製)と、溶媒(DMSO)を混合し、得られた混合液を、基材上に流延塗布、乾燥して実施例4〜6の電解質膜を得た。尚、各実施例4〜6において、PEEK系電解質樹脂とアクリル系エラストマー微粒子の重量比(PEEK系電解質樹脂:アクリル系エラストマー微粒子)は、90:10(実施例4)、80:20(実施例5)、70:30(実施例6)とした。
<電解質膜の作製>
PEEK系電解質樹脂と、アクリル系エラストマー微粒子(粒径0.64μmの微粒子、商品名WAK136、三菱レイヨン製)と、溶媒(DMSO)を混合し、得られた混合液を、基材上に流延塗布、乾燥して実施例4〜6の電解質膜を得た。尚、各実施例4〜6において、PEEK系電解質樹脂とアクリル系エラストマー微粒子の重量比(PEEK系電解質樹脂:アクリル系エラストマー微粒子)は、90:10(実施例4)、80:20(実施例5)、70:30(実施例6)とした。
<破断伸びの測定(1)>
上記にて作製した実施例4〜6の電解質膜について、比較例1と同様にして、破断伸びを測定した。結果を図2に示す。比較例1の電解質膜の破断延びが52%であったのに対して、0.64μmの粒径を有するアクリル系エラストマー微粒子を10〜30重量%含有する実施例4〜6の電解質膜は、約112%〜約160%と著しくその破断伸びが向上した。中でも、アクリル系エラストマー微粒子を20重量%含有する実施例5の電解質膜は、特に高い延性を示した。
上記にて作製した実施例4〜6の電解質膜について、比較例1と同様にして、破断伸びを測定した。結果を図2に示す。比較例1の電解質膜の破断延びが52%であったのに対して、0.64μmの粒径を有するアクリル系エラストマー微粒子を10〜30重量%含有する実施例4〜6の電解質膜は、約112%〜約160%と著しくその破断伸びが向上した。中でも、アクリル系エラストマー微粒子を20重量%含有する実施例5の電解質膜は、特に高い延性を示した。
<破断伸びの測定(2)>
上記にて作製した実施例4〜6の電解質膜について、以下の条件下フェントン処理を行い、化学劣化させた後、上記と同様にして化学劣化後の破断伸びを測定した。結果を図3に示す。
上記にて作製した実施例4〜6の電解質膜について、以下の条件下フェントン処理を行い、化学劣化させた後、上記と同様にして化学劣化後の破断伸びを測定した。結果を図3に示す。
(フェントン処理条件)
・鉄イオン(Fe2+)濃度:4ppm
・過酸化水素濃度:3wt%
・加熱温度:80℃
・加熱時間:120分
・鉄イオン(Fe2+)濃度:4ppm
・過酸化水素濃度:3wt%
・加熱温度:80℃
・加熱時間:120分
比較例1と同様にして作製した比較例2の電解質膜についても、上記同様フェントン処理を行い化学劣化させた後、その破断伸びを測定したところ、32%だった。これに対して、実施例4〜6は、化学劣化前に比べると大きく低下しているものの、58%〜89%と比較例2と比較して破断伸びが著しく向上しており、化学劣化した状態においても、粒径0.5〜0.9重量%のアクリル系エラストマー微粒子を含有させることによる延性向上効果が確認できた。
Claims (3)
- 粒径が0.5〜0.9μmのアクリル系エラストマー微粒子と、ポリエーテルエーテルケトン系電解質樹脂とを混合した組成物を用いて形成された、高分子電解質膜。
- 前記アクリル系エラストマー微粒子を10〜30重量%含有する、請求項1に記載の高分子電解質膜。
- 粒径が0.5〜0.9μmのアクリル系エラストマー微粒子と、ポリエーテルエーテルケトン系電解質樹脂とを混合した組成物を用いて高分子電解質膜を製膜する、高分子電解質膜の製造方法。
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JP (1) | JP2009080957A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009235240A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 高分子電解質組成物、高分子電解質膜及び燃料電池 |
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2007
- 2007-09-25 JP JP2007247611A patent/JP2009080957A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009235240A (ja) * | 2008-03-27 | 2009-10-15 | Sumitomo Chemical Co Ltd | 高分子電解質組成物、高分子電解質膜及び燃料電池 |
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