JP4694370B2 - マロン酸モノエステルおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

[発明の背景]
発明の分野
本発明は、マロン酸モノエステルおよびその製造方法に関する。
関連技術
カルバペネム系抗菌剤は、広範囲にわたるグラム陽性菌、グラム陰性菌に対して優れた抗菌活性を有する。これまでに、カルバペネム系抗菌剤としてイミペネム、メロペネム、ビアペネム等が開発されているが、これらは臨床上注射剤として投与されるものである。患者の負担等を考慮すると、投与が簡便かつ容易であり、また在宅での投与が可能であることから、臨床上、経口カルバペネム系抗菌剤の有用性が高い。このため、これまでにいくつかの経口投与の可能なカルバペネム系抗菌剤が研究されている(例えば、日本国特許2666118号公報)。
マロン酸モノエステルは、多くの経口投与の可能なカルバペネム系抗菌剤の製造において重要な中間体となり得るものである(例えば、日本国特許公開公報特開昭56−123985号、特開昭63−255280号、特開昭63−284176号の各公報)。
しかしながら、従来のカルバペネム系抗菌剤の製造方法において用いられるマロン酸モノエステルは、カルボキシル基の保護基としてのエステル基を有するが、このエステル基は、生体内において加水分解によって容易に除去することができない置換基(例えばp−ニトロベンジルエステル基)である。従来の方法においては、このような保護基を有するマロン酸モノエステルは、所定の中間体に変換され、その後、マロン酸モノエステル由来の該エステル基は、脱保護され(脱保護化工程)、さらにその部分が生体内で容易に加水分解されるエステル基に変換されて(プロドラッグ化工程)、目的とするプロドラッグ型の経口用カルバペネム系抗菌剤が製造される。
カルバペネム系抗菌剤の製造方法において用いられるマロン酸モノエステルのカルボキシル基の保護基としてのエステル基として、生体内で加水分解されて容易に除去されうる基を使用することは、本発明者等の知る限りにおいて、これまで知られていない。また、そのようなエステル基を有するマロン酸モノエステルの具体的な化合物、その製造方法、およびそのような化合物の物性データについての開示も知られていない。
[発明の概要]
本発明者らは今般、生体内で加水分解されて容易に除去されうる基を有するマロン酸モノエステルを、意外にもマロン酸から1工程で選択的に得ることができた。得られたマロン酸モノエステルを、経口用カルバペネム系抗菌剤の製造法において使用すると、プロドラッグ型の経口用カルバペネム系抗菌剤を、従来よりも短いプロセスで、効率的かつ低コストで製造することができた。本発明はこれらの知見に基づくものである。
よって、本発明は、プロドラッグ型の経口用カルバペネム系抗菌剤の製造において用いることができる生体内で加水分解されて容易に除去されうる基を有するマロン酸モノエステルの提供、およびそのようなマロン酸モノエステルの製造方法の提供をその目的とする。
本発明によれば、下記式(1)の化合物、またはその塩が提供される:
Figure 0004694370
[式中、Rは生体内で加水分解されて容易に除去されうる基を表す]。
本発明によれば、式(1)の化合物またはその塩の製造方法であって、マロン酸と、下記式(2)の化合物とを塩基存在下において反応させる工程を含んでなる方法が提供される:
RX (2)
[式中、
Rは、エステル基−COORであるときに生体内で分解されて容易に除去されうる基を表し、
Xは、ハロゲン原子を表す]。
本発明の別の態様によれば、エステル基−COORを有する、プロドラッグ型の医薬化合物の製造方法であって、式(1)の化合物またはその塩を用いて、前記化合物の前駆化合物に、−COOR基を導入する工程を含んでなる方法が提供される。ここで、Rは生体内で加水分解されて容易に除去されうる基を表す。
本発明によるマロン酸モノエステルを使用することによって、従来の経口用カルバペネム系抗菌剤の製造法において、脱保護工程とプロドラッグ化工程の2工程を省略することが可能となる。このため、経口用カルバペネム系抗菌剤の製造プロセスの効率化と、製造コストの削減が図ることが可能となる。
[発明の具体的説明]
式(1)の化合物
本明細書において、基または基の一部としての「C1〜6アルキル基」または「C1〜6アルコキシ基」という語は、基が直鎖状、もしくは分岐鎖状の炭素数1〜6個のアルキル基またはアルコキシ基を意味する。
「C1〜6アルキル」は、好ましくはC1〜5アルキル基、より好ましくはC1〜4アルキル基、さらに好ましくはC1〜3アルキル基、さらにより好ましくはC1〜2アルキル基である。
アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、およびヘプチルなどの直鎖アルキル;および、イソプロピル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ネオペンチル、イソペンチル、およびイソヘキシルなどの分岐アルキルが挙げられる。
「C1〜6アルコキシ」は、好ましくはC1〜5アルコキシ基、より好ましくはC1〜4アルコキシ基、さらに好ましくはC1〜3アルコキシ基、さらにより好ましくはC1〜2アルコキシ基である。
アルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシなどが挙げられる。
本明細書において、基または基の一部としての「C3〜8シクロアルキル基」とは、炭素数3〜8個の単環の環状アルキル基を意味する。
「C3〜8シクロアルキル基」は、好ましくはC3〜6シクロアルキル基、より好ましくはC4〜6シクロアルキル基、さらに好ましくはC5〜6シクロアルキル基であり、特に好ましくはシクロヘキシル基である。
シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルが挙げられる。
本明細書において、基または基の一部としての「C2〜6アルケニル基」または「C2〜6アルキニル基」とは、基が直鎖状、もしくは分枝鎖状の炭素数2〜6個のアルケニル基またはアルキニル基を意味する。
「C2〜6アルケニル基」は、好ましくはC2〜5アルケニル基であり、より好ましくはC2〜4アルケニル基である。
アルケニル基の例としては、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチルアリル、ペンテニル、2−ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、および2−ヘキセニル基が挙げられる。
「C2〜6アルキニル基」は、好ましくはC2〜5アルキニル基であり、より好ましくはC2〜4アルキニル基である。
アルキニル基の例としては、エチニル、プロピニル、2−プロピニル、ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、および5−ヘキシニルが挙げられる。
本明細書において、基または基の一部としての「アリール基」という語は、フェニル基、またはナフチル基を意味する。
本明細書において「5〜7員複素環式基」は、5〜7員(好ましくは5または6員)の単環性の飽和もしくは不飽和の複素環式基を意味する。すなわち、5〜7員複素環式基は、環員原子として、1〜4個の異種原子を含み、残りの環員原子が炭素原子であることができる。ここで、異種原子は、酸素原子、窒素原子、および硫黄原子から選択できる。
「5〜7員複素環式基」の例としては、フラン、ピロール、イミダゾール、チアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、およびピラジンが挙げられる。
本明細書において、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を意味する。
式(1)において、Rは、生体内で加水分解されて容易に除去されうる基を表す。ここで、「生体内で加水分解されて容易に除去されうる基」(R基)とは、エステル基−CORとなった状態で、それを含む化合物が生体内に取り込まれると、生体内の酵素もしくは生体内化学反応により、このエステル基が容易に加水分解されて分解されて、該化合物から除去される基のことをいう。このような性質を有する限りにおいて、R基は特に限定されない。例えば、βラクタム系抗菌剤の分野においては、Rは、エステル基−CORとなって目的とする抗菌剤化合物に導入されると、経口吸収性を促進しうるプロドラッグとなり、これが生体内に取り込まれると、エステル基部分よりRが除去され、プロドラッグは、優れた抗菌活性を示す抗菌剤化合物になる。
本発明において、好ましくは、Rは、
(a)C1〜6アルキルカルボニルオキシC1〜6アルキル基、
(b)アリールカルボニルオキシC1〜6アルキル基、
(c)5〜7員複素環式基カルボニルオキシC1〜6アルキル基、
(d)C2〜6アルケニルカルボニルオキシC1〜6アルキル基、
(e)C2〜6アルキニルカルボニルオキシC1〜6アルキル基、
(f)C3〜8シクロアルキルカルボニルオキシC1〜6アルキル基、
(g)C1〜6アルコキシカルボニルオキシC1〜6アルキル基、
(h)アリールオキシカルボニルオキシC1〜6アルキル基、
(i)5〜7員複素環式基オキシカルボニルオキシC1〜6アルキル基、
(j)C2〜6アルケニルオキシカルボニルオキシC1〜6アルキル基、
(k)C2〜6アルキニルオキシカルボニルオキシC1〜6アルキル基、
(l)C3〜8シクロアルキルオキシカルボニルオキシC1〜6アルキル基、
(m)フタリド−3−イル基、または
(n)2−オキソ−5−(C1〜6アルキル)−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル基
を表す。
このとき、前記(a)〜(n)の基は、
C1〜6アルキル基;C3〜8シクロアルキル基;C1〜6アルコキシ基;C2〜6アルケニル基;C2〜6アルキニル基;C1〜6アルキル基により置換されていてもよいアリール基;5〜7員複素環式基;C1〜6アルキルカルボニルオキシ基;C1〜6アルコキシカルボニルオキシ基;アリールカルボニルオキシ基;アリールオキシカルボニルオキシ基;C1〜6アルキルチオ基;C2〜6アルケニルチオ基;およびジC1〜6アルキルアミノ基からなる群より選択される置換基により置換されていてもよい。
ここで、(a)〜(n)の基が、置換基「により置換されていてもよい」とは、(a)〜(n)の基上の1またはそれ以上の水素原子が1またはそれ以上の置換基(同一または異なっていてもよい)により置換されていてもよく、または、(a)〜(n)の基が置換基により置換されていない非置換基であってもよいことを意味する。(a)〜(n)の基が置換される場合、(a)〜(n)の基上の置換基の最大数はアルキル上の置換可能な水素原子の数に依存して決定できることは当業者に明らかであろう。
「C1〜6アルキル基により置換されていてもよいアリール基」としては、例えば、p−メチルフェニルなどが挙げられる。
好ましくは、Rにおける前記置換基は、C1〜6アルキル基、C3〜8シクロアルキル基、C1〜6アルコキシ基、C2〜6アルケニル基、C2〜6アルキニル基、アリール基、および、5〜7員複素環式基からなる群より選択される。
より好ましくは、Rにおける前記置換基は、C1〜4アルキル基、または、C3〜6シクロアルキル基である。
また前記(a)〜(n)の基において、アリールは、フェニルまたはナフチルを意味する。
本発明のより好ましい態様によれば、Rは、前記した(a)、(b)、(d)、(f)〜(h)、(j)、(l)〜(n)の基から選択される。これらの基は、前記した置換基により置換されていてもよい。
本発明のさらに好ましい態様によれば、Rは、
(a’)C1〜6アルキルカルボニルオキシC1〜6アルキル基(ここで、この基は、C3〜8シクロアルキル基、または、C1〜6アルキル基により置換されていてもよいアリール基により置換されていてもよい)、
(b’)アリールカルボニルオキシC1〜6アルキル基(ここで、この基のアリール部分はC1〜6アルキル基により置換されていてもよい)、
(d’)非置換C2〜6アルケニルカルボニルオキシC1〜6アルキル基、
(f’)非置換C3〜8シクロアルキルカルボニルオキシC1〜6アルキル基、
(g’)C1〜6アルコキシカルボニルオキシC1〜6アルキル基(ここで、この基は、C3〜8シクロアルキル基、または、C1〜6アルキル基により置換されていてもよいアリール基により置換されていてもよい)、
(h’)アリールオキシカルボニルオキシC1〜6アルキル基(ここで、この基のアリール部分はC1〜6アルキル基により置換されていてもよい)、
(j’)非置換C2〜6アルケニルオキシカルボニルオキシC1〜6アルキル基、
(l’)非置換C3〜8シクロアルキルオキシカルボニルオキシC1〜6アルキル基、
(m’)非置換フタリド−3−イル基、または
(n’)非置換2−オキソ−5−(C1〜6アルキル)−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル基
を表す。
本発明のさらにより好ましい態様によれば、Rは、
(a’’)C1〜6アルキルカルボニルオキシC1〜2アルキル基(ここで、この基は、シクロヘキシル基により置換されていてもよい)、
(b’’)フェニルカルボニルオキシC1〜2アルキル基(ここで、この基のフェニル部分はC1〜4アルキル基により置換されていてもよい)、
(g’’)C1〜6アルコキシカルボニルオキシC1〜2アルキル基(ここで、この基は、シクロヘキシル基により置換されていてもよい)、
(h’’)フェニルオキシカルボニルオキシC1〜2アルキル基(ここで、この基のフェニル部分はC1〜4アルキル基により置換されていてもよい)、
(l’’)非置換C3〜6シクロアルキルオキシカルボニルオキシC1〜2アルキル基、または
(n’’)非置換2−オキソ−5−(C1〜4アルキル)−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル基
を表す。
本発明の特に好ましい態様によれば、Rは、
アセチルオキシメチル基、
ピバロイルオキシメチル基、
2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチル基、
1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル基、
1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル基、
シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル基、
1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル基、
1−(フェノキシカルボニルオキシ)エチル基、
2−オキソ−5−メチル−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル基、
1−(2,2−ジメチルプロポキシカルボニルオキシ)エチル基、
1−(2−シクロヘキシルエトキシカルボニルオキシ)エチル基、
1−(イソブトキシカルボニルオキシ)エチル基、
イソプロポキシカルボニルオキシメチル基、
イソペントキシカルボニルオキシメチル基、
イソブチルカルボニルオキシメチル基、および
1−エチルプロピルカルボニルオキシメチル基
からなる群より選択される。
したがって、本発明による式(1)の化合物の好適な具体例としては、
マロン酸モノアセチルオキシメチル、
マロン酸モノピバロイルオキシメチル、
マロン酸モノ−2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチル、
マロン酸モノ−1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル、
マロン酸モノ−1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル、
マロン酸モノシクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、
マロン酸モノ−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル、
マロン酸モノ−1−(フェノキシカルボニルオキシ)エチル、
マロン酸モノ−2−オキソ−5−メチル−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル、
マロン酸モノ−1−(2,2−ジメチルプロポキシカルボニルオキシ)エチル、
マロン酸モノ−1−(2−シクロヘキシルエトキシカルボニルオキシ)エチル、
マロン酸モノ−1−(イソブトキシカルボニルオキシ)エチル、
マロン酸モノイソプロポキシカルボニルオキシメチル、
マロン酸モノイソペントキシカルボニルオキシメチル、
マロン酸モノイソブチルカルボニルオキシメチル、および
マロン酸モノ−1−エチルプロピルカルボニルオキシメチル
が挙げられる。
また、本発明による式(1)の化合物の別の具体例としては、
マロン酸モノ−1−(アセチルオキシ)エチル、
マロン酸−4−ヘキセニルオキシカルボニルオキシメチル基、および
マロン酸モノフタリド−3−イル、
が挙げられる。
式(1)の化合物の塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩;および、亜鉛塩、アンモニウム塩、テトラ−n−ブチルアンモニウム塩などの4級アンモニウム塩が挙げられる。
式(1)の化合物の製造
本発明による式(1)の化合物またはその塩は、マロン酸と、下記式(2)の化合物とを塩基存在下において反応させる工程を含んでなる方法により製造することができる:
RX (2)
[式中、
Rは、エステル基−COORであるときに生体内で分解されて容易に除去されうる基を表し、
Xは、ハロゲン原子を表す]。
式(2)において、好ましくは、Xは、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を表し、特に好ましくは、ヨウ素原子を表す。
本発明による化合物の合成に必要な出発物質は市販されているか、または常法によって容易に製造できる。
なお、Xが塩素原子である式(2)の化合物が得られる場合には、式(2)の化合物を、それと等量または小過剰のヨウ化ナトリウムと反応させることにより、式(2)中のXをヨウ素原子に置換することができる。この化合物は、本発明による製造方法に好適に適用できる。
ここで、塩基としては、通常、塩基性有機化合物が用いられる。
本発明において、好ましい塩基としては、有機アミン化合物(例えば、ジ低級アルキルアミン、トリ低級アルキルアミン、N−低級アルキルピロリジン、N−低級アルキルピペリジン、N−低級アルキルモルホリン、N,N−ジ低級アルキルアニリン等)、および、塩基性を有する含窒素複素環(例えば、ルチジン、ピコリン、コリジン等)が挙げられる。
本発明のより好ましい態様によれば、塩基は、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、または、2,6−ルチジンである。
塩基の使用量は、通常、マロン酸に対して0.2モル等量〜1.0モル等量、好ましくは0.2モル等量〜0.35等量である。
式(2)の化合物の使用量は、好ましくは、マロン酸に対して0.2モル等量〜0.35モル等量である。
本発明による式(1)の化合物の製造方法における反応は、好ましくは、塩基存在下、非プロトン性極性溶媒中において行われる。
非プロトン性極性溶媒としては、前記反応に悪影響を及ぼさないものであればいずれも用いることができる。好ましくは、非プロトン性極性溶媒は、アセトン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、または、ジクロロメタンから選択される。より好ましくは、非プロトン性極性溶媒は、テトラヒドロフラン、またはアセトニトリルである。
前記反応の温度は、室温または加熱条件下において進行し得る。好ましくは、該反応の温度は、室温〜50℃である。温度がこの範囲であると、前記反応が好適に進行することができる。
本発明のさらに好ましい態様によれば、式(1)の化合物の製造方法において、マロン酸および式(2)の化合物に加えて、下記式(3)の化合物をさらに加えて反応を行うことができる:
(3)
[式中、
は、ハロゲン化物イオンを表し、
〜Rは、同一もしくは異なっていてもよく、
〜Rのいずれかと共に環を形成していてもよいC1〜6アルキル基、
C1〜6アルキル基により置換されていてもよいアリール基、
アリールC1〜6アルキル基(ここで、この基のアリール部分はC1〜6アルキル基により置換されていてもよい)、
C3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル基、
C3〜8シクロアルキル基、
C2〜6アルケニル基、または
C2〜6アルキニル基
を表す]。
前記反応を行う際に、式(3)の化合物をさらに加えて反応を進行させることにより、式(3)の化合物を加えない場合に比べて、より短い反応時間で式(1)の化合物を得ることができる。
式(3)の化合物は、市販されているか、または常法によって容易に製造できる。
としては、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、およびヨウ化物イオンが挙げられるが、好ましくは、塩化物イオン、臭化物イオン、およびヨウ化物イオンが挙げられる。
式(3)において、「R〜Rのいずれかと共に環を形成していてもよいC1〜6アルキル基」としては、3〜9員のアザシクロアルカンが挙げられる。
好ましくは、R〜Rは、R〜Rのいずれかと共に環を形成していてもよいC1〜6アルキル基;または、アリールC1〜6アルキル基(ここで、この基のアリール部分はC1〜6アルキル基により置換されていてもよい)である。
式(3)の化合物の具体例としては、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化N,N−ジエチルピペリジニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウムが挙げられる。好ましくは、式(3)の化合物は、塩化ベンジルトリエチルアンモニウムである。
式(3)の化合物を使用する場合、式(3)の化合物の使用量は、式(2)の化合物に対して0.5モル等量〜1.5モル等量、好ましくは0.9モル等量〜1.2モル等量である。
式(1)の化合物の用途
本発明による式(1)の化合物は、−COOR基を置換基として有するプロドラッグ化合物を合成する過程において、−COOR基を導入するための、中間体化合物として使用することができる。
本発明によれば、目的とする化合物の製造プロセスの比較的早い段階で、化合物の構造中に−COOR基を導入でき、導入された−COOR基は、製造プロセスの過程ではカルボキシル基の保護基としても働くことができる。またプロドラッグ化合物として合成された後は、−COOR基は、プロドラッグエステル基として働き、プロドラッグ化合物が生体内に取り込まれると、生体内で容易に加水分解することができる。したがって、本発明による化合物をプロドラッグ化合物の合成の過程において用いることにより、従来の製造プロセスにおいて必要であった、化合物の脱保護化工程、および、プロドラッグ化工程を省略することができ、より効率的かつ低コストの製造が可能となる。
よって、本発明によれば、置換基の少なくとも1つとしてエステル基−COORを有する、プロドラッグ化合物の製造方法であって、式(1)の化合物またはその塩を用いて、前記プロドラッグ化合物の前駆化合物に、−COOR基を導入する工程を含んでなる方法が提供される。なおここで、Rは生体内で加水分解されて容易に除去されうる基を表す。
本発明の好ましい態様によれば、前記プロドラッグ化合物の製造方法において、式(1)の化合物またはその塩と、マグネシウム塩とを有機溶媒中において反応させて得られる下記式(4)のマグネシウムマロネートと:
Mg(OCCHCOR) (4)
[式中、Rは生体内で加水分解されて容易に除去されうる基を表す]、
前記プロドラッグ化合物の前駆化合物と
を反応させることによって、前駆化合物に−COOR基を導入する。
ここで、使用可能なマグネシウム塩としては、例えば、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、フッ化マグネシウムのようなハロゲン化マグネシウム;臭化マグネシム・ジエチルエーテル錯体のようなハロゲン化マグネシウムのエーテル系有機化合物による錯体;および、マグネシウムエトキシド、マグネシウムメトキシドのようなマグネシウムの低級アルコキシ化合物(例えば、C1−4アルコキシ化合物)が挙げられる。好ましくは、マグネシウム塩は、塩化マグネシウム、または、臭化マグネシウム・ジエチルエーテル錯体であり、さらに好ましくは、マグネシウム塩は、塩化マグネシウムである。
使用可能な有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサンのような炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンのようなエーテル系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルのようなエステル系溶媒;および、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルのような高極性非プロトン性溶媒が挙げられる。好ましくは、該有機溶媒は、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、塩化メチレン、または、酢酸エチルである。
式(1)の化合物またはその塩とマグネシウム塩との反応は、塩基の存在下に実施することが好ましい。使用可能な塩基としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリアリルアミン、ジメチルベンジルアミン、テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N−メチルモルホリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン(DBN)のような第三級脂肪族アミン;および、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチルアニリン、ピコリン、コリジン、ルチジン、キノリン、イソキノリン等の含窒素複素環化合物が挙げられる。
式(1)の化合物またはその塩とマグネシウム塩との反応は、水分によって悪影響を受けることがあるため、空気中の水分が混入しないように、例えば、窒素ガス、アルゴンガスのような不活性ガス雰囲気下において実施することが好ましい。
本発明による式(1)の化合物は、好ましくは、プロドラッグ型の経口用カルバペネム系抗菌剤、すなわち経口投与可能な抗菌性カルバペネム化合物のプロドラッグ、の製造プロセス中において使用する。したがって、本発明の好ましい態様によれば、前記方法において、目的とするプロドラッグ化合物は、経口投与可能な抗菌性カルバペネム化合物のプロドラッグである。
式(1)の化合物を、経口投与可能な抗菌性カルバペネム化合物のプロドラッグの製造プロセス中において使用する場合の具体的な一例として、後述するスキーム1の場合が挙げられる。
後述する実施例にしたがって、化合物2のマロン酸ピバロイルオキシメチルを得、これを、後述する参考例1または参考例2のようにして、スキーム1の式(II)の化合物と反応させ、エステル基−COORが導入された、式(III)の化合物を得ることができる。次いで、この式(III)の化合物から、スキーム1の手順に従って、−COOR基を有する、式(A)のプロドラッグ化合物を合成することができる(スキーム1の工程(ii))。
なお、式(A)のカルバペネム誘導体が、カルバペネム系化合物のプロドラッグとしての機能を有し、プロドラッグのプロモエティ部位が除去された化合物が、生体内おいて優れた抗菌活性を有することは、例えば、日本国特許2666118号公報に開示されている。
スキーム1の手順をさらに説明すると下記の通りである。
工程(i): 前記工程(ii)において使用される式(II)の化合物は、式(I)の化合物またはその塩を、イミダゾリド化反応させることによって製造することができる。式(I)の化合物またはその塩は、市販品を使用することができる。また、イミダゾリド化反応は、式(I)の化合物またはその塩と、N,N−カルボジイミダゾールとを反応させるか、または、式(I)の化合物またはその塩と、ハロゲン化炭酸エステルおよびイミダゾールとを塩基の存在下において反応させることにより実施することができる。
工程(iii): 式(IV)の化合物は、式(III)の化合物と、アジド化合物とを反応させることにより製造できる。アジド化合物としては、例えば、トルエンスルホニルアジド、ドデシルベンゼンスルホニウムアジド、p−カルボキシベンゼンスルホニルアジド、メタンスルホニルアジドのようなスルホニルアジド類が挙げられる。この反応は塩基存在下において実施することが好ましい。
工程(iv): 式(V)の化合物は、式(IV)の化合物と、酸とを反応させることにより製造することができる。この反応により、式(IV)中の水酸基の保護基であるTBS基を脱離させて、式(IV)の化合物を脱保護する。ここで使用可能な酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、リン酸のような無機酸;および、酢酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸のような有機酸が挙げられる。
工程(v): 式(VI)の化合物は、式(V)の化合物を閉環反応させることにより製造することができる。この工程は、通常、反応を促進させるために、金属触媒の存在下に実施される。金属触媒としては、例えば、酢酸ロジウム、ロジウムオクタエート、酢酸パラジウム、硫酸銅、ビス(アセチルアセトナート)銅が挙げられる。
工程(vi): 式(VII)の化合物は、式(VI)の化合物と、ジフェニルクロロホスフェートとを反応させることにより製造することができる。この反応は、塩基存在下において実施することが好ましい。
工程(vii):
プロドラッグ化合物である式(A)の化合物は、式(VII)の化合物と、1−(1,3−チアゾリン−2−イル)アゼチジン−3−チオールとを反応させることにより製造することができる。この反応は、塩基存在下において実施することが好ましい。
スキーム1:
Figure 0004694370
[式中、TBSはt−ブチルジメチルシリル基を表し、Phはフェニル基を表し、Rはピバロイルオキシメチル基を表す]。
以下本発明を以下の実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
製造例
本発明による化合物1〜18を下記のようにして製造した。
化合物1: マロン酸モノアセチルオキシメチル
アセチルオキシメチルブロマイド1.53gのテトラヒドロフラン溶液(20ml)にマロン酸4.16gを加えた。ここに、N,N−ジイソプロピルエチルアミン1.42gをさらに加えた後、外温50℃にて終夜攪拌した。得られた反応液に、酢酸エチル30mlと20%食塩水30mlとを加えて分液した。酢酸エチル相を20%食塩水30mlで洗った後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて抽出した。水相を5mol/l塩酸水溶液で酸性とした後、水相を酢酸エチルを用いて抽出した。抽出液に硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥した後、ろ過した。ろ液の溶媒を減圧留去して、マロン酸モノアセチルオキシメチル553mgを油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.14(3H,s),3.50(2H,s),5.80(2H,s)
MS(FAB):m/z=177(M+1)
化合物2: マロン酸モノピバロイルオキシメチル
ピバロイルオキシメチルヨーダイド2.42gのアセトニトリル溶液(40ml)にマロン酸5.20gを加えた。ここに、N,N−ジイソプロピルエチルアミン1.42gを加えた後、室温にて終夜攪拌した。得られた反応液に、酢酸エチル40mlと20%食塩水40mlとを加えて分液した。酢酸エチル相を20%食塩水40mlで洗った後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて抽出した。水相を5mol/l塩酸水溶液で酸性とした後、水相を酢酸エチルを用いて抽出した。抽出液に硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥した後、ろ過した。ろ液の溶媒を減圧留去して、マロン酸モノピバロイルオキシメチル1.71gを油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.22(9H,s),3.49(2H,s),5.81(2H,s)
MS(FAB):m/z=219(M+1)
化合物3: マロン酸モノ−2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチル
2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチルクロリド1.99gのテトラヒドロフラン溶液(20ml)にヨウ化ナトリウム1.50gを加え、これを外温50℃にて2時間攪拌した。ここに、マロン酸4.16gとN,N−ジイソプロピルエチルアミン1.42gとをさらに加えて、これを外温50℃にて終夜攪拌した。得られた反応液に、酢酸エチル30mlと20%食塩水30mlとを加えて分液した。酢酸エチル相を20%食塩水30mlで洗った後、5%炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて抽出した。水相を5mol/l塩酸水溶液で酸性とした後、水相を酢酸エチルを用いて抽出した。抽出液に硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥した後、ろ過した。ろ液の溶媒を減圧留去して、マロン酸モノ−2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチル1.99gを黄色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.36(3H,s),2.58(3H,s),3.51(2H,s),6.02(2H,s),7.04−7.07(2H,m),7.88(d、J=8.7Hz,1H),10.31(1H,s)
MS(FAB):m/z=267(M+1)
化合物4: マロン酸モノ−1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル
2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチルクロリド1.99gに代えて1−(エチルオキシカルボニルオキシ)エチルクロリド1.53gを用いた以外は化合物3の場合と同様にして、マロン酸モノ−1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル581mgを白色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.33(3H,J=7.2Hz,t),1.56(3H,J=5.4Hz,d),3.47(2H,s),4.24(2H,J=7.2Hz,q),6.82(1H、J=5.4Hz,q)
MS(FAB):m/z=221(M+1)
化合物5: マロン酸モノ−1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル
2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチルクロリド1.99gに代えて1−(i−プロポキシカルボニルオキシ)エチルクロリド1.67gを用いた以外は化合物3の場合と同様にして、マロン酸モノ−1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル525mgを油状物として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.31(3H,J=6.0Hz,d),1.32(3H,J=6.3Hz,d),1.56(3H,J=5.4Hz,d),3.47(2H,s),4.91(1H,m),6.82(1H、J=5.4Hz,q)
MS(FAB):m/z=235(M+1)
化合物6: マロン酸モノシクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル
2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチルクロリド1.99gに代えてシクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチルクロリド1.93gを用いた以外は化合物3の場合と同様にして、マロン酸モノシクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル949mgを微黄色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.23−1.94(10H,m),3.51(2H,s),4.68(1H,m),5.82(2H,s)
MS(FAB):m/z=261(M+1)
化合物7: マロン酸モノ−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ) エチル
2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチルクロリド1.99gに代えて1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルクロリド4.13gを用いた以外は化合物3の場合と同様にして、マロン酸モノ−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル1.45gを微黄色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.21−1.94(10H,m),1.56(3H,d,J=5.4Hz),3.47(2H,s),4.65(1H,m),6.82(1H,q,J=5.4Hz)
MS(FAB):m/z=275(M+1)
化合物8: マロン酸モノ−1−(フェノキシカルボニルオキシ)エチル
2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチルクロリド1.99gに代えて1−(フェノキシカルボニルオキシ)エチルクロリド2.01gを用いた以外は化合物3の場合と同様にして、マロン酸モノ−1−(フェノキシカルボニルオキシ)エチル302mgを微黄色液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.65(3H,d,J=5.4Hz),3.50(2H,s),6.90(1H,q,J=5.4Hz),7.18−7.42(5H,m)
MS(FAB):m/z=269(M+1)
化合物9: マロン酸モノ−2−オキソ−5−メチル−1,3−ジオキソレン −4−イルメチル
アセチルオキシメチルブロマイドに代えて4−ブロモメチル−5−メチル−1,3−ジオキソール−2−オンとして1.93gを用いた以外は化合物1の場合と同様にして、マロン酸モノ−2−オキソ−5−メチル−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル1.13gを透明液体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.19(3H,s),3.50(2H,s),4.94(2H,s)
MS(FAB):m/z=217(M+1)
化合物10: マロン酸モノ−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキ シ)エチル
1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルクロリド2.07gのテトラヒドロフラン溶液(20ml)にヨウ化ナトリウム1.50gを加えて、これを外温50℃にして2時間攪拌した。ここに、マロン酸4.16gと2,6−ルチジン1.07gとをさらに加えて、これを外温50℃にて終夜攪拌した。得られた反応液を、酢酸エチル200mlで希釈した後、これを半飽和食塩水100mlを用いて2回洗い、次に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlを用いて2回抽出した。水相を5mol/l塩酸水溶液で酸性とした後、水相を酢酸エチル100mlを用いて2回抽出した。抽出液に硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥した後、ろ過した。ろ液の溶媒を減圧留去してマロン酸モノ−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル594mgを微黄色固体として得た。
化合物11: マロン酸モノ−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキ シ)エチル
1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルクロリド2.07gのテトラヒドロフラン溶液(20ml)にヨウ化ナトリウム1.50gを加えて、これを外温50℃にて1時間攪拌した。ここに、マロン酸4.16gとN,N−ジイソプロピルエチルアミン1.42gと塩化ベンジルトリエチルアンモニウム2.28gとを加えて、これを外温50℃にて18時間攪拌した。得られた反応液を、酢酸エチル100mlを用いて希釈した後、これを半飽和食塩水50mlを用いて2回洗い、次に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mlを用いて2回抽出した。水相を5mol/l塩酸水溶液で酸性とした後、水相を酢酸エチル50mlで2回抽出した。抽出液に硫酸マグネシウムを加えて脱水乾燥した後、ろ過した。ろ液の溶媒を減圧留去して、マロン酸モノ−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル1.28gを微黄色固体として得た。
化合物12: マロン酸モノ−1−(2,2−ジメチルプロポキシカルボニル オキシ)エチル
2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチルクロリド1.99gに代えて1−(ネオペントキシカルボニルオキシ)エチルクロリド1.07gを用いた以外は化合物3の場合と同様にして、マロン酸モノ−1−(2,2−ジメチルプロポキシカルボニルオキシ)エチル(すなわち、マロン酸モノ−1−(ネオペントキシカルボニルオキシ)エチル)306mgを得た。
H−NMR(CDCl)δ:0.96(9H,s),1.57(3H,J=5.6Hz,d),3.47(2H,s),3.88(2H,s),6.82(1H,J=5.6Hz,q)
MS(FAB):m/z=261(M−1)
化合物13: マロン酸モノ−1−[2−(シクロヘキシル)エトキシカルボ ニルオキシ]エチル
2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチルクロリド1.99gに代えて1−[2−(シクロヘキシル)エトキシカルボニルオキシ]エチルクロリド2.35gを用いた以外は化合物3の場合と同様にして、マロン酸モノ−1−[2−(シクロヘキシル)エトキシカルボニルオキシ]エチル336mgを得た。
H−NMR(CDCl)δ:0.88−1.72(16H,m),3.46(2H,s),4.21(2H,J=6.8Hz,t),6.81(1H,J=5.4Hz,q)
MS(FAB):m/z=301(M−1)
化合物14: マロン酸モノ−1−(イソブトキシカルボニルオキシ)エチル
2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチルクロリド1.99gに代えて1−(イソブトキシカルボニルオキシ)エチルクロリド1.81gを用いた以外は化合物3の場合と同様にして、マロン酸モノ−1−(イソブトキシカルボニルオキシ)エチル331mgを得た。
H−NMR(CDCl)δ:0.95(6H,J=6.8Hz,d),1.56(3H、J=5.4Hz,d),1.99(1H,m),3.46(2H,s),3.96(2H,J=6.5Hz,d),6.82(1H,J=5.4Hz,q)
MS(FAB):m/z=247(M−1)
化合物15: マロン酸モノイソプロポキシカルボニルオキシメチル
2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチルクロリド1.99gに代えてイソプロポキシカルボニルオキシメチルクロリド1.53gを用いた以外は化合物3の場合と同様にして、マロン酸モノイソプロポキシカルボニルオキシメチル877mgを得た。
H−NMR(CDCl)δ:1.33(6H,J=6.3Hz,d),3.51(2H,s),4.93(1H,m),5.81(2H,s)
MS(FAB):m/z=219(M−1)
化合物16: マロン酸モノイソペントキシカルボニルオキシメチル
2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチルクロリド1.99gに代えてイソペントキシカルボニルオキシメチルクロリド1.81gを用いた以外は化合物3の場合と同様にして、マロン酸モノイソペントキシカルボニルオキシメチル765mgを得た。
H−NMR(CDCl)δ:0.94(6H,J=6.6Hz,d),1.58(2H,m),1.72(1H,m),3.51(2H,s),4.25(2H,J=6.9Hz,t),5.81(2H,s)
MS(FAB):m/z=249(M+1)
化合物17: マロン酸モノイソブチルカルボニルオキシメチル
2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチルクロリド1.99gに代えてイソブチルカルボニルオキシメチルクロリド1.21gを用いた以外は化合物3の場合と同様にして、マロン酸モノイソブチルカルボニルオキシメチル1.26gを得た。
H−NMR(CDCl)δ:0.97(6H,J=6.6Hz,d),2.12(1H,m),2.26(2H,J=7.3Hz,d),3.49(2H,s),5.81(2H,s)
MS(FAB):m/z=219(M+1)
化合物18: マロン酸モノ−1−エチルプロピルカルボニルオキシメチル
2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチルクロリド1.99gに代えて1−エチルプロピルカルボニルオキシメチルクロリド1.65gを用いた以外は化合物3の場合と同様にして、マロン酸モノ−1−エチルプロピルカルボニルオキシメチル1.44gを得た。
H−NMR(CDCl)δ:0.89(6H,J=7.3Hz,t),1.60(4H,m),2.28(1H,m),3.48(2H,s),5.83(2H,s)
MS(FAB):m/z=233(M+1)
式(1)の化合物を用いたプロドラッグ化合物の中間体の製造例
参考例1:
(3S,4S)−3−[(R)−1−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル] −4−[(R)−1−メチル−3−ピバロイルオキシメチルオキシカルボニル−2 −オキソプロピル]アゼチジン−2−オンの製造
アルゴン雰囲気下において、(3S,4S)−3−[(R)−1−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[(R)−1−カルボキシエチル]アゼチジン−2−オン3.01g(10.0mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液に、室温において、1,1’−カルボニルジイミダゾール1.63g(10.1mmol)を加えて、1時間攪拌し、(3S,4S)−3−[(R)−1−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[(R)−2−イミダゾール−1−イル−1−メチル−2−オキソエチル]アゼチジン−2−オンを含む溶液を調製した。
別途、アルゴン雰囲気下において、マロン酸モノピバロイルオキシメチルエステル4.03g(18.5mmol)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液に、室温において、臭化マグネシウムジエチルエーテル錯体4.39g(17.0mmol)を加えて、同温度で30分間攪拌した。その後、得られた溶液を、氷冷し、トリエチルアミン2.8mL(20.1mmol)を滴下して、室温に昇温した後、1時間攪拌して、マロン酸モノピバロイルオキシメチルエステルのマグネシウム塩を含む懸濁液を調製した。
この懸濁液を先に調製した(3S,4S)−3−[(R)−1−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[(R)−2−イミダゾール−1−イル−1−メチル−2−オキソエチル]アゼチジン−2−オンを含む溶液に、室温下において加えて、3時間攪拌した。得られた反応混合物を、酢酸エチル(240mL)と0.5M塩酸(40mL)の混合液に注ぎ、攪拌後分液した。有機層を水、飽和重曹水、および飽和食塩水を順次用いて洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル=3:2v/v)により精製して、標題化合物3.64gを淡黄色油状物として得た(収率80%)。
H NMR(ppm,400MHz,CDCl):11.79(s,0.3H),6.26(br,0.3H),6.20(br,0.7H),5.77(s,0.6H),5.72(ABq,J=7.8Hz,1.4H),5.05(s,0.3H),4.13(m,1H),3.88(dd,J=4.9,2.4Hz,0.7H),3.76(d,J=6.6Hz,0.3H),3.53(s,1.4H),2.91(m,0.7H),2.87(m,1H),2.38(m,J=6.8Hz,0.3H),1.06−1.21(m,15H),0.82(s,9H),0.02(s,6H).
MS(FAB)m/z 458(M+H)
参考例2:
マロン酸モノピバロイルオキシメチルエステル4.36g(20.0mmol)の無水アセトニトリル溶液に、氷冷下、無水塩化マグネシウム粉末2.86g(30.0mmol)を加え、10分間撹拌した。この懸濁液に、氷冷下、トリエチルアミン4.2mL(30.1mmol)を10分間かけて滴下し、次いで、氷浴を除去して、この懸濁液を15分間撹拌した。この懸濁液に、別容器で、(3S,4S)−3−[(R)−1−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[(R)−1−カルボキシエチル]アゼチジン−2−オン3.02g(10.0mmol)、N,N−カルボニルジイミダゾール1.67g(10.3mmol)、およびアセトニトリル(15mL)を用いて調製したイミダゾリド溶液を加え、30℃に加温して4.5時間撹拌した。得られた反応混合物を減圧濃縮した後、残渣に酢酸エチル(80mL)を加え、2mol/L塩酸(30mL×2)、飽和重曹水(30mL×2)、および飽和食塩水(30mL)を順次用いて洗浄し、(3S,4S)−3−[(R)−1−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[(R)−1−メチル−3−ピバロイルオキシメチルオキシカルボニル−2−オキソプロピル]アゼチジン−2−オン4.07g(反応収率89%,((3S,4S)−3−[(R)−1−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−4−[(R)−1−カルボキシエチル]アゼチジン−2−オンからの収率))を含む酢酸エチル溶液を得た。

Claims (9)

  1. 式(1)の化合物、またはその塩:
    Figure 0004694370
    [式中、Rは、
    (a'' ) C1〜6アルキルカルボニルオキシC1〜2アルキル基(ここで、この基は、シクロヘキシル基により置換されていてもよい)、
    (b'') フェニルカルボニルオキシC1〜2アルキル基(ここで、この基のフェニル部分はC1〜4アルキル基により置換されていてもよい)、
    (g'') C1〜6アルコキシカルボニルオキシC1〜2アルキル基(ここで、この基は、シクロヘキシル基により置換されていてもよい)、
    (h'') フェニルオキシカルボニルオキシC1〜2アルキル基(ここで、この基のフェニル部分はC1〜4アルキル基により置換されていてもよい)、
    (l'') 非置換C3〜6シクロアルキルオキシカルボニルオキシC1〜2アルキル基、または
    (n'') 非置換2−オキソ−5−(C1〜4アルキル)−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル基
    を表す]。
  2. 下記からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物:
    マロン酸モノアセチルオキシメチル、
    マロン酸モノピバロイルオキシメチル、
    マロン酸モノ−2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチル、
    マロン酸モノ−1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル、
    マロン酸モノ−1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル、
    マロン酸モノシクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、
    マロン酸モノ−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル、
    マロン酸モノ−1−(フェノキシカルボニルオキシ)エチル、
    マロン酸モノ−2−オキソ−5−メチル−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル、
    マロン酸モノ−1−(2,2−ジメチルプロポキシカルボニルオキシ)エチル、
    マロン酸モノ−1−(2−シクロヘキシルエトキシカルボニルオキシ)エチル、
    マロン酸モノ−1−(イソブトキシカルボニルオキシ)エチル、
    マロン酸モノイソプロポキシカルボニルオキシメチル、
    マロン酸モノイソペントキシカルボニルオキシメチル、
    マロン酸モノイソブチルカルボニルオキシメチル、および
    マロン酸モノ−1−エチルプロピルカルボニルオキシメチル。
  3. 下記式(1)の化合物またはその塩の製造方法であって、
    Figure 0004694370
    マロン酸と、下記式(2)の化合物とを塩基存在下において反応させる工程を含んでなる、方法:
    RX (2)
    [式中、
    Rは、
    (a'' ) C1〜6アルキルカルボニルオキシC1〜2アルキル基(ここで、この基は、シクロヘキシル基により置換されていてもよい)、
    (b'') フェニルカルボニルオキシC1〜2アルキル基(ここで、この基のフェニル部分はC1〜4アルキル基により置換されていてもよい)、
    (g'') C1〜6アルコキシカルボニルオキシC1〜2アルキル基(ここで、この基は、シクロヘキシル基により置換されていてもよい)、
    (h'') フェニルオキシカルボニルオキシC1〜2アルキル基(ここで、この基のフェニル部分はC1〜4アルキル基により置換されていてもよい)、
    (l'') 非置換C3〜6シクロアルキルオキシカルボニルオキシC1〜2アルキル基、または
    (n'') 非置換2−オキソ−5−(C1〜4アルキル)−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル基
    を表し、
    Xは、ハロゲン原子を表す]。
  4. 式(1)の化合物が、下記からなる群より選択される、請求項に記載の方法:
    マロン酸モノアセチルオキシメチル、
    マロン酸モノピバロイルオキシメチル、
    マロン酸モノ−2,4−ジメチルベンゾイルオキシメチル、
    マロン酸モノ−1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル、
    マロン酸モノ−1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル、
    マロン酸モノシクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、
    マロン酸モノ−1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル、
    マロン酸モノ−1−(フェノキシカルボニルオキシ)エチル、
    マロン酸モノ−2−オキソ−5−メチル−1,3−ジオキソレン−4−イルメチル、
    マロン酸モノ−1−(2,2−ジメチルプロポキシカルボニルオキシ)エチル、
    マロン酸モノ−1−(2−シクロヘキシルエトキシカルボニルオキシ)エチル、
    マロン酸モノ−1−(イソブトキシカルボニルオキシ)エチル、
    マロン酸モノイソプロポキシカルボニルオキシメチル、
    マロン酸モノイソペントキシカルボニルオキシメチル、
    マロン酸モノイソブチルカルボニルオキシメチル、および
    マロン酸モノ−1−エチルプロピルカルボニルオキシメチル。
  5. 塩基が、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、または2,6−ルチジンである、請求項3または4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 非プロトン性極性溶媒中において反応を行う、請求項3〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. 非プロトン性極性溶媒が、テトラヒドロフラン、またはアセトニトリルである、請求項に記載の方法。
  8. 下記式(3)の化合物をさらに加えて反応を行う、請求項3〜7のいずれか一項に記載の方法:
    (3)
    [式中、
    は、ハロゲン化物イオンを表し、
    〜Rは、同一もしくは異なっていてもよく、
    〜Rのいずれかと共に環を形成していてもよいC1〜6アルキル基、
    C1〜6アルキル基により置換されていてもよいアリール基、
    アリールC1〜6アルキル基(ここで、この基のアリール部分はC1〜6アルキル基により置換されていてもよい)、
    C3〜8シクロアルキルC1〜6アルキル基、
    C3〜8シクロアルキル基、
    C2〜6アルケニル基、または
    C2〜6アルキニル基
    を表す]。
  9. 式(3)の化合物が、塩化テトラ−n−ブチルアンモニウム、塩化N,N−ジエチルピペリジニウム、または、塩化ベンジルトリエチルアンモニウムである、請求項に記載の方法。
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