JP4693720B2 - 撮像装置 - Google Patents
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特に、デジタルカメラに象徴されるように撮像面は従来のフィルムに変わって固体撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device),CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサが使用されているのが大半である。
また、カメラによる写真撮影では、たとえば絞りを開放側に設定して被写体深度を浅くしつつ被写体にピントを合わせることにより、主たる被写体以外の他の部分を意図的にぼかす撮影手法が知られている。
また、被写体と背景との間の距離関係に拘束されることなく背景だけボケた画像を得るために、複数のフォーカス位置で画像を撮像し、合成する撮影手法が知られている。
また、伝達関数を用いたフィルタ処理を行うデジタルカメラの自動露出制御システムが提案されている(たとえば特許文献6参照)。
"Wavefront Coding;jointly optimized optical and digital imaging systems", Edward R. Dowski,Jr., Robert H.Cormack, Scott D.Sarama. "Wavefront Coding; A modern method of achieving high performance and/or low cost imaging systems", Edward R.Dowski,Jr., Gregory E.Johnson.
したがって、単焦点でのレンズではともかく、ズーム系やAF系などのレンズでは、その光学設計の精度の高さやそれに伴うコストアップが原因となり採用するには大きな問題を抱えている。
換言すれば、従来の撮像装置においては、適正なコンボリューション演算を行うことができず、ワイド(Wide)時やテレ(Tele)時のスポット(SPOT)像のズレを引き起こす非点収差、コマ収差、ズーム色収差等の各収差を無くす光学設計が要求される。
しかしながら、これらの収差を無くす光学設計は光学設計の難易度を増し、設計工数の増大、コスト増大、レンズの大型化の問題を引き起こす。
したがって、たとえば上述した位相板等の光波面変調素子とその後の信号処理を用いるような、光学系と信号処理を含めた光学システムでは、暗所での撮影を行う場合、ノイズが増幅してしまい、復元画像に影響を与えてしまうという不利益がある。
図1は、本発明に係る撮像装置の一実施形態を示すブロック構成図である。
本実施形態に係る撮像装置100は、光学系110、撮像素子120、アナログフロントエンド部(AFE)130、画像処理装置140、カメラ信号処理部150、画像表示メモリ160、画像モニタリング装置170、操作部180、および露出制御装置190を有している。
光学系110は、被写体物体OBJを撮影した像を撮像素子120に供給する。
本実施形態の光学系110は、後で詳述するように、光波面変調素子を含んで構成されている。
図1においては、撮像素子120を一例としてCCDとして記載している。
タイミングジェネレータ131では、撮像素子120のCCDの駆動タイミングを生成しており、A/Dコンバータ132は、CCDから入力されるアナログ信号をデジタル信号に変換し、画像処理装置140に出力する。
カメラ信号処理部(DSP)150は、画像処理装置140、露出制御装置190の露出情報に応じて、光学的伝達関数(OTF)に対してフィルタ処理を行う。
画像処理装置140は、撮像素子120からの被写体分散画像信号より分散のない画像(合焦画像)信号、および1または複数の分散の少ない画像(中間画像)信号を生成する機能を有する。また、信号処理部は、最初のステップでノイズ低減フィルタリングを施す機能を有する。
画像処理装置140の処理については後でさらに詳述する。
操作部180は、たとえば図2に示すように、カメラ(撮像装置)100の背面側の画像モニタリング装置170である液晶画面1701の近傍に配置されたMENUボタン1801、ズームボタン1802、および十字キー1803により構成される。
なお、ポートレートモードは、通常撮影時に被写体に応じて設定する撮影モードの1つであり、人物撮影に適した撮影モードで、中央の人物に焦点を合わせ、背景の画像をボケた画像とするものである。他の設定できるモードとしては、スポーツモード、夕焼けモード、夜景モード、白黒モード、セピアモード等がある。
すなわち、画像処理装置140、DSP150、および露出制御装置190により形成される信号処理部は、撮像素子120からの被写体分散画像信号より分散のない画像信号、および分散の少ない画像信号を生成する等の分散画像信号に対する所定の信号処理を行うが、この信号処理部の処理前の画像と処理後の画像を合成して新たな画像を合成する生成機能を有している。
この生成機能において、背景領域は、ぼかし画像処理により複数の画像を生成し、前記処理後の主たる被写体を含む被写体領域の合焦画像を合成して、新たな画像を生成する。
この記録機能を備えていることから、本撮像装置100は、生成機能を備えたことによるポートレート撮影を容易に行えるという効果に加えて、以下の効果を得ることが可能となっている。
すなわち、信号処理前の画像、処理後の画像を記録しておくことで、撮影して記録した後に明瞭にさせたい(ハッキリさせたい)エリア(逆に、ボカしたいエリア)の位置や大きさを選択し、新たな画像を作成することができる。
そのため、撮影時にポートレートモード以外で撮影した記録した画像からポートレート撮影画像を作成することができる。
また、本実施形態では、操作部180は、被写体領域を使用者に指定させる指定部としても機能する。
図4は、横撮影ポートレートモード時の中央領域を示す図である。
図5は、縦撮影ポートレートモード時の中央領域を示す図である。
図6は、プレビュー画表示中に被写体選択をユーザが行っている様子であって、中央領域を示す枠の大きさと位置をユーザが十字キー1803によって決定する例を示す図である。
また、図7は、画像の中央領域を復元処理する場合のフローチャートであり、図8は、選択された領域を復元処理する場合のフローチャートである。
撮像素子120によって得られたアナログ信号を画像処理部140でデジタル化され、DSP150においてY、Cb、Cr信号になって、表示部としての画像モニタリング装置170にスルー画として表示される。
操作部180によって、縦撮影ポートレートモードもしくは、横撮影ポートレートモードを選択すると、図4または図5に示すように、撮像された画像の中央の部分に縦撮影用、横撮影用の枠が表示され、ユーザは、その枠内に人物を合わせ撮影する。
すると、図3に示すように、枠内のみ画像処理がされ被写体部分の網掛け部分のみを復元処理することによりポートレートの画像が作成できる。
ちなみに、縦撮影、横撮影かどうかは、角速度センサを用いて、自動的に検出してもよい。
そして、プレビュー画表示中にユーザがシャッターキーを押すと(ST2)、画像をバッファのRAMに記録し(ST3)、あらかじめ設定されている中央の領域のみを画像復元を行い(ST4)、記録処理を行う(ST5)。
この場合、撮影完了後、プレビュー画像において、図6に示すように、ユーザが被写体を選択し、その部分を画像処理することによって、ポートレートの画像が作成できる。
この処理動作を図8に関連付けて説明すると、縦撮影用ポートレートモード、または、横撮影用ポートレートモードが設定されると、撮像装置100は、撮像素子120による撮像動作を開始して、表示部である画像モニタリング装置170にプレビュー画を表示させる(ST11)。
そして、プレビュー画表示中にユーザがシャッターキーを押すと(ST12)、画像をバッファのRAMに記録し(ST13)、プレビュー画像を表示し、操作部180によって、ユーザが被写体の選択を行う(ST14)。
そして、選択された領域部分の画像復元処理を行い(ST15)、復元画像の録処理を行う(ST16)。
図9は、撮影して記録した画像を液晶画面1701に表示した状態を示す図である。図9(A)は、信号処理前の画像(ボケ画像)を表示した状態を示す図である。
図9(B)の左側は操作部180の操作により信号処理後の画像(合焦画像)範囲として全領域を網掛けにより指定している状態を示す図であり、右側は本指定により全領域で合焦画像を表示した状態を示す図である。
本発明は、この合焦画像とする範囲の大きさ・位置を操作部180で任意に可変可能とすることを特徴とし、図9(C)の左側は操作部180により中心の人物近傍のみを合焦画像範囲として指定している状態を示す図であり、右側は本指定により人物近傍のみ合焦画像とし、周辺をボケ画像で表示した状態を示す図である。なお、合焦画像範囲の形状も操作部180で選択可能とすればよく、たとえば図9(D)に示すような台形形状や四角形状であってもよい。
また、図9(E)の左側は操作部180によりボケ画像範囲として右下部分を指定している状態を示す図であり、右側は本指定により右下部分(花の近傍)のみボケ画像とし、その他の部分を合焦画像で表示した状態を示す図である。
図11(A)に示すように、まずMENUボタン1801を押して液晶画面1701内にメニューを表示させ、十字キー1803やズームボタン1802を用いて範囲を選択する。範囲の選択は、図11に示すような点による指定と、予めテンプレートとして用意した範囲の形状を選択してサイズを調整するいずれかであればよい。
点による指定を選択した場合、図11(B)(C)に示すように、液晶画面1701上に矢印が出て、この矢印を十字キー1803で移動して十字キー1803の中心を押圧することでコの字として角が決定する。これを4回繰り返すことで図11(C)の状態となり、ズームボタン1802により処理実行を選択し、十字キー1803の中心を押圧する。そして、図面では省略するが、指定した範囲をボケ画像とするか合焦画像とするかの選択をする。指定した範囲を合焦画像とした場合には、図11(D)に示すような画像が表示されるとともに、このボケ画像と合焦画像による合成画像も画像表示メモリ160に記録する。
以下、本実施形態の光学系、画像処理装置の構成および機能について具体的には説明する。
また、図15は深度拡張光学系システムの原理を説明するための図である。
また、図16は、本実施形態に係るズーム光学系110の構成例を模式的に示す図である。図17は広角側の像高中心のスポット形状を示す図であり、図18は望遠側の像高中心のスポット形状を示す図である。
なお、本実施形態においては、位相板を用いた場合について説明したが、本発明の光波面変調素子としては、波面を変形させるものであればどのようなものでもよく、厚みが変化する光学素子(たとえば、上述の3次の位相板)、屈折率が変化する光学素子(たとえば屈折率分布型波面変調レンズ)、レンズ表面へのコーディングにより厚み、屈折率が変化する光学素子(たとえば、波面変調ハイブリッドレンズ)、光の位相分布を変調可能な液晶素子(たとえば、液晶空間位相変調素子)等の光波面変調素子であればよい。
図で示された位相板113aは、光学系により収束される光束を規則正しく分散する光学レンズである。この位相板を挿入することにより、撮像素子120上ではピントのどこにも合わない画像を実現する。
換言すれば、位相板113aによって深度の深い光束(像形成の中心的役割を成す)とフレアー(ボケ部分)を形成している。
この規則的に分光した画像をデジタル処理により、ピントの合った画像に復元する手段を被写界深度拡張光学系システムといい、この処理を画像処理装置140において行う。
図15に示すように、被写体の画像fが光学系Hに入ることにより、画像gが生成される。
これは、次のような式で表される。
g=H*f
ただし、*はコンボリューションを表す。
f=H-−1*g
ここで、Hに関するカーネルサイズと演算係数について説明する。
ズームポジションをZPn,ZPn−1・・・とする。また、それぞれのH関数をHn,Hn−1、・・・・とする。
各々のスポット像が異なるため、各々のH関数は、次のようになる。
ここで、各々のH関数はメモリに格納しておいても構わないし、PSFを物体距離の関数としておき、物体距離によって計算し、H関数を算出することによって任意の物体距離に対して最適なフィルタを作るように設定できるようにしても構わない。また、H関数を物体距離の関数として、物体距離によってH関数を直接求めても構わない。
画像処理装置140は、図1に示すように、生(RAW)バッファメモリ141、コンボリューション演算器142、記憶手段としてのカーネルデータ格納ROM143、およびコンボリューション制御部144を有する。
また、カーネルデータ格納ROM143には、図19に示すように予め用意されたそれぞれの光学系のPSFにより算出されたコンボリューション用のカーネルデータが格納されており、露出制御装置190によって露出設定時に決まる露出情報を取得し、コンボリューション制御部144を通じてカーネルデータを選択制御する。
図19の例では、カーネルデータAは光学倍率(×1.5)、カーネルデータBは光学倍率(×5)、カーネルデータCは光学倍率(×10)に対応したデータとなっている。
まず、露出情報(RP)が検出されコンボリューション制御部144に供給される(ST21)。
コンボリューション制御部144においては、露出情報RPから、カーネルサイズ、数値演係数がレジスタにセットされる(ST22)。
そして、撮像素子120で撮像され、AFE130を介して二次元コンボリューション演算部142に入力された画像データに対して、レジスタに格納されたデータに基づいてコンボリューション演算が行われ、演算され変換されたデータがカメラ信号処理部150に転送される(ST23)。
図21は、信号処理部とカーネルデータ格納ROMについての第1の構成例を示す図である。なお、簡単化のためにAFE等は省略している。
図21の例は露出情報に応じたフィルタカーネルを予め用意した場合のブロック図である。
図22の例は、信号処理部の最初にノイズ低減フィルタ処理のステップを有し、フィルタカーネルデータとして露出情報に応じたノイズ低減フィルタ処理ST31を予め用意した場合のブロック図である。
2次元コンボリューション演算部142においては、前記ノイズ低減フィルタST31を施した後、カラーコンバージョン処理ST32によって色空間を変換、その後カーネルデータを用いてコンボリューション処理ST33を施す。
再度ノイズ処理ST34を行い、カラーコンバージョン処理ST35によって元の色空間に戻す。カラーコンバージョン処理は、たとえばYCbCr変換が挙げられるが、他の変換でも構わない。
なお、再度のノイズ処理ST34は省略することも可能である。
図23の例は、露出情報に応じたOTF復元フィルタを予め用意した場合のブロック図である。
露出設定時に決まる露出情報を取得し、コンボリューション制御部144を通じてカーネルデータを選択制御する。
2次元コンボリューション演算部142は、ノイズ低減処理ST41、カラーコンバージョン処理ST42の後に、前記OTF復元フィルタを用いてコンボリューション処理ST43を施す。
再度ノイズ処理ST44を行い、カラーコンバージョン処理ST45によって元の色空間に戻す。カラーコンバージョン処理は、たとえばYCbCr変換が挙げられるが、他の変換でも構わない。
なお、ノイズ低減処理ST41、ST44は、いずれか一方のみでもよい。
図24の例は、ノイズ低減フィルタ処理のステップを有し、フィルタカーネルデータとして露出情報に応じたノイズ低減フィルタを予め用意した場合のブロック図である。
なお、再度のノイズ処理ST5は省略することも可能である。
露出設定時に決まる露出情報を取得し、コンボリューション制御部144を通じてカーネルデータを選択制御する。
2次元コンボリューション演算部142においては、ノイズ低減フィルタ処理ST51を施した後、カラーコンバージョン処理ST52によって色空間を変換、その後カーネルデータを用いてコンボリューション処理をST53施す。
再度、露出情報に応じたノイズ処理ST54を行い、カラーコンバージョン処理ST55によって元の色空間に戻す。カラーコンバージョン処理は、たとえばYCbCr変換が挙げられるが、他の変換でも構わない。
なお、ノイズ低減処理ST51は省略することも可能である。
図25は、撮像素子220からの被写体分散画像信号より分散のない画像信号を生成するが画像処理装置300の構成例を示している。
この画像処理装置300においては、物体概略距離情報検出装置400から読み出した被写体の物体距離の概略距離に関する情報および露出情報を得た画像処理演算プロセッサ303では、その物体離位置に対して適正な演算で用いる、カーネルサイズやその演算係数をカーネル、数値算係数格納レジスタ302に格納し、その値を用いて演算するコンボリューション装置301にて適正な演算を行い、画像を復元する。
また一方、所定の狭い範囲内に収差が生じない画像処理を施すことにより、所定の狭い範囲外の画像にぼけ味を出すことも可能になる。
本例においては、主被写体までの距離を、距離検出センサを含む物体概略距離情報検出装置400により検出し、検出した距離に応じて異なる画像補正の処理を行うことにように構成されている。
焦点距離に応じて、カーネルサイズやコンボリューションの演算係数自体を予め記憶しておき、これら記憶したカーネルサイズや演算係数でコンボリューション演算を行う構成、焦点距離に応じた演算係数を関数として予め記憶しておき、焦点距離によりこの関数より演算係数を求め、計算した演算係数でコンボリューション演算を行う構成等、を採用することが可能である。
変換係数記憶手段としてのレジスタ302に被写体距離に応じて少なくとも位相板213aに起因する収差に対応した変換係数を少なくとも2以上予め記憶する。画像処理演算プロセッサ303が、被写体距離情報生成手段としての物体概略距離情報検出装置400により生成された情報に基づき、レジスタ302から被写体までの距離に応じた変換係数を選択する係数選択手段として機能する。
そして、変換手段としてのコンボリューション装置301が、係数選択手段としての画像処理演算プロセッサ303で選択された変換係数によって、画像信号の変換を行う。
または、前述したように、変換係数演算手段としての画像処理演算プロセッサ303が、被写体距離情報生成手段としての物体概略距離情報検出装置400により生成された情報に基づき変換係数を演算し、レジスタ302に格納する。
そして、変換手段としてのコンボリューション装置301が、変換係数演算手段としての画像処理演算プロセッサ303で得られレジスタ302に格納された変換係数によって、画像信号の変換を行う。
第2変換係数記憶手段としても機能するレジスタ302に、位相板213aに起因する収差に対応した変換係数を予め記憶する。
そして、被写体距離情報生成手段としての物体概略距離情報検出装置400により生成された距離情報に基づき、補正値選択手段としての画像処理演算プロセッサ303が、補正値記憶手段としてのレジスタ302から被写体までの距離に応じた補正値を選択する。
変換手段としてのコンボリューション装置301が、第2変換係数記憶手段としてのレジスタ302から得られた変換係数と、補正値選択手段としての画像処理演算プロセッサ303により選択された補正値とに基づいて画像信号の変換を行う。
図26は、撮像素子220からの被写体分散画像信号より分散のない画像信号を生成するが画像処理装置300Aの構成例を示している。
画像処理装置300Aは、図25と同様に、図26に示すように、コンボリューション装置301、カーネル・数値演算係数格納レジスタ302、および画像処理演算プロセッサ303を有する。
画像処理装置300Aにおける適正なコンボリーション演算には、コンボリューションの演算係数をレジスタ302に共通で1種類記憶しておく構成をとることができる。
各ズーム位置に応じて、レジスタ302に補正係数を予め記憶しておき、この補正係数を用いて演算係数を補正し、補正した演算係数で適性なコンボリューション演算を行う構成、各ズーム位置に応じて、レジスタ302にカーネルサイズやコンボリューションの演算係数自体を予め記憶しておき、これら記憶したカーネルサイズや演算係数でコンボリューション演算行う構成、ズーム位置に応じた演算係数を関数としてレジスタ302に予め記憶しておき、ズーム位置によりこの関数より演算係数を求め、計算した演算係数でコンボリューション演算を行う構成等を採用することが可能である。
変換係数記憶手段としてのレジスタ302にズーム光学系210のズーム位置またはズーム量に応じた位相板213aに起因する収差に対応した変換係数を少なくとも2以上予め記憶する。画像処理演算プロセッサ303が、ズーム情報生成手段としてのズーム情報検出装置400により生成された情報に基づき、レジスタ302からズーム光学系210のズ−ム位置またはズーム量に応じた変換係数を選択する係数選択手段として機能する。
そして、変換手段としてのコンボリューション装置301が、係数選択手段としての画像処理演算プロセッサ303で選択された変換係数によって、画像信号の変換を行う。
そして、変換手段としてのコンボリューション装置301が、変換係数演算手段としての画像処理演算プロセッサ303で得られレジスタ302に格納された変換係数によって、画像信号の変換を行う。
第2変換係数記憶手段としても機能するレジスタ302に、位相板213aに起因する収差に対応した変換係数を予め記憶する。
そして、ズーム情報生成手段としてのズーム情報検出装置400により生成されたズーム情報に基づき、補正値選択手段としての画像処理演算プロセッサ303が、補正値記憶手段としてのレジスタ302からズーム光学系のズーム位置またはズーム量に応じた補正値を選択する。
変換手段としてのコンボリューション装置301が、第2変換係数記憶手段としてのレジスタ302から得られた変換係数と、補正値選択手段としての画像処理演算プロセッサ303により選択された補正値とに基づいて画像信号の変換を行う。
この例では、物体距離情報とズーム情報で2次元的な情報を形成し、露出情報が奥行きのような情報を形成している。
図28は、撮像素子220からの被写体分散画像信号より分散のない画像信号を生成する画像処理装置300Bの構成例を示している。
また一方、所定の狭い範囲内に収差が生じない画像処理を施すことにより、所定の狭い範囲外の画像にぼけ味を出すことも可能になる。
本例においては、主被写体までの距離を、距離検出センサを含む物体概略距離情報検出装置400により検出し、検出した距離に応じて異なる画像補正の処理を行うことにように構成されている。
本実施形態においては、上述したように、DSCのモード設定(ポートレート、無限遠(風景)、マクロ)に応じて画像処理を変更する。
前述したように、変換係数演算手段としての画像処理演算プロセッサ303を通して操作部180の撮影モード設定部700により設定される各撮影モードに応じて異なる変換係数を変換係数記憶手段としてのレジスタ302に格納する。
画像処理演算プロセッサ303が、撮影モード設定部700の操作スイッチ701により設定された撮影モードに応じて、被写体距離情報生成手段としての物体概略距離情報検出装置402により生成された情報に基づき、変換係数記憶手段としてのレジスタ302から変換係数を抽出する。このとき、たとえば画像処理演算プロセッサ303が変換係数抽出手段とて機能する。
そして、変換手段としてのコンボリューション装置301が、レジスタ302に格納された変換係数によって、画像信号の撮影モードに応じた変換処理を行う。
また、図19のカーネルデータ格納ROMに関しても、光学倍率やそれぞれのカーネルのサイズ、値に対して用いられるものとは限らない。また用意するカーネルデータの数についても3個とは限らない。
また一方、所定の狭い範囲内に収差が生じない画像処理を施すことにより、所定の狭い範囲外の画像にぼけ味を出すことも可能になる。
図29(A)〜(C)は、撮像素子120の受光面でのスポット像を示している。
図29(A)は焦点が0.2mmずれた場合(Defocus=0.2mm)、図26(B)が合焦点の場合(Best focus)、図25(C)が焦点が−0.2mmずれた場合(Defocus=−0.2mm)の各スポット像を示している。
図29(A)〜(C)からもわかるように、本実施形態に係る撮像装置100においては、位相板113aを含む波面形成用光学素子群113によって深度の深い光束(像形成の中心的役割を成す)とフレアー(ボケ部分)が形成される。
このように、本実施形態の撮像装置100において形成された1次画像FIMは、深度が非常に深い光束条件にしている。
本実施形態においては、高精細な最終画像は後段の、たとえばデジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor)からなる画像処理装置140の補正処理に任せるため、図30(A),(B)に示すように、1次画像のMTFは本質的に低い値になっている。
画像処理装置140のMTF補正処理は、たとえば図31の曲線Aで示すように、本質的に低い値になっている1次画像のMTFを、空間周波数をパラメータとしてエッジ強調、クロマ強調等の後処理にて、図31中曲線Bで示す特性に近づく(達する)ような補正を行う。
なお、本実施形態における全ての補正は、空間周波数のパラメータによる。
たとえば、図31のMTF特性の場合、空間周波数に対するエッジ強調の曲線は、図32に示すようになる。
すなわち、空間周波数の所定帯域内における低周波数側および高周波数側でエッジ強調を弱くし、中間周波数領域においてエッジ強調を強くして補正を行うことにより、所望のMTF特性曲線Bを仮想的に実現する。
本実施形態では、撮像素子120による1次画像は深度が非常に深い光束条件にしている。そのために、1次画像のMTFは本質的に低い値になっており、そのMTFの補正を画像処理装置140で行う。
物点の1点から発散された球面波は結像光学系を通過後、収斂波となる。そのとき、結像光学系が理想光学系でなければ収差が発生する。波面は球面でなく複雑な形状となる。幾何光学と波動光学の間を取り持つのが波面光学であり、波面の現象を取り扱う場合に便利である。
結像面における波動光学的MTFを扱うとき、結像光学系の射出瞳位置における波面情報が重要となる。
MTFの計算は結像点における波動光学的強度分布のフーリエ変換で求まる。その波動光学的強度分布は波動光学的振幅分布を2乗して得られるが、その波動光学的振幅分布は射出瞳における瞳関数のフーリエ変換から求まる。
さらにその瞳関数はまさに射出瞳位置における波面情報(波面収差)そのものからであることから、その光学系110を通して波面収差が厳密に数値計算できればMTFが計算できることになる。
本実施形態においても、波面の形状変化を波面形成用光学素子で行うのが主であるが、まさにphase(位相、光線に沿った光路長)に増減を設けて目的の波面形成を行っている。
そして、目的の波面形成を行えば、射出瞳からの射出光束は、図29(A)〜(C)に示す幾何光学的なスポット像からわかるように、光線の密な部分と疎の部分から形成される。
この光束状態のMTFは空間周波数の低いところでは低い値を示し、空間周波数の高いところまでは何とか解像力は維持している特徴を示している。
すなわち、この低いMTF値(または、幾何光学的にはこのようなスポット像の状態)であれば、エリアジングの現象を発生させないことになる。
つまり、ローパスフィルタが必要ないのである。
そして、後段のDSP等からなる画像処理装置140でMTF値を低くしている原因のフレアー的画像を除去すれば良いのである。それによってMTF値は著しく向上する。
図33は、従来の光学系の場合において物体が焦点位置にあるときと焦点位置から外れたときのMTFのレスポンス(応答)を示す図である。
図34は、光波面変調素子を有する本実施形態の光学系の場合において物体が焦点位置にあるときと焦点位置から外れたときのMTFのレスポンスを示す図である。
また、図35は、本実施形態に係る撮像装置のデータ復元後のMTFのレスポンスを示す図である。
この光学系によって結像された画像を、コンボリューションフィルタによる処理によって、MTFのレスポンスが向上する。
そして、本実施形態に係る撮像装置100は、デジタルカメラやカムコーダー等の民生機器の小型、軽量、コストを考慮されたズームレンズの深度拡張光学系システムに使用することが可能である。
また、光学系110の構成を簡単化でき、製造が容易となり、コスト低減を図ることができる。
画質向上のため、可能な限りコントラストを上げることが望ましいが、そのことは高性能なレンズ系を必要とする。
しかし、上述したように、CCDやCMOSセンサを撮像素子として用いた場合、エリアジングが発生する。
現在、エリアジングの発生を避けるため、撮像レンズ装置では、一軸結晶系からなるローパスフィルタを併用し、エリアジングの現象の発生を避けている。
しかし、本実施形態によれば、ローパスフィルタを用いなくとも、エリアジングの現象の発生を避けることができ、高精細な画質を得ることができる。
また、図14や図16の光学系は一例であり、本発明は図14や図16の光学系に対して用いられるものとは限らない。また、スポット形状についても図17および図18は一例であり、本実施形態のスポット形状は、図17および図18に示すものとは限らない。
また、図19のカーネルデータ格納ROMに関しても、光学倍率やそれぞれのカーネルのサイズ、値に対して用いられるものとは限らない。また用意するカーネルデータの数についても3個とは限らない。
なお、以上の実施形態は光学系が一つの場合を例に説明したが、光学系を複数有する撮像装置に対しても本発明は適用可能である。
本撮像装置100Aと図1の撮像装置100と異なる点は、光学ユニット110Aは、複数(本実施形態では2)の光学系110−1,110−2を有露出制御装置190の代わりシステム制御装置200を設け、さらに光学系切替制御部201を設けたことにある。
各光学系110−1,110−2は、光学倍率が異なり、撮像対象物体(被写体)OBJの映像を光学的に取り込む。
その他の構成は図1と同様である。
まず、光学系を確認し(ST61)、カーネルデータをセットする(ST62)。
そして、操作部180の操作により光学系の切り替え指示がなされると(ST63)、光学系切替制御部201により光学ユニット110Aの光学系の出力を切り替え、ステップST61の処理を行う(ST64)。
すなわち、図36の撮像装置においては、1次画像を形成する倍率の異なる複数の光学系110−1,2を含む光学ユニット110Aおよび撮像素子120と、1次画像を高精細な最終画像に形成する画像処理装置140とを含み、画像処理装置140において、光学系の倍率に応じて、コンボリューション演算時に用いるカーネルサイズやその数値演算で用いられる係数を可変とし、操作部180等の入力により知り、その光学系の倍率に応じた適性となるカーネルサイズや上述した係数を対応させることにより、倍率やデフォーカス範囲を気にすることなくレンズ設計ができ、かつ精度の高いコンボリュ−ションによる画像復元が可能となる利点がある。
また、難度が高く、高価でかつ大型化した光学レンズを必要とせずに、かつ、レンズを駆動させること無く、撮影したい物体に対してピントが合い、背景はぼかすといった、いわゆる自然な画像を得ることができる利点がある。
そして、本実施形態に係る撮像装置100は、デジタルカメラやカムコーダー等の民生機器の小型、軽量、コストを考慮されたズームレンズの深度拡張光学系システムに使用することが可能である。
110…光学系
110A…光学ユニット
120…撮像素子
130…アナログフロントエンド部(AFE)
140…画像処理装置
150…カメラ信号処理部
180…操作部
190…露出制御装置
200…システム制御装置
201…光学系切替制御部
111…物体側レンズ
112…結像レンズ
113…波面形成用光学素子
113a…位相板(光波面変調素子)
142…コンボリューション演算器
143…カーネルデータROM
144…コンボリューション制御部。
Claims (7)
- 少なくとも光学系および光波面変調素子を通過した被写体分散像を撮像する撮像素子と、
該撮像素子からの分散画像信号より分散のない画像信号、及び分散の少ない画像信号を1または複数生成する変換手段を備え、前記撮像素子による画像信号に複数の異なる所定の処理を行う信号処理部と、
該信号処理部による処理前のボケ画像、処理後の分散のない合焦画像、処理後の分散の少ない中間画像、及び/又は前記ボケ画像、合焦画像、あるいは中間画像を合成した新たな画像を記録する記録部と、
該記録部に記録された画像、または記録するための画像を表示する表示部と、
該表示部内の範囲の設定、及び/又はボケ画像の選択を行なう操作部と、
該操作部による前記表示部での設定範囲内又は設定範囲外における合焦画像を生成し、かつ該合焦画像生成以外の範囲を前記中間画像、または前記中間画像及びボケ画像により、前記合焦画像から離れるに従って序々にボケ度合いが大きくなる段階的ボケ画像を生成し、前記合焦画像と段階的ボケ画像とを合成して新たな画像を生成する生成手段と、を備えた撮像装置。 - 前記光学系は、ズーム光学系を含み、
前記ズーム光学系のズーム位置またズーム量に相当する情報を生成するズーム情報生成手段を備え、
前記変換手段は、前記ズーム情報生成手段により生成される情報に基づいて前記分散画像信号より分散のない画像信号を生成する請求項1に記載の撮像装置。 - 被写体までの距離に相当する情報を生成する被写体距離情報生成手段を備え、
前記変換手段は、前記被写体距離情報生成手段により生成される情報に基づいて前記分散画像信号より分散のない画像信号を生成する請求項1に記載の撮像装置。 - 被写体までの距離に相当する情報を生成する被写体距離情報生成手段と、
前記被写体距離情報生成手段により生成された情報に基づき変換係数を演算する変換係数演算手段と、を備え、
前記変換手段は、前記変換係数演算手段から得られた変換係数によって、画像信号の変換を行い分散のない画像信号を生成する請求項1に記載の撮像装置。 - 撮影する被写体の撮影モードを設定する撮影モード設定手段を備え、
前記変換手段は、前記撮影モード設定手段により設定された撮影モードに応じて異なる変換処理を行う請求項1から4のいずれかに記載の撮像装置。 - 前記撮像装置は、複数のレンズを交換可能であって、
前記撮像素子は、前記複数のレンズの内少なくとも一のレンズおよび光波面変調素子を通過した被写体収差像を撮像可能で、さらに、
前記一のレンズに応じた変換係数を取得する変換係数取得手段を備え、
前記変換手段は、前記変換係数取得手段から得られた変換係数によって、画像信号の変換を行う請求項1から5のいずれかに記載の撮像装置。 - 露出制御を行う露出制御手段を備え、
前記信号処理部は、前記露出制御手段からの露出情報に応じて光学的伝達関数(OTF)に対してフィルタ処理を行う請求項1から6のいずれかに記載の撮像装置。
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