JP4691979B2 - スリットダイ及びスリット隙間調節方法並びに塗布装置 - Google Patents

スリットダイ及びスリット隙間調節方法並びに塗布装置 Download PDF

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Description

本発明は、液晶ディスプレイ用のカラーフィルタのような、角型ガラス基板に高精度の塗布膜を形成するためのスリットダイ及び塗布装置に関する。
液晶ディスプレイなどに用いられるカラーフィルタの製造方法の一つとして、予め、顔料を分散させた感光性材料をガラス基板に塗布し、露光・現像・ベーク工程を経て格子状のパターンを得るといった顔料分散法がある。
上記顔料分散法の工程の中で最も重要な役割を担う塗布工程では、従来、ガラス基板中央に感光性材料を一定量滴下し、その後ガラス基板を一定速度で回転させることで液を薄く均一に塗り広げる、所謂、スピンコート方式が一般的であった。しかしながら、この方式は材料の廃棄量、顔料の固着による異物の発生、ガラス基板中心部の厚膜化、大型のガラス基板への対応が困難であること等が問題となっていた。
そこで、それらの問題点を解決する塗布方式として近年主流になりつつあるのが、高精度なスリットダイを用いてガラス基板に薄膜を直接塗布する、所謂、スリットダイ方式である。
しかし、このスリットダイ方式ではスピンコート方式と違って直接薄膜を塗布するため、スリット隙間がスリットダイの長手方向で不均一であると塗布液の吐出量に差が生じ、塗布膜厚が不均一になったり、また、その膜厚の不均一が原因で縦筋むらが発生したりする事が大きな問題となっていた。
そこで、スリット面の機械加工精度を更に上げる事でスリット隙間を均一にして塗布膜厚を均一にしようといった試みが数多くなされたが、必要充分な膜厚均一性を得るには至っていない。
上記問題の解決策として、スリットと水平方向に調節用ネジを設け、その調節用ネジの押し引きによってスリットダイを弾性変形させ、スリット隙間を調節する方法がある(例えば、特許文献1参照)。また、油圧ユニットによってスリットダイを弾性変形させスリット隙間を調節する方法がある(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、前述したような調節機構を有するスリットダイは、通常のスリットダイと比べて複雑な加工が必要であり、製作時のイニシャルコストが嵩んでしまったり、スリットダイ自体に調節機構を入れるための切り欠きを施す必要があるため、スリットダイ自体の剛性を低下させてしまう問題があった。
特開平9−131561号公報 コンバーテック2004年6月号 Vol375、P61〜P62、(株)加工技術研究会発行
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、複数の金属製構造物を組み合わせて一定の容積を有するマニホールドとマニホールドに接続された極狭幅のスリットを形成し、スリットの出口部両側には狭幅のリップを有し、マニホールドへ外部より液を供給する経路とマニホールドから外部へエアーを排出する経路を有するスリットダイにおいて、スリット隙間を調節するために大掛かりな機構を使用せず、複雑な加工が不要なためイニシャルコストを抑える事ができ、且つスリットダイ自体の剛性を低下させる事なく、膜厚均一性の高い高品質な塗布膜を形成する事が可能なスリットダイ、及び簡易的な方法でスリット隙間を極微小に再現性良く調節することのできるスリット隙間調節方法、並びに、そのスリットダイを搭載した塗布装置を提供することにある。
本発明は、複数の金属製構造物を組み合わせて一定の容積を有するマニホールドとマニホールドに接続された極狭幅のスリットを形成し、該スリットの出口部両側には狭幅のリップを有し、該マニホールドへ外部より液を供給する経路とマニホールドから外部へエアーを排出する経路を有するスリットダイにおいて、スリットダイの長手方向に、スリット隙間を調節するための複数の調節用ボルトを具備することを特徴とするスリットダイである。
また、本発明は、上記発明によるスリットダイにおいて、前記複数の調節用ボルトとして、スリットダイの長手方向両端部には固定ボルト、固定ボルトの位置よりスリットダイ先端部側に端部調節用ボルトB、後端部側に端部調節用ボルトAが設けられ、また、長手方向中央部には固定ボルト、固定ボルトの位置よりスリットダイ先端部側に中央部調節用押しボルト及び中央部調節用ボルトがスリットダイ先端部に向かってこの順に設けられたことを特徴とするスリットダイである。
また、本発明は、複数の金属製構造物を組み合わせて一定の容積を有するマニホールドとマニホールドに接続された極狭幅のスリットを形成し、該スリットの出口部両側には狭幅のリップを有し、該マニホールドへ外部より液を供給する経路とマニホールドから外部へエアーを排出する経路を有し、且つスリットダイの長手方向に、スリット隙間を調節するための複数の調節用ボルトを具備するスリットダイにおいて、上記複数の調節用ボルトの締め付けトルクの大小によりスリット隙間を調節することを特徴とするスリット隙間調節方法である。
また、本発明は、上記発明によるスリットダイ隙間調節方法において、前記複数の調節用ボルトとして、スリットダイの長手方向両端部には固定ボルト、固定ボルトの位置よりスリットダイ先端部側に端部調節用ボルトB、後端部側に端部調節用ボルトAが設けられ、また、長手方向中央部には固定ボルト、固定ボルトの位置よりスリットダイ先端部側に中央部調節用押しボルト及び中央部調節用ボルトがスリットダイ先端部に向かってこの順に設けられたことを特徴とするスリット隙間調節方法である。
また、本発明は、上記のスリットダイを搭載したことを特徴とする塗布装置である。
以上詳細に記述してきたように、本発明に係わるスリットダイ及びスリット隙間調節方法及び塗布装置によれば、以下のような効果を得ることができた。
すなわち、簡易的な調節機構を用いる事でスリットダイ製作時に複雑な加工をする事が無いためイニシャルコストを抑える事ができた。またスリットダイ自体に切り欠きを施す必要が無いため、スリットダイ自体の剛性の低下を抑える事ができた。
また、スリットダイの長手方向の端部及び中央部に配置した複数の調節用ボルトを、その締め付けトルクにより調節し管理する事で、スリット隙間の極微小な調節を簡単に行う事ができ、その結果高精度で再現性の高い塗布が可能となった。
更にまた、上記スリットダイを搭載した塗布装置によれば、膜厚均一性が良好で高品質な塗布基板を提供する事ができた。
つまり、本発明が課題とするスリットダイ及びスリット隙間調節方法及び塗布装置を提供する事ができた。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、液晶ディスプレイ用のカラーフィルターのような、角型ガラス基板に高精度の塗布膜を形成するためのスリットダイを用いた塗布装置の一例の概略を示す説明図である。図1に示す通り、そのスリットダイ(1)は主に手前側ブロック(2)と奥側ブロック(3)とで構成されている。スリットダイ(1)の内部には、塗布液を一時的に貯留しておくマニホールド(4)と、マニホールドに接続されマニホールド内部の塗布液を外部に吐出するための、極微小な隙間のスリット(5)が形成されている。塗布液の吐出側のスリット端部には、手前側ブロック(2)及び奥側ブロック(3)両側に、狭幅でスリットダイ長手方向に細長く高精度な平面を成しているリップ(8)がある。
また、手前側ブロック(2)と奥側ブロック(3)の合わせ面(10)、及び手前側ブロックのスリット面(9)は、リップ(8)同様に超精密研磨加工により高精度な平面を成している。
なお、図1におけるスリットダイ(1)の断面図は、説明上、本発明の原型となるスリットダイの従来の一例を示したものである。
塗布液タンク(16)は塗布液タンク加圧弁(12)を開く事で、圧縮クリーンエアー(11)により加圧される。圧縮クリーンエアー(11)の圧力調節は減圧弁(13)と圧力計(14)によって行い、圧力計(14)と塗布液タンク(16)の間には異物を捕集するためのフィルタ(15)が設けられている。
塗布液(17)をスリットダイ(1)に供給するためには、まず塗布液吸入弁(18)を開きポンプ(20)を作動させ圧縮クリーンエアー加圧のサポートを受けながら塗布液(17)をポンプ(20)内部に吸入する。次いで塗布液吸入弁(18)を閉じ、塗布液供給弁(21)を開いて、ポンプ(20)を作動させる事で塗布液は供給口(6)を通り、マニホールド(4)へ供給される。塗布液吸入弁(18)とポンプ(20)との間には、異物を捕集するための一次フィルタ(19)が、塗布液供給弁(21)とスリットダイ(1)との間には、二次フィルタ(22)がそれぞれ設けられている。
なお、塗布液の種類によっては、塗布液タンク(16)を圧縮クリーンエアー加圧せずにポンプ(20)の作動のみにより塗布液タンクからポンプ内部に塗布液を吸入する事も可能である。
マニホールド(4)に溜まったエアーは塗布液供給弁(21)とエアー抜き弁(23)を開き、ポンプ(20)を作動させる事で、排出口(7)を通り廃液タンク(24)に排出される。
スリットダイ(1)は、図9(a)及び(b)で示す通り、マニホールド(4)とスリット(5)の両端が予め規制されている手前側ブロック(2)と奥側ブロック(3)を貼り合わせる事でマニホールド及びスリットを形成するタイプと、図10(a)及び(b)で示す通り、マニホールド(4)とスリット(5)の両端が規制されていない手前側ブロック(2)と奥側ブロック(3)を貼り合わせた後に、その両側からプレート(38)を貼り合わせる事でマニホールド及びスリットを形成するタイプの二つが良く知られている。
なお、図9(a)は、図9(b)中、左側の方向からの手前側ブロック(2)の正面図である。また、同様に図10(a)は、図10(b)に示す手前側ブロック(2)の正面図である。
図9に示すタイプの場合、図2で示す通り、本発明のスリットダイ(1)は手前側ブロック(2)と奥側ブロック(3)を貼り合わせた状態で、固定ボルト(31)により固定されている。スリットダイ(1)の長手方向両端部(E)には端部調節用ボルトA(32)と端部調節用ボルトB(33)が設けられている。
端部調節用ボルトB(33)は固定ボルト(31)の位置よりもスリットダイ先端部側(リップ(8)側)に、端部調節用ボルトA(32)はその逆側にそれぞれ配置されている。
手前側ブロック(2)及び奥側ブロック(3)の貼り合わせ面(10)は超精密研磨加工により高精度な平面を成しているが、マクロ的に見ると固定ボルト(31)を締め込んだ時、図4(a)で示す通り固定ボルト(31)を支点としてスリットダイ先端部(71)及びスリットダイ後端部(72)が極微小に広がっている。
この際、図4(b)で示す通り、端部調節用ボルトA(32)を締めると、スリットダイの長手方向両端部(E)のスリットダイ先端部(71)のスリット隙間が極微小に広がる。この時、端部調節用ボルトA(32)の締め付けトルクを大きくするとスリット隙間の広がる量がやや大きくなり、締め付けトルクを小さくするとスリット隙間の広がる量がやや小さくなる。
また、図4(c)で示す通り、図4(a)の状態から、端部調節用ボルトA(32)を締めずに、端部調節用ボルトB(33)を締めると、スリットダイの長手方向両端部(E)のスリットダイ先端部(71)のスリット隙間が極微小に狭まる。この時、端部調節用ボルトB(33)の締め付けトルクを大きくするとスリット隙間の狭まる量がやや大きくなり、締め付けトルクを小さくするとスリット隙間の狭まる量がやや小さくなる。
すなわち、これら二つの調節用ボルトの締め付けトルクを適正に調節し、常に調節値を管理する事で、スリットダイの長手方向両端部(E)のスリットダイ先端部(71)のスリット隙間の極微小な調節を再現性良く行う事が可能となる。
図3で示す通り、スリットダイ(1)の端部を除く長手方向中央部(F)には、中央部調節用押しボルト(34)と中央部調節用ボルト(37)が設けられている。中央部調節用押しボルト(34)と中央部調節用ボルト(37)は固定ボルト(31)の位置よりもスリットダイ先端側に配置されている。
図5(a)で示す通り、スリットダイの長手方向中央部(F)をマクロ的に見ると、スリットダイ(1)は固定ボルト(31)を締め込んだ時、固定ボルト(31)を支点としてスリットダイ先端部(71)及びスリットダイ後端部(72)が極微小に広がっている。
図5(b)で示す通り、中央部調節用押しボルト(34)を締め込む事により奥側ブロック(3)に設けられた押しボルト用座グリ穴(36)が押されるため、スリットダイ先端部(71)のスリット隙間は極微小に広がる。この時、中央部調節用押しボルト(34)の締め付けトルクを大きくするとスリット隙間の広がる量がやや大きくなり、締め付けトルクを小さくするとスリット隙間の広がる量がやや小さくなる。なお、中央部調節用押しボルト(34)は固定用押しボルト(35)を締め込む事によって固定される。
また、図5(c)で示す通り、図5(a)の状態から、中央部調節用押しボルト(34)を締め込まず、中央部調節用ボルト(37)を締めると、スリットダイ先端部(71)のスリット隙間は微小に狭くなる。この時、中央部調節用ボルト(37)の締め付けトルクを大きくするとスリット隙間の狭まる量がやや大きくなり、締め付けトルクを小さくするとスリット隙間の狭まる量がやや小さくなる。
すなわち、これら中央部調節用押しボルト(34)及び中央部調節用ボルト(37)の締め付けトルクを適正に調節し、常に調節値を管理する事で、スリットダイの長手方向中央部(F)においてもスリットダイ先端部(71)のスリット隙間の極微小な調節を再現性良く行う事が可能となる。
図10に示すタイプの場合は、端部調節用ボルトA(32)及び端部調節用ボルトB(33)は不要であり、中央部調節用押しボルト(34)及び中央部調節用ボルト(37)のみによってスリットダイの長手方向全幅のスリット隙間を調節する。
図6で示す通り、本発明の塗布装置では、スリットダイ(1)は天板(41)で吊り下げられ、垂直方向精密駆動装置(42)にて、矢印で示すように、上下方向に移動でき、水平方向精密駆動装置(43)にて水平方向に移動できる。また、塗布装置は上記ユニット以外に、ガラス基板(51)を載置するための精密テーブル(44)などで構成されている。
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
本発明のスリットダイ及び塗布装置として、液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造工程において、感光性材料をスリットダイを用いて塗布した場合を説明する。
スリットダイはマニホールドとスリットの両端が予め規制されており、手前側ブロックと奥側ブロックを貼り合わせる事でマニホールド及びスリットを形成するタイプを使用した(図9参照)。スリット隙間は100μm、スリットダイの長手方向のスリット長さは675mmとした。端部調節用ボルトA(32)及び端部調節用ボルトB(33)は片側各1ヶ所、中央部調節用押しボルト(34)は等間隔で14ヶ所、中央部調節用ボルト(37)は中央部調節用押しボルトよりスリットダイ先端部側に等間隔で7ヶ所配置した。
なお、これらの位置、個数及び配置間隔はスリットダイの長手方向の長さや調節したい位置等により適当に決めてよい。また、中央部調節用押しボルト及び中央部調節用ボルトの位置関係は、逆或いは同じ高さであってもよい。
塗布する感光性材料は市販のR(赤色)レジストを用い、塗布するガラス基板は無アルカリガラスでサイズは680mm×880mm(t=0.7mm)を用いた。目標の塗布膜
厚はスリットダイの長手方向で2.0μm±1%(但し両端10mmを除く)とした。
事前にスリットダイ長手方向端部及び中央部において、調節用ボルト及び調節用押しボルトの締め付けトルクとスリット隙間の関係を調べた。締め付けトルクの調節は市販のトルクレンチにて行い、その時の調節用ボルト直下のスリット隙間を倍率1000倍のマイクロスコープを用いて測定した。各調節用ボルトごとに一定の間隔でトルクを変化させ、その時のスリット隙間をグラフ上にプロットし近似曲線を引いた。
図8(a)に、端部の調節用ボルトの締め付けトルクとスリット隙間の関係を示す。端部調節用ボルトB(33)を締め込んだ時、スリット隙間は微小に狭くなり、トルクT1(Nm)以上でスリット隙間S1(μm)にほぼ収束した。また、端部調節用ボルトA(32)を締め込んだ時、スリット隙間は微小に広くなり、トルクT2(Nm)以上でスリット隙間S2(μm)にほぼ収束した。
図8(b)に、中央部の調節用ボルトの締め付けトルクとスリット隙間の関係を示す。
中央部調節用ボルト(37)を締め込んだ時、スリット隙間は微小に狭くなり、トルクT3(Nm)以上でスリット隙間S3(μm)にほぼ収束した。
また、中央部調節用押しボルト(34)を締め込んだ時、スリット隙間は微小に広くなり、測定したトルクT4(Nm)、スリット隙間S4(μm)までの範囲では収束しなかった。
また、塗布液量はスリット隙間の3乗に比例する事が知られており、上記グラフより計算する事によって、塗布膜厚と調節用ボルト及び調節用押しボルトの締め付けトルクの関係を把握する事ができた。
以下に、実際の動作を詳細に示す。
図1、図6及び図7に示す通り、図示されてないローダーユニットの搬送ロボットによって、ガラス基板(51)は精密テーブル(44)上に載置され、真空吸着される。塗布液タンク加圧弁(12)は予め開いており、塗布液(17)は常時加圧されている。スリットダイ(1)は図示されていない精密定盤上で予め組み付けられ、天板(41)に固定されている。この時、スリットダイ(1)の各調節用ボルト及び調節用押しボルトは全て締め付けトルク0Nmの状態としている。
スリットダイ(1)内部にRレジストを供給するために、予め、以下の動作を行う。すなわち、塗布液吸入弁(18)を開きポンプ(20)を作動させる事で塗布液タンク(16)よりRレジストを吸入し、次いで、塗布液吸入弁(18)を閉じ、塗布液供給弁(21)とエアー抜き弁(23)を開いてポンプ(20)を作動させ、塗布液をスリットダイ(1)に供給し、更にマニホールド(4)に溜まっているエアーを廃液タンク(24)に排出する。以上の動作を数回繰り返す事で、スリットダイ(1)の内部は完全にRレジストで満たされる。
また、スリットダイ(1)は塗布開始上位置(A)にて待機しており、ガラス基板(51)が精密テーブル(44)上に載置されると、垂直方向精密駆動装置(42)によって塗布開始位置(B)に下降する。この状態で塗布液供給弁(21)を開いてポンプ(20)を作動させ塗布ビード(52)を形成した後、水平方向精密駆動装置(43)によって塗布膜(53)を形成しつつ塗布終了位置(C)に平行移動する。スリットダイ(1)が塗布終了位置(C)に移動すると、ポンプ(20)の動作を停止し、塗布液供給弁(21)を閉じてRレジストの吐出を停止する。次いで、塗布終了上位置(D)に上昇し、次いで塗布開始上位置(A)に移動して、次のガラス基板が精密テーブル(44)上に載置されるのを待つ。
また、次の塗布の準備のため、スリットダイが塗布終了上位置(D)に上昇を始めると同時に、塗布液吸入弁(18)を開き、ポンプ(20)を作動させ、Rレジストをポンプ内部に吸入し、吸入が終わったら塗布液吸入弁(18)を閉じる。
一方、Rレジストを塗布したガラス基板(51)は図示されない搬送ロボットによって図示されない膜厚計に載置され、インラインにてスリットダイ(1)の長手方向の塗布膜厚を測定する。
この時、調節用ボルト及び調節用押しボルトの締め付けトルクを、全て0Nmとした状態で塗布したガラス基板をリファレンス基板とした。このリファレンス基板のスリットダイの長手方向の膜厚測定結果は、図11で示す通りとなり、膜厚均一性は2.0μm±2%程度となった。
この測定結果とそれぞれの調節用ボルトの位置から、0mm側の端部調節用ボルトBの1箇所、中央部調節用押しボルト8、9、13の3箇所、中央部調節用ボルト6の1箇所を、図8のグラフ及び膜厚計算結果を元にトルクレンチにて適正な値に調節し、再度塗布を行った。その結果、図11で示す通りとなり、膜厚均一性は2.0μm±1%以内に入り、目標を達成する事ができた。
次に、スリットダイを一度分解して再度組み付け、上記5箇所の調節用ボルト及び調節用押しボルトをトルクレンチにて分解前と同じ値に調節した後、再度塗布を行った。その結果、図11で示す通りとなり、分解前の塗布結果とほぼ同様の傾向を示し、膜厚均一性も2.0μm±1%以内に入った。従って、締め付けトルクによる調節の再現性が確認された。
なお、今回の塗布装置では、スリットダイに塗布液を供給する方法としてポンプによる方法を用いたが、圧縮エアー加圧のみによる供給方法を用いても良い。
また、今回の実施例ではスリットダイ自体が水平方向に移動し塗布を行う方式であったが、スリットダイが固定されており、精密テーブルが移動して塗布を行う方式でも良い。
更にまた、スリットダイは今回使用したタイプでなく、スリットダイの両側からプレートを貼り付ける事でマニホールド及びスリットを形成するタイプでも良い。
スリットダイを用いた塗布装置の概略を示す説明図である。 本発明のスリットダイの、図9に示す長手方向端部の断面図である。 本発明のスリットダイの、図9に示す長手方向中心部の断面図である。 (a)は、端部において、調節用ボルトを使用する前の説明図である。 (b)は、端部調節用ボルトAを使用した場合の変形の説明図である。 (c)は、端部調節用ボルトBを使用した場合の変形の説明図である。 (a)は、中央部において、中央部調節用ボルト及び中央部調節用押しボルトを使用する前の説明図である。(b)は、中央部調節用押しボルトを使用した場合の変形の説明図である。(c)は、中央部調節用ボルトを使用した場合の変形の説明図である。 本発明の塗布装置の一例の斜視図である。 本発明の塗布装置の動作を模式的に表した説明図である。 (a)は、本発明のスリットダイにおいて、端部調節用ボルトを調節した時の締め付けトルクとスリット隙間の関係図である。(b)は、中央部調節用ボルト及び中央部調節用押しボルトを調節した時の締め付けトルクとスリット隙間の関係図である。 (a)は、手前側ブロックと奥側ブロックを貼り合わせてマニホールド及びスリットを形成するタイプの手前側ブロックの正面図である。(b)は、スリットダイの側面図である。 (a)は、手前側ブロックと奥側ブロックを貼り合わせた後に両側からプレートを貼り合わせてマニホールド及びスリットを形成するタイプの手前側ブロックの正面図である。(b)は、スリットダイの側面図である。 本発明のスリットダイにて塗布した際のスリットダイの長手方向の膜厚分布を表したグラフである。
1・・・スリットダイ
2・・・手前側ブロック
3・・・奥側ブロック
4・・・マニホールド
5・・・スリット
6・・・供給口
7・・・排出口
8・・・リップ
9・・・スリット面
10・・・貼り合わせ面
11・・・圧縮クリーンエアー
12・・・塗布液タンク加圧弁
13・・・減圧弁
14・・・圧力計
15・・・フィルタ
16・・・塗布液タンク
17・・・塗布液
18・・・塗布液吸入弁
19・・・一次フィルタ
20・・・ポンプ
21・・・塗布液供給弁
22・・・二次フィルタ
23・・・エアー抜き弁
24・・・廃液タンク
31・・・固定ボルト
32・・・端部調節用ボルトA
33・・・端部調節用ボルトB
34・・・中央部調節用押しボルト
35・・・固定用押しボルト
36・・・押しボルト用座グリ穴
37・・・中央部調節用ボルト
41・・・天板
42・・・垂直方向精密駆動装置
43・・・水平方向精密駆動装置
44・・・精密テーブル
51・・・ガラス基板
52・・・ビード
53・・・塗布膜
71・・・スリットダイ先端部
72・・・スリットダイ後端部
A・・・塗布開始上位置
B・・・塗布開始位置
C・・・塗布終了位置
D・・・塗布終了上位置
E・・・長手方向両端部
F・・・長手方向中央部

Claims (3)

  1. 複数の金属製構造物を組み合わせて一定の容積を有するマニホールドとマニホールドに接続された極狭幅のスリットを形成し、該スリットの出口部両側には狭幅のリップを有し、該マニホールドへ外部より液を供給する経路とマニホールドから外部へエアーを排出する経路を有するスリットダイにおいて、
    スリットダイの長手方向両端部に、スリット隙間を調節するために、固定ボルトと、この固定ボルトの位置よりスリットダイ先端部側の端部調節用ボルトBと、スリットダイの後端部側の端部調節用ボルトAが設けられ、
    スリットダイの長手方向中央部に、スリット隙間を調節するために、固定ボルトと、この固定ボルトの位置よりスリットダイ先端部側の中央部調節用押しボルトと、この中央部調節用押しボルトの位置よりさらにスリットダイ先端部側に設けられた中央部調節用ボルトが設けられたことを特徴とするスリットダイ。
  2. 請求項1に記載のスリットダイを用いて、前記複数の調節用ボルトの締め付けトルクの大小を調節することで、スリット隙間を調節することを特徴とするスリット隙間調節方法。
  3. 請求項1に記載のスリットダイを搭載したことを特徴とする塗布装置。
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