JP4691817B2 - レンズ鏡筒 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波モータを有するレンズ鏡筒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来のレンズ鏡筒を示す断面図である。
図3に示す従来のレンズ鏡筒は、連動リング11を手動又は電動(超音波モータ)によって回転することにより、後群レンズL2を移動してピント合わせを行う。
まず、従来のレンズ鏡筒において、手動でピント合わせを行う場合のレンズ鏡筒の動作を説明する。
ピント合わせのためにフォーカスリング6を回転する。その回転は、ウェーブワッシャ20にて加圧された摩擦力によって連結リング19に伝わる。
連結リング19の回転は、ステータ13に伝わった後、ウェーブワッシャ26によって加圧されたロータ25との摩擦力によってロータ25に伝わり、連動リング11を回転させる。
【0003】
次に、電動(オートフォーカス)でピント合わせを行う場合のレンズ鏡筒の動作を説明する。
オートフォーカス時には、超音波モータのステータ13とロータ25に相対回転を発生させる。ステータ13は、ウェーブワッシャ15により光軸方向に加圧されており摩擦力によって前側固定筒1とは相対回転しにくくなっている。そのため、ステータ13とローター25との相対回転では、ステータ13が前側固定筒1に対して回転しないで、ロータ25が前側固定筒1に対して回転し、連動リング11を回転させる。
【0004】
また、フォーカスリングを一方向に回転し続けると、前側固定筒1に存在する回転制限1aによって連動レバー10の回転が制限され、連動リング11は、制限位置以上の回転ができない。この場合は、超音波モータのステータ13とロータ25との接触面を保護するために、フォーカスリング6と連結リング19との間に滑りが発生するようにし、ロータ25とステータ13の間に滑りが発生しないようにする必要がある。そこで、ワッシャ21の厚みを調節してウェーブワッシャ20の潰し量を調節し、フォーカスリング6と連結リング19のスリップトルクを調節している。
このように、従来のレンズ鏡筒では、各部の摩擦力の大小関係が所定の関係にあることが必要であり、そのために、フォーカスリング6と連結リング19とのスリップトルクを調節すると共に、前側固定筒1とステータ13のスリップトルクを調節する必要がある。
従来、前側固定筒1とステータ13のスリップトルクの調節は、ワッシャ16の厚みを調節しウェーブワッシャ15の潰し量を調節することにより行われていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のレンズ鏡筒では、スリップトルクの調整作業が繁雑であった。
具体的には、図4に示すような状態にして前側固定筒1とステータ13のスリップトルクを測定し、測定値が所望の値でない場合は、摺動ピン14を前側固定筒1から外してステータ13を前側固定筒1から外す。そして、ウェーブワッシャ15を前側固定筒1から外し、ワッシャ16を厚みの異なるものに変更して、再びウェーブワッシャ15を前側固定筒1に組み込む。次に、ステータ13を前側固定筒1に組み込み、摺動ピン14を前側固定筒1にねじ込んで組み上げて、再度スリップトルクを測定して確認する必要があった。したがって、スリップトルクの調整を行うときには、一度組み立てたユニットをばらして、再度組み立てる必要があり、その後の確認で、所望の値になっていない場合には、もう一度ばらして組み立てる必要があった。
このように、従来のレンズ鏡筒は、スリップトルクの調整作業が難しく、調整を行う作業者に組み立て技術が必要であると共に、調整に時間がかかるという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、スリップトルクの調整が容易なレンズ鏡筒を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、請求項1の発明は、撮影光学系(L1,L2)と、固定筒(2,101)と、手動で操作可能な操作部材(6)と、前記固定筒に嵌合し、前記操作部材によって光軸を中心として回転可能であって、表面波を発生可能なステータ(113)、及びそのステータに摩擦接触し、前記表面波により光軸を中心に回転して前記撮影光学系を駆動可能なロータ(25)とを有する表面波モータと、前記ロータが回転するときに前記ステータが前記固定筒に対して回転しないように作用する摩擦力を生ずる加圧力を前記固定筒と前記ステータとの間に与える加圧部材(15)と、前記ステータの光軸方向の位置を変更することによって、前記加圧部材の加圧力を調整する加圧力調整部(113a,114)とを備え、前記加圧力調整部は、前記ステータの前記固定筒との嵌合面側に設けられたガイド溝(113a)と、前記固定筒に設けられ、前記ガイド溝に入り込むガイド部とを備えることを特徴とするレンズ鏡筒である。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のレンズ鏡筒において、前記ガイド溝(113a)は、前記ステータの円周方向に設けられ、前記ガイド部は、前記固定筒に植設されるガイドピン(114)を備え、前記加圧力調整部は、前記ガイド部の外径を変更することにより、前記加圧力を調整すること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1に記載のレンズ鏡筒において、前記ガイド溝(113a)は、前記ステータの円周方向に設けられ、前記ガイド部は、複数の偏心した接触面を有し前記固定筒に植設されるガイドピン(114)を備え、前記加圧力調整部は、前記ガイド溝に接触する前記接触面を変更することにより、前記加圧力を調整すること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に記載のレンズ鏡筒において、前記ガイドピンは、前記接触面が連続した偏心ピンであること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、前記ステータ(113)は、前記ステータの外周から前記ガイド溝(113a)に達し、前記加圧力調整部を調整することができる貫通孔(113b)を有すること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、前記操作部材と一体に回転するとともに、前記ステータに回転を伝える連結リングを有し、前記操作部材と前記連結リングのスリップトルクから前記固定筒と前記ステータのスリップトルクを引いたトルクが、前記ステータと前記ロータのスリップトルクより小さいこと、を特徴とするレンズ鏡筒である
請求項7の発明は、請求項6に記載のレンズ鏡筒において、前記ロータの回転が伝わる連動レバーと、前記固定筒に設けられ、前記連動レバーが当たることにより、前記ロータの回転を制限する制限部材とを有すること、を特徴とするレンズ鏡筒である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
図1は、本発明によるレンズ鏡筒の実施形態の断面図である。
本実施形態におけるレンズ鏡筒は、前群レンズL1,後群レンズL2,前側固定筒101,後側固定筒2,前群レンズ室3,外観筒4,セットビス5,フォーカスリング6,後群レンズ室7,移動枠8,カムピン9,連動レバー10,連動リング11,ビス12,ウェーブワッシャ15,連結キー17,ビス18,連結リング19,ウェーブワッシャ20,ワッシャ21,押え環22,連動ピン23,摺動ピン24,ロータ25,ウェーブワッシャ26,ステータ113,摺動ピン114等を備えている。
【0013】
前群レンズL1は、前群レンズ室3に保持され、フォーカシング動作によっては、移動しない撮影レンズの一部である。
【0014】
後群レンズL2は、撮影レンズの一部であって、後群レンズ室7に保持され、フォーカシング動作によって光軸方向へ移動する合焦レンズである。
【0015】
前側固定筒101は、レンズ鏡筒の中で移動せずベースとなる部材であり、後側固定筒2に固定されている。
【0016】
後側固定筒2は、図示しないカメラ本体に取り付けるマウントを有した固定部材であり、後述する移動枠8に植設された後述するカムピン9を移動するためのリード穴2aを有している。
前側固定筒101と後側固定筒2が接続されて、1つの固定筒としての役割を果たしている。
【0017】
前群レンズ室3は、前群レンズL1を保持するとともに、前側固定筒101に螺合され固定されている枠部材である。
【0018】
外観筒4は、レンズ鏡筒の外観となる部材であり、先端にフィルターを取り付けるためのフィルターネジ4aを有し、前側固定筒101に螺合され固定されている。
【0019】
セットビス5は、外観筒4のフィルターネジ4aへのフィルターの取り付け/取り外し時に外観筒4と前側固定筒101の螺合が弛まないように取り付けられているビスである。
【0020】
フォーカスリング6は、後側固定筒2と外観筒4の間に光軸周りの回転のみ可能に取り付けられている操作環であり、手動で回転させることで、ピント合わせが可能になる。
【0021】
後群レンズ室7は、後群レンズL2を保持するとともに、後述する移動枠8に螺合されている枠部材である。
【0022】
移動枠8は、後群レンズ室7を螺合し、後述のカムピン9が植設されている可動部材であり、フォーカシング動作によって光軸に沿った方向に移動する。
【0023】
カムピン9は、後側固定筒2のリード穴2aに入り込んでいるピンである。カムピン9に光軸周りに力を加えると、リード穴2aにガイドされ螺旋を描くように光軸周りに回転しながら光軸方向に移動する。カムピン9は、移動枠8に植設されているので、移動枠8は、カムピン9同様に光軸周りに回転しながら光軸方向に移動する。移動枠8は、後群レンズ室7に螺合しているので、後群レンズ室7は、移動枠8同様に光軸周りに回転しながら光軸方向に移動する。後群レンズ室7は、後群レンズL2を保持しているので、後群レンズL2は、光軸周りに回転しながら光軸方向に移動する。したがってカムピン9に光軸周りに力を加えると、後群レンズL2は、光軸方向に移動を行うのでピント合わせが可能になる。
【0024】
連動レバー10は、後述する連動リング11に固定され、連動リング11と共に回転する部材であり、カムピン9を嵌入する光軸と平行な連動穴10aを有する。
【0025】
連動リング11は、前側固定筒101に植設される後述の摺動ピン24にガイドされて光軸周りの回転のみ可能な部材である。連動リング11は、後述する連動ピン23を嵌入するための切り欠き11aを有している。
【0026】
ビス12は、連動レバー10を連動リング11に固定するビスである。連動リング11は、光軸周りに回転可能なので連動レバー10も光軸周りに回転し、連動穴10aによってカムピン9に光軸周りに力を加えることが可能になり、後群レンズL2は、光軸方向に移動可能になりピント合わせが可能となっている。
【0027】
ウェーブワッシャ15は、ステータ113を光軸方向に押している加圧部材(ばね座金)である。したがってステータ113が回転するには、ウェーブワッシャ15によって発生する摩擦力より大きな力が必要になる。
【0028】
連結キー17は、後述するビス18によってステータ113に固定されているキーである。
【0029】
ビス18は、連結キー17をステータ113に固定するビスである。
【0030】
連結リング19は、連結キー17が嵌入する切り欠き19aを有し、ステータ113の回転が伝達されるリングである。
【0031】
ウェーブワッシャ20は、連結リング19とフォーカスリング6が一体に回転するように摩擦力を与える加圧部材である。
【0032】
ワッシャ21は、ウェーブワッシャ20の潰し量を調節する座金である。
【0033】
押え環22は、フォーカスリング6にワッシャ21とウェーブワッシャ20と連結リング19を挟み込む環状の部材である。押え環22とフォーカスリング6との間にワッシャ21とウェーブワッシャ20と連結リング19を設けることにより、フォーカスリング6と連結リング19は、ウェーブワッシャ20の摩擦力で一緒に回転し、連結リング19の切り欠き19aから連結キー17に回転が伝わってステータ113が回転する。
【0034】
連動ピン23は、ロータ25に植設され連動リング11の切り欠き11aに嵌入されているピンである。
【0035】
摺動ピン24は、前側固定筒101に植設され、連動リング11を光軸周りの回転のみ可能なように保持するピンである。
【0036】
ロータ25は、超音波モータ(表面波モータ)の回転子であり、ステータ113に対し回転可能に保持され後述のウェーブワッシャ26により光軸方向のステータ113側に押されてロータ25の光軸方向の移動が阻止される。
【0037】
ウェーブワッシャ26は、ロータ25が回転するのに必要な加圧力をステータとの間に与えるばね座金である。
【0038】
ステータ113は、表面波を発生する超音波モータの移動子であり、ガイド溝として円周溝113aを有している。円周溝113aには、後述する摺動ピン114が入り込んでおり、この摺動ピン114にガイドされて光軸周りの回転が可能となっている。
【0039】
摺動ピン114は、ステータ113を案内するガイドピンであり、前側固定筒101に植設されている。摺動ピン114は、円周溝113aに入り込むガイド部の径が異なるものを何種類か用意し、後述するスリップトルクの調整を行うときに適宜選択して使用する。
なお、円周溝113aの幅は、摺動ピン114のガイド部の径が最大のものでも円周溝113aに入るように設定されている。
【0040】
図2は、摺動ピン114付近の断面を光軸方向から見た図である。
ステータ113の円周溝113aは、一部に貫通孔113bが空いており、摺動ピンの組み付けや交換を行うときには、ステータ113を回転して、貫通孔113bから摺動ピン114の取付・取り外しを行う。
上記のように、ステータ113の円周溝113aと摺動ピン114によって、ウェーブワッシャ15の加圧力を調整する加圧力調整部が形成されている。
【0041】
次に、本実施形態におけるレンズ鏡筒の作動について説明する。
まず、手動でピント合わせを行う場合を説明する。
ピント合わせのためにフォーカスリング6を回転する。その回転は、ウェーブワッシャ20の加圧力によって生じた摩擦力により連結リング19に伝わる。連結リング19の回転は、連結リング19の切り欠き19aから連結キー17に伝わり、ビス18に固定されたステータ113に伝わる。
フォーカスリング6より伝わったステータ113の回転は、ウェーブワッシャ26によって加圧されたロータ25との摩擦力によってロータ25に伝わり、ロータ25に植設された連動ピン23から連動リング11の切り欠き11aに伝わり連動リング11に伝わる。
【0042】
連動リング11の回転は、ビス12に固定された連動レバー10に伝わり、連動レバー10の連動穴10aを介してカムピン9に伝わる。カムピン9に伝わった回転により、カムピン9は、後側固定筒2のリード穴2aにガイドされて螺旋を描き光軸周りを回転しながら光軸方向に移動する。
カムピン9は、移動枠8に植設されているので、同様に移動枠8は、光軸周りを回転しながら光軸方向に移動する。
後群レンズ室7は、移動枠8に螺合されているので移動枠8と同様光軸周りを回転しながら光軸方向に移動する。
後群レンズL2は、後群レンズ室7に保持されているので後群レンズ室7同様光軸周りを回転しながら光軸方向に移動する。
後群レンズL2は、光軸方向に移動するので、ピント位置が移動する。
したがって、フォーカスリング6を手動で回転することによってピント位置が移動しピント合わせができる。
【0043】
本実施形態におけるレンズ鏡筒は、オートフォーカスでのピント合わせも可能であり、その動作を次に説明する。
オートフォーカス時には、超音波モータのステータ113とロータ25に相対回転を発生させる。ステータ113は、ウェーブワッシャ15により光軸方向に加圧されており、摩擦力によって前側固定筒101とは相対回転しにくくなっている。そのため、ステータ113とローター25との相対回転では、ステータ113が前側固定筒101に対して回転しないで、ロータ25が前側固定筒101に対して回転する。
ロータ25の回転は、ロータ25に植設された連動ピン23から連動リング11の切り欠き11aに伝わり連動リング11に伝わり、前述した手動の場合と同様にして、後群レンズL2が光軸方向に移動し、超音波モータのステータ113とロータ25との相対回転によってピント位置が移動しピント合わせができる。
【0044】
本実施形態におけるレンズ鏡筒のピント合わせ可能範囲は、前側固定筒101に存在する回転制限101aによって連動レバー10の回転が制限された範囲である。この回転制限101aに連動レバー10が当たった状態で、更にフォーカスリング6を回したとすると、どこかに滑りが生じることが必要となる。
例えばローター25とステータ113の間で滑りが発生した場合は、甲高い耳障りな金属音が発生するとともに、無理に滑りを発生させると、ローター25とステータ113の接触面が荒れモータの性能を落とすことになってしまう。
【0045】
そのために、フォーカスリング6を回転させて回転制限101aに達し、更に同じ方向にフォーカスリング6を回転させようとした場合は、フォーカスリング6と連結リング19との間に滑りが発生するようにし、ローター25とステータ113の間に滑りが発生しないようにする必要がある。このため、ワッシャ21の厚みを調節してウェーブワッシャ20の潰し量を調節し、フォーカスリング6と連結リング19とのスリップトルク(加圧力)の調節を行っている。
【0046】
ステータ113とロータ25との間でスリップが発生しない条件は、フォーカスリング6と連結リング19のスリップトルクT20から前側固定筒101とステータ113のスリップトルクT15を引いたトルクがステータ113とロータ25のスリップトルクT26よりも小さいことである。数式にすると、
T26>T20−T15 …(式1)
を満たす必要がある。
【0047】
なお、ステータ113とロータ25のスリップトルクT26は、超音波モータとしての性能を決めるパラメータであるので、(式1)を満たすための調整においては、スリップトルクT26の調整は行わない。
したがって、フォーカスリング6と連結リング19のスリップトルクT20を調節すると共に、前側固定筒101とステータ113のスリップトルクT15を調節する必要がある。
【0048】
前側固定筒101とステータ113のスリップトルクT15の調節は、摺動ピン114の径を変えてステータ113の光軸方向の位置を変更することによって、ウェーブワッシャ15の潰し量を変化させて行う。
例えば、前側固定筒101とステータ113のスリップトルクT15が所望より小さい場合は、ウェーブワッシャ15の潰し量を増せば加圧力が増加して、摩擦力を増やすことができるので、摺動ピンの径がより大きいものに組み替えればウェーブワッシャ15の潰し量が増えてスリップトルクT15が増加する。
【0049】
なお、スリップトルクT15の調整を行うときに、摺動ピン114の径の変化によってステータ113の位置が光軸方向に変化するが、ステータ113に固定された連結キー17と連結リング19の切り欠き19aの係合関係と、ロータ25に固定された連動ピン23と連動リング11の切り欠き11aの係合関係は、ステータ113の光軸方向の移動に影響を受けない構成であり、調整によるステータ113の光軸方向の移動により回転の伝達に不具合が生じることはない。
また従来のように、調整のためにステータ113を前側固定筒101から取り外すことなく、摺動ピン114を取り替えることにより調整可能であるため、作業性が格段に向上する。
【0050】
本実施形態によれば、摺動ピン114の径を調整することによりウェーブワッシャ15の潰し量を調整し、前側固定筒101とステータ113のスリップトルクT15を調整できるため、従来のように、調整のためにステータ113を前側固定筒101から取り外す必要がなく、スリップトルクT15の調整を容易にすることができる。
【0051】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
例えば、本実施形態において、外径が異なる摺動ピン114を複数用意する例を示したが、例えば、複数の(例えば4つの)偏心した接触面を同一の摺動ピンに設けて、ウェーブワッシャ15の加圧力を受けてステータ113と接触する接触面を選択するようにしてもよいし、この接触面が連続した偏心ピンとしてもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、請求項1の発明によれば、ステータの光軸方向の位置を変更することによって、加圧部材の加圧力を調整する加圧力調整部を備えるので、加圧力を簡単に調整することができる。
【0053】
請求項2の発明によれば、ガイド溝と、ガイドピンとを備え、加圧力調整部は、ガイド部の外径を変更することにより、加圧力を調整するので、ガイドピンを交換するだけで加圧力を変更することができ、ユニットをばらす必要がない。
【0054】
請求項3の発明によれば、ガイド溝と、ガイド溝に入り込み、複数の偏心した接触面を有するガイド部を有し固定筒に植設されるガイドピンとを備え、加圧力調整部は、ガイド溝に接触する接触面を変更することにより、加圧力を調整するので、ガイドピンを複数種類用意することなく、更に簡単に加圧力を調整することができる。
【0055】
請求項4の発明によれば、ガイドピンは、接触面が連続した偏心ピンであるので、加圧力の調整を無段階で行うことができる。
【0056】
請求項5の発明によれば、ステータは、ステータの外周からガイド溝に達し、加圧力調整部を調整することができる貫通孔を有するので、作業性をよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレンズ鏡筒の実施形態の断面図である。
【図2】摺動ピン114付近の断面を光軸方向から見た図である。
【図3】従来のレンズ鏡筒を示す断面図である。
【図4】従来のレンズ鏡筒において、スリップトルクの調整を行うときのユニットを示す図である。
【符号の説明】
1 前側固定筒
1a 回転制限
2 後側固定筒
2a リード穴
3 前群レンズ室
4 外観筒
4a フィルターネジ
5 セットビス
6 フォーカスリング
7 後群レンズ室
8 移動枠
9 カムピン
10 連動レバー
10a 連動穴
11 連動リング
11a 切り欠き
12 ビス
13 ステータ
14 摺動ピン
15 ウェーブワッシャ
16 ワッシャ
17 連結キー
18 ビス
19 連結リング
19a 切り欠き
20 ウェーブワッシャ
21 ワッシャ
22 押え環
23 連動ピン
24 摺動ピン
25 ロータ
26 ウェーブワッシャ
101 前側固定筒
101a 回転制限
113 ステータ
113a 円周溝
113b 貫通孔
114 摺動ピン
L1 前群レンズ
L2 後群レンズ

Claims (7)

  1. 撮影光学系と、
    固定筒と、
    手動で操作可能な操作部材と、
    前記固定筒に嵌合し、前記操作部材によって光軸を中心として回転可能であって、表面波を発生可能なステータ、及びそのステータに摩擦接触し、前記表面波により光軸を中心に回転して前記撮影光学系を駆動可能なロータとを有する表面波モータと、
    前記ロータが回転するときに前記ステータが前記固定筒に対して回転しないように作用する摩擦力を生ずる加圧力を前記固定筒と前記ステータとの間に与える加圧部材と、
    前記ステータの光軸方向の位置を変更することによって、前記加圧部材の加圧力を調整する加圧力調整部とを備え、
    前記加圧力調整部は、前記ステータの前記固定筒との嵌合面側に設けられたガイド溝と、前記固定筒に設けられ、前記ガイド溝に入り込むガイド部とを備えること、
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
    前記ガイド溝は、前記ステータの円周方向に設けられ、
    前記ガイド部は、前記固定筒に植設されるガイドピンを備え、
    前記加圧力調整部は、前記ガイド部の外径を変更することにより、前記加圧力を調整すること、
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  3. 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
    前記ガイド溝は、前記ステータの円周方向に設けられ、
    前記ガイド部は、複数の偏心した接触面を有し前記固定筒に植設されるガイドピンを備え、
    前記加圧力調整部は、前記ガイド溝に接触する前記接触面を変更することにより、前記加圧力を調整すること、
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  4. 請求項3に記載のレンズ鏡筒において、
    前記ガイドピンは、前記接触面が連続した偏心ピンであること、
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、
    前記ステータは、前記ステータの外周から前記ガイド溝に達し、前記加圧力調整部を調整することができる貫通孔を有すること、
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒において、
    前記操作部材と一体に回転するとともに、前記ステータに回転を伝える連結リングを有し、
    前記操作部材と前記連結リングのスリップトルクから前記固定筒と前記ステータのスリップトルクを引いたトルクが、前記ステータと前記ロータのスリップトルクより小さいこと、
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  7. 請求項6に記載のレンズ鏡筒において、
    前記ロータの回転が伝わる連動レバーと、
    前記固定筒に設けられ、前記連動レバーが当たることにより、前記ロータの回転を制限する制限部材とを有すること、
    を特徴とするレンズ鏡筒。
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