JP2005043494A - バリフォーカルレンズ - Google Patents

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JP2005043494A JP2003200930A JP2003200930A JP2005043494A JP 2005043494 A JP2005043494 A JP 2005043494A JP 2003200930 A JP2003200930 A JP 2003200930A JP 2003200930 A JP2003200930 A JP 2003200930A JP 2005043494 A JP2005043494 A JP 2005043494A
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Takayasu Owada
孝泰 大和田
Tokuo Yamashita
篤男 山下
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Abstract

【課題】バックフォーカス調整を簡単かつ確実にできるようにする。
【解決手段】前レンズ群2及び後レンズ群3と、前レンズ群2をガイド機構を介し前筒部2前後へ可動するフォーカスリング6と、後レンズ群3をガイド機構を介し後筒部3前後へ可動するズームリング7とを備えていると共に、カメラ本体40に対しボードマウント56を介し取り付けられるバリフォーカルレンズ1において、ズームリング7の配置部38に略定角度づつ回転操作可能に保持されて、偏芯した先端軸部12を内側へ貫通している調整用偏芯ピン10と、後筒部3の周囲方向に設けられて、先端軸部12を周方向の対応当て付け端面35aに当接する溝部35とを有している。そして、偏芯ピン10の回転操作により、先端軸部12の位置変位に応じて後レンズ群3を可動させてバックフォーカス調整を行えるようにした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視用カメラなどに用いられるバリフォーカルレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
バリフォーカルレンズは、機能及び価格等の点から、固定焦点レンズと、焦点距離を随時可変させるズームレンズとの中間に位置し、監視用カメラに多用されて画角及びフォーカスを使用箇所への設置時に調整する。構造は、本発明を適用した図2で説明すると、鏡筒を構成している前後筒部2,3と、該前後筒部に前後動自在に組み付けられる前レンズ群4及び後レンズ群5と、前筒部2に対し前レンズ群4をガイド機構を介し前後調整するフォーカスリング6と、後筒部3に対し後レンズ群5をガイド機構を介し前後調整するズームリング7を備えている。また、バリフォーカルレンズは、カメラ本体との間にマウントを介し取り付けられる。このマウント構造は、カメラ本体のレンズ装着部に螺合により取り付けられるC(及びCS)マウント方式(特許文献1,2)と、カメラ本体のレンズ装着部に止め具により取り付けられるボードマウント方式とがある。前者は、後者に比べてバックフォーカス調整を行い易いが、雄・雌ねじ加工を施すため複雑高価となる。ここで、バックフォーカス調整では、例えば、図6(b)の模式図のように、ワイド(ズーミング可能範囲で一番広い面積を映す縮小画面)及びテレ(反対の拡大画面)の各状態でピントを合わせたとき、レンズ60を通った光がカメラ本体側の撮像素子44に合焦するジャストピント位置0より若干後方m1、つまり余裕がある状態で戻せばジャストピント位置0となる状態、つまりオーバーインフを満たすようにする。具体的には、カメラ本体へのレンズ取付工程等でオーバーインフを確認し、オーバーインフを満たさない場合、次のようなる修正作業が行われる。
【0003】
なお、図6(a)は、前記ボードマウントを介しカメラ本体に取り付けられる従来のバリフォーカルレンズ50及び前記修正作業を示している。同図において、符号51は絞り羽根装置、符号52は図2の6に対応したフォーカスリングと、符号53は図2の7に対応したズームリング、符号54,55は各リング52,53を対応前後筒部62,63に止める固定ねじである。カメラ本体40は、筐体41の前開口に対応して内設された回路基板42と、回路基板42に装着されてフイルター43及びCCD等の撮像素子44等を保持している筒部45とを有している。ボードマウント56は、筒部45を内側に入れた状態で回路基板42に対し止め具57で取り付けられる。また、従来のレンズ構造では、バリフォーカルレンズ50(後筒部62の周囲段差端面)とボードマウント56(先端面)との間にL寸法だけ間隔を持たせて設計されており、該間隔Lを調整してオーバーインフとなるよう修正作業が行われる。この作業では、同(c)の側面と(d)の正面図に示されるような薄板状の冶具70が使用されることもある。すなわち、最初は、冶具70として厚さ1mmのものを間隔Lに差し込んでオーバーインフを確認する。オーバーインフを満たさない場合は、それよりも薄い冶具70を使用して再びオーバーインフを確信する。これをオーバーインフを満たすまで行う。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−214369号公報
【特許文献2】
特開2001−125163号公報
【0005】
【発明が解しようとする課題】
上記従来の修正作業は、隙間Lが極小さく微調整であるため、又、ワイド及びテレの各状態でオーバーインフを確認しなが行うため、熟練を必要としたり、冶具70を使用しても時間がかかっている。また、従来構造では、以上の修正作業によりカメラ組立手順等が制約されることも起きるため、例えば、バリフォーカルレンズ50をカメラ本体40のボードマウント56に固定した後、修正作業を行えるようにして組立手順の自由度を拡大したいという要望もある。
【0006】
本発明は以上のような背景に鑑み開発されたものである。その目的は、上記したバックフォーカス調整を簡単かつ確実に行うことができ、又、バリフォーカルレンズをボードマウントに固定した状態で前記の修正作業を行えるようにして組立手順的な制約を解消することにある。他の目的は以下の内容説明の中で明らかにする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、図面の例で特定すると、鏡筒に組み込まれる前レンズ群2及び後レンズ群3と、前記前レンズ群2をガイド機構を介し前記鏡筒の前筒部前後へ可動するフォーカスリング6と、前記後レンズ群3をガイド機構を介し前記鏡筒の後筒部前後へ可動するズームリング7とを少なくとも備えていると共に、カメラ本体40に対しボードマウント56を介し取り付けられるバリフォーカルレンズ1において、前記ズームリング7に設けられた配置部38に略定角度づつ回転操作可能に保持されて、偏芯した先端軸部12を該ズームリング内側へ貫通している調整用偏芯ピン10と、前記鏡筒の後筒部周囲方向に設けられて、前記偏芯ピン10の先端軸部12を周方向の対応当て付け端面35aに当接する溝部35とを有しており、バックフォーカス調整として、前記偏芯ピン10の回転操作により、前記先端軸部の位置変位に応じ前記後レンズ群3を可動調整可能にしたことを特徴としている。なお、本発明の偏芯ピンは、先端軸部がピンの中心軸線上から偏芯して設けられており、偏芯ピンを回転すると、該先端軸部の位置が変わるピンである。
【0008】
以上のレンズ構造は、バックフォーカス調整を偏芯ピンの回転操作により行えるようにしたものであり、例えば、上記オーバーインフを満たさない場合、偏芯ピンを所定角度づつ回転しながら修正可能にしたものである。修正原理は、偏芯ピンを所定角回転すると、該偏芯ピンの先端軸部が偏芯度合いに応じて位置を変えて(後筒部側溝部の当て付け端面に対する位置を変更して)、ズームリングを鏡筒の後筒部に対し回転し、該回転によりガイド機構を介し後レンズ群を光軸方向へ動かしてオーバーインフを充足させる。なお、ズームリングのズーミング設計角度は、該偏芯ピンの回転に伴う(先端軸部の位置変更分)角度変化分だけ平行回転されて、ズームリングが図1(b)のワイドとテレとの間の設計回転角aを維持し、鏡筒に対し回転方向だけが偏芯ピンの回転角(先端軸部の位置変更分)に応じてa1からa2の範囲でずれることになる。以上の利点は、従来修正作業のように熟練を必要とせず、容易かつ迅速に行うことができ、同時に図1(a)のごとくカメラ本体側のボードマウントに固定した状態で行えるようにして作業手順的な制約を解消可能にする。
【0009】
・請求項2は鏡筒の後筒部側の配置部及びズームリングに付設される偏芯ピンの具体例を特定したものである。この構造は、偏芯ピンが窪み部内に入れられて、互いの凹凸部によりクリック作用を伴って回転され、又、凹凸部を形成している山と谷とのピッチに対応した角度づつ回転されるため、修正作業において偏芯ピンを前記ピッチに対応した角度づつ確実に回転可能にして偏芯ピンの先端軸部位置を可変する。この結果、後レンズ群が偏芯ピンの回転でズームリングの回転を伴って光軸方向へ動かされる。
・請求項3は偏芯ピンの保持構造例を特定したものである。この構造では、板ばねを付設するだけで偏芯ピンを回転可能かつ確実に弾性保持可能にする。
・請求項4は、前記板ばねを付設した場合に偏芯ピンをどの様に回転操作するかを明瞭化したものである。板ばねは、取付部(16)及び開口部(17)を有し、開口部を偏芯ピンの頭部に押し付けるだけで偏芯ピンの回転操作を損なうことなく、弾性保持可能にする。
・請求項5はバリフォーカルレンズとカメラ本体及びボードマウントとの関係を明瞭化したものである。但し、本発明のバリフォーカルレンズは、カメラ本体にボードマウント(カメラ本体の装着部に対し螺合以外の止め具により固定される構成)を介し取り付けられれば、これ以外のカメラ本体でも差し支えない。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図1から図5により説明する。図1は本発明を適用したバリフォーカルレンズを示し、同(a)はカメラ本体との関係を示す模式側面図(便宜上、固定ねじ9Aを省略した)、同(b)は前側より見た正面図である。図2は前記バリフォーカルレンズを拡大して示す下側の半断面図である。図3は前記バリフォーカルレンズの構成部材の関係を示す模式構成図である。図4はズームリング側の要部を拡大して示し、同(a)は偏芯ピンと窪み部との関係図、同(b)は偏芯ピンの組込状態図である。以下の説明では、全体の概要、レンズ構造、修正特徴の順に詳述する。
【0011】
(概要)図1〜図4に示すバリフォーカルレンズ1は、鏡筒を構成している前筒部2及び後筒部3と、前筒部2内に配置される前レンズ群4と、後筒部3内に配置される後レンズ群5と、前筒部2に組み込まれて前レンズ群4をガイド機構を介し前筒部2の前後へ可動調整するフォーカスリング6と、後筒部3に組み込まれて後レンズ群5をガイド機構を介し後筒部3の前後へ可動調整するズームスリング7と、前後筒部2,3の間に配設されている絞り装置8と、フォーカスリング6の回転を止める固定ねじ9Aと、ズームスリング7の回転を止める固定ねじ9Bとを備え、カメラ本体40に対しボードマウント56を介し取り付けられる点で従来構造とほぼ同じ。要部は、特に、ズームリング6に付設された偏芯ピン10及び板ばね15と、該偏芯ピン10に対応して後筒部3に設けられた溝部35とを有し、偏芯ピン10の回転操作によりバックフォーカス調整時の上記した修正を行えるようにした点にある。従って、図面上は、カメラ本体40及びボードマウント56に図6と同じ符号を付している。カメラ本体40は、筐体41の前開口に対応して内設された回路基板42と、回路基板42に装着されてフイルター43及びCCD等の撮像素子44等を保持している筒部45とを有している。ボードマウント56は、略矩形の筒部56a及び略円形の筒部56bからなる。筒部56aは、筒部45を内側に入れた状態で回路基板42に対し止め具57で取り付けられる。筒部56bは従来より少し短く形成され、後筒部3の対応部を差し込んで止め具58で取り付けられる。なお、形態例はレンズが2群であるが、例えば、前レンズ群4と後レンズ群5との間に1以上の固定レンズ群を付設する全3群以上の形式でもよい。
【0012】
(レンズ構造)前記鏡筒は、図3のごとく、前筒部2及び後筒部3が嵌め合い構造にて一体に結合されている。このうち、前筒部2は、外周が前側の径大部20を除いてほぼ同じ寸法、内周が後側の径小部21を除いてほぼ同じ寸法に形成された筒部材である。周囲には、径大部20の手前と径小部21の手前との間に複数(この例では3つ)の案内溝23が周囲等分するよう設けられている。後端側には、径小部21の一部を欠如した切欠部21a及び端面に設けられた複数の取付孔21bが設けられている。これに対し、後筒部3は、外周が前側の径大フランジ部30及び後側の径小筒部31を除いてほぼ同じ寸法、内周が径小筒部31の内径を除いてほぼ同じ寸法に形成された筒部材である。周囲には、フランジ部30の手前と径小筒部31の手前との間に複数(この例では3つ)の案内溝33が周囲等分するよう設けられている。フランジ部30は、上側に間隔を保って設けられている対の突起33と、該突起33同士の間にある筒部分を上下貫通している不図示の導入穴と、フランジ部30の後端に設けられている複数の取付孔30aを有している。径小筒部31は、最小内径を形成し、外周に位置決め突起34a等を有している。該突起34aは、後筒部3をボードマウント56に取り付ける際、径小筒部31を筒部56b側の対応凹部に嵌合して位置決めする。そして、バリフォーカルレンズ1(後筒部3)は、その位置決め状態で止め具58(図2参照)が筒部56bの取付孔56cより螺入されて径小筒部31に係止されることにより取り付けられる。
【0013】
また、後筒部3には、径小筒部31の手前にあって周方向に溝部35が設けられている。溝部35は、後筒部3の軸線上と略同心で、筒周方向に長くなった略矩形の溝形状をなし、筒周方向に対向している各端面35aが偏芯ピン10に対する突き当て端面となる。溝部35は、凹状であるが、筒を貫通していてもよい。端面35a同士の間隔又は軸線上からの角度は、図1(b)のワイドとテレとの間の設計回転角aと一致している。つまり、後述する偏芯ピン10との関係では、両端面35aの一方がワイド位置に対応し、他方がテレ位置に対応している。
【0014】
以上の鏡筒には、図2のごとく前筒部2に対し前レンズ群4とフォーカスリング6とが組み付けられ、後筒部3に対し後レンズ群5とズームスリング7とが組み付けられる。このうち、前レンズ群4は前枠25内に複数のレンズ26を装着し、後レンズ群5は後枠27に複数のレンズ28を装着した構成である。図面上はレンズの一部のみ図示している。前後枠25,27には、前記案内溝23,33に嵌合する軸29a,29bが各案内溝と対応する数だけそれぞれ設けられている。そして、前レンズ群4は、前筒部2に対し各軸29aを対応案内溝23の内側より外へ突出した状態で光軸方向へ可動自在に組み込まれる。後レンズ群5は、後筒部3に対し各軸29bを対応案内溝33の内側より外へ突出した状態で光軸方向へ可動自在に組み込まれる。
【0015】
フォーカスリング6は、内周に設けられた複数の案内溝(湾曲したカム側案内溝)36及び固定ねじ9Aを外より内周へ突出する取付孔6aを有している。ズームリング7は、内周に設けられた複数の案内溝(湾曲したカム側案内溝)37及び固定ねじ9Bを外より内周へ突出する取付孔7aと共に、外周に設けられて偏芯ピン10及び板ばねを組み込むための配置部38を有している。固定ねじ9A,9Bは、例えば、バリフォーカルレンズ1がカメラ本体40に取り付けられて製品化され、目的の場所にカメラを設置する段階でフォーカス及び画角調整後にその状態を保つため使用される。案内溝23,36同士、及び案内溝32,37同士の溝関係は、一方が直線溝で他方が湾曲した非直線溝であればよい。
【0016】
以上のフォーカスリング6は、前筒部2に対し内蔵されている前レンズ群4の各軸29aを案内溝36に合わせた状態で組み込まれる。該組立状態では、フォーカスリング6を回転すると、前レンズ群4が軸部29aと案内溝23及びカム側案内溝36によるガイド機構を介して光軸方向に連動して可動される。同様に、ズームリング7は、後筒部6に対し内蔵されている後レンズ群5の各軸29bを案内溝37に合わせた状態で組み込まれる。該組立状態では、ズームリング7を回転すると、後レンズ群5が軸部29bと案内溝32及びカム側案内溝37によるガイド機構を介して光軸方向に連動して可動される。なお、フォーカスリング6及びズームリング7の回転角aは、ほぼ同じくなるよう設定され、前後レンズ群4,5がそれぞれ独立して設計上のワイド位置からテレ位置まで前後へ可動される。
【0017】
また、ズームリング7の配置部38は、図4のごとく外周に突設され、内側にあって筒周方向に並んでいる第1窪み部38a及び第2窪み部38bを有している。第1窪み部38aは、底面中心に設けられた貫通孔38cと、底面に設けられた凹凸部39とからなる。凹凸部39は、第1窪み部38aの底面から少し下側に向けて刻設され、かつ、貫通孔38cを中心する周囲に山及び谷を連結して形成した構成である。第2窪み部38bは、第1窪み部38aの底面より少し深く形成され、又、取付孔39dを貫通形成している。
【0018】
そして、配置部38には偏芯ピン10及び板ばね15が組み込まれる。偏芯ピン10は、第1窪み部38aに回転自在に入れられる径大頭部11と、該頭部11の下端面にあって中心の軸線上から変位して片側に突設された先端軸部12と、該頭部11の周囲下側に設けられた凹凸部13とを一体に有している。頭部11には、図1のようにドライバー71等を係止する操作用の嵌合溝11aが外端面に設けられている。先端軸部12は、第1窪み部38aの貫通孔38cに充分な余裕を持って差し込まれる。凹凸部13は、頭部11の下側周囲を径小段差にし、かつ、該径小段差端面に前記した凹凸部39とクリック嵌合する山及び谷を連結して形成した構成である。板ばね15は、第1窪み部38a及び第2窪み部38bに対応した段差を持つ形状で、第2窪み部38bに配置される部分16が基端となり、第1窪み部38aに配置される部分17が付勢側に設定されている。部分16には挿通孔16aが設けられ、部分17には前記嵌合溝11aを露出する開口17aが設けられている。そして、この構造では、偏芯ピン10を第1窪み部38aに挿入した後、板ばね15を両窪み部38a,38bに配置する。
この状態から、板ばね15は、止めねじ18が板ばね15の挿通孔16aより第2窪み部38bの取付孔39dに螺入操作されて係止される。すると、偏芯ピン10は、板ばね15の部分17により下向きに付勢されて、該付勢力により凹凸部39に対する凹凸部13のクリック嵌合を維持して、第1窪み部38aに対し略定角度づつ回転操作可能に保持される。この例では、凹凸部39又は/及び凹凸部13が概略冠歯車形であり、偏芯ピン10が1回転する間に8箇所でクリック嵌合するにしている。但し、凹凸部39と凹凸部13とは、例えば、一方が山と谷とを連続した凹凸形状で、他方が該形状にクリック嵌合可能な複数の爪等でもよい。
【0019】
以上の前組立体(前筒部2、前レンズ群4、フォーカスリング6)と、後組立体(後筒部3、後レンズ群5、ズームリング7)とは、前筒部2の後側と後筒部3の前側とが嵌め合わされた状態にされ、不図示の止めねじがフランジ部30側より取付孔30aから取付孔21bに螺入操作されることで一体化される。その際は、絞り羽根装置8が突起33同士の間にある導入穴より挿入されて、不図示の止めねじ等により取り付けられる。これにより、バリフォーカルレンズ1が組み立てられる。なお、絞り羽根装置8は、複数枚の絞り羽根を自動で開閉するタイプであるが、特許文献1の手動式にして簡略化を図るようにしてもよい。
【0020】
(作動)バリフォーカルレンズ1は、図2の状態において、前レンズ群4及び後レンズ群5が上記したようにフォーカスリング6及びズムーリング7の回転により、上記した対応ガイド機構を介して実線のワイド位置から想像線のテレ位置まで光軸方向へ可動される。また、カメラ本体40にボードマウント56を介して組み付けられる。これらは従来とほぼ同じである。しかし、バックフォーカス調整において、従来構造では、カメラ本体40への取付過程等で上記したオーバーインフを確認し、オーバーインフを満たさない場合は図6(a)のような隙間Lを間隔調整しなければならなかった。これに対し、以上のバリフォーカルレンズ1は、図1のようにカメラ本体40にボードマウント56を介して取り付けて固定した後、オーバーインフを満たさない場合の修正を行うことができる。これは、例えば、オーバーインフを満たさないものをストックしておき、後でまとめて修正作業するとを可能にし、カメラ組立又はレンズ取付工程上の制約を緩和し、作業改善及びコスト低減化に寄与できることを意味している。
【0021】
図5は本発明の修正作動を模式化し、同(a)は偏芯ピンと溝部との作動関係を示し、同(b)は後レンズ群、後筒部、ズムーリング及び偏芯ピンとの作動関係を示している。
(ア)、まず、同(a)において、偏芯ピン10は、上記したズームリング7側第1窪み部38a内で板ばね15により弾性保持され、又、凹凸部13,39同士の噛み合いを介しクリック的に所定角度づつ回転される。ここでは、例えば、左上図のごとく、偏芯ピン10が先端軸部12を頭部11の片側半分に突出していること、1回転される間に前記凹凸部を介し4箇所つまり90度毎にクリック的に係合保持(クリック嵌合)される(実際は8回以上、つまり45度以下の定角度毎にクリック嵌合される)こと、先端軸部12が後筒部3側溝部38の一方の当て付け端面38aに当たっていると仮定する。このケースでは、偏芯ピン10を90度回転すると、先端軸部12が左上から右上図のごとく位置(筒周方向の位置y寸法)を変えて、当て付け端面35aに対し異なる箇所で当接する。すなわち、この構造では、偏芯ピン10が回転されると、先端軸部12が対応端面35aと当たる箇所を変更する。
(イ)、ここで、前記y寸法は、ワイド方向に最大であり、同様に偏芯ピン10が右上から更に同方向へ180度回転されたときにテレ方向で最大となる。この例では、先端軸部12が直径xの1/2分だけ筒周方向へ位置を変更したことになる。具体的には、例えば、先端軸部12の直径xが1.5mmすると、偏芯ピン10が4箇所でクリック嵌合する態様だと左右対称になっているため1クリック回転毎に概略1.5/2mmづつ、同様に、8箇所でクリック嵌合する態様だと1クリック回転毎に概略1.5/4mmというように、前記y寸法を小さく設定できる。なお、偏芯ピン10は、回転後も板ばね15による弾性保持及凹凸部13,39の嵌合により不用意に回転されない。このため、この構造では、例えば、バックフォーカス調整として、オーバーインフを左側又は右側の状態で充足したとすると、その状態が維持されて上下に示したワイド及びテレ位置として確定される。
【0022】
(ウ)、同(b)において、後レンズ群5は後筒部3に対し上記したガイド機構を介しズムーリング7の回転により可動される。ここで、左図は組立後のバリフォーカルレンズ1で、図1のカメラ本体40にボードマウント56を介し取り付けられた状態(組立後のワイド位置)と仮定する。この構造では、オーバーインフを満たしているか否かが確認され、満たしていない場合は次の修正作業によりオーバーインフを充足させる。修正要領は、例えば、ドライバー71等を偏芯ピン頭部11の嵌合溝11aに係止して、偏芯ピン10を1クリックだけ回転する。すると、上記した(a)左から右図の状態となる。同(b)はそのときのズームリング7及び後レンズ群5の作動を示している。この例では、ズームリング7が前記y寸法だけ左図の矢印つまり筒周方向へ平行回転され、後レンズ群5がその回転に伴って右図のように前方へ動く。後レンズ群5の可動量は、偏芯ピン10の回転運動を対応突き当て端面35aに対する先端軸部12の位置変位として変換する関係で、例えば0.25mm程度と小さくできる。これにより、この構造では、設計上のオーバーインフを充足するまで以上の操作い、次にテレ位置で同様に確認及び必要に応じ修正されることになる。
【0023】
なお、本発明は、上記した形態に何ら制約されるものではない。本発明は、請求項1で特定される要件を備えておればよく、細部についてはこの形態例をベースにして種々変形できるものである。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明のバリフォーカルレンズは、バックフォーカス調整時のオーバーインフを充足させる修正作業をズームリング側に保持されている偏芯ピンの回転操作により後レンズ群を光軸方向へ定量づつ動かしながら確実かつ迅速に行うことができ、又、カメラ本体側ボードマウントに取り付けた後に修正可能なことから組立手順の制約を緩和して設計及び組立上の自由度を拡大できる等の効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】形態例のバリフォーカルレンズをカメラ本体と共に示す図である。
【図2】上記バリフォーカルレンズの半断面図である。
【図3】上記バリフォーカルレンズを分解した模式構成図である。
【図4】上記バリフォーカルレンズの要部を示す図である。
【図5】上記バリフォーカルレンズの要部作動を説明するための図である。
【図6】従来の問題を説明するための図である。
【符号の説明】
1…バリフォーカルレンズ
2…鏡筒の前筒部(23は案内溝)
3…鏡筒の後筒部(32は案内溝)
4…前レンズ群(29aは軸)
5…後レンズ群(29bは軸)
6…フォーカスリング(37は案内溝)
7…ズームリング(38は配置部、38a,38bは窪み部、39は凹凸部)
10…偏芯ピン(11は頭部、12は先端軸部、13は凹凸部)
15…板ばね(16は基端側部分、17は開口を形成している部分)
35…溝部(35aは突き当て端面)
40…カメラ本体(42は回路基板、44は撮像素子)
56…ボードマウント

Claims (5)

  1. 鏡筒に組み込まれる前レンズ群及び後レンズ群と、前記前レンズ群をガイド機構を介し前記鏡筒の前筒部前後へ可動するフォーカスリングと、前記後レンズ群をガイド機構を介し前記鏡筒の後筒部前後へ可動するズームリングとを少なくとも備えていると共に、カメラ本体に対しボードマウントを介し取り付けられるバリフォーカルレンズにおいて、
    前記ズームリングに設けられた配置部に略定角度づつ回転操作可能に保持されて、偏芯した先端軸部を該ズームリング内側へ貫通している調整用偏芯ピンと、前記鏡筒の後筒部周囲方向に設けられて、前記偏芯ピンの先端軸部を周方向の対応当て付け端面に当接する溝部とを有しており、
    バックフォーカス調整として、前記偏芯ピンの回転操作により、前記先端軸部の位置変位に応じ前記後レンズ群を可動調整可能にしたことを特徴とするバリフォーカルレンズ。
  2. 前記配置部は窪み部及び該窪み部の略中心に設けられた貫通孔並びに該窪み部の内底面に設けられて山及び谷を連結している凹凸部を有し、前記偏芯ピンは径大頭部及び該頭部下端面の片側に突設された前記先端軸部並びに該頭部の周囲下側に設けられて前記凹凸部とクリック嵌合する凹凸部とを有している請求項1に記載のバリフォーカルレンズ。
  3. 前記窪み部に配置された前記偏芯ピンを下向きに付勢し、かつ前記頭部を回転操作可能に露出配置する板ばねを有している請求項1に記載のバリフォーカルレンズ。
  4. 前記偏芯ピンが前記頭部に嵌合溝を有し、前記板ばねが前記嵌合溝を露出する開口を形成している請求項3に記載のバリフォーカルレンズ。
  5. 前記カメラ本体が回路基板に装着した撮像素子を有し、前記ボードマウントが前記撮像素子を内部に挿入した状態で前記回路基板に固定され、前記鏡筒が前記ボードマウントに対し前記後筒部の一部を挿入した状態で固定される請求項1から4の何れかに記載のバリフォーカルレンズ。
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