JP4691766B2 - カレンダーとその製本方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、壁掛けカレンダー、エコロジーカレンダー、縦長タイプカレンダー等、カレンダーの製造の際に行われる一部づつの剥がし工程を無くし、糸綴じにより製本されるカレンダーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、カレンダーの製造における印刷、丁合、金具付け等の製本の前工程として、所定枚数の丁合を行いこの印刷物を積層し、一箇所(通常天側)の側面に接着剤を塗布して仮止めし、乾燥後、1丁合づつ(例えば、カレンダーは表紙と1月から12月迄の1年分)に金属の薄板等を用いて分離(通常、剥がし作業と称する)した後、金属等の綴じ用金具を用いてカレンダーを製本していた。しかし、このカレンダーを使い終わった時点での綴じ金具の廃棄が難しく、また危険でもあるため、近年、カレンダーの新しい綴じ込み方法が採用されている。
この方法は、カレンダーの表紙を除く各月の印刷物の天側端に印刷インキによって帯状の固着層の印刷をして、表紙及び各月の印刷物を丁合後、多数の丁合済のカレンダー印刷物を積層し、この積層した印刷物の天側面に接着剤を塗り固め、上述したように、金属の薄板等を用いて1丁づつに分離(剥がし作業)を行った後に、前記印刷インキによる帯状の固着層を熱圧着したカレンダーの綴じ込み方法である。この際、剥がし工程を容易にするために、表紙の天側端に剥離層を印刷して剥がし作業の負担を軽減していることは公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した表紙の天側端に形成した剥離層の印刷位置が、下に積層した丁合済の月毎の印刷物の印刷インキによる帯状の固着層と同位置の場合、通常、固着層を構成する印刷インキ中に微量ではあるが剥離剤を添加したものを使用いるので表紙の同位置に剥離層を設けた場合、天側面に接着剤を塗布しても一枚一枚がバラケてしまう可能性が大である。
すなわち、接着剤によるカレンダー印刷物の固着は弱く、強い物にしようとすると大量の接着剤が必要であったり、固着部分に穴や溝を掘って接着剤を注入する等、カレンダー製本工程が複雑となりエコロジー的でない。
【0004】
また、接着剤を使用せずにカレンダーの上端部を糸綴じする方式も採用されているが、平行に糸綴じしただけでは月めくりの際に、力かげんで糸綴じに沿ってカレンダー印刷用紙が切れてしまう。また、例えば縦方向に重量がかかる縦長のカレンダー(例えば、縦方向に1月、2月と表示されているもの)の場合、月のめくり始めよりカレンダー上部の左右両端が切れやすい問題がある。
そこで本発明は上記の問題に鑑みなされたもので、カレンダー印刷物の上端左右側面を糸綴じによる綴じ合わせと厚紙被覆の併用によりカレンダーの綴じ合わせ部の強度を向上させたカレンダーを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記目的を達成するために、複数枚のカレンダー印刷物の上端部を綴じ合わせ、該上端部を二つ折した厚紙で被覆固着してなるカレンダーであって、前記カレンダー印刷物の上端部を、その左右方向中央部に間隔を空けて左側部と右側部の2箇所のそれぞれにおいて、天地方向に複数本平行に配列した左右方向の糸綴じにて綴じ合わせ、前記上端部を二つ折りした厚紙により固着したことを特徴とするカレンダーである。
【0006】
前記被覆した厚紙下辺のカレンダー印刷物に破断線を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
また、前記厚紙の中央部にカレンダー印刷物を貫通する小孔を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
また、上記のいずれかのカレンダーを製造するための製本方法であって、所定の位置に破断線を設けてなる丁合された縦長カレンダー印刷物を横にして左横方向に搬送し、一旦ストッパーで搬送を止め、このストッパーでカレンダー印刷物の上下、天地の位置を決めると同時に、この印刷物の天部が縦になった上端部の天地側面から糸綴じ機に設けた二台の糸綴じ具により上端部内の中央に向かって、その左右方向中央部に間隔を空けて左側部と右側部の2箇所のそれぞれにおいて、天地方向に複数本平行に配列した左右方向の糸綴じを施すと共に、前記印刷物の上端部を覆うように二つ折した厚紙を接着することを特徴とするカレンダーの製本方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、カレンダー印刷物の上端左右側面を内側方向に向けて糸綴じにて綴じ合わせ、このカレンダー印刷物の上端部を二つ折りしたカレンダー印刷物と同幅の厚紙で被覆接着した強固な糸綴じ合わせ部を有するカレンダーである。
【0010】
図に基づき本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例におけるカレンダーを示すもので、(A)は構成部材を示し、(B)は完成図である。
【0011】
図1に示すように、本発明のカレンダー10は、所定の位置に破断線14を設けた表紙等を含む複数枚のカレンダー印刷物11を丁合し、この丁合したカレンダー印刷物のセットを天部を左横方向(機械によっては右方向でも可)に搬送しながら、カレンダー印刷物11の上端部12の左右側面を天地に設けた糸綴じ機に設けた二台の糸綴じ具にかけ同時に糸綴じ15,15をする。この際、図に示すように、カレンダー印刷物の天端部と破断線14近傍との間に入るように複数本の糸綴じを施すものである。
また、この糸綴じ15,15は天地方向に略5mm程度の間隔で複数本設けることがよく、しかも糸綴じの長さは10〜30mm程度で良い。
【0012】
また、糸綴じを行うと図(A)に示すように、カレンダー印刷物の上端12内に綴じ糸が露出する。このままでは弱い綴じ合わせとなるので、カレンダー印刷物11と同幅とした二つ折りした厚紙16の内側に接着剤を塗布した後、この厚紙16をカレンダー印刷物11の上端部12を覆うように貼ることにより、一部を綴じ合わせた上端部が強固なカレンダーとなる。
【0013】
さらに、この厚紙16の左右中央部近傍にカレンダー印刷物11を貫通する小孔kを設け、カレンダー10の繋止用とする。
【0014】
本発明のカレンダー10の製本方法は、図2に示すように、所定の位置に破断線14を設けた丁合された縦長カレンダー印刷物11を天部を横にして左横方向に搬送し(機械の設定により右横方向でもよい)、一旦ストッパーSで搬送を止めると共に、このストッパーで丁合されたカレンダー印刷物の上下、天地の位置を決めると同時に搬送しながらこの印刷物の縦になった上端部12の天地側面の上下から糸綴じ機20に設けた二台の糸綴じ具T,Tにより複数本の糸綴じ15,15を施す。この際、糸綴じは、前述したように上端部内の中央に向かって複数本の糸綴じを施すものである。なお、カレンダー丁合機とこの糸綴じ機を連結することで、連続的にカレンダー印刷物を流すことが可能となる。
【0015】
次に、図示はしないが、二つ折りの厚紙の接着、孔開け工程ラインへ搬送しカレンダーを仕上げる。なお、厚紙の接着及び孔開け工程は糸綴じ機に接続することも可能であり、また、破断線14はカレンダー製本前に設けても良いが、厚紙16を接着した後に、破断線の加工を行うことで位置ズレ等の不良の発生が無くなる。
【0016】
また、このカレンダーの製本方法は、縦長タイプのカレンダー(例えば、カレンダーの横寸法が短く、縦寸法が長いもの、1月、2月と縦方向に表示されているもの)の場合に好適な方法であるが、横長タイプのカレンダー(例えば、1月、2月と横方向に表示されているもの)にも使用可能である。
【0017】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
すなわち、破断線(例えばミシン目線)と平行してカレンダー印刷物の上端部の左右の側面に糸綴じをすることによって強度が向上する。特に縦長カレンダーの場合に効果的である。さらに、両側面に糸綴じを施したカレンダー印刷物の上端部に二つ折りしたカレンダー印刷物と同幅の厚紙を接着することにより、糸のほぐれを抑えることができ、かつ接着剤の使用が少量なので、両側面からの接着剤のみ出しも無く、しかも穴や溝を設けて接着剤で固める必要がないのでエコロジーに叶う等の優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるカレンダーを示すもので、(A)は構成部材を示し、(B)は完成図である。
【図2】本発明の同実施例を示す、カレンダーの製本方法を示す説明図である。
【符号の説明】
10……カレンダー
11……カレンダー印刷物
12……カレンダー印刷物の上端部
14……破断線(ミシン目線)
15……糸綴じ
16……厚紙
20……糸綴じ機
T……糸綴じ具
S……ストッパー
Claims (4)
- 複数枚のカレンダー印刷物の上端部を綴じ合わせ、該上端部を二つ折した厚紙で被覆固着してなるカレンダーであって、前記カレンダー印刷物の上端部を、その左右方向中央部に間隔を空けて左側部と右側部の2箇所のそれぞれにおいて、天地方向に複数本平行に配列した左右方向の糸綴じにて綴じ合わせ、前記上端部を二つ折りした厚紙により被覆固着したことを特徴とするカレンダー。
- 前記被覆した厚紙下辺のカレンダー印刷物の破断線を設けたことを特徴とする請求項1に記載のカレンダー。
- 前記厚紙の中央部にカレンダー印刷物を貫通する小孔を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のカレンダー。
- 請求項1、2又は3に記載のカレンダーを製造するための製本方法であって、所定の位置に破断線を設けてなる丁合された縦長カレンダー印刷物を横にして左横方向に搬送し、一旦ストッパーで搬送を止め、このストッパーでカレンダー印刷物の上下、天地の位置を決めると同時に、この印刷物の天部が縦になった上端部の天地側面から糸綴じ機に設けた二台の糸綴じ具により上端部内の中央に向かって、その左右方向中央部に間隔を空けて左側部と右側部の2箇所のそれぞれにおいて、天地方向に複数本平行に配列した左右方向の糸綴じを施すと共に、前記印刷物の上端部を覆うように二つ折した厚紙を接着することを特徴とするカレンダーの製本方法。
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JPH0358324A (ja) * | 1989-07-25 | 1991-03-13 | Canon Inc | 光学ヘッド移送装置 |
JPH06316186A (ja) * | 1993-05-10 | 1994-11-15 | Aiseru Kk | シート体の加工装置 |
JPH07314941A (ja) * | 1994-05-27 | 1995-12-05 | Sakurai:Kk | 日捲りカレンダー |
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