JP4691760B2 - カレンダーとその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はカレンダーとその製造方法に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来からカレンダーは一月分や二月分などの日付表示をするカレンダー用紙を複数枚重ね合わせ、この重ね合わせてなる用紙束の一端部を、即ち、上端部を金属板にて巻き止めるなどして綴じ合わせた構造としていた。しかしながら、この従来からのカレンダーが金属板を用いているとともに、一年ごとに使い捨てとなる使用形態であるため、廃棄する際に金属部分と紙部分とに分離する手間を要するものとなっており、廃棄処分の手間を軽減することが望まれるようになってきている。
このような点から、近年においては用紙束の一端部を接着剤を用いて綴じ合わせたカレンダーの他、登録実用新案第3058324号公報などに示されているように用紙束の一端部を熱圧着して綴じ込むようにしたり、登録実用新案第3012153号公報などに示されているように糸綴じにより綴じ合わせるようにしたカレンダーが提案されている。
【0003】
しかしながら、上述した接着剤による綴じ合わせでは所要の綴じ強度を確保するために多量の接着剤を用いている。そして、多量に使用する接着剤が化学合成物によりなるものであり、このカレンダーがゴミとして廃棄処分したときに有害物質が生じ易くなって環境破壊に繋がる点が問題となる。また、上記糸綴じにて綴じ合わされるカレンダーでは綴じ強度が得易いものの、用紙束の一端部に厚紙を被せ付けてからこの厚紙とともに用紙束を糸綴じするようにしており、このため、綴じている糸がカレンダー正面から見えて体裁を損なうとともに、カレンダー取り扱い時に他の物品などが糸綴じ位置に接触することもあって、その糸がほつれ易いという問題があった。
そこで本発明は上記事情に鑑み、糸綴じの利点を生かしつつ、その糸綴じの個所がカレンダー正面からは目に付かないようにすることを課題とし、所要の綴じ強度を有する状態で複数枚のカレンダー用紙が綴じ合わされるとともに、綴じ糸が見えないようにしてカレンダーの体裁を整えることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を考慮してなされたもので、複数枚のカレンダー用紙を積み重ねた用紙束とこの用紙束の一端部に沿って位置して該一端部における最後位のカレンダー用紙から最前位のカレンダー用紙にかけて覆うように折り曲げられた厚紙とからなり、前記用紙束と厚紙とが綴じ込まれているカレンダーにおいて、
前記最後位のカレンダー用紙側に位置する厚紙の後面部と用紙束とが一端部の長さ方向に沿って糸綴じにより綴じ合わされ、最前位のカレンダー用紙に対応する厚紙の前面部を、該最前位のカレンダー用紙での少なくとも糸綴じ位置を覆うようにして塗布された接着剤にて前記最前位のカレンダー用紙に接着して、厚紙の前記前面部で前記綴じ部を覆ったことを特徴とするカレンダーを提供して、上記課題を解消するものである。
そして、本発明において、綴じ部の用紙束中央側であって該綴じ部に平行にしてカレンダー用紙それぞれに切り取り用ミシン目が穿設され、厚紙の中央位置に該厚紙と用紙束とを貫通する取付孔が設けられていることが良好であり、また、上記切り取り用ミシン目が厚紙の前面部に対して用紙束中央側に位置して表出していることが良好である。
【0005】
また、もう一つの発明は、複数枚のカレンダー用紙を積み重ねた用紙束とこの用紙束の一端部に沿って位置して該一端部における最後位のカレンダー用紙から最前位のカレンダー用紙にかけて覆うように折り曲げられた厚紙とからなり、前記用紙束と厚紙とが綴じ込まれているカレンダーを得るにあたり、前記用紙束の一端部における最後位のカレンダー用紙の後面に展開状態にした厚紙の後面部を重ね合わせ、前記用紙束と厚紙の後面部とを糸綴じし、厚紙を展開状態にして、或いは厚紙を最後位のカレンダー用紙の後面から用紙束の端面に沿うようにして曲げ起こした状態にして最前位のカレンダー用紙の少なくとも糸綴じ位置に接着剤を塗布して、厚紙の前面部を該最前位のカレンダー用紙に重ね合わせ接着して、綴じ部を厚紙で覆うことを特徴とするカレンダーの製造方法であり、この製造方法を提供して上記課題を解消するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明を図1から図3に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図中1はカレンダーで、該カレンダー1は図示されているように一枚ごとに一月分や二月分の日付が印刷されている複数枚のカレンダー用紙2を積み重ねた用紙束3と、このカレンダー1を吊り下げたときに上端部となる用紙束3の一端部に沿うように位置する厚紙4とからなるもので、前記厚紙4は、用紙束3の一端部における最後位のカレンダー用紙2から最前位のカレンダー用紙2にかけて覆うように折り曲げられて取り付けられている。
そして、このカレンダー1では、上記用紙束3と厚紙4とが糸5により綴じ合わされている。即ち、用紙束3と厚紙4とは糸綴じして綴じ合わされているものであり、図2に示すように、厚紙4の後面部6が用紙束3における最後位のカレンダー用紙2に重ね合わされ、この状態でその後面部6と用紙束3の一端部とが糸綴じにて綴じ合わされ、用紙束3の一端部を綴じ部7としている。さらに厚紙4が、用紙束3の綴じ部7の端面(上端面)に接するようにして折られ、さらに厚紙4の前面部9が最前位のカレンダー用紙2に重なるようにして折り倒され、この前面部9が最前位のカレンダー用紙2に接着剤10を介して接着されている。図示の実施例では、後述するように前記接着剤10は、前記最前位のカレンダー用紙2での糸綴じ位置7aから用紙束3の上縁までの間とその糸綴じ位置7aとに設けられ、糸綴じ位置7aでは図示のようにこの糸綴じ位置7aを接着剤10で覆っている。
【0007】
このように、カレンダー1にあっては厚紙4の後面部6が用紙束3の一端部における最後位のカレンダー用紙2側に位置した状態で糸綴じされ、この綴じ部7の糸綴じ位置7aを覆うようにして折り畳まれた厚紙4の前面部9を最前位のカレンダー用紙2に接着させることで、所定の綴じ強度を確保した状態のカレンダー1が形成されており、糸綴じした糸5も厚紙4にて隠された状態となり、カレンダー1の体裁を整え、糸5も保護して解れが生じないようにしている。
【0008】
図示するようにカレンダー1では、カレンダー用紙2それぞれが分離できるように切り取り用ミシン目11が穿設されている。この切り取り用ミシン目11は、綴じ部7の用紙束中央側であり、綴じ部7に平行にして穿設されている。そして、この切り取り用ミシン目11は、上記前面部9に対して用紙束中央側に位置して表出しており、カレンダー用紙2を切り取るときにいずれの個所から切り取ればよいかが簡単に目視確認できるように設けられている。
また、符号12は厚紙4の中央位置にこの厚紙4と用紙束3とを貫通する取付孔であり、この取付孔12に吊り具や止め具を通して、カレンダー1を壁掛けできるようにしている。
【0009】
上記構造のカレンダー1を得るにあたっては、まず、用紙束3の一端部における最後位のカレンダー用紙2に展開状態とした厚紙4の後面部6を重ねてから、糸綴じして複数枚のカレンダー用紙2と厚紙4とを一体に綴じ込む。そして、カレンダー製造ラインにおける接着剤塗布工程上に、厚紙4を展開状態にしたものを、或いは図3に示されているように厚紙4を最後位のカレンダー用紙2の後面から用紙束3の一端部の端面に沿うようにして曲げ起こした状態にしたものを順次流し、図示しない接着剤塗布手段に対してその下方で相対的に用紙束3を順次移動させて、それぞれの用紙束3における最前位のカレンダー用紙2の綴じ部7に接着剤を一方向(上方)から塗下aする。
接着剤は糸綴じ位置7aから用紙束3の上縁まで間とその糸綴じ位置7aとに塗布する。また、糸綴じ位置7aのみに塗布するようにしてもよい。このように接着剤を塗布した後に厚紙4の前面部9を最前位のカレンダー用紙2の綴じ部7側に重ねて、この前面部9を最前位のカレンダー用紙2に接着させることでカレンダー1が得られる。
【0010】
【発明の効果】
以上説明した本発明のカレンダーによれば、複数枚のカレンダー用紙からなる用紙束が厚紙に糸綴じされることから、所要の綴じ強度を確保しながらカレンダー用紙それぞれを綴じ合わせることが簡単であり、従来のように所要の綴じ強度を確保するために多量の接着剤を用いる必要がない。また、厚紙の前面部を接着剤にて最前位のカレンダー用紙に接着して綴じ部を覆うため、糸綴じが外部に表出せず、カレンダーの体裁を損なうことなく、綴じ糸に他のものが接触してその綴じ糸がほつれるという不都合も防止できる。そして、金属部材を用いずに複数枚のカレンダー用紙を綴じ込みでき、接着剤の使用量も低減できるため、カレンダー全体を可燃物として簡単に処分でき、廃棄処分に際しての手間を軽減できる。
また、本発明の製造方法によれば、最前位のカレンダー用紙の綴じ部に接着剤を塗布して、綴じ合わせ済みの厚紙の前面部を最前位のカレンダー用紙に接着させるようにしている。従って、前記厚紙の取付に際して、厚紙を綴じ合わせた状態の用紙束が製造ライン上を順次流れる時点で、カレンダー用紙側への接着剤の塗下操作だけで、厚紙を固定するための手段を施すことができ、厚紙における後面部と前面部との両面に接着剤を塗布するなどの煩雑な作業を行なわずともその厚紙を用紙束の一端部に沿って位置するカレンダーが製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカレンダーの一例を示す説明図である。
【図2】一例を断面で示す説明図である。
【図3】接着剤の塗布を示す説明図である。
【符号の説明】
1…カレンダー
2…カレンダー用紙
3…用紙束
4…厚紙
5…糸
6…後面部
7…綴じ部
7a…糸綴じ位置
8…(厚紙4の)後面部
9…前面部
10…接着剤
11…切り取り用ミシン目
Claims (4)
- 複数枚のカレンダー用紙を積み重ねた用紙束とこの用紙束の一端部に沿って位置して該一端部における最後位のカレンダー用紙から最前位のカレンダー用紙にかけて覆うように折り曲げられた厚紙とからなり、前記用紙束と厚紙とが綴じ込まれているカレンダーにおいて、
前記最後位のカレンダー用紙側に位置する厚紙の後面部と用紙束とが一端部の長さ方向に沿って糸綴じにより綴じ合わされ、最前位のカレンダー用紙に対応する厚紙の前面部を、該最前位のカレンダー用紙での少なくとも糸綴じ位置を覆うようにして塗布された接着剤にて前記最前位のカレンダー用紙に接着して、厚紙の前記前面部で前記綴じ部を覆ったことを特徴とするカレンダー。 - 綴じ部の用紙束中央側であって該綴じ部に平行にしてカレンダー用紙それぞれに切り取り用ミシン目が穿設され、厚紙の中央位置に該厚紙と用紙束とを貫通する取付孔が設けられている請求項1に記載のカレンダー。
- 上記切り取り用ミシン目が厚紙の前面部に対して用紙束中央側に位置して表出している請求項2に記載のカレンダー。
- 複数枚のカレンダー用紙を積み重ねた用紙束とこの用紙束の一端部に沿って位置して該一端部における最後位のカレンダー用紙から最前位のカレンダー用紙にかけて覆うように折り曲げられた厚紙とからなり、前記用紙束と厚紙とが綴じ込まれているカレンダーを得るにあたり、
前記用紙束の一端部における最後位のカレンダー用紙の後面に展開状態にした厚紙の後面部を重ね合わせ、
前記用紙束と厚紙の後面部とを糸綴じし、
厚紙を展開状態にして、或いは厚紙を最後位のカレンダー用紙の後面から用紙束の端面に沿うようにして曲げ起こした状態にして最前位のカレンダー用紙の少なくとも糸綴じ位置に接着剤を塗布して、厚紙の前面部を該最前位のカレンダー用紙に重ね合わせ接着して、綴じ部を厚紙で覆うことを特徴とするカレンダーの製造方法。
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