JP4691422B2 - 光走査装置およびそれを用いた画像形成システム - Google Patents
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Description
複数の走査ビームを形成する光走査装置としては、走査ビームに応じた数のビーム光源を備え、それらを共通の偏向器に入射して偏向した後、ミラーなどにより光路を折り曲げて異なる位置で走査できるようにしたものが知られている。
例えば、特許文献1には、1つのガルバノミラーの表面および裏面にそれぞれ2つのレーザビームを入射して偏向走査し、2つのレーザビームを1つの走査レンズに平行入射してから、ミラーにより光路を折り曲げて、4つの感光体ドラム上を走査するマルチビーム走査光学装置が記載されている。
特許文献1に記載の技術では、ガルバノミラーの往復揺動走査を用いる場合、走査線を平行に形成する必要がある画像形成システムでは、一方の揺動方向しか用いることができないため、走査効率が悪いという問題がある。
また、1つの走査レンズに2つのレーザビームを平行入射し、その後、一方をミラーで偏向して異なる光路に分離するので、レーザビームの副走査方向の間隔をミラーで分離可能な程度に離間させる必要がある。そのため、走査レンズが副走査方向に大型化して、製作コストが高価になってしまうという問題がある。また、走査レンズを透過するレーザビームが軸外光となるため、収差が悪化するという問題もある。
と、前記搖動ミラーの反射面に光ビームを入射するビーム光源と、前記搖動ミラーの搖動方向が復路走査である時と往路走査である時に前記搖動ミラーの反射面に入射する光ビームの偏光方向と波長のうち一つが変わるように、前記搖動ミラーの搖動方向に応じて前記搖動ミラーの反射面に入射する光ビームの偏光方向と波長のうち一つを選択的に切り替える光学特性切替手段と、前記搖動ミラーにより偏向された光ビームの光路を前記光ビームの偏光方向と波長のうち一つにより分岐する光路分岐手段とを備えたことを特徴とする
この発明によれば、揺動偏向器の揺動ミラーの反射面に対して、ビーム光源による光ビームを、その光学特性が光学特性切替手段によって揺動方向に応じて選択的に切り替えられた状態で入射して偏向走査する。揺動ミラーにより偏向された光ビームは、光路分岐手段により、その光学特性に応じて光路が切り替えられる。そのため、揺動方向が切り替わるごとに、ビーム光源からの1つの光ビームが異なる光路上で走査され、1つの光ビームあたり2本の走査線を交替に形成する。そのため、1つのビーム光源あたり2ビームの光ビーム走査を揺動の往復方向にわたって行うことができる。
この場合、それぞれの走査において揺動ミラーを兼用できるので、部品点数を削減することができる。
この発明によれば、本発明の光走査装置を用いるので、本発明の光走査装置と同様の作用効果を備える。
本発明の第1の実施形態に係る光走査装置についてそれを用いた画像形成システムとともに説明する。
図1、2は、本発明の第1の実施形態に係る光走査装置の概略構成について説明するためのそれぞれ模式的な正面説明図および平面説明図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係る光走査装置の概略光路について説明するための模式的な斜視説明図である。図4(a)、(b)は、本発明の第1の実施形態に係る光走査装置に用いる揺動偏向器について説明するための平面説明図およびそのA−A断面図である。図5は、本発明の第1の実施形態に係る光走査装置および画像形成システムの制御部について説明するための機能ブロック図である。
ここで添字Bが付された部材は、特に断らない限り、添字Aが付された部材と同様であり、揺動偏向器7の揺動中心に対して180°回転した回転対称の位置に配置されている点のみが異なる。また、図5の機能ブロックや信号などもそれぞれが対応する部材に応じて、添字A、Bが付されている。
レーザ光源2A(2B)は、後述する制御部300から送出されるレーザ駆動信号340A(340B)によりレーザ光30A(30B)を変調することができるようになっている。
アパーチャ4A(4B)は、コリメートレンズ3A(3B)により略平行光とされたレーザ光30A(30B)を、像面上で主走査方向、副走査方向に適宜の結像スポット径にするために、レーザ光30A(30B)のビーム形状を整形するものであり、遮光板上に適宜の大きさを有する楕円状、矩形状、長円状などの開口が形成された部材を採用することができる。開口の大きさは、像面で必要なスポット径の大きさと後述する走査レンズ8A(8B)の光学特性とに応じて適宜設定される。
本実施形態では、レーザ光30A(30B)の光路上で、不図示のモータなどにより主軸の角度を可変できるように保持された1/2波長板を採用している。1/2波長板の主軸の角度は、透過光の偏光方向を互いに直交する2つの偏光方向との間で切替制御できるように可変される。
例えば、後述する揺動偏向器7のミラー面11A(11B)に対して、s偏光とp偏光とが切替可能になっている構成としては、図3に示すように、回転円板上に周方向に4分割された領域に、s偏光形成部5s、p偏光形成部5pが順次交替に形成され、図示矢印方向に90°ずつ回転する構成を採用することができる。
偏光制御手段5A(5B)の切替動作は、後述する光学特性切替手段305A(305B)から送出される光学特性切替信号330に応じて行う。
本実施形態では、図4に示すようなMEMS共振ミラーを採用しているので、この場合の構成について説明する。
偏向器本体11は、正面視矩形枠状の支持枠部11dと、支持枠部11dの対向する2辺から支持枠部11dの内側に同一直線上に延ばされた梁状のトーションバー部11c、11cと、トーションバー部11c、11cにより2辺の中心部が保持された矩形板状の揺動部11bとからなる。
揺動部11bの表面および裏面には、中心部の矩形状の領域に例えば金属蒸着などにより反射膜コーティングが施されたミラー面11A、11Bが形成されている。
揺動部11bのいずれかの面上あるいは面間には、ミラー面11A、11Bの外周を取り巻く略矩形状の駆動コイル部11eが形成され、その端部の導電線がトーションバー部11cを介して外部に引き出され、駆動コイル部11eへのコイル電流を供給できるようになっている。
揺動部11bは、MEMS技術により低慣性の小型のものが形成できるので、揺動偏向器7は、高速かつ安定的な揺動振動を行うことができる。
このため、ミラー面11A(11B)に入射されたレーザ光30A(30B)は、ミラー面11A(11B)の揺動中心軸まわりの傾き角に応じて偏向される。すなわち、レーザ光30A(30B)は、揺動偏向器7により一定の走査角範囲を往復走査される。
本実施形態では、走査レンズ8A(8B)として、歪曲特性がアークサイン特性を有するアークサインレンズを用いる。ミラー面11A(11B)の傾き角は単振動、すなわち正弦振動するので、このようなアークサインレンズを採用することにより像面上で等速走査を実現することができる。
本実施形態では、ミラー面11A(11B)に対してs偏光とされた光を略100%透過し、ミラー面11A(11B)に対してp偏光とされた光を略100%反射する偏光ビームスプリッタコーティングが施された平行平板から構成される。
そして、走査面内を走査レンズ8A(8B)の光軸に直交する方向に横断して、反射光32A(32B)を図1の下方に偏向するように配置される。なお、図1は模式図のためレーザ光30Aを実線と破線とに描き分けているが、偏光ビームスプリッタ9A(9B)で分岐されるまでのレーザ光30A(30B)は、偏光状態が異なるのみで、同一の光路を進むものである。
レーザ光30A(30B)の偏光ビームスプリッタ9A(9B)に対する偏光方向は、走査画角により変化するが、いずれの走査位置でも偏光方向が互いに直交する2つの偏光状態の光しか入射しないため、上記のような偏光ビームスプリッタ面を形成することができる。
ミラー23A(23B)、24A(24B)は、それぞれ、偏光ビームスプリッタ9A(9B)で反射された反射光32A(32B)を折り畳んで、図1の鉛直下方に折り曲げる折り曲げミラーである。
それぞれの折り曲げミラーは、本実施形態の場合、走査レンズ8A(8B)から各像面までの光路長が等しく、各像面での走査線が画像形成時に平行な走査線画像となるように副走査方向に互いに逆方向にわずかに傾斜して配置される。このため、後述する感光体ドラム51Y(51K)、51M(51C)上に記録される走査線を平行にすることができる。なお、このような走査線の調整のため、出力画像を参照して各折り曲げミラーの位置を調整する調整機構を設けてもよい。
そのため、被走査媒体が副走査される場合に、揺動方向に応じて、走査線の傾きを補正して、被走査媒体上に平行な走査線を描くことができる。
図2に示すように、折り返しミラー14A(14B)は、レーザ光源2A(2B)が配置される側の像高で同期検知光を取得できるように配置され、折り返しミラー15A(15B)は、その反対側の像高の同期検知光を取得できるように配置されている。それぞれの配置位置は、光軸に関して対称の位置関係にある。
以下では、折り返しミラー14A(14B)の配置される側の像高が正、折り返しミラー15A(15B)の配置される側の像高が負であるとして説明する
所定の正の像高は、非画像領域にあって、偏向限度となる正側の最大像高よりも小さい像高に設定される。
同期検知センサ22A(22B)は、レーザ光30A(30B)が所定の負の像高に到来したことを検知して同期検知信号320A(320B)(図5参照)を生成する同期検知手段である。
所定の負の像高は、非画像領域にあって、偏向限度となる負側の最大像高よりも小さい像高に設定される。
書出開始信号350A(350B)は、その元信号が同期検知信号310A(310B)であるか、同期検知信号320A(320B)であるかに応じて、異なる遅延時間を設定することができ、必要に応じて調整できるようになっている。
また、走査方向判別信号351A(351B)は、例えば、2値レベルを有する信号であり、同期検知信号310A(310B)を受信した場合には、正の像高から負の像高に向かう走査(以下、往路走査と称する)と判断して、例えば、信号レベルをハイに設定し、同期検知信号320A(320B)を受信した場合には、負の像高から正の像高に向かう走査(以下、復路走査と称する)と判断して、信号レベルをローに設定する。
画像信号のレーザ駆動信号340A(340B)への変換手段は、少なくとも往路走査か復路走査かに応じて、データ順序を反転する変換を含んでいる。本実施形態では、往路走査(添字Bの構成では復路走査)が画像の左から右に向かう正規の走査方向となっているので、復路走査(添字Bの構成では往路走査)時に画像データのデータ順序が反転される。
また、揺動偏向器制御手段302のクロック情報に基づいて、非画像域におけるレーザ光源2A(2B)の点灯制御も行う。この点灯制御は、揺動偏向器制御手段302のクロック情報に基づいて、往路走査および復路走査の走査開始タイミングで、レーザ光源2A(2B)を全点灯するものである。
このようなクロック情報が、光学特性切替手段305およびレーザ駆動信号発生手段304A(304B)に供給され、それぞれにおいて、往路走査および復路走査の走査開始タイミングが取得できるようになっている。
このタイミングの取得は、レーザ光30A(30B)が、同期検知センサ19A(19B)、22A(22B)に対して、それぞれの走査が終了する側で点灯されないようにするためのものなので、走査開始後、各同期検知手段に到達する直前までの間のタイミングが取得できればよく、厳密に走査開始のタイミングを与えるものでなくてもよい。
本実施形態では、偏光制御手段5A(5B)の回転円板の回転角度を切り替えて、光路中にs偏光形成部5s、p偏光形成部5pを交替して挿入するものである。
画像形成装置50は、図1にその概略構成を示すように、光走査装置1の下方に配置され、光走査装置1により略平行な線上に走査される透過光31A、反射光32A、反射光32B、透過光31Bを、それぞれ露光に用いる電子写真方式のタンデム型の装置である。
すなわち、駆動ローラ53で図示左右方向に駆動され、テンションローラ54で張力を与えられた不図示の転写紙を搬送するための転写搬送ベルト52上に、所定間隔をおいて軸方向を平行に揃えられた感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kが配置されている。
特に図示しないが、各感光体ドラムの円周方向には、それぞれ、感光体ドラムを一様帯電させるための帯電器、露光後に形成される静電潜像の電位に応じて帯電トナーを付着させて静電潜像を可視化する現像器、可視化されたトナー像を転写搬送ベルト52により搬送された転写紙上に転写する転写器、感光体ドラムを再使用するために残留トナーを除去するクリーナなど、電子写真に係る周知の構成要素がこの順に配置されている。
現像器は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを含むものが、それぞれ感光体ドラム51Y、51M、51C、51Kに対応して配置されている。現像方式は、特に限定されないが、以下では露光部分が現像される反転現像方式を採用するものとして説明する。
また、特に図示しないが、転写搬送ベルト52の上下流には転写紙を給紙する給紙手段および転写紙に転写されたトナー像を転写紙上に熱定着する定着器が設けられている。
また画像形成システム100では、添字Aの構成と添字Bの構成とが同時に略同様な動作を行うので、添字Aの構成の動作を説明すれば、添字Bの構成の動作は単に添字を読み替えることにより容易に理解することができる。そこで以下では、添字Aの構成の動作を中心に説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る光走査装置の偏向走査について説明するための模式的な動作説明図である。図7(a)、(b)は、それぞれ走査線の傾きの調整を行わない場合と、走査線の傾きの調整が行われた場合の走査線画像について説明するための模式説明図である。
レーザ光30Aは、図3に示すように、コリメートレンズ3Aにより略平行光とされ、アパーチャ4Aによりビーム形状が整形されて、偏光制御手段5Aに入射する。
光学特性切替手段305は、揺動方向に対応した光学特性切替信号330を偏光制御手段5Aに送出する。すなわち、光学特性切替信号330は、ミラー面11Aが復路走査から往路走査に切り替わるタイミングで偏光制御手段5Aを回転させ、光路中にs偏光形成部5sを挿入し、往路走査から復路走査に切り替わるタイミングで偏光制御手段5Aを回転させ、光路中にp偏光形成部5pを挿入するような制御を行う信号となっている。
このとき、添字Aの光学系と添字Bの光学系は、揺動中心軸に対して点対称に配置されているので、それぞれの往路走査、復路走査のタイミングは完全に一致している。
そして、レーザ光30Aは、ミラー面11Aにより偏向され、走査レンズ8Aに入射して、像面で適宜スポット径となるように集光されるとともに、走査面内で主光線の進む向きが走査レンズ8Aのアークサイン特性に対応した方向に屈曲される。
水平同期制御手段301Aでは、同期検知信号310Aに対応して、書出開始信号350Aをハイに設定するとともに、同期検知信号310Aに応じて所定時間遅延させた書出開始信号350Aをレーザ駆動信号発生手段304Aに送出する。
レーザ駆動信号発生手段304Aは、いったんレーザ光源2Aを消灯し、書出開始信号350Aのタイミングで、画像信号に応じてレーザ光源2Aを変調するレーザ駆動信号340Aをレーザ光源2Aに送出する。
このとき、走査方向判別信号351Aがハイとなっているため、画像処理手段303から、画像信号としては、1ライン分の画像信号360Yをそのデータ順序を保持して読み出す。
そして、図1に示すように、偏光ビームスプリッタ9Aを透過し、ミラー10Aで偏向され、感光体ドラム51Yを等速で往路走査して露光を行う。
このとき、画像形成装置50では、一様帯電された感光体ドラム51Yが露光位置に到達しており、この往路走査により1ライン分の露光走査が行われることで、1ライン分の静電潜像が感光体ドラム51Y上に形成される。
レーザ光30Aは1ライン分の走査が終わると消灯される。
つまり、偏光制御手段5Aは、光路中にp偏光形成部5pを挿入するため、レーザ光30Aは、ミラー面11Aに対してp偏光となり、偏光ビームスプリッタ9Aでは、反射されて、ミラー23A、24Aで偏向され、感光体ドラム51M上に導かれる。
また、同期検知信号320Aに応じて、水平同期制御手段301Aにより走査方向判別信号351Aがローとされるので、レーザ駆動信号340Aは、画像信号360Mが、データ順序を反転した信号とされる。
また、書出開始信号350Aの遅延時間は、レーザ駆動信号340Aの書出し位置が、往路走査により書き込まれた最終画素位置と整列するタイミングとされる。
本実施形態では、往路走査と復路走査とで、異なる感光体ドラム上を走査するので、それぞれでは走査線が平行となっており通常と同様の露光走査が行われるものである。
ただし、往路走査線画像62、復路走査線画像63を異なる色トナーで現像して重ね合わせると互いに交差して色ずれが発生するので、それぞれの走査線画像は、図7(b)のような互いに平行に走査される往路走査線画像62、復路走査線画像63aのようにする必要がある。
本実施形態では、図1に示すように、偏光ビームスプリッタ9Aにより、往路走査と復路走査とで、透過光31A、反射光32Aとして走査光を分岐し、分岐後に配置された、ミラー10A、23A、24Aの配置位置を調整して、走査線の傾きが調整されているので、図3に模式的に示すように、互いに平行な走査線が形成される。
ただし、添字Bの構成では添字Aの構成に対して、走査方向が反転する関係で、レーザ駆動信号発生手段304Bでは、往路走査時に画像信号360Kのデータ順序を反転するようになっている。
つまり、従来、4ビームでガルバノミラーを共用し2ビームずつを1つの走査レンズにより走査する光走査装置では、ビーム光源を4ビームごとに別個に備える必要があるため、部品点数が多くなるという問題もあったが、本実施形態では、2つのビーム光源をそれぞれ揺動方向に応じて選択的に切替えて異なる光路上に走査することにより1つのビーム光源あたり2ビームの走査を行うことで、ビーム光源の数を半減することができたので、それも解決できるという更なる効果も有する。
また、各色ごとの走査方向は一定となるので、データ反転を各色ごとに行うことができ、データ変換が単純化されるため、簡素な構成とすることができる。
そのため、1つのビーム光源から出射される光ビームの偏光方向を切り替えることにより、走査位置を相異なる2つの走査位置に導くことができ、それぞれを揺動偏向器の揺動方向に応じて交替して2ビーム走査を行うことができる。その際、偏光ビームスプリッタの偏光ビームスプリッタ特性を、入射する光ビームの偏光方向に応じて最適化することにより、光量損失を低減して効率的に光ビームを分岐することができる。
図8は、本発明の第1の実施形態の変形例の光走査装置の概略構成について説明するための模式的な平面説明図である。
折り返しミラー14A(14B)で偏向されたレーザ光30A(30B)と、折り返しミラー15A(15B)により偏向されたレーザ光30A(30B)とのそれぞれ光路長は同一に設定することが好ましい。
すなわち、本変形例では、折り返しミラー15A(15B)で偏向されたレーザ光30A(30B)が同期検知センサ19A(19B)に入射し、同期検知センサ19A(19B)によって同期検知信号320Aを発生する。
この場合、同期検知センサ19A(19B)から送出される同期検知信号310A(310B)、320A(320B)は、信号としては違いが判別できないため、例えば、揺動偏向器制御手段302のクロック情報を水平同期制御手段301Aに入力して(図5の2点鎖線参照)、水平同期制御手段301A(301B)で判別するようにしておく。
そのため、水平同期制御手段301A(301B)から、上記実施形態と同様に、書出開始信号350A(350B)、走査方向判別信号351A(351B)を送出することができるようになっている。
本発明の第2の実施形態に係る光走査装置についてそれを用いた画像形成システムとともに説明する。
図9、10は、本発明の第2の実施形態に係る光走査装置の概略構成について説明するためのそれぞれ模式的な正面説明図および平面説明図である。図11は、本発明の第2の実施形態に係る光走査装置および画像形成システムの制御部について説明するための機能ブロック図である。
光走査装置80は、第1の実施形態の光走査装置1の偏光制御手段5A、5Bを削除し、レーザ光源2A、2B、偏光ビームスプリッタ9A、ミラー10A、10B、23A、23B、24A、24B、および制御部300に代えて、それぞれ2波長LD29A、29B、ダイクロイックミラー25A、25B、ミラー26A、26B、27A、27B、28A、28Bおよび制御部400(図11参照)を備える。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
なお、これらの2つの波長光は、同時に出射できるようになっていてもよいが、本実施形態ではいずれかを選択的に出射することができれば十分である。
2つの波長は、感光体ドラム51Yなどが露光感度を有する波長であれば、適宜の波長を採用することができるが、本実施形態では、λ1=780nm、λ2=650nmとしている。
ミラー27A(27B)、28A(28B)は、反射光35A(35B)をそれぞれ感光体ドラム51M(51C)上に導く偏向手段であり、波長λ2に対して反射率が良好となる反射膜コーティングが施されている。
ミラー26A(26B)、27A(27B)、28A(28B)は、それぞれ第1の実施形態のミラー10A(10B)、23A(23B)、24A(24B)に対応する位置関係に配置され、走査線の傾きが調整されている。
光学特性切替手段405は、揺動偏向器制御手段302のクロック情報から走査方向を判別し、往路走査か復路走査かに応じて、信号レベルがハイとローとの間で選択的に切り替える波長切換信号406を、信号スイッチ部410A、410Bに対して送出するものである。
信号スイッチ部410A(410B)は、光学特性切替手段405からの波長切換信号406に応じて、レーザ駆動信号発生手段304A(304B)から送出されるレーザ駆動信号340A(340B)を、2波長LD29A(29B)の2つの発光部のいずれかに供給するものである。本実施形態では、波長切換信号406がハイ、ローのとき、それぞれ波長λ1、λ2の発光部に供給するようになっている。
また、2波長の光源を、1チップ上に2波長の発光部が形成された2波長LD29A(29B)を採用するので、複数のLD光源からの光を同軸上に合成する場合に比べて、光軸合わせが不要となるため組み立てが容易であり、また装置の小型化を図ることができる。
また、2波長LD29A(29B)は、往路走査と復路走査とに応じて、発光部を切り替えるので、1チップ上の近接位置で2波長を同時に発光させる場合のようにクロストークなどの問題が発生しないから、小型でありながら高品質の露光走査を行うことができる。
そのため、1つのビーム光源から出射される光ビームの波長特性を切り替えることにより、走査位置を相異なる2つの走査位置に導くことができ、それぞれを揺動偏向器の揺動方向に応じて交替して2ビーム走査を行うことができる。その際、ダイクロイックミラーの波長特性を、入射する光ビームの波長に応じて最適化することにより、光量損失を低減して効率的に光ビームを分岐することができる。
レーザ光源2A、2B、2波長LD29A、29Bは、ビーム光源の一実施形態である。偏光ビームスプリッタ9A、9B、ダイクロイックミラー25A、25Bは、光路分岐手段の一実施形態である。ミラー面11A、11Bは、反射面に対応する。レーザ光30A、30B、33A、33Bは、光ビームに対応する。ミラー10A(10B)、23A(23B)、24A(24B)は、少なくともいずれかが、走査線の傾きを補正するミラー部材となっている。また、ミラー26A(26B)、27A(27B)、28A(28B)は、少なくともいずれかが、走査線の傾きを補正するミラー部材となっている。
2A、2B レーザ光源(ビーム光源)
5A、5B 偏光制御手段
7 揺動偏向器
8A、8B 走査レンズ
9A、9B 偏光ビームスプリッタ(光路分岐手段)
10A、10B、23A、23B、24A、24B、26A、26B、27A、27B、28A、28B ミラー(走査線の傾きを補正するミラー部材)
11A、11B ミラー面(反射面)
11b 揺動部(揺動ミラー)
50 画像形成装置
51Y、51C、51M、51K 感光体ドラム
25A、25B ダイクロイックミラー(光路分岐手段)
29A、29B 2波長LD(ビーム光源)
30A、30B、33A、33B レーザ光(光ビーム)
31A、31B、34A、34B 透過光
32A、32B、35A、35B 反射光
300、400 制御部
301A、301B 水平同期制御手段
302 揺動偏向器制御手段
304A、304B レーザ駆動信号発生手段
305、405 光学特性切替手段
310A、310B、320A、320B 同期検知信号
351A、351B 走査方向判別信号
410A、410B 信号スイッチ部
Claims (5)
- 搖動ミラーを有する搖動偏向器と、
前記搖動ミラーの反射面に光ビームを入射するビーム光源と、
前記搖動ミラーの搖動方向が復路走査である時と往路走査である時に前記搖動ミラーの
反射面に入射する光ビームの偏光方向と波長のうち一つが変わるように、前記搖動ミラー
の搖動方向に応じて前記搖動ミラーの反射面に入射する光ビームの偏光方向と波長のうち
一つを選択的に切り替える光学特性切替手段と、
前記搖動ミラーにより偏向された光ビームの光路を前記光ビームの偏光方向と波長のう
ち一つにより分岐する光路分岐手段と、を備えたことを特徴とする光走査装置。 - 前記往路走査と前記復路走査によって被露光体上を走査する複数の走査線が互いに平行
となるように、前記光路分岐手段で分岐された光路の少なくとも一方に、その光路におけ
る走査線の傾きを補正するミラー部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光走査
装置。 - 前記光学特性切替手段が、前記搖動ミラーの搖動方向に応じて前記光ビームの偏光方向を互いに直交する2つの直線偏光の間で選択的に切り替える偏向制御手段を含み、
前記光路分岐手段が、偏光ビームスプリッタであることを特徴とする請求項1または2
に記載の光走査装置。 - 前記ビーム光源は2波長光源であり、
前記光学特性切替手段は前記搖動ミラーの搖動方向に応じて前記2波長光源の波長を選択的に切り替え、
前記光路分岐手段が、ダイクロイックミラーであることを特徴とする請求項1または2
に記載の光走査装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の光走査装置を用いて露光走査を行い、画像を形成
することを特徴とする画像形成システム。
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