JP4689987B2 - 近赤外線を吸収する透明樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、近赤外線を吸収し、可視光線を透過する透明樹脂組成物、該透明樹脂組成物から成形した採光材、及び該採光材を用いた成形品に関する。
近赤外線を吸収し、可視光線を透過する透明樹脂は、太陽からの熱は遮り、明るさは採り入れることができる採光材として、アーケード、ガレージ、サンルーム、テラス、温室等の屋根材や壁材などに使用されている。
従来の近赤外線を吸収する透明樹脂としては、例えば、チウラム系化合物および/またはジチオカルバメート系化合物と銅化合物とを含有した透明樹脂(例えば、特許文献1参照)やジチオカルバミン酸銅系化合物と銅化合物とを含有した透明樹脂(例えば、特許文献2参照)などがある。
特開平11−181302号公報 特開平11−349828号公報
上記特許文献1又は2に記載の透明樹脂は、チウラム系化合物又はジチオカルバメート系化合物などの含有物が雨水などにより溶出し、環境汚染の原因となる問題が生じていた。また、溶融成形温度が高くなると、近赤外線吸収性能が低下するという問題も生じていた。
本発明者らは、上記の問題点を改良するため、透明樹脂にイオウと銅化合物とを含有させることにより、チウラム系化合物を含有せず、或いは含有量を減らしても、成形加工安定性に優れ、近赤外線を効率よく吸収し、かつ可視光線を効率よく透過し、耐久性にも優れた透明樹脂組成物となることを見出した。
本発明は、透明樹脂100重量部に、イオウ0.004〜2重量部と、下記一般式(A)の銅化合物0.01〜2重量部とを含有したことを特徴とする近赤外線を吸収する透明樹脂組成物とした。
一般式(A)
XqCu
(式中、Xは、硫黄、フッ素、塩素、−CN、フタロシアニル基、クロロフィリンナトリウム、ビスアセチルアセトナート、R1−Yのいずれかを示す。ここで、R1は、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、複素環残基(各基は1個以上の置換基を有してもよい。)から選ばれる一価基を示し、Yは、− COO、−SO4、−SO3、−PO4、−Oのいずれかを示す。上記qは、1又は2である。)
また、透明樹脂100重量部に、イオウ0.004〜2重量部と、下記一般式(A)の銅化合物0.01〜2重量部と、下記一般式(B)のチウラム系化合物0.001〜2重量部とを含有したことを特徴とする近赤外線を吸収する透明樹脂組成物でもよい。
一般式(A)
XqCu
(式中、Xは、硫黄、フッ素、塩素、−CN、フタロシアニル基、クロロフィリンナトリウム、ビスアセチルアセトナート、R1−Yのいずれかを示す。ここで、R1は、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、複素環残基(各基は1個以上の置換基を有してもよい。)から選ばれる一価基を示し、Yは、− COO、−SO4、−SO3、−PO4、−Oのいずれかを示す。qは、1又は2である。)
一般式(B)
(R2およびR3は、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、5員又は6員の複素環残基(各基は1個以上の置換基を有してもよい。)から選ばれる一価基を示し、R2とR3は連結して環を形成してもよい。上記m又はnは、1〜4の整数である。)
好ましくは、透明樹脂を、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂から選ばれる1又は2種以上とし、上記一般式(A)の銅化合物をステアリン酸銅とし、上記一般式(B)のチウラム化合物をジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドとする。
上記の近赤外線を吸収する透明樹脂組成物から採光材を成形するのが好適であり、採光材の一面又は両面に光触媒層を積層した光触媒積層採光材とするのがより好適である。光触媒層は、アナターセ型酸化チタンを含有させるのがよい。
上記採光材又は光触媒積層採光材を用いてテラス、カーポート、バルコニーなどの成形品を形成することができる。
透明樹脂にイオウと銅化合物とを含有させることにより、成形加工安定性に優れ、近赤外線を効率よく吸収し、かつ可視光線を効率よく透過し、耐久性にも優れた透明樹脂組成物となる。また、透明樹脂にイオウと銅化合物とチウラム系化合物とを含有させることにより、チウラム系化合物の含有量を少なくすることができる。
以下、本発明の透明樹脂組成物を説明する。
本発明は、透明樹脂にイオウ及び銅化合物を含有したものである。好ましくは、さらに、チウラム系化合物を含有する。
透明樹脂は、特に限定するものではないが、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂等の透明な樹脂材料を使用する。これらを1又は2種以上混合してもよい。
ポリカーボネート樹脂としては、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとをホスゲン法により反応させたり、ジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとをエステル交換法で反応させたりして得られた重合体がある。具体的には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂がある。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、例えば、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル) ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3, 5−ジクロロフェニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルなどのジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドなどのジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンなどのジヒドロキシジアリールスルホン類などがある。
さらに、ポリカーボネート樹脂としては、上記のジヒドロキシジアリール化合物と3価以上のフェノール化合物とを混合したものでもよい。3価以上のフェノールとしては、例えば、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ− (4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6− ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス− [4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどがある。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリレート、ポリエーテルエーテルケトン等がある。
メタクリル系樹脂は、メタクリル酸の各種エステルからなる重合体又は他の単量体との共重合体であり、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等の各種メタクリル酸エステルの単独重合体、及びこれらのメタクリル酸エステルと各種アクリル酸エステル、アクリル酸、スチレン、α−メチルスチレン等との共重合体がある。
スチレン系樹脂は、スチレン系単量体からなる重合体又はスチレン系単量体と共重合可能な単量体を用いた共重合体である(これらにゴム状物質を存在させてもよい)。スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ベンゼン核の水素原子がハロゲン原子や炭素数1〜2のアルキル基で置換されたスチレン誘導体等があり、具体的には、スチレン、o−クロルスチレン、p−クロルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、t−ブチルスチレン等がある。また、共重合可能な単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のアクリロニトリル系単量体や、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルブチル、(メタ)アクリル酸−β−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸や、これらの各種エステル類又は酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイミド等がある。
ゴム状物質としては、ポリブタジエン・ゴム、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン系ゴム、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体ゴム、ブチルゴム、アクリル系ゴム、スチレン・イソブチレン・ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン・アクリル酸エステル系共重合体ゴム等がある。
ポリ塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの単独重合体、少量のコモノマーを共重合させた塩化ビニル系共重合体、グラフト共重合体等がある。これらと塩化ビニリデン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン等とのポリマーブレンドでもよい。
ポリオレフィン系樹脂は、α−オレフィンの単独重合体又はα−オレフィンと他の共重合可能な単量体との共重合体であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1 −ペンテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等がある。このうち、密度が0.910〜0.935の低密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィン共重合体、酢酸ビニル含量が30重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体が透明性及び耐候性に優れている。なかでも、酢酸ビニルの含量が5重量%〜30重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体は透明性、柔軟性及び耐候性が特に優れている
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12、ナイロン−46等がある。
イオウは、市販のイオウ粉末などを使用できる。例えば、鶴見化学(株)製(JIS2級相当品)のイオウ粉末などがある。イオウは、透明樹脂100重量部に0.004〜2重量部を含有させる。含有量が0.004〜2重量部であると近赤外線領域の光線吸収性能に優れ、硫黄化合物による環境汚染の問題も起こりにくい。好適には、イオウ0.01〜2重量部、より好適にはイオウ0.01〜0.1重量部の範囲とする。
下記に示すチウラム系化合物を含有させる場合は、少なくともイオウ0.001重量部、好適には0.002重量部、より好適には0.004重量部を含有させ、多くとも2重量部、好適には0.01重量部を含有させる。
銅化合物は、下記一般式(A)で表わされる化合物を使用する。
一般式(A)
XqCu
式中、Xは、硫黄、フッ素、塩素、−CN、フタロシアニル基、クロロフィリンナトリウム、ビスアセチルアセトナート、R1−Yのいずれかを示す。ここで、R1は、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、複素環残基(各基は1個以上の置換基を有してもよい。)から選ばれる一価基を示し、Yは、− COO、−SO4、−SO3、−PO4、−Oのいずれかを示す。qは、1又は2である。
銅化合物のとしては、例えば、ステアリン酸銅、硫化銅、フタロシアニル銅等があり、なかでもステアリン酸銅を用いるのが好ましい。
銅化合物は、透明樹脂100重量部に0.01〜2重量部を含有させる。含有量が0.01〜2重量部であると近赤外線領域の光線吸収性能に優れ、可視光線の透過率が高いものとなる。好適には、銅化合物0.08〜0.2重量部、より好適には0.1重量部とする。下記に示すチウラム系化合物を含有させる場合は、銅化合物0.01〜2重量部、好適には0.02〜0.1重量部、より好適には0.04〜0.1重量部を含有させる。
チウラム系化合物は、上記一般式(B)で表わされる化合物を使用する。
チウラム系化合物としては、例えば、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等があり、なかでもジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドが好適である。
チウラム系化合物は、透明樹脂100重量部に、0.001〜2重量部を含有させる。含有量が0.001〜2重量部とすると近赤外線領域の光線吸収性能に優れ、可視光線の透過率が高いものとなる。好適には、チウラム系化合物0.002〜0.01重量部、より好適には0.002〜0.004重量部とする。
上記透明樹脂組成物に、本発明の効果を損なわない限度において、熱安定剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、着色剤、蛍光増白剤、離型剤、アンチブロッキング剤(シリカ、架橋ポリスチレンビーズ等)、軟化材、帯電防止剤等の添加剤を含有させてもよい。
上記透明樹脂組成物の原料の混合は、公知の混合機でおこなうことができ、例えばタンブラー、リボンブレンダー等による混合や押出機による溶融混練がある。そして押出機や射出成形機で板状の採光材に成形することができる。
上記採光材の一面又は両面に光触媒層を積層し、光触媒積層採光材とするのが好ましい。
光触媒としては、例えば、酸化チタン、硫化カドミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化亜鉛、セレンカドミニウム等があり、アナターセ型酸化チタンが好適に用いられる。
光触媒層の積層は、公知の方法でおこなえばよく、例えば、ゾルゲル法によるコーティング、転写箔を用いた転写法等やロールコーターによる塗布などでおこなう。また、光触媒層と採光材との間に基材保護層及び/又は接着層を設けてもよい。
このようにして成形した採光材又は光触媒積層採光材は、アーケード、ガレージ、サンルーム、テラス、カーポート、バルコニー、温室等の屋根材や壁材などに好適に用いることができる。
以下、透明樹脂にイオウと銅化合物とを含有させた場合の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
(実施例1〜6、9〜11及び比較例1〜4)
ポリカーボネート樹脂(住友ダウ(株)製カリバー303)に下記表1又は表2記載の重量分率で、イオウ粉末(鶴見化学(株)製JIS2級相当品)、ステアリン酸銅(寺田薬泉工業(株)製)を配合し、25mm押出機(東洋精機社製2軸押出機)にて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数40rpmの条件にて溶融混練し、各種ペレットを得た。
(実施例7、8)
ポリカーボネート樹脂(住友ダウ(株)製カリバー303)に下記表1又は表2記載の重量分率で、イオウ粉末(鶴見化学(株)製JIS2級相当品)、ステアリン酸銅(寺田薬泉工業(株)製)を配合し、25mm押出機(東洋精機社製2軸押出機)にて300℃、スクリュー回転数40rpmの条件にて溶融混練し、各種ペレットを得た。
(参考例1、2)
参考例として、特開平11−181302号公報に記載の発明の透明樹脂組成物を作成した。
ポリカーボネート樹脂(住友ダウ(株)製カリバー303)に下記表3に記載の重量分率で、ステアリン酸銅(寺田薬泉工業(株)製)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(大内新興化学工業(株)ノクセラーTRA)を配合し、25mm押出機(東洋精機社製2軸押出機)にて280℃又は300℃、スクリュー回転数40rpmの条件にて溶融混練し、各種ペレットを得た。
(実施例1〜11、比較例1〜4、及び参考例1、2)
上記ペレットを用いて、射出成形機(東芝機械製IS50)で280℃で平板採光材(100×100×2mm)を成形した。
(実施例4〜7)
上記ペレットを用いて、射出成形機(東芝機械製IS50)で280℃で平板採光材(100×100×2mm)を成形した。さらに、これらの平板採光材について、プライマー(多木化学製プライマーA)、光触媒(多木化学社製CZP―221 酸化チタン粒径20nm)をこの順にロールコーターにより塗布した。
上記平板採光材について、分光光度形(島津製作所製UV3150型)を用いて波長300〜2100nmの領域の光線透過率(τλ)を測定した。なお、熱線遮蔽板の可視光線透過率(τv、380〜780nm)および日射透過率(τe、300〜2100nm)の値をJIS R−3106に準じて求めた。
これらの値を以下の表1〜表3に示す。
(実施例1〜11、比較例1〜4、及び参考例1、2の比較)
日射透過率が低く、可視光線透過率が高いほど、近赤外線を吸収し、可視光線は透過することとなる。
本発明では、日射透過率が50%以下、可視光線透過率が18%以上のものを好適なものとして判断した。
実施例1〜11は、日射透過率、可視光線透過率とも上記基準を満たしている。
比較例1〜4は、日射透過率、可視光線透過率ともに、或いはどちらかが上記基準を満たしておらず不適である。
参考例1、2は、日射透過率、可視光線透過率とも上記基準を満たしている。
このように、チウラム系化合物を含有しなくとも、特開平11−181302号公報に記載の発明の透明樹脂組成物と同等の透明樹脂組成物を作成できる。
以下、透明樹脂にイオウと銅化合物とチウラム系化合物とを含有させた場合の実施例を説明する。本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
(実施例13、14、16、17及び比較例5、7〜9
ポリカーボネート樹脂(住友ダウ(株)製カリバー303)に下記表4又は表5に記載の重量分率にて、イオウ粉末(鶴見化学(株)製JIS2級相当品)、ステアリン酸銅(寺田薬泉工業(株)製)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(大内新興化学工(株)ノクセラーTRA)を配合し、25mm押出機(東洋精機社製2軸押出機)にて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数40rpmの条件にて溶融混練し、各種ペレットを得た。
(参考例3)
参考例として、特開平11−181302号公報に記載の発明の透明樹脂組成物を作成した。
ポリカーボネート樹脂(住友ダウ(株)製カリバー303)に下記表6に記載の重量分率で、ステアリン酸銅(寺田薬泉工業(株)製)、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(大内新興化学工業(株)ノクセラーTRA)を配合し、25mm押出機(東洋精機社製2軸押出機)にて280℃、スクリュー回転数40rpmの条件にて溶融混練し、各種ペレットを得た。
(実施例16,17、比較例5、7〜9、及び参考例3)
上記ペレットを用いて、射出成形機(東芝機械製IS50)で280℃にて平板採光材(100×100×2mm)を成形した。
(実施例13、14
上記ペレットを用いて、射出成形機(東芝機械製IS50)で280℃にて平板採光材(100×100×2mm)を成形した。これらの平板採光材について、プライマー(多木化学製プライマーA)、光触媒(多木化学社製CZP―221
酸化チタン粒径20nm)をこの順にロールコーターにより塗布した。
これら平板採光材について、分光光度計(島津製作所製UV3150型)を用いて波長300〜2100nmの領域の光線透過率(τλ)を測定した。なお、熱線遮蔽板の可視光透過率(τv、380〜780nm)および日射透過率(τe、300〜2100nm)の値をJIS R−3106に準じて求めた。
これらの値を以下の表4〜表6に示す。

(実施例13、14、16、17、比較例5、7〜9、及び参考例3の比較)
本発明では、日射透過率が50%以下、可視光線透過率が18%以上のものを好適なものとして判断した。
実施例13、14、16、17は、日射透過率、可視光線透過率とも上記基準を満たしている。
比較例5及び7〜9は、日射透過率が上記基準を満たしておらず不適である。
参考例3は、日射透過率、可視光線透過率とも上記基準を満たしている。
このように、イオウを含有させることにより、チウラム系化合物の含有量を減少させても、特開平11−181302号公報に記載の発明の透明樹脂組成物と同等の透明樹脂組成物を作成できる。

Claims (8)

  1. 透明樹脂100重量部に、イオウ0.004〜2重量部と、ステアリン酸銅0.01〜2重量部とを含有したことを特徴とする近赤外線を吸収する透明樹脂組成物であって、
    前記透明樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂から選ばれる1又は2種以上であることを特徴とする、近赤外線を吸収する透明樹脂組成物。
  2. 透明樹脂100重量部に、イオウ0.004〜2重量部と、ステアリン酸銅0.01〜2重量部と、下記一般式(B)のチウラム系化合物0.001〜2重量部とを含有したことを特徴とする近赤外線を吸収する透明樹脂組成物であって、
    前記透明樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂から選ばれる1又は2種以上であることを特徴とする、近赤外線を吸収する透明樹脂組成物。
    一般式(B)

    (R2およびR3は、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、5員又は6員の複素環残基(各基は1個以上の置換基を有してもよい。)から選ばれる一価基を示し、R2とR3は連結して環を形成してもよい。m又はnは、1〜4の整数である。)
  3. 一般式(B)のチウラム化合物は、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィドであることを特徴とする請求項1又は2に記載の近赤外線を吸収する透明樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の近赤外線を吸収する透明樹脂組成物から成形した採光材。
  5. 請求項4に記載の採光材を用いた成形品。
  6. 請求項4に記載の採光材の一面又は両面に光触媒層を積層したことを特徴とする光触媒積層採光材。
  7. 光触媒層アナターセ型酸化チタンを含有することを特徴とする請求項6に記載の光触媒積層採光材。
  8. 請求項6又は7に記載の光触媒積層採光材を用いた成形品。

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