JP2008174607A - 紫外線吸収透明樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】微粒子状の無機系紫外線吸収剤が透明樹脂に分散してなる紫外線吸収透明樹脂組成物を提供する。
【解決手段】亜鉛化合物を樹脂に添加し、亜鉛化合物の熱分解温度以上で溶融混練することにより、該亜鉛化合物の熱分解微粒子を樹脂中に分散させて紫外線吸収透明樹脂組成物を得た。亜鉛化合物を樹脂に添加し、亜鉛化合物の熱分解温度以上で溶融混練すれば、亜鉛化合物の状態で樹脂と混練でき、同時に亜鉛化合物を熱分解させて微粒子化することができるから、微粒子状の熱分解微粒子を樹脂に分散させることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、カーポート、テラス、ショーウインドウ、ショーケース、照明用透明シェードなどに使用される透明樹脂板や、食品等の包装用透明シートや、各種透明容器など、透明性と紫外線吸収性能が必要とされる製品の原料として用いることができる紫外線吸収透明樹脂組成物に関する。
アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂といった透明な熱可塑性樹脂の成形体は、透明性と外観の美しさから、スカイライトやカーポート、ドーム型施設の屋根材など、屋外で用いられる建築資材に広く使用されている。
しかし、透明な熱可塑性樹脂は、紫外線を吸収する傾向があるため、長期に亘り太陽光に晒されると紫外線によって劣化を生じるようになる。また、太陽光に含まれる紫外線が建築資材を透過して、室内や車内に置かれた物品の劣化、変色、変質等を引き起こすという問題もあった。そのため、このような紫外線の悪影響を抑えるべく、その表面に、有機系紫外線吸収剤を配合した塗料や、酸化チタンあるいは酸化亜鉛を配合した塗料を塗布し、紫外線遮断性塗膜を形成することが行なわれていたが、表面に塗料を塗布して紫外線遮断性塗膜を形成する方法は、塗布作業が面倒である上、コスト高となるという問題を抱えていた。
そこで、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サルチレート系などの有機系紫外線吸収剤を透明熱可塑性樹脂に配合する方法が試みられた。
しかし、このような有機系紫外線吸収剤は比較的低分子の物質であるため、該紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂に練り込んで成形体を作製しても、低分子の紫外線吸収剤が成形体表面に溶出するという問題があった。また、有機系紫外線吸収剤の中には、その構造中に塩素を含有するものがあるため、ダイオキシン発生等の環境問題を考慮するとこれらの使用には障害があった。さらに、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂など高融点の熱可塑性樹脂に有機系紫外線吸収剤を溶融、混練させた場合、加熱によって紫外線吸収剤が分解・劣化してしまい、紫外線吸収能が低下したり、樹脂が着色したりする問題も存在した。また、有機系紫外線吸収剤自体の耐候性にも問題があり、有機系紫外線吸収剤が紫外線に長時間晒されると劣化し、徐々にその効力を失ってしまうという問題もあった。
そこで、このような耐熱性、耐候性、溶出性などの諸問題を解消するため、上記有機紫外線吸収剤の代わりに、酸化チタン、酸化亜鉛などの無機系紫外線吸収剤を樹脂に配合する方法が提案された。例えば、特許文献1には、熱可塑性ポリエステル樹脂中に、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄などの無機系紫外線吸収剤と顔料分散剤とを配合して成るポリエステル樹脂組成物、並びにこのポリエステル樹脂組成物から成る透明性を有する成形体が開示されている。
特開2000−63647号公報
熱可塑性樹脂の透明性を維持するには、熱可塑性樹脂に配合する無機系紫外線吸収剤の粒子径を可視光線の波長領域(380nm〜780nm)以下にする必要がある。しかし、粒子径が小さくなるのに伴って粒子間の相互作用により分散性が低下するため、上記の如く無機系紫外線吸収剤の微粒子を熱可塑性樹脂に加えて混練すると、微粒子同士の凝集が生じ、数μmから数十μmの2次粒子が生成して透明性が逆に低下する問題があった。
そこで本発明は、上記の問題に鑑みて、可視光線の波長領域である380nm〜780nm以下の粒径を備えた無機系紫外線吸収剤を透明樹脂に含有してなる紫外線吸収透明樹脂組成物において、無機系紫外線吸収剤を微粒子状に維持し、且つ透明樹脂に分散してなる紫外線吸収透明樹脂組成物を提供せんとするものである。
本発明は、亜鉛化合物の熱分解微粒子が樹脂中に分散してなる紫外線吸収透明樹脂組成物を提案する。このような紫外線吸収透明樹脂組成物であれば、380nm〜780nm以下の粒径の無機系紫外線吸収剤を含有してなる紫外線吸収透明樹脂組成物においても、無機系紫外線吸収剤を微粒子状に維持することができ、透明性を確保することができる。
本発明はまた、亜鉛化合物を樹脂に添加し、亜鉛化合物の熱分解温度以上で溶融混練することにより、該亜鉛化合物の熱分解微粒子を樹脂中に分散させて得られる紫外線吸収透明樹脂組成物を提案する。
前述のように、粒子の細かい無機系紫外線吸収剤は粒子間の相互作用によって微粒子同士凝集しやすいため、微粒子状態の無機系紫外線吸収剤を樹脂に加えて混練してもかえって大きな粒子となり易い。これに対して、本発明のように、亜鉛化合物を樹脂に添加し、亜鉛化合物の熱分解温度以上で溶融混練すれば、亜鉛化合物の状態で樹脂と混練することができ、同時に亜鉛化合物を熱分解させて微粒子化することができるから、微粒子状の熱分解微粒子を樹脂に分散させることができる。
以下、本発明の実施形態の一例について説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
なお、本明細書において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と記載した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きく、Yより小さい」の意を包含するものである。
本実施形態に係る紫外線吸収透明樹脂組成物(以下「本紫外線吸収透明樹脂組成物」という)は、亜鉛化合物の熱分解微粒子が樹脂中に分散してなる構成を備えた紫外線吸収透明樹脂組成物である。
(亜鉛化合物)
樹脂に添加する亜鉛化合物としては、下記一般式(A)で示される亜鉛化合物を例示することができる。
一般式(A)・・・XqZn
一般式(A)中のXは、硫黄、フッ素、塩素、−CN、フタロシアニル基、クロロフィリンナトリウム、ビスアセチルアセトナートまたはR−Yを表わす。また、前記のRは、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基および複素環残基(各基は1個以上の置換基を有しても良い)からなる群から選ばれる一価基を表し、前記のYは、−COO、−SO、−SO、−POまたは−Oを表わす。
一般式(A)中のqは、1もしくは2を表わす。
樹脂に添加する亜鉛化合物は、酸化亜鉛よりも熱分解温度が低い亜鉛化合物であるのが好ましい。酸化亜鉛よりも熱分解温度が低い亜鉛化合物であれば、溶融混練した際に、熱分解して酸化亜鉛になり易いからである。
亜鉛化合物の具体例としては、ステアリン酸亜鉛、硫化亜鉛、フタロシアニル亜鉛、亜鉛アセチルアセトナート等が挙げられるが、これらのうち亜鉛アセチルアセトナートがより好適である。
(亜鉛化合物の熱分解微粒子)
亜鉛化合物の熱分解微粒子の大きさは、電子顕微鏡観察により観察した際、その粒径が、可視光線の波長領域以下、すなわち780nm以下、好ましくは380nm以下、特に好ましくは100nm以下であるのが好ましい。
なお、本発明において、熱分解微粒子の粒径は、電子顕微鏡観察により任意に20個の微粒子を抽出した際の粒子径をいうものとする。
亜鉛化合物の熱分解微粒子は、酸化亜鉛の微粒子(「酸化亜鉛微粒子」という)であるのが好ましい。酸化亜鉛微粒子として存在するか否かは、酸化亜鉛特有の紫外線吸収性能を調べることで確認することができる。
亜鉛化合物の熱分解微粒子は、樹脂100質量部に対して1〜20質量部の割合で含まれるのが好ましく、特に1〜10質量部、中でも特に1〜5質量部の割合で含まれるのが好ましい。
(樹脂)
本紫外線吸収透明樹脂組成物に使用される樹脂は、透明な熱可塑性樹脂であればよく、中でもポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂等を好ましい例として挙げることができる。これらは、単独あるいは2種以上混合して使用してもよい。但し、これらに限定するものではない。
ポリカーボネート樹脂とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
ここで、上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−
ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
透明な熱可塑性樹脂の一例としてのポリエステル系樹脂とは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリレート、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
メタクリル系樹脂とは、メタクリル酸の各種エステルからなる重合体もしくは他の単量体との共重合体をいい、具体的にはメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等の各種メタクリル酸エステルの単独重合体、およびこれらのメタクリル酸エステルと各種アクリル酸エステル、アクリル酸、スチレン、α−メチルスチレン等との共重合体が挙げられる。
スチレン系樹脂とは、スチレン系単量体からなる重合体、ならびにスチレン系単量体と共重合可能な単量体を用いて得られた共重合体が挙げられる(更にゴム状物質を存在させてもよい)。スチレン系単量体とは、スチレン、α−メチルスチレン、ベンゼン核の水素原子がハロゲン原子や炭素数1〜2のアルキル基で置換されたスチレン誘導体等が挙げられ、代表的にはスチレン、o−クロルスチレン、p−クロルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、t−ブチルスチレン等が挙げられる。また、共重合可能な単量体としては、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のアクリロニトリル系単量体;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルブチル、(メタ)アクリル酸−β−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸およびそれらの各種エステル類;または酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイミド等が挙げられる。更に、ゴム状物質としては、ポリブタジエン・ゴム、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン系ゴム、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体ゴム、ブチルゴム、アクリル系ゴム、スチレン・イソブチレン・ブタジエン共重合体ゴム、イソプレン・アクリル酸エステル系共重合体ゴム等が挙げられる。
ポリ塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニルの単独重合体、少量のコモノマーを共重合させた塩化ビニル系共重合体、グラフト共重合体等が挙げられる。また、これらと塩化ビニリデン樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン等とのポリマーブレンドを使用しても良い。
ポリオレフィン系樹脂とは、α−オレフィンの単独重合体またはα−オレフィンと他の共重合可能な単量体との共重合体をいい、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1
−ペンテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
ポリアミド系樹脂とは、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12、ナイロン−46等が挙げられる。
フッ素系樹脂としては、ポリフッ化エチレン、ポリ2フッ化エチレン、ポリ4フッ化エチレン、エチレン−2フッ化エチレン共重合体、エチレン−4フッ化エチレン共重合体、4フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体等が挙げられる。
(製法)
本紫外線吸収透明樹脂組成物は、上記亜鉛化合物を上記樹脂に添加し、溶融混練することにより、該亜鉛化合物の熱分解微粒子を樹脂中に分散させて得ることができる。
亜鉛化合物を樹脂に添加し、亜鉛化合物の熱分解温度以上で溶融混練することにより、亜鉛化合物を熱分解させて微粒子化させ、好ましくは酸化亜鉛にすることができると同時に、この微粒子を樹脂中に分散させることができる。この際、亜鉛化合物が熱分解して酸化亜鉛微粒子が生成されるメカニズムは明確ではないが、亜鉛化合物の熱分解温度以上の熱を加えることで、亜鉛化合物が熱分解し、外部や原料中に含まれる空気中の酸素と結合し、酸化亜鉛が生成するものと考えられる。
溶融混練する温度は、亜鉛化合物の熱分解温度以上であることが必要であり、特に亜鉛化合物の熱分解温度より10℃以上高温、中でも30℃以上高温とするのが好ましい。
溶融混練するための機器は、単軸押出機、同方向二軸押出機、異方向二軸押出機等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
(他の成分)
本発明の効果を損なわない範囲で、熱安定剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、着色剤、蛍光増白剤、離型剤、アンチブロッキング剤(シリカ、架橋ポリスチレンビーズ等)、軟化材、帯電防止剤、等の添加剤を配合してもよい。
(用途)
本紫外線吸収透明樹脂組成物は、透明性と紫外線吸収性能を同時に備えるから、シート或いは成形体に成形して、例えばカーポート、テラス、ショーウインドウ、ショーケース、照明用透明シェードなどに使用される透明樹脂板や、食品等の包装用透明シートや、各種透明容器など、透明性と紫外線吸収性能が必要とされる製品の原料として好適に用いることができる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<熱分解温度>
本発明における熱分解温度は、JIS K7120に準じてTG/DTAを用いて熱重量測定し、重量減少の始まった温度を熱分解温度とした。
[実施例1]
ポリプロピレン系樹脂(住友化学工業(株)製 タフセレンT3712)98質量部と、亜鉛アセチルアセトナート(ナカライテスク(株)製、熱分解温度110℃)2質量部を配合し、ラボプラストミルにて、160℃、スクリュー回転数100rpmの条件にて溶融混練し、プレス機械で200μmのシートを作製した。
なお、シートを薄く切断し、電子顕微鏡にて観察した結果、樹脂中に分散している酸化亜鉛(ZnO)粒子の径は10nm〜50nmであった。
[実施例2]
ポリエステル系樹脂(イーストマンケミカル社製 PET−G、イースター6763)98質量部と、亜鉛アセチルアセトナート(ナカライテスク(株)製、熱分解温度110℃)2質量部を配合し、ラボプラストミルにて、200℃、スクリュー回転数60rpmの条件にて溶融混練し、200μmのシートを作製した。
なお、シートを薄く切断し、電子顕微鏡にて観察した結果、樹脂中に分散している酸化亜鉛(ZnO)粒子の径は10nm〜50nmであった。
[比較例1]
ポリプロピレン系樹脂(住友化学工業(株)製 タフセレンT3712)をラボプラストミルにて、160℃、スクリュー回転数100rpmの条件にて溶融混練し、200μmのシートを作製した。
[比較例2]
ポリプロピレン系樹脂(住友化学工業(株)製 タフセレンT3712)に98質量部と、酸化亜鉛微粒子(ハクスイテック社製)2質量部を配合し、ラボプラストミルにて、160℃、スクリュー回転数100rpmの条件にて溶融混練し、200μmのシートを作製した。
[比較例3]
ポリプロピレン系樹脂(住友化学工業(株)製 タフセレンT3712)に98質量部と、ステアリン酸亜鉛(ナカライテスク(株)製、熱分解温度250℃)2質量部を配合し、ラボプラストミルにて、160℃、スクリュー回転数100rpmの条件にて溶融混練し、200μmのシートを作製した。
[比較例4]
アクリル樹脂溶液(三菱レイヨン(株)製 LR−1065、固形分45質量%)50質量部をメチルエチルケトン50質量部に溶かした溶液と、亜鉛アセチルアセトナート(ナカライテスク(株)製、熱分解温度110℃)5質量部をアセチルアセトン95重量部に溶かした溶液を配合し、樹脂固形分98質量部中に亜鉛アセチルアセトナートが2質量部となるように配合した溶液を、50℃の乾燥機中で乾燥し、500μm厚のシートを作製した。
Figure 2008174607
上記実施例及び比較例で得られたシート(サンプル)について、分光光度計(島津製作所製UV3150型)を用いて、JIS R−3106に準じて光線透過率(τλ)を測定した。360nmにおける紫外光透過率が20%以下を○とした。
Figure 2008174607
実施例1、2では樹脂中に酸化亜鉛が生成し、紫外領域の光を吸収した。
比較例1では紫外光を透過した。
比較例2では、酸化亜鉛の熱分解温度は樹脂溶融温度よりも極めて高温であり、酸化亜鉛の分散性が悪く、目視で酸化亜鉛の凝集体が観察された。
比較例3ではステアリン酸亜鉛の分解温度以下で溶融混練したため、酸化亜鉛が生成せず紫外光を透過した。
比較例4では低温で亜鉛アセチルアセトナートを樹脂に混ぜたため、酸化亜鉛が生成せず紫外光を透過した。

Claims (6)

  1. 亜鉛化合物の熱分解微粒子が樹脂中に分散してなる紫外線吸収透明樹脂組成物。
  2. 亜鉛化合物を樹脂に添加し、亜鉛化合物の熱分解温度以上で溶融混練することにより、該亜鉛化合物の熱分解微粒子を樹脂中に分散させて得られる紫外線吸収透明樹脂組成物。
  3. 亜鉛化合物は、酸化亜鉛よりも熱分解温度が低い亜鉛化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の紫外線吸収透明樹脂組成物。
  4. 亜鉛化合物が、亜鉛アセチルアセトナートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の紫外線吸収透明樹脂組成物。
  5. 亜鉛化合物の熱分解微粒子が、酸化亜鉛微粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の紫外線吸収透明樹脂組成物。
  6. 亜鉛化合物の熱分解微粒子が、樹脂100質量部に対して1〜20質量部の割合で含まれることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の紫外線吸収透明樹脂組成物。

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