JP2014113813A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【構成】透明性合成樹脂(A)からなる基材の少なくとも片面に、特定の表面硬度向上剤、リン系酸化防止剤および紫外線吸収剤を含むポリカーボネート樹脂組成物(B)からなる表層材を積層してなる積層体。
【効果】本発明の積層体は、高い表面硬度および耐候性を有し、かつ色相にも優れている。そのため、積層体表面の傷付きが敬遠され、かつ透明感を要望される用途であって屋外使用も想定される用途、例えばスマートフォン、タブレット端末のタッチパネル、もしくはエクステリア製品等に好適に用いることができる。また、高価な表面硬度向上剤および紫外線吸収剤を表層材に使用することで、効率的に表面硬度および耐候性を向上させ、コスト的にも優れている。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明性合成樹脂からなる基材の少なくとも片面に、表面硬度、色相および耐候性に優れたポリカーボネート樹脂組成物からなる表層材を積層してなる積層体に関する。
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性、透明性、熱安定性等に優れた熱可塑性樹脂であることから、ガラスの代用として自動車や建材の窓部やディスプレイ部に利用されている。しかし、ポリカーボネート樹脂は表面硬度が低く、傷つきやすいという欠点があり、その用途は制限されている。
この欠点を改良するために、アクリル樹脂層とポリカーボネート樹脂層とからなる積層体に紫外線硬化型塗料をハードコーティングする方法が提案されている。(特許文献1)が、アクリル樹脂とポリカーボネート樹脂の屈折率が異なるため、リサイクルの目的で積層体の耳や使用済み積層体を粉砕、溶融、混練、成形を行うと透明性が低下するという問題があった。
表面硬度と透明性に優れた成形体を得るために、ポリカーボネート樹脂とアクリル系の表面硬度向上剤との樹脂組成物が提案されている。(特許文献2及び3)しかしながら、この樹脂組成物は、表面硬度は高いが色相および耐候性が劣るという問題を抱えていた。また、特許文献1および特許文献2に開示されるポリカーボネート樹脂とアクリル系の表面硬度向上剤との樹脂組成物は、積層体の表層材としての使用については開示されていない。
また、アクリル系の表面硬度向上剤は一般的に高価であることから、コスト的にも優れた樹脂製の成形体が望まれていた。
特開2006−103169号公報 特開2009−280713号公報 特開2010−116501号公報
本発明は、前述の諸問題を解決した、すなわち高い表面硬度と優れた色相および耐候性を有し、かつ安価な樹脂製の積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定の酸化防止剤を用いることにより、表面硬度のみならず色相にも優れたポリカーボネート樹脂組成物が得られること、また、表面硬度は成形体の表面もしくはその周辺において発現させることで十分であり、耐候性についても紫外線吸収剤が成形品の表面層に局在している方がこれらの効果を効率的に高めることができることから、前記のポリカーボネート樹脂組成物を表層材として透明合成樹脂基材に積層することにより、コスト的にも優れ、かつ透明性、色相安定性、表面硬度および耐候性にも優れた積層体を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、透明性合成樹脂(A)からなる基材の少なくとも片面に、ポリカーボネート樹脂組成物(B)からなる表層材を積層してなる積層体において、
・前記ポリカーボネート樹脂組成物(B)が、ポリカーボネート樹脂(B1)35〜75重量%および表面硬度向上剤(B2)25〜65重量%からなる樹脂成分100重量部あたり、リン系酸化防止剤(B3)0.02〜1重量部およびベンゾトリアゾール系、トリアジン系およびシュウ酸アニリド系紫外線吸収剤から選択される1種もしくは2種以上の紫外線吸収剤(B4)1〜10重量部を含む樹脂組成物であり、
・前記表面硬度向上剤(B2)が、芳香族(メタ)アクリレート単位5〜80重量%およびメチルメタクリレート単位20〜95重量%からなる共重合体であって、当該共重合体の重量平均分子量が5000〜30000である、
ことを特徴とする積層体を提供するものである。
本発明の積層体は、高い表面硬度および耐候性を有し、かつ色相にも優れている。そのため、積層体表面の傷付きが敬遠され、かつ透明感を要望される用途であって屋外使用も想定される用途、例えばスマートフォン、タブレット端末のタッチパネル、もしくはエクステリア製品等に好適に用いることができる。また、高価な表面硬度向上剤および紫外線吸収剤を表層材に使用することで、効率的に表面硬度および耐候性を向上させ、コスト的にも優れている。
本発明の基材として用いられる透明性合成樹脂(A)としては、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等の透明な熱可塑性樹脂が挙げられる。とりわけ、積層体のリサイクルを考慮すると、表層材としてポリカーボネート樹脂組成物(B)が使用されることから、ポリカーボネート樹脂を基材に用いるのが好ましい。
基材として用いられるポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、20000〜30000が好ましい。粘度平均分子量が20000未満の場合には、積層体の衝撃強度が劣る場合がある。また、30000を超えると成形性が低下する場合がある。好ましくは22000〜28000の範囲である。
上記の粘度平均分子量は、塩化メチレンを溶媒として0.5重量%のポリカーボネート樹脂溶液とし、キャノンフェンスケ型粘度管を用い温度20℃で比粘度(ηsp)を測定し、濃度換算により極限粘度〔η〕を求め下記のSCHNELLの式から算出した。
〔η〕=1.23×10−40.83
本発明の表層材あるいは場合によっては基材に使用されるポリカーボネート樹脂とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
これらは、単独または2種類以上混合して使用することができる。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
本発明の表層材に使用されるポリカーボネート樹脂(B1)の粘度平均分子量は、通常10000〜100000、好ましくは19000〜33000、さらに好ましくは、23000〜30000である。かかるポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
本発明にて使用される表面硬度向上剤(B2)とは、芳香族(メタ)アクリレート単位5〜80重量%およびメチルメタクリレート単位20〜95重量%からなる共重合体であり、かつ当該共重合体の重量平均分子量が5000〜30000であることを特徴とする。尚、本明細書においては(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
芳香族(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、好ましくはフェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートであり、より好ましくはフェニルメタクリレートである。
表面硬度向上剤(B2)中の芳香族(メタ)アクリレート単位の含有率が5重量%以上であれば、透明性が維持され、80重量%以下であれば、ポリカーボネート樹脂(B1)との相容性が高過ぎず、成形体表面への移行性が低下しないため、表面硬度が低下しないので好ましい。また、芳香族(メタ)アクリレート単位の含有率が20〜70重量%の範囲であれば、さらに透明性を維持しつつ高い表面硬度を発現することから、更に好ましい。
表面硬度向上剤(B2)には、必要に応じて芳香族(メタ)アクリレート単位およびメチルメタクリレート単位以外の他の単量体単位を含有させてもよい。他の単量体単位を構成するその他の単量体としては、例えば、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリレート;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリシジルアクリレート等のアクリレート;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸系ビニル単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のエチレン系不飽和カルボン酸単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル単量体;マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−メチルマレイミド等のマレイミド系単量体;アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、1,3−ブチレンジメタクリレート等の架橋剤を挙げることができる。これらのうち、好ましくはメタクリレート、アクリレート、シアン化ビニル単量体であり、表面硬度向上剤(B2)の熱分解を抑制するという観点からより好ましくはアクリレートである。これらの単量体は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
その他の単量体単位を含有する場合、表面硬度向上剤(B2)の構成単量体は、芳香族(メタ)アクリレート単位5〜79.9重量%、メチルメタクリレート単位20〜94.9重量%およびその他の単量体単位0.1〜10重量%の範囲であることが好ましい。
表面硬度向上剤(B2)を得るための単量体の重合方法としては、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の公知の方法を使用することができる。好ましくは懸濁重合法や塊状重合法であり、さらに好ましくは懸濁重合法である。また、重合に必要な添加剤等は必要に応じて適宜添加することができ、例えば、重合開始剤、乳化剤、分散剤、連鎖移動剤が挙げられる。
表面硬度向上剤(B2)の重量平均分子量は、5000〜30000である。重量平均分子量が5000〜30000の範囲において、ポリカーボネート樹脂(B1)との相容性が良好であり、表面硬度の向上効果に優れる。尚、好ましくは10000〜25000の範囲である。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定され、その詳細条件は以下のとおりである:
GPCのカラムは、アジレント・テクノロジー社製 PLgel 5μm MIXED−Cを使用した。移動相としては、THFを使用した。
本発明にて使用されるリン系酸化防止剤(B3)としては、ポリカーボネート樹脂用に使用される公知のリン系酸化防止剤、例えば、クラリアントジャパン社製サンドスタブP−EPQ、ADEKA社製アデカスタブP−168等が挙げられる。このうち、下記一般式1に示す化合物がとりわけ好適に使用できる。
一般式1
Figure 2014113813
一般式1において、R1、R2は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を、a、bは整数0〜3を示す。
リン系酸化防止剤(B3)の配合量は、ポリカーボネート樹脂組成物(B)の樹脂成分100重量部あたり、0.02〜1重量部である。配合量が0.02重量部未満の場合には、色相に劣り、また1重量部を超えると曇価率が上がるため、好ましくない。好ましくは、0.03〜0.5重量部、さらに好ましくは0.04〜0.3重量部の範囲である。
本発明にて使用される紫外線吸収剤(B4)は、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系およびシュウ酸アニリド系紫外線吸収剤から選択される1種もしくは2種以上の紫外線吸収剤である。商業的に入手可能なものとして、BASF社製チヌビン329、チヌビン1577、シプロ化成社製シーソーブ709、ケミプロ化成社製ケミソーブ79、クラリアントジャパン社製Sanduvor VSU等が挙げられる。なかでも、下記一般式2および一般式3に示すシュウ酸アニリド系およびベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤が好適に使用できる。
一般式2
Figure 2014113813
一般式3
Figure 2014113813
一般式3において、R1、R2は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を、a、bは整数0〜3を示す。
紫外線吸収剤(B4)の配合量は、ポリカーボネート樹脂組成物(B)の樹脂成分100重量部あたり、1〜10重量部である。配合量が1重量部未満では耐候性に劣り、また10重量部を超えると初期の色相が劣るので好ましくない。更に好ましくは2〜8重量部、より一層好ましくは3〜7重量部の範囲である。
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明のポリカーボネート樹脂組成物(B)に各種の樹脂、蛍光増白剤、顔料、染料、カーボンブラック、充填材、離型剤、帯電防止剤、ゴム、軟化材、展着剤(流動パラフィン、エポキシ化大豆油等)、難燃剤、有機金属塩等の添加剤、滴下防止用ポリテトラフルオロエチレン樹脂等を配合しても良い。
各種の樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、ABS、AES、AAS、AS、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド樹脂等が挙げられ、これらは一種もしくは二種以上で併用してもよい。
本発明の積層体の製造方法としては、基材および表層材に使用される樹脂組成物をそれぞれ別の単軸または二軸押出機を用いて溶融混錬し、それぞれの溶融物を共押出用ダイの基材フィードブロックおよび表層フィードブロックにそれぞれ供給し積層させる、いわゆる共押出法、あるいは基材および表層の板状成形品を熱プレスにより積層する方法、表層をフィルム化してラミネーションする方法等が挙げられる。なかでも共押出法が製造効率の面で優れるため好適に用いられる。
前記積層体の厚みは、積層体の剛性を考慮すれば、好ましくは0.1〜2mm、より好ましくは0.2〜1mm、さらに好ましくは0.4〜1mmである。また、表層材の厚みは、好ましくは50〜700μm、より好ましくは50〜500μm、さらに好ましくは50〜140μmである。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はそれら実施例に制限されるものではない。尚、実施例中の「部」、「%」は断りのない限り重量基準に基づく。
使用した原料の詳細は以下のとおりである。
基材に使用したポリカーボネート樹脂:
住化スタイロンポリカーボネート社製 カリバー200−13
ビスフェノールAとホスゲンとから合成されたポリカーボネート樹脂
(粘度平均分子量:21500、以下「基材PC1」という。)
住化スタイロン ポリカーボネート社製 カリバー301−6
ビスフェノールAとホスゲンとから合成されたポリカーボネート樹脂
(粘度平均分子量:25000、以下「基材PC2」という。)
住化スタイロン ポリカーボネート社製 カリバー301−4
ビスフェノールAとホスゲンとから合成されたポリカーボネート樹脂
(粘度平均分子量:27000、以下「基材PC3」という。)
住化スタイロン ポリカーボネート社製 カリバー301−22
ビスフェノールAとホスゲンとから合成されたポリカーボネート樹脂
(粘度平均分子量:19000、以下「基材PC4」という。)
表層材に使用したポリカーボネート樹脂(B1):
住化スタイロンポリカーボネート社製カリバー200−3
ビスフェノールAとホスゲンとから合成されたポリカーボネート樹脂
(粘度平均分子量:28500、以下「PC」と略記)
表面硬度向上剤(B2):
メタクリル酸メチル及びアクリル樹脂の混合物
(三菱レイヨン株式会社製メタブレンH−880、芳香族(メタ)アクリレート単位5〜80質量%及びメチルメタクリレート単位20〜95質量%を含有し、質量平均分子量が5,000〜30,000である重合体を含有する表面硬度向上剤、以下「B2」と略記)
リン系酸化防止剤(B3):
3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4
,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン
(ADEKA社製 アデカスタブPEP−36、以下「AO」と略記)
紫外線吸収剤(B4):
2−エチル,2’−エトキシ−オキシアニリド
(クラリアントジャパン社製 Sanduvor VSU、以下「UVA」と略記)
使用した押出機は以下のとおりである。
表層材のポリカーボネート樹脂組成物(B)用の押出機:
日本製鋼所社製TEX30α 二軸押出機
(L/D=42、Φ=30mm)
共押出用の押出機:
基材用押出機:田辺プラスチック社製VS40単軸押出機
(L/D=32、40Φ)
表層材用押出機:プラ技研社製PEX−25−24型単軸押出機
(L/D=24、25Φ)
(表層材用樹脂組成物ペレットの作成)
前述の各種原料を表1〜3に示す配合比率にて、それぞれタンブラーに投入し、10分間乾式混合した後、上記押出機を用いて、溶融温度240℃にて溶融混錬しペレットを得た。
(共押出法による加工)
得られた表層材用樹脂組成物のペレットを100℃×6時間の乾燥条件にて、熱風循環式乾燥機を用いて事前乾燥を行った。基材用のポリカーボネート樹脂は120℃×4時間の乾燥条件にて事前乾燥を行った。
事前乾燥を行なった基材用ポリカーボネート樹脂のペレットを、上記の基材用押出機を用いて、260℃の条件下で溶融混錬し、共押出用ダイの基材フィードブロックに供給した。また、同時に、事前乾燥した表層材用樹脂組成物のペレットを、上記の表層材用押出機を用いて260℃の条件下で溶融混錬して表層フィードに供給し、共押出による積層体を得た。尚、表1および表3に示す積層体の表層材および基材の厚みは、それぞれ100μm、0.9mmに設定した。表2に示す積層体の表層材および基材の厚みは、それぞれ80μm、0.72mmに設定した。
評価方法は、以下のとおりである。
(初期の色相)
得られた積層体を3cm×3cmに切り出して試験片を作成した。得られた試験片を用いて、スペクトロフォトメーター(村上色彩研究所製CMS35−SP)にて、D65光源、視野角10°の条件でYelowness Index(YI)を測定した。YIが2.5以下を良好とした。
(耐候性)
上記のとおり切り出した試験片を促進耐候試験機サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター(スガ試験機社製WELSUNHCH−B型)の中に設置し、600時間照射を行った。その後、照射後の試験片のYIを上記初期の色相の条件に準じて測定した。
照射後のYIと照射前の初期のYIの差(ΔYI)を求めた。
ΔYIの値が10未満であるものを良好(○)、10以上であるものを不良とした。
(鉛筆硬度)
得られた積層体の試験片を用いて、JIS K5600−5−4に従い鉛筆硬度測定機(東洋精機社製鉛筆引掻塗膜硬さ試験機)にて、積層体の表層材側の試験片表面に擦り傷が観察されない鉛筆硬度を求めた。鉛筆硬度が、HB以上を良好とした。
(曇価率)
得られた積層体の試験片を用いて、JIS K7105に従い、ヘーズメーター(村上色彩技術研究所社製HM150)にて曇価率(H)を求めた。尚、曇価率(H)は下記式に従い算出した。
曇価率H(%)=(拡散透過率Td/全光線透過率Tt)×100
曇価率(H)が2.5%以下を良好とした。
(耐衝撃性)
得られた積層体を6cm×6cmに切り出して試験片を作成した。得られた試験片を用いてデュポンインパクトテスター(東洋精機社製)にて衝撃試験を行った。試験は表層材側から10kg・cmの衝撃を与えた。
Figure 2014113813
判定: ○: 良好 ×:不良
Figure 2014113813
判定: ○: 良好 ×:不良
Figure 2014113813
判定: ○: 良好 ×:不良
実施例1〜9に示すように、本発明の構成要件を満足するものについては、要求性能を満たしていた。
一方、比較例1〜6に示すように、本発明の構成要件を満足しないものについては、それぞれ次のとおり欠点を有していた。
比較例1は、AOの配合量が規定量よりも少ない場合で、YIが不良となった。
比較例2は、AOの配合量が規定量よりも多い場合で、曇価率が不良となった。
比較例3は、B2(表面硬度改良剤)の配合量が規定量よりも少ない場合で、鉛筆硬度が不良となった。
比較例4は、B2(表面硬度改良剤)の配合量が規定量よりも多い場合で、曇価率が不良となった。
比較例5は、UVAの配合量が規定量よりも少ない場合で、ΔYIが不良となった。
比較例6は、UVAの配合量が規定量よりも多い場合で、YIおよび曇価率が不良となった。

Claims (8)

  1. 透明性合成樹脂(A)からなる基材の少なくとも片面に、ポリカーボネート樹脂組成物(B)からなる表層材を積層してなる積層体において、
    ・前記ポリカーボネート樹脂組成物(B)が、ポリカーボネート樹脂(B1)35〜75重量%および表面硬度向上剤(B2)25〜65重量%からなる樹脂成分100重量部あたり、リン系酸化防止剤(B3)0.02〜1重量部およびベンゾトリアゾール系、トリアジン系およびシュウ酸アニリド系紫外線吸収剤から選択される1種もしくは2種以上の紫外線吸収剤(B4)1〜10重量部を含む樹脂組成物であり、
    ・前記表面硬度向上剤(B2)が、芳香族(メタ)アクリレート単位5〜80重量%およびメチルメタクリレート単位20〜95重量%からなる共重合体であって、当該共重合体の重量平均分子量が5000〜30000である、
    ことを特徴とする積層体。
  2. ポリカーボネート樹脂組成物(B)の樹脂成分が、ポリカーボネート樹脂(B1)45〜65重量%および表面硬度向上剤(B2)35〜55重量%からなることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. 前記リン系酸化防止剤(B3)が、下記一般式1に示す化合物であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
    一般式1
    Figure 2014113813
    (一般式1において、R1、R2は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を、a、bは整数0〜3を示す。)
  4. リン系酸化防止剤(B3)の配合量が、ポリカーボネート樹脂組成物(B)の樹脂成分100重量部あたり、0.04〜0.3重量部であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  5. 前記紫外線吸収剤(B4)が、下記一般式2に示すシュウ酸アニリド系紫外線吸収剤または下記一般式3に示すベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
    一般式2
    Figure 2014113813

    一般式3
    Figure 2014113813

    (一般式3において、R1、R2は炭素数1〜20のアルキル基、またはアルキル基で置換されてもよいアリール基を、a、bは整数0〜3を示す。)
  6. 前記紫外線吸収剤(B4)の配合量が、ポリカーボネート樹脂組成物(B)の樹脂成分100重量部あたり、3〜7重量部であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  7. 透明性合成樹脂(A)が、ポリカーボネート樹脂である請求項1に記載の積層体。
  8. 透明性合成樹脂(A)が、ポリカーボネート樹脂からなり、かつ当該ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が20000〜30000であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
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