JP6246643B2 - 表面硬度向上剤、熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

表面硬度向上剤、熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 Download PDF

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本発明は、表面硬度と透明性に優れた成形体、それを与える熱可塑性樹脂組成物、及びこれに用いる表面硬度向上剤に関する。
ポリカーボネートは、その優れた機械強度、耐熱性、電気特性、寸法安定性、難燃性、透明性等により、電気電子・OA機器、光メディア、自動車部品、建築部材等に広く使用されている。
このようなポリカーボネートは、通常ビスフェノールA(芳香族ジヒドロキシ化合物)とホスゲンとを直接反応させる界面法、又はビスフェノールAとジフェニルカーボネート(炭酸ジエステル)とを溶融状態でエステル交換反応(重縮合反応)させる溶融法等により製造されている。
しかしながら、芳香族ジヒドロキシ化合物としてビスフェノールAを用いて製造されるポリカーボネートから得られる成形体は、例えば、自動車ヘッドランプ、メガネレンズ、シート等の屋外で使用する用途において表面硬度が不充分である。
ポリカーボネート成形体において、透明性を維持して表面硬度を向上させる方法として、特定範囲の分子量のポリメチルメタクリレート樹脂を配合する方法(特許文献1、2)、分子量が30,000を超える特定の組成のアクリル系樹脂を配合する方法(特許文献3)、及び特定の構造を有する炭酸エステル共重合体を用いる方法(特許文献4)が報告されている。
しかしながら、特許文献1〜4に提案されている方法は、充分な表面硬度と透明性との物性バランスを両立するのが困難である。また、特許文献4に記載される炭酸エステル共重合体は、特殊な芳香族ジヒドロキシ化合物を50モル%〜90モル%と多量に使用する必要があり、工業的に生産するにはコスト面を含めて課題がある。
特開昭62−131056号公報 特開昭63−139935号公報 特開昭64−1749号公報 特開平08−183852号公報
本発明の目的は、表面硬度と透明性に優れた成形体を効率よく安価に製造することができる、ポリカーボネートを含有する熱可塑性樹脂組成物や、これを用いた成形体を提供することにある。
本発明は、芳香族(メタ)アクリレート単位(a1)5〜80質量%及びメチルメタクリレート単位(a2)20〜95質量%を含有し、質量平均分子量が5,000〜30,000である重合体(A)を含有する表面硬度向上剤である。
また、本発明は、上記表面硬度向上剤5〜60質量%及びポリカーボネート系樹脂40〜95質量%を含有する熱可塑性樹脂組成物である。
また、本発明は、上記熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形体である。
本発明の表面硬度向上剤は、ポリカーボネート系樹脂との樹脂組成物を成形することにより、得られる成形体が表面硬度と透明性に優れる。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、成形することにより、得られる成形体が表面硬度と透明性に優れる。本発明の成形体は、表面硬度と透明性に優れる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の重合体(A)は、芳香族(メタ)アクリレート単位(a1)とメチルメタクリレート単位(a2)とを含有する。尚、本発明において、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを示す。
芳香族(メタ)アクリレート単位(a1)を構成する芳香族(メタ)アクリレートとは、エステル部分に芳香族基を有する(メタ)アクリレートのことを言う。芳香族(メタ)アクリレートとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、好ましくはフェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレートであり、より好ましくはフェニルメタクリレートである。芳香族(メタ)アクリレート単位(a1)は、成形体の透明性を向上させる作用を有する。
メチルメタクリレート単位(a2)を構成する単量体は、メチルメタクリレートである。メチルメタクリレート単位(a2)は、ポリカーボネート系樹脂と良分散する効果を有し、成形体の表面硬度を向上させる作用を有する。
重合体(A)は、芳香族(メタ)アクリレート単位(a1)5〜80質量%及びメチルメタクリレート単位(a2)20〜95質量%を含有する(但し、(a1)と(a2)の合計が100質量%)。重合体(A)中の芳香族(メタ)アクリレート単位(a1)の含有率が5質量%以上であれば、表面硬度向上剤の高添加領域において透明性が維持され、80質量%以下であれば、ポリカーボネートとの相容性が高過ぎず、成形体表面への移行性が低下しないため、表面硬度が低下しない。
また、表面硬度向上剤の高添加領域において、透明性を維持しつつ高い表面硬度を発現することから、重合体(A)は、芳香族(メタ)アクリレート単位(a1)20〜70質量%及びメチルメタクリレート単位(a2)30〜80質量%を含有することが好ましい。
重合体(A)は、必要に応じてその他の単量体単位(a3)を含有することができる。その他の単量体単位(a3)を構成するその他の単量体は、例えば、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリレート;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、プロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリシジルアクリレート等のアクリレート;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体;ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸系ビニル単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のエチレン系不飽和カルボン酸単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル単量体;マレイミド、N−フェ
ニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−メチルマレイミド等のマレイミド系単量体;アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、1,3−ブチレンジメタクリレート等の架橋剤を挙げることができる。これらのうち、好ましくはメタクリレート、アクリレート、シアン化ビニル単量体であり、重合体(A)の熱分解を抑制するという観点からより好ましくはアクリレートである。これらの単量体は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
その他の単量体単位(a3)を含有する場合、重合体(A)は、芳香族(メタ)アクリレート単位(a1)5〜79.9質量%、メチルメタクリレート単位(a2)20〜94.9質量%、及びその他の単量体単位(a3)0.1〜10質量%を含有することが好ましい(但し、(a1)〜(a3)の合計が100質量%)。
重合体(A)中の芳香族(メタ)アクリレート単位(a1)の含有率が5質量%以上であれば、表面硬度向上剤の高添加領域において透明性が維持され、79.9質量%以下であれば、ポリカーボネートとの相容性が高過ぎず、成形体表面への移行性が低下しないため、表面硬度が低下しない。
重合体(A)中のメチルメタクリレート単位(a2)の含有率が20質量%以上であれば、ポリカーボネートとの相容性が高過ぎず、成形体表面への移行性が低下しないため、表面硬度が低下せず、94.9質量%以下であれば、表面硬度向上剤の高添加領域において透明性が維持される。
重合体(A)中のその他の単量体単位(a3)の含有率が0.1質量%以上であれば、熱分解を抑制することができ、10質量%以下であれば、成形体の表面硬度と透明性が維持される。
表面硬度向上剤を得るための単量体の重合方法としては、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の公知の方法を使用することができる。好ましくは懸濁重合法や塊状重合法であり、さらに好ましくは懸濁重合法である。また、重合に必要な添加剤等は必要に応じて適宜添加することができ、例えば、重合開始剤、乳化剤、分散剤、連鎖移動剤が挙げられる。
重合体(A)の質量平均分子量は、5,000〜30,000であり、10,000〜25,000が好ましい。質量平均分子量が5,000〜30,000において、ポリカーボネートとの相容性が良好であり、表面硬度の向上効果に優れる。尚、重合体(A)の質量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定を行うことができる。
本発明の表面硬度向上剤は、重合体(A)を含有する。表面硬度向上剤は、1種の重合体(A)を含有してもよく、組成又は分子量の異なる2種以上の重合体(A)を含有してもよい。
また、機能を阻害しない範囲において、必要に応じて他の樹脂、添加剤等を含有してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に含まれるポリカーボネート系樹脂は、分子主鎖中に炭酸エステル結合を含む、−[O−R−OCO]−単位を有するものであれば、Rが脂肪族基、芳香族基、又は脂肪族基と芳香族基の双方のいずれでもよい。その中でも、ビスフェノールA等の芳香族ジヒドロキシ化合物を用いて得られる芳香族ポリカーボネートがコストの面から好ましい。また、これらのポリカーボネートは1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリカーボネート系樹脂の粘度平均分子量(Mv)は、粘度法により算出することができ、15,000〜30,000であることが好ましく、より好ましくは17,000〜25,000である。粘度平均分子量が上記範囲にあれば、本発明の表面硬度向上剤との相容性が良好であり、表面硬度の向上効果に優れる。
ポリカーボネート系樹脂の製造方法としては、ホスゲン法、エステル交換法等、単量体によって適宜選択することができる。また、上市されているものを適用することもでき、例えば、ユーピロンS−2000F(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、Mv=24,000)、タフロンFN1700(出光興産製、Mv=18,000)を用いることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記表面硬度向上剤5〜60質量%及びポリカーボネート系樹脂40〜95質量%含有する(但し、表面硬度向上剤及びポリカーボネート系樹脂の合計が100質量%)。さらに、熱可塑性樹脂組成物は、上記表面硬度向上剤10〜50質量%及びポリカーボネート系樹脂50〜90質量%含有することが好ましい。熱可塑性樹脂組成物中の表面硬度向上剤の含有率が、5質量%以上であれば、表面硬度向上剤とポリカーボネート系樹脂との相容性の向上や流動性の向上を図ることができ、60質量%以下であれば透明性の低下を抑制することができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、機能を阻害しない範囲において、必要に応じて他の樹脂、添加剤等を含有してもよい。
他の樹脂としては、例えば、ABS、HIPS、PS、PAS等のポリスチレン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリオレフィン系樹脂;他の熱可塑性樹脂を配合したエラストマー等のポリマーアロイを挙げることができる。これらの樹脂の含有量は、ポリカーボネート系樹脂が本来有する耐熱性、耐衝撃性、難燃性等の物性を損なわない範囲であることが好ましく、具体的には表面硬度向上剤とポリカーボネート系樹脂との合計100質量部に対して50質量部以下であることが好ましい。
また、上記熱可塑性樹脂組成物が含有していてもよい添加剤としては、例えば、安定剤、強化剤、耐候剤、無機フィラー、耐衝撃性改質剤、難燃剤、帯電防止剤、離型剤、染顔料、フルオロオレフィンを挙げることができる。具体的には、成形体の強度、剛性、難燃性を向上させるために、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維等を用いることができる。さらに、耐薬品性等の改良のためにポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、耐衝撃性を向上させるためのコアシェル2層構造からなるゴム状弾性体等を含有してもよい。
上記安定剤としては、例えば、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジフェニルヒドロゲンフォスファイト、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(商品名「IRGANOX1076」、チバ・ジャパン(株)製)、上記耐候剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンを挙げることができる。
熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては、表面硬度向上剤とポリカーボネート系樹脂と
を粉体状態で混合する方法や、これらを加熱溶融して混練する方法によることができる。上記混合には、例えば、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、2本ロール、ニーダー、ブラベンダーを使用することができる。
本発明の成形体は、上記熱可塑性樹脂組成物を成形したものである。その成形方法としては、例えば、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形、ブロー成形、押出成形、積層成形、カレンダー成形が挙げられる。成形方法として射出成形を用いた場合、射出成形条件としては、230〜300℃の間で成形することが好ましく、金型温度としては80℃以上が表面硬度向上の観点で好ましい。
得られる成形体は、ポリカーボネート系樹脂の優れた機械強度、耐熱性、電気特性、寸法安定性、難燃性等の特性を有し、しかも、表面硬度、透明性に優れるものであり、電気電子・OA機器、光メディア、自動車部品、建築部材等の成形体に利用することができる。
以下、本発明について実施例を用いて詳述するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。実施例中の「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
また、実施例及び比較例における各物性の測定は、以下の方法により行った。
[分子量]
重合体をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定を行った。なお、本発明におけるMw、Mn、Mw/Mnは、標準ポリスチレンによる検量線を基に算出した。
装置 :東ソー(株)製 HLC−8220GPC
カラム:東ソー(株)製 TSKgel SuperHZM−M
(内径:4.6mm×長さ15cm、本数:4本、排除限界:4×106)
溶離液:THF
流速 :0.35ml/分
温度 :40℃
サンプル濃度 :0.1%
サンプル注入量:10μl
検出器:RI(UV)
[ロックウェル硬度]
厚さ3mmの平板試験片を作製し、試験片を2枚重ねて、JIS K7202−2に準じてMスケールで測定を行った。
[鉛筆硬度]
厚さ3mmの平板試験片を作製し、試験片表面にすり傷が観察されない鉛筆硬度をJIS K5600−5−4に準じて測定を行った。
[アイゾット衝撃強度]
厚さ6.4mmの試験片に切り欠き(ノッチ)を付け、ノッチ付きアイゾッド衝撃試験片を作製し、ASTM D256に準拠してアイゾット衝撃試験を行った。
[透明性]
ヘーズメーターHR−100(村上色彩技術研究所(株)製)を用い、厚さ3mmの平板試験片についてJIS K7105に準じてヘーズの測定を行った。
[実施例1]表面硬度向上剤(1)の製造
温度計、窒素導入管、還流冷却管、及び攪拌装置を備えた加温可能な反応容器中に下記成分を仕込み、反応容器内を窒素で置換し、80℃に昇温した。
脱イオン水 200部
分散剤 0.3部
硫酸ナトリウム 0.5部
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 0.3部
フェニルメタクリレート 33部
メチルメタクリレート 66部
メチルアクリレート 1部
n−オクチルメルカプタン 2.5部
4時間攪拌を続け、得られたビーズ状の重合体を水洗、乾燥し、重合体(A−1)を得た。得られた重合体(A−1)のMw、Mn、Mw/Mnを表1に示す。この重合体(A−1)を表面硬度向上剤(1)とした。
尚、上記分散剤として、カリウムメタクリレート70部、メチルメタクリレート30部を共重合した重合体、及びナトリウム2−スルホエチルメタクリレート65部、カリウムメタクリレート10部、メチルメタクリレート25部を共重合した重合体を質量比1:1で混合し、この混合した重合体の10%水溶液を用いた。
[実施例2〜3、比較例1〜5]表面硬度向上剤(2)〜(8)の製造
実施例2〜3及び比較例1〜5について、表1に示す組成に変更した他は、実施例1と同様に製造した。
Figure 0006246643

[実施例4〜9、比較例6〜12]成形体の製造
実施例1〜3及び比較例1〜5により得られた表面硬度向上剤とポリカーボネート系樹脂としてユーピロンS−2000F(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製、粘度平均分子量:24,000)とを、表2に示す組成で混合し、二軸押出機(機種名「PCM−30」、池貝製作所(株)製)に供給し、280℃で溶融混練し、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを射出成形機(機種名「SE−100DU」、住友重機工業(株)製)に供給し、射出温度280℃、金型温度90℃の射出成形により、熱可塑性樹脂組成物の成形体を得た。
この成形体用いて、ロックウェル硬度、鉛筆硬度、アイゾット衝撃強度、透明性について試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006246643

実施例4〜9で明らかなように、本発明の成形体は、鉛筆硬度に優れると共に、透明性が高い。比較例6及び7の成形体は、芳香族(メタ)アクリレート単位(a1)を含有しない重合体を用いているため、透明性が低い。比較例8の成形体は、本発明の範囲より高い分子量で、かつ、芳香族(メタ)アクリレート単位(a1)を含有しない重合体を用いているため、ロックウェル硬度、鉛筆硬度、透明性が低い。比較例9の成形体は、メチルメタクリレート単位(a2)を含有しないため、透明性は損なわないものの鉛筆硬度が低い。比較例10の成形体は、本発明の範囲より低い分子量の重合体を用いているため、鉛筆硬度が低い。比較例11の成形体は、本発明の範囲より高い分子量のものを用いているため、鉛筆硬度が低い。比較例12の成形体は、表面硬度向上剤を含有しないポリカーボネート系樹脂単体であり、ロックウェル硬度、鉛筆硬度が低い。
本発明の成形体は、ポリカーボネート系樹脂に比べて表面硬度に優れ、透明性を維持できることから、光メディア用材料等の透明性が必要とされる用途や、筐体等の発色性が必要とされる用途等、幅広い分野に用いることができる。

Claims (1)

  1. ポリカーボネート系樹脂からの成形体製造用の表面硬度向上剤であって、
    フェニルメタクリレート単位(a1)5〜79.9質量%、メチルメタクリレート単位(a2)20〜94.9質量%、及びメチルアクリレート単位(a3)0.1〜10質量%を含有し、質量平均分子量が5,000〜30,000であるとともに、前記(a1)〜(a3)の合計が100質量%である重合体(A)からなる、表面硬度向上剤。
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