JP4689876B2 - 地盤凍結山留め工法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤掘削工事において掘削場所の周縁の崩壊を防ぐための連結壁(土留め、山留めとも称される)を土壌凍結工法で構築する地盤凍結山留め工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地盤の掘削場所の周縁に沿って、予め崩壊を防ぐための連結壁を構築する工法は種々提案されている。
例えば、特公昭49−39771号公報には、掘削しようとする地盤の周囲にボーリング等により壁状の孔を掘削し、この孔に凍結管を配置連結して凍結用構造物を設置し、この凍結用構造物の周囲に土砂を埋設し、この凍結用構造物に冷媒を通すことにより土砂を凍結する凍結工法が開示されている。
【0003】
また、特開平7−197450号公報には、掘削機の攪拌ロッドによりオーバーラップした掘削孔を形成し、この掘削孔にスラリーを充填し、このスラリーと地盤の土砂とを攪拌混合して掘削部分を形成し、互いに外周面がオーバーラップした掘削部分がまだ固化しないうちに、I形綱をバイブロハンマーに打圧挿入し、その後、掘削部分を固化して複合改良体を形成し、自立山留めを完成する工法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の工法はいずれも掘削孔の形成に掘削機を用い、その後に土砂を埋設したり、補強鋼を打圧したりしている。このため、工事の工程が多くなると共に、特公昭49−39771号公報のような土壌の凍結工法を採用する場合、土壌が充分に水分を含んでいないと凍結が不完全になり、強度の高い連結壁が形成できないという問題があった。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、水圧を利用して簡単な工程で掘削を行うと共に、土壌に充分な水分を含ませて完全な凍結で強度の高い連結壁が形成できるようにした地盤凍結山留め工法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、工事終了後に補強鋼を回収して再利用を可能にした地盤凍結山留め工法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、地盤の掘削場所の周縁に沿って、冷媒通路が形成された補強鋼を間隔をおいて挿設した後、前記冷媒通路に冷媒を流しながら補強鋼周囲の土壌を連壁状に凍結させて凍結壁を形成し、その後地盤を掘削する地盤凍結山留め工法において、前記補強鋼先端に水噴射用ノズルを装着し、前記ノズルより噴射される水圧力を利用して前記補強鋼を土中に掘削圧入した後、前記補強鋼の冷媒通路に冷媒を流しながら、地盤を凍結させて凍結壁を形成するとともに、冷媒通路に設置された断熱材によって前記補強鋼の間を連結する方向に凍結方向が制御されて前記凍結壁が形成されることを特徴とする。
かかる発明によれば、掘削用の噴射水が土中に含まれているために土壌凍結が容易になる。
【0006】
また、本発明は、前記水噴射用ノズルを引き抜いた後に、前記補強鋼の冷媒通路に冷媒を流して地盤を凍結させることを特徴とする。
かかる発明によれば、凍結時には水噴射用ノズルは地盤より引き抜き、土中にないためにノズルの破損がなくなる。
【0007】
また、本発明は、地盤の掘削場所の周縁に沿って、冷媒通路が形成された補強鋼を間隔をおいて挿設した後、前記冷媒通路に冷媒を流しながら補強鋼周囲の土壌を連壁状に凍結させて凍結壁を形成し、その後地盤を掘削する地盤凍結山留め工法において、前記地盤に補強鋼装填用の孔を先行して掘削し、この孔に前記補強鋼を装填し、該H形鋼と孔との隙間に水若しくはシャーベット氷を混入させた疑似土壌を注入した後、前記補強鋼の冷媒通路に冷媒を流しながら、疑似土壌中の水分を介して地盤を凍結させて凍結壁を形成するとともに、冷媒通路に設置された断熱材によって前記補強鋼の間を連結する方向に凍結方向が制御されて前記凍結壁が形成されることを特徴とする。
かかる発明によれば、疑似土壌に水分やスラリが含まれているために土壌凍結が容易になる。
【0008】
また、本発明は、地盤の掘削場所の周縁に沿って、冷媒通路が形成された補強鋼を間隔をおいて挿設した後、前記冷媒通路に冷媒を流しながら補強鋼周囲の土壌を連壁状に凍結させて凍結壁を形成し、その後地盤を掘削する地盤凍結山留め工法において、前記補強鋼先端に掘削刃を装着し、前記掘削刃に好ましくは該掘削刃より噴射される水や掘削刃の圧入力若しくは掘削刃の回転を利用して前記補強鋼を土中に掘削圧入した後、前記補強鋼の冷媒通路に冷媒を流しながら、地盤を凍結させて凍結壁を形成するとともに、冷媒通路に設置された断熱材によって前記補強鋼の間を連結する方向に凍結方向が制御されて前記凍結壁が形成されることを特徴とする。
かかる発明によれば、特に掘削刃の回転時に噴射する水により又は地盤中に水がある場合は、掘削刃より圧入若しくは回転を利用して水が引水されて土壌凍結が容易に行われる。
【0009】
また、本発明は、掘削工事終了後に前記冷媒通路に温媒体を供給して前記凍結壁を部分的に融解し、前記補強鋼を引抜くことを特徴とする。そして好ましくはこの場合、周辺土壌が融解する前に補強鋼引き抜きの後の空隙に砂などを投入することで、地中への埋め戻しが容易になる。
かかる発明によれば、補強鋼の引き抜きが容易に行われる。
また、本発明は、前記補強鋼がH型鋼であり、該H形鋼の中央部分内若しくは中央部分の側面に冷媒通路が形成されていることを特徴とする。
かかる発明によれば、冷媒通路の配管が不要になる。
【0010】
また、本発明は、前記補強鋼が外管と内管との二重管で構成された鋼管であり、該内管と外管との間のリング状通路に断熱材を介して冷媒流入通路と冷媒戻し通路が形成されていることを特徴とする。
かかる発明によれば、断熱材により土壌凍結方向を掘削工事の前後方向のみとするように制御できる。
【0011】
また、本発明は、地盤の掘削場所の周縁に沿って、冷媒通路が形成された補強鋼を間隔をおいて挿設した後、前記冷媒通路に冷媒を流しながら補強鋼周囲の土壌を連壁状に凍結させて凍結壁を形成し、その後地盤を掘削する地盤凍結山留め工法において、前記冷媒通路に冷媒体を流して前記補強鋼の周囲の土壌を凍結して連結壁を形成する工程と、掘削工事終了後に前記通路に冷媒用の冷凍機の凝縮熱を利用した温媒体を供給して前記連結壁を部分的に融解し、前補強鋼を引抜く工程と、引抜いた後の空隙を土壌で埋め戻す工程とからなることを特徴とする。
かかる発明によれば、連結壁は工事終了後は解凍されて土中に残ることがなく、かつ補強鋼も回収して再利用が可能となる。また、冷凍機の凝縮熱を利用することによりエネルギーの有効利用がはかれる。
【0012】
また、本発明は、前記地盤掘削後に露出された凍結連結壁の掘削場所側表面を断熱材で覆うことを特徴とする。
かかる発明によれば、断熱材の遮断効果により保冷負荷が低減し、連結壁の融解が防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施の形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0014】
図1〜図3は、本発明の第1実施の形態の地盤凍結山留め工法の工程を示す縦断側面図、図4および図5は第1実施の形態の工程の水平断面図である。
先ず、図1および図4に示すように、掘削工事をしようとする地盤1の周囲に補強鋼であるH形鋼2を間隔を置いて掘削しながら圧入する。このH形鋼2には、図4に示すように、略中央部の両側に管からなる冷媒通路3および水噴射用ノズル4が長手方向に向けて取付けられた構成のものである。この水噴射用ノズル4は、H形鋼2から取り外せるように構成することが好ましい。このような構成としては、例えば、H形鋼2にねじ込む等の手段で取付けられ、回転操作で取り外せるようにする。
【0015】
H形鋼2の掘削圧入は、水噴射用ノズル4より噴出する水の水圧力で地盤1を掘削しながらH形鋼2を土中に圧入していくことにより行われ、図2に示すようにH形鋼2が土中に完全に入った状態で水噴射を停止する。
次に、水噴射用ノズル4だけを引き抜いた後、冷媒通路3からブライン等の冷媒を供給する。冷媒通路3は、図4に示すように、二重管であり、内外の管で冷媒の往復流路を構成している。なお、このような二重管に代えて単体の管をU字状に折り返して配管したものでよい。冷媒の供給により、図5に示すように、冷媒通路3を中心としてその周囲の地盤が凍結され、隣同志で互いに連結された連結壁Wが形成される。
【0016】
以上のようにして凍結の連結壁Wからなる山留めを構築した後、連結壁4の前部を掘削して図3に示すように掘削部5を形成する。凍結した連結壁Wは、大気温や日照で融解するおそれがあるので、これを防ぐため連結壁Wの前部(掘削部5側)の表面を木材、発砲材、段ボール等の断熱材6で覆うことが好ましい(図5参照)。これにより、断熱材6の遮断効果により保冷負荷が低減し、連結壁Wの融解が防止される。なお、連結壁Wと断熱材6との間に空気層を設けることにより、断熱効果が一層向上する。
【0017】
掘削工事が終了した後はH形鋼2は不要であるので、以下のようにしてこれを回収する。すなわち、冷媒通路3に温媒体を供給して土壌解凍熱を与える。冷媒通路3はH形鋼2に取付けられているので、この熱はH形鋼2の全体に伝達し、H形鋼2の周囲の土壌が解凍される。この融解範囲はH形鋼2の近傍だけでよく、この近傍の土壌が流動化しやすい解凍土壌7になる(図6参照)。この段階でH形鋼2を引き抜き、引き抜いた後の空隙に砂等からなる疑似土壌を充填し、地盤変形を防止する(図7参照)。
上記温媒体を供給する熱源は、冷媒用の冷凍機の凝縮熱を利用することによりエネルギーの有効利用をはかることができる。
【0018】
図8は、補強鋼2の変形例で、H形鋼2の先端にスクリュードリル状の回転掘削刃15を設けたもので、この回転掘削刃15の回転で掘削すると共に、その回転軸16をパイプ状のものとし、この回転軸16から水を供給して回転掘削刃15の先端から噴射させ、水の噴射と回転掘削刃15の回転作用でH形鋼2を掘削圧入するようにしている。
【0019】
図9は、本発明の第2実施の形態の水平断面図である。
第2実施の形態の土壌凍結工法では、スクリューオーガ等により最初に地盤に掘削孔8を形成しておき、この掘削孔8にH形鋼2を装填した後、H形鋼2と掘削孔8との隙間に砂等の疑似土壌9を注入する。そして、第1実施の形態と同様、冷媒通路3からブライン等の冷媒を供給して疑似土壌9及びその周辺を凍結して連結壁Wを形成する。疑似土壌9は乾燥土壌の場合は凍結できるように水分を補給する。あるいは水分に代えてシャーペット氷を混入すると、初期土壌凍結負荷の軽減に有効である。最後に、第1実施の形態と同様に冷媒通路3に温媒体を供給してH形鋼2の周囲の疑似土壌9を融解した後、H形鋼2を引き抜き、H形鋼2を引き抜いた後の空隙に砂等からなる疑似土壌を充填する。
【0020】
連結壁Wは、止水、土留めに供するものであるから、凍結方向は鋼管10の間のみでよく、前後方向(掘削側及び建築基礎側)は最小限度でよい。そこで、図10に示すように、冷媒通路3の外側のリング状の部分に、前側および後側に相当する部分に断熱材18a、18bを充填して前後方向の凍結量が小、横方向の凍結量が大になるように制御することもできる。
【0021】
また、図11では、冷媒通路3の前側および後側の表面に断熱材20a、20bを設けて、同じく前後方向の凍結量が小、横方向の凍結量が大になるように制御するようにしている。
このような断熱材20a、20bを設けた冷媒通路3で凍結を行った場合、図12に示すように、冷媒通路3を中心に、前後方向に小さい扇状凍結部21が形成され、同時に横方向に大きい扇状凍結部22が形成され、これにより、H形鋼2の前後でに凍結部を最小限に抑えることができる。断熱材20a、20bの厚みが小さい程扇状凍結部21が大きくなるので、断熱材20a、20bの厚みでH形鋼2の前後の凍結部分の厚みを制御できる。
【0022】
図13は補強鋼の他の実施の形態を示すもので、図13(a)は、配管の冷媒通路に代えてH形鋼2の中央の胴部2a内に一体に冷媒通路3を形成し、この冷媒通路3に冷媒を供給するようにしたものである。また、図13(b)はH形鋼2の中央の胴部2aの側面に孔状の冷媒通路3を形成し、この冷媒通路3を塞ぐようにC形状に加工した鋼管10を胴部2aに固着し、この冷媒通路3に冷媒を供給するようにしたものである。
【0023】
図14は、本発明の地盤凍結山留め工法の第3実施の形態を示すもので、補強鋼としてH形鋼に代えて円筒状の鋼管10を使用する方法である。鋼管10は内管10aの外側に4箇所補強リブ11を介して外管10bが取付けられた二重管構造であり、この内管10aの外側のリング状の通路を冷媒通路として使用するようにしたものである。なお、図示の例では、内管10aと外管10bとの間に補強リブ11で区画された4つの空間部が形成され、そのうちの前後方向の相対向する2つ空間部に断熱材12を充填し、横方向の空間を各々冷媒流入通路3aと冷媒戻し通路3bとして使用するようにしている。この通路3a、3bで冷媒を往復させることにより、その周囲の地盤が凍結され、各鋼管10の間の部分が凍結されて連続する連結壁Wが形成される。
【0024】
前述のように、凍結方向は横方向(連結方向)のみでよく、前後方向(掘削側及び建築基礎側)は最小限度でよいので、鋼管10の前後方向の伝熱面には断熱材12を設けて凍結方向を横方向の往復通路のみとするように制御している。
【0025】
以上のようにして土壌凍結工事を完了した後、冷媒通路3から温媒体を供給して土壌解凍熱を与え、土壌が流動化しやすい状態になった段階で鋼管10を引き抜き、引抜いた後の空隙に砂等からなる疑似土壌を充填し、連結壁Wの変形を防止することは第1、第2実施の形態と同様である。
この実施の形態でも、掘削手段は、鋼管10に取付けた水噴射ノズルあるいは水噴射する回転掘削刃で掘削することは前記各実施の形態と同様である。
【0026】
上記各実施の形態において、連結壁Wの1本当たりの凍結負荷は、初期が最大で、凍結が進むに従って減少する。多数の連結壁Wに1度に冷媒を供給すると冷凍機が過負荷になるおそれがある。これを避けるため、初期凍結負荷による冷凍機能力を平均化するように、図15に示すように、冷媒を供給する連結壁Wを例えば、NO1、NO2、NO3、NO4・・・のように分割して順次供給する。そして、最終供給が終了すると、図16に示すように一定の保冷負荷に移行する。
【0027】
また、各実施の形態において、地盤の凍結状態は、H形鋼2又は鋼管10等の補強鋼の端部の温度が−5℃以下に維持されるように冷凍機からの冷媒供給温度を制御することにより、H形鋼2又は鋼管10間は継ぎ目なく凍結土壌の連壁が形成される。一般的に、土粒子の粒径が大きいほど強度が高く、温度が低下するに従って強度が増す。この性質を利用して疑似土壌の選択と凍結温度の選択とをすることにより連結壁の強度が確保できる。
【0028】
【発明の効果】
以上記載のごとく、本発明によれば、補強鋼先端に装着した水噴射用ノズルより噴射される水圧力を利用して補強鋼を土中に掘削圧入した後、補強鋼の冷媒通路に冷媒を流しながら、地盤を凍結させて凍結壁を形成するようにしたので、掘削用の噴射水が土中に含まれているために土壌凍結が容易になると共に、水圧を利用して簡単な工程で掘削を行うことができる。
【0029】
また、本発明によれば、地盤に補強鋼装填用の孔を先行して掘削し、この孔に前記補強鋼を装填し、該補強鋼と孔との隙間に水若しくはシャーベット氷を混入させた疑似土壌を注入した後、前記補強鋼の冷媒通路に冷媒を流しながら、疑似土壌中の水分を介して地盤を凍結させて凍結壁を形成するようにしたので、疑似土壌に水分やスラリが含まれているために土壌凍結が確実に行われる。
また、本発明によれば、補強鋼先端に掘削刃を装着し、前記掘削刃の回転とともに該掘削刃より噴射される水を利用して前記補強鋼を土中に掘削圧入した後、前記補強鋼の冷媒通路に冷媒を流しながら、地盤を凍結させて凍結壁を形成するようにしたので、掘削刃の回転時に噴射する水により土壌凍結が確実に行われる。
【0030】
また、本発明によれば、冷媒通路に冷媒体を流して前記補強鋼の周囲の土壌を凍結して連結壁を形成する工程と、掘削工事終了後に前記通路に温媒体を供給して前記連結壁を部分的に融解し、前補強鋼を引抜く工程と、引抜いた後の空隙を土壌で埋め戻す工程とからなるので、連結壁は工事終了後は解凍されて土中に残ることがなく、かつ補強鋼も回収して再利用が可能となり、経済性及び省資源に寄与するという効果がある。
【0031】
また、本発明によれば、地盤に間隔をおいて外管と内管との二重管で構成された鋼管を立設し、内管の内外の通路に冷媒を流して鋼管の周囲の土壌を凍結して凍結連壁を形成し、掘削工事終了後に通路に温媒体を供給して連壁を部分的に融解し、鋼管を引抜くようにしたので、連壁は工事終了後は解凍されて土中に残ることがなく、かつ鋼管も回収して再利用が可能となり、経済性及び省資源に寄与するという効果がある。
【0032】
更に本発明は、SMW工法などの他の山留め工法と比較して本凍結山留め工法では、完全な止水が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の地盤凍結山留め工法の第1実施の形態の工程を示す縦断側面図である。
【図2】 図1に続く工程の縦断側面図である。
【図3】 図2に続く工程の縦断側面図である。
【図4】 補強鋼を土中に掘削圧入した状態の平断面図である。
【図5】 凍結時の水平断面図である。
【図6】 土壌解凍状態の水平断面図である。
【図7】 疑似土壌充填状態の水平断面図である。
【図8】 補強鋼の変形例を示す側面図である。
【図9】 本発明の地盤凍結山留め工法の第2実施の形態の水平断面図である。
【図10】 冷媒通路に断熱剤を設けた構造例の断面図である。
【図11】 冷媒通路に断熱剤を設けた他の構造例の断面図である。
【図12】 図11の冷媒通路を使用した場合の凍結の進行を示す平面図である。
【図13】 (a)および(b)は補強鋼の変形例を示す平面図である。
【図14】 本発明の地盤凍結山留め工法の第2実施の形態の平面図である。
【図15】 冷媒供給方法の一例を示す説明図である。
【図16】 凍結負荷と経過日数の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 地盤
2 H形鋼(補強鋼)
3 冷媒通路
3a 冷媒流入通路
3b 冷媒戻し通路
4 水噴射用ノズル
5 掘削部
6 断熱材
10 鋼管(補強鋼)
10a 内管
10b 外管
12 断熱材
15 掘削刃
W 連結壁

Claims (9)

  1. 地盤の掘削場所の周縁に沿って、冷媒通路が形成された補強鋼を間隔をおいて挿設した後、前記冷媒通路に冷媒を流しながら補強鋼周囲の土壌を連壁状に凍結させて凍結壁を形成し、その後地盤を掘削する地盤凍結山留め工法において、
    前記補強鋼先端に水噴射用ノズルを装着し、前記ノズルより噴射される水圧力を利用して前記補強鋼を土中に掘削圧入した後、前記補強鋼の冷媒通路に冷媒を流しながら、地盤を凍結させて凍結壁を形成するとともに、
    冷媒通路に設置された断熱材によって前記補強鋼の間を連結する方向に凍結方向が制御されて前記凍結壁が形成されることを特徴とする地盤凍結山留め工法。
  2. 前記水噴射用ノズルを引き抜いた後に、前記補強鋼の冷媒通路に冷媒を流して地盤を凍結させることを特徴とする請求項1記載の地盤凍結山留め工法。
  3. 地盤の掘削場所の周縁に沿って、冷媒通路が形成された補強鋼を間隔をおいて挿設した後、前記冷媒通路に冷媒を流しながら補強鋼周囲の土壌を連壁状に凍結させて凍結壁を形成し、その後地盤を掘削する地盤凍結山留め工法において、
    前記地盤に補強鋼装填用の孔を先行して掘削し、この孔に前記補強鋼を装填し、該補強鋼と孔との隙間に水若しくはシャーベット氷を混入させた疑似土壌を注入した後、前記補強鋼の冷媒通路に冷媒を流しながら、疑似土壌中の水分を介して地盤を凍結させて凍結壁を形成するとともに、
    冷媒通路に設置された断熱材によって前記補強鋼の間を連結する方向に凍結方向が制御されて前記凍結壁が形成されることを特徴とする地盤凍結山留め工法。
  4. 地盤の掘削場所の周縁に沿って、冷媒通路が形成された補強鋼を間隔をおいて挿設した後、前記冷媒通路に冷媒を流しながら補強鋼周囲の土壌を連壁状に凍結させて凍結壁を形成し、その後地盤を掘削する地盤凍結山留め工法において、
    前記補強鋼先端に掘削刃を装着し、前記掘削刃を利用して前記補強鋼を土中に掘削圧入した後、前記補強鋼の冷媒通路に冷媒を流しながら、地盤を凍結させて凍結壁を形成するとともに、
    冷媒通路に設置された断熱材によって前記補強鋼の間を連結する方向に凍結方向が制御されて前記凍結壁が形成されることを特徴とする地盤凍結山留め工法。
  5. 掘削工事終了後に前記冷媒通路に温媒体を供給して前記凍結壁を部分的に融解し、前記補強鋼を引抜くことを特徴とする請求項1、3若しくは4記載の地盤凍結山留め工法。
  6. 前記補強鋼がH型鋼であり、該H形鋼の中央部分内若しくは中央部分の上面に冷媒通路が形成されている請求項1、3若しくは4記載の地盤凍結山留め工法。
  7. 冷媒通路が形成された補強鋼若しくは補強鋼の一部に設けられた冷媒通路が外管と内管との二重管で構成された鋼管であり、該内管と外管との間のリング状通路に断熱材を介して冷媒流入通路と冷媒戻し通路が形成されている請求項1、3若しくは4記載の地盤凍結山留め工法。
  8. 地盤の掘削場所の周縁に沿って、冷媒通路が形成された補強鋼を間隔をおいて挿設した後、前記冷媒通路に冷媒を流しながら補強鋼周囲の土壌を連壁状に凍結させて凍結壁を形成し、その後地盤を掘削する地盤凍結山留め工法において、
    前記冷媒通路に冷媒体を流して前記補強鋼の周囲の土壌を凍結して連結壁を形成する工程と、掘削工事終了後に前記通路に冷媒用の冷凍機の凝縮熱を利用した温媒体を供給して前記連結壁を部分的に融解し、前補強鋼を引抜く工程と、引抜いた後の空隙を土壌で埋め戻す工程とからなることを特徴とする地盤凍結山留め工法。
  9. 前記地盤掘削後に露出された凍結連壁の掘削場所側表面を断熱材で覆うことを特徴とする請求項1、3、4又は8のいずれか1項記載の地盤凍結山留め工法。
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