JP2004137760A - 削孔ロッドを用いた二重管掘りロックボルトの構築方法 - Google Patents

削孔ロッドを用いた二重管掘りロックボルトの構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の「二重管掘り」による確実な固化材の充填と「自穿孔ボルト」による削孔ロッドをそのまま注入管および補強鉄筋とする作業性の利点を喪失させずに、高品質なロックボルトを容易に、しかも従来よりも経済的に実現する手段を提供する。
【解決手段】中空構造となる自穿孔ボルト2の先端に、この自穿孔ボルト2と同時打設される外管3の外径より若干大きい径の削孔用ロストビット1を取り付け、上記ロストビット1より若干の距離をおいて当該外管3の先端部が開口され、外管3の開口部もしくはその近傍に、外管3の内面と通過する自穿孔ボルト2との芯出しを目的とするセントライザー4が配置された状態で、外管3とその内部の自穿孔ボルト2を所定の深さまで削孔打設し、その後、固化材を自穿孔ボルト2の内孔6を通じて先端ロストビット排出口5より充填し、上記自穿孔ボルト2と先端ロストビット1を残置させた状態で外管3を引き抜くことにより、二重管掘りロックボルトを構築する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、法面補強工事や既設基礎のアンダーピーニング、およびその他の補強土工事に多用されるロックボルトの構築方法において、特に地質が悪くて削孔壁が自立しないために単管掘りが困難な場合に実施される、削孔ロッドを用いた二重管掘りによるロックボルトの構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1)異形鉄筋ロックボルト方式
法面の補強工事や既設基礎のアンダーピーニング、および新設基礎の基礎周り補強において、地盤に直径60〜90mm程度の先行削孔を行い、その後で一般の異形鉄筋を挿入してからモルタルなどの固化材を、当該鉄筋に沿わせて配置した注入ホースから注入し、鉄筋と地盤との間を充填して固結させるロックボルトは「異形鉄筋ロックボルト方式」と称され、長年に亘って幅広く採用されており公知の事実である。
【0003】
この異形鉄筋ロックボルト方式には「単管掘り」と「二重管掘り」があるが、その違いを説明する。
【0004】
「単管掘り」は、地質が良好で先行削孔した地山の孔壁が自立するような場合に適用され、図7(イ)の如く、回収して繰り返し使用する比較的高価な厚肉中空構造の削孔ロッド34の先端に、回収して繰り返し使用する比較的高価なドリルビット36を装着してカップリング35で接続しながら単管削孔し、所定深さに到達したらば図7(ロ)の如く削孔ロッド34と先端のドリルビット36を地表面A側へ回収した後で、図7(ハ)の如く注入ホース40、および芯出し用のスペーサ38を組み込んだ異形鉄筋37を挿設し、注入ホース40を介して固化材23を削孔穴の底側から口元に向けて充填する手法がとられており、効率的なロックボルトの構築手法とされている。
【0005】
一方、「二重管掘り」は、地質が悪くて孔壁が自立しない場合に適用され、図8(イ)のように先端に、共に回収して繰り返し利用する比較的高価なリングビット43を固定したドリルパイプ41と称する厚肉外管と、おなじく先端に共に回収して繰り返し利用する比較的高価なセンタービット42を固定した削孔ロッド34を用いてネジ接続しながら二重管掘りを実施し、所定の深さに達したら図8(ロ)の如く、削孔ロッド34とセンタービット42を地表面A側へ回収し、次に図8(ハ)のように注入ホース40および芯出し用スペーサ38を組み込んだ異形鉄筋37を、地山に残置されたドリルパイプ41の内側に挿設して注入ホース40より固化材23を下側より充填し、最後に図8(ニ)の如くドリルパイプ41を引き抜く手法が取られ、多大な労力と時間を費やしていた。
【0006】
このようにして「単管掘り」或いは「二重管掘り」により打設された「異形鉄筋ロックボルト方式」による従来のロックボルトの躯体埋め込み状態を図9に示す。
【0007】
角度を若干変えて打設された異形鉄筋37を異形鉄筋用カップラ39で複数に結んだ長尺のボルトが地表面Aから地中に向けて打設されており、その周辺にはセントライザー(スペーサ)38により固化材23が満遍なく充填されている。
【0008】
注入ホース40は固化材が硬化した後も永久に残置され、地表面側の頭部処理において切除処理された後、捨てコンクリート45が配置されている。
【0009】
異形鉄筋37の天端には、鉄筋コンクリート躯体46にロックボルト反力を確実に伝播する目的で、四角座金29が配置され、両端を異形鉄筋用ナット44で固定されている。
【0010】
2)自穿孔ロックボルト方式
前説の異形鉄筋ロックボルト方式の内、地質の悪い場合に採用される「二重管掘り」の作業性を改善するため、地質の悪い場合でも、図10(イ)の如く、削孔ロッドに中空構造で外面に連続した転造ネジを有する自穿孔ボルト2を用い、その先端にロストビット1をネジ固定して「単管掘り」と同じ要領にて削孔を進め、所定の深さまで達したらば、図10(ロ)の如く、自穿孔ボルトを補強鉄筋として先端のロストビットも含めて回収せずに残置し、ボルト中空部を介して固化材23を注入し、ロストビット排出口5より排出してそのまま硬化させる、「自穿孔ロックボルト方式」が開発され多用されるようになった。
【0011】
しかしながら、この手法では作業性は改善するものの、地質が悪い地山では削孔の進行とともに孔壁の崩壊が生じ、所定の深さに達した後に実施される固化材23の注入において、自穿孔ボルト2と周辺地山との間に固化材23の充填されていない部分が発生し、孔壁の崩壊が著しい場合には、先端ロストビット1から排出された固化材23が地表側Aのロックボルト口元部まで返ってくることを確認できないような事例も報告され、ロックボルトの出来形品質に不安が報告されるようになった。
【0012】
3)同時注入自穿孔ボルト方式
「自穿孔ロックボルト方式」の懸案事項を改善するために、削孔作業のスライム排出に用いられていた圧搾空気或いは水に変えて、固化材を削孔と同時に注入しながら作業を進め、所定の深さに達したらば既に固化材の充填が完了するといった「補強土杭の施工法」(特開平2−8413)や「アースアンカーの施工方法」(特開平5−58084)も開発され、実績を積んでいる。尚、この場合の自穿孔ボルト表面は転造ネジではなく、所定間隔に連続して設けたリブ突起となっている。
【0013】
しかしながら、この手法も地質の悪い地山での「自穿孔式の単管掘り」であり、削孔前方の地山を掘削しながら固化材をロストビット排出口から充填して作業を進めるため、どうしても固化材に掘削スライムが混ざりこみ、固化材の品質が劣化することは避けられないと本発明者は考える。
【0014】
また、小径削孔された孔壁内で、長尺で単管の自穿孔ボルトに、高速回転と軸方向打撃を地表側の削岩機から先端のロストビットに加え続けて作業が進められることや、斜め打設の場合ではボルト自重による懸垂効果により、孔壁が同時注入される固化材により常に安定して部分崩落が生じないか、については不確実性が大きいといった問題がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
地質の悪い崩壊性地山での「異形鉄筋ロックボルト方式」の工事では、前段で説明したように「二重管掘り」が必要となり、作業効率が非常に悪くなる。
【0016】
この解決手段として「自穿孔ロックボルト方式」が紹介されたが固化材の均一な充填や確実な注入の課題が残っている。また、他の解決手段として「同時注入自穿孔ボルト方式」も紹介されたが、固化材の品質の維持と均一な固化材の被り厚さ確保の観点では部分崩落の可能性が残り、完全な解決策ではなかった。
【0017】
そこで、この発明は、これらの「二重管掘り」による確実な固化材の充填と「自穿孔ボルト」による削孔ロッドをそのまま注入管および補強鉄筋とする作業性の利点を喪失させずに、高品質なロックボルトを容易に、しかも従来よりも経済的に実現する手段を提供することを課題とする。
【0018】
【発明が解決しようとする手段】
上記のような課題を解決するため、この発明では、中空構造で固化材との結合を良くした外面を有する削孔ロッドの先端に、この削孔ロッドと同時打設される外管よりも若干大きい径の削孔用ロストビットをネジ接続し、このロストビット本体より若干の距離(5〜30cm以内が望ましい)をおいて当該外管の先端部が開口され、外管開口部もしくはその近傍に、外管内面を通過する削孔ロッドとの芯出しを目的に、円周方向にのびる複数の独立板もしくは独立突起を有するセントライザーが配置された状態で、外管とその内側の削孔ロッドを所定の深さまで削孔打設する。
【0019】
その後で固化材を削孔ロッドの内穴を通じて先端のロストビット排出口より吐出させ、地表側の外管端部で固化材のリターンが確認されるまで充填し、固化材が硬化しない内に、上記削孔ロッドと先端ロストビットを残置させた状態で外管を引き抜いてロックボルトを構築する手段をとる。
【0020】
削孔ロッドは中空構造で固化材との付着結合が良い外面を有するものであれば目的を達成できるが、特に中空構造で外面に連続した転造ネジを形成した自穿孔ボルトを用いるのが好ましい。
【0021】
ここで、ロックボルトの打設深さは通常、最大でも7〜8m程度と比較的浅く、削孔ロッドやビット、および同時打設される外管に無理な荷重や衝撃が掛からないことより、削孔ロッドに自穿孔ボルトを用い、この自穿孔ボルトを介して地表部の削岩機よりスイーベルを介して回転と打撃を先端の削孔用ロストビットに伝達し、同時にスライム(廃土)除去を目的とした水、または圧搾空気を自穿孔ボルトの内孔より送り込む手段をとる。
【0022】
ロストビット部で発生したスライムは、送り込まれた水または圧搾空気により洗掘され、ロストビットの近傍で、外管先端の開口部付近に配置されたセントライザーの円周方向にのびる複数の独立板または独立突起の間を通過し、外管内側と自穿孔ボルト外面との隙間へと導かれ、削岩機に接続されたスイーベルの排出孔より排出されて削孔が進行する。
【0023】
外管は、ロストビットの径より若干小さいために、削孔進行と同時に容易に押し込むことができ、特に大きな荷重が掛かることもなく、市販の安価な薄肉標準鋼管を用いることができる。
【0024】
外管の目的は削孔壁の崩れを防止し、削孔中のスライムの排出を確実にすることと、削孔完了後の固化材の確実な充填を目的としており、固化材の充填が完了したらば、地表側の削岩機を利用して回転を加えながら引き抜いて回収する手法をとる。
【0025】
【発明の実施形態】
以下、この発明の実施形態を図1乃至図6の例と共に説明する。なお、図7及至図10に示した従来技術と同一部分については同一符号を付して説明する。
【0026】
図1はこの発明によるロックボルトの打設状況を示す。
図1において、中空構造で外面に連続した転造ネジを呈する外径φ28.5mm、中空径φ13mmの自穿孔ボルト2の基端部がアンカードリルマシンなどの削岩機13に、スライムの排出孔12を具備するスイーベル11を介してネジ接続され、またその自穿孔ボルト2の先端部が削孔径φ65mmのロストビット1にネジ接続され、先端部の当該ロストビット1の近傍まで自穿孔ボルト2のほぼ全長に亘って、ロストビット1の径よりも幾分小さい外径、本例ではφ63.5mm、厚さ5mmのSTKM13A標準薄肉鋼管が外管3として配置されており、その基端部側はスイーベル11にネジ接続され、先端部はロストビット1から寸法Pだけ離れて開口し、その内側には自穿孔ボルト2にネジ嵌合され片端部を位置ずれしないように溶接固定18された、円周方向に複数の独立板15を有するセントライザー4が外管開口部より寸法Qだけはみ出るようにして配置されている。尚、寸法Pは5〜30cm、寸法Qは0〜10mm程度とするのが望ましい。
【0027】
削孔時において、削岩機13の回転と打撃はスイーベル11を介して自穿孔ボルト2から先端ロストビット1に伝達され、削孔によってロストビット部に発生するスライムは、削岩機13のシャンクロッド内孔13a、スイーベル内孔11a、自穿孔ボルト内孔6を通してロストビット排出口5より供給される送水あるいは圧搾空気20により逐次洗掘され、外管開口部に配置されたセントライザー4の円周方向に複数広がる独立板間のスライム通過隙間7を通り、外管と自穿孔ボルトの隙間8を通って基端側のスイーベル11まで運ばれ、スイーベル11のスライム排出口12から排出される。
【0028】
尚、削孔の進行にあたって、この実施例では外管3と内包して配置される自穿孔ボルト2は共に基端部側のスイーベル11にネジ固定されており、外管3と自穿孔ボルト2は共に同時回転しながら削孔作業を進める。
【0029】
図2(イ)はロストビット部の正面配置図、図2(ロ)はセントライザー部の正面配置図である。図2(イ)で、外管3よりロストビット1の径は若干大きく取ってあり、ロストビット1の複数の排出口5から削孔時に発生するスライムを洗掘する水もしくは圧搾空気が供給され、スライムは図3のセントライザー4の独立板15の隙間7を通過してスイーベル11へ運ばれ、排出される。
【0030】
セントライザー4の形状は、例えば図3(イ)の如くであり、その側面図を図3(ロ)に示す。この場合、自穿孔ボルト2としっかりと固定できるように内面にロープネジ16を具備しており、更に円周方向に広がる複数の独立板は、スライムを回転しながら掻き揚げる効果を期待して捻れており、迎え角を具備している。ロープネジ16があっても、位置ズレ防止のためにボルト2と溶接固定18する。
【0031】
また、別のセントライザー4の形状は、例えば図3(ハ)の如くであり、その側面図を図3(ニ)に示す。この場合は自穿孔ボルト2と接触する面はフラット17で複数の独立板も軸方向に水平で極めてシンプルな構造であり、この場合も当然、位置ズレ防止のために自穿孔ボルト2と溶接固定18する。
【0032】
セントライザー4の形状は、外管3の先端開口部付近に設けられ、複数の独立板もしくは独立突起15を有し、削孔打設中の自穿孔ボルト2と外管3の芯出しを可能とし、スライム21の通過を妨げるものでなければ、いかなる形状でもよく、例えば複数の平板を直接自穿孔ボルト2に溶接しても良いし、外管3側に固定してもよい。
【0033】
図4は、この発明によるロックボルトの打設工程を順番に示す工程図である。図4(イ)は、この発明の前記実施例に基づいて、法面に削孔作業を実施している状態を示す。この例ではスライム洗掘に送水20を使い、削岩機13からスイーベル内孔11a、自穿孔ボルト内孔6、ロストビット排出口5と送水し、スライムはセントライザー通過隙間7を通り外管3と自穿孔ボルト2との隙間8を通ってスイーベル11の排出孔12より排出する。
【0034】
図4(ロ)は、所定の深さまでの削孔を完了した後に、地表面A側基端部でスイーベル11から外管3と自穿孔ボルト2を切り離している作業要領を示す。
【0035】
所定の深さまで削孔が完了したら、削岩機13が搭載されているガイドセル14の先端部に設けられた鋼管クランプ22を使って外管3をクランプし、削孔作業は全て左回転であったのに対し、この場合は削岩機13を右回転して、まず外管3とスイーベル11のネジ接続を解除する。次に削岩機13をガイドセル14上で後退させて外管接続ネジ10の端部とスイーベル11の間にスペース(L)を設け、このスペース(L)から内側の自穿孔ボルト2を掴み、スイーベル11と自穿孔ボルト2のネジ接続を解除する。
【0036】
尚、ロストビット1と外管3の先端開口部の位置を寸法P(通常5〜30cm)だけ離して配置した理由は、この解除作業において当該作業スペースを確保することが目的である。
【0037】
図4(ハ)は、固化材23を自穿孔ボルト2の内孔6を通して地表側Aから注入し、先端ロストビット排出口5から吐出させ、地表面A側で外管3の端部からオーバーフロー24するのを確認している。
【0038】
図4(ニ)は、固化材23の充填が完了し、固化材23が硬化し始めないうちに、外管3の基端側端部に外管接続ネジ10を用いて引き抜きスリーブ25を装着し、それをスイーベル11とネジ接続して削岩機13で左回転を与えながら引き抜いている状態である。
【0039】
図6は、この発明により打設を完了したロックボルトの状態図である。
図6(イ)は、比較的に短尺のロックボルトを打設した場合で、カップラ9での接続が不要な一本ものの自穿孔ボルト2の状態を示し、地表面Aに近い地中域に自穿孔ボルト2の芯出しと確実な固化材23の周辺充填を目的として、追加のセントライザー4を配置している。
【0040】
セントライザー4が打設作業中に所定の位置からズレないよう、セントライザー4の上端側ボルトに番線巻き31を施してある。
【0041】
セントライザー4に内ネジがある場合、打設が常に左回転でセントライザー4は地表側へ移動しようとするので、上側のみの番線巻き31で問題ない。
【0042】
図6(ロ)は、アンカーマシンのカイドセル14のストロークよりも長い、比較的長尺のロックボルト打設の例であって、外管3を接続して打設したことにより、途中にカップラ9の接続が入っており、自穿孔ボルト2の芯出しと確実な固化材23の充填を目的に、カップラ9の下端には追加のセントライザー4が配置されている。
【0043】
図5(イ)に示すように、長尺自穿孔ボルト2の打設における外管3の端部接続ネジ10は、外管3の厚さが5mmしかないため、外管3より幾分太い径の、本例ではφ73mm×10mmtの標準鋼管を使ってネジ切りしており、この外管接続ネジ部の突起26の地中への打設が先行削孔されたロストビット1の孔径φ65mmよりも大きいため、追加外管の打設に支障が生じる。
【0044】
この問題については、例えば一案として図5(ロ)及び図5(ハ)に示すように、突起26の前方にφ65mmからφ75mm程度へのリーミング拡径を目的としたトリムチップ27を追加配置すればよい。
【0045】
図5(ニ)は外管3の引抜きスリーブ25の縦断断面図であり、通常長さ40cmほどの短尺品であるが、長尺ロックボルトの打設において外管3を接続する場合もこれと同じ形状とし、その長さは追加する自穿孔ボルト2と同じとすれば良い。
【0046】
尚、接続作業が必要となる長尺ロックボルトの打設時は、スイーベル11の解除作業における削岩機13の逆転操作で先端ロストビット1が外れてしまわないように、自穿孔ボルト2とロストビット1を溶接固定19しておく方が良い。
【0047】
このようにすれば、短尺のロックボルトのみならず、自穿孔ボルト2および外管3の接続が必要な長尺な場合についても、この発明の目的である、自穿孔ボルト2を薄肉標準鋼管を使って二重管掘りして、高速および省力施工を実現し、かつ経済的で高品質な固化材充填を具備したロックボルトの施工が実現できる。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、この発明によると、上記のような構成であるので、以下に示す効果がある。
【0049】
自穿孔ボルトを削孔ロッド、薄肉鋼管を外管として削孔し、所定深さに達したら自穿孔ボルト中空部を利用して注入し、自穿孔ボルトを補強鉄筋として利用するため、従来の「二重管堀り」に必要であった、異形鉄筋への注入ホースやスペーサの事前取り付け、センターロッドと称する削孔ロッドとセンタービットの回収、異形鉄筋の立て込みなどの作業が省略され、著しく作業性と作業速度が改善される。
【0050】
従来の「二重管堀り」における、固化材を注入してからドリルパイプと称する厚肉外管を引き抜くことによる異形鉄筋全長に亘る確実な固化材の充填を、この発明では先端ロストビットと自穿孔ボルト、セントライザー、ならびに外管開口部の配置とサイズの選択を最も理想的にすることで、従来の比較的高価で厚肉のドリルパイプに変えて安価な市販の薄肉鋼管を外管とすることができ、またこの外管は非常に軽いために長尺物を採用できるようになり、接続作業と接続部品が低減され、従来の「二重管堀り」に比べて作業性と経済性が著しく改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるロックボルトの打設状況を示す縦断側面図
【図2】(イ)は同上の先端ロストビット前方よりの正面図、(ロ)は同上のセントライザーを示す前方よりの縦断正面図
【図3】(イ)は同上のセントライザー独立板に捻りを設け、ボルト接触面がロープネジである場合の正面図、(ロ)は同上の側面図、(ハ)は同上のセントライザー独立板が軸水平に設けられ、ボルト接触面がフラットな場合の正面図、(ニ)は同上の側面図
【図4】(イ)乃至(ニ)は、この発明によるロックボルトの打設工程を順番に示す工程図
【図5】(イ)はこの発明の実施に用いる標準薄肉鋼管より成る外管の縦断側面図、(ロ)は長尺ボルトを打設するにあたって、外管を接続する場合の接続突起部へのトリムチップ植え込み状態を示す縦断側面図、(ハ)は同上の縦断正面図、(ニ)は引抜きスリーブの縦断側面図
【図6】この発明の方法により構築されたロックボルトの躯体埋め込み状態を示す(イ)と(ロ)で異なった例を示す縦断側面図
【図7】(イ)乃至(ハ)は、従来のロックボルトを単管掘りで打設する工程を順番に示す工程図
【図8】(イ)乃至(ニ)は、従来のロックボルトを二重管掘りで打設する工程を順番に示す工程図
【図9】従来の構築されたロックボルトの躯体埋め込み状態を示す縦断側面図
【図10】(イ)と(ロ)は、従来の自穿孔ボルトを打設する工程を順番に示す工程図
【符号の説明】
1   ロストビット
2   自穿孔ボルト
3   外管
4   セントライザー
5   ロストビット排出口
6   自穿孔ボルト内孔
7   セントライザーのスライム通過隙間
8   外管内部のスライム通過隙間
9   カップラ
10  外管接続ネジ(メス)
11  スイーベル
11a スイーベル内孔
12  スライム排出孔
13  削岩機
13a 削岩機のシャンクロッド内孔
14  ガイドセル
15  セントライザーの独立板または突起
16  ロープネジ
17  フラットな内面
18  セントライザー溶接固定
19  ロストビット溶接固定
20  送水または圧搾空気
21  スライム(廃土)
22  ガイドセルの鋼管クランプ
23  固化材
24  オーバーフロー
25  引き抜きスリーブ
26  外管接続ネジ部の突起
27  トリムチップ
28  ロックナット
29  四角座金
30  六角ナット
31  番線巻き
32  躯体補強用鉄筋
33  鉄筋コンクリート躯体
34  削孔ロッド
35  カップリング
36  ドリルビット
37  異形鉄筋
38  スペーサ
39  異形鉄筋用カップラ
40  注入ホース
41  ドリルパイプ
41a ドリルパイプ接続部
42  センタービット
43  リングビット
44  異形鉄筋用ナット
45  捨てコンクリート
46  鉄筋コンクリート躯体
A   地表面
P   ロストビットと外管の先端開口部との距離
Q   セントライザーの外管開口部よりの突出距離
L   スイーベル部、ボルト切除スペース

Claims (2)

  1. 中空構造で固化材との結合性を良くした外面を有する削孔ロッドの先端に、この削孔ロッドと同時打設される外管の外径より若干大きい径の削孔用ロストビットをネジ接続にて取り付け、上記ロストビットより若干の距離をおいて当該外管の先端部が開口され、外管開口部もしくはその近傍に、外管内面と通過する削孔ロッドとの芯出しを目的に、円周方向にのびる複数の独立板もしくは独立突起を有するセントライザーが配置された状態で、外管とその内部の削孔ロッドを所定の深さまで削孔打設し、その後、固化材を削孔ロッドの内孔を通じて先端ロストビット排出口より充填し、上記削孔ロッドと先端ロストビットを残置させた状態で外管を引き抜くことにより構築される二重管掘りロックボルトの構築方法。
  2. 前記削孔ロッドに、中空構造で外面に連続した転造ネジを形成した自穿孔ボルトを用いる請求項1に記載の二重管掘りロックボルトの構築方法。
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