JP5439320B2 - 2方向加圧注入方式の短尺ロックボルト構築方法 - Google Patents

2方向加圧注入方式の短尺ロックボルト構築方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5439320B2
JP5439320B2 JP2010199953A JP2010199953A JP5439320B2 JP 5439320 B2 JP5439320 B2 JP 5439320B2 JP 2010199953 A JP2010199953 A JP 2010199953A JP 2010199953 A JP2010199953 A JP 2010199953A JP 5439320 B2 JP5439320 B2 JP 5439320B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drilling
hole
rod
drilling rod
injection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010199953A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012057328A (ja
Inventor
慎吾 谷山
Original Assignee
エスティーエンジニアリング株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エスティーエンジニアリング株式会社 filed Critical エスティーエンジニアリング株式会社
Priority to JP2010199953A priority Critical patent/JP5439320B2/ja
Publication of JP2012057328A publication Critical patent/JP2012057328A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5439320B2 publication Critical patent/JP5439320B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Piles And Underground Anchors (AREA)

Description

この発明は、地山補強工事や法面補強工事および既設法面の背面空洞充填と法面表層補強を目的とした補修工事などの施工に際し、特にアクセスや狭隘地施工の制限で軽量型ボーリングマシン(足場幅2m以下)やクレーン式ドリルのような小型の削岩機も搬入できないような極めて厳しい施工条件で、レッグドリルマシンを使った人力施工しかできない長さ2.5m未満の短尺ロックボルトの施工において、削孔壁が自立せずに単管掘りが困難な地山に対し、中空構造で外面に連続する雄ネジを形成した削孔ロッドを用い、削孔ロッドの先端ビット側とロッド口元近傍側の2方向から固化材を加圧注入することにより構築される2方向加圧注入式の短尺ロックボルトの構築方法に関する。
[背景の技術―1]
図5と図6は、地山条件が悪くて削孔壁が自立しない地山での法面補強工事や既設基礎のアンダーピーニング、およびトンネル掘削における脚部補強、その他の補強土工事に多用される、従来の部分2重管方式によるロックボルトの構築方法を示している。
まず、図5の如く、中空構造で固化材との結合を良くした外面を有する削孔ロッド21の先端に、この削孔ロッド21と同時打設される短尺先導管22よりも若干大きい径の削孔用ロストビット23をねじ接続し、この削孔用ロストビット23より若干の距離をおいて当該短尺先導管22の先端部が開口され、短尺先導管22の開口部もしくはその近傍に、短尺先導管22の内面を通過する削孔ロッド21との芯出しを目的に、円周方向にのびる複数の独立板もしくは独立突起を有するセントライザー24が配置された状態で、短尺先導管22とその内側の削孔ロッド21を短尺先導管22の長さに見合う深さまで削孔打設し、その後、削孔ロッド21のみを必要な長さだけ追討ちし、固化材25を削孔ロッド21の内孔を通じて先端ロストビット排出口よりロストビット23で形成された削孔26内に充填注入し、固化材25が削孔26から短尺先導管22の口元部に達したらリターンバルブ30でのオーバーフローを確認したら、削孔ロッド21及び短尺先導管22の口元部のリターンバルブ30を閉塞した状態で、更に所定量の固化材25を削孔ロッド21の内孔を通じてロストビット排出口より圧力P1で積極的に加圧注入してロックボルトを構築するようにしている。(特許文献1参照)
更に、図6では、固化材25のバランスの取れた加圧注入を実現するため、削孔ロッド21の口元部と短尺先導管22の口元部を接続するホース27の途中に、切り換えバルブ28を介して固化材供給源を接続し、切り換えバルブ28の操作で削孔ロッド21の内孔と短尺先導管22内への固化材25の「積極的な加圧注入」を切り換えながら実施することで、削孔ロッド21とロストビット23のみで追討ちした削孔部に対し、短尺先導管22の先端部側(圧力P1)とロストビット23の排出口側(圧力P2)からの「2方向加圧注入」を行うことで、更なる理想的な加圧注入を実現している。
上記削孔ロッド21は中空構造で固化材との付着結合が良い外面を有するものであれば目的を達成できるが、特に中空構造で外面に連続した転造ねじを形成した自穿孔ボルトを用いるのが好ましいとし、この削孔ロッド21はカプラー29によって必要長さに接続でき、短尺先導管22は、長さは1.5m〜2m、外径φ63.5mm、厚さ5mmのSTKM13A鋼管が用いられ、この場合のロストビット23の外径はφ65mmになっている。
[背景の技術―2]
図7及至図9は、同じく地山の削孔が自立しない悪い地山に用いられる自穿孔ボルトのグラウト注入に関する改良技術であり、先端にドリルヘッド31を取り付け、高圧流体の流入孔となる中空部32をもつ自穿孔ロックボルト33の周面に、前記中空部32に連絡するグラウト流出口34を開孔し、穿孔時には、図9のように、中空部32の内径とほぼ一致する外径の可撓性ホース35を挿入して流出口34を塞ぎ、この状態で高圧流体を注入して岩粉、土砂粉を強制排出し、穿孔完了後に前記可撓性ホース35を取り外して中空部よりドリルヘッド31及びグラウト流出口34を経てグラウト材をロックボルト33の周りに注入することから成り立つ自穿孔ボルトにおけるグラウト工法が紹介されている。(特許文献2参照)
背景技術−2の課題を解決するための手段では、先端にドリルヘッド31を取付け、高圧流体の流入孔となる中空部32をもつ自穿孔ロックボルト33の周面に、前記中空部32に連絡するグラウト流出口34を必要とする間隔で開孔し、穿孔時には、中空部32の内径とほぼ一致する外径の可撓性ホース35を挿入して流出口34を塞ぎ、この状態で高圧流体を注入して岩粉、土砂粉を強制排出し、穿孔完了後に前記可撓性ホース35を取外して中空部32よりドリルヘッド31及び抽出口を経てグラウトをロックボルト33の周りに注入する、と説明されている。
特許文献2における実施例は、穿孔時はロックボルト33を回転させてドリルヘッド31によって穿孔し、長い場合はカップリングナットによって穿孔し、所定の長さ穿孔後、流出口を塞ぐ位置まで可撓性ホース35を挿入した状態で高圧流体を可撓性ホース35より圧入して岩粉や土砂粉を強制排除し、しかる後可撓性ホース35を取外し、グラウトを中空部から注入するようになっている。
ここで、特許文献2は、課題を解決する手段が、穿孔時には注入孔の内径とほぼ一致する外径の可撓性ホースを挿勘された状態で穿孔する点に対し、実施例では、ボルトが長い場合はカップリングナットによって穿孔し、所定の長さ穿孔後に、流出口を塞ぐ位置までチューブを後挿入する方式は、削孔時にはチューブが挿勘されておらず、穿孔の実施形態が異なっており矛盾がある。
特許文献2において、チューブにより圧力損失がなく岩粉、土砂粉は排除され、流出口によってグラウトは孔の全長にわたって比較的均等域に注入されるとあり、また効果について、グラウトを穿孔部の全長にわたって注入でき、ロックボルトを確実に定着させることができ、岩粉、土砂粉の強制排出も圧力の損失なく円滑に行われ、従って特に長尺穿孔の場合や崩壊性地質の場合も極めて有利であるとしている。
特開2007−107372号公報 特公平5−60040号公報
特許文献1についての課題
ところで、上記の特許文献1によるロックボルト構築は、短尺先導管を伴なう口元部の二重管削孔が必要な「部分二重管方式」であり、軽量型ボーリングマシン(足場幅2m以下)やクレーン式ドリルのような小型の削岩機も搬入できないような極めて厳しい施工条件で、ロープに作業者がぶら下がった状態で施工するレッグドリルマシンを使った人力施工しかできない現場でのロックボルト削孔は困難であった。
また、削孔ロッドに用いる自穿孔ボルトの外径に準じて選定される先導管の外径はφ63.5mm程度で、同時打設される短尺先導管よりも若干大きい直径の削孔用ロストビット径はφ65mmと比較的大きく、レッグドリルを使った人力施工しかできない現場では更に小さな削孔径による施工方法が待望されていた。
更に、専用スイーベルや短尺先導管は高価な消耗部材であり、またロストビットも比較的高価なことから極力小径サイズが望ましく、更なる経済的な施工方法が待望されていた。
特許文献2についての課題
小径のロストビットを採用し、自穿孔ボルトの側面に流出口を設けて注入性を改善する上記の「背景技術-2」については、削孔手段のみでは無く、注入工程において穿孔内にエア溜まりの生じない確実なグラウトの充填確認とその後の加圧注入プロセスも含めた施工手順の提供が求められていた。
特に、穿孔後にチューブを抜取ってボルト中空部から一括注入すると、穿孔内のエアーを排出できずに複数の流出口から無秩序にグラウトが充填されるため好ましくなく、まず穿孔内をグラウトで確実に充填し、その後でしっかりと加圧注入するプロセスの確立が必要であった。
また、長尺ボルトでカップリングナットで接続しながら穿孔する場合は、流出口の配置位置によっては挿入するチューブを延長するために、接続毎に長尺チューブを差し替える必要性が生じて煩雑な作業となる他、長尺の削孔をチューブを配置しないで「後挿入方式」とした場合、穿孔時に岩粉や土砂粉がボルト注入口からボルト中空部に入り込んでチューブを後挿入できなくなる可能性があった。
そこで、本発明の課題は、特許文献1に対し、削孔壁の不安定な地山において、特にアクセスや狭隘地施工の制限で軽量ボーリングマシン(足場幅2m以下)やクレーン式ドリルのような小型の削岩機も搬入できないような極めて厳しい施工条件において、ロープに作業者がぶら下がった状態で施工するレッグドリルマシンを使った人力施工の長さ2.5m未満の短尺ロックボルト施工に限定して、高価な消耗部材である専用スイーベルや短尺先導管を必要とせず、ロストビット径も小さくて済む経済的で人力施工が容易なロックボルトの構築方法を提供する。
また、特許文献2に対し、エア溜まりの生じない確実な固化材の充填確認とその後の加圧注入が、長さ2.5m未満の短尺ボルト全長にわたりバランスよく確実に実現できる「2方向加圧注入方式」によるロックボルトの構築方法を提供する。
上記のような課題を解決するため、本発明は、削孔ロッドの口元近傍に複数の注入横穴を配置し、削孔時にこれら注入横穴からボルト中央孔を通して先端ビット部に送られる削孔水や圧縮空気が漏れないように、先端にシーリングゴム輪を配置した短尺で中空のカラー付きスリーブを削孔ロッドの中央孔に挿入して削孔を行う。
削孔が完了したならば、削孔ロッドの口元部にエア抜きホースを配置して間詰め材でボルト外周の削孔出口部をコーキングし、短尺で中空のカラー付きスリーブを削孔ロッドの中央孔に残したままでロッド中央孔から固化材を注入し、先端ビット部排出口及びビット近傍排出口から排出させて削孔内を確実に充填し、エア抜きホースからの固化材のリターンを確認した後でエア抜きホースを折って閉塞し、更に「ビット側」から固化材を1次加圧注入する。
その後、短尺で中空のカラー付きスリーブを引き抜いて削孔ロッド口元近傍の複数の注入横穴を削孔側に開孔し、削孔ロッド中央孔から固化材を再度加圧注入してロッド口元近傍側の複数の注入横孔から周辺地山に2次加圧注入する。
上記固化材の加圧注入方式を採用することにより、通常斜め下向きに打設される短尺ロックボルトは、まず、下側の先端ビット部排出口及びビット近傍排出口から排出されて、下側から上側にエアーを押し出すように固化材が充填され、口元の排気ホースからリターン確認ができ、その後で先端ビット部側、次に口元近傍の注入横穴側の2方向から確実な2方向加圧注入が実現できて、固化材をバランスよくボルト周囲の削孔および周辺地山に圧入できる。
上記削孔ロッドは、中空構造で固化材との付着結合が良い外面を有するものであれば目的を達成できるが、特に中空構造で外面に連続した転造ネジを形成した自穿孔ボルトを用いるのが好ましく、この削孔ロッドはカプラーによって必要な長さに接続する。
削孔ロッドやロストビットに無理な荷重や衝撃が掛からない構造であることより、削孔ロッドの口元近傍に注入用の複数の横穴を配置した自穿孔ボルトを用い、この自穿孔ボルトを介して地表部の削岩機(レッグドリルマシン)より回転と打撃を先端の削孔用ロストビットに伝達し、同時にスライム(廃土)除去を目的とした水、または圧搾空気を自穿孔ボルトの中央孔より送り込む手段をとる。
ロストビット部で発生したスライムは、口元側の自穿孔ボルト中央孔に内装された短尺で中空のカラー付きスリーブの内孔を通って複数の横穴から排出されることなく先端ビット部まで送り込まれた水または圧搾空気により洗掘され、自穿孔ボルト外面と削孔の隙間へと導かれ、削岩機(レッグドリルマシン)側の口元削孔開孔部から排出されて削孔が進行する。
本技術の削孔では、人力削孔で使用するロープ足場でのレッグドリルマシン施工、ボルト長さは最大でも2.5m以下に限定した短尺ロックボルトであり、口元削孔壁の崩壊による削孔スライム排出への悪影響は軽微で長尺ボルトで生じるような削孔の閉塞は発生しない。
また本技術の注入では、口元部の横穴を短尺で中空のカラー付きスリーブで塞いだ状態で、先端ビット部排出口及びビット近傍排出口から固化材の充填を行い、次に口元部を閉塞した状態での一次加圧注入、更にカラー付きスリーブを引き抜いて口元近傍の複数の横穴から二次加圧注入を順を追って確実に実施する「2方向加圧注入」を短尺先導管や大きな径のロストビット、および専用スイーベルなどを用いないで実現する。
本発明によると、レッグドリルマシンでの長さ2.5m以下の短尺ロックボルト施工において、削孔内に確実な固化材の充填を行った後で2方向から加圧注入を行う「2方向加圧注入方式」の自穿孔ボルトを実現でき、これまでクレーン式ドリルや小型ボーリングマシン(足場幅2m以下)でもアクセスが困難であった、人がロープにぶら下がって施工するロープ足場での現場条件の悪いロックボルト工事でも対応が可能となる。
また、自穿孔ボルトの中央孔と口元近傍の複数の注入横孔を利用して、確実な単管掘り削孔とバランスの良い先端と口元側からの「2方向加圧注入」を実現することができるようになるとともに、従来は必要だった高価な短尺先導管、大きな口径のロストビット、専用スイーベルが不要となり経済性を改善できる。
更に、採用する部品は自穿孔ボルト以外は全て軽量小型化されるため、アクセスが悪い狭隘地でのロープ足場施工でも材料の運搬や施工時の搬送が極めて容易になる。
この発明のロックボルトの構築方法によるロックボルトの打設途中の状況を示す縦断側面図 (a)はこの発明のロックボルトの構築方法によるロックボルトの打設途中の基端部を示す拡大した縦断側面図、(b)はカラー付きスリーブと鋼製2分割リングの分割した斜視図 この発明のロックボルトの構築方法によるロックボルトの固化材充填作業を示す縦断側面図 この発明のロックボルトの構築方法による固化材の充填、後続する2方向加圧注入作業を完了した状態を示す縦断側面図 従来の第1の例のロックボルトの構築方法で部分2重管方式によるロックボルトの打設途中の状況を示す縦断側面図 従来の第1の例のロックボルトの構築方法で部分2重管方式による2方向加圧注入作業を完了した状態を示す縦断側面図 従来の第2の例のロックボルトの構築方法によるロックボルトの横孔配置の状態を示す縦断側面図 従来の第2の例のロックボルトの構築方法によるロックボルトの施工を完了した状態を示す縦断側面図 従来の第2の例のロックボルトの構築方法によるロックボルトの横孔と挿入されるチューブの関係を示す拡大した縦断側面図
以下、この発明の実施形態を図1乃至図4の例と共に説明する。
この発明のロックボルトの構築方法は、短尺削孔ロッド1を用いて施工する。この短尺削孔ロッド1は、施工現場の条件に合わせて1本または複数本を接続して使用する。
図1乃至図4は、2本の短尺削孔ロッド1を使用した場合のロックボルトの構築方法を示し、2本の短尺削孔ロッド1と、この短尺削孔ロッド1を接続するカップラ2と、先端側短尺削孔ロッド1aの先端にねじ接続され、前記削孔ロッド1の外経よりも若干大きい径の削孔用ロストビット3と、後端側短尺削孔ロッド1bの後端にねじ接続によって取付けられ、人力施工のレッグドリルマシン(削岩機)に接続するためのレッグアダプター4と、後端側短尺削孔ロッド1bの内部に挿入する短尺で中空のカラー付きスリーブ5と、削孔用ロストビット3による削孔6と後端側短尺削孔ロッド1bの口元近傍の間を封止するためのゴムコーン7と、削孔6内の空気を抜く排気ホース8と、固化材Eの削孔6内への確実な充填と加圧注入を実現するための特殊注入アダプタ9等が用いられる。
上記短尺削孔ロッド1は、例えば、1.0m程度の長さを有し、軸線に沿ってロッド中央孔10が貫通し、外面に連続した転造ネジを呈する外径φ32mm、ロッド中央孔10の径がφ17mmの自穿孔ボルトを用いている。
先端側短尺削孔ロッド1aの先端に取付けた削孔用ロストビット3は、先端ビット部に排出口b1を有し、先端側短尺削孔ロッド1aには削孔用ロストビット3の近傍に排出口b2が設けられ、また、後端側削孔ロッド1bの口元近傍に複数の注入横孔aが設けられている。
上記カラー付きスリーブ5は、後端側削孔ロッド1bのロッド中央孔10に後端側から挿入したとき、上記注入横孔aを閉鎖することのできる長さを有し、注入横孔aから削孔水や圧縮空気Hが外側に漏れないように、先端にシーリングゴム輪5aが装着され、後端にカラー5bが設けられている。
次に、この発明の2方向加圧注入方式の短尺ロックボルト構築方法を施工順序に従って説明する。
図1はこの発明によるロックボルトの削孔作業状態で、人力施工のレッグドリルマシン(削岩機)で長さ2.0mの短尺削孔ロッド1の打設行っている状態を示し、既に先端側の短尺削孔ロッド1aの打設を完了し、追加の後端側短尺削孔ロッド1bを外径φ42mm、長さ120mmのカプラー2で接続して打設中である。
後端側短尺削孔ロッド1bの後端側にはレッグドリルマシンに接続するためのレッグアダプター4がねじ接続にて装着され、ロッド中央孔10を通して削孔用ロストビット3の先端ビット部排出口b1およびビット近傍排出口b2に送られる削孔水や圧縮空気Hが複数の注入横孔aから外側に漏れないように、カラー付きスリーブ5が後端側短尺削孔ロッド1bのロッド中央孔10に挿入された状態で配置され、削孔径φ50mmのロストビット3で削孔を進め、掘削廃土(スライム)Gは削孔6内を通って後端部側の口元から排出される。
図2(a)はこの発明による削孔作業状態の後端部側の詳細を示し、後端側短尺削孔ロッド1bの後端側はレッグアダプター4を介してレッグドリルマシン(人力施工の削岩機)に接続され、後端側短尺削孔ロッド1bには後端部から略Cの寸法位置を設けてロッド先端に向け90度の千鳥で直径φ10mmの注入横孔aがピッチB×3列(合計φ10mm×6孔)で配置され、レッグアダプター4の内側から削孔ロッド中央孔10に外径φ15mm、内径φ9mm、長さLのカラー付きスリーブ5が挿入され、カラー5bの部分は図2(b)で示した鋼製2分割リング11の内側に収まるように配置され、最後の削孔作業中である。
なお、カラー付きスリーブ5の長さLは、図2(a)において、L≧2B+C+50mmとなっている。ここで、Bは注入横孔aの間隔、Cは後部注入横孔aからカラー付きスリーブ5の後端までの距離である。
図3はこの発明の削孔作業が完了し、後端部側のレッグアダプター4と鋼製2分割リング11を取外し、カラー付きスリーブ5を残置したままで、削孔ロッド1と削孔6の口元部に排気ホース8を配置したテーパ状のゴムコーン7を口元から5cm程度奥まで打ち込み、更に加圧注入時の口元での固化材E(ここではセメントペースト)の漏れを防ぐべく口元部をモルタルでコーキング処理12し、次に固化材Eの削孔6内への確実な充填と加圧注入を実現するための特殊注入アダプタ9を削孔ロッド1の後端部側にセットした状態図である。
図3において、固化材Eの供給源を特殊注入アダプタ9の注入口9bにセットして注入を行えば、固化材Eは特殊注入アダプタ9を経てカラー付きスリーブ5の内径孔を通って削孔ロッド1のロッド中央孔10を経て先端ビット部排出口b1およびビット近傍排出口b2より削孔6に充填され、削孔6のエアを押し上げながら確実に充填されて口元部の排気ホース8からオーバーフローDを確認できる。
図4のように、排気ホース8からのオーバーフローDを確認して削孔6への確実な固化材Eの充填を確認したらば、次に排気ホース8を折り曲げて閉塞し、注入口9bから固化材EにP1の圧力を加えて周辺地山Fに「一次加圧注入」する。
次に、固化材Eへの注入口9bでの圧力を一旦開放し、特殊注入アダプタ9の蓋9aを外し、カラー付きスリーブ5を引抜いて口元近傍の複数の注入横孔aを削孔6に開放し、特殊注入アダプタ9の蓋9aを再装着してから再度、注入口9bから固化材EにP2の圧力を加えて周辺地山Fに「二次加圧注入」する。
図4はこの発明による上記説明の一次加圧注入と二次加圧注入による「2方向加圧注入」を完了した状態図を示す。
孔壁の自立しない周辺地山Fに、1m長さの削孔ロッド1を2本、カプラー2でネジ接続し、先端にネジ接続された小さなφ50mm径のロストビット3で削孔することにより、この削孔6内に挿入された全長2mのロックボルトが構成され、固化材Eが削孔6にエアを混入しないように確実に充填された後で、先端ビット部排出口b1およびビット近傍排出口b2側と口元近傍の複数の注入横孔a側から逐次加圧注入され、この「2方向加圧注入」により、固化材Eが周辺地山Fにバランスよく圧入され、しっかりとした削孔ロッド1と地山との定着が確実な高品質の短尺ロックボルトが構築できている。
なお、上記のように構築された短尺ロックボルトにおいては、後端側短尺削孔ロッド1bから特殊注入アダプタ9を取外し、排気ホース8を法面Aに沿って切除し、この後、端側短尺削孔ロッド1bの法面Aから突出する後端に座金を設置してナットを法面Aに当接するまでねじ込み、短尺ロックボルトに端部処理を施すようにする。
1 削孔ロッド
1a 先端側短尺削孔ロッド
1b 後端側短尺削孔ロッド
2 カプラー
3 削孔用ロストビット
4 レッグアダプター
5 カラー付きスリーブ
5a シーリングゴム輪
5b カラー
6 削孔
7 ゴムコーン
8 排気ホース
9 特殊注入アダプタ
9a 蓋
9b 注入口
10 ロッド中央孔
11 鋼製2分割リング
12 コーキング処理
a 注入横孔
b1 先端ビット部排出口
b2 ビット近傍排出口
E 固化材
F 周辺地山
A 法面
D リターン
H 削孔水や圧縮空気
21 削孔ロッド
22 短尺先導管
23 削孔用ロストビット
24 セントライザー
25 固化材
26 削孔
27 ホース
28 切り換えバルブ
29 カプラー
30 リターンバルブ
31 ドリルヘッド
32 中空部
33 自穿孔ロックボルト
34 グラウト流出口
35 可撓性ホース

Claims (1)

  1. ロッド中央孔(10)が貫通する中空構造で外面に連続する雄ネジを形成した削孔ロッド(1)の先端に、この削孔ロッド(1)の外経よりも若干大きい径の削孔用ロストビット(3)をネジ接続して削孔し、削孔(6)が完了したならば削孔ロッド(1)とロストビット(3)を地中に残置したまま、削孔(6)内に削孔ロッド(1)のロッド中央孔(10)から固化材(E)を注入する短尺ロックボルト構築方法において、
    削孔ロッド(1)の口元近傍に複数の注入横孔(a)を配置し、削孔時にこれら注入横孔(a)からロッド中央孔(10)を通して先端の削孔用ロストビット(3)の部分に送られる削孔水や圧縮空気(H)が漏れないように、先端にシーリングゴム輪(5a)を配置した中空のカラー付きスリーブ(5)を削孔ロッド(1)のロッド中央孔(10)に嵌挿して削孔を行い、
    削孔(6)を完了したならば削孔ロッド(1)の口元部にエア抜きホース(8)を配置して間詰め材で削孔ロッド(1)外周の削孔(6)の出口部をコーキング(12)し、前記スリーブ(5)を削孔ロッド(1)のロッド中央孔(10)に残したままでロッド中央孔(10)から固化材(E)を注入し、これを削孔用ロストビット(3)又はその近傍に設けた排出口(b1)、(b2)から排出させて削孔(6)内を充填し、前記エア抜きホース(8)から固化材(E)のリターン(D)を確認した後でエア抜きホース(8)を閉塞し、削孔用ロストビット(3)の側から固化材(E)を周辺地山(F)に1次加圧注入し、
    その後、前記スリーブ(5)を引き抜いて、削孔ロッド(1)に設けた口元近傍の複数の注入横孔(a)でロッド中央孔(10)と削孔(6)を導通させ、ロッド中央孔(10)から固化材(E)を再度加圧注入し、これを注入横孔(a)から削孔ロッド(1)の口元近傍側の周辺地山(F)に2次加圧注入することを特徴とする2方向加圧注入方式の短尺ロックボルト構築方法。
JP2010199953A 2010-09-07 2010-09-07 2方向加圧注入方式の短尺ロックボルト構築方法 Active JP5439320B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010199953A JP5439320B2 (ja) 2010-09-07 2010-09-07 2方向加圧注入方式の短尺ロックボルト構築方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010199953A JP5439320B2 (ja) 2010-09-07 2010-09-07 2方向加圧注入方式の短尺ロックボルト構築方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012057328A JP2012057328A (ja) 2012-03-22
JP5439320B2 true JP5439320B2 (ja) 2014-03-12

Family

ID=46054756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010199953A Active JP5439320B2 (ja) 2010-09-07 2010-09-07 2方向加圧注入方式の短尺ロックボルト構築方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5439320B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105221170B (zh) * 2015-10-30 2017-08-18 河南理工大学 破碎围岩树脂锚固加套管全长水泥浆锚注装置及锚注方法
WO2020155104A1 (zh) 2019-02-01 2020-08-06 河南理工大学 一种锚固装备及工作方法
JP7306637B2 (ja) * 2020-10-26 2023-07-11 中村建設株式会社 石積擁壁の補強工法
CN112431561B (zh) * 2020-11-03 2023-12-19 河南理工大学 一种小孔径下向钻孔排渣钻具

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH068530B2 (ja) * 1988-11-30 1994-02-02 東海ゴム工業株式会社 岩盤固結工法およびそれに用いるパイプ状ロツクボルト
JPH0313698A (ja) * 1989-06-12 1991-01-22 Okabe Co Ltd ロックボルト工法およびそのロックボルト装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012057328A (ja) 2012-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101251018B (zh) 孔口止浆管外混合双管分段后退式注浆方法
JP5268732B2 (ja) 地中連続壁用壁部材及び地中連続壁構築方法並びに地中連続壁
JP5439320B2 (ja) 2方向加圧注入方式の短尺ロックボルト構築方法
EP2080836A2 (de) Verfahren zum Verfestigen von Bodenabschnitten und Vorrichtung zur Durchführung des Verfahrens
JP4745926B2 (ja) 部分二重管方式のロックボルト構築方法
CN209129542U (zh) 复杂地层钻孔用的钻杆结构
JP3493014B2 (ja) トンネル拡幅方法
JP2007332559A (ja) 既設地中杭の撤去方法
JP2005029964A (ja) 長尺フェイスボルトの施工方法
JP3878104B2 (ja) 削孔ロッドを用いた二重管掘りロックボルトの構築方法
KR102070490B1 (ko) 지중 매설된 phc 파일 제거장치
CN102758443B (zh) 一种适用于新老管改接的新型围护结构和施工方法
CN103711121B (zh) 桩顶下置的原状取土压灌混凝土桩的施工方法
CN208252048U (zh) 用于应急抢险钻机的钻注一体式钻杆
JP2001082062A (ja) 地下埋設物の確認装置
JP4460146B2 (ja) 到達立て坑内へのトンネル掘削機の受け入れ方法およびその設備
JP6634251B2 (ja) 杭基礎構造、既製杭埋設装置、該既製杭埋設装置による杭基礎構造の構築方法
JP2020090859A (ja) ロックボルト構造の構築方法及び定着材注入治具
JP7311894B2 (ja) 地山補強工法
JP4247480B2 (ja) 法面補強工法および法面補強装置
KR101387119B1 (ko) 관 삽입형 천공장치
KR20090127593A (ko) 양방향 압력식 토우 그라우팅 장치 및 방법
JP7191327B2 (ja) 鋼管杭の撤去方法
JP4808561B2 (ja) 既設埋設管の回収工法
JP5190438B2 (ja) 地下構造物用の函体と函体間の継手部の止水方法。

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130408

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20130408

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5439320

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131219

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250