JP2007107372A - 部分二重管方式のロックボルト構築方法 - Google Patents

部分二重管方式のロックボルト構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】地質が悪くて削孔壁が自立しないために単管掘りが困難な場合に有効な削孔ロッドを用いた部分二重管方式のロックボルト構築方法を提供する。
【解決手段】削孔ロッド11の先端に、同時打設される短尺先導管14の外径より若干大きい径の削孔用ロストビット13を取り付け、若干の距離をおいて当該短尺先導管14の先端部が開口され、上記開口部もしくはその近傍にセントライザー17が配置された状態で、短尺先導管とその内部の削孔ロッドを短尺先導管の長さに見合う深さまで削孔打設し、その後、削孔ロッドのみを追打し、次に、固化材を削孔ロッドの内孔を通じて先端ロストビットの排出口より形成された削孔内に加圧注入し、固化材が削孔aから短尺先導管14の基端部でリターンCを確認したら、口元部を閉塞した状態で、更に所定量の固化材を削孔ロッド11の内孔、及び短尺先導管14の加圧注入口16aより積極的に圧入する。
【選択図】図2

Description

この発明は、法面補強工事や既設基礎のアンダーピーニング、およびトンネル掘削における脚部補強、その他の補強土工事に多用されるロックボルトの構築にあたり、特にアクセスや狭隘地施工の制限で軽量型ボーリングマシン(足場幅2m以下)やクレーン式ドリル、または汎用のドリルジャンボなどの小型の削孔機しか使えない場合において、削孔壁が自立せずに単管掘りが困難な地山につき、地山が不安定な表層部のみを二重管とし、下部層を自穿孔ボルトのみで追打ちした後、この追討ち部分に固化剤を積極的に加圧注入することにより構築される、削孔ロッドを用いた部分二重管方式のロックボルト構築方法に関する。
また、ロックボルトとなる上記削孔ロッドの引張り張力をPC鋼より線で改善するようにした二重管方式のロックボルト構築方法に関する。
図6と図7は、法面補強工事や既設基礎のアンダーピーニング、およびトンネル掘削における脚部補強、その他の補強土工事に多用される、従来の二重管方式のロックボルト構築方法を示し、まず、図6の如く、中空構造で固化材との結合を良くした外面を有する削孔ロッド1の先端に、この削孔ロッド1と同時打設される外管2よりも若干大きい径の削孔用ロストビット3をネジ接続し、この削孔用ロストビット3より若干の距離(10〜30cm以内が望ましい)をおいて当該外管2の先端部が開口され、外管2の開口部もしくはその近傍に、外管2の内面を通過する削孔ロッド1との芯出しを目的に、円周方向にのびる複数の独立板もしくは独立突起を有するセントライザー4が配置された状態で、外管2とその内側の削孔ロッド1を、この削孔ロッド1をカプラー5で必要な長さに接続し、途中にもセントライザー4を設けた状態で所定の深さまで削孔打設する。(特許文献1参照)
次に、図7の如く、削孔ロッド1に設けた注入アダプタ9にセメントミルク等の固化材供給源を接続し、削孔ロッド1の内孔を通じて先端のロストビット3の排出口より固化材を吐出させ、地表側の外管2の端部で固化材のリターンBが確認されるまで充填し、固化材が硬化しない内に、上記削孔ロッド1と先端ロストビット3を残置させた状態で外管2を待機させていた削岩機7にスイーベル6を介して接続し、回転を加えながら引き抜いてロックボルトを構築する手段をとる。
上記削孔ロッド1は中空構造で固化材との付着結合が良い外面を有するものであれば目的を達成できるが、特に中空構造で外面に連続した転造ネジを形成した自穿孔ボルトを用いるのが好ましい。
ここで、ロックボルトの打設深さは通常、最大7〜8m程度となり、削孔ロッド1やロストビット3、および同時打設される外管2に無理な荷重や衝撃が掛からない構造であることより、削孔ロッド1に自穿孔ボルトを用い、この自穿孔ボルトを介して地表部の削岩機7よりスイーベル6を介して回転と打撃を先端の削孔用ロストビット3に伝達し、同時にスライム(廃土)除去を目的とした水、または圧搾空気を削孔ロッド1の内孔より送り込む手段をとる。
ロストビット3の部分で発生したスライムは、送り込まれた水または圧搾空気により洗掘され、ロストビット3の近傍で、外管2の先端の開口部付近に配置されたセントライザー4の円周方向にのびる複数の独立板または独立突起の間を通過し、外管2の内側と削孔ロッド1の外面との隙間へと導かれ、削岩機7に接続されたスイーベル6の排出孔6aより排出されて削孔が進行する。
上記外管2は、ロストビット3の径より若干小さいために、削孔進行と同時に容易に押し込むことができ、特に大きな荷重が掛かることもなく、市販の安価な薄肉標準鋼管を用いることができる。
外管2の目的は削孔壁の崩れを防止し、削孔中のスライムの排出を確実にすることと、削孔完了後の固化材の確実な充填を目的としており、固化材の充填が完了したならば、地表側の削岩機7及びスイーベル6を利用して回転を加えながら引き抜いて回収する手法をとる。
特開2004−137760号公報
ところで、上記した二重管方式のロックボルト構築においては、外管2に長尺の一本物を用いると、この外管2の全長を支持することのできる長いガイドセル8の削孔機が必要になり、現場のアクセスや狭隘地施工の条件によっては、長いガイドセル8の削孔機を設置できない場合があり、二重管方式のロックボルト構築が不能となる。
このような場合は、外管2を先導管と後続管に二分割して打設するようにすれば、短いガイドセルの削孔機を使用することができるが、外管2の接続にジョイントが必要になると共に、カプラー5との位置調整を目的としたガイドスリーブを外管2に接続しなければならず、外管2の構造が複雑になるのでコストアップになる。
また、外管2に長尺物を用いると、通常2m以上の外管2は人力での引抜き回収ができないことから、打設を完了しても打設位置に削孔機を待機させ、固化材の充填が完了したならば外管2に削岩機7を接続して引抜いていたが、削孔機を待機させることは不経済である。
更に、クレーン式ドリルや軽量ボーリングマシン(足場幅2m以下)などの小型機では、地山条件が比較的硬い場合や粘性土での削孔において削孔壁が外管に付着しやすい土質条件の場合、回転力や打撃が不足する機種もあり削孔が不能となる場合もある。
一方、外管2を全く使用せずに削孔ロッド1とロストビット3のみを使って削孔する従来の自穿孔ボルトであれば小型機でも確実に削孔はできるが、削孔中に削孔壁が局部崩壊し、固化材を自穿孔ボルト先端のロストビット排出口より吐出させ、ボルト外面と削孔された地山との隙間を通して口元まで注入しても、固化材は拘束のない大気圧に近い自由圧力でロストビット側より供給されるために局部崩壊した部分では通過しやすい部分を通って口元まで到達し、局部崩壊した部分には脈状不完全充填域が生じ、自穿孔ボルト全長に亘る確実な付着力の実現ができない。また、特に削孔中に削孔ロッドの横振動が直接当り易い口元側表層部の削孔壁の崩壊は著しく、場合によっては口元が完全に閉塞されて固化材のリターンが確認できないこともある。
そこで、第1の発明は、削孔壁の不安定な地山において、表層部側のみを二重管とすることにより先導管の短尺化を図り、アクセスや狭隘地施工の制限に応じた汎用のクレーン式ドリルや軽量のボーリングマシン(足場幅2m以下)などの小型機で対応でき、また短尺先導管の採用により表層部の崩壊を回避して確実な固化材のリターンを確認でき、更に削孔壁の局部崩壊が懸念される深層部は従来の自穿孔ボルトと同様に削孔ロッドのみで追討ちした後で、当該部分に固化材を積極的に加圧注入することにより周辺地山の改良、及び脈状不完全充填域への加圧浸透注入を実現して付着力不足の懸念を一掃し、地質が悪くて削孔壁が自立しないために単管掘りが困難な地山でも汎用の小型機で確実に実現でき、先導管の引抜きを人力で可能にすることで削孔機の稼動効率を高めることを可能とする、削孔ロッドを用いた部分二重管方式のロックボルト構築方法を提供することを課題とする。
また、第2の発明は、上記削孔ロッドを用いた部分二重管方式のロックボルト構築方法において、中空構造の削孔ロッドの引張り耐力を改善して地山の滑動抑止力を向上させ、ボルトの打設本数を低減して全体の工事費を低減することができる、表面にインデント加工を施したPC鋼より線を使った削孔ロッドの引張り耐力改善方法を提供することを課題とする。
上記のような課題を解決するため、第1の発明は、中空構造で固化材との結合性を良くした外面を有する削孔ロッドの先端に、この削孔ロッドと同時打設される短尺先導管の外径より若干大きい径の削孔用ロストビットをネジ接続にて取り付け、上記ロストビットより若干の距離をおいて当該短尺先導管の先端部が開口され、短尺先導管開口部もしくはその近傍に、短尺先導管内面と通過する削孔ロッドとの芯出しを目的に、円周方向にのびる複数の独立板もしくは独立突起を有するセントライザーが配置された状態で、短尺先導管とその内部の削孔ロッドを短尺先導管の長さに見合う深さまで削孔打設し、その後、削孔ロッドのみを必要な長さだけ追打し、次に、固化材を削孔ロッドの内孔を通じて先端ロストビット排出口よりロストビットで形成された削孔内に充填注入し、固化材が削孔から短尺先導管の口元部に達したのを確認したら、削孔ロッド及び短尺先導管の口元部を閉塞した状態で、更に所定量の固化材を削孔ロッドの内孔を通じてロストビット排出口より積極的に加圧注入して構築されるロックボルトの構成を採用したものである。
ここで、上記固化材の加圧注入のため、削孔ロッドの口元部と短尺先導管の口元部を接続するホースの途中に、切り換えバルブを介して固化材供給源を接続し、切り換えバルブの操作で削孔ロッドの内孔と短尺先導管内への固化材の「積極的な加圧注入」を切り換えながら実施することで、削孔ロッドとロストビットのみで追討ちした削孔部に対し、短尺先導管の先端部側とロストビットの排出口側からの「2方向加圧注入」を行うことにより、更に均一で理想的な加圧注入が実現できる。
上記削孔ロッドは、中空構造で固化材との付着結合が良い外面を有するものであれば目的を達成できるが、特に中空構造で外面に連続した転造ネジを形成した自穿孔ボルトを用いるのが好ましく、この削孔ロッドはカプラーによって必要な長さに接続する。
また、削孔ロッドやロストビット、および同時打設される短尺先導管に無理な荷重や衝撃が掛からない構造であることより、削孔ロッドに自穿孔ボルトを用い、この自穿孔ボルトを介して地表部の削岩機よりスイーベルを介して回転と打撃を先端の削孔用ロストビットに伝達し、同時にスライム(廃土)除去を目的とした水、または圧搾空気を自穿孔ボルトの内孔より送り込む手段をとる。
ロストビット部で発生したスライムは、送り込まれた水または圧搾空気により洗掘され、ロストビットの近傍で、短尺先導管先端の開口部付近に配置されたセントライザーの円周方向にのびる複数の独立板または独立突起の間を通過し、短尺先導管内側と自穿孔ボルト外面との隙間へと導かれ、削岩機に接続されたスイーベルの排出孔より排出されて削孔が進行する。
上記先導管は、ロストビットの径より若干小さいために、削孔進行と同時に容易に押し込むことができ、特に大きな荷重が掛かることもなく、市販の安価な薄肉標準鋼管を用いることができる。
短尺先導管の採用により、最も崩壊が懸念される表層部の削孔壁の崩れを防止し、削孔中のスライムの排出を確実にすることと、削孔完了後の固化材の確実なリターン確認と加圧注入時における固化材の口元からの漏れを防ぐバルクヘッド機能を実現でき、固化材の加圧注入を完了したら、先導管は1.5〜2m程度の短尺であることより人力により回収する手法をとる。
次に、第2の発明は、削孔ロッドと短尺先導管を使った固化材の2方向加圧注入を完了したら、固化材が硬化する前に削孔ロッドの内孔の全長に亘って表面にインデント加工を施したPC鋼より線を挿入し、このPC鋼より線を削孔ロッドの頭部に定着ウエッジを当接圧入して固定し、その後固化材を硬化させて一体化させ、削孔ロッドの引張り耐力を改善させる構成とした。
ここで、削孔ロッドの内孔に挿入される表面にインデント加工を施したPC鋼より線は、可撓性に富み、現場搬入もコイル形式で可能なことにより、接続する必要がなく、全長に亘って1本もので挿入できる。
また、表面にインデント加工を施したPC鋼より線の挿入が完了したら、頭部の定着用球面六角ナットからの削孔ロッド突出寸法は小さいので、大きな荷重がかかった際に、この部分で、固化材、削孔ロッド、又は表面にインデント加工を施したPC鋼より線の何れかで付着切れが生じないように、固化材が硬化する前に定着ウエッジを当接圧入して、予め固定しておく構造とする。
第1の発明によると、地山の表層部側のみを先導管で二重管とすることにより、使用する先導管の短尺化を図ることでアクセスや狭隘地施工の制限に応じた汎用のクレーン式ドリルや軽量のボーリングマシン(足場幅2m以下)などの小型機で長尺のロックボルトにも確実に対応できるようになり、また短尺先導管の採用により削孔中にロッドが当り削孔壁が崩壊しやすい表層部の孔壁は保護されるのでスライムのスムーズな排出と注入における固化材の確実なリターンを確認でき、地質が悪くて削孔壁が自立しないために単管掘りが困難な場合のロックボルト構築に有効となる。
また、短尺先導管前方の追討ち部への固化材の積極的な2方向加圧注入により、当該部分に生じた削孔壁の局部崩壊部分にも固化材が確実に浸透圧入されて脈状不完全充填域における局部付着力不足の懸念を一掃すると共に、追討ち部全域の削孔壁にも固化材が浸透圧入されて周囲の地山改良が実現され、強度の優れた高品質のロックボルトを極めて経済的に構築できる。
更に、短尺先導管は1.5〜2mであり、後追いで人力回収できることから、削孔機を外管回収まで待機させる必要がなくなり、極めて効率的な施工が可能となる。
次に、第2の発明によると、削孔ロッド内に表面にインデント加工を施したPCより線を挿入し、固化材で全長に亘って一体化するので、ロックボルト芯材としての削孔ロッドの耐引張り耐力を改善でき、適用する地山の滑り抑止力を大きく設定できるので、工事全体のロックボルト本数を低減して全体工事費を低減できる。
以下、この発明の実施形態を図1乃至図5の例と共に説明する。
図1はこの発明によるロックボルトの打設で、削孔ロッド11の追討ちを行っている状
態を示し、既に短尺先導管(外管)14と長さが同程度の削孔ロッド11による口元側の
2重管削孔(図6と同じ要領による)を終え、スイーベル24は一旦、短尺先導管14お
よび削孔ロッド11から解除された後、削孔aでの削孔ロッド11の芯出しを目的とした追加のセントライザー17をセットしてから、カプラー18により後続の削孔ロッド11が接続され、基端部側にはスイーベル24がセットされた状態で削岩機25と接続されている。
ここでは削孔ロッド11に、中空構造で外面に連続した転造ネジを呈する外径φ28.5mm、中空孔径φ13mmの自穿孔ボルトを用いており、その基端部は小型の削孔機に搭載された削岩機25にスイーベル24を介して接続され、削孔ロッド11の先端部には削孔径φ65mmのロストビット13がネジ接続され、表層部にはロストビット13の径よりも幾分小さい外径、本例ではφ63.5mm、厚さ5mmのSTKM13A標準薄肉鋼管を用いた1.5m〜2m程度の長さを有する短尺先導管(外管)14が配置されており、この短尺先導管14の先端側には削孔時の小崩落部をトリミングする目的のトリムチップ15が配置されている。
本発明の実施にあたり、まず、地山Aに対する削孔開始から短尺先導管14の全長が地山に進入するまでの間の先端部の関係を短尺先導管14の先端部がロストビット13から10〜30cmだけ離れて開口させ、その内側には削孔ロッド11にネジ嵌合され片端部を位置ずれしないように溶接固定された、円周方向に複数の独立板を有するセントライザー17が短尺先導管14の開口部より0〜10mm程度だけはみ出るようにして配置された状態で、基端部に接続された削岩機25よりスイーベル24を介して打撃と回転を与えながら、表層部の削孔を進める。(従来の技術の図6と同要領のため、図示せず)
削孔ロッド11と短尺先導管14による表層部の削孔時において、削岩機25の回転と打撃はスイーベル24を介して削孔ロッド11から先端ロストビット13に伝達され、ロストビット13の部分に発生するスライムは、削孔ロッド11の内孔を通してロストビット13の排出口13aより供給される送水あるいは圧搾空気により逐次洗掘され、先導管14の開口部に配置されたセントライザー17の円周方向に複数広がる独立板間のスライム通過隙間を通り、先導管14と削孔ロッド11の隙間を通って基端側のスイーベル24まで運ばれ、スイーベル24のスライム排出口24aに設けた排出口から排出される。(従来の技術の図6と同要領のため、図示せず)
次に、短尺先導管の長さ分の打設を完了したならば、基端部で短尺先導管14とスイーベル24とのネジ接続を解除し、スイーベル24を10cmほど退却させて生じた先導管14とスイーベル24の接続隙間より内側の先導削孔ロッド11を把持し、先導削孔ロッド11とスイーベル24とのネジ接続も解除する。
次に、図1の如く短尺先導管14と同時打設した先導削孔ロッド11の基端部をカプラー18により、必要な追討ち長さの後続削孔ロッド11と結合し、基端側をスイーベル24とネジ接合した状態で、後続削孔ロッド11の長さ分だけ追討ちする。
この場合のロストビット13の部分に発生するスライムは、削孔ロッド11の内孔を通してロストビット13の排出口13aより供給される送水あるいは圧搾空気により逐次洗掘され、まず削孔aの隙間を通って短尺先導管14の開口部へと送られ、更に開口部から短尺先導管14の内側と削孔ロッド11の隙間を介して短尺先導管14の基端部側で排出23される。
図1の要領で削孔ロッド11による所定の深さまでの削孔を完了したならば、追打ち部の削孔aを送水あるいは圧搾空気により洗浄し、スイーベル24を削孔ロッド11より取り外した後、図2の如く、短尺先導管14の口元部を外管用蓋16で閉蓋し、また削孔ロッド11の端部に注入ホース20付きの注入アダプタ12をネジ接続するとともに、外管用蓋16に設けられた加圧注入口16aにも注入ホース20を接続し、両注入ホース20の他端をセメントミルク等の固化材供給源に接続される切り替えバルブ22と連結し、P1側とP2側の加圧注入が可能な、2方向加圧注入部品21を構築する。
先ず、切り換えバルブ22を削孔ロッド11への供給に設定し、固化材を図2のP1側から削孔ロッド11の内孔を通じて先端のロストビット13の排出口13aより吐出させ、外管用蓋16のオーバーフローバルブ19を開いた状態で、充填注入した固化材が削孔aから短尺先導管14の内部を通り、オーバーフローバルブ19から流出して地表側での固化材のリターンCが確認されるまで注入する。
次に、地表側でのリターンCが確認できたらば、オーバーフローバルブ19を閉じ、固化材の圧力を上げて所定量を圧入し、ロストビット排出口13aから削孔a内の固化材圧力を高めることで図2の矢印のように、地山に加圧浸透させる。
この後、切り換えバルブ22を先導管14への供給に切り換え、図2のP2側から先導管14内を介して削孔a内に所定量の固化材を圧入し、今度は短尺先導管14の先端開口部より削孔a内の固化材圧力を高めることで地山に加圧浸透させ、削孔a及び短尺先導管14内側に対する固化材の圧入を確実にして、脈状不完全充填域の解消を計り、部分付着力不足の問題をなくすようにする。
このように、ロストビット排出口13a側と短尺先導管14の先端開口部側の2ヶ所より削孔aに方向性のある加圧注入、すなわち2方向加圧注入を実施し、例えば通常の法面アンカー工の定着部に適用される、削孔aの理論体積量の3.2倍程度の固化材を積極的に圧入することで、周辺地山の改良も実施できる。
短尺先導管14は1.5〜2m程度で、加圧注入される固化材が口元よりリークすることを避けるのに必要な圧力ロスを生じさせてくれるバルクヘッド機能を発揮し、理想的な圧入を実施できる。
続いて、固化材が硬化しないうちに、上記削孔ロッド11と先端ロストビット13を残置させた状態で、人力により短尺先導管14を引抜いて回収し、ロックボルトの構築を完了する。
図3乃至図5は、更に削孔ロッド11を補強して引張り耐力を改善するこの発明のロックボルト頭部構造図を示し、上記の2方向加圧注入を実施して図1と図2で示した短尺先導管14を引抜いて回収したら、固化材29が硬化する前に、削孔ロッド11の内孔(例えば直径13mm)に、例えば直径10.8mmの固化材29との付着性を良くするために表面にインデント加工(図示省略)を施したPC鋼より線30を全長に亘って挿入し、削孔ロッド11の頭部には内孔の出口部に角度θのテーパ11aが形成され、その内側に表面にインデント加工を施したPC鋼より線30を固定するように、外径が角度θのテーパとなる定着ウエッジ11bが当接圧入されており、削孔ロッド11(ロックボルト)の荷重を地表のコンクリート躯体34に伝達する目的で、頭部の角度調整が可能な球面六角ナット31、球面メスワッシャー32及び座金33が配置され、防食を目的に内部空間に防錆材(グリース)36を封入したアルミキャップ35で全体を保護している。
ここで、図4(a)は、上記削孔ロッド11の頭部における内孔のテーパ11aを示し、図4(b)、(c)はその内側に表面にインデント加工を施したPC鋼より線30を把持するように当接圧入される定着ウエッジ11bの構造を示している。
更に、図5は、上述のごとく固化材29が硬化する前に、軽量小型のジャッキ27を用いその先端に取り付けた断面U字状の圧入部品27aを介して定着ウエッジ11bを圧入している状態図であり、ジャッキ27の反力は反力ケース28を介して削孔ロッド11に取り付けた仮付けナット26に支持されている。
この発明の工法によるロックボルトの打設途中の状況を示す縦断面図 この発明の工法によるロックボルトの固化材の加圧注入状況を示す縦断面図 この発明の工法によるロックボルトの補強を実施した頭部構造を示す縦断面図 (a)は削孔ロッドの頭部構造を拡大した縦断面図、(b)は削孔ロッドの補強に用いる表面にインデント加工を施したPC鋼より線用頭部定着ウエッジの縦断正面図(c)は同側面図 (a)は軽量小型のジャッキを用い、頭部定着ウエッジの圧入作業の状態を示す縦断面図、(b)は(a)の矢印b−bの縦断面図、(c)は(a)の矢印c−cの縦断面図 従来の工法によるロックボルトの打設途中の状況を示す縦断面図 従来の工法によるロックボルトの固化材の充填注入状況を示す縦断面図
符号の説明
1 削孔ロッド
2 外管(先導管)
3 ロストビット
4 セントライザー
5 カプラー
6 スイーベル
6a スライム排出口
7 削岩機
8 ガイドセル
9 注入アダプタ
A 地山
B 固化材のリターン
C 固化材のリターン
11 削孔ロッド
12 注入アダプタ
13 ロストビット
13a ロストビット排出口
14 短尺先導管
15 トリムチップ
16 外管用蓋
16a 加圧注入口
17 セントライザー
18 カプラー
19 バルブ
20 注入ホース
21 2方向加圧注入部品
22 切り替えバルブ
23 外管の基端部のスライム排出
24 スイーベル
24a スライム排出口
25 削岩機
P1 固化材の注入経路
P2 固化材の注入経路
26 仮付けナット
27 ジャッキ
28 反力ケース
29 固化材
30 表面にインデント加工を施したPC鋼より線
31 球面六角ナット
32 球面メスワッシャー
33 座金
34 コンクリート躯体
35 アルミキャップ

Claims (3)

  1. 中空構造で固化材との結合性を良くした外面を有する削孔ロッドの先端に、この削孔ロッドと同時打設される短尺先導管の外径より若干大きい径の削孔用ロストビットをネジ接続にて取り付け、前記ロストビットより若干の距離をおいて当該短尺先導管の先端部が開口され、短尺先導管開口部もしくはその近傍に、短尺先導管内面と通過する削孔ロッドとの芯出しを目的に、円周方向にのびる複数の独立板もしくは独立突起を有するセントライザーが配置された状態で、短尺先導管とその内部の削孔ロッドを短尺先導管の長さに見合う深さまで削孔打設し、その後、削孔ロッドのみを必要な長さだけ追打し、次に、固化材を削孔ロッドの内孔を通じて先端ロストビット排出口よりロストビットで形成された削孔内に充填し、固化材のリターンが削孔から短尺先導管の口元部に達したのを確認したら、削孔ロッド及び短尺先導管の口元部を閉塞した状態で、短尺先導管前方の追討ち区間に口元部から削孔ロッドの内孔を介して固化材を積極的に加圧注入して構築される部分二重管方式のロックボルト構築方法。
  2. 上記固化材の追討ち部分への更なる均等で確実な2方向加圧注入を実現するため、削孔ロッドの口元部と短尺先導管の口元部を接続するホースの途中に、切り換えバルブを介して固化材供給源を接続し、切り換えバルブの操作で削孔ロッドの内孔と短尺先導管内への固化材の加圧注入を切り換える手段をとる請求項1に記載の部分二重管方式のロックボルト構築方法。
  3. 上記固化材の加圧注入作業を完了したら、固化材が硬化する前に削孔ロッドの内孔の全長に亘って表面にインデント加工を施したPC鋼より線を挿入し、このPC鋼より線を削孔ロッドの頭部に当接するように定着してから固化材を硬化させて削孔ロッドを補強する請求項1又は2に記載の部分二重管方式のロックボルト構築方法。
JP2006242888A 2005-09-14 2006-09-07 部分二重管方式のロックボルト構築方法 Active JP4745926B2 (ja)

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