JP6931618B2 - 流動抑制方法 - Google Patents

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Description

本発明は、斜面を有する地盤の流動抑制方法に関するものである。
従来、すべり破壊や液状化、側方流動に対する耐震性を確保する方法として、おもに地盤強度定数を高めるための地盤改良が行われている。代表的な地盤改良工法として、以下の3つがある。
薬液注入工法は、間隙水を低強度のゲル状物質で置き換え、粘着力を付加する工法である。比較的安価で、建設副産物がほとんど発生しないという長所を有する。
抑止杭工法は、鋼管等を地盤に挿入した後、充填グラウト等により地盤に密着させて抵抗する工法であり、大深度への適用が可能であるという長所を有する。抑止杭工法の例として、斜面土中に略斜面直角方向に鋼管杭、コンクリート杭、ソイルセメント柱などを形成する方法(例えば、特許文献1参照)などがある。
高圧噴射撹拌工法は、セメント系固化材とエアを地中に噴射して円柱状の改良体を造成する工法であり、任意の深度で拡径でき、既設構造物に近接した箇所でも施工できるという長所を有する。高圧噴射撹拌工法を用いた例としては、盛土の法面の地中に予想されるすべり面を上下方向に突き抜けるように固化改良体を鉛直方向に沿って造成する方法(例えば、特許文献2参照)などがある。
特開昭59−98933号公報 特開2014−227729号公報
東日本大震災以降、従来はすべりや液状化に対する性質に問題がないと判定されていた地盤に対しても、耐震性の確保が必要となってきている。特に、原子力発電所の分野ではこれが顕著であり、基準地震動が大きくなったことから、従来の基準にはない大深度の地盤や、洪積砂層、礫地盤に関しても液状化判定が要求され、対応が必要となっている。
しかしながら、薬液注入工法は、大深度の地盤への適用が困難である。抑止杭工法は、高価であり、施工が大掛かりとなる。また、巨礫地盤への適用が困難である。高圧噴射撹拌工法は、高価であり、礫地盤や粘土地盤への適用が困難である。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、大深度の地盤や、礫地盤、粘土地盤に対して適用可能であり、耐震性を確保することができる流動抑制方法を提供することである。
前述した目的を達成するために本発明は、斜面を有する地盤の流動抑制方法であって、地上からすべり面を貫くように鉛直方向の凍結管を建て込む工程aと、鉛直方向の前記凍結管に凍結冷媒を循環させて、所定の凍結強度を発現させた第1の凍結杭を形成する工程bと、を具備することを特徴とする流動抑制方法である。
本発明では、凍結工法を用いて、地上からすべり面を貫くように鉛直方向の凍結杭を形成することにより、従来の地盤改良工法を適用しにくい大深度の地盤や、礫地盤、粘土地盤においても確実に地盤の強度定数を高め、すべり破壊や液状化、側方流動に対する耐震性を確保することができる。なお、本発明における斜面には、勾配が1%以下のような緩勾配も含む。また、本発明におけるすべり面とは、斜面の下方に向かって変位が生じる部位を含む。例えば、斜面よりも深部の地層が液状化などによって軟弱化し、斜面の重みに耐えきれずに、斜面自体が前方にせり出すような場合には、この軟弱化層がすべり面となる。また、本発明は、凍結杭を仮設で使用し、不要となった時に融解させて元の地盤に容易に戻すことにより、期間限定での液状化対策や側方流動対策としても有効である。
曲がりボーリング装置を用いて、鉛直方向の前記凍結管と直交する方向に曲がりボーリング孔を削孔し、前記曲がりボーリング孔の所定の範囲に水平方向の凍結管を建て込み、水平方向の前記凍結管に凍結冷媒を循環させて凍結梁を形成してもよい。
これにより、凍結梁を用いて凍結杭同士を水平に連結し、すべり土塊の移動を効果的に阻止することができる。
鉛直方向の前記凍結管は、例えば、単管、U字管、二重管、三重管またはアルミマイクロチャンネルのいずれかである。
単管、U字管、二重管、三重管等の汎用材を凍結管として用いれば、工費を削減することができる。特に、アルミマイクロチャンネルを凍結管として用いれば、軽量であるため容易に施工できる。また、アルミマイクロチャンネルは熱伝導性に優れているため、凍結杭を短期間で形成できる。
前記工程aで、鉛直方向に鋼材が配置され、鉛直方向の前記凍結管は、前記鋼材に沿って配置されてもよい。
鋼材に沿って凍結管を配置することにより、地盤への熱伝導性が良くなり、短期間で凍結杭を造成できる。また、鋼材によって凍結杭を補強することができる。
前記第1の凍結杭の下部の凍結幅を相対的に増大させてもよい。
また、前記第1の凍結杭のすべり土塊の移動方向の下流側に、第2の凍結杭を形成してもよい。
これらにより、すべり土塊の移動を効果的に阻止することができる。
前記工程aで、前記凍結管から所定の距離をおいて測温管を建て込み、前記工程bの後、前記測温管による温度計測結果に基づいて、前記凍結管の運転を制御することが望ましい。
これにより、凍結杭の融解や凍上を防ぎ、凍結杭を適切な状態に維持することができる。
本発明によれば、大深度の地盤や、礫地盤、粘土地盤に対して適用可能であり、耐震性を確保することができる流動抑制方法を提供できる。
地盤1に凍結管5および測温管7を建て込む工程を示す図 凍結杭11を形成する工程を示す図 凍結管5の運転制御方法を示す図 地盤1にアルミマイクロチャンネル23、H型鋼21および測温管7を建て込む工程を示す図 凍結杭11aを形成する工程を示す図 凍結梁29を形成する工程を示す図 径が一定でない凍結杭を形成した例を示す図 凍結杭11を壁状に形成した例を示す図 本発明の流動抑制方法の他の適用箇所を示す図
以下、図面に基づいて、本発明の第1の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、地盤1に凍結管5および測温管7を建て込む工程を示す図である。図1(a)は、地盤1の鉛直方向の断面図、図1(b)は、図1(a)に示す矢印A1−A1の位置での断面図である。
図1に示すように、地盤1は、斜面を有する。図1に示す工程では、図1(a)に示すように、地盤1の上面からすべり面3を貫くように鉛直方向の凍結管5を建て込む。凍結管5は、例えば、単管、U字管、二重管、三重管、アルミマイクロチャンネル等である。地盤1のすべり面3は、例えば、事前に計算によって予測される。
図1(b)に示すように、凍結管5は、平面視で、すべり土塊の移動方向すなわち矢印A2の方向にほぼ直交する直線上に、所定の間隔をおいて設置される。
また、凍結管5の建て込みと前後して、図1(a)、図1(b)に示すように、凍結管5と所定の距離をおいて測温管7を建て込む。凍結管5と測温管7との距離は、造成予定の凍結杭11(図2)の径に応じて設定される。凍結杭11の径は解析により設定される。測温管7の設置深さは、凍結管5の設置深さと同等程度とする。測温管7には、光ファイバセンサ等の測温計が配置される。なお、測温管7の設置本数や設置位置は、図1に示すものに限らない。
図2は、凍結杭11を形成する工程を示す図である。図2(a)は、地盤1の鉛直方向の断面図、図2(b)は、図2(a)に示す矢印A3−A3の位置での断面図である。
図2に示す工程では、図2(a)、図2(b)に示すように、鉛直方向の全ての凍結管5に凍結冷媒9を循環させる。凍結冷媒9の供給、回収には、図示しない送り用ヘッダー管、戻り用ヘッダー管等を用いる。そして、凍結管5の周囲に凍土を造成し、所定の凍結強度を発現させた第1の凍結杭11を形成する。
凍結杭11を形成する際には、測温管7に配置した図示しない測温計を用いて、例えば1m毎に設定された測温箇所で地盤1の地中温度を測定する。そして、特定の深度の地中温度または全深度の平均地中温度を用いて、凍結杭11の凍結状態を判断する。
図3は、凍結管5の運転制御方法を示す図である。図3(a)は、間欠運転について示す図である。図3(a)の縦軸は測温管7の位置での地中温度、横軸は時間である。
図3(a)に示す実線13は、凍結管5の運転開始からの地中温度の変化を示す。図3(a)に示す例では、例えば、−5℃を凍結冷媒9の循環停止の基準となる管理値としている。これは、低温下では凍土の造成が促され、凍上のリスクが高まるためである。また、−0.5℃を凍結冷媒9の再循環開始の基準となる管理値としている。これは、凍土温度が0℃近くまで上昇しても融解しない限り強度が保たれることが、実験により確認されているためである。
図2に示す工程で、全ての凍結管5に凍結冷媒9を循環する通常運転を開始すると、図3(a)の実線13に示すように、時間の経過とともに測温管7の位置での地中温度が低下する。通常運転の開始後、測温管7で計測した所定の位置での地中温度が−5℃を下回ったら、凍結杭11の形成が完了したと判断し、通常運転実施期間15を終了する。
凍結杭11の形成が完了し、通常運転実施期間15を終了した後は、凍結杭11を必要以上に成長させず且つ融解させないように、凍結管5への凍結冷媒9の循環と停止を繰り返す間欠運転実施期間17に移行する。測温管7を用いた地中温度の測定は、間欠運転実施期間17にも継続される。
間欠運転実施期間17には、測温管7による地中温度の計測結果に基づいて、凍結管5の運転を制御する。例えば、測温管7で計測した地中温度が循環停止の基準となる管理値である−5℃以下となると、全ての凍結管5への凍結冷媒9の循環を停止する。また、測温管7で計測した地中温度が再循環開始の基準となる管理値である−0.5℃を上回ると、全ての凍結管5への凍結冷媒9の循環を再開する。
間欠運転実施期間17中は、凍結冷媒の停止期間17aと運転期間17bとを繰り返すことにより、地中温度を適切な範囲に保ち、凍結杭11の融解や過大生成を防止し、凍結杭11の径を適切に維持する。なお、停止期間17aと運転期間17bとの繰り返しの回数は、2回に限らない。
凍結杭11が仮設である場合には、凍結杭11が不要となる前後の適切な時期に間欠運転実施期間17を終了し、自然融解期間19に移行する。自然融解期間19には、凍結管5への凍結冷媒9の循環を終了する。凍結冷媒9の循環を終了すると、凍結杭11は徐々に融解し、地盤1が元の状態に戻る。
図3(a)に示す例では、通常運転によって凍結杭11を形成した後、間欠運転によって凍結杭11を維持したが、凍結杭11の維持期間における凍結管5の運転制御方法はこれに限らない。図3(b)は、間引き運転について示す図である。凍結杭11を形成した後、図3(b)に示す間引き運転を行って凍結杭11を維持してもよい。
間引き運転では、図3(b)に示すように、一部の凍結管5で凍結冷媒9の循環を続行し、残りの凍結管5では凍結冷媒9の循環を停止する。凍結杭11が完成された状態では、未完成の状態よりも地盤1内での冷熱の伝わりが良くなるので、一部の凍結管5に凍結冷媒9を循環すれば、凍結杭11の全体を維持することができる。
このように、第1の実施の形態によれば、凍結工法を用いて、地上からすべり面3を貫くように鉛直方向の凍結杭11を形成することにより、従来の地盤改良工法を適用しにくい大深度の地盤や、礫地盤、粘土地盤においても確実に地盤の強度定数を高め、すべり破壊や液状化、側方流動に対する耐震性を確保することができる。凍結杭11は粘り強さを有するため、すべり荷重によって曲げ荷重が作用しても破壊されず、すべり土塊の移動を阻止できる。
第1の実施の形態において、鉛直方向の凍結管5として、単管、U字管、二重管、三重管等の汎用材を用いれば、工費を削減することができる。凍結管5としてアルミマイクロチャンネルを用いれば、軽量であるため容易に施工できる。また、アルミマイクロチャンネルは熱伝導性に優れているため、凍結杭11を短期間で形成できる。
第1の実施の形態では、凍結管5から所定の距離をおいて測温管7を設置して地中温度を測定することにより、凍結杭11を形成する際に凍土の凍結状況を適切に把握することができる。また、凍結杭11の完成後、測温管7による温度計測結果に基づいて凍結管5の運転を制御すれば、凍結杭11の融解や凍上を防ぐことができる。
さらに、図3(a)に示す間欠運転実施期間17に凍結杭11を仮設で使用し、その後自然融解期間19に移行して凍結杭11を融解させて地盤1を元の状態に容易に戻すことにより、凍結杭11を期間限定での液状化対策や側方流動対策に適用することができる。
なお、第1の実施の形態では、図3に示すように自然融解期間19を設けて、凍結杭11を期間限定の仮設の対策として用いたが、自然融解期間19を設けず、本設の対策として用いてもよい。
次に、第2の実施の形態について説明する。以降の各実施の形態では、それまでに説明した実施の形態と異なる点について説明し、同様の点については図等で同じ符号を付すなどして説明を省略する。
図4は、地盤1にアルミマイクロチャンネル23、H型鋼21および測温管7を建て込む工程を示す図である。図4(a)は、地盤1の鉛直方向の断面図、図4(b)は、図4(a)に示す矢印B1−B1の位置での断面図である。
図4に示す工程では、図4(a)に示すように、地盤1の上面からすべり面3を貫くように鉛直方向にH型鋼21を建て込む。H型鋼21は、すべり土塊の移動方向の上流側のフランジに沿って、鉛直方向の凍結管であるアルミマイクロチャンネル23が固定される。アルミマイクロチャンネル23は、H型鋼21と同時に地盤1に建て込まれる。
H型鋼21およびアルミマイクロチャンネル23は、第1の実施の形態の凍結管5と同様に、平面視で、すべり土塊の移動方向にほぼ直交する直線上に、所定の間隔をおいて設置される。
また、図4(a)、図4(b)に示すように、アルミマイクロチャンネル23と所定の距離をおいて測温管7を建て込む。アルミマイクロチャンネル23と測温管7との距離は、造成予定の凍結杭11a(図5)の径に応じて設定される。凍結杭11aの径は解析により設定される。
なお、アルミマイクロチャンネル23の固定位置は、上述した位置に限らない。図4(b)に点線で示すアルミマイクロチャンネル23aのように、H型鋼21のウェブや、すべり土塊の移動方向の下流側のフランジに固定してもよい。また、1本のH型鋼21に複数本のアルミマイクロチャンネルを固定してもよい。
図5は、凍結杭11aを形成する工程を示す図である。図5(a)は、地盤1の鉛直方向の断面図、図5(b)は、図5(a)に示す矢印B2−B2の位置での断面図である。
図5に示す工程では、図5(a)、図5(b)に示すように、鉛直方向のアルミマイクロチャンネル23に凍結冷媒9を循環させる。そして、H型鋼21の周囲に凍土を造成し、所定の凍結強度を発現させた第1の凍結杭11aを形成する。
凍結杭11aを形成する際には、測温管7に配置した図示しない測温計を用いて地盤1の地中温度を測定し、凍結杭11aの凍結状態を判断する。凍結杭11aの形成後は、測温管7による温度計測結果に基づいてアルミマイクロチャンネル23の運転を制御する。運転の制御方法は、第1の実施の形態での凍結管5の運転制御方法(図3)と同様とする。
このように、第2の実施の形態では、地上からすべり面3を貫くように鉛直方向の凍結杭11aを形成することにより、従来の地盤改良工法を適用しにくい大深度の地盤や、礫地盤、粘土地盤においても確実に地盤の強度定数を高め、すべり破壊や液状化、側方流動に対する耐震性を確保することができる。凍結杭11aは粘り強さを有するため、すべり荷重によって曲げ荷重が作用しても破壊されず、すべり土塊の移動を阻止できる。また、第2の実施の形態は、凍結杭11aを仮設で使用し、不要となった時に融解させて元の地盤に容易に戻すことにより、期間限定での液状化対策や側方流動対策としても有効である。
第2の実施の形態では、鉛直方向の凍結管であるアルミマイクロチャンネル23をH型鋼21に沿って配置することにより、アルミマイクロチャンネル23からの冷熱の伝導性が良くなり、短期間で凍結杭を造成できる。また、H型鋼21によって凍結杭11aを補強することができる。
次に、第3の実施の形態について説明する。図6は、凍結梁29を形成する工程を示す図である。図6(a)は、地盤1の鉛直方向の断面図、図6(b)および図6(c)は、図6(a)に示す矢印C−Cの位置での断面図である。
図6に示す工程では、第2の実施の形態と同様にして地盤1にH型鋼21およびアルミマイクロチャンネル23を建て込むが、これらの建て込みと前後して、図示しない曲がりボーリング装置を用いて、図6(b)に示すように曲がりボーリング孔27を削孔する。曲がりボーリング孔27は、地上からすべり面3の下方に向けて削孔された後、すべり面3近傍の深さにおいて、鉛直方向の凍結管であるアルミマイクロチャンネル23と直交する方向、すなわち水平方向に削孔される。
次に、図6(a)、図6(b)に示すように、曲がりボーリング孔27の水平部分に凍結管25を建て込む。その後、図6(c)に示すように、第2の実施の形態と同様にして凍結杭11aを形成するが、これと前後して、凍結管25に凍結冷媒を循環させて、凍結梁29を形成する。
第3の実施の形態では、第2の実施の形態と同様の効果に加えて、凍結梁29を用いて凍結杭11a同士を水平に連結することによって、すべり土塊の移動を効果的に阻止することができる。
なお、第1、第2の実施の形態では、凍結杭11の径を鉛直方向の全長にわたって同一としたが、凍結杭の径を鉛直方向の所定の範囲で変化させてもよい。図7は、径が一定でない凍結杭を形成した例を示す図である。
図7(a)は、控え凍結杭31を有する凍結杭11bを示す図である。図7(a)に示す例では、第1の凍結杭11bのすべり土塊の移動方向の下流側に、第2の凍結杭である控え凍結杭31を形成する。控え凍結杭31は、例えば、すべり面3を貫くように凍結杭11bの下方にのみ形成されればよく、全長にわたって上部まで形成されなくてもよい。控え凍結杭31は、地盤1の安全率が小さく(例えば1.2以下)、新たなすべり面が形成される可能性がある深さ範囲に形成される。
図7(b)は、増幅部33を有する凍結杭11cを示す図である。図7(b)に示す例では、第1の凍結杭11cの下部に、凍結幅を相対的に増大させた増幅部33を形成する。増幅部33は、すべり面3以深に楔型に形成される。なお、増幅部33の形状は楔型に限らない。また、すべり面3を含む位置に増幅部33を形成してもよい。
控え凍結杭31や増幅部33を形成するには、例えば、鉛直方向や水平方向に凍結管を配置し、凍結管のうち周囲に凍土を形成しない範囲の全周に断熱材を巻きつけ、断熱材を巻きつけていない部分のみから地盤1に冷熱を伝える。これにより、所望の箇所に控え凍結杭31や増幅部33を形成することができる。
第1から第3の実施の形態では、凍結杭を所定の間隔をおいて形成したが、隣接する凍結杭同士の少なくとも一部を連結して壁状に形成してもよい。図8は、凍結杭11を壁状に形成した例を示す図である。図8に示す例では、第1の実施の形態とほぼ同様の方法で凍結杭11を形成するが、凍結管5を第1の実施の形態よりも密に配置し、矢印Dに示す方向のすべり土塊の移動を効果的に阻止できる最も有効な深度範囲において、隣接する凍結杭11同士を壁状に連結させる。壁状に連結しない深度範囲では、例えば1本おきに凍結管5の全周に断熱材を巻きつけ、断熱材を巻きつけた部分からは地盤1に冷熱を伝えないようにする。
図9は、本発明の流動抑制方法の他の適用箇所を示す図である。図9(a)は、既設のため池の堤体35に凍結杭11を形成した例を示す図、図9(b)は、河川堤防37に凍結杭11を形成した例を示す図である。本発明は、図9に示す例のように、現在の耐震基準を満たさない既設の堤体等にも適用できる。また、鉱山のすべりや護岸の側方流動などの抑止のためにも適用できる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………地盤
3………すべり面
5、25………凍結管
7………測温管
9………凍結冷媒
11、11a、11b、11c………凍結杭
13………実線
15………通常運転実施期間
17………間欠運転実施期間
17a………停止期間
17b………運転期間
19………自然融解期間
21………H型鋼
23、23a………アルミマイクロチャンネル
27………曲がりボーリング孔
29………凍結梁
31………控え凍結杭
33………増幅部
35………堤体
37………河川堤防

Claims (7)

  1. 斜面を有する地盤の流動抑制方法であって、
    地上からすべり面を貫くように鉛直方向の凍結管を建て込む工程aと、
    鉛直方向の前記凍結管に凍結冷媒を循環させて、所定の凍結強度を発現させた第1の凍結杭を形成する工程bと、
    を具備することを特徴とする流動抑制方法。
  2. 曲がりボーリング装置を用いて、鉛直方向の前記凍結管と直交する方向に曲がりボーリング孔を削孔し、前記曲がりボーリング孔の所定の範囲に水平方向の凍結管を建て込み、水平方向の前記凍結管に凍結冷媒を循環させて凍結梁を形成することを特徴とする請求項1記載の流動抑制方法。
  3. 鉛直方向の前記凍結管は、単管、U字管、二重管、三重管またはアルミマイクロチャンネルのいずれかであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の流動抑制方法。
  4. 前記工程aで、鉛直方向に鋼材が配置され、鉛直方向の前記凍結管は、前記鋼材に沿って配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の流動抑制方法。
  5. 前記第1の凍結杭の下部の凍結幅を相対的に増大させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の流動抑制方法。
  6. 前記第1の凍結杭のすべり土塊の移動方向の下流側に、第2の凍結杭を形成することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の流動抑制方法。
  7. 前記工程aで、前記凍結管から所定の距離をおいて測温管を建て込み、
    前記工程bの後、前記測温管による温度計測結果に基づいて、前記凍結管の運転を制御することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の流動抑制方法。
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