JP4689521B2 - 抗鉛モノクローナル抗体 - Google Patents

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本発明は、抗鉛モノクローナル抗体に関する。さらに詳述すると、本発明は、鉛を特異的に認識するモノクローナル抗体、該抗体を用いて鉛を定性的または定量的に検出する方法及び抗体を作製する方法に関する。
近年、人体への健康障害を引き起こす重金属による環境汚染が新たな環境問題として指摘されている。このような重金属としては、例えば鉛が挙げられる。鉛は人体に蓄積すると、神経障害、胃腸障害、腎臓障害、脳疾患、貧血、血圧上昇、出産以上などを引き起こす人体に有害な物質であるが、一方で、産業上の有用性の高さから、現在まで様々な用途に使用されてきた物質であり、その環境汚染は広域に拡散している。そこで、公的機関により飲料水や地下水における水質基準、土壌における環境基準、環境への排出基準が設けられている。さらに、平成15年2月に土壌汚染対策法が施行され、水質汚濁防止法と併せて、土壌の汚染についても法的規準が設けられつつある。
これら土壌や水などに対する鉛についての汚染調査の公定法分析には、従来、ICP発光分析法やICP質量分析法などが用いられている。しかし、公定法分析には多大な時間と費用を要すると共に、汚染調査が必要とされる土壌は今後さらに拡大することが予想される。したがって、分析時間と費用の削減のためには、鉛が環境基準値以上存在している高濃度エリアを絞り込んだ後に、該高濃度エリアのみを公定法分析することが望ましいため、高濃度エリアを絞り込むための簡便・迅速な分析法の確立が望まれている。
簡便・迅速な鉛の分析法としては、硫化ナトリウム比色法やエオシンY−クラウンエーテル会合体比色法などが知られているが、これらの方法は測定感度が低く、低濃度の鉛を分析することが困難である。
そこで、特定物質を簡便・迅速で高感度に分析する測定法として、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)、免疫発光測定法、エンザイムイムノアッセイ(EIAまたはELISA)などの免疫反応を利用した方法が知られている。また、微量物質の測定法として、間接蛍光抗体法、競合アッセイ法の他に蛍光センサーを利用する方法(非特許文献1)などが知られており、その応用範囲は広い。
ここで、免疫反応を利用した測定法を鉛の分析に用いる場合、鉛を抗原として認識しうる抗体が必要である。このような抗体としては、例えば、錯体を形成した鉛を認識するモノクローナル抗体が知られている(非特許文献2)。
N. Ohmura, et al., Anal. Chemistry, Vol. 73, pp.3392‐3399 (2001) Khosraviani, M., Blake, R.C., II, Pavlov, A.R., Lorbach,S.C., Yu, H., Delehanty, J.B.,Brechbiel M.W. and Blake, D.A.,(2000) Binding properties of a monoclonal antibody directed toward lead-chelate complex.,Bioconjug Chem, 11: 267-277.
しかしながら、非特許文献2に示されているモノクローナル抗体は、Pb−DTPA(鉛−ジエチレントリアミンペンタ酢酸錯体)に対する平衡解離定数Kが1×10−5M、Ca−DTPA(カルシウム−ジエチレントリアミンペンタ酢酸錯体)に対する平衡解離定数Kが2.8×10−6Mであり、鉛よりもむしろカルシウムを認識しやすい。カルシウムは環境中に普遍的に存在する元素であるため、環境中の鉛の測定に非特許文献2のモノクローナル抗体を用いた場合、その測定結果は信頼性に欠けるものとなり、実用には適さない。したがって、カルシウム等の環境中に存在する元素やイオンとの交差反応性が低く、鉛を特異的に認識する実用性の高いモノクローナル抗体の作製が望まれる。
また、鉛の環境基準値は0.01mg/L以下と定められているが、非特許文献2のモノクローナル抗体は、Pb−CHXDTPA(鉛−シクロヘキシルジエチレントリアミンペンタ酢酸錯体)に対する平衡解離定数Kが8.4×10−9M(鉛の重量濃度に換算した場合は1.7×10−3mg/L)、Pb−DTPA(鉛−ジエチレントリアミンペンタ酢酸錯体)に対する平衡解離定数Kが1×10−5M(鉛の重量濃度に換算した場合は2.1mg/L)である。つまり、非特許文献2のモノクローナル抗体は、環境基準値濃度の鉛を検出するために、CHXDTPA(シクロヘキシルジエチレントリアミンペンタ酢酸)という特殊なキレート剤を用いる必要がある。したがって、非特許文献2のモノクローナル抗体を用いる際には、CHXDTPAを入手するための手間やコストの問題が生じる。
そこで、本発明は、DTPA(ジエチレントリアミンペンタ酢酸)のような一般的なキレート剤を用いた場合にも、環境基準値濃度の鉛を特異的に認識することが可能なモノクローナル抗体を提供することを目的とする。
また、本発明は、当該モノクローナル抗体を用いて免疫学的手法により環境中の鉛濃度を測定する方法及びモノクローナル抗体の作製方法を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、本願発明者らは、鉛錯体(Pb−DTPA)にタンパク質を結合させた複合体を抗原としてマウスに免疫することによりモノクローナル抗体の作製を試みたが、DTPAと錯体を形成した鉛を特異的に認識するモノクローナル抗体を得ることができなかった。この原因について検討した結果、マウスへの抗原免疫時に使用していたアジュバントに含まれている亜鉛の影響によりDTPAと錯体を形成した鉛を特異的に認識するモノクローナル抗体が作製できないことを知見した。そこで、アジュバントに含まれる亜鉛の影響を排除すべく、検討を行った結果、DTPAと錯体を形成した鉛を特異的に認識するモノクローナル抗体が得られ、本願発明に至った。
したがって、本発明のモノクローナル抗体は、DTPAと錯体を形成した鉛を特異的に認識するものである。尚、本明細書中における、「特異的」とは、鉛(Pb)以外の金属元素やそのイオンのDTPAとの錯体が存在する環境下、例えば、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)のDTPAとの錯体が存在するような環境下であっても、これらの錯体に影響されることなく、DTPAと錯体を形成した鉛(Pb)を認識することを意味している。
ここで、鉛はキレート剤に配位させて錯体を形成することにより、鉛に抗原性を持たせて本発明のモノクローナル抗体に認識させる。つまり、本発明のモノクローナル抗体は、環境試料をキレート剤と反応させることにより、当該環境試料中の鉛を特異的に認識する。キレート剤としては、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)を用いる
ここで、本発明のモノクローナル抗体であるYj2H7抗体は、DTPAと錯体を形成した鉛との平衡解離定数Kが2×10−8M(鉛の重量濃度に換算した場合は4×10−3mg/L)以下であり、Yj1A3抗体は、DTPAと錯体を形成した鉛に対する平衡解離定数Kが1.8×10−9M(鉛の重量濃度に換算した場合は3.8×10−4mg/L)以下である。したがって、環境基準値である0.01mg/L以下の濃度の鉛を検出することが可能である。
本発明のモノクローナル抗体は、ハイブリドーマFERM P−20745(Yj1A3株)、あるいはFERM P−20746(Yj2H7株)により産生される。これらのハイブリドーマは、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに2005年12月22日付けで受託されている。
ハイブリドーマFERM P−20745(Yj1A3株)から産生されるモノクローナル抗体Yj1A3は、DTPAと錯体を形成した鉛に対する平衡解離定数Kが1.8×10−9Mであり、DTPAと錯体を形成したカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)との交差反応性は最大でもマンガン(Mn)の0.55%である。ハイブリドーマFERM P−20746(Yj2H7株)から産生されるモノクローナル抗体Yj2H7は、DTPAと錯体を形成した鉛に対する平衡解離定数Kが2×10−8Mであり、DTPAと錯体を形成したカルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)との交差反応性は最大でもカルシウム(Ca)の0.003%である。つまり、本発明のモノクローナル抗体はDTPAと錯体を形成した鉛に対する特異性が非常に高い。
尚、ハイブリドーマは、上述したモノクローナル抗体を産生するものであれば、これらに限定されるものではない。
本発明のモノクローナル抗体は、試料中の鉛を定性的または定量的に測定する免疫学的手法に用いることができる。免疫学的手法としては、例えば、免疫クロマトグラフィー、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)、免疫発光測定法、エンザイムイムノアッセイ(EIAまたはELISA)、CLEIA(化学発光酵素免疫測定法)、免疫比濁法(TIA)、ラテックス免疫比濁法(LTIA)、蛍光センサー法などの方法が挙げられる。
さらに、本発明の鉛を定性的または定量的に測定するためのキットは本発明のモノクローナル抗体を含むものであるが、他の試薬例えばキレート剤、キレート剤−タンパク質複合体、ポジティブコントロール試料、ネガティブコントロール試料などを包含してもよい。また、モノクローナル抗体、キレート剤−タンパク質複合体のいずれか、または両方が標識されていてもよい。さらに、本発明のキットは、モノクローナル抗体を含め必要な試薬がフィルターなどに吸着されている免疫クロマトグラフィー装置(例えば、試験紙)の形態でもよい。
しかして、本発明のモノクローナル抗体は、鉛(Pb)以外の金属元素やそのイオンのDTPAとの錯体が存在する環境下、例えば、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)のDTPAとの錯体が存在するような環境下であっても、これらの錯体に影響されることなく、DTPAと錯体を形成した鉛(Pb)を認識することができるので、環境中の鉛の濃度を測定するために非常に実用的な抗体であるといえる。また、CHXDTPA(シクロヘキシルジエチレントリアミンペンタ酢酸)のような特殊なキレート剤を用いずとも、DTPAのような一般的なキレート剤を用いることで環境基準値濃度の鉛を検出することができるので、特殊なキレート剤を入手するための手間やコストの問題が解消される。
また、本発明のモノクローナル抗体を免疫学的方法や該方法に用いるキットに供することで、高い検出感度が要求される環境基準値に対する判定を環境調査の現場において行うことが可能となり、鉛が環境基準値以上存在している高濃度エリアを迅速且つ簡便に絞り込むことが可能になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
本発明のモノクローナル抗体は、鉛を特異的に認識するモノクローナル抗体であり、免疫抗原で免疫した哺乳動物の抗体生産細胞と哺乳動物の腫瘍細胞とを細胞融合してハイブリドーマを得て、当該ハイブリドーマをスクリーニングした後に培養することにより作製することができる。
免疫抗原としては、鉛を特異的に認識させるために鉛を用いる必要がある。しかし、鉛は単独では抗原性を持たないので、鉛を単独で哺乳動物に免疫しても抗体生産細胞を得ることができない。そこで、鉛をキレート剤に配位させ、形成された鉛錯体を免疫抗原として用いる。キレート剤としては、鉛を配位しうるものであれば任意のキレート剤を用いることができるが、例えばジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、テトラエチレントリアミン(TET)、エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、クエン酸、シュウ酸、クラウンエーテル、ニトリロテトラ酢酸、エデト酸二ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、ペニシラミン、ペンテテートカルシウム三ナトリウム、ペンテト酸、スクシメルおよびエデト酸トリエンチンを挙げることができ、好ましくはDTPAである。
また、鉛錯体は免疫応答を誘導するには分子として小さすぎるため、キャリアとなる高分子量物質に結合させ、これを抗原または免疫源として用いる。キャリアとして用いることができる高分子量物質の例としては多糖類、タンパク質などが挙げられるが、タンパク質が好ましい。例えば、ヘモシアニン、アルブミン、オバルブミン、グロブリン、ゼラチン、コラーゲンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
鉛錯体とタンパク質の複合体を作製するには、タンパク質と結合しうる官能基を有するキレート剤または該官能基を導入したキレート剤を用いるか、あるいはリンカーを介してタンパク質とキレート剤を結合させることができる。そのようなキレート剤は市販されており、例えばイソチオシアノベンジル−DTPA(Macrocyclics社)が挙げられる。複合体の形成は常法により行うことができる。
免疫抗原を免疫する哺乳動物は、特に限定されないが、細胞融合に使用する腫瘍細胞との適合性を考慮して選択するのが好ましく、一般的には、マウスやラットが用いられる。
哺乳動物への免疫は、マウスを用いる場合を例に挙げると、1〜3週間毎に3〜6回程度、免疫抗原を哺乳動物の皮下、筋肉、尾部静脈または腹腔内に注射等により投与することにより行う。ここで、本発明においては、初回の免疫時のみアジュバントを併用し、二回目以降の免疫時にはアジュバントを併用しないようにしている。これにより、アジュバントに含まれる金属成分、例えば亜鉛の影響が排除され、且つ抗体価が十分に上昇して所望のモノクローナル抗体を得ることが可能になる。例えば、RIBIアジュバント(MPL+TDM Emulsion、Corixa社)には40ppbの亜鉛が含まれており、TiterMaxGold(CytRx社製)には1ppbの亜鉛が含まれている。したがって、これらのアジュバントのように金属元素が含まれている場合、その金属元素が抗原に含まれている金属以外の金属元素であれば、当初の抗原中の金属が他の金属に置換されることによって抗原が別の物質に変化してしまう影響で所望の抗体が得られない虞がある。本発明のモノクローナル抗体の作製方法のように、初回免疫時にのみアジュバントを併用するようにすれば、アジュバントに含まれる金属成分の影響を受けることなく所望の抗体をより確実に得ることができる。ここで、アジュバントを全く併用しない場合には抗体価が上昇せず、所望のモノクローナル抗体を得ることができない。また、二回目以降の免疫時にアジュバントを用いると、アジュバントに含まれる金属成分の影響を排除しきれず、所望のモノクローナル抗体を得ることが困難である。つまり、このようにアジュバントを初回免疫時のみに用いてモノクローナル抗体を作製すれば、アジュバントに含まれる金属成分の影響を十分に排除できると共に抗体価も上昇するので、アジュバントに含まれる金属成分の影響を考慮する必要が無くなる。したがって、本発明の抗鉛モノクローナル抗体に限らず、アジュバントに含まれる金属の影響により作製することが困難であったモノクローナル抗体の作製が可能となる。また、従来のように免疫毎にアジュバントを併用しなくても、モノクローナル抗体の作製が可能であるから、アジュバントの使用量を減らして、モノクローナル抗体作製のコストを大幅に低減することができる。
尚、アジュバントを併用する際には、免疫用抗原と等量のアジュバントを十分に混合してエマルジョンとしてから哺乳動物に投与する。ここで、アジュバントに含まれる金属をキレート樹脂等により除去してから使用に供することで、アジュバントを二回目以降の免疫時に併用しても所望のモノクローナル抗体を得ることが可能である。また、この場合にも初回の免疫時にのみアジュバントを併用すれば、所望のモノクローナル抗体を得ることが可能であり、アジュバントの使用量を減らしてモノクローナル抗体作製にかかるコストを減らすことができる。
哺乳動物への免疫終了後、当該哺乳動物から抗体生産細胞の採取を行う。採取源としては、脾臓、リンパ節、末梢血液などが挙げられるが、一般的には、脾臓が用いられる。
抗体生産細胞と腫瘍細胞との細胞融合を行う際に使用する腫瘍細胞は特に限定されないが、抗体生産細胞との適合性を考慮して選択するのが好ましい。細胞融合は重合度が1500〜6000のポリエチレングリコールを用いて常法により行うことができる。得られたハイブリドーマは、例えば、HAT培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジンを含む動物培養細胞の選択培地)により培養し、ハイブリドーマのみを選択的に生育させる。
抗体生産細胞のスクリーニングには一般的にはELISA法を用いるが、より少ない抗体量でスクリーニングが可能であるため、非特許文献1の蛍光センサー法を用いるのが好ましい。蛍光センサー法の原理図を図1に示す。この方法は、一次スクリーニングおよび二次スクリーニングからなり、一次スクリーニングは担体(Bead)に固定化した抗原(鉛錯体−タンパク質複合体)に抗体を含有するハイブリドーマ培養上清を添加し、固定化抗原に結合した抗体を蛍光ラベルされた二次抗体(抗マウスIgG抗体)を用いて蛍光センサーで検出する(図1中の「抗原無し」の場合の蛍光強度)。二次スクリーニングでは、培養上清に適当量(例えば10μM)の鉛錯体を添加して平衡化した後、錯体と結合しなかった抗体の固定化抗原との結合を一次スクリーニングと同様に測定する(図1中の「抗原有り」の場合の蛍光強度)。一次スクリーニングと二次スクリーニングの差から鉛錯体と特異的に結合する抗体を特定する。
特定したクローンを培養し、単離したコロニーは徐々に培地量を増やしながら継代する。得られた培地は、脱塩カラムを用いて培地自体に含まれる若干の重金属を除去するのが好ましい。さらに、培地中に含まれる他のタンパク質の影響を除くため、例えばプロテインAアフィニティーカラムクロマトグラフィーにより抗体を精製するのが好ましい。
得られたモノクローナル抗体は、鉛錯体および他の金属の錯体に対する親和性を比較することによりその抗体の抗原に対する親和性および特異性を評価する。親和性は、抗体の抗原との結合を50%阻害する抗原濃度(IC50)により評価する。そして、特異性は、鉛に対するIC50と他の金属に対するIC50を比較することにより評価する。IC50はいずれの方法で算出してもよいが、測定結果をソフトウェア(例えばOrigin Version 6.0など)により解析して求めてもよい。例えば、蛍光センサー法などで得られた測定値は、抗原を加えなかったときの測定値を100%として相対値に変換した後、抗体と抗原の結合曲線の近似式:
y=99/(1+(x/P1)P2)+0.5
(式中、xは抗体量であり、yは抗体と抗原の結合量(%)であり、P1およびP2は近似のパラメーターである)に導入する。また、P1およびP2はソフトフェアにより決定し、得られた結合曲線から、y=50になるときのxの値(=P1)をIC50とする。また、抗体の特異性は鉛に対するIC50と他の金属に対するIC50との比を交差反応性として求める。
尚、上記により得られた、抗鉛モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、凍結保存し、必要なときに解凍して用いる。得られたハイブリドーマからモノクローナル抗体を大量に産生するためには、例えば、ハイブリドーマを培養容器で培養したり、あるいは、マウスの腹腔内にハイブリドーマを注射してハイブリドーマを増殖させることにより、その腹水からモノクローナル抗体を得ることができる。
次に、抗体を用いた免疫学的測定法の一例として免疫クロマトグラフィーを挙げる。この方法は、試料を試験紙上に滴下するだけで目的物質の有無を数分から数十分の間に判定できるため簡便性に優れ、かつ特別な機械装置を必要としないため非常に安価である。本発明において、免疫クロマトグラフィーは、キレート剤−タンパク質複合体を利用することにより、所望の金属を効果的に検出するものである。図2にその実施形態の一例を示す。プラスチックバッキングシート1の上に、メンブレン2と吸収パッド3を一部で重なるように配置し、メンブレン2の先端の試料滴下位置5に試料を滴下すると試料が吸収パッド3に向かってメンブレン2上を流動し、標識された抗鉛DTPAモノクロナール抗体あるいは標識されたDTPA−タンパク質複合体が固定化された領域4を通過する際に、金属DTPA錯体が抗体に捕捉されあるいは抗鉛DTPAモノクロナール抗体がDTPA−タンパク質複合体のDTPAと錯体を形成してその錯体に抗鉛DTPAが捕捉されて、固定化領域4が目視可能となることで検出対象物の有無を簡易に検出可能としている。なお、DTPAなどのキレート剤を直接標識することは困難であるため、キレート剤にタンパク質を付加する前または後に、タンパク質に色素粒子を付加することで間接的にキレート剤を標識するのが好ましい。あるいは、モノクローナル抗体自体を標識することもできる。これらタンパク質の標識は通常行われている手法によって行うことができる。
ここで、免疫クロマトグラフィーを用いた、鉛の第一の検出方法について説明する。本発明のモノクローナル抗体を試験紙の一部分に試料の流れを横切るように帯状に固定化する。次いで、検査対象試料中にキレート剤−タンパク質−色素粒子(キレート剤−標識タンパク質)複合体を添加して、鉛と結合させたのち試験紙に滴下させる(図3(A)、(B)参照)。鉛が存在する場合には、鉛−キレート剤錯体が形成され、金属錯体と標識タンパク質複合体が試験紙上に帯状に固定化したモノクローナル抗体によって補足され、その結果として色素粒子が帯状に密集して試料中の鉛が可視化する(図3(C)、(D)参照)。試料中に鉛が存在しない場合は、キレート剤−タンパク質−色素粒子複合体は試験紙上に固定化されたモノクローナル抗体に補足されないため、色素粒子により可視化されない。
次に、免疫クロマトグラフィーを用いた、鉛の第二の検出方法について説明する。キレート剤−タンパク質複合体を利用して鉛を検出する免疫クロマトグラフィーとして次の方法がある。まず、試験法1における抗体の代わりにキレート剤−タンパク質を試験紙上に帯状に固定化する(図4(B)参照)。色素粒子はモノクローナル抗体に付加する。この標識抗体と検査対象試料をともに試験紙に滴下させると(図4(A)、(B)参照)、鉛が試験紙上のキレート剤−タンパク質複合体に補足され、鉛−キレート剤錯体が形成され、結果として標識されたモノクローナル抗体が鉛−キレート剤錯体を介して試験紙上に補足され、帯状に密集した色素粒子により試料中の鉛が可視化される(図4(C)、(D)参照)。
これら2つの試験法の利点は、タンパク質を介することでキレート剤を帯状に試験紙に固定することが容易になること、およびタンパク質1分子当たりに複数のキレート剤を付加するすることができ、単純に試験紙上にキレート剤を固定した場合に比べて表面積を大きく取ることが可能になり、結果として検出感度を上げることができることである。
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
本発明を下記の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)抗原の作製
免疫抗原は以下のようにして作製した。まず、1mgのイソチオシアノベンジル−DTPA(Macrocyclics社)を10mgのスカシ貝ヘモシアニン(以下、KLHと略す、シグマアルドリッチジャパン社)と3mlの50mMホウ酸緩衝液(pH9.5)中で37℃、4時間反応させ、アミノ基を介してDTPAをKLHに結合させた。次いで、脱塩カラム(バイオラッド製、10DGパックドカラム)を用いて50mM MES緩衝液(同仁化学)pH6.5にバッファー置換した。この溶液に対して最終的に0.5mMになるように塩化鉛(和光純薬)を添加して、鉛錯体を形成させ、Pb−DTPA−KLH複合体を抗原として作製した。また、ヘモシアニンの代わりにニワトリ卵白アルブミン(以下、OVAと略す、シグマアルドリッチジャパン社)を用いて同様な操作を行ってPb−DTPA−OVA複合体を作製し、これをスクリーニング用抗原とした。
(2)モノクローナル抗体の作製
a)マウスの免疫
BALB/C近交系のマウス(雌、5週齢、日本クレア)を1週間程度飼育環境に慣らしたのち、1回目の免疫を行った。1回目の免疫の際には、免疫用抗原であるPb−DTPA−KLH複合体(タンパク質量にして1mg)をアジュバント(TiterMaxGold:CytRx社)に混合後、皮下注射によりマウスに投与した。2回目以降の免疫は、初回免疫時から2週間後と4週間後に、初回と同量の抗原をアジュバントと混合せずに皮下注射によりマウスに投与した。その後、1週間以上経過した後、同量の抗原を腹腔または尾部静脈にアジュバントと混合せずにそのまま注射し、4〜5日経過したマウスから、脾臓を摘出した。
b)ハイブリドーマの作製
免疫したマウスから取り出した脾臓細胞をRPMI1640培地(Invitrogen製)で洗浄した後、マウス骨髄腫(8−アザグアニン耐性IgG非分泌)細胞Sp2/0−Ag14株(大日本住友製薬)と重合度1500のポリエチレングリコール(日本ロシュ)溶液中で37℃、2分間混合して細胞融合させた。ここで用いたマウス骨髄腫細胞(ミエローマ細胞)は凍結保存されていたものを細胞融合実験の約10日前に解凍し、約40mlのRPMI1640培地(Invitrogen製、含10%牛胎児血清)で培養したものである。細胞融合実験の前日には培地交換をおこなって、状態の良いミエローマ細胞を調整した。得られたハイブリドーマは、約120mlのHAT培地(含20%牛胎児血清)に懸濁後、96穴マイクロプレート6枚に200μLずつ分注した。細胞融合の翌日及び5日後に100μLの培養液を新しいHAT培地(含20%牛胎児血清)に交換した。それ以後はほぼ4日に一度の頻度で100μLの培養液を新しいHT培地(含10%牛胎児血清)に交換した。培養は37℃、5%COの条件下で行った。尚、HAT培地とHT培地は、RPMI1640培地(Invitrogen製)にHATサプリメント(Invitrogen製)またはHTサプリメント(Invitrogen製)を適量加えて作製した。
c)ハイブリドーマのスクリーニング
細胞融合から2週間以上経過した培養上清を用いて目的の抗体を分泌するハイブリドーマを蛍光センサー法によりスクリーニングした。蛍光センサー法に用いる抗原ビーズは以下のようにして作製した。アガロースビーズ(ファマルシア製)に上記(1)で作製したPb−DTPA−OVA複合体を固定化した。1mlのアガロースビーズ懸濁液に対して、約0.1mgのPb−DTPA−OVA複合体を固定化した後、10mg/mlの牛血清アルブミン(BSA)溶液を1ml用いてビーズ表面をブロッキングした。
抗原に結合した抗体量を蛍光光度計キネクサ3000(KinExA3000、Sapidyne社)を用いて測定した。96穴プレートの培養液の上清約10μlずつ取り、1本の試験管にまとめ(約1.0ml)、これを測定試料とした。測定試料のうち0.5mlを一次スクリーニングに供した。まず、測定試料を0.25ml/分の流速で2分間抗原ビーズに作用させた。さらにビーズを0.25ml/分の流速で30秒間、PBS(Phosphate Buffer saline)緩衝液(インビトロジェン社)で洗浄し、5nMの二次抗体(Cy5標識ヤギ抗マウスIgG抗体、ImmunoResearch Laboratories製)を0.25ml/分の流速で96秒間(計0.4ml)作用させた。最後にPBSによるビーズの洗浄を0.25ml/分の流速で30秒間、1.5ml/分の流速で90秒間行った。二次抗体には蛍光物質(Cy5)が結合しており、洗浄後ビーズ上に残った蛍光の強度は、ビーズ上の抗原に結合した抗体の量を反映している。次に、上記測定試料の残分を二次スクリーニングに供した。測定試料にPb−DTPAを100μMとなるように加え、平衡化したのち、Pb−DTPAと結合しなかった抗体のビーズへの結合を同様に測定した。二次スクリーニングによって、Pb−DTPAと特異的に結合する抗体を含むと判定されたプレートについては、1本の試験管にまとめる培養上清を12穴分〜1穴分と段階的に絞り込みながら、一次スクリーニング同様、上清中の抗体のビーズへの結合を測定し、目的の抗体を産生するハイブリドーマの特定を行った結果、Pb−DTPAと特異的に結合する抗体を産生する培養画分が2つ見出された。これらの培養画分は、限界希釈法およびメチルセルロース培地を用いた培養によるコロニー形成によって単一のクローンに単離され、これらをYj1A3株とYj2H7産生株と命名した。これらの株は、受託番号FERM P−20745(Yj1A3株)、FERM P−20746(Yj2H7株)として、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに2005年12月22日付けで受託された。
d)抗体の精製
単離されたコロニーを96穴プレート、24穴プレート、25cmフラスコの順に培地量を増やしながら継代した。継代の後3〜5日の間に培養上清中の抗体量を蛍光センサーにて測定し、抗体量の多いものを次の培地に移した。なお、96穴プレートの培地量は200μl、24穴プレートの培地量は1000μl、25cmフラスコの培地量は10mlである。次に、1mlのプロテインAを固定した樹脂(アフイゲルプロテインA、日本バイオ・ラッド)を充填したカラムに、抗体を含む10mlの培養上清を流した。その後、0.1Mクエン酸ナトリウム溶液(pH3.0)を3ml加えて、抗体を溶出させた。抗体を含む溶出液3mlは、脱塩カラム(エコノパック10DGカラム、日本バイオ・ラッド)を用いてPBS緩衝液に置換した。
(3)モノクローナル抗体の性質評価
Pb−DTPAおよび他の金属とDTPAの錯体に対する親和性を測定・比較することで、得られた抗鉛抗体Yj1A3とYj2H7を評価した。結果を図5、図6に示す。鉛以外の金属として、カルシウム(Ca−DTPA)、マグネシウム(Mg−DTPA)、銅(Cu−DTPA)、亜鉛(Zn−DTPA)、カドミウム(Cd−DTPA)、マンガン(Mn−DTPA)、および鉄(Fe−DTPA)を用い、フリーのDTPAをコントロールとした。なお、IC50値に対して抗体濃度が十分に小さい(10分の1以下の)場合にIC50値と平衡解離定数Kがほぼ一致することが知られているため、本実施例では平衡解離定数Kを評価に用いた。尚、図5、図6において、Metal free DTPAは金属を配位していないDTPA、他は表示金属とDTPAとの錯体を示す。また、蛍光強度は蛍光光度計キネクサ3000により測定し、抗体溶液に抗原を加えずにそのままビーズに作用させたときの蛍光強度をα、抗体溶液に各種濃度の抗原を加えた場合の蛍光強度をβとし、α=100とした場合のβの値を計算し、この値を各種抗原の濃度に対してプロットした。
表1にモノクローナル抗体Yj1A3とYj2H7の各種金属錯体との平衡解離定数K及び交差反応性を示す。尚、表1においては平衡解離定数Kを各種金属錯体のモル濃度で示し、交差反応性は下式により計算した。
交差反応性=(Pb−DTPAの平衡解離定数/金属−DTPAの平衡解離定数)×100
表2にモノクローナル抗体Yj1A3とYj2H7の各種金属との平衡解離定数K及び交差反応性を示す。尚、表2においては平衡解離定数Kを各種金属の重量%濃度に換算した濃度で示し、交差反応性は下式により計算した。
交差反応性=(Pbの重量濃度/金属の重量濃度)×100
表2に示すように、モノクローナル抗体Yj1A3は、Pbに対する平衡解離定数Kが0.00038mg/Lであった。また、モノクローナル抗体Yj2H7は、Pbに対する平衡解離定数Kが0.00426mg/Lであった。したがって、これらのモノクローナル抗体により、環境基準値である0.01mg/L以下の鉛の検出が十分に可能であることが確認された。
次に、図5からYj1A3抗体のPb−DTPAに対する検出限界を決定した。錯体濃度と蛍光強度の間に直線的な関係のある範囲の下限をその錯体に対する検出下限とすると、Yj1A3抗体のPb−DTPAに対する検出下限は蛍光強度が72%のときであり、そのときの濃度は0.00022mg/L(1.0nM)であった。また、図6からYj2H7抗体のPb−DTPAに対する検出限界を同様の方法により決定したところ、Yj2H7抗体のPb−DTPAに対する検出下限は蛍光強度が67%のときであり、そのときの濃度は0.0021mg/L(10nM)であった。つまり、本発明のモノクローナル抗体によれば、環境基準値の鉛であれば確実に検出可能であり、環境基準値以下のさらに低濃度な鉛の検出も可能であることが明らかとなった。
また、表1に示すように、モノクローナル抗体Yj1A3は、Pb−DTPA以外の錯体に対する交差反応性は0.55%以下であった。また、モノクローナル抗体Yj2H7は、Pb−DTPA以外の錯体に対する交差反応性は0.003%以下であった。つまり、本発明のモノクローナル抗体はPb−DTPAに対して強い特異性を有しており、鉛(Pb)以外の金属元素やそのイオンが存在する環境下、例えば、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)が存在するような環境下であっても、これら金属元素やそのイオンに影響されることなく、鉛(Pb)を検出可能であることが確認された。
尚、モノクローナル抗体Yj1A3、Yj2H7共に金属を配位していないDTPAに対する交差反応性は低かった。したがって、DTPA自体は鉛の検出を行う際には影響を及ぼさないことが確認された。また、この結果から、DTPA自体は抗原として作用しないことが明らかとなったので、DTPAに鉛が配位されることによって、モノクローナル抗体Yj1A3、Yj2H7が鉛を認識することが明らかとなった。
以上の結果より、Yj1A3抗体とYj2H7抗体共に環境基準値濃度の鉛を十分に検出しうることが確認された。尚、低濃度の鉛を測定するには、Yj1A3抗体が好ましいことが明らかとなった。また、Yj1A3抗体とYj2H7抗体共に鉛以外の金属に対する交差反応性は十分に小さいことが確認され、Yj2H7抗体の方が交差反応性の観点からは優れた抗体であることが明らかとなった。以上、本発明のモノクローナル抗体は、鉛を特異的に認識し、土壌や水などの環境中の鉛の測定に適したものである。また、本発明のモノクローナル抗体を用いることで、高い検出感度が要求される環境基準値に対する判定を環境調査の現場において行うことができ、鉛が環境基準値以上存在している高濃度エリアを迅速且つ簡便に絞り込むことができることが明らかとなった。
蛍光高度計によるイムノアッセイの原理図である。 免疫クロマトグラフィー装置の構成図である。 本発明にかかる抗鉛モノクローナル抗体を用いた鉛の第1の検出方法の原理図である。 本発明にかかる抗鉛モノクローナル抗体を用いた鉛の第2の検出方法の原理図である。 Yj1A3抗体のPb−DTPAおよび他の金属とDTPAの錯体に対する親和性を測定した図である。 Yj2H7抗体のPb−DTPAおよび他の金属とDTPAの錯体に対する親和性を測定した図である。

Claims (5)

  1. ハイブリドーマFERM P−20745あるいはFERM P−20746により産生され、DTPA(ジエチレントリアミンペンタ酢酸)と錯体を形成した鉛を特異的に認識するモノクローナル抗体。
  2. 寄託番号FERM P−20745として寄託されたハイブリドーマ。
  3. 寄託番号FERM P−20746として寄託されたハイブリドーマ。
  4. 試料中の鉛を定性的または定量的に測定する免疫学的手法において、請求項1に記載のモノクローナル抗体を用いる方法。
  5. 請求項1に記載のモノクローナル抗体を含む、試料中の鉛を定性的または定量的に測定するためのキット。
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