JP4689487B2 - ステアリングホイールチルト装置 - Google Patents
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Description
図1(A)〜(C)は本発明の使用態様説明図、図2はチルト状態の外観図、図3は嵌合状態の外観図、図4は側面図、図5は側面視断面図、図6は図4におけるA−A”断面図、図7は図6におけるB部拡大図、図8(A)〜(E)は嵌合状態からのチルトアップ動作の遷移図、図9は図8(A)におけるD−D”断面図、図10(A)〜(C)はチルト状態からの結合動作の行程図、図11は左右のスリーブアームを内側から見た側面図、図12は突起部の側面図(A)とF−F”での断面図(B)である。
本実施形態のステアリングホイールチルト装置は、ステアリングホイール1とステアリングボス2に取り付けられるソケット部3とプラグ部4とを備えている。この、ソケット部3とプラグ部4がヒンジ運動により開閉する。本例ではステアリングホイール1にソケット部3が取り付けられ、ステアリングボス2にプラグ部4が取り付けられている。以下ここでは説明の都合上、ヒンジ運動により開く側を前方、ヒンジ運動のための第1の回転軸30(図4、図5参照)のある方を後方とする。
前記ソケット部3には、左右対称のL字型をした2つの板状突起部材5が設けられている。板状突起部材5の前方にテーパー孔6があいており、そこにはボール7が設置されている。ここでテーパー孔6の小径孔33(図16参照)はボール7の直径より小さく構成されている。これにより、ボール7は内側に落ちることがない。さらにテーパー孔6の大径孔34(図16参照)はボール7の直径よりも大きく構成されている。また、板状突起部材5の後方にはヒンジ運動するための第1の回転軸30(図4参照)が通る孔があけられている。さらに、板状突起部材5に接してスリーブアーム8が配置されている。このスリーブアーム8は板状突起部材5に設けられた第2の回転軸10を支点として回転する。さらにスリーブアーム8の先にはレバー16が接続されており、このレバー16にはセーフティートリガー17が付属しており、このセーフティートリガー17のプラグ部4側に安全装置用のデッド・ピン18が設けられている。また、板状突起部材5の内側にはインナーカム9が配置されており、インナーカム9の先端にはインナーカム・ストッパー12が設けられている。さらに、インナーカム・ストッパー12の通る溝であるインナーカム用溝13が板状突起部材5の先端の内側に設けられている。また、前記プラグ部4には、板状突起部材5とかみ合う突起部材19が配置されており、その突起部材19の左右にはボール7受け用の凹み部20、ソケット部3側の面には永久磁石23、ソケット部3側の面と前面の角にはデッド・ピン用キャンセラー窪み22、前面にはデッド・ピン用穴21が設けられている。
まずスリーブアーム8について説明する。板状突起部材5に対しそれぞれ外側に接するように左右に配置されたスリーブアーム8は、第2の回転軸10を中心にして回転運動が可能である。ここで、図5に示すように第2の回転軸10は板状突起部材5の第1の回転軸30よりも前方かつプラグ部4寄りの場所に位置する。そして、脱嵌合の場合にスリーブアーム8をソケット部3向きに回転させると、スリーブアーム8が第2の回転軸10を支点として回転することで、ソケット部3に力が加わりソケット部3が第1の回転軸30を支点としてヒンジ運動を行い、嵌合する場合にスリーブアーム8をプラグ部4向きに回転させると、スリーブアーム8がボール7に接触しているので第2の回転軸10は固定されており、第1の回転軸30を支点としてスリーブアーム8とともにソケット部3がヒンジ運動を行う。また、スリーブアーム8にはそれぞれ回転したときにボール7の一部が収まるよう凹みを有する段部が設けられている。その段部は図11に示すような形状をしている。これにより、脱嵌合時にはボール7が凹みに収まり、回転して嵌合する時には段部を通って移動し適当なところで停止する。
図5においてスリーブアーム8は第2の回転軸10より図で左方向に離れた場所で第1のバネ部材11によりプラグ部4の方向に力を受け、スリーブアーム8は第1の回転軸10を中心としてプラグ部4の方向に回転しようとする。これにより、図6で示すようにスリーブアーム8の内側に設けられた図11に示す斜面によってボール7がテーパー孔6に押し込まれる。そして、凹み部20は、円くぼみの中心がテーパー孔6の中心よりプラグ部4の方向にずれているため、スリーブアーム8の内側の斜面で押されるボール7は、図7で示されるように、点aで凹み部20と、点bでスリーブアーム8と、点cでテーパー孔6とに接触する。
まず本実施形態において、セーフティートリガー17に接続されるデッド・ピン18はデッド・ピン・スプリング11によって常にプラグ方向に力がかかっており、デッド・ピン18の先端は、突起部材19に設けられたデッド・ピン用穴21に入っている。そして、図8−Aに示すように、セーフティートリガー17を前方に引くことで、デッド・ピン18の先端がデッド・ピン用穴21から抜ける。これにより、図8(B)に示すように、レバー16をソケット部3の方向に回転させることができる。
前述のように安全装置をはずした後、レバー16を引き上げると、レバー16に接続されているスリーブアーム8も図9に示すように上昇し、スリーブアーム8から孔の大径孔側に押し込む力がなくなる。そして、テーパー孔6は外側の円周の径が大きいので、ボール7は外側に移動する。突起部材19の高さよりボール7が外側に移動すると、ソケット部3とプラグ部4の嵌合が解かれる。そして、ソケット部4は図8(C)に示すようにヒンジ運動を始める。このとき、インナーカム9は第2のバネ部材15と永久磁石23によりプラグ部4の方向に押す力が働いているため、インナーカム9が第3の回転軸14を中心にしてプラグ部4の方向に回転し始める。ここで、図8(D)に示すように、ソケット部4が傾きを増すとともにインナーカム9もプラグ部4方向へ回転し傾きを増す。そして回転を続けると、インナーカム・ストッパー12がインナーカム用溝13の終端に接触し停止する。このときインナーカム9の側面によりボール7が内側から押さえられる。これにより、ボール7が内側に移動することは不可能なので、スリーブアーム8はボール7に接触し押さえられる。したがって、第1のバネ部材11によってプラグ部4の方向に力がかかっているが、ボール7と接触した状態よりもプラグ部4の方向には回転しない。さらにこのままヒンジ運動を続けると90度までチルトアップすることが出来る(図10(A)参照)。
まず、図10(B)に示すとおり、ソケット部3が装着されているステアリングホイール1をステアリングボス2の方向に押すと、ソケット部3がプラグ部4に向かってヒンジ運動を始め、次いでインナーカム9が突起部材19のソケット部3側の面に接触し押されるため、ソケット部3方向に第3の回転軸14を中心に回転する。このとき、ボール7はチルト状態ではインナーカム9の側面によって内側から押さえられているため、板状突起部材5の内側に孔の小径孔33(図16参照)から突出しない状態にあり、インナーカム9が回転しだしインナーカム9が外れた後は突起部材19の側面で押さえられるため、やはり内側に突出しない。したがって、ボール7と突起部材19のソケット部3側の面が接触することでヒンジ運動を停止することはない。その後、突起部材19の側面で押さえられていたボール7は図12に示す凹み部20のソケット部3側のなだらかな傾斜に誘導され凹み部20に入る(図10(C)参照)。またこのとき、デッド・ピン18はデッド・ピン・スプリング24に押されて突出しているため突起部材19に接触するが、突起部材19の前方中央のデッド・ピン用キャンセラー窪み22に先端が接触すると、デッド・ピン用キャンセラー窪み22の傾斜により、該斜面にそって前方に押し込まれ、デッド・ピン用穴21に到達するとデッド・ピン用穴21に入る。
本発明に係るステアリングホイールチルト装置の第2の実施形態について図13を用いて説明する。図13(A)は本実施形態における側面視断面図であり、第1の回転軸の近傍にソケット部3側に穴29が、プラグ部4側に2つの貫通孔25が配置されている。図13(B)はE−E”における断面図であり、穴29にイモネジ28が入った状態であり、回転に抵抗を加えるボール27とコイル26が貫通孔25に配置されている。実施形態のステアリングホイールチルト装置は第1の実施形態のステアリングホイールチルト装置において、操作者の任意の位置でソケット部3を開いたまま停止させる構成を備えるものである。
本発明に係るステアリングホイールチルト装置の第3の実施形態は第1の実施形態のステアリングホイールチルト装置において、ソケット部3をプラグ部4から離脱させる構成を備えるものである。
本発明に係るステアリングホイールチルト装置の第4の実施形態は第1の実施形態のステアリングホイールチルト装置において、突起部材19の側面を底面に対して垂直ではなく、テーパーにしたものである。
本発明に係るステアリングホイールチルト装置の第5の実施形態は第1の実施形態のステアリングホイールチルト装置において、板状突起部材5と突起部材19の左右にあるテーパー孔6と凹み部20、および左右のボール7の位置を左右非対称に配置したものである。
本発明に係るステアリングホイールチルト装置の第6の実施形態について、図14、図15を参照して説明する。本実施形態は第1の実施形態のステアリングホイールチルト装置において、インナーカム9が前方から後方へ凹みを有し、突起部材19に結合時にその穴を通るように電極31を設置し、ソケット部3に結合時に前記電極31と接触する端子32を配置したものである。
2 ステアリングボス
3 ソケット部
4 プラグ部
5 板状突起部材
6 テーパー孔
7 ボール
8 スリーブアーム
9 インナーカム
10 第2の回転軸
11 第1のバネ部材
12 インナーカム・ストッパー
13 インナーカム用溝
14 第3の回転軸
15 第2のバネ部材
16 レバー
17 セーフティートリガー
18 デッド・ピン
19 突起部材
20 凹み部
21 デッド・ピン用穴
22 デッド・ピン用キャンセラー窪み
23 永久磁石
24 第3のバネ部材
25 寛通孔
26 コイルスプリング
27 ボール
28 イモネジ
29 穴
30 第1の回転軸
31 電極
32 端子
33 テーパー孔の小径孔
34 テーパー孔の大径孔
Claims (4)
- 背面にステアリングホイールとステアリングボスのいずれか一方が取り付けられるソケット部と、背面に他の一方が取り付けられる前記ソケット部に嵌合するプラグ部と、前記ソケット部及びプラグ部をそれぞれの一端部側で軸支し、前記嵌合及び脱嵌合の状態とさせるための第1の回転軸と、前記ソケット部側の前記第1の回転軸の内側の近傍に第1の回転軸に平行な第2の回転軸と、一端を前記第2の回転軸に軸支され、前記第2の回転軸に直交する方向の他端を回転移動させることにより前記嵌合及び脱嵌合の状態とさせるスリーブアームと、前記プラグ部に相対する方向に突出し一面が前記スリーブアームに接して平行になるように前記ソケット部に設けられた所定厚さの板状突起部材と、前記嵌合がされたとき前記板状突起部材の他面側と接するように前記プラグ部側に設けられた突起部材と、前記板状突起部材の前記一面側から他面側にかけて移動可能にボールを収納し、前記一面側が前記ボールの径より大きな大径孔とされ、前記他面側が前記ボールの径よりも小さな小径孔とされたテーパー孔と、前記スリーブアームの一端をプラグ部側へ回転移動させて嵌合状態としたとき、前記スリーブアームと前記ソケット部との間に設けられた第1のバネ部材により、前記スリーブアームの一部が前記大径孔から出ないようにボールを小径孔側へ押すように押圧し、かつ、前記突起部材側に前記小径孔から飛び出ているボールの一部を受け入れる凹み部が設けられ、該凹み部の一部とテーパー孔の一部とスリーブアームの一部の3点でボールを固定維持することを特徴とするステアリングホイールチルト装置。
- 前記スリーブアームは、前記大径孔の位置する付近に前記ボールの一部を収容する凹みを有する段部を有し、前記スリーブアームの一端をプラグ部側へ回転移動させて嵌合状態としたときは、該段部に入る直前の角で前記第1のバネ部材の押圧力で押圧する構成であることを特徴とする請求項1に記載のステアリングホイールチルト装置。
- 前記第2の回転軸の近傍にそれと平行に設けられた第3の回転軸に一端を軸支され、かつソケット部との間に第2のバネ部材で支えられ、前記板状突起部材の他面に平行に接するように板状のインナーカムが設けられており、
前記脱嵌合状態では、前記インナーカムが前記他面の小径孔からボールの一部が飛び出さないように大径孔側に押し出し、前記スリーブアームの段部で大径孔からボールが外れないように押さえ、
前記インナーカムは、前記スリーブアームの一端をプラグ部側へ回転移動させて嵌合状態とされたとき、該プラグ部の前記突起部材の先端に当たって移動が停止して前記他面の小径孔の位置からはずれ、該小径孔のボールの一部が前記突起部材側の凹み部に落ち込む構成を特徴とする請求項2に記載のステアリングホイールチルト装置。 - 前記スリーブアームの回転する側の一端にはレバーが設けられ、前記レバーは前記プラグ部方向へ前後に移動するセーフティートリガーを有し、前記セーフティートリガーの前記プラグ部方向の端には前記突起部材へ届くデッド・ピンを備え、前記レバーと前記デッド・ピンの間には第3のバネ部材が配置され、前記突起部材には前記デッド・ピンが入るデッド・ピン用穴を備え、嵌合時には第3のバネ部材に押され前記デッド・ピンが前記デッド・ピン用穴に入りこむことを特徴とする請求項3に記載のステアリングホイールチルト装置。
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