JP4689258B2 - プロセスカートリッジ、及び電子写真画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真画像形成装置に用いられるユニット、電子写真画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジ、及び、電子写真画像形成装置に関する。
ここで、電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成プロセスを用いて記録媒体に画像を形成するものである。そして、電子写真画像形成装置の例として、例えば電子写真複写機、電子写真プリンター(例えば、LEDプリンター、レーザービームプリンター等)、電子写真ファクシミリ装置、及びそれらの複合機(マルチファンクションプリンター)等が含まれる。
従来、電子写真画像形成プロセスを用いて記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置においては、電子写真感光体及び前記電子写真感光体に作用するプロセス手段を一体的にカートリッジ化して、このカートリッジを電子写真画像形成装置本体に着脱可能とするプロセスカートリッジ方式が採用されている。このカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをサービスマンによらずにユーザー自身で行うことができるので、格段に操作性を向上させることができた。そこでこのプロセスカートリッジ方式は、電子写真画像形成装置において広く用いられている。
プロセスカートリッジの基本構成は、電子写真感光体としての感光体ドラムの周囲に、感光体ドラムをクリーニングするためのクリーニング部位、感光体ドラムを一様に帯電する帯電手段としての一次帯電ローラーが接触する帯電部位、感光体ドラムの帯電面に静電潜像を形成するための露光部位、静電潜像を現像剤(トナー)によって現像する現像手段としての現像ローラーが接触、または近接する現像部位および、現像剤による現像剤像(トナー像)を記録媒体に転写するための転写部位が設けられており、帯電、露光、現像、転写、クリーニングの各プロセスを循環して繰り返すことによって、記録媒体上への画像形成を実現する。
上記の構成において、帯電部位における感光体ドラムと帯電ローラーの加圧接触作用と、現像部位における感光体ドラムと現像ローラーの加圧接触作用の安定化は、画像形成の機能上、重要である。
従来、これら帯電ローラーと現像ローラーの感光体ドラムへの加圧接触作用を安定化させる構成として以下のような方法がとられている。
1)図12(a)に示すように、一体化されたプロセスカートリッジCの本体枠内に、帯電ローラー42、現像ローラー43を支持し、各々を独立した加圧バネ52・53によって感光体ドラム40へ加圧接触させる構成。ここで、帯電ローラー42は、その両側軸端部の軸受けを帯電ローラー加圧バネ52によって感光体ドラム40方向に付勢させることにより、感光体ドラム40へ帯電ローラーの導電ゴム部を加圧接触させている。また、現像ローラー43は、帯電ローラー42と同様に、その両端部の軸受けを現像ローラー加圧バネ53によって感光体ドラム40方向へ付勢させることにより、現像ローラー43のトナー搬送面を感光体ドラム40方向へ加圧し、直接接触かまたは、非接触現像の場合には、現像ローラー43と同軸上に設けられたコロ部材(不図示)などの間隙保持部材を介して加圧接触させている(特許文献1参照)。
2)図12(b)に示すように、感光体ドラム40を有するクリーニングユニット50と、現像ローラー43を有する現像ユニット60の2つのユニットの2ピース構成で、プロセスカートリッジを構成する。これら2つのユニットは、支点軸48のまわりに回転可能なように回転対偶を形成している。ここで、SD加圧バネ49を作用させて支点軸48まわりに図中時計方向のモーメントを発生させることにより感光体ドラム40と現像ローラー43を加圧接触させる。クリーニングユニット50側に設けられた帯電ローラー42は、上記1)の構成と同様、帯電ローラー加圧バネ52によって感光体ドラム40方向に付勢させることにより感光体ドラム40へ帯電ローラー42の導電ゴム部を加圧接触させる(特許文献2参照)。
3)上記2)の2ユニット構成において、帯電ローラー42が現像ユニット60側即ち帯電ローラー42と現像ローラー43が同じ側のユニットにある構成(特許文献3参照)。
特開平6−75471号公報(第6頁、図1〜図4) 特開平5−107822号公報(第7頁、図2) 特開2002−6722号公報(第11頁、図1)
電子写真画像形成装置においては、電子写真画像形成装置本体の小型化への要求は高く、これに伴って本体内で大きな空間を占有するプロセスカートリッジの小型化が課題となっている。通常、プロセスカートリッジを4連以上内包するタンデム型のフルカラープリンターにおいては、小型プロセスカートリッジの開発が特に急がれている。
また、従来は、当時として望まれる帯電ローラーと現像ローラーの感光体ドラムへの加圧接触の安定化を十分に満たすものであった。しかしながら、近年、求められるようなった帯電ローラーと現像ローラーの感光体ドラムへの加圧接触の安定化を満たすには加圧構成の改良が求められるようになった。
発明の他の目的は、プロセスカートリッジの小型化と、帯電ローラーと現像ローラーの電子写真感光体ドラムへの加圧接触の安定化を簡単な構成で実現できるプロセスカートリッジを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、帯電ローラーと現像ローラーの電子写真感光体ドラムへの加圧接触の安定化を簡単な構成で実現できるプロセスカートリッジを取り外し可能に装着する電子写真画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係るプロセスカートリッジの構成は、
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
子写真感光体ドラムと、
前記電子写真感光体ドラムを回転可能に支持すると共に前記電子写真感光体ドラムの径方向に延びる溝を有する第1のユニットと、
前記電子写真感光体ドラムを帯電する帯電ローラーと、前記電子写真感光体ドラムに形成させた潜像を現像する現像ローラーと、前記溝と回転直動対偶により係合する突出軸と、前記帯電ローラーと前記現像ローラーとを前記電子写真感光体ドラムに加圧させるための加圧手段と、を有する第2のユニットであって、前記突出軸と前記溝との係合によって前記電子写真感光体ドラムの円周方向における位置が定まり、当該第2のユニットに加わる重力と、前記加圧手段から受ける加圧力により、前記帯電ローラーと前記現像ローラーを前記電子写真感光体ドラムに当接することで、前記電子写真感光体ドラムの径方向における位置が定まる前記第2のユニットと、
を有することを特徴とする。
上記目的を達成するための本発明に係る電子写真画像形成装置の構成は、
記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
(a)電子写真感光体ドラムと、
前記電子写真感光体ドラムを回転可能に支持すると共に前記電子写真感光体ドラムの径方向に延びる溝を有する第1のユニットと、
前記電子写真感光体ドラムを帯電する帯電ローラーと、前記電子写真感光体ドラムに形成させた潜像を現像する現像ローラーと、前記溝と回転直動対偶により係合する突出軸と、前記帯電ローラーと前記現像ローラーとを前記電子写真感光体ドラムに加圧させるための加圧手段と、を有する第2のユニットであって、前記突出軸と前記溝との係合によって前記電子写真感光体ドラムの円周方向における位置が定まり、当該第2のユニットに加わる重力と、前記加圧手段から受ける加圧力により、前記帯電ローラーと前記現像ローラーを前記電子写真感光体ドラムに当接することで、前記電子写真感光体ドラムの径方向における位置が定まる前記第2のユニットと、
を有するプロセスカートリッジと、
(b)前記プロセスカートリッジを取り外し可能に装着する装着手段と、
(c)前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
を有することを特徴とする。
本発明によれば、プロセスカートリッジの小型化と、帯電ローラーと現像ローラーの電子写真感光体ドラムへの加圧接触の安定化を簡単な構成で実現できるプロセスカートリッジを提供できる。
また、帯電ローラーと現像ローラーの電子写真感光体ドラムへの加圧接触の安定化を簡単な構成で実現できるプロセスカートリッジを取り外し可能に装着する電子写真画像形成装置を提供できる。
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
(1)電子写真画像形成装置全体の説明
図1は、本発明の実施例が具現化される電子写真画像形成装置の一実施例を示すカラー電子写真画像形成装置の全体構成説明図である。図2は記録媒体搬送ユニット3と共に作像ユニットBを電子写真画像形成装置本体Aから引き出した状態を示す説明図である。
本実施例のカラー電子写真画像形成装置は、電子写真画像形成プロセスを用いて、記録紙、OHPシート、布等の記録媒体に画像を形成するレーザービームプリンタである。
本実施例に示すカラー電子写真画像形成装置は、電子写真画像形成装置本体(以下「装置本体」と記す)Aに、作像ユニットBと、レーザー光を照射可能な光学ユニット2(2y、2m、2c、2k)と、記録媒体搬送ユニット3(以下「搬送ユニット」と記す)と、定着ユニット7などを備えている。
装置本体Aは、4つの画像形成ステーションS(Sy、Sm、Sc、Sk)を備えている。Syはイエロー用、Smはマゼンタ用、Scはシアン用、Skはブラック用の画像形成ステーションである。
作像ユニットBは、4色分のプロセスカートリッジC(Cy、Cm、Cc、Ck)及びトナーカートリッジT(Ty、Tm、Tc、Tk)を備え、これらのカートリッジC、Tがそれぞれ対応する各画像形成ステーションSに取り外し可能である。また作像ユニットBには4色分のプロセスカートリッジCの下方に中間転写体ユニット20を具備している。
光学ユニット2は半導体レーザーを使用したスキャナーユニットであり、各色ごとにスキャナーユニットを装置本体Aに装備している。
上記構成において、まず1色目、例えばイエローのプロセスカートリッジCyとしてカートリッジ化されたドラム形状の電子写真感光体ドラム(以下「感光体ドラム」と記す)40yが帯電手段42yによって一様に帯電される。次に光学ユニット2yから照射されたレーザー光Lによって感光体ドラム40yに潜像が形成される。そしてその潜像が現像手段43yによって現像剤としてのトナーにより現像されてトナー像が形成される。感光体ドラム40y上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ22yの作用によって像担持体としての中間転写ベルト20a上に一次転写される。
同様の画像形成工程がマゼンタm、シアンc、ブラックk用の各プロセスカートリッジCm、Cc、Ckにおいても行われる。そして各色のトナー像が感光体ドラム40に形成され、先に形成されたトナー像に順番に重ね転写される。
一方、装置本体A下部のマルチ給紙カセット1内に積載された記録媒体Pは分離給送機構を構成するピックアップローラー3aによりフィード/リタードローラー対3bによって表層の1枚のみ分離される。そして、記録媒体Pは搬送ローラー対3cを通過してレジストローラー対5へ送られる。記録媒体Pはレジストローラー対5によって2次転写領域に搬送される。そして2次転写ローラ6の作用によって中間転写ベルト20a上に形成されたトナー像が記録媒体Pに転写される。このときに転写しきれずに中間転写ベルト20a上に残った廃トナーはクリーニング装置21に構成された不図示のクリーニングブレードによって除去される。これによって中間転写ベルト20aは次の画像形成をおこなうことができる。
トナー像を転写された記録媒体Pは定着ユニット7に搬送され、定着ローラ7aと加圧ローラ7bのニップ部にてトナー像が定着される。トナー像が定着された記録媒体Pは、排紙ローラ8、9によって装置本体A上部の排紙トレー10もしくは装置本体A側面に設けられた側面排紙トレー11上へ排紙される。
ここで、搬送ユニット3は、図2に示すように2次転写ローラー6、レジストローラー対5、分離給送機構3a、3b、3cおよび給送ユニット4をすべて1つのユニットとして構成されている。この搬送ユニット3は、装置本体Aと適宜な機構を用いて引出し可能に連結され、装置本体Aの図中右側(マルチ給紙ユニット4側)より引き出せるようになっている。この搬送ユニット3上には作像ユニットBが搭載されている。この作像ユニットBは搬送ユニット3に対して記録媒体Pの搬送方向Xと直交(交差)する上下方向(Y方向)に取り外し可能である。そして作像ユニットBには各色のプロセスカートリッジCが取り外し可能に装着されている。さらに、各プロセスカートリッジCにはトナーカートリッジTが取り外し可能に装着されている。プロセスカートリッジC、及びトナーカートリッジTの着脱構成については追って説明する。
(2)作像ユニットB
本実施例における作像ユニットBについて説明する。
図3はプロセスカートリッジCからトナーカートリッジTを取り外した状態の作像ユニットBを鉛直上方向よりみた外観斜視図である。図に示すように、作像ユニットBは、中間転写ベルトユニット20上に、作像が行われる順にイエローy、マゼンダm、シアンc、黒色kのトナー像の形成を行うプロセスカートリッジCを4連並べた水平タンデム構成の作像ユニットである。各色のトナーは各プロセスカートリッジCの上部にセットされるトナーユニットTから定量供給される。本実施例の電子写真画像形成装置においてトナーカートリッジTのトナー容量は、5%印字換算でA4、3000枚である。作像ユニットBの耐久枚数は50000枚である。ここで図中Baは作像ユニットBの駆動側、Bbは作像ユニットBの非駆動側を示す。
図4は図3に示す作像ユニットBの駆動側Baの側面図である。画像形成時の作像プロセススピードの速度基準は中間転写ベルト20aの周速度においている。本実施例においては、この基準速度と各色プロセスカートリッジCの像形成の同期をとるために歯付ベルト23による駆動伝達方法を用いている。即ち、中間転写体ユニット20において、無端ベルト体である中間転写ベルト20aは3つの張架ローラ27、28、29に巻きついている。3つのローラのうちローラ27は駆動ローラ、ローラ28はテンションローラ、29は従動ローラである。中間転写ベルト20aは駆動ローラ27の回転駆動によって図中時計方向まわりに周回駆動される。歯付ベルト23は、中間転写ベルト20aの内側に設けられている。この歯付ベルト23は、駆動ローラ25と同軸上の駆動プーリー27と、テンションプーリー24と、転写ローラーギア25と同軸上の転写ローラープーリー25aとに巻回されている。そして、中間転写ベルト駆動軸上の駆動プーリー27から動力伝達された歯付ベルト23は、各色ステーションSの1次転写ローラー軸上の転写駆動プーリー25aを駆動し、さらに転写ローラーギア25(25y、25m、25c、25k)とドラムギア26(26y、26m、26c、26k)がかみ合うことによって感光体ドラム軸41(41y、41m、41c、41k)へ駆動伝達する。
図5は図4に示す作像ユニットBの断面図である。中間転写ベルト20aを挟んで各色の感光体ドラム40(40y、40m、40c、40k)の対向位置に1次転写ローラー22(22y、22m、22c、22k)が設けられている。各1次転写ローラー22は対応する感光体ドラム40と接触して該感光体ドラム上のトナー像を記録媒体Pに転写するための転写部位を形成している。図中時計方向まわりに中間転写ベルト20aを周回駆動させ、イエローy、マゼンダm、シアンc、ブラックkの順でトナー像を中間転写ベルト20aに転写し2次転写対向ローラー28位置で記録媒体Pに転写する。中間転写ベルト20a上の未転写トナーは中間転写ベルトクリーナー21によって回収される。
(3)プロセスカートリッジC、及びトナーカートリッジTの着脱構造
図6は作像ユニットBにおけるプロセスカートリッジC、及びトナーカートリッジTの着脱構造を示す説明図である。
プロセスカートリッジCは作像ユニットBに対して、ユーザーが容易に取り外しでき、感光体ドラム40が寿命に至った場合に交換する。一方、トナーカートリッジTはプロセスカートリッジCに対して、ユーザーが容易に取り外しでき、トナーカートリッジTに収納させたトナーをプロセスカートリッジCに供給し、収納トナーが無くなった場合に交換する。
作像ユニットBは、各色のプロセスカートリッジCを取り外し可能に装着する装着手段として内側板70a、70bと外側板71a、71bを駆動側Baと非駆動側Bbのそれぞれに有する。ここでは、内側板70a、70bと外側板71a、71bは同一の機能を有するため、図では駆動側Baの外側板を省略して示した。
作像ユニットBの内側板70a、70bには、記録媒体Pの搬送方向X(図1)に沿ってU字形状の保持溝70ag、70bgが並設されている。一方、作像ユニットBの外側板71a、71bには、記録媒体Pの搬送方向Xに沿って縦長U字形状のガイド溝71ag、71bgが並設されている。ガイド溝71a、71bは記録媒体Pの搬送方向Xと所定の角度をもって斜めに交差するU方向に延びている。各色のプロセスカートリッジCは、作像ユニットBの駆動側Baにおいて感光体ドラム40の感光体ドラム軸41を支持させた軸受47が内側板70aの保持溝70agと嵌合して固定支持される。また、作像ユニットBの非駆動側Bbにおいて感光体ドラム軸41の軸受(非図示)が後側板71bのガイド溝71bgの保持溝と嵌合して固定支持される。作像ユニットBへの脱着操作において、各色のプロセスカートリッジCは、感光体ドラム軸41を外側板71a、71bのガイド溝71ag、71bgにガイドさせて移動することにより矢示U方向に容易に取り外し可能である。
各色のプロセスカートリッジCは、現像ユニット60の上面にトナーカートリッジTのガイド面65を有する。ガイド面65にはガイド突条65aが設けられている。トナーカートリッジTの底面にはガイド突条65aと対向する位置にガイド凹部Taが設けられている。ガイド突条65aとガイド凹部Taは共に記録媒体Pの搬送方向Xと直交(交差)する前後方向(Z方向)に延びている。従って各色のトナーカートリッジTは、対応するプロセスカートリッジCに対して矢示Z方向に取り外し可能である。そして、各色のトナーカートリッジTはトナー補給口(不図示)を有する。そして、そのトナー補給口とプロセスカートリッジCに設けたトナー供給口(不図示)とを連通させた状態にプロセスカートリッジCに装着される。なお図では、ガイド突条65aおよびガイド凹部Taの説明のため、トナーカートリッジTmを所定の装着位置よりも非駆動側Bbにスライド移動させて表している。
ここで、各トナーカートリッジTは同一構造とされている。各トナーカートリッジTはトナーまたはトナーと磁性キャリアの混合物を収納し、それぞれ不図示の攪拌部材、スクリューが一体的に構成されている。そして各トナーカートリッジTは攪拌部材、スクリューが回転動作して上記の混合物を攪拌しながらスクリューによってプロセスカートリッジCの現像ユニット60に供給する。
(4)プロセスカートリッジC
プロセスカートリッジは、電子写真感光体と、これに作用する少なくとも1つのプロセス手段を一体的にカートリッジ化し、このカートリッジを装置本体に対して取り外し可能に取り付けられるものである。プロセス手段としては、電子写真感光体を一様に帯電させるための帯電手段と、電子写真感光体に形成された潜像を現像剤によって現像するための現像手段と、電子写真感光体をクリーニングするためのクリーニング手段等がある。本実施例のプロセスカートリッジは、プロセス手段として、上記の帯電手段、現像手段、及びクリーニング手段を具備するものである。
本実施例におけるプロセスカートリッジCについて説明する。
図7はプロセスカートリッジCを鉛直上方向よりみた外観斜視図である。図7に示すように、プロセスカートリッジCは、クリーニングユニット(以下「Cユニット」と記す)50と、このCユニット50と結合されるユニットとしての現像ユニット(以下「Dユニット」と記す)60の2つのユニットより構成されている。ここで図中Caは感光体ドラム40の駆動ギア26があるプロセスカートリッジCの駆動側、Cbはその反対側の非駆動側を示す。
(5)Cユニット50とDユニット60の結合構成
Cユニット50とDユニット60の結合構成を図8、図9を用いて説明する。図8は、Cユニット50とDユニット60の非駆動側の結合構成を示す分解斜視図である。図9において(a)はCユニット50とDユニット60を結合したプロセスカートリッジCの断面図、(b)は側面図である。
Cユニット50とDユニット60の結合構成は駆動側も同様な構成とされる。Cユニット50は枠体あるいは第1枠体としてのクリーニングユニット枠体(以下「Cユニット枠体」と記す)54を有し、このCユニット枠体54の駆動側に設けたサイドプレート55に感光体ドラム40の両端に具備させた感光体ドラム軸(以下「ドラム軸」と記す)41を軸受47によって回転可能に支持させている。またCユニット枠体54にはクリーニング手段としてのクリーニングブレード53を取り付けている(図9(a))。Dユニット60はユニット枠体あるいは第2枠体としての現像ユニット枠体(以下「Dユニット枠体」と記す)61を有し、このDユニット枠体61の駆動側に設けたサイドプレート62に現像手段である現像ローラー43、及び帯電手段である帯電ローラー42を軸受(不図示)によって回転可能に支持させている。そして、帯電ローラー42とDユニット枠体61の間の間隙部60aが、レーザースポットL(図1)の露光用の窓(開口)となっている。
Cユニット枠体54のサイドプレート55には、感光体ドラム40の回転中心から半径方向に伸びる直線Rを対称線としてU字溝55aが設けられている。また、Dユニット枠体61のサイドプレート62には突出軸62aが形成される。
ここで、図8のようにCユニット50とDユニット60を対向させ、Cユニット50の感光体ドラム40に対して、Dユニット60の現像ローラー43、及び帯電ローラー42を接触させ、かつ各ユニット50・60に形成されたU字溝55aと突出軸62aを係合させる。
ここで、上記の構成におけるCユニット50とDユニット60間の位置決めについて、これらを断面と平行な平面内における平面機構として考察する。
Dユニット60のCユニット50に対する運動の自由度を数えると、
1)現像ローラー43が感光体ドラム40に接触運動する線点対偶による自由度1の拘束。
2)帯電ローラー42が感光体ドラム40に接触運動する線点対偶による自由度1の拘束。
3)Cユニット50のU字溝55aとDユニット60の突出軸62a係合によって形成される回転直動対偶による自由度1の拘束。
の計3拘束によって平面機構上静定となる。

Cユニット50に対するDユニット60の加圧のための外部作用は、加圧手段としての引張りコイルスプリングであるSD加圧バネ(以下「加圧バネ」と記す)49を用いて得ている。本実施例では、加圧バネ49の一端を係止させた加圧プレート59(図8)を中間転写体ユニット20(図4)のフレームFに軸59bを介して回動可能に取り付けてある。そして、この加圧プレート59に形成したU字溝59aをCユニット50のサイドプレート62に設けた突出軸55bに係合させて、加圧バネ49の他端をDユニット60のサイドプレート62端部設けたバネ軸62b(図8)に係止させている。この加圧バネ49によって、現像ローラー43と帯電ローラー42を感光体ドラム40に加圧接触させる作用95a,95b(図12)を得ている。
上記の構成において、所望の帯電ローラー加圧反力92、現像ローラー加圧反力93a,93bを得るための加圧バネ49の作用95a,95bの設定方法について図9(a)、図10を用いて説明する。
(i)現像ローラー43の加圧反作用は、現像ローラー43の現像域Wの両外側に設けられた間隔保持用のスペーサーコロ43a,43bが感光体ドラム40と接触するために、作用点はこの接触点であり、方向はこの接触点における感光体ドラム面の外向き法線方向である2つの作用93a,93bである。
(ii)帯電ローラー42の加圧反作用は、帯電ローラー42がクラウン形状を有するために、その合力が接触全長の中央部に作用すると仮定し、その方向はこの作用点における感光体ドラム面の外向き法線方向である作用92である。
(iii)Cユニット枠体54のU字溝55aからDユニット枠体61の突出軸62aが受ける作用は、U字溝平面部の法線方向である作用94a,94bである。
以上未知の作用は93a,93b,92,94a,94bのその大きさのみ未知の作用5つとなる。
Dユニット60へのその他の外力としては次の2つを考慮した。
(iv)Dユニット60の質量による重量91:設計時の質量計算、及び実測によりトナー有/空時の質量と作用点を求めた。
(v)Dユニット駆動時96:実機でのトルク測定値から作用点をかみ合いピッチ点としてその3分力を求めた。
上記Dユニット60への作用を用いてDユニットの空間的なつりあいを計算した。
なおここで実際に計算に用いたのは、Z軸(ドラム軸方向)の並進を除く、並進2方向(Fx、Fy)と各軸回りのモーメント(Mx,My,Mz)の5つのつりあいである。
以上の検討を行いSD加圧バネ49の作用点と作用力、方向を設計し検証したところ、上記の構成で実使用上の条件下で現像ローラー加圧力3.9N±30%(スペーサーコロ片側)、帯電ローラー加圧力6.9N±30%(合力)内に維持することが可能であった。尚、ここでの実使用条件とは、トナーの有/空、バネの公差、駆動トルク変化を見込んだ条件である。
上記の現像ユニット60、及びプロセスカートリッジCにおける帯電ローラー42、現像ローラー43の感光体ドラム40への加圧接触構成によれば、従来のようなローラー毎の独立した加圧部材や加圧案内部材、あるいはユニット間の回転支点軸などを設ける必要がなく、簡易な構成で安定した加圧構成を実現できる。この結果として、プロセスカートリッジCの大幅な小型化が可能となる。
本実施例では、加圧手段として1対の加圧バネ49を使用したが、現像ユニット60あるいはプロセスカートリッジCの構成レイアウト上の制約で加圧バネ49による上記の作用点が設定できない場合や、さらに加圧力を安定させる目的で複数の加圧バネ49を用いてもよい。
(6)プロセスカートリッジCの画像形成プロセス
図11を用いて本実施例のプロセスカートリッジCの画像形成プロセスについて説明する。図11は、プロセスカートリッジCの断面図である。
画像形成プロセス(作像プロセス)の中心となる感光体ドラム40は、アルミニウム製の引き抜きシリンダーの外周面に機能性膜であるUCL(下引き層)、CGL(キャリア発生層)、CTL(キャリア移送層)を順にコーティングしたOPC(有機光半導体)である。
画像形成プロセスにおいては、感光体ドラム40は所定の角速度で画像形成装置より図中矢示の時計方向まわりに回転駆動される。
導電ゴムのローラー部を感光体ドラム40に加圧接触している帯電ローラー42は、感光体ドラム40に接触従動回転する。ここで帯電ローラー42の金属軸部42aに感光体ドラム40に対して例えばVd(暗電位)として−700Vの直流電圧を印加すると、誘電性のコート膜を有する感光体ドラム40の表面電位を−450Vとなる一様な表面電荷分布を形成することができる。
この一様な表面電荷分布面に対して、帯電部と後述する現像部の間、図中、感光体40の鉛直方向最高位置付近にスキャナーユニット2(図1)により画像データーに対応したレーザー光Lのスポットパターンを感光体ドラム軸41と平行な方向に走査し露光する。レーザースポットにより露光した部位は、CGLでキャリアが発生し、一様帯電している表面電荷による電場の作用でホールがCTLを移動し、表面電荷を打ち消す。この結果、露光部位はVl(明電位)−50Vであり、未露光部位Vd(暗電位)−400Vの表面電荷密度分布即ち潜像を形成することができる。
次の画像形成プロセスである現像プロセスは、本実施例ではいわゆる1成分非磁性接触現像方式を採用している。
導電ゴムのローラー部を感光体ドラム40に加圧接触している現像ローラー43は、非図示の駆動機構によって感光体ドラム40とは独立に駆動され、接触部位における接線速度方向は同じであるが、現像ローラー43と感光体ドラム40の接線速度比は約2:1である。
トナーカートリッジT(図1)から定量供給されたトナーは供給ローラー46、トリマー44と現像ローラー43との間の相互作用により接触帯電し、現像ローラー43の表層に単位面積あたりの質量が所望の値となるように規制されて現像部位に搬送される。ここで、例えば現像バイアスとして感光体ドラム40に対してV=−200Vを印加すると、前述の潜像条件であれば、現像コントラストVc=150V、バックコントラストVbc=200Vによりトナー像を感光体ドラム40上に形成することができる。
感光体ドラム40上に形成されたトナー像は、1次転写ローラー22が中間転写体ベルト20a(図5)をはさんで加圧接触する転写部位において、1次転写ローラー22に印加した転写電圧による電場の作用により、中間転写体ベルト20a(図5)上へ転写される。
感光体ドラム40上の未転写トナーはクリーニングブレード53としての一部を構成するウレタンゴム製の弾性ブレード本体52によりドラム表面より掻き落とされ、廃トナースクリュー45により、作像ユニットBに設けられた廃トナー容器(非図示)に回収される。
電子写真画像形成装置の一実施例を示す全体構成説明図。 記録媒体搬送ユニットと共に作像ユニットを電子写真画像形成装置本体から引き出した状態を示す説明図。 プロセスカートリッジからトナーカートリッジを取り外した状態の作像ユニットを鉛直上方向よりみた外観斜視図。 図3に示す作像ユニットの駆動側の側面図。 図4に示す作像ユニットの断面図。 作像ユニットにおけるプロセスカートリッジ、及びトナーカートリッジの着脱構造を示す説明図。 図7はプロセスカートリッジを鉛直上方向よりみた外観斜視図。 クリーニングユニットと現像ユニットの非駆動側の結合構成を示す分解斜視図。 (a)はCユニットとDユニットを結合したプロセスカートリッジの断面図、(b)は側面図。 帯電ローラーおよび現像ローラーの加圧反力、その加圧反力を得るための加圧バネの作用を示す説明図。 プロセスカートリッジの断面図。 従来のプロセスカートリッジの加圧構成を示す断面図。
符号の説明
C‥‥プロセスカートリッジ
40‥‥感光体ドラム
42‥‥帯電ローラー
43‥‥現像ローラー
49‥‥SD加圧バネ
50‥‥クリーニングユニット
54‥‥クリーニングユニット枠体
55a‥‥U字溝
60‥‥現像ユニット
61‥‥現像ユニット枠体
62a‥‥突出軸
A‥‥電子写真画像形成装置本体

Claims (2)

  1. 録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
    子写真感光体ドラムと、
    前記電子写真感光体ドラムを回転可能に支持すると共に前記電子写真感光体ドラムの径方向に延びる溝を有する第1のユニットと、
    前記電子写真感光体ドラムを帯電する帯電ローラーと、前記電子写真感光体ドラムに形成させた潜像を現像する現像ローラーと、前記溝と回転直動対偶により係合する突出軸と、前記帯電ローラーと前記現像ローラーとを前記電子写真感光体ドラムに加圧させるための加圧手段と、を有する第2のユニットであって、前記突出軸と前記溝との係合によって前記電子写真感光体ドラムの円周方向における位置が定まり、当該第2のユニットに加わる重力と、前記加圧手段から受ける加圧力により、前記帯電ローラーと前記現像ローラーを前記電子写真感光体ドラムに当接することで、前記電子写真感光体ドラムの径方向における位置が定まる前記第2のユニットと、
    を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
  2. 記録媒体に画像を形成する電子写真画像形成装置において、
    (a)電子写真感光体ドラムと、
    前記電子写真感光体ドラムを回転可能に支持すると共に前記電子写真感光体ドラムの径方向に延びる溝を有する第1のユニットと、
    前記電子写真感光体ドラムを帯電する帯電ローラーと、前記電子写真感光体ドラムに形成させた潜像を現像する現像ローラーと、前記溝と回転直動対偶により係合する突出軸と、前記帯電ローラーと前記現像ローラーとを前記電子写真感光体ドラムに加圧させるための加圧手段と、を有する第2のユニットであって、前記突出軸と前記溝との係合によって前記電子写真感光体ドラムの円周方向における位置が定まり、当該第2のユニットに加わる重力と、前記加圧手段から受ける加圧力により、前記帯電ローラーと前記現像ローラーを前記電子写真感光体ドラムに当接することで、前記電子写真感光体ドラムの径方向における位置が定まる前記第2のユニットと、
    を有するプロセスカートリッジと、
    (b)前記プロセスカートリッジを取り外し可能に装着する装着手段と、
    (c)前記記録媒体を搬送する搬送手段と、
    を有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
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