JP4687626B2 - 画像処理装置及びプログラム - Google Patents
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Description
また、これらの技術では、原稿画像に網点画像が含まれ、網点画像自体や網点画像間の領域のサイズが微小で、且つ、これらの濃度差が比較的大きいような場合には、これらの領域がノイズ画像と判定される虞があった。このような場合には、ノイズ画像が除去されることによって網点画像が潰されてしまい、原稿画像の色を忠実に再現することが困難であった。
図1はこの発明の一実施形態である画像読み取り装置の構成を示すブロック図である。図1において、CCD部1は、図示しない搬送装置によって搬送される原稿を読み取る手段である。本実施形態では、このCCD部1が、CCD駆動回路2からの駆動信号によって駆動されることにより、原稿の搬送経路上の最上流側読み取り位置から最下流側読み取り位置までの3箇所の読み取り位置の各々において原稿画像を読み取り、アナログ画像信号R、G、Bを出力する。
図9は、ガンマ補正における入出力特性を示す図である。横軸が濃度の入力値、縦軸が濃度の出力値を表す。濃度は256階調で表され、0から255へ向かって濃度が濃くなる。同図に示されるように、本実施形態のガンマ補正においては、入出力特性は下に凸の曲線を描く。すなわち、濃度が高いほどコントラストが大きくなるように濃度が補正される。CIELAB色空間は、明度に関連する成分(座標値)L*と、色相(a*)または彩度(b*)に関連する成分(座標値)とで定義された色空間である。このCIELAB色空間への変換においては、色空間変換回路8は、例えば図10に示されるようなマトリックス演算によってガンマ補正後の各色の濃度をCIELAB色空間における3成分の座標値L*、a*、b*に変換し、これらの座標値を表す画像データを出力する。
ここで、ゴミ検出回路90が画像データから異常画素を検出するアルゴリズムについて説明する。まず、ゴミ検出回路90は、色空間変換回路8から出力された画像データから各走査ラインに連なる各画素の座標値L*、a*、b*を抽出する。図4は、主走査方向における座標値の変化の例を表す図である。図4(a)の横軸は主走査方向における位置を表し、縦軸は座標値a*(またはb*)を表している。また、図4(b)の横軸は主走査方向における位置を表し、縦軸は座標値L*を示し、それぞれ256階調で表している。また、(a)において、画素群k1においてa*成分の分布が周囲に対して上に凸となるように変化し、画素群k2においては下に凸となるように変化している。また、(b)において、画素群k1においてL*成分の分布が周囲に対して下に凸となるように変化し、画素群k2においては上に凸となるように変化している。ゴミ検出回路90の目的は、図4に示すような、周囲にある画素よりもCIELAB色空間における座標値が著しく変化し、且つ、所定数以内(本実施形態では2画素以内)で連続して並ぶ画素群を特定することにある。本実施形態では、画像読取位置に付着するゴミとして、記録紙から発生した紙粉を想定している。
ゴミ検出回路90は同図に示すように、主走査ライン上のある画素p1に注目し、その注目画素p1の位置から走査方向手前側の所定範囲内に位置する画素群(ここでは走査方向手前側に位置する16個の画素群Pf)のa*成分の平均値a1を算出する。そして、ゴミ検出回路90は、注目画素p1のa*成分x1が画素群Pfのa*成分の平均値a1から閾値s1以上乖離している場合には、“a*成分の段差がある”と判定する。
ゴミ検出回路90は、このように走査方向手前側の画素群Pfおよび奥側の画素群Pbに対してa*成分の段差があると判定された注目画素p1を、ゴミの影響によって原稿画像の色を正確に表していない「異常画素」と判定する。
以上がa*成分に対する処理の内容である。
ゴミ検出回路90は、注目画素p1の位置から走査方向手前側の所定範囲内に位置する画素群(ここでは走査方向手前側に位置する16個の画素群Pf)のb*成分の平均値b1を算出する。そして、ゴミ検出回路90は、注目画素p1のb*成分y1が画素群Pfのb*成分の平均値b1から閾値s3以上乖離している場合には、“b*成分の段差がある”と判定する。
ゴミ検出回路90は、このように走査方向手前側の画素群Pfおよび奥側の画素群Pbに対してb*成分の段差があると判定された注目画素p1を、ゴミの影響によって原稿画像の色を正確に表していない「異常画素」と判定する。
以上がb*成分に対する処理の内容である。
CIELAB色空間におけるa*成分、b*成分は、色相または彩度に関連する成分である。つまり、上記の処理によって、原稿画像の色相または彩度の変化が検出されることになる。
ゴミ検出回路90は、注目画素p1の位置から走査方向手前側の所定範囲内に位置する画素群(ここでは走査方向手前側に位置する16個の画素群Pf)のL*成分の平均値L1を算出する。そして、ゴミ検出回路90は、注目画素p1のL*成分z1が画素群PfのL*成分の平均値L1から閾値s5以上低明度側に乖離している場合には、“L*成分の低明度側への段差がある”と判定する。
ゴミ検出回路90は、このように走査方向手前側および奥側の画素群に対してL*成分の低明度側への段差があると判定された注目画素p1を「異常画素ではない」と判定する。すなわち、a*成分またはb*成分に対する処理によって異常画素と判定された画素のうち、L*成分の低明度側への段差があると判定された画素を異常画素から除外する。
紙粉等のゴミが画像読取位置に付着した場合にスジ状のノイズが発生する。このノイズは、原稿画像よりも淡い色の線として現れる。このノイズが発生した画像をCIELAB色空間の3成分で表した場合、a*成分、b*成分の座標値はノイズ発生位置において増加または減少の両方の場合があり得る。これに対してL*成分の座標値が低明度側、すなわち暗くなる側への変化は起こり得ない。この事実を鑑み、本実施形態では、L*成分の低明度側への段差があると判定された場合にその画素を異常画素から除外するようにした。これによって、a*成分またはb*成分に対する処理によって異常画素と判定された画素は、L*が高明度側へ変化している場合、またはL*の変化がない場合に限り異常画素と判定される。
前述したように、本発明では、画像読取位置に付着するゴミとして、記録紙から発生した紙粉を想定している。例えばCCD部1の読み取り解像度を600dpiとしたとき、紙粉の大きさはおおよそ2/600inch以内に収まる。このため、走査方向に連続して並んだ2画素がその周囲の画素群と比較して上記のような条件を満たす場合には、その画素群を「異常画素」と判定する。従って、仮に走査方向に連続して並んだ3画素が上記のような条件を満たしたとしても、その画素群が異常画素と判定されることはない。原稿上の画像に低濃度の線分画像が含まれている場合(例えば比較的暗い背景画像中に白っぽい線分が引かれているような場合)があるが、そのような線分画像のうち最も細い線分画像は3画素程度の太さしかない。このような低濃度で細い線分画像とノイズ画像とを区別するために、ゴミ検出回路90は、上記のような条件を満たす連続画素群が2画素以内であれば異常画素と判定する一方、上記のような濃度条件を満たす連続画素群が3画素以上であれば異常画素とは判定しない。なお、本実施形態では、画像読み取り時の解像度600dpiであるから、異常画素と判定する連続画素数を最高2画素としているが、画像読み取り時の解像度が変われば、異常画素と判定する連続画素数も変わる。また、細い線分画像が含まれていない画像においては、異常画素と判定する連続画素数を2画素よりも大きくしてもよい。よって、異常画素の判定基準となる連続画素数は、画像読み取り時の解像度や、画像の内容、用いる用紙から発生する紙粉の大きさなどを勘案して適宜定めればよい。特に紙粉の大きさは、使用される原稿の用紙の種類などに依存するので、異常画素の判定基準となる連続画素数を、用紙の種類などに応じて適宜変えるようにしてもよい。
まず、色空間変換回路8によって算出された主走査ラインW上に位置する画素のa*成分の値を図7(a)に示し、L*成分の値を図7(b)に示す。なお、b*成分については図示を省略する。本来は、ゴミ検出回路90が異常画素を検出する際には、ノイズ画像Cに位置する異常画素群のみが検出されるべきである。ところが、図7(a)および(b)に示したように、背景部Bに含まれる画素群のa*成分が周囲にある画素(つまり、網点Aに位置する画素)に対して上に凸となるように変化し、L*成分が下に凸となるように変化しており、背景部B1,B2,・・・,Bn−1に位置する画素が上述した異常画素の検出条件を満たせば、これらはすべて異常画素として検出される。
ところが、ノイズ画像として想定しているものは、読取手段の読取位置における紙粉などのゴミに起因するものであるから、1ライン上に存在するゴミに起因する異常画素の数が膨大になることはほとんどない。よって、網点検出回路91は、上記範囲内における異常画素の数が所定の閾値T以上であると判断した場合には、それらは網点画像領域に含まれる画素であると判定する。一方、網点検出回路91は当該範囲内の異常画素の数が閾値T未満であると判断した場合には、それらは異常画素であると判定する。
なお、図6においては、主走査方向に網点A(および背景部B)が等間隔で配置されている例を示したが、主走査方向に対して平行でない場合や、網点の色や大きさが異なる複数の網点が混在する網点画像もしばしば用いられる。このような場合、主走査方向に対して網点や背景部の大きさが一定でなかったり、座標値a*、b*、L*が主走査方向に対して複雑に変化したりすることもある。ところが、上述したように網点画像は或る範囲内においては規則的に形成されているから、主走査方向に着目すれば、周期性が現れることが多く、網点画像領域に含まれる画素を抽出することができる。
R,G,Bの画像データに対してガンマ補正および色空間変換を行った場合、スジ状のノイズが強調されることがある。図9に示すように、一般にガンマ補正においては、濃度が高いほどコントラストが大きくなるように補正が行われる。そのため、原稿画像の濃度が高いほどスジ状のノイズが強調される。また、CIELAB色空間への変換においては、図10に示すマトリックスを構成する係数の絶対値が1を上回る場合がある。例えば、Bの係数の絶対値が1を上回る場合、B色が強調され、その結果、ノイズが青味がかった線として現れる。ノイズ画像の色はR,G,Bのいずれか1つの色によって表される場合が多く、これら3成分全ての色を含むことはほとんどないため、CIELAB色空間への変換がノイズ画像を強調させるための効果的な手段となり得るのである。ガンマ補正および色空間変換が行われる前の画像データに対してノイズ検出のための処理を行ったとしても、この処理で検出されなかったノイズがガンマ補正および色空間変換によって顕在化することがあり得る。本発明では、ガンマ補正および色空間変換によって強調されたノイズをも検出するために、色空間変換回路8の後段にゴミ検知回路9を設けた。
実施形態では、注目画素p1の位置から走査方向手前側の所定範囲内に位置する画素群Pfを16個の画素としたが、画素数はこれに限らない。同様に、実施形態では、注目画素p1の位置から走査方向奥側の所定範囲内に位置する画素群Pbを4個の画素としたが、画素数はこれに限らない。画素群Pfは、前述したように比較的高い密度で画像が分布していることを確認するという目的から、比較的多くの画素であることが望ましいが、画素群Pbは最低1つであってもよい。画素(群)Pbが1つの画素からなる場合には、ゴミ検知回路9は、画素(群)Pbの平均値を算出する必要はなく、その画素そのものの濃度を注目画素の濃度を比較すればよい。
また、ゴミ検知回路9による判定は、実施形態で示した以外の方法でもよい。例えば、注目画素p1のa*成分x1がa1+αよりも大きく、且つ、注目画素p1の走査方向奥側にa*成分がa1+βよりも小さい画素が存在した場合に、“a*成分の段差がある”と判定するようにしてもよい。ただし、a1は画素群Pfのa*成分の平均値、αおよびβは一定値である。
Claims (9)
- 原稿上の像を走査ライン単位で読み取って、明度に関連する成分と色相および彩度に関連する成分とで定義された任意の色空間における各画素の座標値を求める算出手段と、
前記算出手段によって求められた色相および彩度に関連する成分の座標値に基づいて、自画素の位置から所定範囲内に存在する画素群の座標値に対して閾値以上乖離した座標値を有し、且つ、前記走査ラインにおいて連続して並んだ所定数以下の画素を異常画素として検出する検出手段と、
前記原稿上の像に存在する網点画像領域に含まれる画素を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出されなかった画素のうち、前記検出手段によって異常画素として検出された画素の座標値を当該座標値よりも前記画素群の座標値に近い座標値に補正する補正手段と、
前記補正手段によって補正された座標値を含む画像データを出力する出力手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 原稿上の像を走査ライン単位で読み取って、明度に関連する成分と色相および彩度に関連する成分とで定義された任意の色空間における各画素の座標値を求める算出手段と、
前記算出手段によって得られた色相および彩度に関連する成分の座標値に基づいて、各々の走査ライン上に連なる画素群のライン方向の座標値の変化を検出し、各走査ライン上で自画素の位置から所定範囲内に存在する画素群の座標値に対して閾値以上乖離した座標値を有し、且つ、前記走査ラインにおいて連続して並んだ所定数以下の画素を異常画素として検出する検出手段と、
前記原稿上の像に存在する網点画像領域に含まれる画素を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出されなかった画素のうち、前記検出手段によって異常画素として検出された画素の座標値を当該座標値よりも前記画素群の座標値に近い座標値に補正する補正手段と、
前記補正手段によって補正された座標値を含む画像データを出力する出力手段と
を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 前記検出手段は、検出された異常画素の明度に関連する成分の座標値が、前記画素群の明度に関連する成分の座標値に対して低明度側に閾値以上乖離している場合には、当該異常画素を異常画素として検出しない
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。 - 前記検出手段は、ある注目画素の走査方向手前側に連続して位置する所定数の画素群の座標値の平均値と、当該注目画素の走査方向奥側に位置する画素の座標値または当該注目画素の走査方向奥側に連続して位置する所定数の画素群の座標値の平均値とを算出し、当該注目画素の座標値が走査方向手前側に位置する前記画素群の座標値の平均値から閾値以上乖離し、且つ、当該注目画素の座標値が走査方向奥側に位置する前記画素の座標値または所定数の前記画素群の座標値の平均値よりも閾値以上乖離している場合には、当該注目画素を前記異常画素であると判定して検出する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。 - 前記抽出手段は、前記検出手段によって或る注目画素の位置から主走査ラインの所定範囲内において検出された前記異常画素の数が閾値を超えた場合には、当該異常画素を前記網点画像領域に含まれる画素として抽出する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。 - 前記抽出手段は、前記検出手段によって検出された前記異常画素の主走査ライン上の間隔を検出し、検出した間隔が等間隔である場合には、当該異常画素を前記網点画像領域に
含まれる画素として抽出する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。 - 前記補正手段は、前記抽出手段によって抽出された異常画素の座標値を、当該異常画素の走査方向手前に位置する画素の座標値または当該異常画素の走査方向奥に位置する画素の座標値に補正する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。 - コンピュータを、
原稿上の像を走査ライン単位で読み取って、明度に関連する成分と色相および彩度に関連する成分とで定義された任意の色空間における各画素の座標値を求める算出手段と、
前記算出手段によって求められた色相および彩度に関連する成分の座標値に基づいて、自画素の位置から所定範囲内に存在する画素群の座標値に対して閾値以上乖離した座標値を有し、且つ、前記走査ラインにおいて連続して並んだ所定数以下の画素を異常画素として検出する検出手段と、
前記原稿上の像に存在する網点画像領域に含まれる画素を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出されなかった画素のうち、前記検出手段によって異常画素として検出された画素の座標値を当該座標値よりも前記画素群の座標値に近い座標値に補正する補正手段と、
前記補正手段によって補正された座標値を含む画像データを出力する出力手段
として機能させるためのプログラム。 - コンピュータを、
原稿上の像を走査ライン単位で読み取って、明度に関連する成分と色相および彩度に関連する成分とで定義された任意の色空間における各画素の座標値を求める算出手段と、
前記算出手段によって得られた色相および彩度に関連する成分の座標値に基づいて、各々の走査ライン上に連なる画素群のライン方向の座標値の変化を検出し、各走査ライン上で自画素の位置から所定範囲内に存在する画素群の座標値に対して閾値以上乖離した座標値を有し、且つ、前記走査ラインにおいて連続して並んだ所定数以下の画素を異常画素として検出する検出手段と、
前記原稿上の像に存在する網点画像領域に含まれる画素を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出されなかった画素のうち、前記検出手段によって異常画素として検出された画素の座標値を当該座標値よりも前記画素群の座標値に近い座標値に補正する補正手段と、
前記補正手段によって補正された座標値を含む画像データを出力する出力手段
として機能させるためのプログラム。
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