JP4687456B2 - 電力増幅回路部およびそれを用いた無線通信機 - Google Patents

電力増幅回路部およびそれを用いた無線通信機 Download PDF

Info

Publication number
JP4687456B2
JP4687456B2 JP2005378513A JP2005378513A JP4687456B2 JP 4687456 B2 JP4687456 B2 JP 4687456B2 JP 2005378513 A JP2005378513 A JP 2005378513A JP 2005378513 A JP2005378513 A JP 2005378513A JP 4687456 B2 JP4687456 B2 JP 4687456B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission
signal
circuit
reception
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005378513A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007181021A (ja
Inventor
正人 吉田
真一郎 ▲高▼柳
秀守 赤木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2005378513A priority Critical patent/JP4687456B2/ja
Publication of JP2007181021A publication Critical patent/JP2007181021A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4687456B2 publication Critical patent/JP4687456B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • Y02B60/50

Landscapes

  • Amplifiers (AREA)
  • Transceivers (AREA)

Description

本発明は、無線通信機の送信回路に組み込まれる電力増幅回路部およびそれを用いた無線通信機に関するものである。
図5には、無線通信機に設けられる回路の一構成例が部分的に示されている(例えば特許文献1参照)。この図5に示される無線通信機1は電波(信号)の送受信が可能なものであり、当該無線通信機1は、アンテナ2と、アンテナ共用器3と、送信回路4と、受信回路5と、ベースバンド処理部6と、局部発振器7とを有して構成されている。この無線通信機1から送信される信号の周波数帯(送信周波数帯)と、無線通信機1が受信できる信号の周波数帯(受信周波数帯)とはそれぞれ別々の周波数帯に設定されている。アンテナ2は、それら送信周波数帯と受信周波数帯でそれぞれ共振動作して電波(信号)の送信と受信の無線通信ができる送受信兼用のアンテナと成している。
アンテナ共用器3は送信側フィルタ8と受信側フィルタ9を有して構成されている。送信側フィルタ8と受信側フィルタ9は、それぞれ、2つの端子部を有しており、送信側フィルタ8の一方側の端子部と、受信側フィルタ9の一方側の端子部とは、それぞれ、アンテナ2に共通に接続されている。送信側フィルタ8の他方側の端子部は送信回路4に接続され、受信側フィルタ9の他方側の端子部は受信回路5に接続されている。送信側フィルタ8は、例えば、予め設定されている送信周波数帯の信号(送信用信号)を選択的に通過させるフィルタ特性を備えている。受信側フィルタ9は、例えば、予め設定されている受信周波数帯の信号(受信信号)を選択的に通過させるフィルタ特性を備えている。つまり、この例では、送信周波数帯と受信周波数帯は互いに異なることから、アンテナ共用器3は、送信回路4からアンテナ共用器3に出力された送信周波数帯の送信用信号を送信側フィルタ8を介してアンテナ2に供給し、受信側フィルタ9によって送信用信号が受信回路5側に流れ込まないように構成されている。また、アンテナ共用器3は、アンテナ2から出力された受信信号が受信側フィルタ9を介して受信回路5側に供給され、送信側フィルタ8によって受信信号が送信回路4側に流れ込まないように構成されている。
局部発振器7は、予め定められた周波数を持つ局部発振信号を出力する回路構成を備えている。
送信回路4は、変調部11と、ミキサ12と、送信帯域通過フィルタ13と、増幅部14と、アイソレータ15とを有して構成されている。この送信回路4の構成では、ベースバンド処理部6から加えられたベースバンド信号を変調部11が変調し、ミキサ12が、局部発振器7から供給される局部発振信号を利用して、変調部11により変調された信号を予め定められた送信周波数帯の信号に周波数変換して送信用信号を作り出す。送信帯域通過フィルタ13は、送信用信号の中の送信周波数帯以外の信号成分(つまり、ノイズ成分)を減衰させ送信周波数帯の信号成分を通過させるフィルタ特性を備えている。このため、送信帯域通過フィルタ13は、ミキサ12から出力された送信用信号のノイズ成分を減衰させて出力する。増幅部14は、その送信用信号を増幅出力する。この増幅された送信用信号は、アイソレータ15と、アンテナ共用器3の送信側フィルタ8とを介してアンテナ2に供給される。この送信用信号の供給によってアンテナ2が共振動作して送信用信号が外部に向けて無線送信される。なお、アイソレータ15は、アンテナ2の受信信号の一部が送信回路4側に漏洩しノイズ成分として送信用信号に乗ってしまった場合に、その受信信号に起因した送信用信号のノイズ成分を減衰させるものである。
受信回路5は、増幅部16と、受信帯域通過フィルタ17と、ミキサ18と、中間帯域通過フィルタ19と、復調部20とを有して構成されている。この受信回路5の構成では、アンテナ2で受信され当該アンテナ2からアンテナ共用器3の受信側フィルタ9を介して加えられた受信信号を増幅部16が増幅する。受信帯域通過フィルタ17は、受信信号の中の予め設定された受信周波数帯以外の周波数の信号成分(つまり、ノイズ成分)を減衰させ受信周波数帯の信号成分を通過させるフィルタ特性を備えている。このため、増幅部16により増幅された受信信号はノイズ成分が受信帯域通過フィルタ17により減衰されてミキサ18に加えられる。そして、ミキサ18が、局部発振器7から供給される局部発振信号を利用して、受信周波数帯の受信信号を予め定められた周波数(中間周波数)の信号に周波数変換し、中間帯域通過フィルタ19が、その中間周波数の信号のノイズ成分を減衰させて当該中間周波数の信号を出力する。そして、復調部20が、その信号を復調してベースバンド処理部6に向けて出力する。ベースバンド処理部6では、その復調後の信号を予め定められた手法により信号処理する。
特開2003−273770号公報 実開平3−130622号公報
ところで、通常、送信回路4の送信帯域通過フィルタ13と、増幅部14とはそれぞれ別々に設計され、また、それぞれ別々に、無線通信機1の回路基板(図示せず)に設けられて送信回路4を構成する。その送信帯域通過フィルタ13と、増幅部14との間を電気的に接続している信号経路の長さや引き回し経路等は、無線通信機1の種類や機種等の違いによって異なる。このように、無線通信機1の種類や機種等の違いによって送信帯域通過フィルタ13と増幅部14との間の信号経路の長さや引き回し経路が異なることによって、各種の無線通信機1に、それぞれ、同種の送信帯域通過フィルタ13と、同種の増幅部14とをそれぞれ設けても、送信帯域通過フィルタ13と、増幅部14とがインピーダンス不整合な状態となることがある。送信帯域通過フィルタ13と増幅部14がインピーダンス不整合であると、例えば、送信帯域通過フィルタ13から出力された送信用信号の一部が、送信帯域通過フィルタ13と増幅部14との接続部で反射する事態が起こる。その反射信号は送信用信号に悪影響を及ぼし、これにより、無線通信機1の無線送信の性能が低下してしまうという問題が生じる。
そこで、図6に示されるように、送信帯域通過フィルタ13と増幅部14との信号経路上に整合回路22を介設し、当該整合回路22によって送信帯域通過フィルタ13と増幅部14とをインピーダンス整合させることが考えられる(例えば、特許文献2参照)。これにより、送信帯域通過フィルタ13と増幅部14とのインピーダンス不整合に起因した無線送信性能の悪化を抑制することができる。
ところで、図7のグラフに示されるように、増幅部14から出力される送信用信号の周波数帯の一部が受信信号の周波数帯の一部にオーバーラップすることがある。この場合には、そのオーバーラップしている送信用信号の一部が、無線通信機1の回路基板を介したり、電磁放射等によって、受信信号にノイズ成分として乗ってしまうという問題が生じる。そのノイズ成分は受信周波数帯の周波数を有していることから、受信帯域通過フィルタ17で減衰させることができないものである。また、図7のグラフにも示されているように、増幅部14から出力される送信用信号の信号パワーは、受信信号の信号パワーに比べて大きい。このため、受信信号にとっては送信用信号に起因したノイズ成分は無視できない程に大きくて、無線通信機1の受信感度の悪化を招いてしまう。
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、増幅部から出力された送信用信号に起因した無線通信機の受信信号のノイズ成分を抑制することができる電力増幅回路部およびそれを備えた無線通信機を提供することにある。
上記目的を達成するために、この発明は次に示す構成をもって前記課題を解決するための手段としている。すなわち、この発明の電力増幅回路部は、信号の無線送信と、当該無線送信の信号の送信周波数帯とは異なる受信周波数帯の信号の無線受信とを行うことが可能な無線通信機の送信回路に組み込まれる電力増幅回路部であって、
送信信号用のノイズ成分を減衰させて出力する送信帯域通過フィルタと、
送信帯域通過フィルタから出力された送信用信号を増幅出力する増幅部と、
を有し、
前記送信周波数帯と前記受信周波数帯とは一部がオーバラップしており、送信帯域通過フィルタと増幅部との間の送信の信号経路上にはインピーダンス整合・位相調整回路が介設されており、当該インピーダンス整合・位相調整回路は、送信帯域通過フィルタ側と増幅部側とのインピーダンス整合を行うと共に、増幅部に入力する送信周波数帯の信号のうちの前記送信周波数帯と前記受信周波数帯との一部がオーバラップしている周波数帯成分の送信用信号の信号成分である受信帯域内信号成分の位相を該受信帯域内信号成分の前記増幅部の出力の大きさが負となる範囲内で、かつ、前記受信帯域内信号成分の前記増幅部の出力の大きさが最小となる位相Aを含む予め定めた位相範囲の位相に調整する回路定数を有して、増幅部から出力された送信用信号に起因した無線通信機の受信信号のノイズ成分を抑制させることを特徴としている。また、この発明の無線通信機は、この発明において特有な構成を持つ電力増幅回路部が設けられていることを特徴としている。
本発明者は、増幅部から出力された送信用信号に起因した無線通信機の受信信号のノイズ成分(以下、送信側起因ノイズ成分と記す)を低減させるべく様々な実験等を行っているうちに、受信信号の送信側起因ノイズ成分の大きさと、増幅部に入力する送信用信号の位相との間に関係があることに気付いた。つまり、受信信号の送信側起因ノイズ成分は、増幅部から出力される送信用信号のうちの、受信周波数帯とオーバーラップしている送信周波数帯部分の周波数を持つ信号成分(以下、受信帯域内信号成分と記す)に起因したものである。このため、受信信号の送信側起因ノイズ成分の大きさは、増幅部から出力される送信用信号の受信帯域内信号成分の大きさに応じたものとなる。その増幅部から出力される送信用信号の受信帯域内信号成分の大きさは、増幅部に入力する送信用信号の位相によって可変することが、本発明者の実験等により分かった。すなわち、増幅部に入力する送信用信号の位相を調整することにより、増幅部から出力される送信用信号の受信帯域内信号成分の大きさが可変して受信信号の送信側起因ノイズ成分の大きさを可変することができ、これにより、受信信号の送信側起因ノイズ成分を抑制することが可能であることが分かった。
本発明は、その点に着目して考え出されたものである。すなわち、この発明では、送信帯域通過フィルタと増幅部との間の信号経路上にインピーダンス整合・位相調整回路が介設されている。そのインピーダンス整合・位相調整回路は、送信帯域通過フィルタ側と、増幅部側とのインピーダンス整合を行うと共に、増幅部に入力する送信用信号の位相を予め定められた受信信号ノイズ低減用位相範囲内の位相に調整する回路構成を備えている。この発明では、そのようなインピーダンス整合・位相調整回路を設けたので、送信帯域通過フィルタ側と増幅部側とをインピーダンス整合させることができて、送信帯域通過フィルタ側と増幅部側とのインピーダンス不整合に起因した無線通信機の送信性能の悪化を防止できる。その上、インピーダンス整合・位相調整回路によって、増幅部に入力する送信用信号の位相が、受信信号の送信側起因ノイズ成分を抑制できる位相となるように調整できることから、受信信号の送信側起因ノイズ成分を抑制することが可能である。
つまり、この発明の電力増幅回路部の構成では、インピーダンス整合・位相調整回路を設けたことにより、無線通信機の送信性能の悪化を防止できるだけでなく、受信性能をも向上させることができる。このため、この発明の電力増幅回路部を設けた無線通信機は、送信性能および受信性能に優れたものとなり、無線通信に対する信頼性の高い無線通信機と成すものである。
送信帯域通過フィルタとインピーダンス整合・位相調整回路と増幅部が電気的に接続された状態で共通のパッケージ内に収容配置されて電力増幅器モジュールと成しているものにあっては、その電力増幅器モジュールを例えば無線通信機の回路基板に搭載するだけで、送信帯域通過フィルタとインピーダンス整合・位相調整回路と増幅部を同時に送信回路に組み込むことができるので、送信回路の製造が非常に簡単となり、無線通信機の製造効率を高めることができる。また、次に示すような効果を得ることができる。例えば、送信帯域通過フィルタとインピーダンス整合・位相調整回路と増幅部が別々に送信回路に組み込まれる場合には、送信回路の設計変更によって送信帯域通過フィルタと増幅部との間の信号経路の長さや引き回し経路が変更になることがある。このように送信帯域通過フィルタと増幅部との間の信号経路の長さや引き回し経路が変更になると、送信帯域通過フィルタと増幅部とのインピーダンス整合状態が変化する。このために、送信帯域通過フィルタと増幅部との良好なインピーダンス整合を得るためにインピーダンス整合・位相調整回路の回路定数等を変更しなければならなくなる虞がある。これに対して、送信帯域通過フィルタとインピーダンス整合・位相調整回路と増幅部が1パッケージ化された電力増幅器モジュールの形態でもって送信回路に組み込まれることにより、送信回路が設計変更されても、送信帯域通過フィルタと増幅部との間の信号経路の長さや引き回し経路等は変化無くて送信帯域通過フィルタと増幅部とのインピーダンス整合状態は変わらないので、インピーダンス整合・位相調整回路を設計変更しなくて済む。これにより、無線通信機の送信回路の設計変更に要する時間の短縮化を図ることができる。
また、送信帯域通過フィルタとインピーダンス整合・位相調整回路と増幅部が別々に送信回路に組み込まれる場合には、送信帯域通過フィルタと増幅部との間の信号経路の長さが長くなりやすく、このことに起因して、その送信帯域通過フィルタと増幅部との間の信号経路における導通損失が増加しやすい。これにより、増幅部での消費電力が増加してしまうという問題が発生する虞がある。これに対して、送信帯域通過フィルタとインピーダンス整合・位相調整回路と増幅部が1パッケージ化されて電力増幅器モジュールの形態と成すことによって、送信帯域通過フィルタと増幅部との間の信号経路の長さを非常に短く抑えることができて、送信帯域通過フィルタと増幅部との間の信号経路における導通損失を小さく抑制できる。これにより、増幅部での消費電力を抑制することができるという効果を得ることができる。すなわち、この発明の電力増幅回路部を備えた電力増幅器モジュールは、消費電力の削減を図りながら無線通信機の無線通信性能の向上に寄与することができるものである。
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態例の説明において、図5に示される回路構成と同一構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
図1には本発明に係る電力増幅回路部の一実施形態例がブロック構成図により示されている。この実施形態例の電力増幅回路部25は、送信帯域通過フィルタ13と、増幅部14と、インピーダンス整合・位相調整回路26とを有して構成されている。この電力増幅回路部25は、無線通信機の送信回路に組み込まれるものであり、図2には、その電力増幅回路部25を送信回路に組み込んだ無線通信機の一回路構成例が示されている。なお、図2に示される無線通信機1は、互いに異なる送信周波数帯と受信周波数帯で信号の無線送信と無線受信が可能なものであり、電力増幅回路部25が組み込まれている構成以外の図2の無線通信機1の構成は、図5に示される無線通信機1の構成と同様である。
この実施形態例の電力増幅回路部25の送信帯域通過フィルタ13はバンドパスフィルタにより構成されており、例えば無線通信機1の送信回路4のミキサ12側から加えられた送信用信号のうちの予め定められた送信周波数帯以外の周波数の信号成分(つまり、ノイズ成分)を減衰し当該ノイズ成分を減衰させた送信用信号を出力する構成を備えている。このような送信帯域通過フィルタ13を構成するバンドパスフィルタには、例えば、インダクタやキャパシタを利用して構成されたLCフィルタや、SAWフィルタ(弾性表面波フィルタ)等の様々な種類があり、ここでは、何れの種類のバンドパスフィルタを送信帯域通過フィルタ13として用いてもよいものである。
増幅部14は電力増幅器(PA(パワーアンプ))により構成されており、送信帯域通過フィルタ13側から加えられた送信用信号を増幅出力するものである。
インピーダンス整合・位相調整回路26は、送信帯域通過フィルタ13と増幅部14との間の信号経路上に介設されている。当該インピーダンス整合・位相調整回路26は、送信帯域通過フィルタ13側と増幅部14側とのインピーダンス整合を行うと共に、次に示すような位相調整を行う回路構成を備えている。
すなわち、本発明者は、実験により、増幅部14から出力される送信用信号の受信帯域内信号成分の大きさと、増幅部14に入力する送信用信号の位相との間には、図3のグラフに示されるような関係があることに気付いた。このグラフから、増幅部14の入力の送信用信号の位相を図3に示されるA位置の位相とすることによって、増幅部14から出力される送信用信号の受信帯域内信号成分の大きさを最も小さくできることが分かる。つまり、受信信号の送信側起因ノイズ成分の大きさは、増幅部14から出力される送信用信号の受信帯域内信号成分の大きさに応じたものであることから、増幅部14に入力する送信用信号の位相を上記A位置の位相とすることによって、受信信号の送信側起因ノイズ成分を最も小さく抑制できることが分かる。このことを考慮して、この実施形態例では、インピーダンス整合・位相調整回路26は、送信帯域通過フィルタ13側と、増幅部14側とのインピーダンスを整合させるだけでなく、増幅部14に入力する送信用信号の位相を調整できる回路構成を備えており、送信帯域通過フィルタ13側と増幅部14側とをインピーダンス整合でき、かつ、受信信号の送信側起因ノイズ成分を抑制すべく増幅部14に入力する送信用信号の位相が上記A位置の位相となるように回路定数が設定されている。
なお、送信帯域通過フィルタ13と増幅部14との間の信号経路の長さや引き回し経路によっては、増幅部14に入力する送信用信号の位相を最適な上記A位置の位相に調整できないことがある。このような場合を考慮して、増幅部14の入力の送信用信号の位相の許容可変範囲を予め受信信号ノイズ低減用位相範囲Hとして定めておく。例えば、受信信号ノイズ低減用位相範囲Hは図3に示されるような範囲とする。この図3に示す受信信号ノイズ低減用位相範囲Hの例では、例えば、増幅部14の入力の送信用信号の位相の可変による増幅部14の出力の送信用信号の受信帯域内信号成分の大きさの変化幅の約1割の大きさをSとしたとき、増幅部14の入力の送信用信号の位相の調整による増幅部14の出力の送信用信号の受信帯域内信号成分の最低値からのずれ量が上記S以内となるための増幅部14の入力の送信用信号の位相の許容可変範囲が受信信号ノイズ低減用位相範囲Hとなっている。インピーダンス整合・位相調整回路26は、増幅部14に入力する送信用信号の位相が上記最適なA位置の位相となるように増幅部14に入力する送信用信号の位相を調整する回路定数を有することが好ましいが、上述したような理由等によって増幅部14に入力する送信用信号の位相を最適値に調整することが難しい場合がある。この場合には、インピーダンス整合・位相調整回路26は、送信帯域通過フィルタ13側と増幅部14側とをインピーダンス整合させると共に、増幅部14に入力する送信用信号の位相を予め定められた受信信号ノイズ低減用位相範囲内の位相に調整できるように回路定数が設定される。
この実施形態例の電力増幅回路部25は上記のように構成されている。この電力増幅回路部25は、例えば、図2に示される無線通信機1の送信回路4を構成するミキサ12とアイソレータ15との間の信号経路上に、送信帯域通過フィルタ13をミキサ12側にして直列に介設される。
この実施形態例の電力増幅回路部25および当該電力増幅回路部25を備えた無線通信機1にあっては、インピーダンス整合・位相調整回路26によって、送信帯域通過フィルタ13側と増幅部14側とをインピーダンス整合させることができてインピーダンス不整合に起因した送信用信号のノイズを低減でき、これにより、無線通信機1の送信性能を高めることができる。その上、インピーダンス整合・位相調整回路26によって、増幅部14に入力する送信用信号の位相を受信信号ノイズ低減用位相範囲内の位相に調整できて、受信信号の送信側起因ノイズ成分を抑制することができる。これにより、受信性能をも向上させることができるという画期的な効果を得ることができる。よって、この実施形態例の電力増幅回路部25を無線通信機1の送信回路4に組み込むことにより、送信および受信の通信性能に対する信頼性の高い無線通信機1を提供することが可能である。
ところで、この実施形態例に示した電力増幅回路部25を構成する送信帯域通過フィルタ13と、増幅部14と、インピーダンス整合・位相調整回路26とは、それぞれ、別々に無線通信機1の送信回路4に組み込まれていてもよいが、電力増幅回路部25は、送信帯域通過フィルタ13と増幅部14とインピーダンス整合・位相調整回路26が1パッケージ化されて電力増幅器モジュールの形態となっていてもよい。図4には電力増幅器モジュールの一形態例が模式的に示されている。この例では、電力増幅器モジュール28は回路基板29を有し、当該回路基板29には、送信帯域通過フィルタ13と増幅部14とインピーダンス整合・位相調整回路26がそれぞれ設けられ、また、電気的に接続されて、電力増幅回路部25が形成されている。なお、図4では、送信帯域通過フィルタ13と増幅部14とインピーダンス整合・位相調整回路26の図示は省略している。
回路基板29の電力増幅回路部25は、シールドカバー30により覆われている。換言すれば、この例では、回路基板29とシールドカバー30はパッケージケース31を構成しており、送信帯域通過フィルタ13と増幅部14とインピーダンス整合・位相調整回路26は共通のパッケージケース31内に収容配置されている。また、回路基板29には、パッケージケース31内の電力増幅回路部25を外部と電気的に接続させるための例えば端子ピンやはんだバンプ等の外部接続手段(図示せず)が設けられている。
上記のように送信帯域通過フィルタ13と増幅部14とインピーダンス整合・位相調整回路26を1パッケージ化することによって、送信帯域通過フィルタ13と増幅部14とインピーダンス整合・位相調整回路26との間を接続する信号経路の長さを非常に短くすることができる。これにより、信号の導通損失を抑制することができて省電力化を図ることができる。また、電力増幅回路部25を無線通信機1の送信回路4に組み込む作業の短縮化を図ることができる。
なお、この発明はこの実施形態例の形態に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、この実施形態例では、送信帯域通過フィルタ13とインピーダンス整合・位相調整回路26は別々に形成されていたが、例えば、送信帯域通過フィルタ13とインピーダンス整合・位相調整回路26は電気的に接続された状態で共通のケース内に収容配置されてモジュールの態様となっていてもよい。そのようなモジュールは、増幅部14と共に電力増幅回路部25を構成して1パッケージ化され上記したような電力増幅器モジュール28の態様でもって無線通信機1の送信回路4に組み込まれていてもよいし、増幅部14とは別々に無線通信機1の回路基板に設けられて電力増幅回路部25および送信回路4を構成してもよい。
また、この実施形態例では、電力増幅回路部25が設けられた無線通信機1は図2に示されるような回路構成を有する例を示したが、もちろん、図2に示されるような回路構成以外の回路構成を持つ無線通信機の送信回路に電力増幅回路部25を組み込んでもよい。例えば、図2の回路構成例では、送受信兼用のアンテナ2が設けられていたが、例えば、送信専用のアンテナと、受信専用のアンテナとが別個独立に設けられているタイプの無線通信機の送信回路に電力増幅回路部25を設けてもよい。この実施形態例の電力増幅回路部25は、互いに異なる送信周波数帯と受信周波数帯で信号の送信と受信が可能で送信周波数帯と受信周波数帯の一部がオーバーラップしている無線通信機であれば、図2に示されるような回路構成以外の回路構成を持つ無線通信機の送信回路に組み込んでも、前述したような効果を得ることができる。
本発明に係る電力増幅回路部の一実施形態例を示したブロック構成図である。 実施形態例の電力増幅回路部を組み込んだ無線通信機の一実施形態例を示したブロック構成図である。 増幅部に入力する送信用信号の位相と、増幅部から出力される送信用信号の受信帯域内信号成分の大きさとの関係例を表したグラフである。 電力増幅器モジュールの一形態例を表したモデル図である。 無線通信機の部分的な回路構成例を示したブロック構成図である。 無線通信機の送信性能を高めるための一構成例を説明するための図である。 送信用信号および受信信号の信号パワーの周波数特性例を示したグラフである。
符号の説明
1 無線通信機
4 送信回路
13 送信帯域通過フィルタ
14 増幅部
25 電力増幅回路部
26 インピーダンス整合・位相調整回路
28 電力増幅器モジュール

Claims (3)

  1. 信号の無線送信と、当該無線送信の信号の送信周波数帯とは異なる受信周波数帯の信号の無線受信とを行うことが可能な無線通信機の送信回路に組み込まれる電力増幅回路部であって、
    送信信号用のノイズ成分を減衰させて出力する送信帯域通過フィルタと、
    送信帯域通過フィルタから出力された送信用信号を増幅出力する増幅部と、
    を有し、
    前記送信周波数帯と前記受信周波数帯とは一部がオーバラップしており、送信帯域通過フィルタと増幅部との間の送信の信号経路上にはインピーダンス整合・位相調整回路が介設されており、当該インピーダンス整合・位相調整回路は、送信帯域通過フィルタ側と増幅部側とのインピーダンス整合を行うと共に、増幅部に入力する送信周波数帯の信号のうちの前記送信周波数帯と前記受信周波数帯との一部がオーバラップしている周波数帯成分の送信用信号の信号成分である受信帯域内信号成分の位相を該受信帯域内信号成分の前記増幅部の出力の大きさが負となる範囲内で、かつ、前記受信帯域内信号成分の前記増幅部の出力の大きさが最小となる位相Aを含む予め定めた位相範囲の位相に調整する回路定数を有して、増幅部から出力された送信用信号に起因した無線通信機の受信信号のノイズ成分を抑制させることを特徴とする電力増幅回路部。
  2. 請求項1記載の電力増幅回路部は、送信帯域通過フィルタとインピーダンス整合・位相調整回路と増幅部が電気的に接続された状態で共通のパッケージケース内に収容配置されている形態の電力増幅器モジュールと成していることを特徴とする電力増幅回路部。
  3. 請求項1又は請求項2記載の電力増幅回路部が設けられていることを特徴とする無線通信機。
JP2005378513A 2005-12-28 2005-12-28 電力増幅回路部およびそれを用いた無線通信機 Active JP4687456B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005378513A JP4687456B2 (ja) 2005-12-28 2005-12-28 電力増幅回路部およびそれを用いた無線通信機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005378513A JP4687456B2 (ja) 2005-12-28 2005-12-28 電力増幅回路部およびそれを用いた無線通信機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007181021A JP2007181021A (ja) 2007-07-12
JP4687456B2 true JP4687456B2 (ja) 2011-05-25

Family

ID=38305703

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005378513A Active JP4687456B2 (ja) 2005-12-28 2005-12-28 電力増幅回路部およびそれを用いた無線通信機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4687456B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE112015000867T5 (de) * 2014-02-19 2016-11-17 Murata Manufacturing Co., Ltd. Hochfrequenz-Front-End-Schaltung
JP6471810B2 (ja) 2015-11-04 2019-02-20 株式会社村田製作所 分波装置及びその設計方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11308143A (ja) * 1998-04-21 1999-11-05 Sony Corp 通信装置
JP2001196965A (ja) * 2000-01-14 2001-07-19 Kenwood Corp 送受信装置
JP2005079885A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Kyocera Corp 高周波モジュール及び無線通信装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11308143A (ja) * 1998-04-21 1999-11-05 Sony Corp 通信装置
JP2001196965A (ja) * 2000-01-14 2001-07-19 Kenwood Corp 送受信装置
JP2005079885A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Kyocera Corp 高周波モジュール及び無線通信装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007181021A (ja) 2007-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2016129401A1 (ja) 送受信モジュール
US20150341076A1 (en) High-frequency module and communication device
JP2006166277A (ja) 送受信装置およびモジュール
WO2015093462A1 (ja) 高周波回路及び該高周波回路を用いた送受信回路
US20180097608A1 (en) Transmit-and-receive module
US10355739B2 (en) High-frequency front end circuit and communication device
JP4687456B2 (ja) 電力増幅回路部およびそれを用いた無線通信機
US9419582B2 (en) Filter device and duplexer
WO2017130519A1 (ja) 高周波フロントエンド回路、通信装置
WO2017056790A1 (ja) 高周波フロントエンド回路、インピーダンス整合方法
US10027353B2 (en) High-frequency front end circuit
KR100365108B1 (ko) 수동 소자 상호 변조 왜곡 개선 장치
JP2001251206A (ja) 送受信回路モジュール
JP4512085B2 (ja) 無線端末機
JP2004215244A (ja) 無線通信装置、無線通信方法、アンテナ装置、第1のデュプレクサ
JP2003179463A (ja) 複合フィルタ、アンテナ共用器、及び通信装置
KR100276993B1 (ko) 에프디디 방식을 이용한 무선 통신 단말기에서의 송수신분리 장치
JP2004040561A (ja) 送受信器
WO2011111259A1 (ja) 無線通信装置のフロントエンド回路
JP6491059B2 (ja) 周波数変換装置及びアンテナ装置
JP2007129584A (ja) 送信回路および高調波抑圧方法
JP2016105545A (ja) 送受信回路及び通信装置
JP4356116B2 (ja) 高周波回路デバイス,高周波モジュール及び通信装置
KR200220461Y1 (ko) 900MHz 대역 무선 전화기의 전압 제어 발진 회로
JP2004304431A (ja) 携帯無線通信端末

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081008

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100803

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101026

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110118

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110131

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4687456

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140225

Year of fee payment: 3