JP2004215244A - 無線通信装置、無線通信方法、アンテナ装置、第1のデュプレクサ - Google Patents

無線通信装置、無線通信方法、アンテナ装置、第1のデュプレクサ Download PDF

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Abstract

【課題】 同時送受信時の受信感度劣化を低減した無線通信装置、無線通信方法を提供すること。
【解決手段】 アンテナ101と、第1の周波数帯の送信信号を出力する送信回路104と、アンテナ101に接続され、単相入力端子および平衡出力端子を有し、前記単相入力端子に入力された前記送信信号をアンテナ101に伝達し、アンテナ101から受信された、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯の受信信号を、実質上差動信号として前記平衡出力端子から出力するデュプレクサ102と、 前記平衡出力端子に接続され、同相成分の信号の利得よりも差動成分の信号の利得が大きいか、または同相成分の信号の損失よりも差動成分の信号の損失が小さい回路を有する受信回路103と、を備える無線通信装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、携帯電話などの送信機および受信機を有する通信システムにおける信号の同時送受信の分野に係わり、特に、CDMA方式のように包絡線成分を有する変調方式を用いた通信システムにおける無線通信装置に関する。
近年、移動通信に対するニーズの増大と通信技術の発達により、セルラ無線通信システムが急速に普及している。
セルラ無線通信システムで使用される無線通信装置は、例えば図31に示すブロック図のように構成されている。同図において、1801はアンテナ、1802はデュプレクサ(アンテナ共用器)、1803は受信回路、1804は送信回路である。
図31に示す無線通信装置では、基地局から送信された無線周波信号をアンテナ1801で受信したのちデュプレクサ1802を介して受信回路1803に入力し、ここで高周波増幅しかつ受信帯域外の不要波を除去したのち中間周波信号に変換し、この中間周波信号を復調してベースバンド信号に変換する。また送信ベースバンド信号を、所定の信号処理を施したのち送信回路1804に入力し、ここで搬送波信号を変調し、この変調搬送波信号を無線周波数に変換しかつ所定の送信電力に増幅したのち、デュプレクサ1802を介してアンテナ1801から基地局へ向け送信するように構成されている。
ところで、上記受信回路1803は高周波増幅器として低雑音増幅器を使用している。この低雑音増幅器にデュプレクサで減衰しきれない自身の送信信号リークが入力された場合、次の3つの要因でそれぞれ受信感度劣化が生じる。
1つ目は、大電力の送信信号リークによる低雑音増幅器自身の雑音特性の劣化である。送信信号リークレベルと雑音指数の関係の例を図32に示す。これは、送信信号リークにより低雑音増幅器の電流が増えることによる電流雑音の増加、また送信信号リークにより高い周波数の熱雑音が受信帯域にダウンコンバートされる、逆に低い周波数の熱雑音が受信帯域にアップコンバートされることなどによって生じる。
2つ目は、大電力の送信信号リークによる低雑音増幅器の利得圧縮である。送信信号リークレベルと利得の関係を図33に示す。通常、低雑音増幅器の後段の回路の雑音指数は低雑音増幅器の雑音指数と比較して5〜10dB悪い。低雑音増幅器の利得が十分に高ければ、後段の回路の雑音特性の影響を小さくできる。しかしながら、送信信号リークにより低雑音増幅器の利得が下がると後段の回路の雑音特性の影響が大きくなり、その結果受信感度が劣化する。
3つ目は、大電力の送信信号リークによる混変調である。CDMA方式を採用した携帯電話などの場合には、自身の送信波が例えば図34に示すごとく振幅変動成分を有する。このため、受信希望波の近傍に、例えばCDMAセルラシステムの近傍帯域を使用しているアナログセルラシステムによる狭帯域の妨害波トーン信号があると、送信信号リークの振幅変動成分が低雑音増幅器の3次歪みに起因する混変調を起こして、例えば図35に示すごとく上記妨害トーン信号に乗り移り、その一部が受信帯域に干渉として加わる。
CDMAセルラシステムでは、無線通信装置が基地局から距離的に離れていて受信信号レベルが小さいときには送信信号電力を増加させる、いわゆる開ループ送信電力制御を採用している。無線通信装置が例えばセルのフリンジエリアに存在する場合には、上記混変調作用による干渉のために加速度的に受信性能が劣化し、最悪の場合には通話が断となる恐れがある。
これらの問題を回避するためには、受信高周波ユニットに設けられている低雑音増幅器の入力1dB利得圧縮ポイント(input 1 dB gain compression point、P1dB)を−5〜−3dBm程度に、入力3次インターセプトポイント(input third order intercept point、IIP3)を+5〜7dBm程度に設定する必要がある。しかしこれを実現するためには、消費電流を10数〜20数mAに増加させる必要があり、このようにするとCDMA無線通信装置の待ち受け時間が大幅に短くなるという問題があり非常に好ましくなかった。
このデュプレクサで減衰しきれない自身の送信信号リークによる受信感度劣化に起因した待ち受け時間の短縮を改善する無線通信装置の従来例として、「無線送受信機とその受信高周波ユニット及び制御ユニット」(特許文献1参照。)および「移動通信装置」(特許文献2参照。)が知られている。いずれの方法においても、消費電流を増加し、低歪みを実現するモードと低消費電流を実現するモードを備え、同時送受信時には低歪みモード、非送信時には低消費電流モードというようにモード切換をすることにより待ち受け時間性能を改善している。モード切換を実現する方法としては、特許文献1では2種類の低雑音増幅器を高周波スイッチで切換える方法を用いることが記載されており、また特許文献2では低雑音増幅器に流れる電流を切換える方法を用いる点が記載されている。
また、受信回路1803には周波数変換のためダウンミキサを使用している。このダウンミキサにおいても低雑音増幅器と同様に送信信号リークによる受信感度劣化が生じる。低雑音増幅器とダウンミキサが直結されていると低雑音増幅器で増幅された送信信号リークがダウンミキサに入力されるため、より大きな受信感度劣化が生じる。この改善のためにダウンミキサの電流を増加させると低雑音増幅器以上の消費電流が必要となる。そのため、通常は低雑音増幅器とダウンミキサの間に段間フィルタを用いてダウンミキサに入力される送信信号リークを低減している。なお、上述した文献の全ての開示は、そっくりそのまま引用することにより、ここに一体化する。
特開平11−274968号公報 特開2000−286746号公報
しかしながら、前記の従来の無線通信装置では、同時送受信で送信回路の動作する前に低歪みモードへの切換えを終了し、同時送受信が終了するまで低歪みモードを維持する必要がある。そのため、送信のON/OFFを頻繁に行う場合、待ち受け時間性能の改善は小さい。また、モードを切換えるための制御回路の消費電流が増えてしまう。
また、低雑音アンプとダウンミキサの間に段間フィルタが必要となるため、無線部が大きくなってしまう。
また、無線通信装置が基地局から距離的に近い場合、受信信号レベルが大きく送信信号電力が小さくなる。このとき、図31に示す無線通信装置において、アンテナ1801から入力された受信信号がデュプレクサ1802において送信回路1804にリークすると、送信信号の雑音特性が劣化していた。
本発明は、上記の課題を鑑み、待ち受け時間が短縮されることなく、同時送受信時の受信感度劣化を低減することができる、無線通信装置、無線通信方法を提供することを目的とする。
また、そのために差動信号を出力することができるアンテナ装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、同時送受信時の送信信号の劣化を低減することができる、無線通信装置、無線通信方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の本発明は、第1のアンテナと、
第1の周波数帯の送信信号を出力する第1の送信装置と、
前記第1のアンテナに接続され、単相入力端子および平衡出力端子を有し、前記単相入力端子に入力された前記送信信号を前記第1のアンテナに伝達し、前記第1のアンテナから受信された、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯の受信信号を、実質上差動信号として前記平衡出力端子から出力する第1のデュプレクサと、
前記平衡出力端子に接続され、同相成分の信号の利得よりも差動成分の信号の利得が大きいか、または同相成分の信号の損失よりも差動成分の信号の損失が小さい回路を有する第1の受信装置と、を備える無線通信装置である。
第2の本発明は、前記第1のデュプレクサは、第1の移相器と、第2の移相器と、第3の移相器と、第4の移相器と、第5の移相器と、第6の移相器とを有し、
前記第1のアンテナは、前記第1の移相器および前記第2の移相器に接続され、
前記第1の受信装置は、前記第3の移相器および前記第4の移相器を介して前記第1の移相器および前記第2の移相器にそれぞれ接続され、
前記第1の送信装置は、前記第5の移相器および前記第6の移相器を介して第1の移相器および第2の移相器にそれぞれ接続され、
前記第3の移相器および前記第4の移相器は、前記第5の移相器および前記第6の移相器にそれぞれ接続され、
前記第1の移相器と前記第2の移相器の移相量の差が実質上90度であり、
前記第3の移相器と前記第4の移相器の移相量の差が実質上90度であり、
前記第5の移相器と前記第6の移相器の移相量の差が実質上−90度である、第1の本発明の無線通信装置である。
第3の本発明は、第1の送信装置に接続された単相入力端子と、
第1の受信装置に接続された平衡出力端子と、を備え、
前記第1の送信装置は、第1の周波数帯の送信信号を出力し、
前記単相入力端子に入力された前記送信信号を前記第1のアンテナに伝達し、前記第1のアンテナから受信された、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯の受信信号を、実質上差動信号として前記平衡出力端子に出力し、
前記第1の受信装置は、同相成分の信号の利得よりも差動成分の信号の利得が大きいか、または同相成分の信号の損失よりも差動成分の信号の損失が小さい回路を有している、第1のデュプレクサである。
第4の本発明は、受信信号を給電するための第1の給電点を有し、2つ以上の偏波を有する第2のアンテナと、
前記第2のアンテナに並んで配置され、受信信号を給電するための第2の給電点を有し、2つ以上の偏波を有する第3のアンテナと、を備え、
前記第1の給電点は、前記第2のアンテナの受信信号の実質上励振方向側に設置され、
前記第2の給電点は、前記第3のアンテナの受信信号の実質上励振方向と逆の側に設置されているアンテナ装置である。
第5の本発明は、前記第2のアンテナは、送信信号を給電するための第3の給電点を有し、
前記第3のアンテナは、送信信号を給電するための第4の給電点を有し、
前記第3の給電点は、前記第2のアンテナの送信信号の実質上励振方向と逆の側に設置され、
前記第4の給電点は、前記第3のアンテナの送信信号の実質上励振方向と逆の側に設置されている、第4の本発明のアンテナ装置である。
第6の本発明は、送信信号を出力する第2の送信装置と、
第5の本発明のアンテナ装置と、
前記第2のアンテナおよび前記第3のアンテナに接続され、単相入力端子および平衡出力端子を有し、前記単相入力端子に入力された前記送信信号を前記第2および第3のアンテナに伝達し、前記第2のアンテナおよび前記第3のアンテナにより受信された受信信号を前記平衡出力端子から出力する第2のデュプレクサと、
前記平衡出力端子に接続され、同相成分の信号よりも差動成分の信号の利得が大きいか、または同相成分の信号の損失よりも差動成分の信号の損失が小さい回路を有する第1の受信装置と、を備える無線通信装置である。
第7の本発明は、第1のアンテナと、
送信信号を差動信号として出力する第3の送信装置と、
前記第1のアンテナに接続され、平衡入力端子および単相出力端子を有し、前記平衡入力端子に入力された前記送信信号を単相信号として前記第1のアンテナに伝達し、前記第1のアンテナにより受信された単相の受信信号を前記単相出力端子に出力する第3のデュプレクサと、
前記単相出力端子に接続されている第2の受信装置と、を備えている無線通信装置である。
第8の本発明は、前記第3のデュプレクサは、第7の移相器と、第8の移相器と、第9の移相器と、第10の移相器と、第11の移相器と、第12の移相器とを有し、
前記第1のアンテナは、前記第7の移相器および前記第8の移相器に接続され、
前記第2の受信装置は、前記第9の移相器および前記第10の移相器を介して前記第7の移相器および前記第8の移相器にそれぞれ接続され、
前記第3の送信装置は、前記第11の移相器および前記第12の移相器を介して前記第7の移相器および前記第8の移相器にそれぞれ接続され、
前記第9の移相器および前記第10の移相器は、前記第11の移相器および前記第12の移相器にそれぞれ接続され、
前記第7の移相器と前記第8の移相器の移相量の差が実質上−90度であり、
前記第9の移相器と前記第10の移相器の移相量の差が実質上90度であり、
前記第11の移相器と前記第12の移相器の移相量の差が実質上−90度である、第7の本発明の無線通信装置である。
第9の本発明は、第4および第5のアンテナと、
送信信号を差動信号として出力する第3の送信装置と、
前記第4のアンテナおよび前記第5のアンテナに接続され、平衡入力端子および単相出力端子を有し、前記平衡入力端子に入力された前記送信信号を前記第4および第5のアンテナに伝達し、前記第4のアンテナおよび前記第5のアンテナにより受信された受信信号を前記単相出力端子に単相信号として出力する第4のデュプレクサと、
前記単相出力端子に接続されている第2の受信装置と、を備え、
前記第4および第5のアンテナは、前記送信信号を実質上差動信号として放射し、前記受信信号を実質上同相信号として前記第4のデュプレクサに伝達するよう形成および配置されている無線通信装置である。
第10の本発明は、前記第4および第5のアンテナは、前記受信信号を同相信号として前記第4のデュプレクサに伝達するよう形成および配置される代わりに、前記受信信号を差動信号として前記第3のデュプレサに伝達するよう形成および配置され、
前記第4のデュプレクサは、前記差動信号として入力された受信信号を同相信号に変換して前記単相出力端子に単相信号として出力する、第9の本発明の無線通信装置である。
第11の本発明は、第6および第7のアンテナと、
送信信号を差動信号として出力する第3の送信装置と、
前記第6のアンテナおよび前記第7のアンテナに接続され、平衡入力端子および平衡出力端子を有し、前記平衡入力端子に入力された前記送信信号を前記第6および第7のアンテナに伝達し、前記第6および前記第7のアンテナにより受信された受信信号を差動信号として前記平衡出力端子に出力し、前記送信信号の一部を前記平衡出力端子に実質上同相の信号として出力する第5のデュプレクサと、
前記平衡出力端子に接続され、同相成分の信号の利得よりも差動信号の信号の利得が大きいか、または同相成分の信号の損失よりも差動信号の信号の損失が小さい回路を有する第1の受信装置と、を備える無線通信装置である。
第12の本発明は、前記第5のデュプレクサは、第13の移相器と、第14の移相器と、第15の移相器と、第16の移相器と、第17の移相器と、第18の移相器とを有し、
前記第6のアンテナおよび前記第7のアンテナは、前記第13の移相器および前記第14の移相器にそれぞれ接続され、
前記第1の受信装置は、前記第15の移相器および前記第16の移相器を介して前記第13の移相器および前記第14の移相器にそれぞれ接続され、
前記第3の送信装置は、前記第17の移相器および前記第18の移相器を介して第13の移相器および第14の移相器にそれぞれ接続され、
前記第15の移相器および前記第16の移相器は、前記第17の移相器および前記第18の移相器にそれぞれ接続され、
前記第13の移相器と前記第14の移相器の移相量の差が実質上−90度であり、
前記第15の移相器と前記第16の移相器の移相量の差が実質上90度であり、
前記第17の移相器と前記第18の移相器の移相量の差が実質上90度である、第11の本発明の無線通信装置である。
第13の本発明は、前記第1の受信装置は、同相成分の信号よりも差動成分の信号の利得が大きい増幅器を有する、第1、6、11、12のいずれかの本発明の無線通信装置である。
第14の本発明は、前記第1の受信装置は、同相成分の信号よりも差動信号の損失が小さいフィルタを有する、第1、6、11、12のいずれかの本発明の無線通信装置である。
第15の本発明は、前記第1の受信装置は、前記増幅器の後段に接続され前記受信信号をダウンコンバートするダウンミキサを有し、
前記ダウンミキサは、同相成分の信号よりも差動信号の利得が大いか、または同相成分の信号よりも差動信号の損失が小さい、第13の本発明の無線通信装置である。
第16の本発明は、前記差動信号としての受信信号の一方の信号がそのベース側に入力される第1のトランジスタと、
前記差動信号としての受信信号の他方の信号がそのベース側に入力される第2のトランジスタと、を有し、
前記第1のトランジスタのエミッタ側と前記第2のトランジスタのエミッタ側が接続され、
前記接続点は、所定のインダクタンスを有する第1のインダクタを介してグラウンドに接続されている、第15の本発明の無線通信装置である。
第17の本発明は、送信信号を出力する第2の送信装置と、
アンテナ装置と、
前記アンテナ装置に接続され、単相入力端子および平衡出力端子を有し、前記単相入力端子に入力された前記送信信号を前記アンテナ装置に伝達し、前記アンテナ装置により受信された受信信号を前記平衡出力端子から出力する第6のデュプレクサと、を備え、
前記第6のデュプレクサは、前記受信信号の周波数帯における差動信号に対するインピーダンスが、前記送信信号の周波数帯における単相信号に対するインピーダンスよりも高い、無線通信装置である。
第18の本発明は、前記第6のデュプレクサは、前記受信信号の周波数帯における差動信号を実質上通過させず、前記送信信号の周波数帯における単相信号を実質上損失なく通過させる、第17の本発明の無線通信装置である。
第19の本発明は、前記第6のデュプレクサは、前記受信信号の周波数帯域の波長の実質上1/4の長さを有する1/4波長線路を2つ有しており、前記1/4波長線路の各一方側に前記単相信号が伝えられ、前記1/4波長線路の各他方側に前記アンテナ装置が接続されている、第18の本発明の無線通信装置である。
第20の本発明は、前記第6のデュプレクサは、そのインピーダンスの中点に前記単相信号が伝えられる並列共振回路を有し、前記並列共振回路は、前記受信信号の周波数帯域において共振する、第17の本発明の無線通信装置である。
第21の本発明は、第1のデュプレクサの単相入力端子に入力された、第1の周波数帯の送信信号を第1のアンテナに伝達する工程と、
前記第1のアンテナから受信された、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯の受信信号を、実質上差動信号として、前記第1のデュプレクサの平衡出力端子から出力する工程と、
前記実質上差動信号として出力された受信信号において、同相成分の信号の利得よりも差動成分の信号の利得を大きくするか、もしくは同相成分の信号の損失よりも差動成分の信号の損失を小さくする工程と、を備える無線通信方法である。
本発明によれば、同時送受信時の受信感度劣化を低減した無線通信装置、無線通信方法を提供することができる。
また、本発明によれば受信信号を差動信号として出力することができるアンテナ装置を提供することができる。
また、本発明によれば、同時送受信時の送信信号の劣化を低減した無線通信装置、無線通信方法を提供することができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線通信装置の回路図である。同図において、101は本発明の第1のアンテナに一例として対応する、単相入出力型のアンテナ、102は送信入力端子が単相入力型であり、アンテナ入出力端子が単相入出力型であり、受信出力端子が平衡出力型である、本発明の第1のデュプレクサの一例であるデュプレクサ(アンテナ共用器)、103は、本発明の第1の受信装置の一例である差動入力の受信回路、104は、本発明の第1の送信装置の一例である単相出力型の送信回路である。デュプレクサ102は、アンテナ入出力端子から入力された受信信号の周波数帯(本発明の第2の周波数帯に対応)の信号を差動信号として受信出力端子に出力し、送信入力端子から入力された送信信号の周波数帯(本発明の第1の周波数帯に対応)の信号の一部(送信信号リーク)を同相信号として受信出力端子から出力する。
図1に示す無線通信装置では、従来例と同様に基地局から送信された無線周波信号をアンテナ101で受信したのちデュプレクサ102を介して受信回路103に入力し、ここで高周波増幅しかつ受信帯域外の不要波を除去したのち中間周波信号に変換し、この受信中間周波信号を復調してベースバンド信号に変換する。また送信ベースバンド信号を、所定の信号処理を施したのち送信回路104に入力し、ここで搬送波信号を変調し、この変調搬送波信号を無線周波数に変換しかつ所定の送信電力に増幅したのち、デュプレクサ102を介してアンテナ101から基地局へ向け送信するように構成されている。また、デュプレクサ102に入力された送信信号の一部が受信回路103にリークする。
本発明の実施の形態1の無線通信装置の動作について、図2を用いさらに詳しく説明する。アンテナ101で受信された所望受信信号はデュプレクサ102に単相信号として入力され、入力された単相信号は差動信号に変換され、受信回路103に入力される。その一方、送信回路104から出力される送信信号はデュプレクサ102より単相信号としてアンテナ101に出力され、また、その一部はデュプレクサ102から受信回路103にリークする。この送信信号リークは同相信号として受信回路103に入力される。ここで受信回路103、特に本発明の増幅器の一例である低雑音増幅器105、本発明のフィルタの一例である段間フィルタ106、ダウンミキサ107として同相除去比(CMRR:Common Mode Rejection Ratio)の大きい回路構成を用いる。その結果、受信回路103の低雑音増幅器105およびダウンミキサ107において、差動信号である受信信号の利得に比べて同相信号である送信信号リークの利得を小さくできる。また、段間フィルタ106は、上記のように差動所望波を選択的に通過させ、同相の妨害波を選択的に抑圧する。そのため、同相/差動の区別のない単相(1入力1出力)の同じ大きさのフィルタと比較して、同相信号である送信信号リークを大きく減衰できる。
受信感度劣化要因である送信信号リークによる雑音特性の劣化、利得圧縮、混変調歪みは、低雑音増幅器105またはダウンミキサ107が送信信号リークにより飽和することにより生じる。その要因として、送信信号リークのレベルは受信信号に比べて非常に大きいことがあげられる。このため、従来の無線通信装置では受信信号を必要なレベルまで増幅すると送信信号リークも増幅され、低雑音増幅器105またはダウンミキサ107が飽和してしまっていた。しかしながら、図1の無線通信装置は受信信号のみを増幅することが可能であるため、低雑音増幅器105またはダウンミキサ107の飽和を低減することができる。
このように図1に示す無線通信装置は、受信信号は差動信号で受信回路103に入力し、送信信号リークは同相信号で受信回路103に入力する回路構成を用い、受信回路103に同相除去比の大きな回路を用いることにより、受信回路103における消費電流を増加させることなく同時送受信時の受信感度劣化を低減することができる。また、これによりデュプレクサ102の送信信号の周波数帯の減衰量を小さくでき、その結果デュプレクサ102の大きさを小さくできる。
なお、アンテナ101の代わりに差動アンテナを用いてもよい。
なお、受信回路103において、低雑音増幅器105、ダウンミキサ107の同相除去比が十分に大きい場合、段間フィルタ106を用いない構成としてもよい。このとき、IC化の困難な段間フィルタ106を用いないため、無線ICの1チップ化が容易となり、無線部の小型化が可能となる。この構成は特にダイレクトコンバージョン方式の場合に有効である。
図3にデュプレクサ102の構成例を示す。
図3において、移相器2901+は本発明の第1の移相器に対応し、移相器2901−は本発明の第2の移相器に対応し、移相器2902+は本発明の第3の移相器に対応し、移相器2902−は本発明の第4の移相器に対応し、移相器2903+は本発明の第5の移相器に対応し、移相器2903−は本発明の第6の移相器に対応する。
アンテナ101で受信された受信信号は、移相器2901+、2901−および移相器2902+、2902−をそれぞれ介して受信回路103に入力される。送信回路104より出力された送信信号は、移相器2903+、2903−および移相器2901+、2901−をそれぞれ介してアンテナ101に入力される。
次に本発明のデュプレクサ102の動作についてさらに詳しく説明する。移相器2901+、2901−、2902+、2902−、2903+、2903−の位相変化量をそれぞれΦANT1、ΦANT2、ΦRX1、ΦRX2、ΦTX1、ΦTX2とすると、各位相変化量には次のような関係がある。
(数1)
ΦANT1 − ΦANT2 =90° (1)
ΦRX1 − ΦRX2 =90° (2)
ΦTX1 − ΦTX2 =−90° (3)
これにより、アンテナ101で受信された単相受信信号は、差動信号として受信回路103に入力される。また、送信回路104より出力された単相送信信号は、単相信号としてアンテナ101に入力される。さらに、送信回路104より出力された単相送信信号は、同相信号として受信回路103へ入力される。
このような構成をとることにより、アンテナ101から受信された信号を差動信号として受信回路103に出力し、送信回路104の出力信号のリークを同相信号として受信回路103に出力するデュプレクサ102が実現できる。また、その結果、同時送受信時の受信感度劣化を低減することができる。
なお、移相器2901+、2901−、2902+、2902−、2903+、2903−の代わりに式(1)−(3)の位相関係を満たすフィルタを用いてもよい。
図3の回路を具体的に実現するものとして図4に示す構成を用いてもよい。図4において、線路3201、線路3202は、それぞれ図3における移相器2901+、2901−に対応し、線路3201と線路3202の線路長差は1/4波長である。線路3203は、1/4波長線路であり、バンドパスフィルタ3204は、送信周波数帯域の信号に対して十分に低いインピーダンスを有し、受信周波数帯域の信号を通過させる特性を有する。線路3203およびバンドパスフィルタ3204は、図3に示す移相器2902+に対応する。バンドパスフィルタ3205は、送信周波数帯域の信号に対して十分高いインピーダンスを有し、受信周波数帯域の信号を通過させる特性を有する。このバンドパスフィルタ3205は、図3に示す移相器2902−に対応する。バンドパスフィルタ3206は、受信周波数帯域の信号に対して十分高いインピーダンスを有し、送信周波数帯域の信号を通過させる特性を有する。このバンドパスフィルタ3206は、図3に示す移相器2903+に対応する。バンドパスフィルタ3208は、受信周波数帯域の信号に対して十分低いインピーダンスを有し、送信周波数帯域の信号を通過させる特性を有する。線路3207は、1/4波長線路である。バンドパスフィルタ3208および線路3207は、図3に示す移相器2903−に対応する。
このような構成の回路を用いることにより、ノードA1、A2から見た送信周波数帯域における受信回路103側のインピーダンスが十分高くなり、送信回路104からアンテナ101へ送信された信号の損失が低減される。さらに、ノードA1、A2から見た、受信信号帯域における送信回路104側のインピーダンスが十分高くなり、アンテナ101から受信回路103へ受信された信号の損失が低減される。
図5に同相除去比の大きな低雑音増幅器105の構成例を示す。同図において、301+は、本発明の第1のトランジスタの一例であり、301−は、本発明の第2のトランジスタの一例である。302+、302−はトランジスタ、303+、303−、304、305+、305−はインダクタ、306+、306−、307+、307−はキャパシタ、308はバイアス回路である。入力ノードP1+、P1−はキャパシタ306+、306−を介してトランジスタ301+、301−のベースにそれぞれ接続され、トランジスタ301+、301−のコレクタはトランジスタ302+、302−のエミッタにそれぞれ接続され、トランジスタ302+、302−のコレクタはキャパシタ307+、307−を介して出力ノードP2+、P2−にそれぞれ接続される。トランジスタ301+、301−のエミッタはインダクタ303+、303−を介して互いにそれぞれ接続され、インダクタ303+、303−の接続点は、本発明の第1のインダクタの一例であるインダクタ304を介してグラウンドノードにそれぞれ接続される。トランジスタ302+、302−のベースは互いに接続される。電源電圧ノードVccはインダクタ305+、305−を介してトランジスタ302+、302−のコレクタにそれぞれ接続される。また、バイアス回路308はトランジスタ301+、301−、302+、302−のベースにバイアスを供給する。
図5に示す低雑音増幅器105の動作についてさらに詳しく説明する。入力ノードP1+、P1−に入力された差動信号は、インダクタ303+、303−の接続点を仮想グラウンドとして増幅される。一方、入力ノードP1+、P1−に入力された同相信号は、インダクタ304に接続されたグラウンドノードをグラウンドとして増幅される。そのため、インダクタ304のインダクタ値を大きくするとトランジスタ301+、301−のエミッタとグラウンドノードが分離されるため、同相信号の利得は差動信号と比べて小さくなる。すなわち、差動信号に対して得られる出力ノードP2+およびP2−と上記接続点との間の信号電圧は、同相信号に対して得られる出力ノードP2+およびP2−と接地点との間の信号電圧よりも大きくなる。また、トランジスタ301+、301−のエミッタとグラウンド間の同相信号に対するインピーダンスが差動信号に対するインピーダンスと比べて大きくなるため、入力ノードを差動信号に対してマッチングさせると、同相信号に対してはミスマッチの状態となる。これらの結果、この低雑音増幅器105は、同じレベルの差動信号および同相信号を入力したとき、出力される同相信号は差動信号と比べて大きく抑圧される、すなわち同相除去比が大きくとれる。
図6はこの低雑音増幅器105のミックスモードSパラメータのシミュレーション結果である。インダクタ303+、303−は1nH、インダクタ304は8nHである。また、入力ノードおよび出力ノードには、差動信号に対するSパラメータSdd11、Sdd22が2.15GHzで100Ωになるように整合回路を接続している。図6(a)より、Sdd11にマッチングさせるとScc11がミスマッチになることがわかる。また、図6(b)より、Sdd21に対してScc21が15dB低い、すなわち同相除去比が15dBあることがわかる。
このように図5に示す低雑音増幅器105は、トランジスタ301+、301−のエミッタとグラウンドの間の差動信号に対するインピーダンスと比較し同相信号に対するインピーダンスを大きくすることにより、同相除去比を大きくすることができる。
なお、インダクタ304の代わりに図7(a)に示すように第2のインダクタの一例であるインダクタ501と第1のキャパシタの一例であるキャパシタ502を並列接続し、同相信号(送信信号リーク)の周波数で並列共振している回路を用いてもよい。このような構成により、IC化の困難な大きなインダクタを用いることなくトランジスタ301+、301−のエミッタとグラウンドの間の差動信号に対するインピーダンスと比較し同相信号に対するインピーダンスを大きくすることができ、同相除去比を大きくすることができる。また、図7(b)に示すように第2のインダクタの別の一例であるインダクタ503と抵抗504を並列接続した回路を用いてもよい。このような構成により、IC化の困難な大きなインダクタを用いることなく抵抗における損失により同相信号に対する低雑音増幅器105の利得を低減することができ、同相除去比を大きくすることができる。
図8に同相除去比の大きなフィルタの構成例を示す。同図において、601、602は通過周波数の2分の1の波長線路、603、604はインダクタ、605、606+、606−、607はキャパシタである。入力ノードP1+、P1−は、キャパシタ606+、606−を介して出力ノードP2+、P2−に接続される。2分の1波長線路601、インダクタ603、キャパシタ605は、入力ノードP1+、P1−の間に接続される。2分の1波長線路602、インダクタ604、キャパシタ607は、出力ノードP2+、P2−の間に接続される。
図8に示すフィルタの動作についてさらに詳しく説明する。差動信号に対して2分の1波長線路601、602はオープンの回路に、同相信号に対して2分の1波長線路601、602はショートの回路になる。そのため、入力ノードP1+、P1−に入力された差動信号は、インダクタ603、604およびキャパシタ605、606+、606−、607で構成された帯域通過フィルタで周波数選択がなされたのち、出力ノードP2+、P2−に出力される。一方、入力ノードP1+、P1−に入力された同相信号は、2分の1波長線路601、602で反射されるため、理想的には出力ノードP2+、P2−に出力されない。よって、通過帯域内の差動信号に対する同相信号を抑圧する、すなわち同相除去比を大きくとれる。
このように図8に示すフィルタは、差動信号に対してオープン、同相信号に対してショートの回路を用いることにより、同相除去比を大きくすることができる。
なお、2分の1波長線路601、602の代わりに図9(a)に示す回路を用いてもよい。同図において、インダクタ701は第3のインダクタの一例であり、キャパシタ702+は第2のキャパシタの一例であり、キャパシタ702−は第3のキャパシタの一例である。インダクタ701は入力ノードP1+、P1−間に接続され、キャパシタ702+、702−は入力ノードP1+、P1−とグラウンドの間にそれぞれ接続される。このとき、インダクタ701のインダクタンス値を2L、キャパシタ702+、702−の容量値をそれぞれCとすると、差動信号の周波数fdが、
(数2)
fd=1/{2π(LC)1/2
となるようにL、Cの値を決める。また、図9(b)に示す回路を用いてもよい。同図において、キャパシタ703は第4のキャパシタの一例であり、インダクタ704+は第4のインダクタの一例であり、インダクタ704−は第5のインダクタの一例である。キャパシタ703は入力ノードP1+、P1−間に接続され、インダクタ704+、704−は入力ノードP1+、P1−とグラウンドの間にそれぞれ接続される。このとき、キャパシタ703の容量値を2C、インダクタ704+、704−のインダクタンス値をそれぞれLとすると、差動信号の周波数fdが
(数3)
fd=1/{2π(LC)1/2
となるようにL、Cの値を決める。このような構成をとることにより、集中定数回路で差動信号に対してオープン、同相信号に対して低インピーダンスの回路を実現できるため、フィルタの小型化が可能となる。特に送信信号の周波数帯が受信信号の周波数帯と比較して高い場合には図9(a)の構成が望ましく、送信信号の周波数帯が受信信号の周波数帯と比較して低い場合には図9(b)の構成が望ましい。
図10に同相除去比の大きなダウンミキサ107の構成例を示す。同図において、801+、801−、802+、802−、803+、803−はトランジスタ、804+、804−、805、806+、806−はインダクタ、807+、807−、808+、808−、809+、809−はキャパシタ、810はバイアス回路である。入力ノードP1+、P1−はキャパシタ807+、807−を介してトランジスタ801+、801−のベースにそれぞれ接続され、トランジスタ801+、801−のコレクタはトランジスタ802+、802−、803+、803−のエミッタにそれぞれ接続される。トランジスタ802+、802−のコレクタは共にキャパシタ809+を介して出力ノードP3+に接続され、トランジスタ803+、803−のコレクタは共にキャパシタ809−を介して出力ノードP3−に接続される。入力ノードP2+は、キャパシタ808+を介してトランジスタ802+、803−に接続され、入力ノードP2−は、キャパシタ808−を介してトランジスタ802−、803+に接続される。トランジスタ801+、801−のエミッタはインダクタ804+、804−を介して互いに接続され、インダクタ804+、804−の接続点はインダクタ805を介してグラウンドノードに接続される。トランジスタ802+、802−のコレクタはインダクタ806+を介して電源電圧ノードVccに接続され、トランジスタ803+、803−のコレクタはインダクタ806−を介して電源電圧ノードVccに接続される。また、バイアス回路810はトランジスタ801+、801−、802+、802−、803+、803−のベースにバイアスを供給する。
図10に示すダウンミキサ107の動作についてさらに詳しく説明する。入力ノードP1+、P1−よりアンテナで受信されたRF信号が入力され、入力ノードP2+、P2−より局部発振器の出力であるローカル信号が入力され、出力ノードP3+、P3−よりRF信号とローカル信号の差の周波数であるIF信号および各信号の高調波、相互変調波が出力される。入力ノードP1+、P1−に入力された差動信号は、インダクタ804+、804−の接続点を仮想グラウンドとして増幅される。一方、入力ノードP1+、P1−に入力された同相信号は、インダクタ805に接続されたグラウンドノードをグラウンドとして増幅される。そのため、インダクタ805のインダクタ値を大きくするとトランジスタ801+、801−のエミッタとグラウンドノードが分離されるため、同相信号の利得は差動信号と比べて小さくなる。また、トランジスタ801+、801−のエミッタとグラウンド間の同相信号に対するインピーダンスが差動信号に対するインピーダンスと比べて大きくなるため、入力ノードを差動信号に対してマッチングさせると、同相信号に対してはミスマッチの状態となる。これらの結果、この低雑音増幅器105は、同じレベルの差動信号および同相信号を入力したとき、出力される同相信号は差動信号と比べて大きく抑圧される、すなわち同相除去比が大きくとれる。
このように図10に示すダウンミキサ107は、トランジスタ801+、801−のエミッタとグラウンドの間の差動信号に対するインピーダンスと比較し同相信号に対するインピーダンスを大きくすることにより、同相除去比を大きくすることができる。
なお、図5に示す低雑音増幅器105と同様に、インダクタ705の代わりに図7(a)に示す回路を用いてもよい。また、図7(b)に示す回路を用いてもよい。
(実施の形態2)
図11は本発明の実施の形態2に係る無線通信装置の回路図である。図11において、図1に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を省略する。同図において、902は各端子が単相入出力のデュプレクサ、905は単相入力、平衡出力で、受信信号の周波数帯の信号は差動信号として出力し、送信信号の周波数帯の信号は同相信号として出力する移相器である。ここで、本発明の第1のデュプレクサはデュプレクサ902および移相器905に一例として対応する。
図11に示す無線通信装置では、図1と同様に基地局から送信された無線周波信号をアンテナ101で受信したのちデュプレクサ902および移相器905を介して受信回路103に入力し、ここでベースバンド信号に変換する。また送信ベースバンド信号を、所定の信号処理を施したのち送信回路104に入力し、ここで無線周波数に変換しかつ所定の送信電力に増幅したのち、デュプレクサ902を介してアンテナ101から基地局へ向け送信するように構成されている。また、デュプレクサ902に入力された送信信号の一部が受信回路103にリークする。
図11に示す無線通信装置の動作についてさらに詳しく説明する。アンテナ101で受信された所望受信信号はデュプレクサ902を介して移相器905に入力され、ここで差動信号に変換され、受信回路103に入力される。その一方、送信回路104から出力される送信信号の一部はデュプレクサ902から移相器905にリークする。この送信信号リークは移相器905で同相信号に変換され、受信回路103に入力される。ここで受信回路103、特に低雑音増幅器105、段間フィルタ106、ダウンミキサ107として同相除去比(CMRR:Common Mode Rejection Ratio)の大きい回路構成を用いる。その結果、受信回路103の低雑音増幅器105およびダウンミキサ107において、差動信号である受信信号の利得に比べて同相信号である送信信号リークの利得を小さくできる。また、段間フィルタ106において同相信号である送信信号リークを単相のフィルタと比較して大きく減衰できる。
このように図11に示す無線通信装置は、受信信号は差動信号で受信回路103に入力し、送信信号リークは同相信号で受信回路103に入力する回路構成を用い、受信回路103に同相除去比の大きな回路を用いることにより、受信回路103における消費電流を増加させることなく同時送受信時の受信感度劣化を低減することができる。また、これによりデュプレクサ902の送信信号の周波数帯の減衰量を小さくでき、その結果デュプレクサ902の大きさを小さくできる。
なお、受信回路103において、低雑音増幅器105、ダウンミキサ107の同相除去比が十分に大きい場合、段間フィルタ106を用いない構成としてもよい。このとき、IC化の困難な段間フィルタ106を用いないため、無線ICの1チップ化が容易となり、無線部の小型化が可能となる。この構成は特にダイレクトコンバージョン方式の場合に有効である。
図12に移相器905の構成例を示す。同図において、1001は位相遅れ移相回路、1002は位相進み移相回路、1003+、1003−は、第1の帯域通過フィルタ、第2の帯域通過フィルタの一例である、Jインバータタイプのフィルタ回路である。入力ノードP1は移相回路1001および移相回路1002に接続され、移相回路1001、1002の出力はフィルタ回路1003+、1003−にそれぞれ接続され、フィルタ回路1003+、1003−の出力は出力ノードP2+、P2−にそれぞれ接続される。
位相遅れ移相回路1001は、並列接続の第5のキャパシタの一例であるキャパシタ1011と直列接続の第6のインダクタンスの一例であるインダクタ1012で構成され、位相進み移相回路1002は並列接続の第7のインダクタクの一例であるインダクタ1014と直列接続の第6のキャパシタの一例であるキャパシタ1013で構成される。フィルタ回路1003+は並列接続のキャパシタ1015+、インダクタ1016+と直列接続のキャパシタ1017+と並列接続のキャパシタ1018+、インダクタ1019+で構成される。またフィルタ回路1003−も同様である。フィルタ回路1003+、1003−は受信信号の周波数帯の信号を通過させる帯域通過フィルタとする。このとき、送信信号の周波数帯の信号は減衰するが、送信信号リークはもともと抑圧したい妨害波であるため問題はない。
図12に示す移相器についてさらに詳しく説明する。
受信信号の周波数帯はフィルタ回路の通過帯域である。そのため、入力ノードP1より入力された受信信号の周波数帯の信号が出力ノードP2+、P2−に出力されたときの両信号の位相差は、移相回路1001、1002の通過位相差で決まる。キャパシタ1011、1013、インダクタ1012、1014の値を選ぶことにより、移相回路1001、1002の通過位相差は広帯域で180度とすることができる。すなわち、受信信号の周波数帯の信号は差動信号として出力される。
一方、送信信号の周波数帯はフィルタ回路の阻止帯域である。そのため、入力ノードP1より入力された送信信号の周波数帯の信号が出力ノードP2+、P2−に出力されたときの両信号の位相差は、フィルタ回路の影響を大きく受ける。そのため、送信信号の周波数帯の信号は移相回路1001、1002で位相差がつくものの、フィルタ回路1003+、1003−の送信信号の周波数帯の通過位相を少しずらすことにより、出力ノードP2+、P2−における位相差を0度にできる。すなわち、送信信号の周波数帯の信号は同相信号として出力される。
このように図12に示す移相器を用いることにより、受信信号を差動信号として出力し、送信信号リークを同相信号として出力する移相器が実現できる。また、その結果、同時送受信時の受信感度劣化を低減することができる。
なお、受信回路103の中に図5に示す低雑音増幅器105、図8に示すフィルタ、図10に示すダウンミキサ107を用いてもよい。
また、本実施の形態の説明においては、移相器905は、デュプレクサ902と別の構成であるとして説明したが、移相器905の機能が例えば実施の形態1のデュプレクサ102の中に含まれる構成であってもよい。
(実施の形態3)
図13は本発明の実施の形態3に係る無線通信装置の回路図である。図13において、図1に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を省略する。同図において、アンテナ1101+、アンテナ1101−は本発明の第2および第3のアンテナの一例であり、デュプレクサ1102は送信入力端子が単相入力、受信出力端子が平衡出力、アンテナ入出力端子が平衡入力・平衡出力と別端子で構成されている、本発明の第2のデュプレクサの一例である。
図13に示す無線通信装置では、図1と同様に基地局から送信された無線周波信号をアンテナ1101+、1101−で受信したのち、デュプレクサ1102に入力される。さらに、デュプレクサ1102から出力した信号を受信回路103に入力し、ここでベースバンド信号に変換する。また送信ベースバンド信号を、所定の信号処理を施したのち本発明の第2の送信装置の一例である送信回路204に入力し、ここで無線周波数に変換しかつ所定の送信電力に増幅したのち、デュプレクサ1102に入力する。さらに、この信号をデュプレクサ1102より出力してアンテナ1101+、1101−から基地局へ向け送信するように構成されている。また、デュプレクサ1102に入力された送信信号の一部が受信回路103にリークする。
本発明の実施の形態3の無線通信装置の動作について、さらに詳しく説明する。アンテナ1101+、1101−で受信された所望受信信号は差動信号としてデュプレクサ1102に入力され、さらに受信回路103に入力される。その一方、送信回路204から出力される送信信号はデュプレクサ1102より同相信号としてアンテナ1101+、1101−に出力され、またその一部はデュプレクサ1102から同相信号として受信回路103にリークする。ここで受信回路103、特に低雑音増幅器105、段間フィルタ106、ダウンミキサ107として同相除去比(CMRR:Common Mode Rejection Ratio)の大きい回路構成を用いる。その結果、受信回路103の低雑音増幅器105およびダウンミキサ107において、差動信号である受信信号の利得に比べて同相信号である送信信号リークの利得を小さくできる。また、段間フィルタ106において同相信号である送信信号リークを単相のフィルタと比較して大きく減衰できる。
このように図13に示す無線通信装置は、受信信号は差動信号で受信回路103に入力し、送信信号リークは同相信号で受信回路103に入力する回路構成を用い、受信回路103に同相除去比の大きな回路を用いることにより、受信回路103における消費電流を増加させることなく同時送受信時の受信感度劣化を低減することができる。また、これによりデュプレクサ1102の送信信号の周波数帯の減衰量を小さくでき、その結果デュプレクサ1102の大きさを小さくできる。
また、本発明実施の形態3の無線通信装置は送信回路204から出力された受信信号の周波数帯の雑音も同相信号として受信回路103に入力される。しかし、差動信号である受信信号の利得に比べて同相信号である送信信号リークの利得を小さくできるので、送信回路204からの雑音による受信感度劣化を低減できる。
このように図13に示す無線通信装置は、受信信号は差動信号で受信回路103に入力し、送信信号リークは同相信号で受信回路103に入力する回路構成を用い、受信回路103に同相除去比の大きな回路を用いることにより、送信回路204からの雑音による受信感度劣化を低減することができる。また、これによりデュプレクサ1102において送信回路204からアンテナ1101+、1101−への受信信号の周波数帯の減衰量を小さくでき、その結果デュプレクサ1102の大きさを小さくできる。
なお、受信回路103において、低雑音増幅器105、ダウンミキサ107の同相除去比が十分に大きい場合、段間フィルタ106を用いない構成としてもよい。このとき、IC化の困難な段間フィルタ106を用いないため、無線ICの1チップ化が容易となり、無線部の小型化が可能となる。この構成は特にダイレクトコンバージョン方式の場合に有効である。
図14にアンテナ1101+、1101−の構成例を示す。以下のアンテナ1101+、1101−は、2つの偏波を有するパッチアンテナとして構成される例を示す。
図14(a)において、1201+、1201−はアンテナエレメント、給電点1202+は、本発明の第2の給電点の一例である、受信信号のための給電点であり、給電点1202−は本発明の第1の給電点の一例である受信信号のための給電点である。給電点1203+は、本発明の第4の給電点の一例である送信信号のための給電点であり、1203−は、本発明の第3の給電点の一例である送信信号のための給電点である。1204+、1204−は受信信号の給電線、1205+、1205−は送信信号の給電線である。アンテナエレメント1201+、1201−で受信された受信信号は、給電点1202+、1202−より給電線1204+、1204−を介してデュプレクサ1102に入力される。デュプレクサ1102より出力された送信信号は、給電線1205+、1205−を介して給電点1203+、1203−よりアンテナエレメント1201+、1201−に入力される。
次に図14(b)、図14(c)を用いて本発明のアンテナ装置の動作についてさらに詳しく説明する。
図14(b)は受信時におけるアンテナ1101+、1101−の動作を示している。給電点1202+、1202−の位置より、受信信号としてアンテナエレメント1201+、1201−の並んでいる方向に対して平行の偏波で受信周波数帯の信号が受信され、アンテナエレメント1201+、1201−の励振方向は偏波と平行となる。この場合、給電点1202+、1202−からは逆相の信号が出力され、差動信号が給電線1204+、1204−を介してデュプレクサ1102、受信回路103に伝達される。すなわち、例えば給電点1202+がアンテナエレメント1201+の励振方向側に設置され、給電点1202−がアンテナエレメント1201−の励振方向とは逆側に設置されているとすると、給電線1204+、1204−からは差動信号が出力される。
図14(c)は送信時におけるアンテナ1101+、1101−の動作を示している。送信回路204、デュプレクサ1102より同相の送信信号が、給電線1205+、1205−を介して給電点1203+、1203−に入力される。このとき、アンテナエレメント1201+、1201−は同相で励振される。給電点1203+、1203−の位置より、アンテナエレメント1201+、1201−の並んでいる方向に対して垂直の偏波で送信信号は送信される。
このような構成をとることにより差動信号を受信し、同相信号を送信するアンテナ装置が実現できる。このとき、差動信号の偏波は水平方向、同相信号の偏波は垂直方向となる。
図15(a)にアンテナ1101+、1101−の別の構成例を示す。
図15において、図14に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
次に図15(b)、図15(c)を用いて本発明のアンテナ装置の動作についてさらに詳しく説明する。
図15(b)は受信時におけるアンテナ1101+、1101−の動作を示している。給電点1202+、1202−の位置より、受信信号としてアンテナエレメント1201+、1201−の並んでいる方向に対して垂直の偏波で受信周波数帯の信号が受信され、アンテナエレメント1201+、1201−の励振方向は偏波と平行となる。この場合、給電点1202+、1202−からは逆相の信号が出力され、差動信号が給電線1204+、1204−を介してデュプレクサ1102、受信回路103に伝達される。
図15(c)は送信時におけるアンテナ1101+、1101−の動作を示している。送信回路204、デュプレクサ1102より同相の送信信号が、給電線1205+、1205−を介して給電点1203+、1203−に入力される。このとき、アンテナエレメント1201+、1201−は同相で励振される。給電点1203+、1203−の位置より、アンテナエレメント1201+、1201−の並んでいる方向に対して水平の偏波で送信信号は送信される。
このような構成をとることにより差動信号を受信し、同相信号を送信するアンテナが実現できる。このとき、差動信号の偏波は垂直方向、同相信号の偏波は水平方向となる。
図16(a)にアンテナ1101+、1101−の別の構成例を示す。
図16において、図14に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
次に図16(b)、図16(c)を用いて本発明のアンテナの動作についてさらに詳しく説明する。
図16(b)は受信時におけるアンテナ1101+、1101−の動作を示している。アンテナエレメント1201+、1201−の並んでいる方向に対して垂直の偏波の受信周波数帯の信号は、給電点1202+、1202−の位置より偏波の方向に対して右にθ励振方向が傾いた信号と左にθ励振方向が傾いた信号とに分解され、アンテナエレメント1201+、1201−で受信される。この場合、給電点1202+、1202−からは逆相の信号が出力され、差動信号が給電線1204+、1204−を介してデュプレクサ1102、受信回路103に伝達される。
図16(c)は送信時におけるアンテナ1101+、1101−の動作を示している。送信回路204、デュプレクサ1102より同相の送信信号が、給電線1205+、1205−を介して給電点1203+、1203−に入力される。このとき、給電点1203+、1203−の位置より、アンテナエレメント1201+、1201−の並んでいる方向に対して垂直の偏波で送信信号は送信される。具体的にはアンテナエレメント1201+、1201−の励振方向はそれぞれ偏波の方向に対して右にθ傾いた方向と左にθ傾いた方向となり、その合成ベクトルが偏波の方向となる。
このような構成をとることにより差動信号を受信し、同相信号を送信するアンテナが実現できる。このとき、差動信号の偏波と同相信号の偏波はともに垂直方向となる。
なお、θ、θは45度が望ましい。
なお、アンテナエレメント1201+、1201−として、パッチアンテナ以外の平面型アレイアンテナを用いてもよい。
なお、受信信号の給電点1202+、1202−の入力インピーダンスと、送信信号の給電点1203+、1203−の入力インピーダンスが異なる構成としてもよい。この構成により、さらに送信回路204から受信回路103への送信信号のリークを小さくすることができる。
また、上述したアンテナ1101+、1101−を備える、アンテナ装置によれば、移相器905等を使用しないで、受信信号を差動信号として出力することができる。
(実施の形態4)
図17は本発明の実施の形態3に係る無線通信装置の回路図である。図17において、図1に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を省略する。同図において、アンテナ1401+は、本発明の第2のアンテナの別の一例であり、アンテナ1401−は本発明の第3のアンテナの別の一例である。デュプレクサ1402は、送信入力端子が単相入力型であり、受信出力端子が平衡出力型であり、アンテナ入出力端子が平衡入出力型である本発明の第2のデュプレクサの別の一例である。
図17に示す無線通信装置では、図1と同様に基地局から送信された無線周波信号をアンテナ1401+、1401−で受信したのち、デュプレクサ1402に入力される。さらに、デュプレクサ1402から出力した信号を受信回路103に入力し、ここでベースバンド信号に変換する。また送信ベースバンド信号を、所定の信号処理を施したのち送信回路104に入力し、ここで無線周波数に変換しかつ所定の送信電力に増幅したのち、デュプレクサ1402に入力する。さらに、この信号をデュプレクサ1402より出力してアンテナ1401+、1401−から基地局へ向け送信するように構成されている。また、デュプレクサ1402に入力された送信信号の一部が受信回路103にリークする。
本発明の実施の形態4の無線通信装置の動作について、さらに詳しく説明する。アンテナ1401+、1401−で受信された所望受信信号は差動信号としてデュプレクサ1402に入力され、さらに受信回路103に入力される。その一方、送信回路204から出力される送信信号はデュプレクサ1402より同相信号としてアンテナ1401+、1401−に出力され、またその一部はデュプレクサ1402から同相信号として受信回路103にリークする。ここで受信回路103、特に低雑音増幅器105、段間フィルタ106、ダウンミキサ107として同相除去比(CMRR:Common Mode Rejection Ratio)の大きい回路構成を用いる。その結果、受信回路103の低雑音増幅器105およびダウンミキサ107において、差動信号である受信信号の利得に比べて同相信号である送信信号リークの利得を小さくできる。また、段間フィルタ106において同相信号である送信信号リークを単相のフィルタと比較して大きく減衰できる。
このように図17に示す無線通信装置は、受信信号は差動信号で受信回路103に入力し、送信信号リークは同相信号で受信回路103に入力する回路構成を用い、受信回路103に同相除去比の大きな回路を用いることにより、受信回路103における消費電流を増加させることなく同時送受信時の受信感度劣化を低減することができる。また、これによりデュプレクサ1402の送信信号の周波数帯の減衰量を小さくでき、その結果デュプレクサ1402の大きさを小さくできる。
また、本発明実施の形態4の無線通信装置は送信回路204から出力された受信信号の周波数帯の雑音も同相信号として受信回路103に入力される。そのため、差動信号である受信信号の利得に比べて同相信号である送信信号リークの利得を小さくでき、送信回路204からの雑音による受信感度劣化を低減できる。
このように図17に示す無線通信装置は、受信信号は差動信号で受信回路103に入力し、送信信号リークは同相信号で受信回路103に入力する回路構成を用い、受信回路103に同相除去比の大きな回路を用いることにより、送信回路204からの雑音による受信感度劣化を低減することができる。また、これによりデュプレクサ1402において送信信号204からアンテナ1401+、1401−への受信信号の周波数帯の減衰量を小さくでき、その結果デュプレクサ1402の大きさを小さくできる。
なお、受信回路103において、低雑音増幅器105、ダウンミキサ107の同相除去比が十分に大きい場合、段間フィルタ106を用いない構成としてもよい。このとき、IC化の困難な段間フィルタ106を用いないため、無線ICの1チップ化が容易となり、無線部の小型化が可能となる。この構成は特にダイレクトコンバージョン方式の場合に有効である。
図18(a)にアンテナ1401+、1401−の構成例を示す。
図18(a)において、1501+、1501−はアンテナエレメント、1502+、1502−は受信信号および送信信号の給電点、1503+、1503−は受信信号および送信信号の給電線である。アンテナエレメント1501+、1501−で受信された受信信号は、給電点1502+、1502−より給電線1503+、1503−を介してデュプレクサ1402に入力される。デュプレクサ1402より出力された送信信号は、給電線1503+、1503−を介して給電点1502+、1502−よりアンテナエレメント1501+、1501−に入力される。
次に図18(b)、図18(c)を用いて本発明のアンテナの動作についてさらに詳しく説明する。
図18(b)は受信時におけるアンテナ1401+、1401−の動作を示している。受信信号としてアンテナエレメント1501+、1501−の並んでいる方向に対して平行の偏波で受信周波数帯の信号が受信された場合、アンテナエレメント1501+、1501−の励振方向は偏波と平行となる。そして、給電点1502+、1502−からは逆相の信号が出力され、差動信号が給電線1504+、1504−を介してデュプレクサ1402、受信回路103に伝達される。一方、受信信号としてアンテナエレメント1501+、1501−の並んでいる方向に対して垂直の偏波で受信周波数帯の信号が受信された場合、同様に同相信号として受信回路103に伝達され、受信回路103で減衰される。
図18(c)は送信時におけるアンテナ1401+、1401−の動作を示している。送信回路204、デュプレクサ1402より同相の送信信号が、給電線1503+、1503−を介して給電点1502+、1502−に入力される。このとき、アンテナエレメント1501+、1501−は同相で励振される。給電点1502+、1502−の位置より、アンテナエレメント1501+、1501−の並んでいる方向に対して垂直の偏波で送信信号は送信される。一方、アンテナエレメント1501+、1501−の並んでいる方向に対して水平の偏波は互いに打ち消される。本発明の第1の給電点および本発明の第3の給電点は、一例として給電点1502−に対応し、本発明の第2の給電点および本発明の第4の給電点は、一例として給電点1502+に対応する。
このような構成をとることにより差動信号を受信し、同相信号を送信するアンテナが実現できる。このとき、差動信号の偏波は水平方向、同相信号の偏波は垂直方向となる。さらに受信信号と送信信号で給電点、給電線を共有でき、給電線の占有面積を低減できる。
図19(a)にアンテナ1401+、1401−の別の構成例を示す。
図19(a)において、図18に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を省略する。
図19(b)、図19(c)において、アンテナエレメント1501+、1501−の並んでいる方向に対して受信信号はほぼ垂直に励振される。アンテナエレメント1501+の受信信号に対しアンテナエレメント1501−の受信信号は逆方向に励振される。また、アンテナエレメント1501+、1501−の並んでいる方向に対して送信信号はほぼ水平に励振される。アンテナエレメント1501+の送信信号に対しアンテナエレメント1501−の送信信号は同方向に励振される。
このような構成をとることにより差動信号を受信し、同相信号を送信するアンテナ装置が実現できる。このとき、差動信号の偏波は垂直方向、同相信号の偏波は水平方向となる。さらに受信信号と送信信号で給電点、給電線を共有でき、給電線の占有面積を低減できる。
なお、デュプレクサ1402として、図29、図30(a)、(b)のPrxin+とPtxout+、およびPrxin−とPtxout−をそれぞれ接続した構成を用いてもよい。
なお、受信回路103の中に図5に示す低雑音増幅器105、図8に示すフィルタ、図10に示すダウンミキサ107を用いてもよい。
(実施の形態5)
図20は、本発明の実施の形態5にかかる無線通信装置の回路図である。同図において、アンテナ3301は、本発明の第1のアンテナの別の一例として対応する単相入出力型のアンテナであり、デュプレクサ3302は、本発明の第3のデュプレクサの一例として対応し、その送信入力端子が平衡入力型であり、そのアンテナ入出力端子が単相入出力型であり、その受信出力端子が単相出力型である。受信回路3303は、その入力端子が単相型であり、送信回路3304は、その出力端子が平衡型であり、差動送信信号を出力する。図24にデュプレクサ3302の構成例を示す。
図24において、移相器2201+は本発明の第7の移相器に対応し、移相器2201−は本発明の第8の移相器に対応し、移相器2202+は本発明の第9の移相器に対応し、移相器2202−は本発明の第10の移相器に対応し、移相器2203+は本発明の第11の移相器に対応し、移相器2203−は本発明の第12の移相器に対応する。
アンテナ3301で受信された受信信号は、移相器2201+、2201−および移相器2202+、2202−をそれぞれ介して受信回路3303に入力される。送信回路3304より出力された送信信号は、移相器2203+、2203−および移相器2201+、2201−をそれぞれ介してアンテナ3301に入力される。
次にデュプレクサ3302の動作についてさらに詳しく説明する。移相器2201+、2201−、2202+、2202−、2203+、2203−の位相変化量をΦANT1、ΦANT2、ΦRX1、ΦRX2、ΦTX1、ΦTX2とすると、各位相変化量には次のような関係を持つ。
(数4)
ΦANT1 − ΦANT2 =−90° (4)
ΦRX1 − ΦRX2 =90° (5)
ΦTX1 − ΦTX2 =−90° (6)
これにより、アンテナ3301で受信された単相受信信号は、単相信号として受信回路3303に入力される。また、送信回路3304より出力された差動送信信号も、単相信号としてアンテナ3301に入力される。さらに、送信回路3304より出力された差動送信信号は、相殺されて受信回路3303へ入力される。
このように、図20に示す無線通信装置は、受信信号は単相信号で受信回路3303に入力し、送信信号を差動信号でデュプレクサ3302に入力する回路構成を用いることにより、受信回路3303における消費電流を増加させることなく同時送受信時の受信感度劣化を低減することができる。また、送信回路3304からの雑音による受信感度劣化を低減することができる。
なお、受信回路3303において、低雑音増幅器105、ダウンミキサ107の同相除去比が十分に大きい場合、段間フィルタ106を用いない構成としてもよい。このとき、IC化の困難な段間フィルタ106を用いないため、無線ICの1チップ化が容易となり、無線部の小型化が可能となる。この構成は特にダイレクトコンバージョン方式の場合に有効である。
また、本発明実施の形態5の無線通信装置は送信回路3304から出力された受信信号の周波数帯の雑音もデュプレクサ3302の単相受信出力において互いに打ち消し合う。そのため、送信回路3304からの雑音による受信感度劣化を低減できる。
また、移相器2201+、2201−、2202+、2202−、2203+、2203−の代わりに式(4)−(6)の位相関係を満たすフィルタを用いてもよい。
図24の回路を具体的に実現するものとして図21に示す構成を用いてもよい。図21において、線路3401、線路3402は、それぞれ図24における移相器2201+、2201−に対応し、線路3401と線路3402の線路長差は1/4波長である。線路3403は、1/4波長線路であり、バンドパスフィルタ3404は、送信周波数帯域の信号に対して十分に低いインピーダンスを有し、受信周波数帯域の信号を通過させる特性を有する。線路3403およびバンドパスフィルタ3404は、図24に示す移相器2202+に対応する。バンドパスフィルタ3405は、送信周波数帯域の信号に対して十分高いインピーダンスを有し、受信周波数帯域の信号を通過させる特性を有する。このバンドパスフィルタ3405は、図24に示す移相器2202−に対応する。バンドパスフィルタ3406は、受信周波数帯域の信号に対して十分高いインピーダンスを有し、送信周波数帯域の信号を通過させる特性を有する。このバンドパスフィルタ3406は、図24に示す移相器2203+に対応する。バンドパスフィルタ3408は、受信周波数帯域の信号に対して十分低いインピーダンスを有し、送信周波数帯域の信号を通過させる特性を有する。線路3407は、1/4波長線路である。バンドパスフィルタ3408および線路3407は、図24に示す移相器2203−に対応する。
このような構成の回路を用いることにより、ノードB1、B2から見た送信周波数帯域における受信回路3303側のインピーダンスが十分高くなり、送信回路3304からアンテナ3301へ送信された信号の損失が低減される。さらに、ノードB1、B2から見た、受信信号帯域における送信回路3304側のインピーダンスが十分高くなり、アンテナ3301から受信回路3303へ受信された信号の損失が低減される。
(実施の形態6)
図22は本発明の実施の形態6に係る無線通信装置の回路図である。同図において、アンテナ1601+は、本発明の第4のアンテナの一例であり、アンテナ1601−は、本発明の第5のアンテナの一例である。デュプレクサ1602は、受信出力端子が単相出力型であり、送信入力端子が平衡入力型であり、アンテナ入出力端子が平衡入力・平衡出力として別端子で構成されている本発明の第4のデュプレクサの一例である。
図22に示す無線通信装置では、図1と同様に基地局から送信された無線周波信号をアンテナ1601+、1601−で受信したのち、デュプレクサ1602に入力される。さらに、デュプレクサ1602から出力した信号を、本発明の第2の受信装置の一例である受信回路1603に入力し、ここでベースバンド信号に変換する。また送信ベースバンド信号を、所定の信号処理を施したのち、本発明の第3の送信装置の一例である送信回路1604に入力し、ここで無線周波数に変換しかつ所定の送信電力に増幅したのち、デュプレクサ1602に入力する。さらに、この信号をデュプレクサ1602より出力してアンテナ1601+、1601−から基地局へ向け送信するように構成されている。また、デュプレクサ1602に入力された送信信号の一部が受信回路1603にリークする。
本発明の実施の形態6の無線通信装置の動作について、さらに詳しく説明する。アンテナ1601+、1601−で受信された所望受信信号は同相信号としてデュプレクサ1602に入力され、デュプレクサ1602で単相信号となって受信回路1603に入力される。その一方、送信回路1604から出力される送信信号はデュプレクサ1602より差動信号としてアンテナ1601+、1601−に出力される。ここで、送信信号が差動信号であり、単相受信出力において互いに打ち消し合うため、デュプレクサ1602からの送信信号リークは単相信号の場合に比べて減衰できる。
このように図22に示す無線通信装置は、受信信号は単相信号で受信回路1603に入力し、送信信号を差動信号でデュプレクサ1602に入力する回路構成を用いることにより、受信回路1603における消費電流を増加させることなく同時送受信時の受信感度劣化を低減することができる。
また、本発明実施の形態6の無線通信装置は送信回路1604から出力された受信信号の周波数帯の雑音もデュプレクサ1602の単相受信出力において互いに打ち消し合う。そのため、送信回路1604からの雑音による受信感度劣化を低減できる。
このように図22に示す無線通信装置は、受信信号は単相信号で受信回路1603に入力し、送信信号を差動信号でデュプレクサ1602に入力する回路構成を用いることにより、送信回路1604からの雑音による受信感度劣化を低減することができる。
なお、受信回路1603において、低雑音増幅器105、ダウンミキサ107の同相除去比が十分に大きい場合、段間フィルタ106を用いない構成としてもよい。このとき、IC化の困難な段間フィルタ106を用いないため、無線ICの1チップ化が容易となり、無線部の小型化が可能となる。この構成は特にダイレクトコンバージョン方式の場合に有効である。
なお、アンテナ1601+、1601−として図16に示すアンテナの受信出力を送信入力に、送信入力を受信出力にした構成を用いてもよい。
また、デュプレクサ1602として、図29、図30に示すデュプレクサの受信出力を送信入力に、送信入力を受信出力にした構成を用いてもよい。
(実施の形態7)
図23は本発明の実施の形態7に係る無線通信装置の回路図である。図23において、図22に示す構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより説明を省略する。同図において、アンテナ1701+は、本発明の第4のアンテナの別の一例であり、アンテナ1701−は、本発明の第5のアンテナの別の一例である。デュプレクサ1702は、送信入力端子が単相入力型、受信出力端子が平衡出力型、アンテナ入出力端子が平衡入出力型で構成されている本発明の第4のデュプレクサの別の一例である。
図23に示す無線通信装置では、図1と同様に基地局から送信された無線周波信号をアンテナ1701+、1701−で受信したのち、デュプレクサ1702に入力される。さらに、デュプレクサ1702から出力した信号を受信回路1603に入力し、ここでベースバンド信号に変換する。また送信ベースバンド信号を、所定の信号処理を施したのち送信回路1604に入力し、ここで無線周波数に変換しかつ所定の送信電力に増幅したのち、デュプレクサ1702に入力する。さらに、この信号をデュプレクサ1702より出力してアンテナ1701+、1701−から基地局へ向け送信するように構成されている。
本発明の実施の形態7の無線通信装置の動作について、さらに詳しく説明する。アンテナ1701+、1701−で受信された所望受信信号は同相信号としてデュプレクサ1702に入力され、デュプレクサ1702で単相信号となって受信回路1603に入力される。その一方、送信回路1604から出力される送信信号はデュプレクサ1702より差動信号としてアンテナ1701+、1701−に出力される。ここで、送信信号が差動信号であり、単相受信出力において互いに打ち消し合うため、デュプレクサ1702からの送信信号リークは単相信号の場合に比べて減衰できる。
このように図23に示す無線通信装置は、受信信号は単相信号で受信回路1603に入力し、送信信号を差動信号でデュプレクサ1702に入力する回路構成を用いることにより、受信回路1603における消費電流を増加させることなく同時送受信時の受信感度劣化を低減することができる。
なお、受信回路1603において、低雑音増幅器105、ダウンミキサ107の同相除去比が十分に大きい場合、段間フィルタ106を用いない構成としてもよい。このとき、IC化の困難な段間フィルタ106を用いないため、無線ICの1チップ化が容易となり、無線部の小型化が可能となる。この構成は特にダイレクトコンバージョン方式の場合に有効である。
また、本発明実施の形態7の無線通信装置は送信回路1604から出力された受信信号の周波数帯の雑音もデュプレクサ1702の単相受信出力において互いに打ち消し合う。そのため、送信回路1604からの雑音による受信感度劣化を低減できる。
このように図23に示す無線通信装置は、受信信号は単相信号で受信回路1603に入力し、送信信号を差動信号でデュプレクサ1602に入力する回路構成を用いることにより、送信回路1604からの雑音による受信感度劣化を低減することができる。
なお、アンテナ1701+、1701−として図19に示すアンテナを用いてもよい。
なお、デュプレクサ1702として、図29、図30(a)、(b)のPrxin+とPtxout+、およびPrxin−とPtxout−をそれぞれ接続し、受信出力を送信入力に、送信入力を受信出力にした構成を用いてもよい。
(実施の形態8)
図25は本発明の実施の形態8に係る無線通信装置の回路図である。同図において、アンテナ2301+は、本発明の第6のアンテナの一例であり、アンテナ2301−は、本発明の第7のアンテナの一例である。デュプレクサ2302は、受信出力端子が平衡入力、送信入力端子が平衡出力、アンテナ入出力端子が平衡入出力で構成されている本発明の第5のデュプレクサの一例である。2303は差動入力の本発明の第1の受信装置の別の一例である受信回路、2304は、本発明の第3の送信装置の一例である差動出力の送信回路である。
図25に示す無線通信装置では、図1と同様に基地局から送信された無線周波信号をアンテナ2301+、2301−で受信したのちデュプレクサ2302を介して受信回路2303に入力し、ここでベースバンド信号に変換する。また送信ベースバンド信号を、所定の信号処理を施したのち送信回路2304に入力し、ここで無線周波数に変換しかつ所定の送信電力に増幅したのち、デュプレクサ2302を介してアンテナ2301から基地局へ向け送信するように構成されている。また、デュプレクサ2302に入力された送信信号の一部が受信回路2303にリークする。
本発明の実施の形態8の無線通信装置の動作について、さらに詳しく説明する。アンテナ2301+、2301−で受信された所望受信信号は差動信号としてデュプレクサ2302に入力され、さらに受信回路2303に入力される。その一方、送信回路2304から出力される送信信号はデュプレクサ2302より差動信号としてアンテナ2301+、2301−に出力され、またその一部はデュプレクサ2302から同相信号として受信回路2303にリークする。ここで受信回路2303、特に低雑音増幅器105、段間フィルタ106、ダウンミキサ107として同相除去比(CMRR:Common Mode Rejection Ratio)の大きい回路構成を用いる。その結果、受信回路2303の低雑音増幅器105およびダウンミキサ107において、差動信号である受信信号の利得に比べて同相信号である送信信号リークの利得を小さくできる。また、段間フィルタ106において同相信号である送信信号リークを単相のフィルタと比較して大きく減衰できる。
このように図25に示す無線通信装置は、受信信号は差動信号で受信回路2303に入力し、送信信号リークは同相信号で受信回路2303に入力する回路構成を用い、受信回路2303に同相除去比の大きな回路を用いることにより、受信回路2303における消費電流を増加させることなく同時送受信時の受信感度劣化を低減することができる。
なお、受信回路2303において、低雑音増幅器105、ダウンミキサ107の同相除去比が十分に大きい場合、段間フィルタ106を用いない構成としてもよい。このとき、IC化の困難な段間フィルタ106を用いないため、無線ICの1チップ化が容易となり、無線部の小型化が可能となる。この構成は特にダイレクトコンバージョン方式の場合に有効である。
図26にデュプレクサ2302の構成例を示す。
図26において、移相器2401+は本発明の第13の移相器に対応し、移相器2401−は本発明の第14の移相器に対応し、移相器2402+は本発明の第15の移相器に対応し、移相器2402−は本発明の第16の移相器に対応し、移相器2403+は本発明の第17の移相器に対応し、移相器2403−は本発明の第18の移相器に対応する。
アンテナ2301+、2301−で受信された受信信号は、2401+、2401−および2402+、2402−をそれぞれ介して受信回路2303に入力される。送信回路2304より出力された送信信号は、移相器2403+、2403−および2401+、2401−をそれぞれ介してアンテナ2301+、2301−に入力される。
次に本発明のデュプレクサの動作についてさらに詳しく説明する。移相器2401+、2401−、2402+、2402−、2403+、2403−の位相変化量をΦANT1、ΦANT2、ΦRX1、ΦRX2、ΦTX1、ΦTX2とすると、各位相変化量には次のような関係を持つ。
(数5)
ΦANT1 − ΦANT2 =−90° (7)
ΦRX1 − ΦRX2 =90° (8)
ΦTX1 − ΦTX2 =90° (9)
これにより、アンテナ2301+、2301−で受信された差動受信信号は、差動信号として受信回路2303に入力される。また、送信回路2304より出力された差動送信信号も、差動信号としてアンテナ2301+、2301−に入力される。さらに、送信回路2304より出力された差動送信信号は、同相信号として受信回路2303へ入力される。
このような構成をとることにより、アンテナから受信された信号を差動信号として受信回路に出力し、送信回路の出力信号のリークを同相信号として受信回路に出力するデュプレクサが実現できる。また、その結果、同時送受信時の受信感度劣化を低減することができる。
図26の回路を具体的に実現するものとして図27に示す構成を用いてもよい。図27において、線路3501、線路3502は、それぞれ図26における移相器2401+、2401−に対応し、線路3501と線路3502の線路長差は1/4波長である。線路3503は、1/4波長線路であり、バンドパスフィルタ3504は、送信周波数帯域の信号に対して十分に低いインピーダンスを有し、受信周波数帯域の信号を通過させる特性を有する。線路3503およびバンドパスフィルタ3504は、図26に示す移相器2402+に対応する。バンドパスフィルタ3505は、送信周波数帯域の信号に対して十分高いインピーダンスを有し、受信周波数帯域の信号を通過させる特性を有する。このバンドパスフィルタ3505は、図26に示す移相器2402−に対応する。線路3506は、1/4波長線路であり、バンドパスフィルタ3507は、受信周波数帯域の信号に対して十分低いインピーダンスを有し、送信周波数帯域の信号を通過させる特性を有する。線路3506およびバンドパスフィルタ3507は、図26に示す移相器2403+に対応する。バンドパスフィルタ3508は、受信周波数帯域の信号に対して十分高いインピーダンスを有し、送信周波数帯域の信号を通過させる特性を有する。このバンドパスフィルタ3508は、図26に示す移相器2403−に対応する。
このような構成の回路を用いることにより、ノードC1、C2から見た送信周波数帯域における受信回路2303側のインピーダンスが十分高くなり、送信回路2304からアンテナ22301+、2301−へ送信された信号の損失が低減される。さらに、ノードC1、C2から見た、受信周波数帯域における送信回路2304側のインピーダンスが十分高くなり、アンテナ2301+、2301−から受信回路2303へ受信された信号の損失が低減される。
なお、移相器2401+、2401−、2402+、2402−、2403+、2403−の代わりに式(7)−(9)の位相関係を満たすフィルタを用いてもよい。
なお、受信回路2303の中に図5に示す低雑音増幅器105、図8に示すフィルタ、図10に示すダウンミキサ107を用いてもよい。
(実施の形態9)
本発明の実施の形態9の無線通信装置を図28に示す。図28に示す無線通信装置の構成は、デュプレクサ3002が異なる点以外は、図13に示す無線通信装置と同様の構成であり、説明を省略する。
本発明の第6のデュプレクサに一例として対応するデュプレクサ3002には送信信号の受信回路へのリークを低減する役割と共に、受信信号の一部が送信回路にリークすることによる送信信号の雑音特性の劣化を防ぐ役割がある。このようなデュプレクサ3002の構成の一例を図29に示す。図29において、1321+、1321−は、本発明の第3の帯域通過フィルタ、第4の帯域通過フィルタの一例である。送信回路204から出力された送信信号はフィルタ1321+、1321−に分配される。フィルタ1321+、1321−から出力された送信信号はアンテナ1101+、1101−にそれぞれ入力される。
フィルタ1321+、1321−は送信信号の周波数帯の信号を選択的に通過させる。このとき、受信信号の周波数帯の差動信号に対するフィルタ1321+、1321−の入力インピーダンスは送信信号の周波数帯の同相信号に対する入力インピーダンスと比べて十分高いものとする。
このような構成をとることにより、アンテナ1101+、1101−で送信信号を送信する時に、アンテナ1101+、1101−に入力ノードPxrin+、Pxrin−を接続することによる送信信号の損失を低減したデュプレクサを実現できる。さらに、アンテナ1101+、1101−で受信信号を受信する時に、アンテナ1101+、1101−に出力ノードPtxout+、Ptxout−を接続することによる受信信号の損失を低減したデュプレクサを実現できる。
デュプレクサ3002の別の構成例を図30(a)に示す。1301、1302はフィルタ、1303+、1303−は受信信号の周波数帯における4分の1波長線路である。アンテナ1101+、1101−で受信された所望受信信号はフィルタ1301を介して受信回路103に入力される。送信回路204から出力された送信信号はフィルタ1302を介して4分の1波長線路1303+、1303−に分配される。4分の1波長線路1303+、1303−から出力された送信信号はアンテナ1101+、1101−にそれぞれ入力される。
フィルタ1302を介して入力された送信信号は同相信号であるため、1/4波長線路1303+、1303−を介して出力ノードPtxout+、Ptxout−からアンテナ1101+、1101−に出力される。
一方、アンテナ1101+、1101−で受信された受信信号は入力ノードPxrin+、Pxrin−よりフィルタ1301を介して受信回路に入力される一方で、その一部が出力ノードPtxout+、Ptxout−にリークする。このとき受信信号は差動信号であるため、1/4波長線路1303+、1303−の接続点は仮想接地とみなせる。さらに4分の1波長線路1303+、1303−の長さが受信信号の周波数帯の4分の1波長であることから、出力ノードPtxout+、Ptxout−から送信回路側を見たインピーダンスは非常に高くなり、受信信号の送信回路104へのリークは大きく低減される。
この構成により、安価な1/4波長線路1303+、1303−と1つのフィルタ1302で送信側の回路が構成できる。
デュプレクサ3002の別の構成例を図30(b)に示す。送信回路204から出力された送信信号はフィルタ1302を介してインダクタ1333+、およびインダクタ1333−に分配される。インダクタ1333+とインダクタ1333−の間にキャパシタ1334が接続されているが、同相信号である送信信号には影響を与えない。インダクタ1333+とインダクタ1333−から出力された送信信号はアンテナ1101+、1101−にそれぞれ入力される。
一方、アンテナで受信され出力ノードPtxout+、Ptxout−にリークしてきた受信信号は差動信号である。そのため、キャパシタ1334の影響を受ける。具体的にはキャパシタ1334は、キャパシタ1334を構成する電極間の中心で仮想接地されたキャパシタとみなすことができる。その場合、出力ノードPtxout+、Ptxout−にそれぞれキャパシタ1334の倍の容量のキャパシタが接続され、それらの倍の容量のキャパシタが直列に接続されていることと等価である。またインダクタ1333+とインダクタ1333−の接続点も仮想接地点とみなせる。ここで、インダクタ1333+とキャパシタ1334の倍の容量のキャパシタの共振周波数を受信信号の周波数に設計する。これにより、出力ノードPtxout+から送信回路204側を見たインピーダンスは非常に高くなり、受信信号の送信回路へのリークは大きく低減される。同様にPtxout−における受信信号の送信回路204へのリークも大きく低減される。
この構成により、インダクタとキャパシタによる安価で小型のデュプレクサ3002が実現できる。
なおインダクタ1333+、1333−の代わりにキャパシタ、キャパシタ1334の代わりにインダクタを用いてもよい。
また、キャパシタ1334の代わりに、インダクタ1333+、1333−とそれぞれ並列に接続されるキャパシタが用いられてもよい。
また、上記において、受信信号の周波数帯の差動信号に対するフィルタ1321+、1321−の入力インピーダンスは送信信号の周波数帯の同相信号に対する入力インピーダンスと比べて少しでも高ければ、程度の差はあるが上記と同様の効果を得ることができる。
なお図29、図30(a)、(b)のデュプレクサにおいて、図18に示すようなアンテナに接続する場合には、Ptxout+とPxrin+、Ptxout−とPxrin−をそれれぞれ接続した構成を用いればよい。
なお、以上までの説明において、同相信号には、厳密に同相の信号でなく、実質上同相信号である場合も含まれる。また、差動信号には、厳密に差動の信号ではなく、実質上差動信号である場合も含まれる。そのような場合も、同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、同時送受信時の受信感度劣化、または送信感度劣化を低減することができ、無線通信装置、無線通信方法等として有用である。
本発明の実施の形態1における無線通信装置の構成を示す図 本発明の実施の形態1における無線通信装置の動作を示す図 本発明の実施の形態1における無線通信装置のデュプレクサの構成例を示す回路図 本発明の実施の形態1における無線通信装置のデュプレクサの構成例を示す回路図 本発明の実施の形態1における無線通信装置の受信回路の低雑音増幅器の回路例を示す図 (a)本発明の実施の形態1における無線通信装置の受信回路の低雑音増幅器のSパラメータ差動成分および同相成分に対するS11(a)を示す図(b)本発明の実施の形態1における無線通信装置の受信回路の低雑音増幅器の差動成分および同相成分に対するS21(c)を示す図 (a)本発明の実施の形態1における無線通信装置の受信回路の低雑音増幅器の別の回路例の一部を示す図(b)本発明の実施の形態1における無線通信装置の受信回路の低雑音増幅器の別の回路例の一部を示す図 本発明の実施の形態1における無線通信装置の受信回路のフィルタの回路例を示す図 (a)本発明の実施の形態1における無線通信装置の受信回路のフィルタの別の回路例の一部を示す図(b)本発明の実施の形態1における無線通信装置の受信回路のフィルタの別の回路例の一部を示す図 本発明の実施の形態1における無線通信装置の受信回路のダウンミキサの回路例を示す図 本発明の実施の形態2における無線通信装置の構成を示す図 本発明の実施の形態2における無線通信装置の位相器の回路例を示す図 本発明の実施の形態3における無線通信装置の構成を示す図 (a)本発明の実施の形態3における無線通信装置のアンテナの構成例を示す図(b)本発明の実施の形態3における無線通信装置のアンテナの構成例を示す図(c)本発明の実施の形態3における無線通信装置のアンテナの構成例を示す図 (a)本発明の実施の形態3における無線通信装置のアンテナの構成例を示す図(b)本発明の実施の形態3における無線通信装置のアンテナの構成例を示す図(c)本発明の実施の形態3における無線通信装置のアンテナの構成例を示す図 (a)本発明の実施の形態3における無線通信装置のアンテナの構成例を示す図(b)本発明の実施の形態3における無線通信装置のアンテナの構成例を示す図(c)本発明の実施の形態3における無線通信装置のアンテナの構成例を示す図 本発明の実施の形態4における無線通信装置の構成を示す図 (a)本発明の実施の形態4における無線通信装置のアンテナの構成例を示す図(b)本発明の実施の形態4における無線通信装置のアンテナの構成例を示す図(c)本発明の実施の形態4における無線通信装置のアンテナの構成例を示す図 (a)本発明の実施の形態4における無線通信装置のアンテナの構成例を示す図(b)本発明の実施の形態4における無線通信装置のアンテナの構成例を示す図(c)本発明の実施の形態4における無線通信装置のアンテナの構成例を示す図 本発明の実施の形態5における無線通信装置の構成を示す図 本発明の実施の形態5における無線通信装置のデュプレクサの構成例を示す回路図 本発明の実施の形態6における無線通信装置の構成を示す図 本発明の実施の形態7における無線通信装置の構成を示す図 本発明の実施の形態5における無線通信装置のデュプレクサの構成を示す図 本発明の実施の形態8における無線通信装置の構成を示す図 本発明の実施の形態8における無線通信装置のデュプレクサの構成例を示す図 本発明の実施の形態8における無線通信装置のデュプレクサの構成を示す図 本発明の実施の形態9における無線通信装置の構成を示す図 本発明の実施の形態9における無線通信装置のデュプレクサの構成例を示す回路図 (a)本発明の実施の形態9における無線通信装置のデュプレクサの構成例を示す回路図(b)本発明の実施の形態9における無線通信装置のデュプレクサの構成例を示す回路図 従来の無線通信装置の構成を示す図 従来の無線通信装置における送信妨害波リークレベルと低雑音増幅器の雑音指数の関係を示す図 従来の無線通信装置における送信妨害波リークレベルと低雑音増幅器の利得の関係を示す図 従来の無線通信装置におけるQPSK変調波の位相遷移を示す図 従来の無線通信装置における大電力変調妨害波による混変調妨害のメカニズムを示す図
符号の説明
101、1101+、1101−、1401+、1401−、1601+、1601−、1701+、1701− アンテナ
102、902、1102、1402、1602、1702 デュプレクサ
103、1603 受信回路
104、1604 送信回路
905 移相器

Claims (21)

  1. 第1のアンテナと、
    第1の周波数帯の送信信号を出力する第1の送信装置と、
    前記第1のアンテナに接続され、単相入力端子および平衡出力端子を有し、前記単相入力端子に入力された前記送信信号を前記第1のアンテナに伝達し、前記第1のアンテナから受信された、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯の受信信号を、実質上差動信号として前記平衡出力端子から出力する第1のデュプレクサと、
    前記平衡出力端子に接続され、同相成分の信号の利得よりも差動成分の信号の利得が大きいか、または同相成分の信号の損失よりも差動成分の信号の損失が小さい回路を有する第1の受信装置と、を備える無線通信装置。
  2. 前記第1のデュプレクサは、第1の移相器と、第2の移相器と、第3の移相器と、第4の移相器と、第5の移相器と、第6の移相器とを有し、
    前記第1のアンテナは、前記第1の移相器および前記第2の移相器に接続され、
    前記第1の受信装置は、前記第3の移相器および前記第4の移相器を介して前記第1の移相器および前記第2の移相器にそれぞれ接続され、
    前記第1の送信装置は、前記第5の移相器および前記第6の移相器を介して第1の移相器および第2の移相器にそれぞれ接続され、
    前記第3の移相器および前記第4の移相器は、前記第5の移相器および前記第6の移相器にそれぞれ接続され、
    前記第1の移相器と前記第2の移相器の移相量の差が実質上90度であり、
    前記第3の移相器と前記第4の移相器の移相量の差が実質上90度であり、
    前記第5の移相器と前記第6の移相器の移相量の差が実質上−90度である、請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 第1の送信装置に接続された単相入力端子と、
    第1の受信装置に接続された平衡出力端子と、を備え、
    前記第1の送信装置は、第1の周波数帯の送信信号を出力し、
    前記単相入力端子に入力された前記送信信号を前記第1のアンテナに伝達し、前記第1のアンテナから受信された、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯の受信信号を、実質上差動信号として前記平衡出力端子に出力し、
    前記第1の受信装置は、同相成分の信号の利得よりも差動成分の信号の利得が大きいか、または同相成分の信号の損失よりも差動成分の信号の損失が小さい回路を有している、第1のデュプレクサ。
  4. 受信信号を給電するための第1の給電点を有し、2つ以上の偏波を有する第2のアンテナと、
    前記第2のアンテナに並んで配置され、受信信号を給電するための第2の給電点を有し、2つ以上の偏波を有する第3のアンテナと、を備え、
    前記第1の給電点は、前記第2のアンテナの受信信号の実質上励振方向側に設置され、
    前記第2の給電点は、前記第3のアンテナの受信信号の実質上励振方向と逆の側に設置されているアンテナ装置。
  5. 前記第2のアンテナは、送信信号を給電するための第3の給電点を有し、
    前記第3のアンテナは、送信信号を給電するための第4の給電点を有し、
    前記第3の給電点は、前記第2のアンテナの送信信号の実質上励振方向と逆の側に設置され、
    前記第4の給電点は、前記第3のアンテナの送信信号の実質上励振方向と逆の側に設置されている、請求項4に記載のアンテナ装置。
  6. 送信信号を出力する第2の送信装置と、
    請求項5に記載のアンテナ装置と、
    前記第2のアンテナおよび前記第3のアンテナに接続され、単相入力端子および平衡出力端子を有し、前記単相入力端子に入力された前記送信信号を前記第2および第3のアンテナに伝達し、前記第2のアンテナおよび前記第3のアンテナにより受信された受信信号を前記平衡出力端子から出力する第2のデュプレクサと、
    前記平衡出力端子に接続され、同相成分の信号よりも差動成分の信号の利得が大きいか、または同相成分の信号の損失よりも差動成分の信号の損失が小さい回路を有する第1の受信装置と、を備える無線通信装置。
  7. 第1のアンテナと、
    送信信号を差動信号として出力する第3の送信装置と、
    前記第1のアンテナに接続され、平衡入力端子および単相出力端子を有し、前記平衡入力端子に入力された前記送信信号を単相信号として前記第1のアンテナに伝達し、前記第1のアンテナにより受信された単相の受信信号を前記単相出力端子に出力する第3のデュプレクサと、
    前記単相出力端子に接続されている第2の受信装置と、を備えている無線通信装置。
  8. 前記第3のデュプレクサは、第7の移相器と、第8の移相器と、第9の移相器と、第10の移相器と、第11の移相器と、第12の移相器とを有し、
    前記第1のアンテナは、前記第7の移相器および前記第8の移相器に接続され、
    前記第2の受信装置は、前記第9の移相器および前記第10の移相器を介して前記第7の移相器および前記第8の移相器にそれぞれ接続され、
    前記第3の送信装置は、前記第11の移相器および前記第12の移相器を介して前記第7の移相器および前記第8の移相器にそれぞれ接続され、
    前記第9の移相器および前記第10の移相器は、前記第11の移相器および前記第12の移相器にそれぞれ接続され、
    前記第7の移相器と前記第8の移相器の移相量の差が実質上−90度であり、
    前記第9の移相器と前記第10の移相器の移相量の差が実質上90度であり、
    前記第11の移相器と前記第12の移相器の移相量の差が実質上−90度である、請求項7に記載の無線通信装置。
  9. 第4および第5のアンテナと、
    送信信号を差動信号として出力する第3の送信装置と、
    前記第4のアンテナおよび前記第5のアンテナに接続され、平衡入力端子および単相出力端子を有し、前記平衡入力端子に入力された前記送信信号を前記第4および第5のアンテナに伝達し、前記第4のアンテナおよび前記第5のアンテナにより受信された受信信号を前記単相出力端子に単相信号として出力する第4のデュプレクサと、
    前記単相出力端子に接続されている第2の受信装置と、を備え、
    前記第4および第5のアンテナは、前記送信信号を実質上差動信号として放射し、前記受信信号を実質上同相信号として前記第4のデュプレクサに伝達するよう形成および配置されている無線通信装置。
  10. 前記第4および第5のアンテナは、前記受信信号を同相信号として前記第4のデュプレクサに伝達するよう形成および配置される代わりに、前記受信信号を差動信号として前記第3のデュプレサに伝達するよう形成および配置され、
    前記第4のデュプレクサは、前記差動信号として入力された受信信号を同相信号に変換して前記単相出力端子に単相信号として出力する、請求項9に記載の無線通信装置。
  11. 第6および第7のアンテナと、
    送信信号を差動信号として出力する第3の送信装置と、
    前記第6のアンテナおよび前記第7のアンテナに接続され、平衡入力端子および平衡出力端子を有し、前記平衡入力端子に入力された前記送信信号を前記第6および第7のアンテナに伝達し、前記第6および前記第7のアンテナにより受信された受信信号を差動信号として前記平衡出力端子に出力し、前記送信信号の一部を前記平衡出力端子に実質上同相の信号として出力する第5のデュプレクサと、
    前記平衡出力端子に接続され、同相成分の信号の利得よりも差動信号の信号の利得が大きいか、または同相成分の信号の損失よりも差動信号の信号の損失が小さい回路を有する第1の受信装置と、を備える無線通信装置。
  12. 前記第5のデュプレクサは、第13の移相器と、第14の移相器と、第15の移相器と、第16の移相器と、第17の移相器と、第18の移相器とを有し、
    前記第6のアンテナおよび前記第7のアンテナは、前記第13の移相器および前記第14の移相器にそれぞれ接続され、
    前記第1の受信装置は、前記第15の移相器および前記第16の移相器を介して前記第13の移相器および前記第14の移相器にそれぞれ接続され、
    前記第3の送信装置は、前記第17の移相器および前記第18の移相器を介して第13の移相器および第14の移相器にそれぞれ接続され、
    前記第15の移相器および前記第16の移相器は、前記第17の移相器および前記第18の移相器にそれぞれ接続され、
    前記第13の移相器と前記第14の移相器の移相量の差が実質上−90度であり、
    前記第15の移相器と前記第16の移相器の移相量の差が実質上90度であり、
    前記第17の移相器と前記第18の移相器の移相量の差が実質上90度である、請求項11に記載の無線通信装置。
  13. 前記第1の受信装置は、同相成分の信号よりも差動成分の信号の利得が大きい増幅器を有する、請求項1、6、11、12のいずれかに記載の無線通信装置。
  14. 前記第1の受信装置は、同相成分の信号よりも差動信号の損失が小さいフィルタを有する、請求項1、6、11、12のいずれかに記載の無線通信装置。
  15. 前記第1の受信装置は、前記増幅器の後段に接続され前記受信信号をダウンコンバートするダウンミキサを有し、
    前記ダウンミキサは、同相成分の信号よりも差動信号の利得が大いか、または同相成分の信号よりも差動信号の損失が小さい、請求項13に記載の無線通信装置。
  16. 前記差動信号としての受信信号の一方の信号がそのベース側に入力される第1のトランジスタと、
    前記差動信号としての受信信号の他方の信号がそのベース側に入力される第2のトランジスタと、を有し、
    前記第1のトランジスタのエミッタ側と前記第2のトランジスタのエミッタ側が接続され、
    前記接続点は、所定のインダクタンスを有する第1のインダクタを介してグラウンドに接続されている、請求項15に記載の無線通信装置。
  17. 送信信号を出力する第2の送信装置と、
    アンテナ装置と、
    前記アンテナ装置に接続され、単相入力端子および平衡出力端子を有し、前記単相入力端子に入力された前記送信信号を前記アンテナ装置に伝達し、前記アンテナ装置により受信された受信信号を前記平衡出力端子から出力する第6のデュプレクサと、を備え、
    前記第6のデュプレクサは、前記受信信号の周波数帯における差動信号に対するインピーダンスが、前記送信信号の周波数帯における単相信号に対するインピーダンスよりも高い、無線通信装置。
  18. 前記第6のデュプレクサは、前記受信信号の周波数帯における差動信号を実質上通過させず、前記送信信号の周波数帯における単相信号を実質上損失なく通過させる、請求項17に記載の無線通信装置。
  19. 前記第6のデュプレクサは、前記受信信号の周波数帯域の波長の実質上1/4の長さを有する1/4波長線路を2つ有しており、前記1/4波長線路の各一方側に前記単相信号が伝えられ、前記1/4波長線路の各他方側に前記アンテナ装置が接続されている、請求項18に記載の無線通信装置。
  20. 前記第6のデュプレクサは、そのインピーダンスの中点に前記単相信号が伝えられる並列共振回路を有し、前記並列共振回路は、前記受信信号の周波数帯域において共振する、請求項17に記載の無線通信装置。
  21. 第1のデュプレクサの単相入力端子に入力された、第1の周波数帯の送信信号を第1のアンテナに伝達する工程と、
    前記第1のアンテナから受信された、前記第1の周波数帯とは異なる第2の周波数帯の受信信号を、実質上差動信号として、前記第1のデュプレクサの平衡出力端子から出力する工程と、
    前記実質上差動信号として出力された受信信号において、同相成分の信号の利得よりも差動成分の信号の利得を大きくするか、もしくは同相成分の信号の損失よりも差動成分の信号の損失を小さくする工程と、を備える無線通信方法。
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