JP4687455B2 - 断熱容器 - Google Patents
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Description
前記断熱容器の内壁面には、より低温の低温反応部に対応する位置に、第1反射膜が設けられ、
より高温の高温反応部に対応する位置に、前記第1反射膜が設けられるとともに、前記第1反射膜の内側に第2反射膜が設けられていることを特徴とする。
図1は、本発明が適用される発電装置100のブロック図である。この発電装置100は、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、電子手帳、腕時計、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、ゲーム機器、遊技機、その他の電子機器に備え付けられたものであり、電子機器本体を動作させるための電源として用いられる。
2CH3OH+H2O→5H2+CO+CO2 …(2)
2CO+O2→2CO2 …(3)
2H++2e-+1/2O2→H2O …(5)
また、断熱容器30の内壁面には、反応装置10からの輻射による熱損失を抑制するために、赤外線を反射する反射膜31が形成されている。反射膜31には、例えば金(Au)等の赤外線反射率が高い金属を用いることができる。
これらにより、反応装置10から断熱容器30外部への熱損失を抑えることができる。
まず、放熱促進部40の反射率について検討する。
図3は赤外線に対する放熱促進部40の反射率を10%〜90%の間で10%ずつ変化させた場合の、放熱促進部40の面積と、熱リーク(計算値)との関係を示すグラフである(20%〜90%時のグラフは10%時の値を元に計算)。ここで、吸収膜32の吸収係数を充分大きいと仮定し、吸収膜32を透過し、下地または反射膜31で反射して再び吸収膜32を透過して断熱容器30内に戻る赤外線はないものとした。
次に、放熱促進部40として、断熱容器30の下地または反射膜31に吸収膜32を設ける場合の、吸収膜32の吸収係数及び膜厚について検討する。
I(t)=(I−R)exp(−αt)
α=100000/cm、t=約230nmの場合、吸収膜32を透過する赤外線の強度は、10%未満となっている。すなわち、αt>約2.3であれば、吸収膜32を透過する赤外線の強度は10%未満となり、さらに下地または反射膜31により反射して再び吸収膜32を透過して断熱容器30内に戻る赤外線は1%未満となる。したがって、膜厚TがαT>約2.3となる膜は吸収膜32として適している。
次に、反応装置10から輻射される波長について検討する。図6は、300K(27℃)、600K(327℃)、900K(627℃)における黒体輻射の波長と輻射密度の関係を示すグラフである。600Kでは波長2μm以上(0.6eV以下)で輻射密度が高くなり、900Kでは波長1.24μm以上(1eV以下)で輻射密度が高くなることがわかる。したがって、放熱促進部40は、波長1.24μm以上の赤外線の反射率が低いことが求められる。
金属材料、半金属材料は一般に反射率が高いが、ほとんどの波長で吸収係数が105/cm以上であり、膜厚を230nmとすることで吸収膜32の候補とすることができる。そこで、金属材料、半金属材料の反射率について検討する。
この他に1.24μmの波長で反射率が低い金属として、Fe(反射率75%),Co(反射率78%),Pt(反射率78%),Cr(反射率63%)などが吸収膜32の材料とすることができる。
半導体の多くは、光の波長1.24μm以上の波長領域で、反射率が10〜20%あるいはそれ以下であり、吸収膜32として適した材料と思えるが、ほとんどの場合、吸収係数が1/cm未満と極端に小さい。
上記実施形態においては、反射膜31の上に吸収膜32を設けることで放熱促進部40を設けたが、図9に示すように、断熱容器30の内壁面の一部に反射膜31を設けないことで、断熱容器の下地が露出する開口部分を形成し、開口部分を放熱促進部41としてもよい。(断熱容器30がガラス基板の場合、赤外線は大部分透過するため、開口部分に対応する断熱容器30の反射率は、開口部分でない断熱容器30と反射膜31が重なる部分の反射率より相対的に低いことになる。)
あるいは、図10に示すように、断熱容器30の内壁面の全面に吸収膜32を設けるとともに、吸収膜32の上に一部を除いて反射膜31を設け、この吸収膜32が露出する開口部分を放熱促進部42としてもよい。
また、図11に示すように、断熱容器30の内壁面の一部に吸収膜32を設けるとともに、断熱容器の内壁面の他の部分に反射膜31を設けることで、吸収膜32が露出する開口部分を放熱促進部43としてもよい。この場合、吸収膜32の外周部と反射膜31とが一部重なってもよい。
また、反応装置10の反応温度が600℃を超えると、輻射密度の増加が顕著となる(図3参照)。したがって、反射膜31が1重では充分でなくなり、2重にする必要がある。すなわち、図12に示すように、外側の反射膜31の内側に空隙33をあけて第2の反射膜34を設ける必要がある。空隙33は例えば断熱容器30と同じ材料からなる支持部材50により形成される。空隙33をあけることで、第2の反射膜34から第1の反射膜31への熱伝導を防ぎ、断熱効率を高めることができる。
上記実施形態においては、低温反応部12の配管21,22が設けられていない外壁面と対向する断熱容器30の内壁面に、放熱促進部40〜43が設けられていたが、放熱促進部40〜43の面積を増減させることで、低温反応部12からの輻射による放熱量を調整してもよい。
11 高温反応部
12 低温反応部
21,22 配管
30 断熱容器
31,34 反射膜
32 吸収膜
35,36 放熱窓
40〜43 放熱促進部
Claims (11)
- 異なる温度の2つ以上の反応部からなる反応装置を収容する断熱容器において、
前記断熱容器は赤外線反射率の異なる2つ以上の領域からなり、
より赤外線反射率の低い領域側に、より低温の低温反応部が配置されることを特徴とする断熱容器。 - 前記断熱容器の内壁面には、赤外線反射膜が設けられていて、当該赤外線反射膜は、前記低温反応部に対応する位置に開口を有することを特徴とする請求項1に記載の断熱容器。
- 前記断熱容器の内壁面には、前記低温反応部に対応する位置に、赤外線吸収膜が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の断熱容器。
- 前記断熱容器の内壁面には、より高温の高温反応部に対応する位置に、前記赤外線反射膜が設けられ、前記低温反応部に対応する位置に、前記赤外線反射膜が設けられるとともに、前記赤外線反射膜の内側に前記赤外線吸収膜が設けられていること特徴とする請求項1に記載の断熱容器。
- 前記断熱容器の内壁面には、前記低温反応部に対応する位置に、前記赤外線吸収膜が設けられ、前記高温反応部に対応する位置に、前記赤外線吸収膜が設けられるとともに、前記赤外線吸収膜の内側に前記赤外線反射膜が設けられていること特徴とする請求項1に記載の断熱容器。
- 前記赤外線吸収膜の吸収係数と膜厚の積は2.3以上であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の断熱容器。
- 前記赤外線吸収膜はC,Fe,Co,Pt,Crのいずれかを含むことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の断熱容器。
- 前記赤外線吸収膜はTa−Si−O−N系のアモルファス半導体で、吸収係数は100000/cm以上であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の断熱容器。
- Ta−Si−O−N系のアモルファス半導体のモル比が0.6<Si/Ta<1.0かつ0.15<N/O<4.1の範囲であることを特徴とする請求項8に記載の断熱容器。
- 異なる温度の2つ以上の反応部からなる反応装置を収容する断熱容器において、
前記断熱容器の内壁面には、より低温の低温反応部に対応する位置に、第1反射膜が設けられ、
より高温の高温反応部に対応する位置に、前記第1反射膜が設けられるとともに、前記第1反射膜の内側に第2反射膜が設けられていることを特徴とする断熱容器。 - 前記反応装置は、水素を含む炭素化合物と水を混合した混合物から水素を発生させる改質器を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の断熱容器。
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