JP4687274B2 - 液体噴射装置および液体払拭装置 - Google Patents

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本発明は、液体噴射ヘッドのノズル面から液体を噴射するようになっている液体噴射装置および液体払拭装置に関する。
ターゲットに対して液体を噴射させる液体噴射装置として、記録ヘッドから記録媒体に対してインク滴を噴射させて印刷を行なうインクジェット式記録装置がある。このインクジェット式記録装置は、記録ヘッドのノズルから記録媒体に対して微小なインク滴を吐出させて、所望の文字や図形等の画像を記録する。
このインクジェット式記録装置は、記録動作時において、記録ヘッドが記録媒体と近接する。このため、インク滴が記録媒体と衝突して飛び散ったインクが、記録ヘッドのノズル面に跳ね返り、ノズル面を汚染することがある。
特に、オンデマンド型のインクジェット式記録装置の記録ヘッドにおいては、インク滴の吐出がノズル近傍のインクへの微弱な加圧力により行なわれるために、インク滴の吐出エネルギーが小さく、記録媒体と数mm程度の間隔でしか配置されていない。このため、インクの跳ね返りがノズル面に付着し易い。そして、加圧力が小さいため一旦ノズル内の目詰まりが発生すると、この目詰まりを除いて自己復帰させることは難しい。
このため、記録ヘッドのノズルの目詰まりを予防あるいは除去するために、非印字動作中にノズル開口よりインクを吸引して目詰まりをしたインクを排出させる吸引作業が行なわれる。
この吸引を行なった後にノズル面にインクが残留することがあり、ノズル面を汚染することがある。このような記録ヘッドのノズル面の汚染は、記録媒体の繊維や塵埃の付着を招き、記録ヘッドの長時間の使用においてノズルの目詰まりの原因となり、インクの吐出不良や吐出時のインク滴の飛行曲がり等の悪影響を及ぼすことがあった。
このような問題を解決するために、ノズル面のインクを拭き取って除去して、インクの吐出不良を防ぐワイピング用のブレードが提案されている(例えば特許文献1)。
特開2001−30507号公報(第3頁〜第4頁、図1,図3,図5)
特許文献1では、各ワイパーブレードが、各色用ノズルヘッドに設けられており、各ワイパーブレードは主走査方向に移動可能になっている。しかし、各ワイパーブレードは、それぞれキャリアに搭載されていて、各キャリアはそれぞれのリードスクリュの回転により主走査方向に移動する構造である。従って、複数のワイパーブレードは別々の駆動源を用いて、各リードスクリュを回転させないと別々に主走査方向に移動させることができない。このために、ワイパーブレードの数が増えれば増えるほど、ワイパーの移動機構の構造が複雑になり大型化してしまうという問題がある。
また、1つのキャリアの上に複数のワイパーブレードを載せた構造のものが開示されているが、この場合にはリードスクリュの数と駆動源の数は減らすことができる。しかし、複数のワイパーブレードが1つのキャリアにより同時にリードスクリュにより主走査方向
により送られるので、これらのワイパーブレードが代表するノズルヘッドのノズル列を同時にワイピングしてしまうことになる。このために、あらかじめ吸引をしていないノズル列をワイピングしてしまうことが生じ、そのような吸引していないノズル列をワイピングした場合には、そのノズルヘッドのノズル開口には所謂ドット抜けの現象が誘発されることがある。ドット抜けが誘発されると、対象物に対してインクを確実に噴射することができなくなり印刷不良が生じる。
そこで本発明は上記課題を解消し、良好な噴射を行なうために、払拭を必要とする液体噴射ヘッドのノズル開口列に対して液体の払拭を選択的に行なうことができ、ひいては構造の単純化や装置の小型化を図ることができる液体噴射装置および液体払拭装置を提供することを目的としている。
本発明の液体噴射装置は、液体噴射ヘッドのノズル面から液体を噴射させる液体噴射装置において、ブレードを前記ノズル面に対して移動方向に沿って移動することで前記ノズル面の前記液体を払拭するための複数の払拭手段と、前記ブレードが前記ノズル面と接する払拭時と前記ブレードが前記ノズル面と離れている非払拭時において前記複数の払拭手段間の前記ブレードの間隔が変わるように前記複数の払拭手段の前記ブレードを前記移動方向に沿って移動させるための移動操作手段とを備え、前記移動操作手段は、回転することで各前記払拭手段を前記移動方向に沿って移動させる送り部材と、前記送り部材を回転させる駆動部とを有し、前記送り部材は第1送りねじ部分と第2送りねじ部分を有し、前記払拭手段が前記第1送りねじ部分に係合しているときには前記払拭手段は前記ノズル面を払拭せず、前記払拭手段が前記第2送りねじ部分に係合しているときには前記払拭手段は前記ノズル面を払拭し、前記第1送りねじ部分の第1送りピッチが前記第2送りねじ部分の第2送りピッチよりも小さく設定されている
これによれば、複数の払拭手段は、ノズル面の払拭時と非払拭時とにおいて、他の払拭手段との間隔が変わるように、移動方向に移動させる。従って、払拭時に払拭手段同士とのブレードの間隔が、液体噴射ヘッドよりも大きい場合には、それぞれの払拭手段を個別に移動させて、ノズル面を払拭させることができる。また、払拭手段が払拭を行なう移動方向のブレードの間隔が変わるので、複数の払拭手段を移動方向に並べても、それぞれを個別に移動させることができる。この場合には、複数の払拭手段を同じ移動方向に順次移動させれば、共通の駆動源を用いて払拭手段を個別に移動させて払拭することができる。従って、複数の払拭手段を個別に移動させるために必要な構成を簡素化することができる。そして、複数の払拭手段は、互いにブレードの移動間隔を持たせながら移動方向へ順次移動操作できるので、複数の払拭手段のブレードは互いに当たらず払拭操作の障害になることがない。
また、これによれば、移動操作手段は、回転することで払拭手段を移動方向に沿って移動させる送り部材と、送り部材を回転させる駆動部とを有する。送り部材は、払拭手段が非払拭時に係合する第1ねじ部分のピッチが、払拭手段が払拭時に係合する第2ねじ部分のピッチよりも小さく設定されている。従って、駆動部が等速度で送り部材を回転させても、ピッチが大きい第1ねじ部分に係合しているとき払拭時には払拭手段は早く移動し、ピッチが小さい第2ねじ部分に係合している非払拭時には払拭手段はゆっくりと移動する。言い換えれば、第2送りねじ部分の第2送りピッチが、第1送りねじ部分の第1送りピッチよりも大きく設定されている。このため、各払拭手段の保持部材およびブレードは、1個ずつ移動方向に各払拭手段の移動間隔を相互に持たせながら順次移動操作して払拭動作させることができる。従って、駆動部の制御を簡単にしても、払拭時にはそれぞれの払拭手段を個別に移動させるようにすることができる。
この液体噴射装置は、前記移動操作手段は、前記ノズル面の払拭時には他の払拭手段の前記ブレードとの間隔が大きくなる一方、前記ノズル面の非払拭時には、他の払拭手段の前記ブレードとの間隔が小さくなるように、前記払拭手段の前記ブレードを移動させる。
これによれば、払拭時には、他の払拭手段のブレード間隔が大きくなるので、他の払拭手段のブレードとの間隔を保って払拭を行なうことができる。従って、複数の払拭手段のブレードがそれぞれ、移動方向のノズル面以上の間隔をおいて払拭を行なうことが可能となり、複数の払拭手段は、液体噴射ヘッドのノズル面をそれぞれ個別に払拭することができる。また、非払拭時には、複数の払拭手段のブレードが狭い間隔で密集することになるため、小スペースで複数の払拭手段を収納しておくことができる。従って、装置の小型化が図れる。
この液体噴射装置は、前記移動操作手段は、1つの前記払拭手段が前記ノズル面を払拭後、次の前記払拭手段が前記ノズル面を払拭するように移動操作される。
これによれば、1つの払拭手段がノズル面を払拭した後に次の払拭手段がノズル面を払拭する。このため、液体噴射ヘッドは、不要な払拭を行なう払拭手段が通過する場合には、液体噴射ヘッドを払拭動作領域外に退避させることにより、その払拭を行なわない。そして、次に通過する払拭手段が必要な払拭を行なう場合には、液体噴射ヘッドを払拭動作領域に移動させて払拭を行なう。
この液体噴射装置は、各前記払拭手段は、前記ブレードを保持する保持部材を有しており、各前記払拭手段は前記移動方向に沿って並べられている。
これによれば、各払拭手段が移動方向に沿って並べられている。このため、払拭手段の数が増えても、共通の駆動源を用いて複数の払拭手段を移動方向に移動させることができ、複数の払拭手段を個別に移動させるために必要な構成を簡素化することができる。従って、良好な液体噴射を行なうための機構を設けても、装置の小型化を図ることもできる。
この液体噴射装置は、前記複数の払拭手段は前記送り部材のねじ部分と係合するピン部を有し、非払拭時において各前記ピン部の間の前記第1送りねじ部分の送りピッチ数は、前記第2送りねじ部分の送りピッチ数よりも多いか、もしくは同じである。
これによれば、第1送りねじ部分の送りピッチ数が、第2送りねじのピッチ数と同じ場合には、1の払拭手段が払拭を終了すると、先に払拭を完了していた払拭手段と密着状態となるため、非払拭状態の払拭手段の収納スペースを極力小さくすることができる。
また、第1送りねじ部分の送りピッチ数が、第2送りねじのピッチ数より多い場合には、1つの払拭手段1つの払拭手段が払拭後、次の払拭手段がすぐに払拭を開始しない。このため、駆動部を連続して駆動させていても、その間に液体噴射ヘッドを移動させることが可能になる。これにより払拭しない場合には液体噴射ヘッドを払拭領域外に退避させ、払拭する場合には液体噴射ヘッドを払拭領域に戻すことができる。従って、駆動源を停止したり速度を変更したりしなくても、選択的に払拭を行なうことができる。
この液体噴射装置は、各前記払拭手段の前記ブレードは、前記ノズル面のノズル開口列にそれぞれ対応して形成されている。
これによれば、各払拭手段のブレードは、ノズル面のノズル開口列にそれぞれ対応して形成されているので、各払拭手段を選択して使用することにより、ノズル面の任意のノズル開口列のみを選択的に払拭することができる。
本発明の液体噴射装置は、液体噴射ヘッドのノズル面から液体を噴射させる液体噴射装置において、前記ノズル面に対して移動方向に沿って移動することで前記ノズル面の前記液体を払拭するための複数の払拭手段と、前記複数の払拭手段に係合し、前記複数の払拭手段を移動させるために前記移動方向に延在する少なくとも1つのリードスクリュを有する移動操作手段とを備え、前記リードスクリュは異なる送りピッチを有し、前記払拭手段の移動速度を変える
これによれば、異なる送りピッチを有し、移動方向に延びる少なくとも1つのリードスクリュに、複数の払拭手段が係合している。このため、リードスクリュを回転させることにより、複数の払拭手段を、リードスクリュが有する異なる送りピッチによって移動速度を変えて移動方向に移動させることができる。従って、払拭を行なう払拭手段と、非払拭の払拭手段との間隔をおくことができれば、複数の払拭手段を個別に移動させることができる。このため、払拭手段が増えても駆動機構を複雑にすることなく小型化が図れる。そして、複数の払拭手段は、互いに移動間隔を持たせながら移動方向へ順次移動操作できるので、複数の払拭手段は互いに払拭操作の障害になることがない。
本発明の液体払拭装置は、液体噴射ヘッドのノズル面から液体を噴射させる液体噴射装置に用いられる液体払拭装置において、前記ノズル面に対して移動方向に沿って移動することで前記ノズル面の前記液体を払拭するための複数の払拭手段と、前記複数の払拭手段に係合し、前記複数の払拭手段を移動させるための少なくとも1つのリードスクリュを有する移動操作手段とを備え、前記リードスクリュは異なる送りピッチを有し、前記払拭手段の移動速度を変える
これによれば、異なる送りピッチを有し、移動方向に延びる少なくとも1つのリードスクリュに、複数の払拭手段が係合している。このため、リードスクリュを回転させることにより、複数の払拭手段を、リードスクリュが有する異なる送りピッチによって移動速度を変えて移動方向に移動させることができる。従って、払拭を行なう払拭手段と、非払拭の払拭手段との間隔をおくことができれば、複数の払拭手段を個別に移動させることができる。このため、払拭手段が増えても駆動機構を複雑にすることなく小型化が図れる。
以下、本発明の好適な実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の液体噴射装置の実施形態であるインクジェット式記録装置10を示している。
図1に示すインクジェット式記録装置10は、インクジェットプリンタとも呼んでいる。インクジェット式記録装置10は、本体部1を有している。この本体部1は、ガイドレール17、プラテン12、キャリッジ14、インク吸引装置20、記録ヘッド30、液体払拭装置としてのインク払拭装置130を備えている。記録ヘッド30は、印刷ヘッドとも言う。このインク吸引装置20は廃液システムの一部である。
このインクジェット式記録装置10は、いわゆるオンキャリッジ型の記録装置であり、キャリッジ14の上部には、複数のインクカートリッジ2,3,4,5が着脱可能に装着できる。キャリッジ14の下部には、記録ヘッド30が設けられている。キャリッジ14は、ベルト15を介してモータ16に接続されている。ベルト15はプーリ16A,16Bに掛けてある。プーリ16Bはモータ16の回転軸に固着されている。従って、キャリッジ14は、モータ16の駆動によりガイドレール17に沿ってプラテン12の軸方向である主走査方向T(T1,T2)に往復走行し、モータ16の駆動量に応じた位置決めが可能である。
図1の本体部1の右側には、ワイピングポジションWPと待機ポジション18が設けられている。ワイピングポジションWPは払拭作業ポジションとも言い、あるいはホームポジションとも呼ぶことができる。
ワイピングポジションWPでは、記録ヘッド30のノズルプレート面61が、インク吸引装置20により吸引され、あるいはインク払拭装置130によりノズルプレート面61に付着しているインクの払拭を行なうためのポジションである。
待機ポジション18は、記録ヘッド30からのインク払拭あるいはインクの吸引を行なわない場合の待機位置である。
図1に示すインク吸引装置20は、液体吸引装置の一例であり、キャッピングシステムもしくはキャッピング手段とも呼ぶことができる。
インク吸引装置20は、以下の2つの機能を有する。すなわち、インク吸引装置20は、長時間放置されたときに記録ヘッド30のノズル開口のインクの乾燥を防止する保湿機能と、吸引ポンプ19からの負圧をノズル開口に作用させてノズル開口からインクを強制的に吸引して排出させる吸引機能を備える。
各インクカートリッジ2〜5の各インクは液体の一例である。図1に示すインク払拭装置130は、液体払拭装置の一例であり、インク吸引装置20とほぼ同じ位置にある。
図2は、図1に示すインクジェット式記録装置10の電気的な接続例を示している。インクジェット式記録装置10の制御装置7は、ローカルプリンタケーブル又は通信ネットワークを介してホストコンピュータ40のプリンタドライバ41に接続されている。プリンタドライバ41は、インクジェット式記録装置10の各構成要素に対して印刷やノズルプレート面61のインク払拭動作あるいはインク吸引動作を実行させるためのコマンドを送るソフトウェアを搭載している。
図2に示すインクジェット式記録装置10は、制御装置7の他に、センサー8、インク吸引装置20、インクカートリッジ2〜5、記録ヘッド30、キャリッジ14、用紙搬送機構15A、インク払拭装置130を含んでいる。
図1の実施形態では、複数のインクカートリッジ2〜5が、キャリッジ14の上に直接搭載されている。本発明の実施形態は、これに限らずインクカートリッジ2〜5をキャリッジとは別の位置に搭載している、いわゆるオフキャリッジ型のインクジェット式記録装置を採用しても勿論構わない。
図2の用紙搬送機構15Aは、図1の用紙29を、プラテン12上を搬送するようになっている。用紙29は記録媒体の一種である。
図3と図4は、図1に示す記録ヘッド30とインク吸引装置20の構造例を示す断面図である。
インクジェット式記録装置10は、特にカラープリンタとして用いられる場合には、この記録ヘッド30は、互いに種類の異なる複数種類のインクを吐出するために、インクの種類ごとに独立したインク経路50を有している。
各インクカートリッジ2〜5からのインクは、インク供給針50Aを介してインク経路50に流入する。インクの種類ごとに独立したインク経路50は、それぞれ複数の圧力室51に接続されている。各圧力室51には、各ノズル開口列54A,54B,54C,54Dが接続されている。
ノズルプレート62はノズルプレート面61を有していて、このノズルプレート面61には複数のノズル開口列54A〜54Dが設けられている。圧力室51から押し出されたインク滴が、ノズル開口列54A〜54Dのノズル開口55A〜55Dから吐出される。
図3と図4に示すインク吸引装置20は、ノズルプレート面61に密接もしくは圧着してノズル開口を吸引するためのものである。インク吸引装置20は、キャップ本体80と複数の吸収材90を有している。キャップ本体80は箱状であり、上部開口91を有している。キャップ本体80の底部92からは、隔壁81が突出して設けられている。キャップ本体80の4辺の側面部80Aと隔壁81の間には、吸収材90が収容されている。各吸収材90は、各ノズル開口列54A〜54Dを含むノズルプレート面61の領域に対応している。
吸収材90は、インクを吸収可能な材料により作られていて、例えばポリビニルアルコール(PVA)のスポンジにより作ることができる。吸収材90は、好ましくは親水性に優れて、微細な連続した気孔構造を有しており、インクの吸収能力を有している。
この吸収材90は、図示しない押さえ部材により吸収材90を押さえて保持する構造を採用できる。
キャップ本体80の底部92は、吸引ポンプ19に接続されている。吸引ポンプ19は廃インクタンク100に接続されている。この廃インクタンク100は吸引ポンプ19によりキャップ本体80側から吸引されてくるインクを廃棄するためのタンクである。キャップ本体80と吸引ポンプ19の間には開閉弁85が配置されている。開閉弁85を開けた状態で吸引ポンプ19を駆動させれば吸引ポンプ19による負圧がキャップ本体80に与えられる。一方、開閉弁85を閉じた状態では吸引ポンプ19を駆動しても負圧はキャップ本体80には掛からない。キャップ本体80は隔壁81により4つの部屋に分けられており、各部屋に対して管路と開閉弁85が配置されているので、開閉弁85を選択的に開閉することで選択的にキャップ本体80の部屋を負圧状態にしてインクを吸引することが可能となる。そして、開閉弁85と吸引ポンプ19の間で管路を1つにまとめることで、吸引ポンプ19は1つでも選択的な吸引が可能である。
図3は、インク吸引装置20がノズルプレート面61から離れた待機状態を示している。図4では、インク吸引装置20はノズルプレート面61に密着もしくは圧着されて、ノズルプレート面61を封止している状態(吸引状態もしくは保湿状態)を示している。
記録ヘッド30内のインク中に気泡が混入したり、インク経路50や圧力室51内に増粘したインクが存在したりすると、インクの正常な流れが阻害されて、正常なインクの吐出が行なえないことがある。この場合には、図2に示すインク吸引装置20が用いられ、このインク吸引装置20によるインクの強制排出が必要となる。
また、インクジェット式記録装置10を最初に使用する際の開始時や、インクカートリッジ2〜5を別の種類のインクカートリッジに交換した場合では、図3の記録ヘッド30内のインク経路50の中にインクを充填する必要がある。このような初期のインクの充填に際しても、インク吸引装置20が使用される。このインク吸引装置20を用いることで、図3の記録ヘッド30のノズル開口55A〜55Dから空気およびインクが、強制的に吸引されてノズル開口55A〜55Dから排出される。
図5は、ノズルプレート面61におけるノズル開口列54A〜54Dの配列例を示している。異なるインクの種類とは、見かけ上の色の違いにとどまらず、インクの構成成分の種類や比率が異なることを意味する。各ノズル開口列54A〜54Dは、例えば数10から数1000のノズル開口55A〜55Dから構成されている。
図6は、本発明のインクジェット式記録装置の記録ヘッド30の内部構造例を示している。上述したインクカートリッジ2〜5から供給されるインクは、インク経路50を通って圧力室51へ供給される。印刷の際には、圧力発生素子としての圧電振動子39が伸縮動作することによって、圧力室51の容積を変化させて、圧力室51内のインクに圧力変動を生じさせる。これによって、ノズル開口55A〜55Dからインク滴が吐出できる。圧電振動子39は各ノズル開口55A〜55Dに対応して設けられている。
図1に示すキャリッジ14は、記録ヘッド30とともに、ガイドレール17に沿って主走査方向Tに沿って往復移動可能である。キャリッジ14とともに記録ヘッド30は、ヘッド移動方向T1に移動することにより、図1に示すワイピングポジションWPと待機ポジション18に位置決めすることができる。
図1の記録ヘッド30は、液体噴射ヘッドの一種であるが、この記録ヘッド30はキャリッジ14の下面側に設けられている。記録ヘッド30の下面は、ノズルプレート面61である。このノズルプレート面61は、ノズル面の一例であり、図5にはノズルプレート面61の形状例を示している。ノズルプレート面61は、ノズルプレート62の下面である。
ノズルプレート62は、上述したような複数のノズル開口列、図5の図示例では4列のノズル開口列54A〜54Dを有している。各ノズル開口列54A〜54Dは、図5に示すT方向とは直交するU方向に沿っており、T方向に沿って同じ間隔で平行に形成されている。
次に、図1に示すインク払拭装置130の構造例について説明する。
図7は、インク払拭装置130の構造例を示す斜視図であり、図8はインク払拭装置130の構造例を示す平面図である。
図7と図8を参照すると、インク払拭装置130は、概略的にはフレーム135、複数の払拭手段151〜154、移動操作手段138を有している。
図7に示す払拭手段151〜154は、ほぼ同様の構造のものである。払拭手段151は、ブレード161と保持部材171を有している。同様にして払拭手段152は、ブレード162と保持部材172を有している。払拭手段153はブレード163と保持部材173を有している。そして払拭手段154は、ブレード164と保持部材174を有している。
ブレード161〜164は、図9に示すように記録ヘッド30のノズルプレート面61の払拭領域WA1〜WA4にそれぞれ対応した形状を有している。ブレード161は、払拭領域WA1を払拭し、ブレード162は払拭領域WA2を払拭し、ブレード163は払拭領域WA3を払拭し、そしてブレード164は払拭領域WA4を払拭するためのものである。
払拭領域WA1はノズル開口列54Aを含む領域であり、払拭領域WA2はノズル開口列54Bを含む領域である。払拭領域WA3はノズル開口列54Cを含む領域であり、払拭領域WA4はノズル開口列54Dを含む領域である。なお、各払拭領域は、払拭手段により隣のノズル開口列に影響を及ぼさない範囲で重複していても構わない。重複する場合には、各ブレードの間に隙間が開くとインクが払拭できず残ってしまうということを回避することができる。部品精度の関係で各ブレードは若干重なり合っているのが好ましい。
図7〜図9に示すブレード161〜164は、弾性変形可能な材質、例えばゴムやエラストマーあるいはプラスチックなどにより作ることができる。ブレード161〜164は、払拭領域WA1〜WA4に対応して払拭できるようにするために、主走査方向Tに関してそれぞれ位相がずれた形状になっている。ブレード161〜164は、図7と図8に示すようにそれぞれ保持部材171〜174に対して着脱可能に固定されている。
図10は、ブレード161〜164の保持部材171〜174に対して着脱可能に固定できる構造例を示している。カバー175Cと保持部材171〜174は、それぞれピン176Pを用いて固定することができる。この場合にブレード161〜164の基部190が、カバー175Cと保持部材171〜174の間に挟まれることで固定できる。保持部材171〜174およびカバー175Cは、例えばプラスチックにより作ることができる。
図7の保持部材171〜174は、ブレード161〜164をそれぞれ保持するために細長い形状を有している。そして、図7と図8に示すように保持部材171〜174は、移動方向Dに対して密接して並べられるようにして配置することができる。これにより、払拭手段の数が多くなっても、複数の払拭手段が占有するスペースを極力小さくできる。従って、インク払拭装置130の小型化が図れる。移動方向Dは、記録ヘッド30およびキャリッジ14を主走査方向Tに対して交差する方向、すなわちこの例では直交する。
図7に示すフレーム135は、ワイピングポジションWPに配置されていて、フレーム135の上には、キャリッジ14と記録ヘッド30が待機ポジション18からワイピングポジションWPまで移動される。記録ヘッド30はワイピングポジションWPにおいてフレーム135とインク吸引装置20の真上に位置している。
記録ヘッド30とキャリッジ14は、主走査方向TのT1方向に移動することで待機ポジション18からワイピングポジションWPに移動できる。その反対にキャリッジ14と記録ヘッド30は、ワイピングポジションWPから待機ポジション18に向かってT2方向に退避移動することも可能である。
次に、図7に示すインク払拭装置130の移動操作手段138について説明する。
移動操作手段138は、第1リードスクリュ181、第2リードスクリュ182および駆動部140を有している。
複数の払拭手段151〜154は、記録ヘッド30のノズルプレート面61に対して移動方向Dに沿ってそれぞれ個別に移動する(図21参照)ことで、ノズルプレート面61に付着しているインクを払拭するものである。
これに対して、移動操作手段138は、ノズルプレート面61の払拭を行なう際に、複数の払拭手段151〜154の移動間隔を相互に持たせながら、複数の払拭手段151〜154を移動方向Dに沿って順次移動操作させるためのものである。
第1リードスクリュ181と第2リードスクリュ182は、フレーム135の側壁135A,135Bの間において回転可能に水平かつ移動方向Dに沿って平行に支持されている。第1リードスクリュ181は第1送り部材に相当し、第2リードスクリュ182は第2送り部材に相当する。
図7と図11を参照して第1リードスクリュ181と第2リードスクリュ182の構造例について説明する。
第1リードスクリュ181と第2リードスクリュ182は同じ構造のものである。第1リードスクリュ181は、第1送りねじ部分191,193および第2送りねじ部分192を有している。同様にして第2リードスクリュ182は、第1送りねじ部分201,203および第2送りねじ部分202を有している。
第1送りねじ部分191,193は、移動方向Dに関して第1リードスクリュ181の前側部分と後側部分に形成されたものである。第2リードスクリュ182の第1送りねじ部分201,203は、移動方向Dに関して第2リードスクリュ182の前側部分と後側部分に形成された部分である。
第2送りねじ部分192は、第1送りねじ部分191,193の間に形成されていて、前側部分と後側部分の間の中央部分に形成されている。同様にして第2送りねじ部分202は、第1送りねじ部分201,203の間に形成されていて、前側部分と後側部分の間の中央部分に形成されている。
第1送りねじ部分191,193の第1送りピッチは、第2送りねじ部分192の第2送りピッチよりも小さく設定されている。同様にして第1送りねじ部分201,203の第1送りピッチは、第2送りねじ部分202の第2送りピッチよりも小さく設定されている。逆に言えば、第2送りねじ部分192,202は、第1送りねじ部分191,193,201,203よりも大きなピッチを有していることになる。しかも第1送りねじ部分191,193,201,203は同じ送りピッチである。第2送りねじ部分192,202は同じ送りピッチである。
図12は、ブレード161〜164とノズルプレート面61との位置関係と、第1送りねじ部分191,201、第2送りねじ部分192,202および第1送りねじ部分193,203の位置関係の例を示している。
第1送りねじ部分191,201は、ブレード161〜164が記録ヘッド30のノズルプレート面の当たり開始位置700に当たるまでの間、図7の払拭手段151〜154を送る機能を有している。第1送りねじ部分193,203は、ブレード161〜164が、ノズルプレート面61から離れる前の位置(直前位置)701からその後の工程を送る機能を有している。当たり開始位置700は拭き始める時点t1であり、離れる前の位置701は拭き終り時点t3に相当する。第2送りねじ部分192,202は、ブレード161〜164の拭き始める時点t1から拭き終り時点t3までの間の拭き途中t2の間を移動させる機能を有している。
このことから、ブレード161〜164は、当たり開始位置700に当たる際において、第1送りねじ部分191,201がゆっくりブレード161〜164を送ることができる。ブレード161〜164が早く移動した場合には、当たり開始位置700におけるブレード161〜164の負荷が急激に大きくなってしまうが、ゆっくりブレード161〜164を移動させると、ブレードに生じる単位時間当たりの負荷変動の上昇を抑えることができる。従って、図7のモータ149の脱調を防止することができる。
離れる前の位置701においては、ブレード161〜164は、第1送りねじ部分193,203によりゆっくり送られることになる。これによりブレード161〜164がノズルプレート面61の離れる前の位置701から離れる場合に、ブレード161〜164の反力の開放によるインクの飛散を極力抑えることができる。そして拭き途中t2では、第2送りねじ部分192,202がブレード161〜164を拭き取って速く送ることができる。ブレード161〜164でノズルプレート面61を払拭する場合にブレード161〜164とノズル開口部の接触時間が多いと、ノズル開口からインクを引きずり出しノズル開口部のインクメニスカスを破壊したり、ノズルプレート面61のインク残りが多くなったりする。そこで、ブレード161〜164を早く送ることで払拭時間(ワイピング時間)を短縮するとともに払拭性を確保することができる。
図13は、第1リードスクリュ181と第2リードスクリュ182の距離に対する送りピッチの変化例を示している。
図14(A)は、ブレード161〜164が当たり開始位置700において生じるU方向の反力Fxの最大発生時を示し、この反力Fxはブレードの移動する方向Uの反力である。図14(B)は、拭取り時における反力の例を示している。図14から分かるように、拭取り時における反力に対してブレード161〜164が生じる当たり開始位置700における反力は数倍にも達するのである。
次に、図7と図8に示す移動操作手段138の駆動部140について説明する。
駆動部140は、図に示すように第1リードスクリュ181と第2リードスクリュ18
2を同期して回転駆動させるための装置である。駆動部140は、フレーム135の側壁135B側に設けられている。
駆動部140は、歯付きベルト141、ギア142、ギア143、ガイドローラ144、ギア145、ギア146、ギア147、ギア147A、ピニオン148およびモータ149を有している。モータ149は制御装置7の指令により動作することができる。このモータ149は、例えばステッピングモータを使用できる。
歯付きベルト141は、ギア142、ギア143、ギア145、ギア146にわたって掛けてある。歯付きベルト141はタイミングベルトとも呼んでいるが、歯付きベルト141に対しては、外側からガイドローラ144を押し付けることにより、歯付きベルト141のテンションを確保する。
ギア142は、第2リードスクリュ182の後端部側に固定されている。もう1つのギア146は第1リードスクリュ181の後端部側に固定されている。第2リードスクリュ182の後端部と第1リードスクリュ181の後端部は側壁135Bに対して回転可能に取り付けられている。第2リードスクリュ182の先端部と第1リードスクリュ181の先端部は、側壁135Aに対して回転可能に取り付けられている。ギア143はサポート150により回転可能に支持されている。ギア145は側壁135Bに対して回転可能に支持されている。ピニオン148は、モータ149の出力軸に固定されている。ピニオン148はギア147Aを介してギア147に対して駆動力を伝達できるようになっている。ギア146,147は一体形のものである。
これにより、モータ149が作動すると、ピニオン148の回転によりギア147A,ギア147および歯付きベルト141を介して、第1リードスクリュ181と第2リードスクリュ182が同期して同じ方向に回転できるようになっている。このように第1リードスクリュ181と第2リードスクリュ182が同期して同じ方向に回転駆動できることから、払拭手段151〜154の保持部材171〜174は、移動方向Dに対して傾くことなく移動方向Dに沿って、所謂こじり現象を生じることなくスムーズに送ることができる。これによってブレード161〜164が傾いて移動方向Dに移動してしまうことがない。
図15は、図7におけるA1から見たインク払拭装置130の構造を示し、図16は図7のA2から見たインク払拭装置130の構造を示している。
図7に示す払拭手段151〜154の保持部材171〜174は、図15に示すようにガイド部175A,175を有している。ガイド部175A,175は、中央部176の両端位置にそれぞれ設けられている。中央部176は、ブレードを保持するものである。ガイド部175Aは第1リードスクリュ181を通す部分であり、ガイド部175は第2リードスクリュ182を通す部分である。
図17は、ピン部としてのピン220を示している。このピン220は、ガイド部175Aと第1リードスクリュ181を連結するとともに、ガイド部175と第2リードスクリュ182を連結している。図18はこのピン220などを示す斜視図であり、図19はピン220が第1リードスクリュ181の溝192Aに嵌っている状態を示す図である。第1リードスクリュ181の溝192Aにはピン220の先端部220Aが嵌っている。
これによって、第1リードスクリュ181が回転することにより、保持部材171〜174は移動方向Dおよびその反対方向に直線移動できる。図17に示す第2リードスクリュ182とピン220の連結構造は図18と図19に示す第1リードスクリュ181とピン220の連結構造と同様である。
図16において、キャリッジ14と記録ヘッド30がワイピングポジションWPに位置決めされると、ノズルプレート面61は第2送りねじ部分192,202の間の領域の上方に位置される。ノズルプレート面61に対応するようにしてインク吸引装置20のキャップ本体80が配置されている。図7に示すようにインク吸引装置20のキャップ本体80と昇降手段250は、第1リードスクリュ181と第2リードスクリュ182の下側であって、かつこれらの間の位置に配置されている。
キャップ本体80は、第1リードスクリュ181と第2リードスクリュ182の間で昇降操作できるメリットがある。そしてキャップ本体80と昇降手段250がインク払拭装置130内に配置できるので、インクジェット式記録装置の小型化が図れる。
次に、図20を参照しながら、図7に示すインク払拭装置130の動作例について説明する。
図20は、図7に示すブレード161〜164によるノズルプレート面61のワイピング動作の手順の例を示している。
このワイピング動作を行なう前に、ノズルプレート面61は、図3と図4に示すようにインク吸引動作を行なう必要がある。図3と図4に示すインク吸引装置20は、ノズル開口列54A〜54Dに対応して選択的に吸引動作することができる。すなわち、キャップ本体80と吸引ポンプ19の間の開閉弁85を選択的に開閉させ、吸引ポンプ19を作動させることにより、ノズル開口列54A〜54Dに対応するキャップ本体80内を吸引することで選択的にノズル開口列54A〜54Dの1つ又は複数を吸引することができる。
吸引したノズル開口列に対応するノズルプレート面61の領域は、ワイピング動作を行なう必要があるが、吸引する必要のなかったノズル開口列に対応するノズルプレート面61の領域はワイピング動作をする必要がない。
例えば図4に示すキャップ本体80が全てのノズル開口列54A〜54Dを吸引動作した場合には、図9においてノズルプレート面61の払拭領域WA1〜WA4全てを払拭する必要があり、図20のワイピング動作図に従って次のように行なう。
まず図7に示すようにキャリッジ14と記録ヘッド30がワイピングポジションWPへT1方向に移動する。これによって図15と図16に示すようにノズルプレート面61は移動操作手段138の上部に位置される。制御装置7がモータ149に指令を与えるとモータ149が駆動する。これによって、駆動部140は第1リードスクリュ181と第2リードスクリュ182を同期して回転させる。
すでに払拭手段151〜154は、第1送りねじ部分191,201において並列してかつ密接して待機して配列されている。従って、払拭手段151〜154が移動方向Dに移動を開始する。そして、図21に示すように払拭手段151の保持部材171は第1送りねじ部分191,201から第2送りねじ部分192,202に移っていくと、最も前の払拭手段151が、次の払拭手段152〜154よりも先に早く移動方向Dに移動してゆく。そして払拭手段151は第2送りねじ部分192,202から第1送りねじ部分193,203側に送られていく。
つまり、最も前にある払拭手段151は、第2送りねじ部分192,202により他の払拭手段152〜154に比べて速く移動方向Dに送られることから、払拭手段151、払拭手段152の間の間隔を大きくとることができ、払拭手段151のみが記録ヘッド30を払拭することとなる。
このようにして、図20のステップST1では、第1のブレード161によるワイピングが必要である場合には、まず、キャリッジ14(記録ヘッド30)がステップST2においてワイピングポジションWPへ移動する。そして、移動した状態で、ステップST3においてモータ149が所定ステップ数回転されて、第1リードスクリュ181と第2リードスクリュ182が同期して回転される。これによって、図9に示すようにブレード161は対応するノズル開口列54Aを含む払拭領域WA1のみを払拭していくことになる。
次に、図20のステップST5では、第2のブレード162にワイピングが必要であるので、ステップST6において、キャリッジ14と記録ヘッド30がワイピングポジションWPに移動する。ただし、ステップST2ですでにワイピングポジションWPに移動しているため、移動はなく、その状態を維持する。この後にも現在のポジションに移動する記載の場合があるが、同様である。そしてモータ149が、ステップST7において所定ステップ数回転することにより、2番目の払拭手段152が、3番目と4番目の払拭手段153,154よりも先に早く移動方向Dに移動して、図9に示すブレード162は払拭領域WA2のみを払拭する。
さらに図20のステップST9では、第3のブレード163によるワイピングが必要であるので、ステップST10においてキャリッジ14と記録ヘッド30がワイピングポジションWPへ移動する。そしてステップST11においてモータ149が所定ステップ数回転することにより、3番目の払拭手段153が4番目の払拭手段154よりも早く移動方向Dに移動して、図9のブレード163が払拭領域WA3のみを払拭する。
さらに図20のステップST13において、第4のブレード164によるワイピングが必要であるので、ステップST14においてキャリッジ14と記録ヘッド30がワイピングポジションWPへ移動する。そしてステップST15ではモータ149が所定ステップ数回転することにより、4番目の払拭手段154が移動方向Dに移動して図9のブレード164が払拭領域WA4のみを払拭することになる。
このようにして、図9に示す全ての払拭領域WA1〜WA4が、別々の形状のブレード161〜164の移動方向Dに沿った移動により順次確実に払拭することができる。
また、例えば図9に示す払拭領域WA1と払拭領域WA3のみを払拭する必要があり、払拭領域WA2と払拭領域WA4は払拭する必要がない場合には、次のように行なう。
図20のステップST1において第1のブレード161によるワイピングが必要であるので、ステップST2においてキャリッジ14と記録ヘッド30がワイピングポジションWPへ移動する。そしてステップST3ではモータ149が作動することでブレード161が払拭領域WA1のみを払拭する。
次に、ステップST5において、第2のブレード162によるワイピングは不要であるので、ステップST8に移り、キャリッジ14と記録ヘッド30は図7のワイピングポジションWPから待機ポジション18に戻る。これにより記録ヘッド30は払拭手段のブレードの払拭動作領域外へ退避させることができる。
そして、ステップST7においてモータ149を作動させることにより、ブレード162は記録ヘッド30を払拭することなく単に移動方向Dに沿って通過していく。
図20のステップST9では、第3のブレード163によるワイピングが必要であるので、ステップST10においてキャリッジ14と記録ヘッド30がワイピングポジションWPへ移動する。その後ステップST11においてモータ149が作動することにより図
9のブレード163が払拭領域WA3のみを払拭する。
その後、図20のステップST13において、第4のブレード164によるワイピングが不要であるので、ステップST16に移りキャリッジ14と記録ヘッド30は待機ポジション18へ移動する。ステップST15では、モータ149が作動することによりブレード164は単に移動方向Dに移動するだけである。
このようにして、払拭領域WA1,WA3のみを選択して払拭することができる。
そうではなく、例えば払拭領域WA2と払拭領域WA4を払拭して、払拭領域WA1,WA3は払拭する必要がなければ、上述した動作手順とは逆にステップST4とステップST12において、キャリッジ14と記録ヘッド30は待機ポジション18に待機させればよい。これに限らず、払拭領域WA1〜WA4は、選択的に1つ又は複数組み合わせてブレードにより払拭することができる。
本発明の実施形態では、4つのブレードおよび4つの保持部材による4種類の払拭手段151〜154が設けられている。しかしこの払拭手段151〜154の数は4つに限らず5つ以上であっても勿論構わない。
これらの複数の払拭手段は、同じ形状の第1リードスクリュ181と第2リードスクリュ182により移動方向Dに沿ってしかも相互に間隔をおいて個別に順次移動操作させることができる。図12に示すように、ブレード161〜164がノズルプレート面61の当たり開始位置700に当たる時点では、比較的小さい送りピッチを有する第1送りねじ部分191,201がブレード161〜164をそれぞれ移動させる。これによって、第1送りねじ部分191,201の小さい送りピッチによりブレード161〜164が送られるので、ブレード161〜164が当たり開始位置700において当たる場合の最大負荷(反力)を小さく抑えることができる。
逆にブレード161〜164がノズルプレート面61の離れる位置701から離れる場合には、やはり第1送りねじ部分193と203がブレード161〜164を比較的小さい送りピッチで送る。これによって、ブレード161〜164が離れる際に生じるインクの飛散量を小さく抑えることができる。
そして、拭き途中t2の間では、比較的大きいピッチの第2送りねじ部分192,202がブレード161〜164を送る。このため、ブレード161〜164はノズル開口部のインクメニスカスを破壊することなく、かつノズルプレート面61のインク残りを少なくノズルプレート面61をワイピングすることができる。
本発明の実施形態では、図7に示す1つの払拭手段がノズルプレート面61を払拭した後に、次の払拭手段がノズルプレート面61を払拭し始めるような構成になっている。具体的には、図22に示すように、各払拭手段151〜154のそれぞれは、記録ヘッド30のノズルプレート面61を個別に払拭するため、第2送りねじ部分192に係合しながら移動して払拭を行なう1の払拭手段151〜154の範囲に、他の払拭手段151〜154が存在しないような間隔をおいて、各払拭手段151〜154が配置されている。
具体的には、各払拭手段151〜154は、同じピッチ数の間隔をおいて、第1リードスクリュ181と第2リードスクリュ182に係合している。ここで、この間隔を、第1送りねじ部分のピッチ数P(図22の払拭手段152〜154参照)で示す。また、本実施形態では、上述したように、当たり開始位置およびブレード161〜164が離れる際には、ゆっくりと移動させるために払拭手段151〜154は第1送りねじ部分191,193に係合している。なお、このとき、払拭手段151〜154は、第1送りねじ部分
201,203にも係合している。従って、本実施形態では、各払拭手段151〜154の間隔のピッチ数Pよりも小さいピッチ数P2で、各払拭手段151〜154が第2送りねじ部分192を形成している。
詳述すると、ブレード161〜164が記録ヘッド30のノズルプレート面61に当接する地点から離隔するまでの第1リードスクリュ181と第2リードスクリュ182におけるピッチ数が、各払拭手段151〜154の間のピッチ数Pと同じか、又はそれより小さくなるように構成する。言い換えれば、記録ヘッド30の移動方向Dの長さLに相当するピッチ数がピッチ数Pと同じか、又はそのピッチ数Pより小さくなるように構成する。これにより、1つの払拭手段(図22では払拭手段151)がノズルプレート面61を払拭した後に、次の払拭手段(図22では払拭手段152)がノズルプレート面61を払拭し始める。
なお、ピッチ数Pが、記録ヘッド30の移動方向Dの長さLに相当するピッチ数と同じ場合、払拭後において、各払拭手段151〜154は払拭前と同様に密接した状態となり、スペースを極力小さくすることができる。また、ピッチ数Pが、記録ヘッド30の長さLに相当するピッチ数より大きい場合、1つの払拭手段が記録ヘッド30を払拭した後、次の払拭手段がすぐに払拭を開始しないので、モータ149を連続して駆動させていても、その間にキャリッジ14を移動させることができる。具体的には、前述した払拭領域WA1と払拭領域WA3のみを払拭する場合に、ブレード161を通過させて払拭領域WA1を払拭後、ブレード162が記録ヘッド30の払拭を開始しない間に、記録ヘッド30をワイピングポジションWPから待機ポジション18へ移動させる。そして、ブレード162を通過させた後、ブレード163が記録ヘッド30の払拭を開始しない間に、記録ヘッド30を待機ポジション18から移動させて再びワイピングポジションWPに位置させて、ブレード163を通過させて払拭領域WA3を払拭する。このように記録ヘッド30を移動方向Dに移動させる動作において、モータ149を停止させずに行なうことができる。
本発明の実施形態では、図9に示すようにブレードの形状をそれぞれ変えることにより、ノズルプレート面の払拭領域を選択的に払拭することができる。払拭させたくない場合には、図7に示すキャリッジ14と記録ヘッド30はワイピングポジションWPから待機ポジション18に移してワイピング動作の領域側に退避させることができる。
図9において、払拭領域WA1〜WA4を連続して払拭する場合には、ブレード161〜164は、連続して移動方向Dに送ればよい。この場合には、モータは一旦停止させず連続的に動作させることで、ブレード161〜164は順次移動方向Dに関して相互に間隔をおきながら送り出すことができる。
ここで、第1リードスクリュ181と第2リードスクリュ182は送りピッチを変えて払拭手段151〜154の移動速度を変えているので、モータ149の回転速度は変える必要はなく、一定の速度で回転させればよい。
またキャリッジ14および記録ヘッド30が、主走査方向Tに関する位置をワイピングポジションWPにおいて所定量微小移動させることにより、別のブレードを用いて払拭領域を払拭させることもできる。例えば図9に示すブレード162を用いて払拭領域WA1を払拭させることができる。
図7の第1リードスクリュ181と第2リードスクリュ182は、徐々に送りピッチを変えることにより、払拭手段151〜154の移動方向Dに沿った動きがスムーズとなり、急激な負荷変動を抑えることができる。送りピッチの小さい領域である第1送りねじ部
分191,201,193,203では、他の構成要素の動き、例えばキャッピング動作やバルブ開閉動作とのタイムラグを形成したりすることにより、他の要素との駆動タイミングを合わせやすくなる。
図7に示す駆動部140は、歯付きベルト141を用いているが、これに限らず歯車列を用いて歯付きベルトを省略することも可能である。また払拭手段151〜154は移動方向Dに移動する際に、上述したようなこじり現象を生じなければ、例えば第2リードスクリュ182は棒状のガイド部材に変えることにより、1本の第1リードスクリュ181のみで送るようにしても良い。
ブレード161〜164の材質は同じものであっても良いし、異なる材質のものを採用しても勿論構わない。また各ブレードの形状は必要に応じて種々の形状のものを採用することができる。各ブレードは、当たりの強いものや当たりの弱いものや、あるいはラビング(濡れた布で拭くような効果)を発揮することができるものなど各種の材質を採用することができる。
本発明の実施形態では、図3と図4に示すインク吸引装置20は各ノズル開口列54A〜54Dに対応して1つ又は複数独立して吸引することができる構造のものを採用している。このことから、ノズルプレート面61の全体を払拭する必要がある場合と、部分的にあるノズル開口列に対応して払拭する場合がある。いずれの場合においても、本発明の実施形態におけるインク払拭装置130は、図9に示す複数の払拭領域の1つ又は複数を選択して、あるいは全部を払拭することができる。
図8に示す払拭手段151〜154は、薄肉厚の保持部材を使用することができ、しかも移動方向Dに沿って並べて密接して配置することができる。そして複数の払拭手段は、2本のリードスクリュにより送る構造になっている。インク吸引装置20は、2本のリードスクリュの間に配置して収容することができる。
このことから、インク払拭装置130の小型化および構造の単純化を図ることができる。従って、インク払拭装置130を有するインクジェット式記録装置10の小型化および装置の単純化を図れるのである。
本発明の実施形態では、図3に示すノズル開口列54A〜54Dごとに吸引して、しかも任意のノズル開口列に対応するノズルプレート面61の払拭領域を払拭できるので、所謂反応系インクを使用することが容易になる。
本発明の実施形態では、複数の払拭手段151〜154の数が増えても、移動操作手段138は、この複数の払拭手段151〜154を順次移動間隔を相互に持たせながら移動方向Dに沿って順次移動操作させることにより、複数の払拭手段151〜154は液体噴射ヘッドのノズル面の液体を払拭できる。従って、1つもしくは2つの移動操作手段138があれば、払拭手段の数が増えても移動操作手段の数より多い払拭手段151〜154を個別に移動操作させることができ、液体を払拭する装置の構造の単純化および小型化が図れる。そして、複数の払拭手段151〜154は、互いに移動間隔を持たせながら移動方向Dへ順次移動操作できるので、複数の払拭手段151〜154は互いに当たらず払拭操作の障害になることがない。
本発明の実施形態では、払拭手段151〜154の数が増えても、各払拭手段151〜154は移動方向に沿って並べて配列するだけで、払拭手段151〜154の占有スペースを小さくして装置の大型化を避けることができる。
本発明の実施形態では、駆動部140の第1送り部材と第2送り部材を同期して回転させることにより、各払拭手段151〜154の保持部材171〜174は、移動方向に沿って同じ移動量で、傾いて移動することなくスムーズに送ることができる。
本発明の実施形態では、各払拭手段151〜154の保持部材171〜174は、第2送りねじ部分においては速く移動でき、第1送りねじ部分191,193,201,203では第2送りねじ部分192,202に比べてゆっくりと移動することができる。言い換えれば、第2送りねじ部分192,202の第2送りピッチが、第1送りねじ部分191,193,201,203の第1送りピッチよりも大きく設定されている。このため、各払拭手段151〜154の保持部材171〜174およびブレード161〜164は、1個ずつ移動方向Dに各払拭手段151〜154の移動間隔を相互に持たせながら順次移動操作することができる。このため、各払拭手段151〜154は互いに当たらず払拭操作の障害にならない。
本発明の実施形態では、払拭手段151〜154によるノズル面の拭き途中では、払拭手段151〜154のブレード161〜164と保持部材は比較的早く移動しながらノズル面の払拭を行なうことができる。そして、液体噴射ヘッドのノズル面の開始位置に当たるまでは、第1送りねじ部分が比較的ゆっくりとブレード161〜164をノズル面の開始位置に当てることができ、この場合にブレード161〜164に生じる最大負荷を抑えることができる。
またブレード161〜164がノズルプレート面61から離れる前には、第1送りねじ部分191,193,201,203がゆっくりと保持部材171〜174を送ることにより、ブレード161〜164がインクを飛散する際のインクの飛散量を抑えることができる。
本発明の実施形態では、各払拭手段151〜154を選択して使用することにより、ノズルプレート面61の任意のノズル開口列のみを選択的に払拭することができる。
本発明の実施形態では、液体噴射ヘッドのノズル開口列の払拭を不要とする場合には、液体噴射ヘッドは主走査方向に移動して払拭領域に出せば、各払拭手段は単に移動方向へ移動するだけでありノズル面を払拭することはない。
本発明の実施形態では、例えば1番目の払拭手段151のブレード161がノズルプレート面61を払拭中に、別の2番目の払拭手段152のブレード162がノズルプレート面61を払拭し始める動きにしても良い。このような動きはある1枚のブレードが払拭中に別のブレードがさらに払拭し始めるのであるが、これは選択的なワイピングではなく、全ブレードによるワイピング動作になる。しかし、このように少なくとも2枚のブレードが払拭している方式であっても、1枚の大きな幅を有するブレードにより払拭する場合に比べて、比較的幅の小さいブレードを用いることにより最大負荷を小さくできる効果がある。
また、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
上記実施形態においては、当たり開始位置およびブレード161〜164が離れる際には、インクの飛散量を小さく抑えるために、この場合には、払拭手段151〜154は第1送りねじ部分191,201に係合させた。すなわち、当たり開始位置および離脱位置では、第2送りねじ部分192,202に係合させずに、第1送りねじ部分191,201に係合させた。これに代えて、記録ヘッド30の当たり開始位置および離脱位置を第2送りねじ部分192,202に係合させてもよい。この場合には、記録ヘッド30と同じ範囲に第2送りねじ部分192,202を形成すればよいので、第1リードスクリュ181と第2リードスクリュ182の構成をより簡素化することができる。
上記実施形態においては、例えばブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの各インクを使用する4つのインクカートリッジが、キャリッジに装着できるようになっている。このインクカートリッジはこれに限らず、ブラックインク用のインクカートリッジだけを備えているものであってもよい。また、上述したように2つのインクカートリッジを備えていたり、ブラックインクを除いた3色のカラーインク用の3つのインクカートリッジを備えていたりするものや、5つ以上のインクカートリッジがキャリッジに装着できるようなものであってもよい。
上記実施形態においては、払拭手段を4つとしたが、インクカートリッジの数によらず、払拭手段は2つ以上であれば成立する。例えばブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの各インクを使用する4つのインクカートリッジと2つの払拭手段の場合、図3,図4において隔壁81を中央の1つにしてもよい。この場合には、ノズル開口列54A,54Bを同時に吸引しその後1つの払拭手段で2列同時に払拭し、ノズル開口列54C,54Dを同時に吸引しその後別の払拭手段で2列同時に払拭しても良い。
もしくは、ブレードの表面と裏面で異なるノズル開口列を払拭することで、インクカートリッジの数より払拭手段の数を少なくしても良い。
本発明は、インクジェット式記録装置としての上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行なうことができる。さらに、上述の各実施形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。また、本発明は、インクジェット式記録装置に限らず、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等の液体を吐出する液体噴射ヘッドを用いた液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置等にも適用できる。
本発明は、上述した構成の移動操作手段によって、複数の払拭手段を移動させる実施例を提示したが、この移動操作手段の構成を、液体噴射装置の他の部分に応用してもよい。具体的には、複数の可動部材に係合し、これらを個別に移動させるリードスクリュを備える移動操作手段を、払拭装置以外に設けた液体噴射装置としてもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行なうことができる。
上記実施形態の各構成は、その一部を省略したり、その一部を上記とは異なる構成を用いて任意に組み合わせることができる。
本発明の液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置を示す斜視図。 図1のインクジェット式記録装置の電気的接続例を示す図。 待機状態のインク吸引装置と記録ヘッドの構造例を示す図。 インク吸引装置がノズルプレート面を吸引している状態を示す図。 ノズルプレート面の形状例を示す図。 記録ヘッドの圧電振動子の付近の構造を示す図。 インク払拭装置の構造例を示す斜視図。 インク払拭装置の平面図。 ノズルプレート面の払拭領域と各ブレードの対応例を示す図。 ブレードが保持部材に固定される構造例を示す断面図。 第1リードスクリュと第2リードスクリュの構造例を示す斜視図。 ブレードがノズルプレート面に対して当たり開始をする位置と離れる位置などを示す図。 第1リードスクリュと第2リードスクリュの距離に対する送りピッチの変化例を示す図。 移動量とブレードの反力との関係図であり、(A)はブレードが当たり開始位置において生じる反力の最大値、(B)は拭取り時の反力値を示す。 図7のA1方向から見たインク払拭装置の図。 図7のA2方向から見たインク払拭装置の図。 第1および第2リードスクリュに対する保持部材の連結状態を示す図。 保持部材と第1リードスクリュおよびピンの構造例を示す図。 第1リードスクリュとピンの連結例を示す図。 ワイピング動作を示すフロー図。 1のブレードを移動させたときのA2方向から見たインク払拭装置の図。 1のブレードを移動させたときのA2方向から見たインク払拭装置の図。
符号の説明
10・・・インクジェット式記録装置(液体噴射装置の一例)、18・・・待機ポジション、19・・・吸引ポンプ、20・・・インク吸引装置(液体吸引装置の一例)、30・・・記録ヘッド(液体噴射ヘッドの一例)、54A,54B,54C,54D・・・ノズル開口列、55A,55B,55C,55D・・・ノズル開口、61・・・ノズルプレート面(ノズル面の一例)、130・・・インク払拭装置(液体払拭装置の一例)、135・・・フレーム、138・・・移動操作手段、140・・・駆動部、151〜154・・・払拭手段、161〜164・・・ブレード、171〜174・・・保持部材、181・・・第1リードスクリュ(第1送り部材)、182・・・第2リードスクリュ(第2送り部材)、191,193,201,203・・・第1送りねじ部分、192,202・・・第2送りねじ部分、D・・・移動方向、T・・・主走査方向、WP・・・ワイピングポジション。

Claims (8)

  1. 液体噴射ヘッドのノズル面から液体を噴射させる液体噴射装置において、
    ブレードを前記ノズル面に対して移動方向に沿って移動することで前記ノズル面の前記液体を払拭するための複数の払拭手段と、
    前記ブレードが前記ノズル面と接する払拭時と前記ブレードが前記ノズル面と離れている非払拭時において前記複数の払拭手段間の前記ブレードの間隔が変わるように前記複数の払拭手段の前記ブレードを前記移動方向に沿って移動させるための移動操作手段と
    を備え
    前記移動操作手段は、回転することで各前記払拭手段を前記移動方向に沿って移動させる送り部材と、前記送り部材を回転させる駆動部とを有し、
    前記送り部材は第1送りねじ部分と第2送りねじ部分を有し、
    前記払拭手段が前記第1送りねじ部分に係合しているときには前記払拭手段は前記ノズル面を払拭せず、前記払拭手段が前記第2送りねじ部分に係合しているときには前記払拭手段は前記ノズル面を払拭し、前記第1送りねじ部分の第1送りピッチが前記第2送りねじ部分の第2送りピッチよりも小さく設定されていることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記移動操作手段は、前記ノズル面の払拭時には他の払拭手段の前記ブレードとの間隔が大きくなる一方、前記ノズル面の非払拭時には、他の払拭手段の前記ブレードとの間隔が小さくなるように、前記払拭手段の前記ブレードを移動させることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記移動操作手段は、1つの前記払拭手段が前記ノズル面を払拭後、次の前記払拭手段が前記ノズル面を払拭するように移動操作されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 各前記払拭手段は、前記ブレードを保持する保持部材を有しており、各前記払拭手段は前記移動方向に沿って並べられていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記複数の払拭手段は前記送り部材のねじ部分と係合するピン部を有し、非払拭時において各前記ピン部の間の前記第1送りねじ部分の送りピッチ数は、前記第2送りねじ部分の送りピッチ数よりも多いか、もしくは同じであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の液体噴射装置。
  6. 各前記払拭手段の前記ブレードは、前記ノズル面のノズル開口列にそれぞれ対応して形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の液体噴射装置。
  7. 液体噴射ヘッドのノズル面から液体を噴射させる液体噴射装置において、
    前記ノズル面に対して移動方向に沿って移動することで前記ノズル面の前記液体を払拭するための複数の払拭手段と、
    前記複数の払拭手段に係合し、前記複数の払拭手段を移動させるために前記移動方向に延在する少なくとも1つのリードスクリュを有する移動操作手段とを備え、
    前記リードスクリュは異なる送りピッチを有し、前記払拭手段の移動速度を変えることを特徴とする液体噴射装置。
  8. 液体噴射ヘッドのノズル面から液体を噴射させる液体噴射装置に用いられる液体払拭装置において、
    前記ノズル面に対して移動方向に沿って移動することで前記ノズル面の前記液体を払拭するための複数の払拭手段と、
    前記複数の払拭手段に係合し、前記複数の払拭手段を移動させるための少なくとも1つのリードスクリュを有する移動操作手段とを備え、
    前記リードスクリュは異なる送りピッチを有し、前記払拭手段の移動速度を変えることを特徴とする液体払拭装置。
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