JP4687271B2 - 点火コイルの製造方法 - Google Patents
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Description
一方、上記エポキシ樹脂組成物においては、シリカ充填材の量を増やすことにより、絶縁破壊の発生を抑制し、その絶縁性を向上させることができる。しかしその一方で、シリカ充填材の量を増やすと、エポキシ樹脂組成物の粘度が高くなってしまう。そのため、小型化が進む点火コイルの所望の部位に注入することが困難になる。その結果、上記点火コイルにおける所望の部位で確実に絶縁性を発揮させることが困難になる。
上記絶縁体は、上記ケース内の少なくとも一部に上記絶縁材料を注入し該絶縁材料を硬化させてなり、
上記絶縁材料は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、上記エポキシ樹脂中に分散された厚み2nm以下のナノ充填材とを含有することを特徴とする点火コイルがある。
そのため、上記絶縁体においては、上記ナノ充填材の量が少量であっても、絶縁破壊の発生を抑制することができ、上記絶縁体は優れた絶縁性を発揮することができる。
図5に、エポキシ樹脂90中にシリカからなる充填材95を添加してなる従来の絶縁材料9を示す。同図に示すごとく、この絶縁材料9は、直方体形状に成形されている。この直方体形状の絶縁材料9の一つの面に、導電性ペーストを焼き付けて導電面98を形成すると共に、導電面98と対抗する面から絶縁材料9に電極針8を挿入して絶縁材料9に一定以上の電圧を印加し続けると、絶縁破壊が生じる。図5は、従来の絶縁材料9に絶縁破壊が起こるときにおける絶縁破壊(図5中に太線矢印で示す)が進展する様子を示す。
図5に示すごとく、一般に、絶縁材料9の絶縁破壊は、エポキシ樹脂90中の充填材95を迂回しながら進展する。したがって、充填材95を添加すると、迂回分だけ進展距離(図5中の太線矢印の長さ)が長くなり、絶縁破壊が起こり難くなる。同図に示すごとく、従来のシリカ等からなる充填材は、体積が大きいため、少量の添加では、迂回距離を長くすることは困難である。
また、上記絶縁体は、少量の上記ナノ充填材で優れた絶縁性を発揮できるため、上記絶縁体においては、上記エポキシ樹脂が本来有する耐熱性等の特性を劣化させることなく維持できる。
したがって、上記絶縁体における絶縁破壊を抑制できると共に、小型化に対応可能な点火コイルを提供することができる。
上記点火コイルを製造する方法としては、中心コアと、該中心コアの外周に配置した1次コイル及び2次コイルと、有機化クレイ、エポキシ樹脂、及び硬化剤を含有する絶縁材料からなる絶縁体とをケース内に備える点火コイルの製造方法において、
上記絶縁体を作製するにあたっては、有機アンモニウム水溶液を層状粘土鉱物の分散液に加えて、窒素原子に2〜4個の有機修飾基が結合してなる2〜4級の有機アンモニウムイオンを上記層状粘土鉱物の層間に入り込ませて上記有機化クレイを形成する有機化クレイ形成工程と、
上記有機化クレイ、上記エポキシ樹脂、及び上記硬化剤を含有する上記絶縁材料を真空脱泡しながら撹拌混合して上記有機化クレイを上記エポキシ樹脂中に分散させる分散工程と、
上記分散工程後に上記絶縁材料を上記ケース内に注入し、上記絶縁材料を加熱、硬化させて上記絶縁体を形成する絶縁体形成工程とを備えることを特徴とする点火コイルの製造方法がある。
上記点火コイルにおいて、上記絶縁材料は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、上記エポキシ樹脂中に分散された厚み2nm以下のナノ充填材とを含有する。
上記ナノ充填材の厚みが2nmを越える場合には、上記絶縁材料中に分散された上記ナノ充填材の比表面積が小さくなる。そのため、この場合には、上記絶縁材料における絶縁破壊の進展距離が短くなりやすく、上記絶縁材料の絶縁性が低下するおそれがある。
また、上記絶縁材料中の上記ナノ充填材の厚み及び幅は、硬化させた上記絶縁材料を例えばX線回折法及び透過型電子顕微鏡(TEM)等により測定することにより得ることができる。
この場合には、上記エポキシ樹脂中に上記ナノ充填材が分散された上記絶縁材料を容易に作製することができる。
また、上記有機化クレイと上記エポキシ樹脂とを混合すると、上記有機化クレイを構成する層を上記ナノ充填材として上記エポキシ樹脂中に分散させることができる。
即ち、上記有機化クレイと上記エポキシ樹脂とを混合すると、上記エポキシ樹脂が上記有機化クレイの層間に入り込み、層間の結合が壊れ、上記有機化クレイを構成する層が上記ナノシート充填材としてエポキシ樹脂中に分散される。上記のごとく、有機化クレイにおいては、有機アンモニウムイオンが層間に挿入され、層間距離が大きくなっており、エポキシ樹脂が入り込みやすいからである。
2〜4級の有機アンモニウムイオンの構造をそれぞれ下記の式(1)〜(3)に示す。式(1)〜(3)においてR1〜R3は、有機修飾基を示す。
そして上記有機アンモニウムイオンが挿入された上記層状粘土鉱物、即ち上記有機化クレイは、その層間距離が大きくなっている。そのため、上記有機化クレイと上記エポキシ樹脂と混合し分散させることにより、上記有機化クレイの層間に上記エポキシ樹脂が容易に入り込むことができる。その結果、上記有機化クレイの層間隔がさらに広がって、有機化クレイの層間の結合が切断され、有機化クレイを構成する層を上記ナノ充填材としてエポキシ樹脂中に分散させることができる。
シクロアルキル基、アルケニル基等の炭化水素基等がある。また、これらの有機修飾基中には、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の比較的極性が大きく、反応性の高い官能基が含まれていても良い。
好ましくは、上記有機アンモニウムイオンの上記有機修飾基は、炭素数が30以下であることがよい。
炭素数が30を越える場合には、上記有機アンモニウムイオンが上記粘土鉱物の層間に入り込み難くなるおそれがある。そのため、上記有機化クレイの層間距離を充分に拡大させることが困難になり、上記ナノ充填材を上記エポキシ樹脂中に充分に分散させることが困難になるおそれがある。
上記有機アンモニウムイオンにおける上記有機修飾基のいずれもが炭素数2未満である場合には、上記有機化クレイの層間距離を充分に拡大させることができず、その結果、上記ナノ充填材を上記エポキシ樹脂中に充分に分散させることが困難になるおそれがある。より好ましくは、上記有機アンモニウムイオンの上記有機修飾基のうち少なくとも一つは、炭素数10以上がよく、さらに好ましくは炭素数15以上がよい。
この場合には、上記有機アンモニウムイオンは、上記粘土鉱物の層間に容易に入り込むことができると共に、上記粘土鉱物の層間距離を充分に拡大させることができる。
上記硬化剤としては、例えば酸無水物又はアミン化合物等を用いることができる。
上記酸無水物としては、例えばヘキサヒドロ酸無水物、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水メチルCD酸、無水CD酸、メチルハイミック酸、ハイミック酸、無水コハク酸、テトラヒドロ酸無水物、リカシッドHL、クロレンド酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、3メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸マレイン酸付加物、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ドデセニル無水コハク酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、及びメチルナジック酸等がある。
また、上記硬化剤の含有量は、上記エポキシ樹脂100重量部に対して30重量部〜170重量部であることが好ましい。
この場合には、エポキシ樹脂本来の特性を損なわずに、硬化させることができる。
上記ナノ充填材の配合割合が上記の範囲内にある場合には、少量のナノ充填材で優れた絶縁性を発揮できるという本発明の作用効果をより顕著に発揮することができる。より好ましくは、上記絶縁材料における上記ナノ充填材の含有量は、1〜20重量部がよく、さらに好ましくは1〜10重量部がよい。
この場合には、上記絶縁体の優れた絶縁性を利用して、上記1次コイル及び上記二次コイル間の絶縁を確実に維持することができる。またこの場合には、上記絶縁体の優れた耐熱性を利用して、熱応力により上記絶縁体にクラック等が発生することを防止することができる。即ち、一般に、上記1次コイル及び上記二次コイルには高電圧が印加されるため、その周囲の温度が上昇し易い。一方、上記絶縁体においては、上述のごとく少量の上記ナノ充填材で高い絶縁性を発揮できるため、耐熱性に優れるというエポキシ樹脂のそのまま維持することができる。したがって、上記のごとく上記絶縁体を上記1次コイル及び2次コイル間に配置することにより、上記絶縁体は絶縁性だけでなく耐熱性を発揮し、クラックの発生を防止することができる。
次に、本発明の実施例につき、図1〜図3を用いて説明する。
図1に示すごとく、本例の点火コイル1は、棒状の中心コア3と、その外周を同心円状に巻回するように配置した1次コイル21及び2次コイル22と、絶縁材料からなる絶縁体5とをケース20内に備える。絶縁体5は、ケース20内の少なくとも一部に絶縁材料を注入しこれを例えば加熱等により硬化させてなる。
また、図2に示すごとく、絶縁材料50は、エポキシ樹脂51と、エポキシ樹脂51中に分散された厚み2nm以下のナノ充填材52と、硬化剤(図示略)とを含有する。
以下、これを詳説する。
円筒部2は、ケース20内に、外周スプール24、1次コイル21、2次コイル22、及び中心コア3を挿通配設してなる。1次コイル21は、円筒状の1次スプール211の外周面に絶縁被覆したワイヤを巻回してなり、2次コイル22は、円筒状の2次スプール221の外周面に1次コイル21よりも多い巻回数で絶縁被覆したワイヤを巻回してなる。また、2次コイル22は、1次コイル21の内周側に挿通されており、2次コイル22の内周側には、棒状で金属製の中心コア3が配設されている。
中心コア3は、1次コイル21に電流を流して発生した磁束の形成による渦電流の発生を抑制するために、複数の鋼板を径方向に積層してなる。また、本例においては、中心コア3には、その外周面に、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる絶縁シート4が巻き付けられている。絶縁シート4は、中心コア3の外周面に、アクリル系の接着剤からなる接着層(図示略)によって密着形成されている。
また、本例においては、上記のごとく中心コア3の外周面に絶縁シート4を巻き付けることにより、2次コイル22と中心コアとの絶縁性を確保しているが、絶縁シート4の代わりに中心コアと2次コイル22との間(正確には中心コアと2次スプール221との間に)に絶縁体5を形成することもできる。
また、円筒部2は、軸方向先端部201とは反対側の軸方向基端部202に、1次コイル21に電力を供給するイグナイタ251を配設するためのイグナイタ配置凹部25が形成されている。そして、このイグナイタ配置凹部25内は、イグナイタ251を配設した状態で、上記各隙間29に充填した絶縁体5と同じ絶縁材料からなる絶縁体5によって充填されている。また、イグナイタ251は、ECU(電子制御ユニット)からの信号によって動作するスイッチング素子等を用いた電力制御回路等を備えている。
上記のごとく、絶縁体5は、絶縁材料50を加熱硬化させてなり、絶縁材料50は、エポキシ樹脂51と、この中に分散されたナノ充填材52とを含有する(図1及び図2参照)。
本例においては、絶縁材料50としては、有機アンモニウムイオン59を層状粘土鉱物6の層61間に挿入してなる有機化クレイ7と、エポキシ樹脂51とを混合し、有機化クレイ7を構成する層61を上記ナノ充填材52としてエポキシ樹脂51中に分散させてなるものを用いた(図3(a)及び(b)、図2参照)。
具体的には、絶縁材料は、次のようにして作製した。
まず、層状粘土鉱物6として、複数の層61が積層されてなる層状構造のモンモリロナイト(Na−モンモリロナイト)を準備した(図3(a)参照)。この層状粘土鉱物を水に分散させた。
次に、有機アンモニウム塩であるトリメチルステアリルアンモニウムクロライドを準備し、この有機アンモニウム塩を水に溶解して有機アンモニウム水溶液を作製した。この有機アンモニウム水溶液中には、下記式(4)で表される有機アンモニウムイオン(トリメチルステアリルアンモニウムイオン)が存在する。
次に、有機化クレイ7の沈殿物をろ過により回収し、水で3回洗浄し、凍結乾燥することにより有機化クレイ(有機化モンモリロナイト)7を得た。
次いで、この絶縁材料50を加熱により硬化させ、硬化した絶縁材料50中に含まれるナノ充填材52の厚み及び幅をX線回折法及び透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定したところ、絶縁材料50中には、層状粘土鉱物を構成する層がほとんど単一な層にまで分離され、厚み約1nm、幅100nm×100nmの板状のナノ充填材52がエポキシ樹脂51中に分散されていた。また、絶縁材料50におけるナノ充填剤の含有割合は、上記有機化クレイの配合割合と同様であり、エポキシ樹脂100重量部に対して7重量部であった。
そのため、絶縁体5においては、比較的少量の添加量でも絶縁破壊の進展距離を長くすることができる。それ故、絶縁体5においては、エポキシ樹脂100重量部に対して7重量部という少量のナノ充填材であっても、絶縁破壊の発生を充分に抑制することができ、絶縁体5は優れた絶縁性を発揮することができる。
また、絶縁体5においては、上記のごとく少量のナノ充填材52で優れた絶縁性を発揮できるため、エポキシ樹脂51が本来有する耐熱性等の特性を維持できる。
以上のように、本例の点火コイル1は、絶縁体5における絶縁破壊を抑制できると共に、小型化にも対応することができる。
本例においては、点火コイルの絶縁体の材料となる絶縁材料について検討する例である。即ち、本例においては、エポキシ樹脂中に分散させる添加剤の種類や量を変えて5種類の絶縁材料(試料E1〜試料E3、試料C1及び試料C2)を作製し、その特性を比較評価する。
即ち、試料E1は、実施例1と同様にして、ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部と、4級の有機アンモニウムイオンであるトリメチルステアリルアンモニウムイオンがモンモリロナイトの層間に挿入された有機化クレイ7重量部と、硬化剤としてのヘキサヒドロ酸無水物85重量部とを混合して作製したものである。
また、試料E3は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部と、トリメチルステアリルアンモニウムイオンがフッ素化雲母の層間に挿入された有機化クレイ7重量部と、硬化剤としてのヘキサヒドロ酸無水物85重量部とを混合して作製したものである。即ち、試料E3は、層状粘土鉱物としてフッ素化雲母を用いた点を除いては、実施例1の絶縁材料(上記試料E1)と同様にして作製したものである。試料E3においても、上記実施例1の絶縁材料(上記試料E1)と同様に、フッ素化雲母を構成する層状構造がほとんど単一な層まで分離され、厚み約1nm、幅約100nm×約100nmの板状のナノ充填材がエポキシ樹脂中に分散されていた。
具体的には、まず、シリカ充填材を準備した。このシリカ充填材は、粒径1〜100μmのシリカの粒状体からなる。
次いで、このシリカ充填材50重量部と、エポキシ樹脂としてのビスフェノールA型エポキシ樹脂100重量部と、硬化剤としてのヘキサヒドロ酸無水物85重量部とを、実施例1と同様に、温度60℃で真空脱泡(500Pa)しながら約60〜180分間攪拌混合し、絶縁材料を作製した。これを試料C1とする。試料C1においては、エポキシ樹脂中に、粒径1〜100μmのシリカ充填材がそのまま分散されていた。
上記試料E1〜試料E3、試料C1及び試料C2の絶縁材料の組成を表1に示す。
粘度の測定は、サンプル瓶(35φ、110ml)に各試料約80mlを秤量し、B型回転粘度計(東京計器株式会社製)を用い60℃に調整したシリコーン油浴に浸漬しておこなった。また、Tgの測定は、TMA(Thermomechanical Analysys)法により、各試料を温度90℃で17時間加熱後、さらに170℃で15時間加熱して得られた硬化物を熱物理試験機TM−1500型(真空理工株式会社製)を用いて昇温速度2.0℃/minで昇温させることにより測定した。
具体的には、図6に示すごとく、まず上記のように加熱により硬化させた各試料の絶縁材料を立方体形状の試験片5に成形した。次いで、立方体形状の試験片5の一つの面に、導電性ペーストを焼き付けて電極面10を形成した。次に、電極面10と対抗する面から試験片5に針電極8(φ30μm)を挿入し、針電極8と電極面間に電圧を印加し、絶縁破壊が起こるまでの時間(破壊時間)を測定した。なお、針電極8と電極面10との距離dは2mmとした。
次いで、破壊時間と印加電圧との関係から破壊時間が1000時間となる電圧(耐電圧)を算出した。
これに対し、エポキシ樹脂中に粒径1〜100μmのシリカからなる充填材を含有する絶縁材料(試料C1)においては、50重量部という多くの充填材を含有するにもかかわらず、耐電圧が80kV/mmしかなく、絶縁性が低かった。
また、試料C2のように、シリカからなる充填材の量を増量すると、耐電圧を向上できることがわかる。しかし、表2に示すごとくこの場合には粘度が高くなるため、点火コイルにおける狭い隙間にまで充分に絶縁材料を充填することが困難になるおそれがある。
なお、本例においては、上記のごとく、有機アンモニウムイオンとして4級の有機アンモニウムイオン(トリメチルステアリルアンモニウムイオン)を用いて作製した有機化クレイを用いて絶縁材料を作製した。本例においては明確に示していないが、例えば下記の式(5)に示す2級の有機アンモニウムイオン(N−メチルnオクタデシルアンモニウムイオン)及び式(6)に示す3級の有機アンモニウムイオン(N,N−ジメチルnオクタデシルアンモニウムイオン)を用いても、上記試料E1〜試料E3と同様に、厚み2nm以下でアスペクト比40以下のナノ充填材を含有する、絶縁性に優れた絶縁材料が得られることを確認している。
2 円筒部
20 ケース
21 1次コイル
211 1次スプール
22 2次コイル
221 2次スプール
3 中心コア
5 絶縁体
50 絶縁材料
51 エポキシ樹脂
52 ナノ充填材
Claims (6)
- 中心コアと、該中心コアの外周に配置した1次コイル及び2次コイルと、有機化クレイ、エポキシ樹脂、及び硬化剤を含有する絶縁材料からなる絶縁体とをケース内に備える点火コイルの製造方法において、
上記絶縁体を作製するにあたっては、有機アンモニウム水溶液を層状粘土鉱物の分散液に加えて、窒素原子に2〜4個の有機修飾基が結合してなる2〜4級の有機アンモニウムイオンを上記層状粘土鉱物の層間に入れ込ませて上記有機化クレイを形成する有機化クレイ形成工程と、
上記有機化クレイ、上記エポキシ樹脂、及び上記硬化剤を含有する上記絶縁材料を真空脱泡しながら攪拌混合して上記有機化クレイを上記エポキシ樹脂中に分散させる分散工程と、
上記分散工程後に上記絶縁材料を上記ケース内に注入し、上記絶縁材料を加熱、硬化させて上記絶縁体を形成する絶縁体形成工程とを備えることを特徴とする点火コイルの製造方法。 - 請求項1において、上記有機アンモニウムイオンの上記有機修飾基のうち少なくとも一つは、炭素数が2以上30以下であることを特徴とする点火コイルの製造方法。
- 請求項1又は2において、上記層状粘土鉱物は、モンモリロナイト、フッ素化雲母、サボナイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、及びスティブンサイトから選ばれる1種以上であることを特徴とする点火コイルの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、上記絶縁材料は、上記エポキシ樹脂100重量部に対して上記有機化クレイを1〜35重量部含有することを特徴とする点火コイルの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか一項において、上記1次コイル及び上記2次コイルのうち一方は、もう一方の外周を同心円状に巻回するように配置され、上記絶縁体は、上記1次コイルと上記二次コイルとの間に配置されることを特徴とする点火コイルの製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか一項において、上記有機修飾基は、炭化水素基であることを特徴とする点火コイルの製造方法。
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