JP2001164134A - 高分子組成物 - Google Patents

高分子組成物

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JP2001164134A
JP2001164134A JP35198999A JP35198999A JP2001164134A JP 2001164134 A JP2001164134 A JP 2001164134A JP 35198999 A JP35198999 A JP 35198999A JP 35198999 A JP35198999 A JP 35198999A JP 2001164134 A JP2001164134 A JP 2001164134A
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clay mineral
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Naoki Hasegawa
直樹 長谷川
Azusa Tsukigase
あずさ 月ヶ瀬
Arimitsu Usuki
有光 臼杵
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子と層状粘土鉱物とを含む高分子組成物
であって、当該高分子が極性高分子の場合においても層
状粘土鉱物の分散性が良好で、力学特性やガスバリア性
等の物性が優れた高分子組成物を提供すること。 【解決手段】 高分子と、該高分子中に分散された層状
粘土鉱物とを含み、前記層状粘土鉱物は、全陽イオン交
換容量の25〜85%が有機化剤で有機化された層状粘
土鉱物であることを特徴とする高分子組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機化された層状粘
土鉱物を含む高分子組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子の耐熱性、結晶性、流動性等の特
性を改良するために、カオリナイトやモンモリロナイト
等の層状粘土鉱物を添加することが従来より行われてい
る。この時、層状粘土鉱物をそのまま添加するのではな
く、層状粘土鉱物を有機化剤で有機化したものを添加す
ることにより、高分子中での層状粘土鉱物の分散性を向
上させることが可能であることが知られている。
【0003】このような手法は、例えば、特開平9−2
17012号公報に開示されている。同公報によれば、
オニウムイオンを有する有機物(有機化剤)を層間に挿
入した層状粘土鉱物を熱可塑性樹脂に添加することによ
り、層状粘土鉱物を熱可塑性樹脂中で微分散させること
が可能であるとされる。ここで用いられている、有機化
剤を層間に挿入した層状粘土鉱物は、層状粘土鉱物に対
して過剰量の有機化剤を加えること(層状粘土鉱物の全
陽イオン交換容量の約2.5倍の有機化剤を添加)によ
り得られたものである。
【0004】また、特開平10−1608号公報には、
炭素数8以上の炭化水素鎖を有する四級オニウムイオン
(有機化剤)を取り込んだ層状珪酸塩をポリアミド樹脂
に添加することにより、ポリアミド樹脂のガスバリア性
等の特性を向上させることが可能であることが開示され
ている。同公報においては、層状珪酸塩の全陽イオン交
換容量の1.2倍量の有機化剤が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術に開示されたような有機化された層状粘土鉱物を
用いる場合は、有機化されていない層状粘土鉱物を用い
る場合に比較して高分子中における分散は良くなるもの
の、分散の微細さの点において必ずしも十分とはいえ
ず、また、高分子の種類や添加量などにより分散状態が
変化するという問題が生じていた。このために、層状粘
土鉱物を添加した高分子の力学特性やガスバリア性等の
物性が不十分となる場合があった。このような問題は、
層状粘土鉱物を添加する高分子として、極性高分子を用
いる場合において特に顕著であった。
【0006】本発明は、このような技術的課題に鑑みて
なされたものであり、高分子と層状粘土鉱物とを含む高
分子組成物であって、当該高分子が極性高分子の場合に
おいても層状粘土鉱物の分散性が良好で、力学特性やガ
スバリア性等の物性が優れた高分子組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、上記従来技術の
問題点は層状粘土鉱物を過剰量の有機化剤で有機化した
ことに起因するものであることを見出した。そして、こ
の知見に基づいて、層状粘土鉱物の全陽イオン交換容量
の一部のみを有機化剤で有機化した層状粘土鉱物を用い
ることにより、高分子中で層状粘土鉱物が非常に微細に
分散した高分子組成物を得ることができることを見出
し、本発明を完成させた。
【0008】すなわち、本発明の高分子組成物は、高分
子と、該高分子中に分散された層状粘土鉱物とを含み、
前記層状粘土鉱物は、全陽イオン交換容量の25〜85
%が有機化剤で有機化された層状粘土鉱物であることを
特徴とする。
【0009】層状粘土鉱物は層間にナトリウムイオン等
の無機陽イオンを有しているが、この陽イオンの全イオ
ン交換容量の25〜85%を有機化剤で有機化した層状
粘土鉱物は、もともと含有していた陽イオンと有機化剤
の両方を層間に有することとなる。有機化剤による有機
化の割合が増加するにつれ層状粘土鉱物の極性は低下
し、逆に、有機化の割合が低下するにつれ層状粘土鉱物
の極性は高くなるが、有機化の割合を全陽イオン交換容
量の25〜85%に制御することにより、層状粘土鉱物
の極性を極性高分子を始めとする様々な種類の高分子の
極性に近づけることができるために、両者の親和性が向
上し層状粘土鉱物の微分散が可能となる。また、層間に
有機化剤が存在することにより層間距離が増加するた
め、高分子が層間に侵入(インターカレーション)する
ことが容易となり、層状粘土鉱物と高分子との接触面積
が増大する。この結果、得られる高分子組成物の力学特
性やガスバリア性等の物性が向上する。
【0010】本発明の高分子組成物に含まれる高分子
は、ニトリル基及び/又は水酸基を含む高分子であるこ
とが好ましい。
【0011】ニトリル基及び/又は水酸基は極性が強い
ためこれらの官能基を有する高分子は極性高分子となる
が、全陽イオン交換容量の25〜85%が有機化剤で有
機化された層状粘土鉱物はこのような極性高分子との親
和性に特に優れるために層状粘土鉱物の分散性が更に向
上する。このために、ニトリル基及び/又は水酸基を含
む高分子を用いると高分子組成物の力学特性やガスバリ
ア性等の物性が更に向上する傾向にある。
【0012】また、本発明においては、層状粘土鉱物を
有機化する有機化剤は、有機オニウム化合物であること
が好ましい。有機オニウム化合物は層状粘土鉱物との反
応性に優れるため、全陽イオン交換容量の25〜85%
が有機化された層状粘土鉱物を得ることが容易となる。
また、有機オニウム化合物で有機化された層状粘土鉱物
は高分子のインターカレーションが良好となる。このた
めに、有機オニウム化合物を用いると高分子組成物の力
学特性やガスバリア性等の物性が向上する傾向にある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついてさらに詳細に説明する。
【0014】本発明の高分子組成物は、高分子と、該高
分子中に分散された層状粘土鉱物とを含み、前記層状粘
土鉱物は、全陽イオン交換容量の25〜85%が有機化
剤で有機化された層状粘土鉱物であることを特徴とする
組成物である。
【0015】本発明において用いられる層状粘土鉱物は
特に制限されず、例えば、カオリナイト、ハロサイト等
のカオリナイト族;モンモリロナイト、バイデライト、
サポナイト、ヘクトライト、マイカ等のスメクタイト
族;バーミキュライト族等の層状粘土鉱物を用いること
ができる。層状粘土鉱物は天然物由来のものでも、天然
物の処理品でも、膨潤性のフッ素化マイカのように合成
品でもよい。上記の層状粘土鉱物は単独で用いてもよく
2種類以上の混合物として用いてもよい。
【0016】層状粘土鉱物の全陽イオン交換容量に関し
ても特に制限はないが、全陽イオン交換容量は10〜3
00meq/100gであることが好ましく、50〜2
00meq/100gであることがより好ましい。な
お、全陽イオン交換容量とは以下に述べるカラム浸透法
により算出される数値を意味する。
【0017】すなわち、長さ12cm、内径1.3cm
の浸出管中に脱脂綿と濾紙乳により5mmの濾過層を作
り、その上に石英砂とともに層状粘土鉱物を0.2〜1
g充填し、これに対し1規定酢酸アンモニウム液100
mlを4〜20時間かけて浸透させアンモニウムイオン
で飽和した層状粘土鉱物を得る。これを10%食塩水1
00mlで洗浄しアンモニウムイオンを交換浸出させ、
アンモニウムイオンの含量を測定し、この値から層状粘
土鉱物100g当りの陽イオンのミリグラム等量(me
q)を算出し、全陽イオン交換容量とする。
【0018】本発明の高分子組成物は、このようにして
算出された全陽イオン交換容量の値の25〜85%が有
機化剤で有機化された層状粘土鉱物を含むものである
が、有機化剤による有機化は全陽イオン交換容量の40
〜75%であることが好ましい。本発明において有機化
とは、有機物を上記の層状粘土鉱物の表面及び/又は層
間に物理的、化学的方法により吸着及び/又は結合させ
ることを意味する。また、有機化剤とはこのような吸着
及び/又は結合が可能な有機物をいい、溶媒中でイオン
を生じる極性基と有機基とを有する有機化合物が通常用
いられる。したがって、全陽イオン交換容量の25〜8
5%が有機化されたとは、層状粘土鉱物の全陽イオン交
換容量が100meq/100gであった場合、この層
状粘土鉱物100g中の陽イオン25〜85ミリ等量
が、同一の等量の有機化剤で置き換わったことを意味す
る。
【0019】有機化剤の種類は特に制限されないが、層
状粘土鉱物との反応性に優れる等の観点から、有機オニ
ウム化合物を用いることが好ましい。有機オニウム化合
物としては、有機アンモニウム化合物、有機ホスホニウ
ム化合物、有機ピリジニウム化合物、有機スルホニウム
化合物等が挙げられ、なかでも、生じる有機オニウムイ
オンの反応性が良好なことから、有機アンモニウム化合
物及び有機ホスホニウム化合物を用いることがより好ま
しい。
【0020】上記の有機オニウム化合物における孤立電
子対を有する原子(例えば、有機アンモニウム化合物に
おいては窒素原子)に結合する有機基の炭素数は特に制
限されないが、最長鎖の有機基の炭素数は4〜30であ
ることが好ましく、6〜24であることがより好まし
い。最長鎖の炭素数が4未満である場合は、層状粘土鉱
物の有機化の効果が不十分になる傾向にあり、30を超
す場合は高分子中における層状粘土鉱物の分散が不十分
になる傾向にある。また、上記の有機オニウム化合物に
おける孤立電子対を有する原子に結合する有機基の数は
1以上、結合が許される最大数以下である。なお、この
有機基はカルボキシル基、水酸基、チオール基、ニトリ
ル基等の置換基を有していてもよい。
【0021】有機化剤として用いられる有機アンモニウ
ム化合物としては、第一級、第二級、第三級及び第四級
の有機アンモニウム化合物がいずれも使用できる。この
ようなアンモニウム化合物としては、ヘキシルアンモニ
ウム化合物、オクチルアンモニウム化合物、デシルアン
モニウム化合物、ドデシルアンモニウム化合物、テトラ
デシルアンモニウム化合物、ヘキサデシルアンモニウム
化合物、オクタデシルアンモニウム化合物、ヘキシルト
リメチルアンモニウム化合物、オクチルトリメチルアン
モニウム化合物、デシルトリメチルアンモニウム化合
物、ドデシルトリメチルアンモニウム化合物、テトラデ
シルトリメチルアンモニウム化合物、ヘキサデシルトリ
メチルアンモニウム化合物、オクタデシルトリメチルア
ンモニウム化合物、ドデシルジメチルアンモニウム化合
物、ドデシルメチルアンモニウム化合物、ジオクタデシ
ルアンモニウム化合物、ジオクタデシルジメチルアンモ
ニウム化合物等が挙げられる。これらの有機アンモニウ
ム化合物は単独で使用してもよいが2種類以上を組み合
わせて使用してもよい。
【0022】層状粘土鉱物の有機化は、例えば、本出願
人による特許第2627194号公報に開示されている
方法により行うことができる。すなわち、層状粘土鉱物
中のナトリウムイオン等の無機イオンを、上記の有機オ
ニウム化合物から生じる有機オニウムイオン(例えば、
有機アンモニウム化合物においては有機アンモニウムイ
オン)によりイオン交換することにより行うことができ
る。このとき、加える有機オニウム化合物の等量を、上
述の方法により得られた全陽イオン交換容量の25〜8
5%にすることにより、全陽イオン交換容量の25〜8
5%が有機化剤で有機化された層状粘土鉱物を得ること
ができる。
【0023】有機オニウム化合物として有機アンモニウ
ム化合物を用いる場合においては、例えば、次のような
方法により有機化を行うことができる。すなわち、層状
粘土鉱物が塊状の場合は、まずこれをボールミル等によ
り粉砕し粉体化する。次いで、ミキサー等を用いてこの
粉体を水中に分散させ層状粘土鉱物の水分散物を得る。
これとは別に、塩酸等の酸及び有機アミンを水に添加し
有機アンモニウム化合物の水溶液を調製し、有機アンモ
ニウム化合物の等量が全陽イオン交換容量の25〜85
%となるようにして、この水溶液を上記層状粘土鉱物の
水分散物に加え混合する。これにより、層状粘土鉱物中
の無機陽イオンが有機アンモニウムイオンによりイオン
交換される。次いで、この混合物から水を除去すること
により全陽イオン交換容量の25〜85%が有機化され
た層状粘土鉱物を得ることができる。有機アンモニウム
化合物や層状粘土鉱物の分散媒体としては、水以外にも
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、エチレングリコール、これらの混合物及びこれら
と水の混合物等も使用することが可能である。
【0024】層状粘土鉱物は、上述のように全陽イオン
交換容量が10〜300meq/100gであることが
好ましく、この全陽イオン交換容量のうち25〜85%
が有機化された場合、有機化されずに残存するナトリウ
ムイオン等の陽イオンの等量は、1.5〜225meq
/100gとなる。
【0025】本発明の高分子組成物は、上述した層状粘
土鉱物と高分子を含む物であるが、本発明において用い
られる高分子には特に制限はない。例えば、化学構造、
分子構造(直鎖、分岐、架橋等)、極性(極性、無極
性)、結晶性、弾性率(樹脂状、ゴム状等)、分子量等
が様々異なるものを、単独若しくは混合物として用いる
ことができる。
【0026】このような高分子としては、炭化水素のみ
からなる高分子、極性基を側鎖に有する高分子、極性結
合を主鎖に有する高分子、およびこれらの高分子の組み
合わせ等が挙げられる。なお、極性基を側鎖に有する高
分子や極性結合を主鎖に有する高分子は一般的に極性高
分子である。
【0027】炭化水素のみからなる高分子としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンプロピレ
ン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン;ポリブタ
ジエン、ポリイソプレン等のポリジエン;ポリスチレ
ン;スチレン−ブタジエン共重合体、水添スチレン−ブ
タジエン共重合体、スチレン−ブチレン−スチレンブロ
ック共重合体、水添スチレン−ブチレン−スチレンブロ
ック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロッ
ク共重合体等のスチレン系ブロック共重合体が挙げられ
る。また、これらの高分子に無水マレイン酸基のような
極性基を付与した、いわゆる変性高分子が挙げられる。
【0028】側鎖に極性基を有する高分子は、1又は2
種以上の極性基を側鎖に含むものであればよく、例え
ば、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニ
トリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体、水添アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体、アクリロニトリル−(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体等のニトリル基を側鎖に有する高
分子;ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体、ポリ酢酸ビニル部分けん化物、エチレン
−酢酸ビニル部分けん化物、フェノール樹脂等の水酸基
を側鎖に有する化合物;ポリアクリルアミド等のアミド
基を側鎖に有する高分子;ポリ(メタ)アクリル酸エス
テル、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合
体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体等
のエステル基を側鎖に有する高分子;ポリビニルエーテ
ル等のエーテル基を側鎖に有する高分子;スチレン−無
水マレイン酸共重合体、アクリル酸−(メタ)アクリル
酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等
のカルボキシル基を側鎖に有する高分子;塩素化ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
テトラフルオロエチレン等のハロゲン原子含有高分子等
が挙げられる。
【0029】主鎖に極性結合を有する高分子は、1又は
2種以上の極性結合を主鎖に有するものであればよく、
例えば、ポリヘキサメチレンアジポアミド(6,6−ナ
イロン)、ポリフタルアミド等のアミド結合を主鎖に有
する高分子(ポリアミド);ポリピロメリットイミド等
のイミド結合を主鎖に有する高分子(ポリイミド);ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリアリレート等のエステル結合を主鎖に有する高
分子(ポリエステル);ポリフェニレンオキサイド、ポ
リアセタール、ポリエーテルニトリル等のエーテル結合
を主鎖に有する高分子(ポリエーテル);ポリフェニレ
ンスルフィド等のスルフィド結合を主鎖に有する高分
子;ポリベンツイミダゾール等のイミダゾール結合を主
鎖に有する高分子;ポリアリルスルホン等のスルホン基
を主鎖に有する高分子;ポリジメチルシロキサン等のシ
ロキサン結合を主鎖に有する高分子;カーボネート結合
を主鎖に有する高分子(ポリカーボネート);ウレタン
結合を主鎖に有する高分子(ポリウレタン);尿素結合
を主鎖に有する高分子(ポリ尿素)が挙げられる。
【0030】また、2種以上の極性結合を主鎖に有する
ものとしては、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホ
ン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド、エーテ
ル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、エー
テル系ポリエステル等が挙げられる。
【0031】更に、上述の高分子等の架橋物や加硫物も
使用可能であり、その例としては、ブタジエンゴム、ク
ロロプレンゴム、ニトリルゴム、エピクロルヒドリンゴ
ム、イソプレンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレ
ンゴム、スチレンブタジエンゴム、EPDM(エチレン
プロピレンジエンターポリマー)、ニトリルゴム、アク
リルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、天然ゴ
ム等のゴム状高分子を挙げることができる。
【0032】本発明においては、上述の高分子のうちニ
トリル基及び/又は水酸基を有する高分子を用いること
が好ましい。これは、ニトリル基及び/又は水酸基を有
する高分子が有機化剤で有機化された層状粘土鉱物との
親和性に特に優れ、また、得られる高分子組成物の力学
特性やガスバリア性等の特性にも優れるためである。
【0033】ニトリル基を有する高分子としては、得ら
れる高分子組成物の強度及びガスバリア性が特に優れる
ことから、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及び
水添アクリロニトリル−ブタジエン共重合体を用いるこ
とが特に好ましい。
【0034】また、ニトリル基を有する高分子における
ニトリル基含有量は、5〜75重量%であることが好ま
しく、10〜50重量%であることがより好ましい。ニ
トリル基含有量が5重量%未満である場合は、得られる
高分子組成物のガスバリア性が不十分となる傾向にあ
り、ニトリル基含有量が75重量%を超す場合は、高分
子の粘度が高くなる傾向にあり、層状粘土鉱物の分散の
ために長時間の攪拌や高いせん断力が必要となることが
ある。
【0035】水酸基を有する高分子としては、得られる
高分子組成物の強度及びガスバリア性が特に優れること
から、エチレン−ビニルアルコール共重合体が特に好ま
しい。また、水酸基を有する高分子における水酸基含有
量は、20〜90重量%であることが好ましく、30〜
80重量%であることがより好ましい。水酸基含有量が
20重量%未満である場合は、得られる高分子組成物の
ガスバリア性が不十分となる傾向にあり、水酸基含有量
が90重量%を超す場合は、得られる高分子組成物の吸
湿性が高くなりすぎる傾向にある。
【0036】本発明において使用される高分子の分子量
は、数平均分子量として5,000〜10,000,0
00であることが好ましい。数平均分子量が5,000
未満である場合は、得られる高分子組成物の力学特性が
劣る傾向にあり、一方、10,000,000を超す場
合は、層状粘土鉱物の分散が困難になる傾向にある。
【0037】上述した高分子と、全陽イオン交換容量の
25〜85%が有機化された層状粘土鉱物とを混合する
方法は特に制限はなく、例えば、高分子と有機化された
層状粘土鉱物とを水や有機溶剤等の溶媒に分散若しくは
溶解させた後、溶媒を除去することにより得ることがで
きる。
【0038】また、高分子と有機化された層状粘土鉱物
とを、当該高分子の融点若しくは軟化点以上に加熱して
混合することにより得ることもできる。加熱時には、せ
ん断力を加え有機化された層状粘土鉱物を均一に分散さ
せることが好ましく、加熱しつつせん断力を加える手段
としては押出機を用いることが好ましい。この際、有機
溶媒、オイル等を添加することができ、層状粘土鉱物の
分散後あるいは分散過程において、高分子の架橋及び/
又は加硫を行ってもよい。
【0039】上記の方法以外にも、例えば、モノマーに
有機化された層状粘土鉱物を加え、有機化された層状粘
土鉱物の存在下でモノマーの重合を行い、高分子組成物
を得ることが可能である。また、ポリウレタン、ポリエ
ステル、ポリ尿素、エポキシ樹脂等のように2以上の成
分を混合し反応させることにより高分子が生成するよう
な場合は、反応前の2以上の成分の少なくとも1つに予
め有機化された層状粘土鉱物を添加しておくことによ
り、高分子組成物を得ることが可能である。
【0040】高分子と有機化された層状粘土鉱物の混合
比は、前者100重量部に対して後者が好ましくは0.
01〜200重量部であり、より好ましくは0.1〜1
00重量部であり、特に好ましくは0.1〜30重量部
である。層状粘土鉱物の重量部が0.01重量部未満で
ある場合は、得られる高分子組成物の力学特性が十分で
なくなる傾向にあり、他方、200重量部を超す場合
は、高分子が連続層を形成できなくなる傾向にあり、高
分子組成物の力学特性が低下し、また粘度が高くなり加
工性が損なわれる傾向にある。
【0041】なお、本発明においては、高分子組成物の
特性を大きく損なわない限りにおいて、顔料、熱安定
剤、難燃剤、酸化防止剤、耐候剤、離型剤、可塑剤、強
化剤等を加えることができる。
【0042】本発明においては、高分子中に分散された
有機化された層状粘土鉱物は、0.05〜5μmの平均
粒径を有していることが好ましく、0.05〜1μmの
平均粒径を有していることがより好ましい。有機化され
た層状粘土鉱物の平均粒径が5μmを超える場合は、得
られる高分子組成物の力学特性等の物性が十分に高くな
らない傾向にある。
【0043】本発明においては、層状粘土鉱物の層間に
高分子が侵入(インターカレーション)することが可能
となるために、層状粘土鉱物の層間距離が増大するが、
このときの層間距離は、インターカレーションが生じる
前の層間距離よりも10オングストローム以上広がるこ
とが好ましく、30オングストローム以上広がることが
より好ましい。層間距離は、100オングストローム以
上広がることが更に好ましく、層状粘土鉱物の層構造が
消失する程度にまで層間距離が広がることが最も好まし
い。
【0044】なお、層間距離は、X線回折により測定す
ることが可能であり、層間距離が増大したことはX線回
折パターンにおいて、より小さい回折角度領域にピーク
が生じることにより確認でき、また、層構造の規則性が
失われていることは、ピークが明瞭でなくなることやピ
ークが現れなくなることから確認することが可能であ
る。また、層状粘土鉱物の分散の状態は、粘度からも間
接的に確かめることができる。すなわち、層状粘土鉱物
の分散が微細な高分子組成物は、層状粘土鉱物を含有し
ない高分子に比べて粘度(溶融粘度等)が大幅に上昇す
るが、層状粘土鉱物の分散の状態が悪い高分子組成物は
粘度上昇が僅かである。
【0045】以上説明したように、本発明においては、
層状粘土鉱物の全イオン交換容量の25〜85%を有機
化剤で有機化することにより極性を高分子の極性に近づ
けた層状粘土鉱物を用いるために、極性高分子を含む様
々な種類の高分子中において層状粘土鉱物が微細に分散
する。層状粘土鉱物の分散が微細であることは、層状粘
土鉱物と高分子の接触面積が大きいことを意味するた
め、高分子が層状粘土鉱物により拘束される割合が増
え、この結果、得られる高分子組成物の破断強度などの
力学特性が向上し、ガスバリア性も優れるようになる。
このため、本発明の高分子組成物は高い力学特性が要求
される分野やガスバリア性が要求される分野で使用可能
である。
【0046】また、高分子として、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体、水添アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体等のニトリル基を含む高分子や、エチレン−
ビニルアルコール共重合体等の水酸基を含む高分子を用
いた場合は、力学特性及びガスバリア性に特に優れるた
めに、コーティング材料や包装材料等のガスバリア性が
特に重要視される分野で使用可能である。
【0047】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例についてさらに
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0048】(実施例1)ナトリウムモンモリロナイト
(クニミネ工業社製層状粘土鉱物、商品名:クニピア
F、全陽イオン交換容量119meq/100g)80
gを80℃の水5000mlに分散させた。ドデシルア
ミン7g、濃塩酸7mlを80℃の水2000mlに溶
解し、この溶液を先のモンモリロナイト分散液中に加え
たところ沈殿物を得た。この沈殿物を濾過し80℃の水
で3回洗浄し、凍結乾燥することにより全陽イオン交換
容量の70%がドデシルアンモニウムで有機化された有
機化モンモリロナイトを得た。この有機化モンモリロナ
イトと、アクリロニトリルの含有量が27%のアクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体(日本ゼオン社製、Ni
pol DN302)とを、ミルを用いて80℃で混合
し、高分子組成物を得た。なお、アクリロニトリル−ブ
タジエン共重合体と有機化モンモリロナイトとの混合比
は、前者100重量部に対して後者20重量部であっ
た。
【0049】(実施例2)実施例1記載の方法に準じて
全陽イオン交換容量の50%がドデシルアンモニウムで
有機化された有機化モンモリロナイトを得た。全陽イオ
ン交換容量の70%がドデシルアンモニウムで有機化さ
れた有機化モンモリロナイトに代えて、この有機化モン
モリロナイトを用いた他は実施例1と同様にして高分子
組成物を得た。
【0050】(比較例1)実施例1記載の方法に準じて
全陽イオン交換容量の90%がドデシルアンモニウムで
有機化された有機化モンモリロナイトを得た。全陽イオ
ン交換容量の70%がドデシルアンモニウムで有機化さ
れた有機化モンモリロナイトに代えて、この有機化モン
モリロナイトを用いた他は実施例1と同様にして高分子
組成物を得た。
【0051】(比較例2)実施例1記載の方法に準じて
全陽イオン交換容量の20%がドデシルアンモニウムで
有機化された有機化モンモリロナイトを得た。全陽イオ
ン交換容量の70%がドデシルアンモニウムで有機化さ
れた有機化モンモリロナイトに代えて、この有機化モン
モリロナイトを用いた他は実施例1と同様にして高分子
組成物を得た。
【0052】実施例1及び2、比較例1及び2において
得られた高分子組成物を用いてX線回折を行った。得ら
れたX線回折パターンを図1〜図4に示す。この結果、
比較例1及び2においては明瞭なピークが認められた。
これに対して、実施例1においてはピークはブロード
で、実施例2においては明瞭なピークが観察されなかっ
た。
【0053】次いで、得られた高分子組成物の80℃に
おける溶融粘度と、有機化モンモリロナイト未添加の高
分子の溶融粘度を測定し、粘度比(前者を後者で除した
値)を算出し粘度上昇を評価した。結果をまとめて表1
に示す。なお、表1には、粘度比及びX線回折の結果に
基づく分散性の総合評価の結果と、モンモリロナイトの
有機化の割合(%)も示した。
【0054】
【表1】
【0055】(実施例3)ナトリウムモンモリロナイト
(クニミネ工業社製層状粘土鉱物、商品名:クニピア
F、全陽イオン交換容量119meq/100g)80
gを80℃の水5000mlに分散させた。オクタデシ
ルアミン9g、濃塩酸7mlを80℃の水2000ml
に溶解し、この溶液を先のモンモリロナイト分散液中に
加えたところ沈殿物を得た。この沈殿物を濾過し80℃
の水で3回洗浄し、凍結乾燥することにより全陽イオン
交換容量の70%がオクタデシルアンモニウムで有機化
された有機化モンモリロナイトを得た。この有機化モン
モリロナイトと、アクリロニトリルの含有量が18%の
アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(日本ゼオン社
製、Nipol DN401)とを、ミルを用いて80
℃で混合し、高分子組成物を得た。なお、アクリロニト
リル−ブタジエン共重合体と有機化モンモリロナイトと
の混合比は、前者100重量部に対して後者20重量部
であった。
【0056】(実施例4)実施例3記載の方法に準じて
全陽イオン交換容量の50%がオクタデシルアンモニウ
ムで有機化された有機化モンモリロナイトを得た。全陽
イオン交換容量の70%がオクタデシルアンモニウムで
有機化された有機化モンモリロナイトに代えて、この有
機化モンモリロナイトを用いた他は実施例3と同様にし
て高分子組成物を得た。
【0057】(比較例3)実施例3記載の方法に準じて
全陽イオン交換容量の90%がオクタデシルアンモニウ
ムで有機化された有機化モンモリロナイトを得た。全陽
イオン交換容量の70%がオクタデシルアンモニウムで
有機化された有機化モンモリロナイトに代えて、この有
機化モンモリロナイトを用いた他は実施例3と同様にし
て高分子組成物を得た。
【0058】(比較例4)実施例3記載の方法に準じて
全陽イオン交換容量の20%がオクタデシルアンモニウ
ムで有機化された有機化モンモリロナイトを得た。全陽
イオン交換容量の70%がオクタデシルアンモニウムで
有機化された有機化モンモリロナイトに代えて、この有
機化モンモリロナイトを用いた他は実施例3と同様にし
て高分子組成物を得た。
【0059】実施例3及び4、比較例3及び4において
得られた高分子組成物を用いてX線回折を行った。得ら
れたX線回折パターンを図5〜図8に示す。この結果、
比較例3及び4においては明瞭なピークが認められた
が、実施例3及び4においては明瞭なピークが観察され
なかった。
【0060】次いで、得られた高分子組成物に関して、
実施例1における評価方法と同様の方法により粘度比の
評価を行った。この評価結果を表2に示す。なお、表2
には粘度比及びX線回折の結果に基づく分散性の総合評
価の結果と、モンモリロナイトの有機化の割合(%)も
示した。
【0061】
【表2】
【0062】(実施例5)アクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体として、アクリロニトリルの含有量が27%
のもの(日本ゼオン社製、Nipol DN302)を
用いた他は実施例3と同様にして、高分子組成物を得
た。
【0063】(実施例6)実施例3記載の方法に準じて
全陽イオン交換容量の50%がオクタデシルアンモニウ
ムで有機化された有機化モンモリロナイトを得た。全陽
イオン交換容量の70%がオクタデシルアンモニウムで
有機化された有機化モンモリロナイトに代えて、この有
機化モンモリロナイトを用いた他は実施例5と同様にし
て高分子組成物を得た。
【0064】(比較例5)実施例3記載の方法に準じて
全陽イオン交換容量の90%がオクタデシルアンモニウ
ムで有機化された有機化モンモリロナイトを得た。全陽
イオン交換容量の70%がオクタデシルアンモニウムで
有機化された有機化モンモリロナイトに代えて、この有
機化モンモリロナイトを用いた他は実施例5と同様にし
て高分子組成物を得た。
【0065】(比較例6)実施例3記載の方法に準じて
全陽イオン交換容量の20%がオクタデシルアンモニウ
ムで有機化された有機化モンモリロナイトを得た。全陽
イオン交換容量の70%がオクタデシルアンモニウムで
有機化された有機化モンモリロナイトに代えて、この有
機化モンモリロナイトを用いた他は実施例5と同様にし
て高分子組成物を得た。
【0066】実施例5及び6、比較例5及び6において
得られた高分子組成物を用いてX線回折を行った。得ら
れたX線回折パターンを図9〜図12に示す。この結
果、比較例5及び6においては明瞭なピークが認められ
たが、実施例3及び4においてはピークはブロードであ
った。
【0067】次いで、得られた高分子組成物に関して、
実施例1における評価方法と同様の方法により粘度比の
評価を行った。この評価結果を表3に示す。なお、表3
には粘度比及びX線回折の結果に基づく分散性の総合評
価の結果と、モンモリロナイトの有機化の割合(%)も
示した。
【0068】
【表3】
【0069】(実施例7)実施例1に記載の方法に準じ
て、全陽イオン交換容量の70%がドデシルアンモニウ
ムで有機化された有機化モンモリロナイトを得た。この
有機化モンモリロナイト10重量部、アクリロニトリル
の含有量が34%のアクリロニトリル−ブタジエン共重
合体(日本ゼオン社製、Nipol 1042)100
重量部をミルを用いて80℃にて混練し高分子組成物を
得た。この高分子組成物100重量部に、酸化亜鉛5重
量部、硫黄1.5重量部、ステアリン酸1重量部、及び
加硫促進剤(テトラメチルチウラムジスルフィド)1重
量部を添加し、ロールにて練り込んだ。次いで、100
℃で20分間プレス加熱して加硫し、加硫成型物を得
た。
【0070】(実施例8)実施例3に記載の方法に準じ
て、全陽イオン交換容量の70%がオクタデシルアンモ
ニウムで有機化された有機化モンモリロナイトを得た。
全陽イオン交換容量の70%がドデシルアンモニウムで
有機化された有機化モンモリロナイトに代えて、この有
機化モンモリロナイトを用いた他は実施例7と同様にし
て加硫成型物を得た。
【0071】(比較例7)実施例1に記載の方法に準じ
て、全陽イオン交換容量の100%がドデシルアンモニ
ウムで有機化された有機化モンモリロナイトを得た。全
陽イオン交換容量の70%がドデシルアンモニウムで有
機化された有機化モンモリロナイトに代えて、この有機
化モンモリロナイトを用いた他は実施例7と同様にして
加硫成型物を得た。
【0072】(比較例8)実施例3に記載の方法に準じ
て、全陽イオン交換容量の100%がオクタデシルアン
モニウムで有機化された有機化モンモリロナイトを得
た。全陽イオン交換容量の70%がドデシルアンモニウ
ムで有機化された有機化モンモリロナイトに代えて、こ
の有機化モンモリロナイトを用いた他は実施例7と同様
にして加硫成型物を得た。
【0073】(比較例9)有機化モンモリロナイトを用
いなたかった他は、実施例7と同様にして加硫成型物を
得た。
【0074】実施例7及び8、比較例7及び8において
得られた加硫成型物を用いてX線回折を行った。得られ
たX線回折パターンを図13〜図16に示す。この結
果、比較例7及び8においては明瞭なピークが認められ
たが、実施例7及び8においては明瞭なピークが観察さ
れなかった。また、実施例7及び8、比較例7〜9にお
いて得られた加硫成型物を用いて、JIS K6301
に準じて引張試験を行い、破断強度を求めた。なお、試
験片はダンベル3号形とした。得られた破断強度を表4
に示すが、実施例7及び8の加硫成型物は5MPaを超
える高い破断強度を示すのに対して、比較例7〜9の加
硫成型物は4MPa未満の強度しか示さないことがわか
った。
【0075】次いで、実施例7及び8、比較例7〜9に
おいて得られた加硫成型物の60℃における窒素ガスの
透過性を調べた。なお、窒素ガスの透過性の試験は、ヤ
ナコ分析工業社製、ガス/液体透過率測定装置を用い、
透過面積16.2cm2、膜厚0.5mmで行った。こ
の結果を表4に示すが、実施例7及び8の高分子組成物
は比較例7〜9のものに比べて、窒素ガスの透過性が約
40%低くガスバリア性が高いことが示された。
【0076】更に、実施例7及び8、比較例7及び8に
おいて得られた加硫成型物に関して、実施例1における
評価方法と同様の方法により粘度比の評価を行った。こ
の評価結果を表4に示す。なお、表4には粘度比、破断
強度及びX線回折の結果に基づく分散性の総合評価の結
果と、モンモリロナイトの有機化の割合(%)も示し
た。
【0077】
【表4】
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高分子と層状粘土鉱物とを含む高分子組成物であって、
当該高分子が極性高分子の場合においても層状粘土鉱物
の分散性が良好で、力学特性やガスバリア性等の物性が
優れた高分子組成物を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において得られた高分子組成物のX線
回折パターンを示す図である。
【図2】実施例2において得られた高分子組成物のX線
回折パターンを示す図である。
【図3】比較例1において得られた高分子組成物のX線
回折パターンを示す図である。
【図4】比較例2において得られた高分子組成物のX線
回折パターンを示す図である。
【図5】実施例3において得られた高分子組成物のX線
回折パターンを示す図である。
【図6】実施例4において得られた高分子組成物のX線
回折パターンを示す図である。
【図7】比較例3において得られた高分子組成物のX線
回折パターンを示す図である。
【図8】比較例4において得られた高分子組成物のX線
回折パターンを示す図である。
【図9】実施例5において得られた高分子組成物のX線
回折パターンを示す図である。
【図10】実施例6において得られた高分子組成物のX
線回折パターンを示す図である。
【図11】比較例5において得られた高分子組成物のX
線回折パターンを示す図である。
【図12】比較例6において得られた高分子組成物のX
線回折パターンを示す図である。
【図13】実施例7において得られた加硫成型物のX線
回折パターンを示す図である。
【図14】実施例8において得られた加硫成型物のX線
回折パターンを示す図である。
【図15】比較例7において得られた加硫成型物のX線
回折パターンを示す図である。
【図16】比較例8において得られた加硫成型物のX線
回折パターンを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 臼杵 有光 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4J002 AA001 AC021 AC071 AC111 BB001 BC021 BG101 BG131 BN151 BP011 CB001 CF001 CH071 CL001 CN011 DJ036 FB086 FD016

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子と、該高分子中に分散された層状
    粘土鉱物とを含み、前記層状粘土鉱物は、全陽イオン交
    換容量の25〜85%が有機化剤で有機化された層状粘
    土鉱物であることを特徴とする高分子組成物。
  2. 【請求項2】 前記高分子が、ニトリル基及び/又は水
    酸基を含む高分子であることを特徴とする請求項1記載
    の高分子組成物。
  3. 【請求項3】 前記有機化剤が、有機オニウム化合物で
    あることを特徴とする請求項1または2記載の高分子組
    成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003012899A (ja) * 2001-07-02 2003-01-15 Teijin Chem Ltd 樹脂組成物
JP2006328426A (ja) * 2001-12-27 2006-12-07 Lg Chem Ltd 遮断性に優れたナノ複合体ブレンド組成物
JP2007005521A (ja) * 2005-06-23 2007-01-11 Denso Corp 点火コイル

Cited By (4)

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JP4687271B2 (ja) * 2005-06-23 2011-05-25 株式会社デンソー 点火コイルの製造方法

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