JP4687230B2 - 交流電動機駆動システム - Google Patents

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本発明は、永久磁石形同期電動機等の界磁付き電動機を位置センサレスにて駆動する際に、相電流検出手段を持たずに直流電流検出手段のみを有する安価なインバータを用いて、電動機の回転子が空転している状態から起動(いわゆるフリーラン起動)するための交流電動機駆動システムに関するものである。
相電流を検出することなくインバータの直流入力電流のみを検出して電動機をフリーラン起動する方法は、例えば、本出願人による特願2004−171094号,特願2004−255607(何れも、本願の出願時において未だ出願公開されていない)に開示されている。
以下、図9〜図13に従って、上記先願発明を説明する。
図9に示すように、スイッチング素子Q,Q,Q,Q,Q,Qと環流ダイオードD,D,D,D,D,Dとからなる三相電圧形インバータ10に三相の永久磁石形同期電動機等の界磁付き電動機20が接続されているとき、回転子の正転時においてその回転速度が一定の場合、電気角θに対する各相の無負荷誘起電圧e,e,eは図10のように三相平衡正弦波となる。ここで、スイッチング素子Q,Qからなるアーム部をU相、同Q,Qからなるアーム部をV相、同Q,Qからなるアーム部をW相とする。
なお、回転子が逆転する場合は、図11のように無負荷誘起電圧の相順が反転し、電気角に対する電圧位相も異なるが、現れる現象は同様となるため、以下では回転子の正転時についてのみ説明する。
図9において、U相下アームのスイッチング素子Qのみをオンし、その他のスイッチング素子Q,Q,Q,Q,Qを全てオフしたとすると、このときの等価回路は図12のようになる。すなわち、V相とW相についてはそれぞれダイオードD,Dを介して、U相については、スイッチング素子Q及びダイオードDにより両方向導通の状態で、電動機20の各相の端子が結合された状態となる。なお、図12において、電動機20は、U,V,W相の各相ごとに無負荷誘起電圧e,e,e及びインピーダンスZ,Z,Zにて表してある。
このとき、環流ダイオードD,Dの作用により、電気角が30°〜150°(図10における領域III,IV)の場合は電流が流れず、電気角がそれ以外の場合には電流が流れる。すなわち、スイッチング素子Qのみをオンした場合に、V相電流やW相電流が流れないか、流れるかを判定することにより、回転子位置が電気角で30°〜150°にあるか、それ以外にあるかを判定することができる。
上記の回転子位置の判定を、相電流の検出ではなく、インバータ10の直流電圧部とスイッチング素子群との間を流れる直流電流(直流入力電流)idcのみを検出して行う方法は、以下のとおりである。
まず、図13に示すようにスイッチング素子Qのみをオンし、電流が流れた場合を考える。このときの電流は、図13に示すように、スイッチング素子Q、ダイオードDまたはDの少なくとも一方、及び、電動機20の間を循環する一点鎖線のような経路をとり、直流電流idcとしては現れないため電流検出器11によっては検出されない。
次に、スイッチング素子Qをオフにして図14に示すようにすべてのスイッチング素子をオフすると、その直後には、電動機20のインダクタンス成分により、電流はU相上アームのダイオードDを介して一点鎖線のような経路で電源側に流れる。このため、直流電流idcが現れることになり、この電流idcは電流検出器11により検出可能となる。
すなわち、上述したように1個のスイッチング素子のオン・オフ操作を行って直流電流idcを検出することにより、回転子位置が電気角で30°〜150°の間にあるか、それ以外にあるかを判定することが可能となる。
ここで、1個のスイッチング素子Qにオン・オフ信号を繰り返し与えると共に、各オフ信号を与えている間にidcを検出し、その動作を継続してidcがゼロになれば、回転子位置が無負荷誘起電圧としてU相が最小となる範囲(正転の場合には30°〜150°、逆転の場合には210°〜330°)に入ったと見なせる。その後、更にスイッチング素子Qのオン・オフ動作を継続し、idcが再びゼロでなくなったならば、回転子位置が正転時には電気角で150°を通過し、逆転時には210°を通過したと見なすことができ、回転子位置を特定することができる。これにより、回転子位置の検出を2回以上行えば、電動機の回転速度も推定することができる。
また、回転方向の判定は以下のように行う。すなわち、スイッチング素子Qのオン・オフ操作によって、idcがゼロからゼロでない状態に変化した直後には、下アームのスイッチング素子QまたはQの一方はオンしても電流は流れず、他方はオンすれば電流が流れる。最初にスイッチング素子Qをオン・オフしたとして、オフ期間中にidcがゼロだったならば、その状態でW相の誘起電圧が最も低い、すなわち先ほど通過した回転子位置は210°であり、回転方向は逆転であったと判定することができる。
一方、スイッチング素子Qのオン・オフによってidcが通流したならば、その状態ではV相の誘起電圧が最も低く、先ほど通過した回転子位置(第1回目の検出位相)は150°であって、回転方向は正転であったと判定することができる。
このようにして、先願発明では、相電流を検出せずに直流電流idcのみを検出することにより、回転子位置や回転速度、回転方向を推定することができ、各相の無負荷誘起電圧に相応した電圧をインバータに出力させることにより、いわゆるフリーラン起動を可能にしている。
なお、図13,図14のように、インバータ10の直流電流idcを検出し、この電流から相電流情報を得て電動機20を駆動するようにした従来技術が、下記の特許文献1に係る「変換器用の電流検出方法」に記載されている。
特許第2563226号公報(請求項1、図1等)
前述した先願発明において、電動機10の空転速度が小さいときは誘起電圧が小さいので、発生する直流電流idcが小さくなって検出が困難になる。先願発明における回転速度の検出では、電流が微小である場合に電動機がほぼ停止していると判定する手段を有するものの、低速時における実用的な速度推定や速度範囲の判定手段については特に示されていない。
また、先願発明による回転方向の判定方法では、スイッチング素子Qのオン・オフ操作によってidcがゼロからゼロでない状態に変化した直後にスイッチング素子Q,Qのオンによるidcを検出して回転方向を検出しているため、後述するように、電流が小さい場合や検出遅れのある場合には、回転方向の判定を誤ることがある。
更に、直流電流idcの検出において、ノイズ除去のためのフィルタリングやサンプリングアンドホールドのタイミング等については特に考慮されていない。
なお、特許文献1の従来技術には、いわゆるフリーラン起動方式について特に開示されていない。
そこで本発明は、電動機の空転速度が小さい場合にも回転子位置や回転速度、回転方向の推定精度を高め、更に直流電流の検出精度を向上させてフリーラン起動を支障なく行えるようにした交流電動機駆動システムを提供しようとするものである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、直流電圧部と、少なくとも2個のスイッチング素子の直列接続回路の両端が前記直流電圧部に並列接続されてなるn(nは2以上の整数であり、n=2を単相とする。以下、同じ)個のアーム部と、を備えたn相インバータと、前記直流電圧部とスイッチング素子群との間を流れる直流電流を検出する電流検出手段と、を備え、
前記アーム部におけるスイッチング素子同士の接続点に端子が接続されたn相界磁付き電動機を駆動する交流電動機駆動システムであって、
1個のスイッチング素子に対してオン信号を与え、かつ、所定期間後にオフ信号を与えるスイッチング動作と、このスイッチング動作を行った後に前記電流検出手段により直流電流を検出する電流検出動作と、を行い、
前記直流電流の検出値に基づいて前記電動機の回転子位置、回転速度または回転方向のうちの少なくとも一つを推定する手段を有する交流電動機駆動システムにおいて、
前記スイッチング動作におけるスイッチング素子のオン期間を、前記電動機の既知である回転速度または速度範囲に基づいて決定するものである。
請求項2に記載した発明は、前記スイッチング動作におけるスイッチング素子のオン期間を所定値に設定して前記電流検出動作を行ったときの直流電流検出値が規定値以下である場合には、前記オン期間を増加させるものである。
請求項3に記載した発明は、前記スイッチング動作におけるスイッチング素子のオン期間を所定値に設定して前記電流検出動作を行ったときの直流電流検出値が規定値以下である場合には、前記電動機の回転速度が所定値以下であると判定する手段を有するものである。
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3の何れか1項において、
前記スイッチング動作及びその後の電流検出動作を行ったときの電流検出値が、規定値より小さい値から増加して規定値を超える時刻、または、規定値より大きい値から減少して規定値を超える時刻を少なくとも2回検出し、
前記各検出時刻に基づいて前記電動機の回転速度を推定する手段を有するものである。
請求項5に記載した発明は、請求項4において、
第1のスイッチング素子について前記スイッチング動作及びその後の電流検出動作を行ったときの電流検出値が規定値を超える第1の時刻を検出した後に、前記第1のスイッチング素子以外の第2のスイッチング素子に対し、同様にスイッチング動作及びその後の電流検出動作を行って電流検出値が規定値を超える第2の時刻を検出し、前記第1の時刻及び第2の時刻と前記電動機の回転速度推定値とに基づいて、前記電動機の回転方向を推定する手段を有するものである。
請求項6に記載した発明は、請求項1〜5の何れか1項において、
前記電流検出手段の出力信号をローパスフィルタに入力し、このローパスフィルタの出力信号の最大値近傍の時刻で前記電流検出動作を行うものである。
請求項7に記載した発明は、請求項1〜6の何れか1項において、
1個のスイッチング素子に対してオン信号を与えた後に当該スイッチング素子に対してオフ信号を与える時刻以前に前記電流検出手段により検出した直流電流が所定値以上である場合に、前記アーム部と前記電動機との間の配線、または前記電動機内部に地絡があることを判定する手段を備えたものである。
本発明によれば、スイッチング素子のオン・オフ操作による直流電流が小さい場合には、スイッチング素子のオン期間を変更し、また、このオン期間が所定値以上になった場合には電動機の空転速度が所定範囲より小さいと判定する手段を備えることにより、推定動作時に過電流が流れるのを防ぐと共に、空転速度が小さく検出が困難な場合には制御方式を変更することができる。
また、回転速度や回転方向の推定を、スイッチング素子のオン・オフ操作によって流れる直流電流が所定のスレッショルド値を超えて変化した二つの時刻の検出のみによって行うので、検出の遅れによる影響を相殺して確実な推定を行うことができる。
更に、直流電流の検出において、前記電流検出手段の出力信号をローパスフィルタを介して制御回路に取り込む場合には、ローパスフィルタの出力に基づいて直流電流が最大になるタイミングでサンプリングアンドホールドを行えば、直流電流を確実に検出することができる。
加えて、1個のスイッチング素子にオン信号を与えただけで所定値以上の直流電流が検出された場合には、アーム部と電動機との間の配線や電動機内部に地絡があると判定することも可能である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態の主要部を示す構成図であり、10はスイッチング素子Q,Q,Q,Q,Q,Q及び環流ダイオードD,D,D,D,D,Dからなる三相電圧形インバータ、20は三相の永久磁石形同期電動機等の界磁付き電動機20、11はインバータ10の直流電流idcを検出するための電流検出器、12は電流検出器11の出力信号のノイズを除去して電流idc’を得るためのローパスフィルタ、13は上記電流idc’を検出する電流検出器、14は、上記電流idc’を用いて、空転時における電動機20の回転子位置や回転速度、回転方向を推定し、フリーラン起動のためにインバータ10の各スイッチング素子に対するオン・オフ信号を生成して出力する制御回路である。
次に、図1におけるインバータ10のスイッチング素子のオン・オフ操作及び直流電流idcの検出について説明する。
図2は、一例として、電動機20の空転中に図1におけるスイッチング素子Qのみをオン・オフ操作した場合のスイッチ操作とU相電流及び直流電流等を示している。
例えば、図13により説明したように、図2(a)の如くスイッチング素子Qをオンすると、U相電流Iは破線に示すように増加していく。この時、直流電流idcは、実線で示すように、スイッチング素子Qをオフした直後にはU相に流れていた相電流と同じ大きさであり、そこから減少していく。この直流電流idcを、図1のローパスフィルタ12に通すと、計測される波形idc’は図2(a)の下段のようになる。本実施形態では、このフィルタ出力値idc’と予め定めたスレッショルド値とを比較して、直流電流を検出する。
なお、直流電流idcの値は、図13,図14において矢印で示した方向を正とすると負の値になり、idc’も負の値となる。この値の符号は問題の本質に影響しないので、以下では、説明の都合上、図2のようにidc’が正であるものとして説明することとする。
このとき、電動機20の空転速度が小さいと無負荷誘起電圧も小さいため、流れるU相電流I、直流電流idcも小さくなり、idc’の検出が困難になる。
そこで、請求項1に記載するように、本実施形態では、図2(b)の如くスイッチング素子Qのオン期間を長くするようにした。これにより、流れるU相電流I、直流電流idcが大きくなり、ローパスフィルタ12を介したidc’も大きくなって検出し易くなるため、直流電流の検出精度を高めることができる。
ここで、スイッチング素子Qのオン期間をどの程度まで長くするかは、電動機20の既知である空転速度または速度範囲に基づいて決定すればよい。
ただし、スイッチング素子Qのオン期間を長くし過ぎると、過電流になって素子の破壊を招く恐れがある。このため、請求項2に記載するように、スイッチング素子Qの最初のオン期間を、電動機20の空転の速度範囲における最大速度において過電流とならない値に設定しておき、idc’の検出値が小さい場合には上記オン期間を徐々に長くしていけば、空転の速度範囲において電動機20が回転している限り、このフリーラン起動のためのスイッチ操作で過電流となることはない。
また、スイッチング素子Qのオン期間を所定値に設定した場合に、直流電流idcを検出できる速度の下限値は、対象とする電動機及びシステムの条件によって決まる定数であるため、予め知ることができる。
すなわち、請求項3に記載するように、スイッチング素子Qのオン期間を所定値に設定した場合に直流電流idcを検出できなければ、電動機20の空転速度が、そのオン期間の条件でidcが検出可能である限界値よりも小さいと判定できることがわかる。
この場合には、電動機20の制御方式を、例えば速度がごく小さい場合に直流励磁による電動機20を停止させるような制御に切り替えることも可能である。
次に、図3〜図7を参照しつつ請求項4,5に示した回転速度及び回転方向の推定について説明する。
図3は、電気角θと電動機20の各相無負荷誘起電圧e,e,eとの関係、U相下アーム及びW相下アームのスイッチング素子Q,Qのオン・オフ操作、各相電流I,I,I、直流電流idc等を示している。なお、h,h,hは、それぞれスイッチング素子Q,Q,Qを一定期間オン・オフしたときに流れる直流電流idcの包絡線である。
まず、請求項4の実施形態は、回転速度の推定に関するものである。
図3において、U相下アームのスイッチング素子Qのオン・オフ操作を繰り返しながらローパスフィルタ12の出力電流idc’を検出するが、その検出に当たってスレッショルド値を設け、idc’の検出値がスレッショルド値を超えたことを検出してその時刻(図3の例では、電気角150°の点を通過する直後の時刻)を記録する。この検出は、idc’の検出値がスレッショルド値より小さい値から増加してスレッショルド値を超えたことを検出しても、あるいは、スレッショルド値より大きい値から減少してスレッショルド値を下回ったことを検出してもよい。
その後、スイッチング素子Qのオン・オフ操作を継続し、再びidc’の検出値が前回と同方向(例えば、スレッショルド値より小さい値から増加する方向)にスレッショルド値を超えたことを検出して、その時刻を記録する。この間の時間が電気角一周期分であるから、この2回の検出時刻から、電動機20の速度を推定することが可能である。
次に、請求項5の実施形態は、回転方向の推定に関するものである。
上述した速度検出によって2回目のスレッショルド値の超過を検出した直後に、オン・オフ操作するスイッチング素子を変更(図3の例では、QからQへ変更)し、idc’の検出値がスレッショルド値を超えるまでの時間を計測することにより、この時間から回転方向を判定する。
すなわち、図4、図5に示すように、スイッチング素子Qのオン・オフ操作によってidc’の検出値が2回目にスレッショルド値を超過してから、スイッチング素子Qのオン・オフ操作によりidc’の検出値が最初にスレッショルド値を超過するまでの時間は、回転方向と無負荷誘起電圧との関係から、正転時には電気角で2/3周期の240°(図4)、逆転時には1/3周期の120°(図5)に相当する時間となる。従って、この時間を計測することにより、電動機20の回転方向を推定することができる。
ここで、スイッチング素子のオン・オフ操作によって流れる直流電流が小さい場合について、図6を用いて説明する。
図6(a)に示すように、直流電流idc、言い換えればローパスフィルタ12を介した電流idc’が小さいと、スイッチング素子の一回のオン・オフ操作の時間が長い場合やスレッショルド値の設定が大きい場合など、条件によっては、idc’の検出値がスレッショルド値を超える時刻の検出に遅れが生じることがある。
しかし、本実施形態によれば、時刻の検出に遅れが生じても、その遅れは回転速度を推定するための2回の検出タイミングでは同等であるため相殺されることになり、検出精度に影響することはないものである。
更に、本実施形態では、回転方向を判定するために、スイッチング素子のオン・オフ操作を行う相を変更して少なくとも2回、電流idc’を検出している。これに対し、前述した特願2004−255607のように、他相のスイッチング素子のオン・オフ直後の電流の有無によって回転方向を判定する方式では、図6(b)に示すように本来検出すべき、スイッチング素子Qの操作により発生するidc’がスレッショルド値を超えない小さな値になるため、これを検出できずに回転方向の判定を誤ることがある。
一方、本実施形態では、スレッショルド値を超えたidc’が一旦減少してから再びスレッショルド値を超過したことを検出し、その間の時間に基づいて回転方向を判定するため、このような誤りは生じない。
次に、請求項6は、ローパスフィルタ12を介した電流idc’の検出精度を向上させるためのものである。図7は、図2(b)に示した波形からU相電流Iを除いた波形に相当している。
電流idc’の検出精度を高めるためには、その最大値を取り込むことが望ましい。ここで、スイッチング素子をオフしてからidc’の値が最大値になるまでの時間はフィルタの時定数によって定まる既知の値であるから、このフィルタ時定数に基づいて直流電流idcをサンプリングアンドホールドするタイミングを決定すれば、常に最大値付近にてidc’を精度よく検出することができる。
次いで、請求項7は、電動機20を介した地絡の検出に関するものである。
前述したように、本実施形態において通常時は、スイッチング素子をオンしただけでは直流電流idcが流れず、その後にそのスイッチング素子をオフして初めて直流電流idcが流れる。ところが、電動機20の動力線に地絡があった場合には、図8に示すように、フリーラン起動のためにスイッチング素子をオンした瞬間に矢印の経路で直流電流idcが流れる。なお、図8において、30は電解コンデンサ、40は順変換器、50は三相交流電源である。
従って、1個のスイッチング素子をオンしただけで所定値以上の直流電流idcが流れることを検出すれば、電動機20の地絡を起動時に容易に判定することができ、運転開始前にアラームを出力する等の安全対策をとることができる。インバータ10のアーム部と電動機20との間に地絡が存在する場合にも、同様な判定動作が可能である。
以上詳述したように、本実施形態によれば、インバータを構成するスイッチング素子のオン・オフ操作により、インバータの直流電流を高精度かつ最適なタイミングで検出することができ、空転状態にある電動機の回転子位置、回転速度または回転方向を高精度に推定してフリーラン起動を可能にした交流電動機駆動システムを提供することができる。
なお、本発明は、一般にn(nは2以上の整数であり、n=2を単相とする。)個のアーム部を備えたn相インバータによりn相界磁付き電動機を駆動する交流電動機駆動システムに適用することが可能である。
本発明の実施形態の主要部を示す構成図である。 電動機の空転中に1個のスイッチング素子をオン・オフ操作した場合のスイッチ操作とU相電流及び直流入力電流等を示す波形図である。 電動機の各相無負荷誘起電圧、スイッチング素子のオン・オフ操作、各相電流、直流入力電流等を示す波形図である。 電動機の正転時における各相無負荷誘起電圧、スイッチング素子のオン・オフ操作、各相電流、直流入力電流等を示す波形図である。 電動機の逆転時における各相無負荷誘起電圧、スイッチング素子のオン・オフ操作、各相電流、直流入力電流等を示す波形図である。 回転速度及び回転方向の推定動作において、電流検出値が小さい場合の動作説明図である。 図2(b)に示した波形からU相電流を除いた波形図である。 地絡電流の経路の説明図である。 三相インバータによる電動機駆動システムの回路図である。 図9において、回転子正転時の各相の無負荷誘起電圧を示す波形図である。 図9において、回転子逆転時の各相の無負荷誘起電圧を示す波形図である。 図9において、U相下アームのスイッチング素子のみをオンした時の等価回路図である。 先願発明の動作説明図である。 先願発明の動作説明図である。
符号の説明
10:三相電圧形インバータ
11,13:電流検出器
12:ローパスフィルタ
14:制御回路
20:三相界磁付き電動機
30:電解コンデンサ
40:順変換器
50:三相交流電源
,Q,Q,Q,Q,Q:スイッチング素子
,D,D,D,D,D:環流ダイオード

Claims (7)

  1. 直流電圧部と、少なくとも2個のスイッチング素子の直列接続回路の両端が前記直流電圧部に並列接続されてなるn(nは2以上の整数であり、n=2を単相とする。以下、同じ)個のアーム部と、を備えたn相インバータと、
    前記直流電圧部とスイッチング素子群との間を流れる直流電流を検出する電流検出手段と、を備え、
    前記アーム部におけるスイッチング素子同士の接続点に端子が接続されたn相界磁付き電動機を駆動する交流電動機駆動システムであって、
    1個のスイッチング素子に対してオン信号を与え、かつ、所定期間後にオフ信号を与えるスイッチング動作と、このスイッチング動作を行った後に前記電流検出手段により直流電流を検出する電流検出動作と、を行い、
    前記直流電流の検出値に基づいて前記電動機の回転子位置、回転速度または回転方向のうちの少なくとも一つを推定する手段を有する交流電動機駆動システムにおいて、
    前記スイッチング動作におけるスイッチング素子のオン期間を、前記電動機の既知である回転速度または速度範囲に基づいて決定することを特徴とする交流電動機駆動システム。
  2. 直流電圧部と、少なくとも2個のスイッチング素子の直列接続回路の両端が前記直流電圧部に並列接続されてなるn(nは2以上の整数であり、n=2を単相とする。以下、同じ)個のアーム部と、を備えたn相インバータと、
    前記直流電圧部とスイッチング素子群との間を流れる直流電流を検出する電流検出手段と、を備え、
    前記アーム部におけるスイッチング素子同士の接続点に端子が接続されたn相界磁付き電動機を駆動する交流電動機駆動システムであって、
    1個のスイッチング素子に対してオン信号を与え、かつ、所定期間後にオフ信号を与えるスイッチング動作と、このスイッチング動作を行った後に前記電流検出手段により直流電流を検出する電流検出動作と、を行い、
    前記直流電流の検出値に基づいて前記電動機の回転速度、回転方向、または回転子位置のうちの少なくとも一つを推定する手段を有する交流電動機駆動システムにおいて、
    前記スイッチング動作におけるスイッチング素子のオン期間を所定値に設定して前記電流検出動作を行ったときの直流電流検出値が規定値以下である場合には、前記オン期間を増加させることを特徴とする交流電動機駆動システム。
  3. 直流電圧部と、少なくとも2個のスイッチング素子の直列接続回路の両端が前記直流電圧部に並列接続されてなるn(nは2以上の整数であり、n=2を単相とする。以下、同じ)個のアーム部と、を備えたn相インバータと、
    前記直流電圧部とスイッチング素子群との間を流れる直流電流を検出する電流検出手段と、を備え、
    前記アーム部におけるスイッチング素子同士の接続点に端子が接続されたn相界磁付き電動機を駆動する交流電動機駆動システムであって、
    1個のスイッチング素子に対してオン信号を与え、かつ、所定期間後にオフ信号を与えるスイッチング動作と、このスイッチング動作を行った後に前記電流検出手段により直流電流を検出する電流検出動作と、を行い、
    前記直流電流の検出値に基づいて前記電動機の回転速度、回転方向、または回転子位置のうちの少なくとも一つを推定する手段を有する交流電動機駆動システムにおいて、
    前記スイッチング動作におけるスイッチング素子のオン期間を所定値に設定して前記電流検出動作を行ったときの直流電流検出値が規定値以下である場合には、前記電動機の回転速度が所定値以下であると判定する手段を有することを特徴とする交流電動機駆動システム。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載された交流電動機駆動システムにおいて、
    前記スイッチング動作及びその後の電流検出動作を行ったときの電流検出値が、規定値より小さい値から増加して規定値を超える時刻、または、規定値より大きい値から減少して規定値を超える時刻を少なくとも2回検出し、
    前記各検出時刻に基づいて前記電動機の回転速度を推定する手段を有することを特徴とする交流電動機駆動システム。
  5. 請求項4に記載された交流電動機駆動システムにおいて、
    第1のスイッチング素子について前記スイッチング動作及びその後の電流検出動作を行ったときの電流検出値が規定値を超える第1の時刻を検出した後に、
    前記第1のスイッチング素子以外の第2のスイッチング素子に対し、同様にスイッチング動作及びその後の電流検出動作を行って電流検出値が規定値を超える第2の時刻を検出し、
    前記第1の時刻及び第2の時刻と前記電動機の回転速度推定値とに基づいて、前記電動機の回転方向を推定する手段を有することを特徴とする交流電動機駆動システム。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載された交流電動機駆動システムにおいて、
    前記電流検出手段の出力信号をローパスフィルタに入力し、このローパスフィルタの出力信号の最大値近傍の時刻で前記電流検出動作を行うことを特徴とする交流電動機駆動システム。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載された交流電動機駆動システムにおいて、
    1個のスイッチング素子に対してオン信号を与えた後に当該スイッチング素子に対してオフ信号を与える時刻以前に前記電流検出手段により検出した直流電流が所定値以上である場合に、
    前記アーム部と前記電動機との間の配線、または前記電動機内部に地絡があることを判定する手段を備えたことを特徴とする交流電動機駆動システム
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