図1は、本発明に係る遊技球検出スイッチ(以下、電子スイッチとも称する)を適用したパチンコ遊技台11を示している。
パチンコ遊技台11には、ハンドル12が、遊技者1と対向する面に設けられており、遊技者により把持され、所定の回転方向に回転されると、遊技者1に対向する面に設けられた盤面内に回転角度に応じた強度で遊技球が発射される。
電子スイッチ21は、図示せぬ盤面に設けられたチャッカに遊技球が入賞されたか否か、並びに、強電波が付近で発生しているか否か(強電界が検出されたか否か)を検出し、電圧値の信号としてインタフェース回路22に供給する。電子スイッチ21は、直流2線式と直流3線式(以下、単に2線式、3線式と称するものとする)とがあり、2線式は、両端子間の差分電圧値によりインタフェース回路22に信号を供給し、3線式は、出力専用の端子の電圧値によりインタフェース回路22に信号を供給する。
インタフェース回路22は、電子スイッチ21より供給された電圧値の信号の変化に応じて、遊技球が検出されたか否か、および強電波が検出されたか否かを示す信号を生成し制御コンピュータ23に供給する。
制御コンピュータ23は、インタフェース回路22から供給される遊技球が検出されたか否かの情報に基づいて、遊技球が検出された場合、対応する数の遊技球を図示せぬ払出部より払い出す。また、強電波が検出された場合、制御コンピュータ23は、ホールコンピュータなどに強電波による不正行為が行われていることを通知する。
次に、図2,図3を参照して、電子スイッチ21の外観構成および動作原理について説明する。電子スイッチ21は、薄型の略直方体から成り、図2に示すように、電子スイッチ21の約片側半分の中央部には、遊技球31を通過させるための貫通穴21aが開口している。
図3は、図2の電子スイッチ21の断面図を示している。
電子スイッチ21の内部の、貫通穴21aの周辺には、図3に示すように、コイル21bが埋め込まれている。電子スイッチ21では、図示せぬ高周波発振回路が高周波発振を発生することにより、コイル21bの周辺には、図3の点線で示すような磁束が発生する。そして、遊技球31が貫通穴2を通過したときに、磁束の状態が変化し、コイル21bのインピーダンスが変化する。電子スイッチ21では、そのコイル21bのインピーダンスの変化を検出し、信号を出力する。なお、遊技球31が貫通穴21bを通過しているとき(遊技球31が、図3に示すコイル21bに挟まれる位置にあるとき)に、電子スイッチ21は開放状態となり、それ以外のときには、閉塞状態となる。
電子スイッチ21は、特に2線式の場合、機械式のスイッチと同様の感覚で使用可能であり、さらに、電気的にスイッチングすることにより、電子スイッチ21が出力する信号には、チャタリングが発生しないという利点がある。
次に、図4を参照して、2線式の電子スイッチ21の一実施の形態の構成について説明する。
電力供給用の端子(高位側端子)Vaは、負荷抵抗R1を介して電源電圧Vcc1に接続されている。電力供給用の端子(低位側端子)Vbは接地されている。
発振回路51は、コイルL1(図3のコイル21b)およびコンデンサC1で構成される共振回路を備え、この発振振幅を検波積分回路52に供給する。
検波積分回路52は、発振回路51より供給されてくる発振信号を検波積分処理して動作信号弁別回路53に供給する。
動作信号弁別回路53は、検波積分回路52より供給されてくる検波積分処理された信号に基づいて、遊技球31の接近が検出されていない場合には、出力回路57のNPNトランジスタTr2のベースに電流を流し、NPNトランジスタTr2をONの状態にする。一方、遊技球31が検出された場合、動作信号弁別回路53は、NPNトランジスタTr2のベースへの電流供給を停止し、NPNトランジスタTr2をOFFの状態にする。
電波検出回路54は、強電波が検出された場合、増幅回路55および反転増幅回路56に電力を供給する。より詳細には、電波検出回路54は、ラテラル型PNPトランジスタを用いた構造となっており、強電波が検出されると増幅回路55を介して、出力回路57のNPNトランジスタTr3のベースに電流を供給すると共に、反転増幅回路56によるNPNトランジスタTr4のベース電流供給を停止する。
ラテラル型PNPトランジスタは、例えば、図5で示されるような構造のもので、半導体集積回路内にて使用される。
ラテラル型PNPトランジスタにおいては、P層の上部にN層が形成されている。P層には上面までP+領域が設けられている。P層の上面にはエミッタEとなるP+領域、コレクタCとなるP+領域、及びベースBとなるN+層がそれぞれ形成されている。このラテラル型PNPトランジスタでは、電波が照射されることにより、N層からP層に向かってリーク電流が発生し、ベース電流として作用することによりオン状態となる。しかも、前記ラテラル型PNPトランジスタを使用することにより、電波照射領域に於けるリーク電流の発生可能な範囲Aを大きくとって感度を高めることが可能となる。
出力回路57は、動作信号弁別回路53、増幅回路55、および反転増幅回路56より供給される電力により電力供給用の端子Vaと電力供給用の端子Vbとの差分電圧を変化させる。
出力回路57のPNPトランジスタTr1のエミッタには、電力供給用の端子Vaが接続されており、また、PNPトランジスタTr1のベースは、抵抗R2と、抵抗R3との中間電位が接続されている。さらに、抵抗R2は、電力供給用の端子Vaおよび定電流回路I1に接続されている。また、抵抗R3は、NPNトランジスタTr2,Tr3のコレクタに接続されている。
NPNトランジスタTr1のコレクタは、ツェナーダイオードZD1のカソードに接続されている。ツェナーダイオードZD1のアノードは、ダイオードD1のアノードおよびトランジスタTr4のコレクタに接続されている。ダイオードD1のカソードは、ダイオードD2のアノードに接続されており、ダイオードD2のカソードは接地されている。また、トランジスタTr4のエミッタは、接地されている。
定電流回路I1は、一定の電流値の電力を発振回路51、検波積分回路52、動作信号弁別回路53、および電波検出回路54に供給すると共に、ツェナーダイオードZD2に供給する。
次に、図4の電子スイッチ21の動作について説明する。
電波が検出されず、かつ、遊技球31が検出されていない状態の場合、電波検出回路54は、NPNトランジスタTr3のベースには電流を流さないため、NPNトランジスタTr3をOFFの状態にすると共に、反転増幅回路56を介して、NPNトランジスタTr4をONの状態にして、トランジスタTr4のエミッタ−コレクタ間で電流を流す。さらに、動作信号弁別回路53は、NPNトランジスタTr2のベースに電流を供給する。このため、NPNトランジスタTr2は、ONの状態となる。
そして、抵抗R3を介してPNPトランジスタTr1のベースの電流が流れて、ONの状態となる。この間、ダイオードD1,D2は、NPNトランジスタTr4によりシャントされている。
すなわち、電波が検出されず、かつ、遊技球が検出されない場合、トランジスタTr1,Tr2,Tr4はいずれもONの状態となり、NPNトランジスタTr3はOFFの状態となるので、2線式の電子スイッチ21の出力端子間電圧(Va−Vb)、所謂残電圧は、以下の式(1)で示されるようにツェナーダイオードZD1の両端電圧値となる。これは、電子スイッチ21の閉塞動作時の残電圧値がツェナーダイオードZD1の両端電圧となることを示し、電子スイッチ21が機能するため最低限必要な電圧が、確保される。
V1=Va−Vb=VZD1
・・・(1)
ここで、V1は、2線式の電子スイッチ21の通常閉塞動作時の出力の端子間電圧(Va−Vb)を示している。また、VZD1は、ツェナーダイオードZD1の印加電圧である。
また、電波が検出されず、かつ、遊技球31が検出された場合、電波検出回路54は、上述した場合と同様に、NPNトランジスタTr3のベースには電流を流さないため、NPNトランジスタTr3をOFFの状態にすると共に、反転増幅回路56を介して、NPNトランジスタTr4をONの状態にして、トランジスタTr4のエミッタ−コレクタ間で電流を流す。さらに、動作信号弁別回路53は、NPNトランジスタTr2のベースに対して電流を供給しない。このため、NPNトランジスタTr2は、OFFの状態となり、NPNトランジスタTr2のコレクタ−エミッタ間には電流が流れないことになり、併せて、PNPトランジスタTr1のベースにも電流が流れないため、PNPトランジスタTr1もOFFの状態となる。
また、NPNトランジスタTr4のエミッタ−コレクタ間で電流が流れるため、ダイオードD1,D2がシャント(迂回)される。
すなわち、電波が検出されず、かつ、遊技球が検出された場合、NPNトランジスタTr4はONの状態となり、トランジスタTr1,Tr2,Tr3はいずれもOFFの状態となるので、電子スイッチ21内部の電力消費は、定電流回路I1のみとなる。これは、開放動作時の電子スイッチ21が機能するため最低限必要な定電流回路I1の漏れ電流I1になることを示し、この場合の2線式の電子スイッチ21の出力端子間電圧(Va−Vb)は、以下の式(2)で示される。
V2=Va−Vb=Vcc1−R1×I1
・・・(2)
ここで、V2は、通常開放動作時の2線式の電子スイッチ21における出力の端子間電圧(Va−Vb)であることを示している。また、Vcc1は、電源電圧Vcc1の出力電圧値であり、R1は、抵抗R1の抵抗値であり、I1は、定電流回路の電流値である。
また、電波が検出された場合、電波検出回路54は、増幅回路55を介して、NPNトランジスタTr3のベースに電流を流すため、NPNトランジスタTr3をONの状態にし、トランジスタTr3のエミッタ−コレクタ間で電流を流すと共に、反転増幅回路56を介して、NPNトランジスタTr4をOFFの状態にする。この結果、動作信号弁別回路53から出力される電流の有無に関わらず、PNPトランジスタTr1のベースに電流が流れるため、PNPトランジスタTr1はONの状態となる。
また、NPNトランジスタTr4がOFFとなるため、ダイオードD1,D2が駆動する。
すなわち、電波が検出された場合、遊技球31が検出されるか否かに関わらず、NPNトランジスタTr4はOFFの状態となり、トランジスタTr1,Tr3はいずれもONの状態となるので、電子スイッチ21としては閉塞動作モードだが、Tr4がOFFするためダイオードD1,D2が有効となり、以下の式(3)で示されるような通常閉塞動作時とは異なる端子間電圧値が示されることになる。
V3=Va−Vb=VZD1+VD1+VD2
・・・(3)
ここで、V3は、強電界中の2線式の電子スイッチ21の出力端子間電圧(Va−Vb)であることを示している。また、VZD1は、ツェナーダイオードZD1に印可されている電圧値であり、VD1,VD2は、それぞれダイオードVD1,VD2の両端電圧値である。
さらに、電子スイッチ21において何らかの原因により断線事故が発生した場合、電圧降下が発生しないことになるので、出力用の端子間電圧(Va−Vb)は電源電圧Vcc1の電圧値Vcc1そのものとなる。
また、電子スイッチ21において何らかの原因により短絡事故が発生した場合、出力端子間の電位差がなくなるので、出力端子間電圧(Va−Vb)は0となる。
このように、2線式の電子スイッチ21は、被検出体の有無、および強電界中の状況変化に応じて、上述した式(1)乃至式(3)で示されるV1,V2,V3、または、断線事故もしくは短絡事故によるVcc1,0の出力端子間電圧(Va−Vb)を取り得る。
次に、図6を参照して、上述した2線式の電子スイッチ21に対応するインタフェース回路22の一実施の形態の構成について説明する。尚、図4における電子スイッチ21の構成と共通の構成、または、同一の構成については、同一の符号を付しており、その説明は、適宜省略するものとする。基準電圧作成回路71は、高位側の出力端子Vaより供給される電圧値に基づいて、4種類の基準となる電圧値を生成し、それぞれ比較回路COM1乃至COM4の負入力端子に供給する。
比較回路COM1乃至COM4は、それぞれの負入力端子に基準電圧作成回路71より供給されてくる4種類の基準となる電圧値と、正入力端子に入力される出力端子Vaより供給される電圧値とを比較し、比較結果を制御コンピュータ23の端子V10乃至V13に供給する。
電子スイッチ21の低位側の出力端子Vbは接地電位に接続される。また、基準電圧作成回路71は、抵抗R1および電源電圧Vcc1の間の位置から接地電位までの間に、抵抗R4、定電流回路I2、ダイオードD3,D4,D5、およびツェナーダイオードZD3の順で直列に配置された回路であり、抵抗R4と定電流回路I2との中間電位となる電圧値V4が、比較回路COM1の負入力端子に供給される。また、定電流回路I2とダイオードD3との中間電位となる電圧値V5が、比較回路COM2の負入力端子に供給される。
さらに、ダイオードD4,D5間の中間電位となる電圧値V7が、比較回路COM3の負入力端子に供給される。また、ダイオードD5とツェナーダイオードZD3との間の中間電位(電圧値V8)よりダイオードD6を介して電圧値V9が、比較回路COM4の負入力端子に供給される。尚、ここで、ダイオードD3,D4間の中間電位については、電圧値V6であるものとする。
さらに、上述したツェナーダイオードZD1(図4)と、ツェナーダイオードZD3とが同一であり、定電流回路I1(図4)と定電流回路I2(図6)とが同一であり、ダイオードD1,D2(図4)と、ダイオードD3,D4,D5,D6とがそれぞれ同一のものを使用している。
また、抵抗R4は、抵抗R1より抵抗が小さい。このため、定電流回路I1,I2が同特性であるので、抵抗R4と定電流回路I2との中間電位となる電圧値V4は、通常開放動作時の2線式の電子スイッチ21における出力端子間電圧(Va−Vb)の電圧値V2よりも大きくなる(V4>V2)。
さらに、上述した電圧値V4乃至V9は、以下の式(4)乃至式(9)で示される。
V4=Vcc1−R4×I2 (V4>V2)
・・・(4)
V5=VZD3+VD3+VD4+VD5 (V5>V3)
・・・(5)
V6=VZD3+VD4+VD5 (V6≒V3)
・・・(6)
V7=VZD3+VD5 (V3>V7 & V7>V1)
・・・(7)
V8=VZD3 (V1≒V8)
・・・(8)
V9=VZD3−VD6 (V1>V9)
・・・(9)
ここで、VD3乃至VD6は、ダイオードD3乃至D6の両端電圧であり、VZD1,VZD3は、それぞれツェナーダイオードZD1,ZD3の両端電圧である。
各電圧値V1乃至V9の大小関係は、電源電圧Vcc1の電圧値Vcc1の変動や周囲関係変化によらず、図7で示されるように常に一定に保たれることになる。
図7は、横軸を電源電圧Vcc1、縦軸を出力端子Vaの電圧としたとき、上述した電圧値V1乃至V9の大小関係を示したものである。尚、出力端子Vbは、接地されるため、実質的に出力端子Vaの電圧値VINが、出力端子間電圧であると考えてよいことになる。
電圧値Vcc1およびV1乃至V9の大小関係は、電源電圧Vcc1の電圧値Vcc1の変動や周囲関係変化によらず、大きい方から電圧値Vcc1,V4,V2,V5,V3,V7,V1,V9の順位となる。ここで、電圧値V2,V4は、電源電圧Vcc1に追従することにより、電圧値Vcc1の変化に応じて右上がりとなるが、大小関係は維持される。尚、電源電圧Vcc1は、電子スイッチ21の定格印加電圧として、図7の電圧値Vm乃至Vnの範囲が考慮されればよいものである。
また、ダイオードD1乃至D6が同一であり、ツェナーダイオードZD1,ZD3が同一のものである。従って、両端電圧VD1乃至VD6がVD1=VD2=VD3=VD4=VD5=VD6=VDであり、両端電圧VZD1,VZD3が、VZD1=VZD3=VZDであるものとすると、電圧値V5,V3,V7,V1,V9は、それぞれVZD+3VD,VZD+2VD,VZD+VD,VZD,VZD−VDとなる。結果として、電圧値V5と電圧値V3との電位差(V5−V3)、電圧値V3と電圧値V7との電位差(V3−V7)、電圧値V7と電圧値V1との電位差(V7−V1)、および電圧値V1と電圧値V9との電位差(V1−V9)は、いずれもVD(=αV:図7)となる。
比較回路COM1乃至COM4の負入力端子に供給される電圧値は、電圧値V4,V5,V7,V9である(それぞれ図7の点線で示される電圧値である)ので、比較回路COM1乃至COM4は、それぞれ出力端子VINの電圧値VINと電圧値V4,V5,V7,V9との比較結果をそれぞれ制御コンピュータ23の端子V10乃至V13に出力することになる。
ここで、上述したように電子スイッチ21の出力端子間電圧(Va−Vb)(今の場合、出力端子Va(=VIN)の電圧値そのもの)は、上述した電圧V1乃至V3,Vcc1、または0の5種類の値を取り得る事がわかっているので、比較回路COM1乃至COM4の比較結果となる制御コンピュータ23の端子V10乃至V13に入力される信号のパターンは、図8で示されるような5つのパターンに分類されることになる。図8においては、左から動作モードのモード番号(No.)、電子スイッチ21の動作状態、および対応する端子V10乃至V13のHi(Vcc1)またはLow(0)が示されている。
通常閉塞動作であって、遊技球31を検出せず、かつ、電波を検出していない動作モード1の場合、電圧値VIN(=Va)が上述した式(1)により示される電圧値V1となるので、比較結果となる制御コンピュータ23の端子V10乃至V13に入力される信号のパターンは、図7で示されるように、電圧値V9と比較する比較回路COM4についてはHiとなるが、それ以外の比較回路COM1乃至COM3については、Lowとなる。
また、通常開放動作であって、遊技球31を検出して、かつ、電波を検出していない動作モード2の場合、電圧値VIN(=Va)は、上述した式(2)により示される電圧値V2となるので、比較結果となる制御コンピュータ23の端子V10乃至V13に入力される信号のパターンは、図7で示されるように、電圧値V4と比較する比較回路COM1についてはLowとなるが、それ以外の比較回路COM2乃至COM4については、Hiとなる。
さらに、遊技球31の検出の有無に関わらず、電波を検出した動作モード3の場合、電圧値VIN(=Va)は、上述した式(3)により示される電圧値V3となるので、比較結果となる制御コンピュータ23の端子V10乃至V13に入力される信号のパターンは、図7で示されるように、電圧値V7,V9と比較する比較回路COM3,4についてはHiとなるが、それ以外の比較回路COM1,2についてはLowとなる。
また、断線事故が発生している動作モード4の場合、電圧値VINは、上述したように電圧値Vcc1となるので、比較結果となる制御コンピュータ23の端子V10乃至V13に入力される信号のパターンは、図7で示されるように、電圧値V4,V5,V7,V9と比較する比較回路COM1乃至4についてはいずれもHiとなる。
さらに、短絡事故が発生している動作モード5の場合、電圧値VIN(=Va)は、上述したように電圧値0となるので、比較結果となる制御コンピュータ23の端子V10乃至V13に入力される信号のパターンは、図7で示されるように、電圧値V4,V5,V7,V9と比較する比較回路COM1乃至4についてはいずれもLowとなる。
次に、2線式の電子スイッチ21を用いた場合の制御コンピュータ23について説明する。
制御コンピュータ23は、インタフェース回路22より端子V10乃至V13に供給されてくる信号のパターンに基づいて、遊技球31の検出処理を実行する。
制御コンピュータ23は、端子V10乃至V13に供給されてくる信号のパターンが(V10,V11,V12,V13)=(Low,Low,Low,Hi)であるとき、動作モードを図8のモードナンバー1にセットし、遊技球31を検出せず、かつ、電波を検出していない状態であることを認識する。
また、制御コンピュータ23は、端子V10乃至V13に供給されてくる信号のパターンが(V10,V11,V12,V13)=(Low,Hi,Hi,Hi)である場合、動作モードを図8のモードナンバー2にセットし、遊技球31を検出して、かつ、電波を検出していない状態であることを認識する。すなわち、このとき、制御コンピュータ23は、遊技球31が入賞されたことを認識し、対応する所定数の遊技球が払い出される等の処理を実行することになる。
さらに、制御コンピュータ23は、端子V10乃至V13に供給されてくる信号のパターンが(V10,V11,V12,V13)=(Low,Low,Hi,Hi)である場合、動作モードを図8のモードナンバー3にセットし、電波が検出された状態であることを認識する。すなわち、このとき、制御コンピュータ23は、強電界を発生する不正行為がなされていることを認識し、例えば、ホールコンピュータに通知したりするなどして、不正行為の発生を遊技店の係員などに報告する。
また、制御コンピュータ23は、端子V10乃至V13に供給されてくる信号のパターンが(V10,V11,V12,V13)=(Hi,Hi,Hi,Hi)である場合、動作モードを図8のモードナンバー4にセットし、断線事故が発生した状態であることを認識する。すなわち、このとき、制御コンピュータ23は、断線事故が発生していることを認識し、例えば、ホールコンピュータに通知したりするなどして、断線事故の発生を遊技店の係員などに報告する。
さらに、制御コンピュータ23は、端子V10乃至V13に供給されてくる信号のパターンが(V10,V11,V12,V13)=(Low,Low,Low,Low)である場合、動作モードを図8のモードナンバー5にセットし、短絡事故が発生した状態であることを認識する。すなわち、このとき、制御コンピュータ23は、短絡事故が発生していることを認識し、例えば、ホールコンピュータに通知したりするなどして、短絡事故の発生を遊技店の係員などに報告する。
以上の処理により、電子スイッチ21の電力供給用の端子の差分電圧を変化させることにより、インタフェース回路22の判定パターンに基づいて、正常動作時の遊技球31の有無を示す2通りの情報に加えて、電波検出情報、断線事故、並びに短絡事故の有無を検出することが可能となる。
次に、図9のフローチャートを参照して、図4の電子スイッチ21による出力端子間電圧の切替処理について説明する。
ステップS1において、動作信号弁別回路53および電波検出回路54は、電波が検出されず、かつ、遊技球が検出されているか否かを判定し、電波が検出されず、かつ、遊技球が検出されていない場合、判定結果に基づいた信号を出力回路57に供給すると共に、その処理は、ステップS2に進み、電波が検出されたか、または、遊技球が検出された場合、その処理は、ステップS3に進む。
ステップS2において、出力回路57においては、動作信号弁別回路53および電波検出回路54より供給されてくる信号に従って、トランジスタTr1,Tr2,Tr4がONとなりTr3が、OFFとなる。結果として、出力回路57は、出力端子電位差(Va−Vb)を電圧値V1に切り替えて出力する。
ステップS3において、動作信号弁別回路53および電波検出回路54は、電波が検出されず、かつ、遊技球が検出されているか否かを判定し、電波が検出されず、かつ、遊技球が検出されている場合、判定結果に基づいた信号を出力回路57に供給すると共に、その処理は、ステップS4に進み、電波が検出されたか、または、遊技球が検出された場合、その処理は、ステップS5に進む。
ステップS4において、出力回路57においては、動作信号弁別回路53および電波検出回路54より供給されてくる信号に従って、出力回路57のトランジスタTr1乃至Tr3がOFFとなりTr4が、ONとなる。結果として、出力回路57は、出力端子電位差(Va−Vb)を電圧値V2に切り替えて出力する。
ステップS5において、電波検出回路54は、電波が検出されたか否かを判定し、電波が検出された場合、判定結果に基づいた信号を出力回路57に供給すると共に、その処理は、ステップS6に進み、電波が検出されていない場合、その処理は、ステップS7に進む。
ステップS6において、出力回路57においては、電波検出回路54より供給されてくる信号に従って、出力回路57のトランジスタTr4がOFFとなりTr1,Tr3が、ONとなる(トランジスタTr2の状態は問われない)。結果として、出力回路57は、出力端子電位差(Va−Vb)を電圧値V2に切り替えて出力する。
ステップS7において、断線事故が発生しているか否かが判定され(実際に判定処理は、いずれにおいてもされないが条件として判定がなされているものとする)、断線事故が発生している場合、その処理は、ステップS8に進み、断線事故が発生していない場合、その処理は、ステップS9に進む。
ステップS8において、電子スイッチ21内で断線事故が発生しているということは、出力端子電位差(Va−Vb)が電源電圧Vcc1の電圧値Vcc1が出力されることになる。
ステップS9において、短絡事故が発生しているか否かが判定され(実際に判定処理は、いずれにおいてもされないが条件として判定がなされているものとする)、短絡事故が発生している場合、その処理は、ステップS10に進み、断線事故が発生していない場合、その処理は、ステップS1に戻る。
ステップS10において、電子スイッチ21内で短絡事故が発生しているということは、出力端子電位差(Va−Vb)が短絡しているので、0が出力されることになる。
以上によれば、出力回路57により2線式の電子スイッチ21の動作状態に応じて、電源電圧値より小さく、接地電圧値より大きな、少なくとも1つ以上の中間電圧値を変化させて、被検出体である遊技球が検出された場合、電源電圧値または電源電圧値近傍の電圧値を出力し、遊技球が検出されていない場合、接地電圧値または接地電圧値近傍の電圧値を出力し、電波が検出された場合、電源電圧値または電源電圧値近傍の電圧値より小さく、接地電圧値または接地電圧値近傍の電圧値よりも大きな中間電圧値を出力するようにしたので、強電波を用いた不正行為を抑制させることが可能となる。
また、電子スイッチ21の出力電圧値V1,V3については、ダイオード、ツェナーダイオードなど、定電圧素子で構成されるため、外部のインピーダンス、印加電圧変動等の影響を受けないので、正確に設定することが可能となる。一方、出力電圧値V2については、Vcc1との差分(R1×I1)が周囲環境の影響を受けない固定電圧値とすることが可能となる。
さらに、図7で示されるように、電子スイッチ21出力電圧値の通常閉塞電圧値V1については電圧値V7と電圧値V9とで、電波が検出される時の出力電圧値V3については電圧値V5と電圧値V7で、それぞれ上下限が設定された状態で判定されている。結果として、正常と認識する領域を制限することが可能になると共に、断線事故認識領域(電源電圧Vcc1と電圧値V4との間)と、短絡事故認識領域(電圧値V9と接地電圧値0の間)とが設定されることになるため、遊技球31の有無の検出、および強電波による不正行為を認識するのみならず、断線事故および短絡事故を検出することが可能となる。
尚、開放動作出力電圧値を上下限判定する場合(電圧値V2であるか否かを上下限判定する場合)、図10で示されるように抵抗R6を定電流回路I2と抵抗R4との間に設け、定電流回路I2と抵抗R6との中間電位を、新たに設ける比較回路COM5の負入力端子に入力し、比較回路COM5にて、電圧値VINと比較させ、これまでの端子V10乃至V13に加えて、さらに図示せぬ端子V14を制御コンピュータ23に設けて、供給させるようにすればよい。また、この場合、抵抗R6は、抵抗値(R4+R6)(R4,R6はそれぞれ抵抗R4,R6の抵抗値)が抵抗R1の抵抗値R1より大きくなるよう調整する必要がある。結果として、図7で示されるように、電圧値V2より小さく、電圧値V5より大きな電圧値V14が設定される。また、この場合、比較回路COM5の動作モード1乃至5に対応するパターンは、動作モード(1,2,3,4,5)=(Low,Hi,Low,Hi,Low)となる。ここで、図10においては、図6のインタフェース回路22における抵抗R4、定電流回路I2、比較回路COM1,COM2の構成部分における拡大図が示されており、新たに比較回路COM5が設けられる場合の例が示されている。
また、電圧値V1,V3の判定閾値は、上下の境界となる電圧値V9,V7,V5,との差分αが、ばらつき許容範囲の許す限り接近していることが望ましい(例えば、図7における差分α=約0.6V程度)。これは、差分αが接近しているほど、電子スイッチ21の出力回路57の特性と、インタフェース回路22の基準電圧作成回路71の特性とを合致したものとすることが必要となる。すなわち、電圧値V1と電圧値V8、および電圧値V3と電圧値V6とが同値である必要がある。結果として、不正な電子スイッチ21が、インタフェース回路22に接続されるようなことが万が一あったとしても、遊技球31が検出されたかのような動作をさせることが困難なものとなるため、不正行為を抑制させることが可能となる。
以上においては、2線式の電子スイッチ21の例について説明してきたが、3線式の電子スイッチ21においても、遊技球31の有無の検出に加えて、電波の検出の有無を併せて検出させるようにすることができる。
図11は、遊技球31の有無の検出に加えて、電波の検出の有無を併せて検出できるようにした3線式の電子スイッチ21の一実施の形態の構成を示している。尚、図4における電子スイッチ21の構成と同一の構成については、同一の符号を付しており、その説明は、適宜省略するものとする。
図11の3線式の電子スイッチ21において、図4の2線式の電子スイッチ21と異なる点は、電源電圧Vcc1、定電流回路I1およびツェナーダイオードZD2、動作信号弁別回路53、並びに、出力回路57に代えて、電源電圧Vcc2、定電圧回路101、動作信号弁別回路103、並びに出力回路102を備えている点が挙げられる。
また、動作信号弁別回路103は、基本的には、動作信号弁別回路53と同様の動作をするものであるが、遊技球31が検出されている場合と検出されていない場合とで処理が入れ替わっており、検波積分回路52より供給されてくる検波積分処理された信号に基づいて、遊技球31の接近が検出されている場合には、出力回路102のNPNトランジスタTr12のベースに電流を供給し、NPNトランジスタTr12をONの状態にする。一方、遊技球31が検出されていない場合、動作弁別回路53は、NPNトランジスタTr12のベースへの電流供給を停止し、NPNトランジスタTr12をOFFの状態にする。
尚、電波検出回路54については、図4においては、増幅回路55、および反転増幅回路56に出力していた信号と同様の信号を、出力回路102のNPNトランジスタTr11に供給している。結果として、電波検出回路54は、電波を検出したとき、トランジスタTr11のベースに電流を流すことにより、トランジスタTr11をONにし、電波を検出していないとき、トランジスタTr11をOFFにする。
出力回路102は、端子Va,GNDより電力供給を受けて、動作信号弁別回路103および電波検出回路54からの信号に基づいて、動作状態を示す電圧値を生成して、端子Voutより出力する。ここで、端子GNDは、接地されている。また、端子Voutは、抵抗R13によりプルアップされている。
出力回路102の端子VaにダイオードD13のアノードが接続されている。また、ダイオードD13のカソードは、直列に接続された抵抗R11,R12を介して、端子GNDに接続されている。抵抗R11,R12の中間位置には、端子Vout、ダイオードD14のアノード、およびNPNトランジスタTr11のコレクタが接続されている。ダイオードD14のカソードは、NPNトランジスタTr12のコレクタに接続されている。NPNトランジスタTr12のエミッタは端子GNDに接続されている。さらに、NPNトランジスタTr11のエミッタは、端子GNDに接続されている。
すなわち、抵抗R12に対して並列に、ダイオードD14およびNPNトランジスタTr12のコレクタ−エミッタが接続されており、さらに、同様にして、抵抗R12に対して並列に、NPNトランジスタTr11のコレクタ−エミッタが接続されている。従って、電波検出回路54において、電波が検出されると、トランジスタTr11がONにされるため、端子Voutは、遊技球31の検出の有無に関わらず、端子GNDと同電位となる。また、抵抗R12は、抵抗R11,R13と比べて十分に大きな値とする。
次に、図11の電子スイッチ21の動作について説明する。
電波が検出されず、かつ、遊技球31が検出されていない状態の場合、電波検出回路54は、NPNトランジスタTr11のベースには電流を流さないため、NPNトランジスタTr11をOFFの状態にする。さらに、動作信号弁別回路103は、NPNトランジスタTr12のベースに電流を流さない。このため、NPNトランジスタTr12も、OFFの状態になる。また、上述したように、抵抗R12は、抵抗R11,R13と比べて十分に大きな値であるので、端子Voutの電位は、以下の式(10)で示されるように示される。
V21=Vcc2−VD13
・・・(10)
ここで、V21は、電波が検出されず、かつ、遊技球31が検出されている状態の場合における端子Voutの電圧値であり、Vcc2は、電源電圧Vcc2の電圧値であり、VD11は、ダイオードD11の両端電圧である。
また、電波が検出されず、かつ、遊技球31が検出された場合、電波検出回路54は、上述した場合と同様に、NPNトランジスタTr11のベースには電流を流さないため、NPNトランジスタTr11をOFFの状態にする。さらに、動作信号弁別回路53は、NPNトランジスタTr12のベースに対して電流を供給する。このため、NPNトランジスタTr12は、ONの状態となる。このとき、上述したように、抵抗R12は、抵抗R11,R13と比べて十分に大きな値であるので、ダイオードD14に電圧が印可され、以下の式(11)で示されるように示される。
V22≒VD14
・・・(11)
ここで、V22は、電波が検出されず、かつ、遊技球31が検出された状態の場合における端子Voutの電圧値であり、VD12は、ダイオードD12の印可電圧である。
また、電波が検出された場合、電波検出回路54は、NPNトランジスタTr11のベースに電流を流すため、NPNトランジスタTr11をONの状態にする。この結果、動作信号弁別回路103から出力される電流の有無に関わらず、端子Vout−GND間が短絡されることになる。結果として、端子Voutの電圧値は、以下の式(12)で示されるようになる。
V23=0
・・・(12)
ここで、V23は、電波が検出された状態の場合における端子Voutの電位である。
さらに、電子スイッチ21において何らかの原因により断線事故、または、端子Va,Vout間で短絡事故が発生した場合、抵抗R12は、抵抗R11,R13と比べて十分に大きな値であるので、端子Voutの電位は、Vcc2近傍の値となる。
また、電子スイッチ21において何らかの原因により端子GND,Vout間で短絡事故が発生した場合、端子Voutの電位は、0となる。
このように、3線式の電子スイッチ21は、被検出体の有無、および強電界中の状況変化に応じて、上述した式(10)乃至式(12)で示されるV21,V22,V23、または、断線事故もしくは短絡事故によるVcc2,0の電位を取り得る。
次に、図12を参照して、3線式の電子スイッチ21に対応するインタフェース回路22の構成について説明する。尚、図11における電子スイッチ21の構成と共通の構成、または、同一の構成については、同一の符号を付しており、その説明は、適宜省略するものとする。基準電圧作成回路111は、端子Voutより供給される電圧値に基づいて、4種類の基準となる電圧値を生成し、それぞれ比較回路COM11乃至COM14の負入力端子に供給する。
比較回路COM11乃至COM14は、それぞれの負入力端子に基準電圧作成回路111より供給されてくる4種類の基準となる電圧値と、正入力端子に入力される端子Voutより供給される電圧値とを比較し、比較結果を制御コンピュータ23の端子V31乃至V34に供給する。
基準電圧作成回路111は、電源電圧Vcc2から接地電位までの間に、抵抗R21乃至R27が、その順で直列に接続され、抵抗R21と抵抗R22との中間電位となる電圧値V24が、比較回路COM11の負入力端子に供給される。抵抗R23と抵抗R24との中間電位となる電圧値V26が、比較回路COM12の負入力端子に供給される。抵抗R24と抵抗R25との中間電位となる電圧値V27が、比較回路COM13の負入力端子に供給される。さらに、抵抗R26と抵抗R27との中間電位となる電圧値V29が、比較回路COM14の負入力端子に供給される。
さらに、PNPトランジスタTr21のエミッタが電源電圧Vcc2に接続され、ベースが抵抗R22と抵抗R23との中間電位(電圧値V25の同電位の位置)に接続される。また、PNPトランジスタTr21のコレクタは、抵抗R23と抵抗R24との中間電位に接続される。尚、このPNPトランジスタTr21のコレクタが接続される位置の電位は、電圧値V26と称するものとする。
また、NPNトランジスタTr22のコレクタが抵抗R24と抵抗R25との中間電位(電圧値V27の同電位の位置)に接続され、ベースが抵抗R25と抵抗R26との中間電位に接続される。尚、このNPNトランジスタTr22のベースが接続される位置の電位は、電圧値V28と称するものとする。
抵抗R21乃至R23、および抵抗R25乃至R27は同一である。また、ダイオードD13(図11)とPNPトランジスタTr21のベース−エミッタ間電圧Vbeとが、ダイオードD14(図11)とPNPトランジスタTr22のベース−エミッタ間電圧Vbeとが、それぞれ同特性のものが使用されている。尚、特性共通化の目的で、図11におけるダイオードD13,D14に替えて、PNPトランジスタTr21、NPNトランジスタTr22のエミッタ−ベース接合ダイオードを使用するようにしてもよい。
さらに、抵抗R21乃至R23および抵抗R25乃至R27がそれぞれ同一であり、電源電圧Vcc2−V25間電圧がPNPトランジスタTr21のベース−エミッタ間電圧Vbeとなり、接地電位GND−V28間電圧がNPNトランジスタTr22のベース−エミッタ間電圧Vbeとなることから、基準電圧作成回路111における電圧値V24乃至V29は、以下の式(13)乃至式(18)で示される。
V24=Vcc2−0.5×Vbe (V24>V21)
・・・(13)
V25=Vcc2−Vbe (V25≒V21)
・・・(14)
V26=Vcc2−1.5×Vbe (V21>V26)
・・・(15)
V27=1.5×Vbe (V27>V22)
・・・(16)
V28=Vbe (V28≒V22)
・・・(17)
V29=0.5×Vbe (V29>V23 & V22>V29)
・・・(18)
従って、各電圧値V21乃至V29の大小関係は、電源電圧Vcc2の電圧値Vcc2の変動や周囲関係変化によらず、図13で示されるように常に一定に保たれることになる。
図13は、横軸を電源電圧Vcc2、縦軸を端子Voutの電圧としたとき、上述した電圧値V21乃至V29の大小関係を示したものである。また、電子スイッチ21の端子Voutの電圧値は、断線事故が無い限りインタフェース回路22の電圧値VINの電圧値と同一である。
電圧値Vcc2およびV21乃至V29の大小関係は、電源電圧Vcc2の電圧値Vcc2の変動や周囲関係変化によらず、大きい方から電圧値Vcc2,V24,V21(=V25),V26,V27,V22(=V28),V29,V23の順位となる。ここで、電圧値V24乃至V26は、電源電圧Vcc2に追従することにより、電圧値Vcc2の変化に応じて右上がりとなるが、大小関係は維持される。尚、電源電圧Vcc2は、電子スイッチ21の定格印加電圧として、図13の電圧値Vm乃至Vnの範囲が考慮されればよいものである。
また、上述したようにR21乃至R23およびR25乃至R27が同一であり、PNPトランジスタTr21のベース−エミッタ間電圧Vbeと、NPNトランジスタTr22のベース−エミッタ間電圧Vbeとが同一である。結果として、電圧値V24と電圧値V25との電位差(V24−V25)、電圧値V25と電圧値V26との電位差(V25−V26)、電圧値V27と電圧値V28との電位差(V27−V28)、および電圧値V28と電圧値V29との電位差(V28−V29)は、いずれも0.5Vbe(=β:図13)となる。
比較回路COM11乃至COM14の負入力端子に供給される電圧値は、電圧値V24,V26,V27,V29である(それぞれ図13の点線で示される電圧値である)ので、比較回路COM11乃至COM14は、それぞれ端子VINの電圧値VINと電圧値V24,V26,V27,V29との比較結果をそれぞれ制御コンピュータ23の端子V31乃至V34に出力することになる。
ここで、上述したように図11の電子スイッチ21の端子Voutは、上述した電圧V21乃至V23,Vcc2、または0の5種類の値を取り得る事がわかっているので、比較回路COM11乃至COM14の比較結果となる制御コンピュータ23の端子V31乃至V34に入力される信号のパターンは、図14で示されるような4つのパターンに分類されることになる。
遊技球31を検出し、かつ、電波を検出していない動作モード1の場合、電圧値VIN(=Vout)が上述した式(11)により示される電圧値V22となるので、比較結果となる制御コンピュータ23の端子V31乃至V34に入力される信号のパターンは、図14で示されるように、電圧値V29と比較する比較回路COM14についてはHiとなるが、それ以外の比較回路COM11乃至COM13については、Lowとなる。
また、遊技球31を検出せず、かつ、電波を検出していない動作モード2の場合、電圧値VIN(=Vout)は、上述した式(10)により示される電圧値V21となるので、比較結果となる制御コンピュータ23の端子V31乃至V34に入力される信号のパターンは、図14で示されるように、電圧値V24と比較する比較回路COM11についてはLowとなるが、それ以外の比較回路COM12乃至COM14については、Hiとなる。
さらに、断線事故や端子Va,Vout間が短絡されている動作モード3の場合、電圧値VINは、上述したように電圧値Vcc2となるので、比較結果となる制御コンピュータ23の端子V31乃至V34に入力される信号のパターンは、図14で示されるように、電圧値V24,V25,V27,V29と比較する比較回路COM11乃至14についてはいずれもHiとなる。
また、遊技球31の検出の有無に関わらず、電波が検出されたり、端子GND,Vout間が短絡したときの動作モード4の場合、電圧値VIN(=Vout)は、上述した式(12)により示される電圧値V23となるので、比較結果となる制御コンピュータ23の端子V31乃至V34に入力される信号のパターンは、図14で示されるように、電圧値V24,V25,V27,V29と比較する比較回路COM11乃至14についてはいずれもLowとなる。
次に、3線式の電子スイッチ21を用いた場合の制御コンピュータ23について説明する。
制御コンピュータ23は、インタフェース回路22より端子V31乃至V34に供給されてくる信号のパターンに基づいて、遊技球31の検出処理を実行する。
制御コンピュータ23は、端子V31乃至V34に供給されてくる信号のパターンが(V31,V32,V33,V34)=(Low,Low,Low,Hi)であるとき、動作モードを図14のモードナンバー1にセットし、遊技球31を検出し、かつ、電波を検出していない状態であることを認識する。すなわち、このとき、制御コンピュータ23は、遊技球31が入賞されたことを認識し、対応する所定数の遊技球が払い出される等の処理を実行することになる。
また、制御コンピュータ23は、端子V31乃至V34に供給されてくる信号のパターンが(V31,V32,V33,V34)=(Low,Hi,Hi,Hi)である場合、動作モードを図14のモードナンバー2にセットし、遊技球31を検出せず、かつ、電波を検出していない状態であることを認識する。
さらに、制御コンピュータ23は、端子V31乃至V34に供給されてくる信号のパターンが(V31,V32,V33,V34)=(Hi,Hi,Hi,Hi)である場合、動作モードを図14のモードナンバー3にセットし、断線事故または端子Va,Vout間に短絡事故が発生していることを認識し、例えば、ホールコンピュータに通知したりするなどして、断線事故や短絡事故の発生を遊技店の係員などに報告する。
さらに、制御コンピュータ23は、端子V31乃至V34に供給されてくる信号のパターンが(V31,V32,V33,V34)=(Low,Low,Low,Low)である場合、動作モードを図14のモードナンバー4にセットし、電波が検出されたか、または端子GND,Vout間に短絡事故が発生した状態であることを認識する。すなわち、このとき、制御コンピュータ23は、電波が検出されたこと、または、短絡事故が発生していることを認識し、例えば、ホールコンピュータに通知したりするなどして、短絡事故の発生を遊技店の係員などに報告する。
以上の処理により、電子スイッチ21の出力端子電圧を変化させることにより、インタフェース回路22の判定パターンに基づいて、正常動作時の遊技球31の有無を示す2通りの情報に加えて、電波検出情報、断線事故、並びに短絡事故の有無を検出することが可能となる。
次に、図15のフローチャートを参照して、図11の電子スイッチ21による端子Voutの出力電圧値の切替処理について説明する。
ステップS21において、動作信号弁別回路103および電波検出回路54は、電波が検出されず、かつ、遊技球が検出されているか否かを判定し、電波が検出されず、かつ、遊技球が検出されている場合、判定結果に基づいた信号を出力回路102に供給すると共に、その処理は、ステップS22に進み、電波が検出されたか、または、遊技球が検出されていない場合、その処理は、ステップS23に進む。
ステップS22において、出力回路102においては、動作信号弁別回路103および電波検出回路54より供給されてくる信号に従って、トランジスタTr11がOFFとなりTr12が、ONとなる。結果として、出力回路102は、端子Voutの出力電圧値V21に切り替えて出力する。
ステップS23において、動作信号弁別回路103および電波検出回路54は、電波が検出されず、かつ、遊技球が検出されていないか否かを判定し、電波が検出されず、かつ、遊技球が検出されていない場合、判定結果に基づいた信号を出力回路102に供給すると共に、その処理は、ステップS24に進み、電波が検出されたか、または、遊技球が検出された場合、その処理は、ステップS25に進む。
ステップS24において、出力回路102においては、動作信号弁別回路103および電波検出回路54より供給されてくる信号に従って、トランジスタTr11,Tr12,がOFFとなる。結果として、出力回路102は、端子Voutの出力電圧値V22に切り替えて出力する。
ステップS25において、断線事故、または、端子Va,Vout間で短絡が発生しているか否かが判定され(実際に判定処理は、いずれにおいてもされないが条件として判定がなされているものとする)、断線事故、または、端子Va,Vout間で短絡が発生している場合、その処理は、ステップS26に進み、断線事故が発生していない場合、その処理は、ステップS27に進む。
ステップS26において、電子スイッチ21内で断線事故、または、端子Va,Vout間で短絡が発生しているが発生しているということは、端子VINより電源電圧Vcc2の電圧値Vcc2が出力されることになる。
ステップS27において、電波が検出されたか、または、端子GND,Vout間で短絡が発生したか否かが判定され、電波が検出されたか、または、端子GND,Vout間で短絡が発生した場合、その処理は、ステップS28に進み、電波が検出されていない場合、その処理は、ステップS1に戻る。
ステップS28において、電子スイッチ21内で電波が検出されたか、または、端子GND,Vout間で短絡が発生したが発生しているということは、端子Voutからは0が出力されることになる。
尚、遊技球が検出されていないときの電圧値V21については電圧値V24と電圧値V26とで、検出時の電圧値V22については電圧値V27と電圧値V29とで、それぞれ上下限判定がなされており、電波検出時の電圧値V23については電圧値V29の閾値弁別が実施されている。図7おける場合と同様に、判定閾値が、上下ともばらつき許容範囲の許す限り接近していることが望ましい(例えば、図14における差分β=約0.3V程度)。これは、2線式の電子スイッチ21における場合と同様に、差分βが接近しているほど、電子スイッチ21の出力回路102とインタフェース回路22の基準電圧作成回路111の特性とを合致したものとすることが必要となる。すなわち、電圧値V21と電圧値V25、および電圧値V22と電圧値V28とが同値である必要がある。結果として、不正な電子スイッチ21が、インタフェース回路22に接続されるようなことが万が一あったとしても、遊技球31が検出されたかのような動作をさせることが困難なものとなるため、不正を抑制させることが可能となる。
以上によれば、出力回路102により3線式の電子スイッチ21の動作状態に応じて、電源電圧値より小さく、接地電圧値より大きな、少なくとも1つ以上の中間電圧値を変化させて、被検出体が検出された場合、電源電圧値より小さく、接地電圧値より大きな、第1の出力電圧値を出力し、被検出体が検出されていない場合、電源電圧値より小さく、接地電圧値より大きな、第2の出力電圧値を出力し、電波が検出された場合、電源電圧値もしくは電源電圧値近傍の電圧値、または接地電圧値もしくは接地電圧値近傍の電圧値を出力するようにしたので、強電波を用いた不正行為を抑制させることが可能となる。
尚、図11の電子スイッチ21においては、電波が検出された場合に出力される電圧値V23は、接地電位近傍であるが、電源電圧Vcc2近傍とする設定も可能である。
図16は、電波が検出された場合に出力される電圧値V23を、電源電圧Vcc2近傍とした3線式の電子スイッチ21の一実施の形態の構成を示す図である。尚、図11の電子スイッチ21と同一の構成については、同一の符号を付しており、その説明は適宜省略するものとする。
図16の電子スイッチ21における図11の電子スイッチ21と異なる点は、出力回路102、抵抗R13、および電源電圧Vcc2に代えて、出力回路121、抵抗R47、および電源電圧Vcc3を設けた点である。
出力回路121は、端子Va,GND間に抵抗R42,R41、およびNPNトランジスタTr31のコレクタ−エミッタが直列に接続されている。また、同様にして、端子Va,GND間に抵抗R44,R43、およびNPNトランジスタTr33のコレクタ−エミッタ間が直列に接続されている。さらに、端子Va,GND間に抵抗R45,R46、およびダイオードD22が直列に接続されている。
NPNトランジスタTr31のベースは、電波検出回路54に接続されている。PNPトランジスタTr32のエミッタ−コレクタ(エミッタが端子Va側に接続され、コレクタが抵抗R45,R46の中間電位に接続されている)は、抵抗R45に並列に接続されており、ベースは、抵抗R41,R42の中間電位に接続されている。さらに、NPNトランジスタTr34のエミッタ−コレクタ間およびダイオードD21(エミッタが端子Va側に接続され、コレクタがダイオードD21の入力端子に接続され、ダイオードD21のカソードが抵抗R45,R46の中間電位に接続されている)も、抵抗R45に並列に接続されており、ベースは、抵抗R43,R44の中間電位に接続されている。端子Voutは、抵抗R45,R46の中間電位に接続されている。また、抵抗R45は、抵抗R46,R47に比べて十分に大きな値である。また、ダイオードD21,D22は、図11におけるダイオードD13,D14と同一のものである。
すなわち、電波が検出されると、トランジスタTr31,Tr32がONとなる。結果として、端子Voutは、電源電圧Vcc3の電圧値Vcc3近傍の値となる。さらに、電波が検出されず、かつ、遊技球31が検出されない場合、トランジスタTr33,Tr34がONとなる。結果として、端子Voutの電圧値Vout=Vcc3−VD21となる。また、電波が検出されず、かつ、遊技球が検出された場合、トランジスタTr33,Tr34がOFFとなる。結果として、Vout≒VD22となる。
尚、インタフェース回路22および制御コンピュータ23については、同様の処理となるので、その説明は省略する。
以上においては、電波が検出された時点で、不正行為として認識し、遊技店の係員に対して報知させることを目的とした処理について説明してきたが、電波が検出されることそのものが不正行為を目的としたものであるとは限らず、電波が検出される度に、不正行為がなされている可能性のあることが報知されても、係員が毎度確認する必要があるため、不正行為を目的としていない電波に対しても報知が繰り返されれば、真の不正行為を検出する行為そのものものを阻害するものになりかねない。
そこで、電波が検出される場合、被検出体である遊技球31の検出処理そのものを停止させてしまうこと(動作状態を保持させること)で、不正行為を防止するようにしてもよい。
図17は、電波が検出される場合、被検出体である遊技球31の検出処理を保持するようにした2線式の電子スイッチ21に対応するインタフェース回路22の一実施の形態の構成を示す図である。インタフェース回路22は、抵抗R51,R52、ツェナーダイオードZD31、ダイオードD31、定電流回路I3、および比較回路COM21からなる検出ブロック131からなる。
電源電圧Vcc1と接地電位との間に、抵抗R51と定電流回路I3とが直列に接続されている。ダイオードD31のアノードは、抵抗R51と定電流回路I3との中間位置に接続され、カソードは、ツェナーダイオードZD31のアノードに接続される。ツェナーダイオードZD31のカソードは、抵抗R52を介して電源電圧Vcc1に接続されている。また、比較回路COM21の正入力端子には、抵抗R51と定電流回路I3との中間位置の電位が入力される。比較回路COM21の負入力端子には、端子Vaの電圧が入力される。比較回路COM21の出力端子は、ツェナーダイオードZD31と抵抗R52の中間電位に接続されると共に、制御コンピュータ23の端子V42に接続される。電子スイッチ21の低位側端子Vbが接地電位に接続される。このような回路構成により、抵抗R51,R52、ツェナーダイオードZD31、ダイオードD31、定電流回路I3、および比較回路21からなる正帰還回路が構成される。
尚、ツェナーダイオードZD1(図4)とツェナーダイオードZD31とが、定電流回路I1(図4)と定電流回路I3が、ダイオードD1,D2(図4)とダイオードD31とがそれぞれ同特性のものを使用している。尚、抵抗R51は、抵抗R1より大きい定数を選択し、比較回路COM21は、オープンコレクタ出力タイプとする。
次に、図17のインタフェース回路22の動作について説明する。
電子スイッチ21が閉塞動作時(遊技球非検出)において、端子Vaの電圧VINは、V1となる。比較回路COM21は、オープン状態となり、ダイオードD31では逆方向印加となるため電圧値V41は抵抗R51と定電流回路I3とで決定される。一方、電子スイッチ21が開放動作時(遊技球検出)において、比較回路COM21は、出力が0vに変化する。この結果、ダイオードD31、ツェナーダイオードZD31がアクティブとなり、電圧値V41は電位の低い状態に切換わる。
従って、比較回路COM21の正入力端子の入力電圧となる電圧値V41は、以下の式(19),式(20)で示される2種類の値となる。
V41hi=Vcc1−R51×I3 (閉塞動作時の正端子電圧)
・・・(19)
V41lo=VZD31+VD31 (開放動作時の正端子電圧)
・・・(20)
ここで、抵抗R51は抵抗R1より大きく、また、定電流回路I1と、定電流回路I3とは同特性であるので、電圧値V41hiは、V2>V41hiとなる。従って、図17のインタフェース回路22においては、以下の式(21),式(22)で示される関係が成立する。
V3>V41lo>V1
・・・(21)
V2>V41hi>V3
・・・(22)
上記電位関係は、電源電圧Vcc1の変動、周囲関係変化によらず常時確保される。
すなわち、比較回路COM21の正入力端子の入力電圧となる電圧値V41は、比較回路COM21の動作状態に応じて、開放動作時にはV41loとなり、閉塞動作時にはV41hiとなる。この結果、例えば、電波が検出されることにより、比較回路COM21の負入力端子に電圧値V3が入力されることがあっても、比較回路COM21の動作に変化を与えないこととなる。
ところで、遊技球31が入賞された個数は、閉塞状態(遊技球31が検出されていない状態)から開放状態(遊技球31が検出された状態)になった後、再び閉塞状態(遊技球31が検出されていない状態)になったとき、1個の遊技球31が入賞されたとみなされる。従って、図17で示されるようなインタフェース回路22によれば、電波が検出されることにより、比較回路COM21の負入力端子に電圧値V3が入力されても、開放状態から閉塞状態に変化することもなく、逆に、閉塞状態から開放状態に変化することもないため、結果として遊技球31の個数がカウントされないので、電波による不正行為を抑制することが可能となる。
次に、図18のフローチャートを参照して、図17のインタフェース回路22における切替処理について説明する。
ステップS31において、電圧値VINが、電圧値V41hiよりも大きいか否かに基づいて、例えば、電圧値VINが、遊技球が検出されることにより電圧値V2となれば、電圧値V41hiよりも大きいことになり、ステップS32において、開放動作時(遊技球検出)において、比較回路COM21の出力が0vに変化するので、ダイオードD31、ツェナーダイオードZD31がアクティブとなり、電圧値V41は電圧値V41loに切り替わる。
ステップS31において、電圧値VINが、電圧値V41hiよりも大きくない場合、ステップS33において、電圧値VINが、電圧値V41loよりも小さいか否かに基づいて、例えば、電圧値VINが、遊技球が検出されないことにより電圧値V1となれば、電圧値V41loよりも小さいことになり、ステップS34において、閉塞動作時(遊技球非検出)において、電圧値VINは、V1となるので、比較回路COM21は、オープン状態となり、ダイオードD31では逆方向印加となるため電圧値V41は抵抗R51と定電流回路I3とで決定されることになるので、電圧値V41は電圧値V41hiに切り替わる。
ステップS33において、電圧値VINが、電圧値V41loよりも小さくない場合、その処理は、ステップS31に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
すなわち、図19で示されるタイミングチャートで動作するような場合、以下のように電圧値V41が切り替わる。尚、図19においては、上から、被検出体である遊技球31の有無を示すタイミングチャート、電波が検出されるタイミングを示すタイミングチャート、実線で示される電圧値VIN、および点線で示される電圧値V41の変化、および電圧値V42の電圧値の変化をそれぞれ示すタイミングチャートである。図中の矢印で示される期間内が、遊技球31、または、電波が検出されている期間を示している。
時刻t0乃至時刻t11においては、電波が検出されず、かつ、遊技球31が検出されていないので、電圧値VINは、電圧値V1となり、電圧値V41は、電圧値V41hiとなる。従って、比較回路COM21の出力は、電源電圧値Vcc1となる。
時刻t11乃至t12において、電波が検出されず、かつ、遊技球31が検出されているので、電圧値VINは、電圧値V2となり、電圧値V41は、電圧値V41loに切り替わる。従って、比較回路COM21の出力は、0となる。
時刻t12乃至t13において、電波が検出されず、かつ、遊技球31が検出されない状態に変化しているので、電圧値VINは、電圧値V1となり、電圧値V41は、電圧値V41hiに切り替わる。従って、比較回路COM21の出力は、電源電圧値Vcc1となる。
時刻t13乃至t21において、電波が検出されず、かつ、遊技球31が検出されているので、電圧値VINは、電圧値V2となり、電圧値V41は、電圧値V41loに切り替わる。従って、比較回路COM21の出力は、0となる。
時刻t21乃至t14において、電波が検出されて、かつ、遊技球31が検出された状態に変化しているので、電圧値VINは、電圧値V3となる。しかしながら、電圧値V41は、電圧値V41loであるので、比較回路COM21の出力は、0が維持される。
時刻t14乃至t22において、電波が検出されて、かつ、遊技球31が検出されていない状態であるので、電圧値VINは、電圧値V3が維持される。ここでは、電圧値V41は、電圧値V41loのままであるので、比較回路COM21の出力は、0が維持され、電波が検出されているにもかかわらず、遊技球31が検出されていない状態が保持される。
時刻t22乃至t23において、電波が検出されず、かつ、遊技球31が検出されない状態に変化しているので、電圧値VINは、電圧値V1となり、電圧値V41は、電圧値V41hiに切り替わる。従って、比較回路COM21の出力は、電源電圧値Vcc1に切り替わる。
時刻t23乃至t24において、電波が検出され、かつ、遊技球31が検出されない状態に変化しているので、電圧値VINは、電圧値V3となる。しかしながら、電圧値V41は、電圧値V41hiが維持されたままとなり、結果として、比較回路COM21の出力は、電波が検出されているにもかかわらず電源電圧値Vcc1となる。
時刻t24乃至t25において、電波が検出されず、かつ、遊技球31が検出されない状態に変化しているので、電圧値VINは、電圧値V1となり、電圧値V41は、電圧値V41hiが維持される。従って、比較回路COM21の出力は、電源電圧値Vcc1のまま維持される。
時刻t25乃至t15において、電波が検出され、かつ、遊技球31が検出されない状態に変化しているので、電圧値VINは、電圧値V3となる。しかしながら、電圧値V41は、電圧値V41hiが維持されたままとなり、結果として、比較回路COM21の出力は、電波が検出されているにもかかわらず電源電圧値Vcc1を保持する。
時刻t15乃至t16において、電波が検出されて、かつ、遊技球31が検出された状態に変化しているが、電圧値VINは、電圧値V3が維持され、電圧値V41は、電圧値V41hiであるので、比較回路COM21の出力は、電源電圧値Vcc1が維持される。
時刻t16乃至t17において、電波が検出され、かつ、遊技球31が検出されない状態に変化しているが、電圧値VINは、電圧値V3が維持され、電圧値V41は、電圧値V41hiが維持されたままとなり、結果として、比較回路COM21の出力は、電波が検出されているにもかかわらず電源電圧値Vcc1を保持する。
時刻t17乃至t26において、電波が検出されて、かつ、遊技球31が検出された状態に変化しているが、電圧値VINは、電圧値V3が維持され、電圧値V41は、電圧値V41hiであるので、比較回路COM21の出力は、電源電圧値Vcc1が維持される。
時刻t26乃至t18において、電波が検出されず、かつ、遊技球31が検出されているので、電圧値VINは、電圧値V2となり、電圧値V41は、電圧値V41loに切り替わる。従って、比較回路COM21の出力は、0に切り替わる。
結果として、電波が検出されていない通常時は、遊技球31の有無に従い電圧値VIN,V41は連動し、遊技球非検出時には、電圧値VIN=V1、および電圧値V41=V41hiとなり、遊技球検出時には、電圧値VIN=V2、および電圧値V41=V41loとなる。しかしながら、電波照射時は電圧値VIN,V41の連動動作が崩れ、電圧値VINはV3に固定される。この場合、電圧値V41は、2通りの動作をする。
第1の動作は、例えば、時刻t21乃至t22の電波が検出されたとき、電波が検出される直前が遊技球検出の状態で、電圧値VIN=V2、電圧値V41=V41loとなっていた。ここで電波が検出され、電圧値VINが電圧値V3に変化してもV3>V41loであるので、比較回路COM21の状態は変化しない。
第2の動作は、例えば、時刻t23乃至t24間の電波が検出されたとき、電波が検出される直前が遊技球非検出の状態で、電圧値VIN=V1、電圧値V41=V41hiとなっていた。ここで電波が検出され、電圧値VINが電圧値V3に変化してもV41hi>V3ゆえ比較回路COM21の状態は変化しない。
結局、電波が検出される直前の状態が、電波が検出されている期間中も保持される動作となる。
以上のように、図17で示されるようなインタフェース回路22によれば、比較回路COM21の負入力端子に供給される電圧値が電圧値V1である場合、弁別閾値となる電圧値V41を電圧値V2と電圧値V3の中間電圧値V41hiに切り替え、比較回路COM21の負入力端子に供給される電圧値が電圧値V2である場合、弁別閾値となる電圧値V41を電圧値V1と電圧値V3の中間電圧値V41loに切り替えるようにしたので、電波が検出されると、電子スイッチ21により遊技球31は検出されるものの、カウントするための比較回路COM21の動作が保持されることになるため、電波が検出されている時間だけ処理が先送りされるのみで、遊技球31が不正に増加することがなくなるので、不正行為を抑制することが可能となる。
以上の例においては、検出ブロック131がインタフェース回路22に設けられる例について説明してきたが、インタフェース回路22以外の装置に設けられるようにしてもよい。
図20は、検出ブロック131を内蔵した3線式の電子スイッチ21の一実施の形態の構成を示す図である。尚、図4の電子スイッチ21の構成と同一の構成については、同一の符号を付しており、その説明は、適宜省略する。
図20の電子スイッチ21の構成は、基本的には、図4の2線式の電子スイッチ21に検出ブロック131を内蔵させた構成となっている。すなわち、図20の電子スイッチ21において、図4の電子スイッチ21と異なる点は、出力回路57に代えて出力回路141を設けており、さらに、検出ブロック142、およびシュミットバッファB1が新たに加えられている点である。
出力回路141は、基本的に出力回路57と同様であり、出力回路57に定電流回路I1、抵抗R1が付加されたのみであって、構成および動作については同様であるので、その説明は省略する。
検出ブロック142は、比較回路COM21の負入力端子には、出力回路141のPNPトランジスタTr1のエミッタからの電位が入力されること、および、比較回路COM21の出力がシュミットバッファB1に供給されることを除き、検出ブロック131と同一のものであるので、構成および動作の説明は省略する。
出力端子Va,GNDは、図4の端子Va,Vbと同様である。端子Voutは負荷抵抗R61にてプルアップされる。また、電圧値V71の動作は、図17における電圧値V41と同一の動作をとなる。結果として、Vout端子は電波が検出されている時には状態を保持することが可能となるため、図20の電子スイッチ21のみで、電波による不正行為を抑制することが可能となる。
尚、図4、図11、図20の電子スイッチ21においては、遊技球31の検出を主な用途として想定した例について説明してきたが、人体検出タッチスイッチ、フォトセンサなど異種電子スイッチについても同様の手法で不正行為を抑制することが可能となる。
また、図4,図11,図20の電子スイッチ21は、半導体集積回路にて作成される場合がある。この場合、図6,図12,図17のインタフェース回路22も同プロセスの半導体集積回路を内蔵することにより、使用素子の特性を合致させることができるので、不正行為をさらに高い精度で抑制することが可能となる。
以上によれば、電子スイッチ21の動作状態に応じて、電源電圧から接地電位までの複数の電圧値に切り替えて出力するようにしたので、被検出体有無に加えて、電子スイッチへの電波照射、接続線部の断線、短絡等不正行為の発生を検出し、パチンコ遊技台のセキュリティを向上させることが可能となる。また、出力電圧値を切り替えるのみで、多種の動作状態を後段に出力することが可能となるので、異常信号を送るためだけの新たな端子を新設する必要がなく、遊技台側の制御回路も簡素なものでの対応が可能となるので、製品のコストの上昇を抑制しつつ、不正行為に対しての安全性を向上させることが可能となる。尚、中間電位作成回路としては、ダイオード、ツェナーダイオード、定電圧回路、および定電流回路等を組み合わせることで、電子スイッチ21の特性は、外部接続状況の影響を受けない。さらに、インタフェース回路側が、同素子、同構成で構成され、さらに、閾値判定において上下限判定をすることにより、信号弁別能力をさらに向上させることが可能となるので、異種電子スイッチ接続などの不正行為を抑制させることが可能となる。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。