(第1実施の形態)
図7は、本発明を適用したインタフェイス回路の第1実施の形態の構成例を示している。なお、図7において、図5と対応する部分については、同一の符号を付してあり、その説明を適宜省略する。
図7のインタフェイス回路51は、分圧回路61と切替回路62とが図5のインタフェイス回路31と異なる。
分圧回路61は、抵抗R3、ツェナダイオードZD2、および定電流源Q1により構成されている。また、電源部12と抵抗R3とが接続され、電源部12から電圧Vcc1の電源が供給されている。
切替回路62は、抵抗(負荷抵抗)R11、およびNPN形のトランジスタTr1により構成されている。
抵抗R3の電源部12と接続されている一端とは異なる他の一端は、比較回路23、ツェナダイオードZD2のカソード、および定電流源Q1に接続されている。さらに、定電流源Q1の、抵抗R3と接続されている一端とは異なる他の一端は、GNDに接続されている。
比較回路23の出力部は、トライステートバッファ24と、抵抗R11を介してトランジスタTr1のベースとに接続されている。トランジスタTr1のコレクタは、ツェナダイオードZD2のアノードに接続され、トランジスタTr1のエミッタは、GNDに接続されている。
図7のインタフェイス回路51では、図5および図6を参照して説明したインタフェイス回路31の動作と同様に、電子スイッチ1の閉塞状態または開放状態に応じて、比較電圧VP(高位出力電圧VP-ONまたは低位出力電圧VP-OFF)が、比較回路23の入力部に入力される。
また、分圧回路61内の抵抗R3とツェナダイオードZD2との接続点63の電圧値は、電源部12の電圧Vcc1から、抵抗R3による電圧降下後の電圧値となる。その電圧値が、閾値電圧VTとして、比較回路23の比較電圧VPが入力されている入力部とは異なる他方の入力部に入力される。従って、分圧回路61は、電源部12から供給される電圧Vcc1を分圧し、その分圧された電圧値を閾値電圧VTとして、比較回路23の入力部に入力(供給)する。
比較回路23は、比較電圧VPと閾値電圧VTとを比較し、その比較出力結果である比較出力信号をトライステートバッファ24に出力する。また、比較回路23は、比較出力信号を切替回路62にも出力する。ここで、比較出力信号は、上述した図5のインタフェイス回路31と同様に、パチンコ球3が検出されたとき(以下、適宜、パチンコ球ありという)が、Hレベルの信号(以下、H信号という)で、パチンコ球3が検出されなかったとき(以下、適宜、パチンコ球なしという)が、Lレベルの信号(以下、L信号という)である。
切替回路62は、比較回路23からの比較出力信号のレベルに応じて、分圧回路61を、第1の状態または第2の状態に切り替える。
即ち、切替回路62では、比較回路23から、抵抗R11を介してトランジスタTr1にL信号が供給されると、トランジスタTr1がオフし、分圧回路61のツェナダイオードZD2を無効にする。この分圧回路61の状態を第1の状態とする。また、切替回路62では、比較回路23から、抵抗R11を介してトランジスタTr1にH信号が供給されると、トランジスタTr1がオンし、分圧回路61のツェナダイオードZD2を有効にする。この分圧回路61の状態を第2の状態とする。
図8と図9を参照して、分圧回路61の第1の状態についてさらに説明する。
図8は、分圧回路61が第1の状態である場合の、即ち、比較回路23からL信号(の比較出力信号)が供給され、トランジスタTr1がオフしている場合の、実質上のインタフェイス回路51の構成を示している。
なお、比較回路23からの比較出力信号がL信号(パチンコ球なし)である場合、電子スイッチ1から比較回路23に入力される比較電圧VPは、上述したように、低位出力電圧VP-OFFである。
また、分圧回路61から比較回路23に入力される閾値電圧VTは、比較回路23のヒステリシスのために、図9に示すように、実線で示されている高位反転電圧VT-ON、または点線で示されている低位反転電圧VT-OFFの両方の電圧値を取り得るが、分圧回路61の第1の状態は、電子スイッチ1の出力電圧値が、低位出力電圧VP-OFFから、高位反転電圧VT-ONを超えて高位出力電圧VP-ONになる場合の状態であるので、低位反転電圧VT-OFFは無視することができる。即ち、図8において、分圧回路61から比較回路23に入力される閾値電圧VTは、高位反転電圧VT-ONである。
第1の状態の分圧回路61は、図8に示すように、抵抗R3と定電流源Q1により構成されることになる。また、定電流源Q1に流れる電流の電流値をIcc1とする。このとき、定電流源Q1にかかる電圧値(電圧Vcc1からの残電圧値)は、定電流源Q1の電流値Icc1で決定される。そして、その電流源Q1にかかる電圧値と同一の電圧値が、比較回路23に閾値電圧VT(高位反転電圧VT-ON)として入力される。
ここで、定電流源Q1に流れる電流の電流値Icc1の最適値について考える。
図5のインタフェイス回路31では、図6を参照して説明したように、例えば、電子スイッチ1の出力電圧値が、低位出力電圧VP-OFFから、高位反転電圧VT-ONを超えて高位出力電圧VP-ONになった場合、パチンコ球ありと判定されていた。
ところが、電子スイッチ1の高位出力電圧VP-ONの電圧値と高位反転電圧VT-ONとの電圧値の差(の範囲)が大きすぎるため、次のようなことが行われる可能性があった。
例えば、不正行為が行われて、正規の電子スイッチ1とは異なる改造電子スイッチに取り替えられ、その改造電子スイッチの出力電圧値が、高位反転電圧VT-ONの電圧値以上ではあるが、図4の高位出力電圧VP-ONの範囲外、例えば、高位出力電圧VP-ONと高位反転電圧VT-ONとの間の電圧値である場合でも、パチンコ球ありとして判定される。
従って、電子スイッチ1に対する不正行為を防止するためには、正規の電子スイッチ1の出力電圧値でのみ、パチンコ球ありの検出信号をCPU15に供給するようにすることが有効である。
以上から、定電流源Q1にかかる電圧値と同一の、高位反転電圧VT-ONは、図9に示すように、正規の電子スイッチ1の高位出力電圧VP-ONと極力近くなるように設定すればよい。そうすることにより、正規の電子スイッチ1の高位出力電圧VP-ONの範囲以外の電圧値を除外することができる。
高位反転電圧VT-ONの設定の目標となる高位出力電圧VP-ONは、電子スイッチ1が開放状態である場合に電子スイッチ1が出力する出力電圧値である。即ち、電子スイッチ1に漏れ電流が生じている状態の電子スイッチ1が出力する出力電圧値である。
そこで、定電流源Q1に流れる電流の電流値Icc1の最適値を求める参考に、図8に示すように、比較回路23の比較電圧VP入力側である電子スイッチ1が、開放状態である場合を想定する。
電子スイッチ1が開放状態である場合、上述したように、漏れ電流が生じる。図8では、この電子スイッチ1に発生する漏れ電流を、定電流源Q2の電流値Icc0とみなして置き換える。
そして、分圧回路61の抵抗R3の抵抗値を、抵抗R7の抵抗値と同一となるように設定するものとすると、分圧回路61の第1の状態における高位反転電圧VT-ONは、定電流源Q2の電流値Icc0と比較される、定電流源Q1の電流値Icc1によって決定されることになる。即ち、定電流源Q2の電流値Icc0(による電圧降下分)よりも、定電流源Q1の電流値Icc1(による電圧降下分)を僅かに(所定値だけ)大きくするように、定電流源Q1の電流値Icc1を設定すればよい。これにより、図9に示すような、正規の電子スイッチ1の高位出力電圧VP-ONの電圧値に極めて近くなる高位反転電圧VT-ONを設定することができる。なお、図9では、定電流源Q2とみなした電子スイッチ1の漏れ電流の電流値Icc0と定電流源Q1の電流値Icc1との電流値の差が、電位差FON-Dに相当する。
以上のようにして、分圧回路61の定電流源Q1に流れる電流の電流値Icc1(の最適値)を決定する。
また、定電流源Q1の電流値Icc1を、電子スイッチ1の漏れ電流の電流値Icc0と同一となるように設定し(電流値Icc1=Icc0となるように設定し)、分圧回路61の抵抗R3の抵抗値を、抵抗R7の抵抗値より僅かに大きな値とすることにより、正規の電子スイッチ1の高位出力電圧VP-ONの電圧値に極力近くなる高位反転電圧VT-ONを設定することもできる。
次に、図10と図11を参照して、分圧回路61の第2の状態についてさらに説明する。
図10は、分圧回路61が第2の状態である場合の、即ち、比較回路23からH信号(の比較出力信号)が供給され、トランジスタTr2がオンしている場合の、実質上のインタフェイス回路51の構成を示している。
なお、比較回路23からの比較出力信号がH信号(パチンコ球あり)である場合、電子スイッチ1から比較回路23に入力される比較電圧VPは、上述したように、高位出力電圧VP-ONである。
また、分圧回路61から比較回路23に入力される閾値電圧VTは、比較回路23のヒステリシスのために、図11に示すように、点線で示されている高位反転電圧VT-ON、または実線で示されている低位反転電圧VT-OFFの両方の電圧値を取り得るが、分圧回路61の第2の状態は、電子スイッチ1の出力電圧値が、高位出力電圧VP-ONから、低位反転電圧VT-OFFを超えて低位出力電圧VP-OFFになる場合の状態であるので、高位反転電圧VT-ONは無視することができる。即ち、分圧回路61から比較回路23に入力される閾値電圧VTは、低位反転電圧VT-OFFである。
第2の状態の分圧回路61は、図10に示すように、抵抗R3、定電流源Q1、およびツェナダイオードZD2により構成されることになる。定電流源Q1に流れる電流の電流値は、第1の状態の上述した条件で決定されたIcc1であり、定電流源Q1と並列に接続されているツェナダイオードZD2のツェナ電圧をZD2とする。このとき、電源部12から電圧Vcc1の電源が供給されると、接続点63とGND間の電圧はツェナ電圧ZD2となり、ツェナ電圧ZD2に等しい電圧値が、比較回路23に閾値電圧VT(低位反転電圧VT-OFF)として入力される。
ここで、ツェナダイオードZD2のツェナ電圧ZD2の最適値について考える。
上述した分圧回路61の第1の状態と同様に、ツェナダイオードZD2のツェナ電圧ZD2で決定される低位反転電圧VT-OFFは、図11に示すように、正規の電子スイッチ1の低位出力電圧VP-OFFと極力近くなるように設定すればよい。そうすることにより、正規の電子スイッチ1の低位出力電圧VP-OFFの範囲以外の電圧値を除外することができる。
低位反転電圧VT-OFFの設定の目標となる低位出力電圧VP-OFFは、電子スイッチ1が閉塞状態である場合に電子スイッチ1が出力する出力電圧である。即ち、電子スイッチ1に残留電圧が生じている状態の電子スイッチ1が出力する出力電圧である。
そこで、ツェナダイオードZD2のツェナ電圧ZD2の最適値を求める参考に、図10に示すように、比較回路23の比較電圧VP側を、電子スイッチ1が閉塞状態である場合を想定する。
電子スイッチ1が閉塞状態である場合、上述したように、残留電圧が発生する。図10では、この電子スイッチ1に発生する残留電圧を、電源W1の電圧(電源電圧)V'とみなして置き換える。
そして、第1の状態と同様に、分圧回路61の抵抗R3の抵抗値を、抵抗R7の抵抗値と同一となるように設定するものとすると、電源W1の電圧V'(電子スイッチ1の残留電圧V')より、ツェナダイオードZD2のツェナ電圧ZD2を僅かに(所定値だけ)大きくするように、ツェナダイオードZD2のツェナ電圧ZD2を設定すればよい。換言すれば、電源W1とみなした電子スイッチ1の残留電圧V'よりも、僅かに大きい電圧値となるようにツェナダイオードZD2のツェナ電圧ZD2を設定する。これにより、図11に示すような、正規の電子スイッチ1の低位出力電圧VP-OFFの電圧値に極めて近くなる低位反転電圧VT-OFFを設定することができる。なお、図11において、電源W1とみなした電子スイッチ1の残留電圧V'とツェナダイオードZD2のツェナ電圧ZD2の電圧値の差が、電位差FOFF-Uに相当する。
以上のようにして、分圧回路61のツェナダイオードZD2のツェナ電圧ZD2(の最適値)を決定する。
図7に戻り、図8と図9で説明したように電流値Icc1が決定される定電流源Q1は、接続点63とGNDとの間に接続され、図10と図11で説明したようにツェナ電圧ZD2が決定されるツェナダイオードZD2は、カソードが接続点63と、アノードがトランジスタTr1のコレクタと接続されている。なお、接続点63には、定電流源Q1とツェナダイオードZD2のカソードのほかに、抵抗R3の電源部12と接続されている一端とは異なる他の一端と、比較回路23の閾値電圧VTを入力する入力部も接続されている。
従って、図7のインタフェイス回路51の動作特性グラフは、図12に示すようになる。
即ち、パチンコ球なしの場合、比較回路23は、L信号を出力し、切替回路62は、分圧回路61を第1の状態にする。そして、比較回路23は、パチンコ球3が検出されたかどうかを判定(比較)する。即ち、比較回路23は、電子スイッチ1の出力電圧値が、低位出力電圧VP-OFFから、高位反転電圧VT-ONを超えて高位出力電圧VP-ONになったかどうかを判定する。このときの高位反転電圧VT-ONは、図12に示すように、高位出力電圧VP-ONより僅かに低い電圧値に設定されている。
一方、パチンコ球ありの場合、比較回路23は、H信号を出力し、切替回路62は、分圧回路61を第2の状態にする。そして、比較回路23は、パチンコ球3が検出されなくなったかどうかを判定(比較)する。即ち、比較回路23は、電子スイッチ1の出力電圧値が、高位出力電圧VP-ONから、低位反転電圧VT-OFFを超えて低位出力電圧VP-OFFになったかどうかを判定する。このときの低位反転電圧VT-OFFは、図12に示すように、低位出力電圧VP-OFFより僅かに高い電圧値に設定されている。
従って、図7のインタフェイス回路51によれば、閾値電圧VT(高位反転電圧VT-ONおよび低位反転電圧VT-OFF)を、正規の電子スイッチ1が出力する電圧の範囲(高位出力電圧VP-ONまたは低位出力電圧VP-OFF)とほぼ一致するように設定することができる。換言すれば、低位出力電圧VP-OFFと低位反転電圧VT-OFFとの差(電位差FOFF-U)、および、高位出力電圧VP-ONと高位反転電圧VT-ONとの差(電位差FON-D)を狭くすることができる。
これにより、正規の電子スイッチ1(の出力電圧値)でなければ、パチンコ球3の検出信号を、後段のCPU15に伝達しないように制限することができ、電子スイッチ1に対する不正行為を防止することができる。
また、低位反転電圧VT-OFFおよび高位反転電圧VT-ONのいずれも、電源部12から供給される電圧Vcc1を分圧して得ることができるため、電源部12の電圧変動や周囲温度変動などの環境変化に依存しない閾値電圧VTを設定することができる。
(第2実施の形態)
次に、不正行為の一つとして、電子スイッチ1に電圧Vcc1を供給する電源部12をGNDに短絡させる行為がある。電源部12をGNDに短絡させた場合、図7のインタフェイス回路51では、インタフェイス回路51全体に電流が流れなくなり、インタフェイス回路51は、抵抗R5によりプルアップされているので、パチンコ球ありを表す検出信号(H信号)をCPU15に出力してしまう。以上から、電源部12をGNDに短絡させる不正行為を防止する必要がある。
図13は、インタフェイス回路の第2実施の形態の構成例を示している。なお、以下において、上述した実施の形態と対応する部分については、同一の符号を付してあり、その説明を適宜省略する(後述するその他の実施の形態についても同様)。
図13のインタフェイス回路71では、電源部12から供給される電圧Vcc1の電圧値の異常を判定する電源監視回路81が新たに設けられている。
電源監視回路81は、ツェナダイオードZD4、NPN形のトランジスタTr3、および抵抗(負荷抵抗)R20乃至R22により構成されている。
ツェナダイオードZD4のカソードは、電源部12に接続され、ツェナダイオードZD4のアノードは、抵抗R20を介してトランジスタTr3のベース、および抵抗R21に接続されている。
トランジスタTr3のコレクタは、抵抗R22を介して電圧Vcc2の電源を供給する電源部14に接続されている。また、トランジスタTr3のコレクタと抵抗R22との間の接続点には、電源部12の電圧値異常の有無をH信号またはL信号で出力する出力端子82が接続されている。ここで、出力端子82における出力電圧値をV1とする。
さらに、抵抗R21の、抵抗R20およびトランジスタTr3のベースと接続されている一端と異なる他方の一端、およびトランジスタTr3エミッタは、それぞれ、GNDに接続されている。
電源監視回路81の動作について説明する。
電源監視回路81では、ツェナダイオードZD4のツェナ電圧ZD4と、トランジスタTr3のベース−エミッタ間電圧VBEとの和(ZD4+VBE)が、電子スイッチ1の正常な動作を保証する範囲VM内の電圧値より低い電圧値となるように、ツェナダイオードZD4のツェナ電圧ZD4が設定される。これにより、電源部12から供給される電圧Vcc1が正常(範囲VM内の電圧値)であれば、電源部12から供給される電圧Vcc1は、ツェナダイオードZD4のツェナ電圧ZD4とトランジスタTr3のベース−エミッタ間電圧VBEとの和(ZD4+VBE)より高くなるので、ツェナダイオードZD4、抵抗R20、および抵抗R21に電流が流れ、トランジスタTr3はオンする。そして、出力端子82における出力電圧値V1は、Lレベルとなり、出力端子82からは、L信号が出力されることになる。
また、電源部12から供給される電圧Vcc1が、異常(正常な動作を保証する範囲VM外の電圧値)であれば、反対にトランジスタTr3はオフする。この場合、出力端子82における出力電圧値V1は、Hレベルとなり、出力端子82からは、H信号が出力されることになる。
なお、出力端子82における出力電圧値V1と対比させて、比較回路23から出力される比較出力信号の電圧値をV0とする。
図14を参照して、ツェナダイオードZD4のツェナ電圧ZD4の最適な設定についてさらに説明する。
図14に示すように、電源部12から供給される電圧Vcc1が、ツェナダイオードZD4のツェナ電圧ZD4とトランジスタTr3のベース−エミッタ間電圧VBEとの和(ZD4+VBE)より低ければ、トランジスタTr3がオフし、出力端子82からH信号が出力され、電源部12から供給される電圧Vcc1が、ツェナダイオードZD4のツェナ電圧ZD4とトランジスタTr3のベース−エミッタ間電圧VBEとの和(ZD4+VBE)より高ければ、トランジスタTr3がオンし、出力端子82からL信号が出力されるように、ツェナダイオードZD4のツェナ電圧ZD4が設定される。
ここで、高位反転電圧VT-ONと低位反転電圧VT-OFFとを、電圧値が低い側に延長して交わる交点をX1とする。このとき、インタフェイス回路71では、図14に示すように、ツェナダイオードZD4のツェナ電圧ZD4とトランジスタTr3のベース−エミッタ間電圧VBEとの和(ZD4+VBE)が、交点X1の電圧値U1よりも高い電圧値になるように、ツェナ電圧ZD4が設定されるようにもする。
交点X1の電圧値U1は、インタフェイス回路71が動作不能となる動作限界の電圧値であり、ツェナダイオードZD4のツェナ電圧ZD4とトランジスタTr3のベース−エミッタ間電圧VBEとの和(ZD4+VBE)を、電圧値U1より高い電圧値となるように設定することにより、電源監視回路81は、電源部12の短絡のみならず、インタフェイス回路71が動作不能となる前に、出力端子82からH信号(異常信号)が出力されるようになる。
従って、図13のインタフェイス回路71は、電源部12を短絡させる不正行為を防止する他、インタフェイス回路71の印加電圧低下時のリセットも兼用した回路となる。
なお、電源監視回路81の、出力端子82からの出力信号は、後述する実施の形態で説明するように、異常検知信号に使用される。
(第3実施の形態)
さて、上述した図7のインタフェイス回路51を、IC回路としてパッケージ化する場合、パッケージ化されたインタフェイス回路51は、定電流源Q1を使用しているために、パッケージサイズが大きくなってしまうという問題がある。
従って、定電流源Q1を用いずに、図7のインタフェイス回路51と同等の機能を有し、小型化することが可能なインタフェイス回路が望まれる。
そこで、図15は、定電流源Q1を用いずに小型化を実現したインタフェイス回路の第3実施の形態の構成例を示している。
図15のインタフェイス回路101は、比較回路23、トライステートバッファ24、抵抗R5、分圧回路111、切替回路112、およびリミッタ回路113により構成されている。
電源部12は、電子スイッチ1と比較回路23の他に、分圧回路111と切替回路112にも接続され、電圧Vcc1の電源を供給する。
分圧回路111は、定電圧素子として機能するダイオードD1およびD2、ツェナダイオードZD6、並びに、抵抗R41およびR42により構成されている。また、切替回路112は、抵抗(負荷抵抗)R43とPNP形のトランジスタTr5により構成されている。さらに、リミッタ回路113は、抵抗(負荷抵抗)R44とツェナダイオードZD8により構成されている。
分圧回路111の抵抗R41の一端は、電源部12と接続され、抵抗R41の、電源部12と接続されている一端と異なる他の一端は、ダイオードD2のカソード、比較回路23の閾値電圧VTを入力する入力部(以下、適宜、閾値電圧VT入力部という)、および抵抗R42の一端と接続されている。
直列に接続されたダイオードD1およびD2の、ダイオードD1のアノードは、切替回路112のトランジスタTr5のコレクタに接続され、ダイオードD2のカソードは、上述したように、抵抗R41とR42、および比較回路23の閾値電圧VT入力部に接続されている。
抵抗R42の、抵抗R41およびダイオードD2のカソード、閾値電圧VT入力部、および抵抗R41と接続されている一端と異なる他の一端は、ツェナダイオードZD6のカソードと接続され、ツェナダイオードZD6のアノードは、GNDに接続されている。
また、切替回路112のトランジスタTr5のエミッタは、電源部12に接続されている。
さらに、比較回路23の出力部は、切替回路112の抵抗R43を介して、トランジスタTr5のベースと、リミッタ回路113の抵抗R44を介して、ツェナダイオードZD8のカソードおよびトライステートバッファ24の入力部に接続されている。また、ツェナダイオードZD8のアノードは、GNDに接続されている。
インタフェイス回路101の動作について説明する。
分圧回路111は、後述する切替回路112のトランジスタTr5がオンまたはオフすることにより、それぞれ、ダイオードD1およびD2を有効もしくは無効にする。
切替回路112は、図7で説明した比較回路62と同様に、比較回路23から供給される比較出力信号のHまたはLのレベルによって、トランジスタTr5をオンまたはオフさせ、分圧回路111の第1または第2の状態を切り替える。なお、上述した第1の実施の形態と同様に、比較回路23から供給される比較出力信号がL信号である場合(パチンコ球なしの場合)が、分圧回路111の第1の状態であり、比較回路23から供給される比較出力信号がH信号である場合(パチンコ球ありの場合)が、分圧回路111の第2の状態である。
切替回路112のトランジスタTr5は、PNP形であるので、比較回路23から供給される比較出力信号がL信号である場合(パチンコ球なしの場合)に、トランジスタTr5はオンし、切替回路112は、分圧回路111を第1の状態にする。また、比較回路23から供給される比較出力信号がH信号である場合(パチンコ球ありの場合)に、トランジスタTr5はオフし、切替回路112は、分圧回路111を第2の状態にする。
分圧回路111の第1の状態では、ダイオードD1およびD2が有効となり、電源部12の電圧Vcc1から、ダイオードD1およびD2にかかる電圧(ダイオードD1およびD2と並列に接続されている抵抗R41も同電圧)を引いた残電圧値が、高位反転電圧VT-ONとなって、比較回路23の閾値電圧VT入力部に供給される。
また、分圧回路111の第2の状態では、ダイオードD1およびD2が無効となり、電源部12の電圧Vcc1から、抵抗R41のみにかかる電圧を引いた残電圧値が、低位反転電圧VT-OFFとなって、比較回路23の閾値電圧VT入力部に供給される。
そして、分圧回路111が出力する高位反転電圧VT-ONまたは低位反転電圧VT-OFFは、図7の分圧回路61が出力する高位反転電圧VT-ONまたは低位反転電圧VT-OFFと同様の電圧値となる。
リミッタ回路113は、ツェナダイオードZD8のツェナ電圧ZD8以上の過大な電圧が、トライステートバッファ24に入力されることを防止する。
図16は、図15のインタフェイス回路101による動作特性グラフを示している。
図16では、低位反転電圧VT-OFFは、電源部12の電圧Vcc1に依存する特性を有している。即ち、電源部12の電圧Vcc1が、範囲VM内で高くなるに従い、低位反転電圧VT-OFFも僅かに高くなっている。これは、インタフェイス回路101の分圧回路111に抵抗R41およびR42を設けたことによる。
電子スイッチ1の出力である低位出力電圧VP-OFFは、図16に示すように、電源部12の電圧Vcc1に依存する特性を有しており、抵抗R41およびR42によれば、低位反転電圧VT-OFFを、低位出力電圧VP-OFFの電圧Vcc1への依存性と同様の特性となるようにすることができる。これにより、図15のインタフェイス回路101によれば、図7のインタフェイス回路51に比べて、より良い動作特性を得ることができる。
(第4実施の形態)
次に、図17と図18を参照して、インタフェイス回路の第4実施の形態について説明する。
上述した第1乃至第3実施の形態では、例えば、図12に示したように、高位出力電圧VP-ONと高位反転電圧VT-ONとの差である電位差FON-D、および低位出力電圧VP-OFFと低位反転電圧VT-OFFとの差である電位差FOFF-Uを狭めることにより、不正行為を防止するようにした。
ところが、電圧Vcc1と高位出力電圧VP-ONとの間の電圧値、および、GND電位(電圧0[V])と低位出力電圧VP-OFFとの間の電圧値に対しては制限がない。
例えば、図7のインタフェイス回路51において、改造電子スイッチを取り付けるなどのために、電子スイッチ1の+端子(または−端子)が切断された場合、電子スイッチ1は、完全開放状態となるため、電子スイッチ1には、漏れ電流が生じず、比較回路23に入力される比較電圧VP(電子スイッチ1の出力電圧値)は、電圧Vcc1となる。
また、図7のインタフェイス回路51において、例えば、電子スイッチ1の+端子と−端子とを故意に短絡させた場合、電子スイッチ1には、残留電圧が生じず、比較回路23に入力される比較電圧VP(電子スイッチ1の出力電圧値)は、GND電位(電圧0[V])となる。
図7のインタフェイス回路51は、このような、電圧Vcc1と高位出力電圧VP-ONとの間の電圧値、または、GND電位(電圧0[V])と低位出力電圧VP-OFFとの間の電圧値が、比較回路23に入力された場合、パチンコ球ありの検出信号をCPU15に出力してしまう。
そこで、第4実施の形態では、図17に示すように、電圧Vcc1と高位出力電圧VP-ONとの間(高位出力電圧VP-ONより電圧値が高い側)に高域側閾値電圧VT2を設定し、GND電位(電圧0[V])と低位出力電圧VP-OFFとの間(低位出力電圧VP-OFFより電圧値が低い側)に低域側閾値電圧VT3を、それぞれ設定する。なお、高域側閾値電圧VT2と高位出力電圧VP-ONとの電位差をFON-Uとし、低位出力電圧VP-OFFと低域側閾値電圧VT3との電位差をFOFF-Dとする。
この場合、パチンコ球なしの場合には、比較回路23に入力される比較電圧VP(電子スイッチ1の出力電圧値)が、低位反転電圧VT-OFFと低域側閾値電圧VT3との間の電圧値であるとき、および、パチンコ球ありの場合には、比較回路23に入力される比較電圧VP(電子スイッチ1の出力電圧値)が、高域側閾値電圧VT2と高位反転電圧VT-ONとの間の電圧値であるときにのみ、比較回路23に入力される比較電圧VPが、正規の電子スイッチ1による出力電圧値であると判定することができる。即ち、正規の電子スイッチ1の出力電圧値にほぼ等しい電圧値のみを受け付けるように電圧値をさらに限定し、電子スイッチ1に対する不正行為を防止することができる。
なお、電子スイッチ1が断線または短絡した場合にも、上述した電子スイッチ1の+端子(または−端子)が切断された場合、または電子スイッチ1の+端子と−端子とを故意に短絡させた場合とそれぞれ同様に、電圧Vcc1またはGND電位(電圧0[V])となるので、電子スイッチ1に対する不正行為の防止だけでなく、電子スイッチ1の断線または短絡の故障の検出にもなる。
図18は、インタフェイス回路の第4実施の形態の構成例を示している。
図18のインタフェイス回路151では、図15のインタフェイス回路101と比較すると、分圧回路111に代えて分圧回路161が設けられている。
また、インタフェイス回路151では、電子スイッチ1が開放状態時の異常を検知する、具体的には、比較電圧VP(電子スイッチ1の出力電圧値)が高域側閾値電圧VT2よりも高い(または以上)かどうかを判定する開放動作異常検知回路162と、電子スイッチ1が閉塞状態時の異常を検知する、具体的には、比較電圧VP(電子スイッチ1の出力電圧値)が低域側閾値電圧VT3よりも低い(または以下)かどうかを判定する閉塞動作異常検知回路163とが、新たに設けられている。
ここで、開放動作異常検知回路162は、電子スイッチ1が開放状態時(開放状態になろうとするとき)の異常を検知するので、異常の有無を表す開放動作異常検知回路162の出力信号は、後述するように、電子スイッチ1が閉塞状態にあるとき、即ち、パチンコ球なしのときに有効となる。
逆に、閉塞動作異常検知回路163は、電子スイッチ1が閉塞状態時(閉塞状態になろうとするとき)の異常を検知するので、異常の有無を表す閉塞動作異常検知回路163の出力信号は、後述するように、電子スイッチ1が開放状態にあるとき、即ち、パチンコ球ありのときに有効となる。
分圧回路161では、図15のインタフェイス回路101の分圧回路111と比較して、抵抗R41と電源部12との間に、ダイオードD3が追加されている。即ち、ダイオードD3のアノードは、電源部12に接続されており、ダイオードD3のカソードは、抵抗R41、および開放動作異常検知回路162の比較回路171の閾値電圧VT入力部に、それぞれ接続されている。
さらに、上述した図15の分圧回路111において、ツェナダイオードZD6のカソードに接続されていた抵抗R42に代えて、図18の分圧回路161では、直列に接続された抵抗R61およびR62が設けられている。そして、抵抗R61とR62との接続点が、閉塞動作異常検知回路163の比較回路174の閾値電圧VT入力部と接続されている。なお、抵抗R61の抵抗R62と接続されている一端と異なる他の一端は、抵抗R41のダイオードD3のカソードと接続されている一端と異なる他の一端、ダイオードD2のカソード、および比較回路171の閾値電圧VT入力部と接続されている。
分圧回路161は、図15の分圧回路111と同様に、切替回路112のトランジスタTr5がオンまたはオフすることにより、それぞれ、第1の状態または第2の状態に切り替わる。
開放動作異常検知回路162は、比較回路171、インバータ172、およびAND回路173により構成されている。また、閉塞動作異常検知回路163は、比較回路174およびAND回路175により構成されている。
図18のインタフェイス回路151では、比較回路23の出力部は、切替回路112およびリミッタ回路113の他に、開放動作異常検知回路162のインバータ172、および閉塞動作異常検知回路163のAND回路175にも接続されている。
開放動作異常検知回路162では、初めに、比較回路171が、比較電圧VP(電子スイッチ1の出力電圧値)が高域側閾値電圧VT2よりも高いかどうかを比較(判定)する。そして、その比較結果として得られる比較回路171の出力信号は、比較回路23からの比較出力信号を反転した信号と、AND回路173でAND演算されて出力端子181に出力される。従って、比較回路23からL信号が出力されているとき、即ち、パチンコ球なしの状態のときで、かつ、比較電圧VP(電子スイッチ1の出力電圧値)が高域側閾値電圧VT2よりも高いときのみ、H信号が開放動作異常検知回路162から出力される。
ここで、比較回路171に入力される高域側閾値電圧VT2は、電源部12の電圧Vcc1から、ダイオードD3による電圧降下分を引いた電圧値となる。従って、ダイオードD3と抵抗R41にかかる電圧との分圧比を適宜調整し、図17に示すように、高位出力電圧VP-ONに対して適切な電位差FON-Uを設定する。
なお、開放動作異常検知回路162では、上述したように、比較回路23からL信号が出力されているときに、開放動作異常検知回路162からの出力信号が実質的に有効になる。そして、比較回路23からL信号が出力されているということは、分圧回路161が第1の状態となっている。従って、分圧回路61内に電流値Icc1の定電流源Q1を用いた、第1実施の形態の分圧回路61の第1の状態(図8)で考えると、比較回路171に入力される高域側閾値電圧VT2は、定電流源Q2の電流値Icc0(による電圧降下分)よりも、定電流源Q1の電流値Icc1(による電圧降下分)を僅かに小さくするように決定されることになる。
以上のように、開放動作異常検知回路162は、パチンコ球なしの状態のときで、比較電圧VP(電子スイッチ1の出力電圧値)が高域側閾値電圧VT2よりも高くなった場合、異常を表すH信号を出力端子181に出力する。それ以外のときには、正常を表すL信号が出力端子181から出力される。
閉塞動作異常検知回路163では、初めに、比較回路174が、比較電圧VP(電子スイッチ1の出力電圧値)が低域側閾値電圧VT3よりも低いかどうかを比較(判定)する。そして、その比較結果として得られる比較回路174の出力信号は、比較回路23からの比較出力信号とAND回路175でAND演算されて出力端子182に出力される。従って、閉塞動作異常検知回路163では、比較回路23からH信号が出力されているとき、即ち、パチンコ球ありの状態のときで、かつ、比較電圧VP(電子スイッチ1の出力電圧値)が低域側閾値電圧VT3よりも低いときのみ、H信号が閉塞動作異常検知回路163から出力される。
ここで、比較回路174に入力される低域側閾値電圧VT3は、ツェナダイオードZD8のツェナ電圧ZD8と抵抗R62にかかる電圧との和の電圧値に等しい。従って、抵抗R61とR62とにかかる電圧の分圧比を適宜調整し、図17に示すように、低位出力電圧VP-OFFに対して適切な電位差FOFF-Dを設定する。
なお、閉塞動作異常検知回路163では、上述したように、比較回路23からH信号が出力されているときに、閉塞動作異常検知回路163からの出力信号が実質的に有効になる。そして、比較回路23からH信号が出力されているということは、分圧回路161が第2の状態となっている。従って、分圧回路61内に電流値Icc1の定電流源Q1を用いた、第2実施の形態の分圧回路61の第2の状態(図10)で考えると、比較回路174に入力される低域側閾値電圧VT3は、電源W1の電圧V'(電子スイッチ1の残留電圧V')より、ツェナダイオードZD2のツェナ電圧ZD2を僅かに小さくするように決定されることになる。
以上のように、閉塞動作異常検知回路163は、パチンコ球ありの状態のときで、比較電圧VP(電子スイッチ1の出力電圧値)が低域側閾値電圧VT3よりも低くなった場合、異常を表すH信号を出力端子182に出力する。それ以外のときには、正常を表すL信号が出力される。
ここで、出力端子181または182からの出力信号の電圧値を、それぞれ、V2またはV3とする。
以上のように、図18のインタフェイス回路151は、図17の動作特性グラフを参照して説明したように、高域側閾値電圧VT2と高位出力電圧VP-ONとの差である電位差FON-U、および高位出力電圧VP-ONと高位反転電圧VT-ONとの差である電位差FON-Dを狭くして、高域側閾値電圧VT2と高位反転電圧VT-ONとから成る領域を、高位出力電圧VP-ONにできるだけ合わせ、さらに、低位反転電圧VT-OFFと低位出力電圧VP-OFFとの差である電位差FOFF-U、および低位出力電圧VP-OFFと低域側閾値電圧VT3との差である電位差FOFF-Dを狭くして、低位反転電圧VT-OFFと低域側閾値電圧VT3とから成る領域を、低位出力電圧VP-OFFにできるだけ合わせることにより、正規の電子スイッチ1の出力電圧値のみを受け付けるようにする。これにより、インタフェイス回路151は、正規の電子スイッチ1を限定する機能を有する。
なお、閉塞動作異常検知回路163または閉塞動作異常検知回路163それぞれの、出力端子181または182からの出力信号は、後述する実施の形態で説明するように、異常検知信号に使用される。
(第5実施の形態)
次に、図19を参照して、インタフェイス回路の第5実施の形態について説明する。
図19のインタフェイス回路201は、上述した第4実施の形態である、電子スイッチ1が開放状態時の異常を検知する開放動作異常検知回路162と、電子スイッチ1が閉塞状態時の異常を検知する閉塞動作異常検知回路163とが設けられているインタフェイス回路151の実施の形態に、第2実施の形態で説明した、電源部12から供給される電圧Vcc1の異常を判定する電源監視回路81が追加された実施の形態となっている。
従って、図19に示すように、電源監視回路81の出力端子82においては、第2実施の形態における場合と同様に、電源部12の電圧Vcc1に異常が発生している場合にはH信号が、電源部12の電圧Vcc1に異常が発生していない(正常である)場合にはL信号が、それぞれ出力される。
また、開放動作異常検知回路162の出力端子181では、電子スイッチ1が開放状態時異常が発生している場合にはH信号が、電子スイッチ1が開放状態時に異常が発生していない(正常である)場合にはL信号が、それぞれ出力される。
同様に、閉塞動作異常検知回路163の出力端子182では、電子スイッチ1が閉塞状態時に異常が発生している場合には、H信号が、電子スイッチ1が閉塞状態時に異常が発生していない(正常である)場合には、L信号が、それぞれ出力される。
また、図19のインタフェイス回路201では、出力端子82,181、および182のそれぞれは、OR回路214に接続されている。そして、OR演算(合成)して得られるOR回路214の出力は、CPU15に接続されている。ここで、OR回路214から出力される出力信号の電圧値をV4とする。OR回路214からの出力信号は、CPU15において、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、および電子スイッチ1の閉塞動作異常のうちの少なくとも1つの異常を検知したかどうかを表す異常検知信号として機能する。
さらに、出力端子82,181、または182は、それぞれ、インバータ211,212、または213を介して、AND回路215に接続されている。
また、AND回路215には、出力端子82,181、および182の他に、リミット回路113を介して比較回路23の出力部も接続されている。
そして、AND回路215の後段には、オフディレイタイマ(ディレイ回路)216が接続されている。このオフディレイタイマ216は、後述するように、電源監視回路81などで異常が検知された後の復旧時に、比較回路23からパチンコ球ありを表す誤信号が出力されるので、その誤信号による誤動作を防止するために設けられている。オフディレイタイマ216は、パチンコ球3の検出を表す信号のレベルを反転させてしまうので、オフディレイタイマ216の後段には、トライステートバッファ24に代えて、トライステートインバータ24が設けられている。そして、トライステートインバータ217の出力が、CPU15と接続されている。
オフディレイタイマ216は、PNP形のトランジスタTr7、トランジスタTr7にかかる抵抗(負荷抵抗)R101およびR102、抵抗R103、並びにコンデンサC1により構成される。
AND回路215の出力部は、抵抗R102を介して、トランジスタTr7のベースに接続されている。また、トランジスタTr7のエミッタは、電源部14と、トランジスタTr7のコレクタは、抵抗R103、コンデンサC1、およびトライステートインバータ217の入力部と、それぞれ接続されている。抵抗R103およびコンデンサC1のトランジスタTr7のコレクタと接続されている一端と異なる他方の一端は、GNDに接続されている。
ここで、AND回路215がAND演算(合成)して出力する信号の電圧値をV5、トライステートインバータ217に入力される信号(オフディレイタイマ216の出力信号)の電圧値をV6、およびトライステートインバータ217からCPU15に出力される検出信号の電圧値をV7とする。
次に、図19のインタフェイス回路201の動作について説明する。
電源監視回路81、開放動作異常検知回路162、または閉塞動作異常検知回路163のそれぞれは、上述したように、異常を検知したときにH信号を出力する。
電源監視回路81、開放動作異常検知回路162、または閉塞動作異常検知回路163からの出力信号は、OR回路214に入力されている。従って、OR回路214は、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、および電子スイッチ1の閉塞動作異常のうちの少なくとも1つの異常を検知したかどうかを表す異常検知信号を出力する。
また、電源監視回路81、開放動作異常検知回路162、または閉塞動作異常検知回路163からの出力信号は、それぞれ、インバータ211,212、または213により反転されてAND回路215に入力されている。
即ち、電源監視回路81、開放動作異常検知回路162、および閉塞動作異常検知回路163のいずれにおいても異常が検知されていない場合には、H信号がAND回路215に入力されている。また、比較回路23からは、(リミッタ回路113を介して)パチンコ球ありのときにH信号が、パチンコ球なしのときにL信号が、AND回路215に入力される。
従って、電源監視回路81、開放動作異常検知回路162、および閉塞動作異常検知回路163のいずれにおいても異常が検知されていない状態で、パチンコ球ありの場合のみ、AND回路215は、H信号を後段のオフディレイタイマ216に出力する。
また、電源監視回路81、開放動作異常検知回路162、および閉塞動作異常検知回路163のいずれにおいても異常が検知されていない状態で、パチンコ球なしの場合や、電源監視回路81、開放動作異常検知回路162、および閉塞動作異常検知回路163の少なくとも1つにおいて異常が発生している場合には、AND回路215は、L信号をオフディレイタイマ216に出力する。
オフディレイタイマ216では、電源監視回路81、開放動作異常検知回路162、および閉塞動作異常検知回路163のいずれにおいても異常が検知されておらず、パチンコ球なしの場合や、電源監視回路81、開放動作異常検知回路162、および閉塞動作異常検知回路163の少なくともいずれか1つにおいて異常が検知された場合には、AND回路215が出力する出力信号はL信号になるため、トランジスタTr7がオンする。そして、コンデンサC1が充電され、その後、トライステートインバータ217にもH信号が供給される。トライステートインバータ217は、オフディレイタイマ216から入力される信号を反転して(L信号にして)、CPU15に出力する。
従って、電源監視回路81、開放動作異常検知回路162、および閉塞動作異常検知回路163のいずれにおいても異常が検知されておらず、パチンコ球なし場合や、電源監視回路81、開放動作異常検知回路162、および閉塞動作異常検知回路163の少なくともいずれか1つにおいて異常が検知されている場合には、上述した他の実施の形態と同様に、L信号がCPU15に供給される。
換言すれば、インタフェイス回路201では、電源監視回路81、開放動作異常検知回路162、および閉塞動作異常検知回路163の少なくとも1つの異常が検知されている場合には、AND回路215において、強制的にL信号が出力されるようになっている。即ち、インタフェイス回路201において、何かしらの異常が発生している場合、比較回路23からの比較出力信号がH信号であっても、AND回路215は、その出力信号を、パチンコ球3を検出していない状態のL信号(いわば安全側の状態)にセット(ロック)する。
一方、電源監視回路81、開放動作異常検知回路162、および閉塞動作異常検知回路163のいずれからも異常が検知されておらず、パチンコ球ありの場合、AND回路215からの出力信号はH信号になるため、トランジスタTr7はオフする。トランジスタTr7がオフすると、コンデンサC1の放電が開始される。コンデンサC1の放電中は、トランジスタTr7がオンのときと同様に、オフディレイタイマ216からトライステートインバータ217へH信号が出力される。
コンデンサC1の放電が開始されてから、抵抗R103とコンデンサC1の時定数により設定されるタイマ時間T0(時定数=0.7×R103×C1)(以下、適宜、時定数タイマ時間T0という)経過後からは、オフディレイタイマ216からトライステートインバータ217には、L信号が出力される。トライステートインバータ217は、オフディレイタイマ216から入力される信号を反転して(H信号にして)、CPU15に出力する。
従って、例えば、電源監視回路81、開放動作異常検知回路162、および閉塞動作異常検知回路163のいずれからも異常が検知されておらず、パチンコ球ありの場合、比較回路23からAND回路215に供給される、パチンコ球検出ありのH信号の時間が、時定数タイマ時間T0よりも長ければ、トライステートインバータ217からCPU15にH信号が供給される。
実際には、パチンコ球ありの場合に比較回路23からAND回路215に出力されるH信号の時間は、例えば、2乃至4msec程度であり、時定数タイマ時間T0は、例えば、100μsecに設定される。従って、パチンコ球検出ありのH信号の時間が、時定数タイマ時間T0よりも十分に長いので、パチンコ球ありの場合、トライステートインバータ217からCPU15にH信号が供給される。
ところで、電子スイッチ1は、最初に電源が供給された場合、例えば、15μsec程度の微小時間だけ、パチンコ球3が検出されていないにもかかわらず、パチンコ球ありと同様のH信号(以下、適宜、電源投入時誤信号という)を出力するという特性を有している。一般的に、パチンコ遊技機(パチンコ台)では、CPU15にて電源リセットを施すため、電源投入時誤信号は、CPU15にて処理され、問題とならない。
ところが、例えば、電源部12が短絡されるなどして、電源監視回路81が異常を検知し、インタフェイス回路201が、強制的にL信号にセットした後、電源部12の異常が復旧し、再び電子スイッチ1に正常な電圧Vcc1が印加された場合にも、電子スイッチ1は、最初に電源投入された時と同様の電源投入時誤信号(H信号)を出力する。
この場合、CPU15は、異常発生中においても継続的に実行しているため、電子スイッチ1が出力する電源投入時誤信号を、パチンコ球ありの信号と誤認(誤動作)してしまう。
オフディレイタイマ216は、CPU15が電源投入時誤信号をパチンコ球ありの信号と誤認し、誤動作することを防止するために設けられている。
図20を参照して、オフディレイタイマ216による、電源投入時誤信号による誤動作防止の動作について説明する。
図20は、電源部12が短絡されるなどの電源異常が発生した時と、その電源異常が復旧した時の、インタフェイス回路201内の所定の場所(出力端子など)における電圧値のタイミングチャートを示している。
即ち、図20A乃至図20Fの横軸は、時刻tを表し、図20A乃至図20Fの縦の同一線上の時刻は、同一時刻を表す。また、図20A乃至図20Fの縦軸は、インタフェイス回路201内の所定の場所における電圧値を表している。即ち、図20Aは、電源部12の電圧Vcc1を、図20Bは、電源監視回路81の出力信号の電圧値V1を、図20Cは、比較回路23に入力される比較電圧VP(電子スイッチ1の出力電圧値)を、図20Dは、AND回路215の出力信号の電圧値V5を、図20Eは、オフディレイタイマ216の出力信号の電圧値V6を、および図20Fは、トライステートインバータ217から出力される、インタフェイス回路201の検出信号の電圧値V7を、それぞれ示している。
図20Aに示すように、電子スイッチ1に電源を供給している電源部12に異常が発生し、時刻t1において、電源部12の電圧(値)Vcc1が、ツェナダイオードZD4のツェナ電圧ZD4とトランジスタTr3のベース−エミッタ間電圧VBEとの和(ZD4+VBE)(図13参照)以下となると、図20Bに示すように、電源監視回路81の出力電圧値V1は、Hレベルとなる。
所定時間経過後、電源部12の異常が復旧し、図20Aに示すように、時刻t2において、電源部12の電圧(値)Vcc1が、ツェナダイオードZD4のツェナ電圧ZD4とトランジスタTr3のベース−エミッタ間電圧VBEとの和(ZD4+VBE)より高くなると、図20Bに示すように、電源監視回路81の出力電圧値V1は、Lレベルとなる。
時刻t2において電源部12が復旧した後、電子スイッチ1は、上述したように、電源投入時誤信号(Hレベル)をインタフェイス回路201に出力する。電子スイッチ1の電源投入時誤信号の出力に応じて、比較回路23に入力される比較電圧VPは、図20Cに示すように、時刻t2乃至t4の間、Hレベルの比較出力信号を出力してしまう。なお、時刻t4は、電子スイッチ1が本来の正常な信号(L信号)を出力するようになる(電源投入時誤信号の出力が終了する)時刻である。
図20Cに示すように、時刻t2以降の時刻t3に、比較回路23に入力されている比較電圧VPが、高位反転電圧VT-ONよりも高くなると、AND回路215は、図20Dに示すように、時刻t3乃至t4の間、H信号を出力する。なお、時刻t3乃至t4の時間間隔は、上述したように15μsec程度の時間である。
図20Eに示すように、オフディレイタイマ216は、AND回路215からのH信号に応じて、時刻t3から、コンデンサC1の放電を開始する。コンデンサC1が放電するに従い、その電圧値V6は低下していくが、時刻t4において、電子スイッチ1の電源投入時誤信号の出力が終了し、再度、コンデンサC1は充電が開始され、Hレベル((Vcc1)/2以上)のままとなる。
ここで、トライステートインバータ217は、オフディレイタイマ216からの出力信号の電圧値V6が、HレベルのときはL信号を、LレベルのときはH信号を、CPU15に出力する。そして、そのHレベルまたはLレベルの判定の境界となる電圧値は、(Vcc1)/2である。
従って、図20Eに示すように、オフディレイタイマ216からの出力信号の電圧値V6は、電源部12に異常が発生している最中も、異常が復旧した後も、常に(Vcc1)/2以上であり、トライステートインバータ217は、図20Fに示すように、L信号をCPU15に出力する。即ち、時刻t2乃至t4の、電子スイッチ1の電源投入時誤信号は、CPU15に出力されず、誤動作は発生しない。
なお、上述した説明から、図20Eに示す時定数タイマ時間T0は、例えば、コンデンサC1が完全に充電された状態(電圧値Vcc1)から、その半分の電圧値((Vcc1)/2)になるまでの時間が15μsecより長い時間(本実施の形態では、100μsec)となるように設定すればよい。
以上のように、図19のインタフェイス回路201によれば、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、および電子スイッチ1の閉塞動作異常を検知することができ、異常が発生している場合には、パチンコ球3を検出していない状態を表すL信号をCPU15に出力するようにして、いわば安全側の状態にセットすることができる。
また、図19のインタフェイス回路201によれば、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、および電子スイッチ1の閉塞動作異常のうちの、少なくとも1つの異常が発生していることを表す異常検知信号を外部に出力することができる。
さらに、図19のインタフェイス回路201によれば、電源投入時誤信号によるパチンコ球3が検出されたことを表す誤信号をリセットすることができる。
なお、図19のインタフェイス回路201を、IC回路としてパッケージ化(樹脂封止)すれば、インタフェイス回路201内の改造等の不正行為を未然に防止することができる。
また、電子スイッチ1もIC回路で構成されている場合には、例えば、インタフェイス回路201と電子スイッチ1とを同等のプロセス(拡散条件)で製作することにより、電源電圧依存性などの電気特性をほぼ等しく設定することが容易となる。
(第6実施の形態)
図21は、複数のパチンコ台と、パチンコホール内に設置されたパチンコ台(パチンコ遊技機)の情報を収集するホールコンピュータ(情報処理装置)とにより構成される、パチンコ台管理システム(情報処理システム)の一実施の形態の構成例を示している。
図21のパチンコ台管理システム301は、複数のパチンコ台311nとホールコンピュータ312とにより構成されている。なお、nは、パチンコホール内に設置されているパチンコ台の番号(台番号)を表し、例えば、n=1,2,・・,100のいずれかとする。また、パチンコ台311nのそれぞれは、同一のパチンコ台で構成されるので、1台のパチンコ台311nとホールコンピュータ312について説明することとする。なお、パチンコ台311nを特に区別する必要がない場合には、単にパチンコ台311という。
パチンコ台311は、電子スイッチ1、CPU15、インタフェイス回路201、電源部331、ランプ332、スピーカ333、表示ドライバ334、ディスプレイ335、外部出力部336、発射制御部337、モータ部338、およびハンドル部339により構成されている。
電源部331は、上述した第1乃至第5の実施の形態における電源部12および電源部14を少なくとも有し、パチンコ台311の各部に電源を供給する。
電子スイッチ1は、上述したように、パチンコ球3の検出(の有無)を表す電気信号をインタフェイス回路201に供給する。インタフェイス回路201は、上述した図19で説明したように、電子スイッチ1からの電気信号に基づいて、パチンコ球3の検出を表す検出信号をCPU15(制御回路)に供給するとともに、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、および電子スイッチ1の閉塞動作異常のうちの少なくとも1つの異常を検知したかどうかを表す異常検知信号をCPU15に出力する。
CPU15は、パチンコ台311の各部を制御する。例えば、CPU15は、インタフェイス回路201のトライステートインバータ217(図19)に制御信号を供給する。
また、例えば、CPU15は、インタフェイス回路201から供給される異常検知信号に基づいて、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、または電子スイッチ1の閉塞動作異常のうちの少なくとも1つの異常を検知した場合、ランプ332に異常信号を出力し、異常を表す点灯表示を行わせる。ランプ332は、CPU15からの異常信号にしたがい、点灯表示を行う。ランプ332は、大当たり等の表示を行う大当たり表示灯と兼用しても良いし、別に設けてもよい。ランプ332と大当たり表示灯を兼用する場合、点灯表示は、大当たり発生時の点灯表示と、例えば、点灯パターン等を変えることにより区別される。
さらに、CPU15は、インタフェイス回路201から供給される異常検知信号に基づいて、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、または電子スイッチ1の閉塞動作異常のうちの少なくとも1つの異常を検知した場合、スピーカ333に異常信号を出力し、警戒音を出力させる。スピーカ333は、CPU15からの異常信号にしたがい、警戒音を出力する。スピーカ332は、大当たり等の効果音を出力するスピーカと兼用してもよいし、別に設けてもよい。
CPU15は、インタフェイス回路201から、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、または電子スイッチ1の閉塞動作異常のうちの少なくとも1つの異常を検知した場合、電子スイッチ1の異常を表す画像の信号(以下、異常画像表示信号)を表示ドライバ334に出力する。表示ドライバ334は、CPU15からの異常画像表示信号を、ディスプレイ335に表示可能な信号に変換し、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などのディスプレイ335に電子スイッチ1の異常を表す画像を表示させる。なお、ディスプレイ335では、電子スイッチ1の異常を表す画像のほか、通常時(異常の発生していないとき)には、パチンコ球の球切れや、受け皿満杯などの表示や、大当たりの表示なども表示される。
また、CPU15は、インタフェイス回路201から供給される異常検知信号を、外部出力部336を介してホールコンピュータ312に出力する。なお、CPU15は、異常検知信号のほかに、大当たりの発生を表す大当たり信号、賞球数を表す賞球数信号なども、外部出力部336を介してホールコンピュータ312に出力することができる。
さらに、CPU15は、インタフェイス回路201から供給される異常検知信号に基づいて、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、または電子スイッチ1の閉塞動作異常のうちの少なくとも1つの異常を検知した場合、発射制御部337に異常信号を出力し、パチンコ球3の発射を停止させる。
発射制御部337は、CPU15の異常信号に応じて、モータ部338を制御する。即ち、発射制御部337は、CPU15から異常信号が供給された場合、モータ部338を制御し、パチンコ球3の盤面への発射を停止させる。なお、正常時には、発射制御部337は、後述する、ハンドル部339から供給される把持信号に応じて、モータ部338を制御し、パチンコ球3を盤面に発射させる。
モータ部338は、パチンコ球3を盤面に発射する。ハンドル部339は、遊技者がハンドルを把持したとき、把持信号を発射制御部337に供給する。
ホールコンピュータ312は、上述した異常検知信号、大当たり信号、および賞球数信号などをパチンコ台311から受信し、所定の情報処理を行う。例えば、ホールコンピュータ312は、異常検知信号が、パチンコ台311nにおいて、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、または電子スイッチ1の閉塞動作異常のうちの少なくとも1つの異常が発生していることを表している場合、パチンコ台311nに異常が発生していることをディスプレイなどに表示する処理を行う。
図22は、ホールコンピュータ312の構成例を示している。
CPU(Central Processing Unit)351は、ROM(Read Only Memory)352、または記憶部358に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。例えば、CPU351は、パチンコ台311nに異常が発生していることを表す異常検知信号がパチンコ台311から供給された場合、その旨をディスプレイなどに表示する処理を行う。RAM(Random Access Memory)353には、CPU351が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU351、ROM352、およびRAM353は、バス354により相互に接続されている。
CPU351には、バス354を介して入出力インタフェイス355が接続されている。入出力インタフェイス355には、キーボードやマウスなどから構成される入力部356、スピーカやディスプレイなどから構成される出力部357が接続されている。CPU351は、入力部356からの情報に基づいて所定の処理を実行し、出力部357を介して処理結果となる画像や音声を出力させる。
入出力インタフェイス355に接続されている記憶部358は、例えばハードディスクなどで構成され、CPU351が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部359は、インターネットやイントラネットなどに代表されるネットワークを介してパチンコ台311から送信されてくる情報を取得する。
また、記憶部358は、各種のプログラムを記憶しており、CPU351は、これらのプログラムを読み出して対応する処理を実行する。記憶部358に記憶されるプログラムは、上述のほかにも、通信部359を介してプログラムを取得して記憶するようにしてもよい。
入出力インタフェイス355に接続されているドライブ360は、磁気ディスク371、光ディスク372、光磁気ディスク373、或いは半導体メモリ374などが挿入されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部358に転送され、記憶される。
以上のように構成されるホールコンピュータ312では、パチンコ台311nからの異常検知信号に応じて、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、または電子スイッチ1の閉塞動作異常の有無を出力部357のディスプレイなどに表示する。
図23は、CPU15が、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、または電子スイッチ1の閉塞動作異常のうちの少なくとも1つの異常を検知した場合に、ランプ332およびスピーカ333に異常を表す出力を行わせたときの状態を示している。
遊技者401は、パチンコ台311のハンドル339を操作している。
ランプ332は、図23に示すように、パチンコ台331の遊技者401と対向する盤面の上部に設置されている。ランプ332には、CPU15から異常信号(制御信号)が供給されており、ランプ332は、異常を表す点灯表示(または、点滅表示)を行っている。これにより、遊技者401、またはパチンコ店の店員(不図示)などは、電子スイッチ1の異常や電子スイッチ1に対する不正行為などを視覚的に認識することができる。
スピーカ333は、図23に示すように、パチンコ台331の遊技者401と対向する盤面の下部に設置されている。スピーカ333には、CPU15から異常信号が供給されており、スピーカ333は、警戒音を出力している。これにより、遊技者401、またはパチンコ店の店員などの遊技場関係者は、電子スイッチ1の異常や電子スイッチ1に対する不正行為などを聴覚により認識することができる。
図24は、CPU15が、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、または電子スイッチ1の閉塞動作異常のうちの少なくとも1つの異常を検知した場合に、表示ドライバ334に異常画像表示信号を出力したときの状態を示している。
ディスプレイ335は、図24に示すように、パチンコ台331の遊技者401と対向する盤面の、遊技者401の頭部と同程度の高さに設置されている。
CPU15は、表示ドライバ334に異常画像表示信号を出力しており、表示ドライバ334は、電子スイッチ1の異常を表す画像をディスプレイ335に表示している。これにより、遊技者401、またはパチンコ店の店員などの遊技場関係者は、電子スイッチ1の異常や電子スイッチ1に対する不正行為などを視覚的に認識することができる。
図25は、CPU15が、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、または電子スイッチ1の閉塞動作異常のうちの少なくとも1つの異常を検知した場合に、発射制御部337に異常信号を出力し、パチンコ球3の発射を停止させるときの状態を示している。
CPU15は、発射制御部337に異常信号を出力する。発射制御部337は、CPU15から異常信号が供給された場合、モータ部338を制御し、パチンコ球3の盤面への発射を停止させる。これにより、異常が発生したパチンコ台311では、異常が復旧するまで、入賞が発生せず、不正な賞球を防ぐことができる。なお、モータ部338の停止によるパチンコ球3の発射の停止の他、賞球払い出し装置の停止や電動役物の機能停止などでもよい。
図26は、CPU15が、ホールコンピュータ312に異常検知信号を出力したときの状態を示している。
CPU15は、図26に示すように、パチンコ台311の内部に設けられた外部出力部336から、LAN(Local Area Network)ケーブルなどの通信ケーブル411を介して、異常検知信号をホールコンピュータ312(の通信部359)に出力している。
パチンコホール内に設置されているパチンコ台311nの異常検知信号を管理するアプリケーションプログラムは、ホールコンピュータ312の出力部357(図22)であるディスプレイに、図27または図28に示すような、管理画面451を表示している。
即ち、図27は、パチンコホール内に設置されている全てのパチンコ台311nに、異常が発生していないときの管理画面451を示しており、図28は、2台のパチンコ台31125とパチンコ台31166に、異常が発生しているときの管理画面451を示している。
図27の管理画面451では、パチンコホール内のパチンコ台311nが正方形のマスで示され、マス内の番号が台番号(n)を表している。また、管理画面451の上部に、パチンコ店の店員が控えるカウンタが配置されている。
そして、いずれのパチンコ台311nにも、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、または電子スイッチ1の閉塞動作異常が発生していない場合、管理画面451のパチンコ台311nの各マスには、図27に示すように、台番号n以外は、何も表示されない。
一方、パチンコ台311nのいずれかにおいて、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、または電子スイッチ1の閉塞動作異常が発生している場合、ホールコンピュータ312(のアプリケーションプログラム)は、図28に示すように、管理画面451の、異常が発生しているパチンコ台311nの各マスを、色や模様などでハイライト表示させ、異常の発生を報知する。
例えば、図28の管理画面451では、パチンコ台31125のマスが格子状の背景柄で表示され、パチンコ台31125に電源部12の電圧値異常が発生したことを示している。また、図28の管理画面451では、パチンコ台31166のマスが斜線の背景柄で表示され、パチンコ台31166に電子スイッチ1の開放動作異常が発生したことを示している。
図28に示すように、ホールコンピュータ312では、パチンコホール内のパチンコ台311の、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、および電子スイッチ1の閉塞動作異常を監視し、電子スイッチ1に対する不正行為やパチンコ台311内部の故障などが発生した場合に迅速に対応することができ、電子スイッチ1に対する不正行為を防止することができる。また、ホールコンピュータ312では、大当たり信号や、賞球数信号などによる、パチンコ台311の出玉情報の確認を行うことができる。
次に、図29のフローチャートを参照して、パチンコ台311のCPU15の異常検知対応処理について説明する。なお、この異常検知対応処理は、パチンコ台311の電源が投入されている間、継続的に実行される。
初めに、ステップS1において、CPU15は、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、または電子スイッチ1の閉塞動作異常のうちの少なくとも1つの異常を検知したか否かを判定する。そして、ステップS1において、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、または電子スイッチ1の閉塞動作異常のいずれかの異常を検知したと判定されるまで、ステップS1の処理が繰り返される。
一方、ステップS1において、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、または電子スイッチ1の閉塞動作異常のいずれかの異常を検知したと判定された場合、CPU15は、異常報知動作を行って、処理を終了する。即ち、CPU15は、上述したように、ランプ332、スピーカ333、または発射制御部337などに異常信号を供給する。そして、例えば、異常信号が供給されたランプ332では、異常を表す点灯表示が行われ、異常信号が供給されたスピーカ333では、警戒音が出力される。
図29の異常検知対応処理によれば、遊技者401、またはパチンコ店の店員などは、電子スイッチ1の異常や電子スイッチ1に対する不正行為などを迅速に認識することができる。
次に、図30を参照して、ホールコンピュータ312が、パチンコ台311のCPU15から異常検知信号を受信する異常検知信号受信処理について説明する。
初めに、ステップS11において、ホールコンピュータ312は、パチンコ台311のCPU15から供給される異常検知信号に基づいて、いずれのパチンコ台311nにも、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、または電子スイッチ1の閉塞動作異常が発生していない否かを判定する。そして、異常が発生したと判定されるまで、ステップS11の処理が繰り返される。
一方、ステップS11において、異常が発生したと判定された場合、ホールコンピュータ312は、異常報知動作を行って、処理を終了する。即ち、ホールコンピュータ312は、図28に示したように、異常が発生したパチンコ台311nのマスを、色や模様などでハイライト表示する。
以上のように、ホールコンピュータ312は、パチンコ台311から受信した異常検知信号が、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、または電子スイッチ1の閉塞動作異常が検知されたことを表している場合、ディスプレイに表示されている管理画面451に異常の発生を出力する。これにより、ホールコンピュータ312が表示する管理画面451を見ているパチンコ店の店員などは、パチンコ台311nに異常が発生したことを迅速に認識することができる。
(第7実施の形態)
さて、上述した図19のインタフェイス回路201では、電子スイッチ1の電源投入時誤信号による誤動作を防止するために、AND回路215とトライステートインバータ217との間にオフディレイタイマ216を設けたが、オフディレイタイマ216は、インタフェイス回路201内に限定されない。
図31は、CPU側において、電子スイッチ1の電源投入時誤信号をキャンセルするようにしたインタフェイス回路501とCPU502(制御回路)の構成例を示している。
図31において、インタフェイス回路501は、図19のインタフェイス回路201と比較して、オフディレイタイマ216が削除されている。また、オフディレイタイマ216が削除されたことにより、インタフェイス回路201のトライステートインバータ217がトライステートバッファ511となっている。なお、図31のインタフェイス回路501において、図示していない分圧回路161および切替回路81は、図19のインタフェイス回路201と同様に構成されている。
従って、インタフェイス回路501は、CPU502に出力する検出信号に、オフディレイタイマ216による時定数タイマ時間T0のディレイが発生しないことを除いて、図19のインタフェイス回路201と同様の動作を行う。ここで、トライステートバッファ511から出力される出力信号(検出信号)の電圧値をV11とする。
図31のCPU502は、少なくともリセット回路521を構成している。なお、CPU502のその他の構成は省略されている。そして、リセット回路521は、オフディレイタイマ216、インバータ522、およびAND回路523により構成されている。
図31のCPU502では、インタフェイス回路501のOR回路214からの異常検知信号が、リセット回路521のオフディレイタイマ216に入力される。そして、オフディレイタイマ216からの出力信号が、インバータ522においてレベル反転され、AND回路523に入力される。また、インタフェイス回路501からの出力である検出信号も、AND回路523に入力される。ここで、オフディレイタイマ216からの出力信号の電圧値をV12とし、AND回路523からの出力信号の電圧値をV13とする。
オフディレイタイマ216は、図19で説明したように、入力信号のレベルを反転させるので、後段のインバータ522により反転させている(元に戻している)。そして、AND回路523は、トライステートバッファ511からの出力信号(検出信号)とインバータ522からの出力信号とのAND演算を行い、その演算結果の出力信号を出力する。
なお、リセット回路521を必ずしもCPU521内に設ける必要はなく、例えば、インタフェイス回路とCPUとの間に配置してもよい。この場合、リセット回路521の出力がCPUに入力される。
図32を参照して、図31のリセット回路521を用いた、電源投入時誤信号による誤動作防止の動作について説明する。
図32は、電子スイッチ1の接続線に短絡事故が発生した時と、その短絡事故が復旧した時の、インタフェイス回路501またはCPU502内の所定の場所(出力端子など)における電圧値のタイミングチャートを示している。
即ち、図32A乃至図32Eの横軸は、時刻tを表し、図32A乃至図32Eの縦の同一線上の時刻は、同一時刻を表す。また、図32A乃至図32Eの縦軸は、インタフェイス回路501またはCPU502内の所定の場所(出力端子など)における電圧値を表している。即ち、図32Aは、比較回路23に入力される比較電圧VP(電子スイッチ1の出力電圧値)を、図32Bは、OR回路214の異常検知信号の電圧値V4を、図32Cは、オフディレイタイマ216の出力信号の電圧値V12を、図32Dは、トライステートバッファ511の出力信号の電圧値V11を、図32Eは、AND回路523の出力信号の電圧値V13を、それぞれ示している。
図32Aに示すように、時刻t11乃至t12において、電子スイッチ1に(完全な)短絡事故が発生する直前に、チャタリングが発生している。図32Bに示すように、電子スイッチ1にチャタリングが発生している時刻t11乃至t12の間、OR回路214からの異常検知信号の電圧値V4も同様に不安定となっている。
また、図32Bに示すように、時刻t11において、OR回路214からの異常検知信号の電圧値V4がHレベルになると、図32Cに示すように、オフディレイタイマ216の出力信号の電圧値V12も、時刻t11以降Hレベルとなる。なお、時刻t11乃至t12の間、OR回路214の電圧値V4が不安定となっている間も、オフディレイタイマ216は、コンデンサC1の放電によりHレベルが維持されるため、不安定にはならない。
そして、図32Aに示すように、時刻t12乃至t13の間、電子スイッチ1が完全に短絡すると、図32Bに示すように、OR回路214からの異常検知信号の電圧値V4は、その間、Hレベルとなる。
図32Aに示すように、時刻t13において、電子スイッチ1の短絡事故が復旧すると、電子スイッチ1の電源投入時誤信号の出力に応じて、比較回路23に入力される比較電圧VP(電子スイッチ1の出力電圧値)は、時刻t13乃至t14の間、電源投入時誤信号(H信号)を出力する。なお、時刻t14は、電子スイッチ1がパチンコ球3の検出の有無に応じて正常な信号(L信号)を出力するようになる時刻である。
従って、時刻t13乃至t14の間、電子スイッチ1の電源投入時誤信号の出力(図32A)に応じて、図32Dに示すように、トライステートバッファ511の出力信号の電圧値V11は、Hレベルの比較出力信号を出力してしまう。
一方、図32Cで示されるオフディレイタイマ216の出力信号の電圧値V12は、時刻t11からHレベルに変化した後、電子スイッチ1の短絡事故が復旧し、時刻t13において、図32Bに示すように、OR回路214からの異常検知信号の電圧値V4がLレベルになった後も、図32Cに示すように、時刻t13乃至t15の時定数タイマ時間T0の間は、Hレベルを維持する。
そして、図32Cに示すように、時刻t13乃至t14においては、オフディレイタイマ216の出力信号の電圧値V12がHレベルであるため、その反転信号(即ち、Lレベル)と、図32Dに示すトライステートバッファ511の出力信号の電圧値V11とのAND演算で得られる、AND回路523の出力信号の電圧値V13は、図32Eに示すようにL信号となる。
即ち、異常の復旧後から、図32Cのオフディレイタイマ216の時定数タイマ時間T0の間は、図32Dのトライステートバッファ511(インタフェイス回路501)からの出力信号のHレベルの電圧値V11を、パチンコ球3を検出していない状態のLレベルの電圧値にリセットすることができる。そして、電子スイッチ1の短絡事故が復旧した時刻t13から時定数タイマ時間T0(即ち、時刻t15)以降の時刻t16乃至t17のように、パチンコ球3が検出されたことを表すHレベルの比較出力信号が得られた場合には、AND回路523は、Hレベルの検出信号をそのまま出力する。
(第8実施の形態)
次に、図31で示したインタフェイス回路501が、複数で構成されるインタフェイス回路の実施の形態について説明する。
即ち、図33は、例えば、2個のインタフェイス回路501で構成されるインタフェイス回路601を示している。
インタフェイス回路601は、図33に示すように、2個のインタフェイス回路501−1および501−2を有している。インタフェイス回路501−1または501−2それぞれは、インタフェイス回路501と同様の構成とされている。従って、インタフェイス回路501−1と501−2のそれぞれは、パチンコ球の検出信号と、異常検知信号を出力する。
インタフェイス回路501−1が出力する電圧値V11-1の検出信号は、出力端子621に接続されている。また、インタフェイス回路501−1が出力する電圧値V4-1の異常検知信号は、出力端子622に接続されている。
また、インタフェイス回路501−2が出力する電圧値V11-2の検出信号は、出力端子624に接続されている。また、インタフェイス回路501−2が出力する電圧値V4-2の異常検知信号は、出力端子625に接続されている。
さらに、インタフェイス回路501−1および501−2の異常検知信号は、OR回路611にも供給されている。OR回路611は、インタフェイス回路501−1の異常検知信号とインタフェイス回路501−2の異常検知信号とのOR演算を行い、その演算結果の出力信号を出力端子623に出力する。OR回路611から出力される出力信号は、2つのインタフェイス回路501−1および501−2のいずれか一方において、電源部12の電圧値異常、電子スイッチ1の開放動作異常、または電子スイッチ1の閉塞動作異常のうちの少なくとも1つの異常が発生した場合に、その旨を表す総合異常検知信号となる。
一般的には、1台のパチンコ台311には、複数個の電子スイッチ1が使用されている。この場合、上述したように、複数のインタフェイス回路501の異常検知信号を、OR回路611で合成し、総合異常検知信号とすることにより、さらなるセキュリティの向上(不正行為の防止)が実現可能となる。
図33のインタフェイス回路601は、上述した他の実施の形態と同様に、IC回路としてパッケージ化してもよいし、あるはプリント基板等で製作してもよい。また、インタフェイス回路601に配置されるインタフェイス回路501の数は、2個に限定されない。
次に、図34を参照して、上述した実施の形態のインタフェイス回路の動作特性グラフにおける具体的な数値例について説明する。
図34は、例えば、図18に示したインタフェイス回路151による動作特性グラフを示している。
インタフェイス回路151の印加電圧、即ち、電源部12の電圧Vcc1には、上述したように範囲VM内の変動があり、その中心値を、例えば、DC(Direct Current)12[V]とする。即ち、図34に示される点Y1が12[V]である。
そして、電源部12の電圧Vcc1は、中心値12[V]に対して±20%の変動がある。即ち、電源部12の電圧Vcc1の最小値は、点Y11の9.6[V]であり、電源部12の電圧Vcc1の最大値は、点Y12の14.4[V]である。
高位出力電圧VP-ONおよび低位出力電圧VP-OFFは、電源部12の電圧Vcc1の変動に応じて変化する。即ち、電源部12の電圧Vcc1が、その最小値である9.6[V](点Y11)となっている場合、高位出力電圧VP-ONまたは低位出力電圧VP-OFFは、それぞれ、点Y13で示される8.7[V]、点Y14で示される6.6[V]となる。また、電源部12の電圧Vcc1が、その中心値である12[V] (点Y1)となっている場合、高位出力電圧VP-ONまたは低位出力電圧VP-OFFは、それぞれ、点Y3で示される11.1[V]、点Y6で示される6.8[V]となる。さらに、電源部12の電圧Vcc1が、その最大値である14.4[V] (点Y12)となっている場合、高位出力電圧VP-ONまたは低位出力電圧VP-OFFは、それぞれ、点Y15で示される13.5[V]、点Y16で示される7.0[V]となる。なお、高位出力電圧VP-ONおよび低位出力電圧VP-OFFは、その中心値に対して、斜線で示されているように、例えば、±0.1[V]の幅を有している。
電源部12の電圧Vcc1の変動の範囲VMの中心値である、12[V]の電圧がインタフェイス回路151に印加された場合、高位出力電圧VP-ONは、上述したように、11.1±0.1[V]となる。ここで、点Y3の11.1[V]は、電圧Vcc1の92.5%に相当する。
図18のインタフェイス回路151では、上述したように、高域側閾値電圧VT2は、電源部12の電圧Vcc1から、ダイオードD3にかかる電圧である0.6[V]を引いた残電圧となり、高位反転電圧VT-ONは、電源部12の電圧Vcc1から、ダイオードD1およびD2にかかる電圧である1.2[V]を引いた残電圧となる。
従って、点Y2で示される高域側閾値電圧VT2は、11.4[V] (電圧Vcc1の95%)、点Y4で示される高位反転電圧VT-ONは、10.8[V] (電圧Vcc1の90%)となる。
また、高域側閾値電圧VT2、および高位反転電圧VT-ONは、電源部12の電圧Vcc1が変動しても、それぞれ、電源部12の電圧Vcc1と0.6[V]または1.2[V]の電位差を保ったまま、図34に示すようにスライドする性能を示す。
次に、電源部12の電圧Vcc1の変動の範囲VMの中心値である、12[V]の電圧がインタフェイス回路151に印加された場合、低位出力電圧VP-OFFは、上述したように、6.8±0.1[V]となる。ここで、点Y6の6.8[V]は、電圧Vcc1の約56.5%に相当する。
図18のインタフェイス回路151では、例えば、抵抗R41,R61,R62の抵抗値を、それぞれ、560,78,62[Ω]、およびツェナダイオードZD6のツェナ電圧ZD6を6[V]とすることにより、低位反転電圧VT-OFFと低域側閾値電圧VT3との電位差を0.6[V]とすることができる。
従って、点Y5で示される低位反転電圧VT-OFFは、点Y6の6.8[V]より0.3[V]高い7.1[V] (電圧Vcc1の59%)、点Y7で示される低域側閾値電圧VT3は、点Y6の6.8[V]より0.3[V]低い6.5[V] (電圧Vcc1の54%)となる。
また、低位反転電圧VT-OFFと低域側閾値電圧VT3とは、電源部12の電圧Vcc1が変動しても、0.6[V]の電位差を保ったまま、図34に示すようにスライドする性能を示す。
以上によれば、電圧Vcc1と高域側閾値電圧VT2との電位差、高域側閾値電圧VT2と高位反転電圧VT-ONとの電位差、および低位反転電圧VT-OFFと低域側閾値電圧VT3との電位差は、いずれも0.6[V] (電圧Vcc1の5%)となる。
また、高域側閾値電圧VT2と高位出力電圧VP-ONとの電位差FON-U、高位出力電圧VP-ONと高位反転電圧VT-ONとの電位差FON-D、低位反転電圧VT-OFFと低位出力電圧VP-OFFとの電位差FOFF-U、および低位出力電圧VP-OFFと低域側閾値電圧VT3との電位差FOFF-Dは、いずれも約0.2[V](電圧Vcc1の1.7%)となる。
なお、図34を参照して説明した上述の数値は、あくまで一例であり、その他の数値とすることが可能である。
以上のように、上述した実施の形態においては、比較回路23に入力される比較電圧VP(電子スイッチ1の出力電圧値)に応じて、分圧回路61を第1の状態と第2の状態に切り替えることにより、正規の電子スイッチ1の出力電圧値の出力信号に近い電圧値のみを受け付けるようにしたので、電子スイッチ1に対する不正行為を防止する(困難にする)ことができる。
また、電子スイッチ1になんらかの異常が発生したときは、その異常検知信号をパチンコ台311のCPU15に供給し、パチンコ台311のランプ332やスピーカ333、パチンコ台311のディスプレイ335、またはパチンコ台311を管理するホールコンピュータ312などに異常の発生を出力させることにより、迅速に異常の発生が認識可能となる。
なお、上述した実施の形態は、パチンコ台に限らず、遊技球を検出する直流二線式電子スイッチの出力信号を制御回路に伝達するその他の遊技機にも適用可能である。
また、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。