JP4687157B2 - フラッシュランプ式定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式のプリンタ、複写機等の画像形成装置で使用されるフラッシュランプ式定着装置に関する。
フラッシュランプ式定着装置は、連続発光する際に温度が上昇する。このため、定着領域の定着領域用紙ガイドの上方に配置され且つ用紙幅方向(通常は画像形成装置の前後方向)に延びて配置されたフラッシュランプを冷却する必要がある。冷却方法の代表的な形態として、送風機を使用して、前記フラッシュランプを冷却する冷却風を送風するものが広く知られている。
従来は前記送風機によりフラッシュランプの前側(画像形成装置の前側)から後方に向けて冷却風を送風し、前記フラッシュランプの周囲を流れて昇温した冷却風を、画像形成装置の背面(後面)から排気していた。
前記フラッシュランプ式定着装置の冷却方法は、オペレータが印刷済用紙を取り出す際に、前記排気風が最も邪魔にならない方法であり、採用され続けてきた。この従来の方法では、冷却風を送り込んだ側(送風側、すなわち、画像形成装置の前側)のフラッシュランプの表面温度は低くなるが、排気側(画像形成装置の後側)の温度は高くなる。このように定着領域の送風側部分の温度が低くなると、その部分の定着強度が低下するという問題点がある。前記定着温度が低い側の定着強度を確保するためのエネルギをフラッシュランプに与えると、定着温度の高い側では過剰定着になるという問題点がある。
このことは、無駄なエネルギを消費すると共にトナー融解時の定着噴煙を多く発生させ、噴煙回収用のエアフィルタの寿命が短くなる。
前記フラッシュランプ式定着装置の用紙幅方向の温度を均一化するための従来技術は、次の特許文献1に記載されている。
(特許文献1(特開平9−80959号公報)記載の技術)
この公報に記載されたフラッシュ定着器は、フラッシュランプ52および反射板53を収容する空間の上側に導風路60を形成する導風カバー56を設けている。前記フラッシュランプ52および反射板53を収容する空間と前記導風路60のとの仕切る上壁54aには冷却風を送風するための複数の通気孔64が形成されている。前記導風路60の下流端に設けた入口58と前記複数の通気孔64とから、前記フラッシュランプ52および反射板53を収容する空間に、冷却風を送風することにより、フラッシュ定着器の用紙幅方向の温度を均一にする技術が記載されている。
特開平9−80959号公報
(特許文献1(特開平9−80959号公報)記載の技術の問題点)
特許文献1記載の技術は、前記フラッシュランプ52および反射板53を収容する空間の上側に導風路60を設けているので、構成が複雑化するとともにフラッシュランプ式定着装置が大型になるという問題点がある。
本発明は前記事情に鑑み、次の記載内容(O01)を技術的課題とする。
(O01)定着領域の用紙幅方向の定着強度を、均一にすることができる小型化可能で構成の簡単なフラッシュランプ式定着装置を提供すること。
次に、前記課題を解決するために案出した本発明を説明するが、本発明の構成要素には、後述の実施例の構成要素との対応を容易にするため、実施例の構成要素の符号をカッコで囲んだものを付記する。
なお、本発明を後述の実施例の符号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易にするためであり、本発明の範囲を実施例に限定するためではない。
(本発明)
前記課題を解決するために本発明のフラッシュランプ式定着装置は、次の構成要件(A01)〜(A04)を備えたことを特徴とする。
(A01)定着領域(Q2)の用紙(P)下面をガイドする定着領域用紙ガイド(G2)の上方に配置され且つ用紙幅方向である前後方向に延びて配置されたフラッシュランプ(13)と、前記フラッシュランプ(13)のフラッシュ光を前記定着領域用紙ガイド(G2)に向けて反射する反射板(12)とを内部に収容するランプケース(11)
(A02)前記フラッシュランプ(13)および反射板(12)の周囲を用紙幅方向の一端側から他端側に冷却風が流れるように、前記ランプケース(11)の前記一端側から前記ランプケース(11)の内部に冷却風を送風する第1送風機(16)、
(A03)前記冷却風による前記フラッシュランプ(13)の前記一端側部分の過度の冷却を防止するために、前記フラッシュランプケース内部の前記一端側に配置され且つ前記第1送風機(16)から送風された冷却風が直接にフラッシュランプ(13)の周囲に流れ込むのを防止する遮蔽板(14)であって、前記フラッシュランプの両端部の温度差を減少させる前記遮蔽板(14)
(A04)前記第1送風機(16)で送風された風を前記用紙幅方向の他端側から一端側に向けて送風する第2送風機(17)であって、前記定着領域用紙ガイド(G2)の前記一端側の下面に向けて排気する前記第2送風機(17)。
(本発明の作用)
前記構成要件(A01)〜(A04)を備えた本発明のフラッシュランプ式定着装置では、ランプケース(11)は、定着領域(Q2)の用紙(P)下面をガイドする定着領域用紙ガイド(G2)の上方に配置され且つ用紙幅方向である前後方向に延びて配置されたフラッシュランプ(13)と、前記フラッシュランプ(13)のフラッシュ光を前記定着領域用紙ガイド(G2)に向けて反射する反射板(12)とを内部に収容する。
第1送風機(16)は、前記フラッシュランプ(13)および反射板(12)の周囲を用紙幅方向の一端側から他端側に冷却風が流れるように、前記ランプケース(11)の前記一端側から前記ランプケース(11)の内部に冷却風を送風する。
前記冷却風による前記フラッシュランプ(13)の前記一端側部分の過度の冷却を防止するために、前記フラッシュランプケース内部の前記一端側に配置された遮蔽板(14)は、前記第1送風機(16)から送風された冷却風がフラッシュランプ(13)の一端側の周囲に流れ込むのを防止して、前記フラッシュランプの両端部の温度差を減少させる。
このため、フラッシュランプ(13)の前後方向の温度差が少なくなるので、発光エネルギのバラツキが少なくなる。このため、定着領域(Q2)の前後方向の全領域に渡って、定着温度のバラツキが少なくなる。
このため、定着領域(Q2)を通過する用紙(P)の用紙幅方向の定着強度を均一にすることができる。
また、本発明のフラッシュランプ式定着装置では、第2送風機(17)は、前記第1送風機(16)で送風された風を前記用紙幅方向の他端側から一端側に向けて送風する。前記第2送風機(17)で送風された風は、前記定着領域用紙ガイド(G2)の前記一端側の下面に向けて排気される。
(本発明の形態1
本発明の形態1のフラッシュランプ式定着装置は、前記本発明のフラッシュランプ式定着装置において、下記の構成要件(A05)を備えたことを特徴とする。
(A05)前記定着領域用紙ガイド(G2)と略平行に排気するように配置された前記第2送風機(17)。
(本発明の形態1の作用)
前記構成要件(A05)を備えた本発明の形態1のフラッシュランプ式定着装置では、前記第2送風機(17)は、前記定着領域用紙ガイド(G2)と略平行に排気する。この場合、前記第2送風機(17)の配置や取り付けが容易となる。
(本発明の形態2
本発明の形態2のフラッシュランプ式定着装置は、前記本発明または前記本発明の形態1のフラッシュランプ式定着装置において、下記の構成要件(A06)を備えたことを特徴とする。
(A06)排気方向が変更可能な前記第2送風機。
(本発明の形態2の作用)
前記構成要件(A06)を備えた本発明の形態2のフラッシュランプ式定着装置では、前記第2送風機(17)は、前記第2送風機(17)で排気される風の方向を変更することができる。このため、画像形成装置の製造時における機種差や、ユーザの使用環境等に応じて微調整が可能となる。
前述の本発明のフラッシュランプ式定着装置は、下記の効果(E01)を奏する。
(E01)定着領域の用紙幅方向の定着強度を、均一にすることができる小型化可能で構成の簡単なフラッシュランプ式定着装置を提供することができる。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の送り孔付き連続用紙搬送装置を備えた画像形成装置の説明図である。
図1において、画像形成装置としての送り孔付き連続用紙を使用するプリンタUは、プリンタ支持面PS上に支持されている。前記プリンタUの右側上部にUI(ユーザインタフェース)が設けられている。UI(ユーザインタフェース)には、図示しない電源スイッチ、ディスプレイ、濃度調整スイッチ等が設けられている。前記UIの下側には右端部に図示しない制御ボードを収容するためのボード収容部Sが設けられている。
前記ボード収容部Sの左側には、ドラム状の感光体PRが回転可能に支持されている。前記感光体PRの上側には転写ロールTrが配置されている。前記感光体PRの周囲には、その回転方向に沿って前記転写ロールTr、クリーナCL、帯電器(チャージコロトロン)CC、現像器Dが配置されている。
なお、前記転写ロールTrの代わりに転写コロトロンを使用可能であり、前記帯電器(チャージコロトロン)CCの代わりに帯電ロールを使用可能である。
前記感光体PR、転写ロールTr、クリーナCL、帯電器CC、現像器Dは、前後方向(図1の画面に垂直な方向、X軸方向)に移動可能な移動台1上に支持されている。前記移動台1の下方にはROS(潜像形成装置)が配置されている。前記ROS(潜像形成装置)の下方には電源回路Eが配置されている。
回転する前記感光体PRの表面は、帯電器CCにより一様に帯電され、前記帯電された感光体PR表面は、前記ROS(潜像形成装置)から出射されるレーザビームLにより静電潜像が形成される。前記感光体PR表面の静電潜像は現像器Dによりトナー像に現像される。前記感光体PR表面のトナー像は、前記転写ロールTrに対向する転写領域Q1に搬送される。
前記プリンタUは、送り孔付き連続用紙Pを収容する連続用紙収容部TR1を有している。前記連続用紙収容部TR1に収容された送り孔付き連続用紙Pは用紙搬送用のトラクタユニット(用紙搬送部材)K1,K2,K3およびガイドロールR,R等により搬送される。転写ロールTrは、前記送り孔付き連続用紙Pが前記転写領域Q1を通過する際に感光体PR表面のトナー像を送り孔付き連続用紙Pに転写する。前記用紙搬送用のトラクタユニットK1,K2,K3は、ほぼ同様に構成されている。
(用紙搬送用トラクタユニット)
図2は用紙搬送用のトラクタユニットの説明図であり、図2Aは連続用紙を搬送するトラクタユニットの斜視図、図2Bはトラクタユニットの説明図で前記図2AのIIB−IIB線から見た図である。
図2Aにおいて、送り孔付き連続用紙Pには、用紙搬送方向に所定間隔離れる毎に折り線(直線に沿って小さい孔(またはスリット等)が形成された部分)Paが形成されている。また、送り孔付き連続用紙Pの用紙幅方向両側には用紙搬送方向に沿って一定間隔aで且つ用紙搬送方向同一位置に送り孔Pb が形成されている。
図2Aにおいて、前記用紙幅方向(X軸方向、すなわち、前後方向)に離れて配置された前後一対のトラクタユニットK1,K1は、用紙幅方向に延びる固定シャフトS0に支持されている。前後一対のトラクタユニットK1,K1の中の前側(X側)のトラクタユニットK1は固定シャフトS0に固定支持されている。後側(−X側)のトラクタユニットK1は固定シャフトS0上にスライド可能且つ固定可能に支持されており、使用される連続用紙の幅に応じて固定シャフトS0上で位置調節される。
各トラクタユニットK1,K1はガイドフレーム2を有している。ガイドフレーム2には軸受3,4が装着されており、前記トラクタシャフトS1,S2は前記軸受3,4により前記ガイドフレーム2に対して回転可能に支持されている。
前記トラクタシャフトS1,S2にはそれぞれタイミングプーリ5,6が装着されている。前記ガイドフレーム2と前記軸受3,4と、前記タイミングプーリ5,6とにより、ピンベルト7を回転可能に支持するベルト支持部材(2〜6)が構成されている。図2A、図2Bにおいて、ピンベルト7の外周には複数のトラクタピン7aが一定間隔aで設けられている。前記トラクタピン7aは前記送り孔Pbに嵌合可能である。
前記トラクタシャフトS1には図示しない回転駆動部材から回転力が伝達されるように構成されている。トラクタシャフトS1が回転すると、前記用紙幅方向両側の端部に装着されたタイミングプーリ(ベルト駆動部材)5(図2B参照)が回転する。前記タイミングプーリ5の回転にともなって前記用紙幅方向両側のピンベルト7およびタイミングプーリ6も回転する。前記トラクタピン7aが前記送り孔Pbに嵌合している状態で前記ピンベルト7が回転すると、前記送り孔付き連続用紙Pは用紙搬送方向に搬送される。
図1において、前記転写領域Q1においてトナー像が転写された送り孔付き連続用紙Pは、用紙ガイドG1にガイドされて定着領域Q2に搬送される。定着領域Q2には用紙下面をガイドする板状の定着領域用紙ガイドG2が配置されており、前記定着領域用紙ガイドG2に沿って搬送される送り孔付き連続用紙P上のトナー像はフラッシュランプを使用したフラッシュランプ式定着装置Fにより定着用の光を照射されて加熱定着される。
前記定着領域Q2の通過時にフラッシュランプ式定着装置Fでトナー像が加熱定着された送り孔付き連続用紙Pは、左右一対のガイドバーRb,Rbおよび用紙ガイド部材G3,G3の間を順次通って、下方の連続用紙スタックトレイ装置TR2に搬送される。
(フラッシュランプ式定着装置F)
図3は前記図1に示す定着装置の説明図であり、図3Aは定着領域用紙ガイドの平面図、図3Bは前記図3AのIIIB−IIIB線断面図である。
図1、図3において、板状の定着領域用紙ガイドG2の上方には、ランプケース11が前記定着領域用紙ガイドと平行に配置されている。前記ランプケース11の下面には、耐熱ガラス部11aが設けられている。
前記ランプケース11の内部には、反射板12が収容されており、前記反射板12の内側には、フラッシュランプ13が収容されている。前記反射板12の前端および後端にはそれぞれ端壁12aが設けられており、前記各端壁12aには、冷却風通過用の通風孔12bが形成されている。
前記ランプケース11内部には、前記反射板12の前端の端壁12aの後側に遮蔽板14が配置されている。遮蔽板14は、後述する第1送風機16から送風された冷却風が前記通風口12bから直接にフラッシュランプ13の周囲に流れ込むのを防止して、前記冷却風による前記フラッシュランプ13の後端側部分の過度の冷却を防止するための部材である。
前記フラッシュランプ13のフラッシュ光は、前記耐熱ガラス部11aを透過して前記定着領域Q2を通過中のシートPに照射される。
前記定着領域用紙ガイドG2の後側(画像形成装置奥側)には、吸気口16aから吸気した冷却風を前記ランプケース11内に排気する排気口16bを備えた第1送風機16が配置されている。また、前記定着領域用紙ガイドG2の前側(画像形成装置の前側)には、前記ランプケース11内から吸気する吸気口17aと、前記吸気口17aから吸気した気体を定着領域用紙ガイドG2下方に排出可能な排気口17bを備えた第2送風機17が配置されている。
本実施例1では、前記第1送風機16と第2送風機17とは同一構成の送風機を使用している。このため、フラッシュランプ式定着装置の部品の種類の増加を防止している。
前記ランプケース11の後部に吹き込まれた冷却風は、前記遮蔽板14に衝突してから、前記遮蔽板14の外周を通ってランプケース11の前側に流れる。この冷却風は、前記反射板12の外側および内側を通り、前側(X側)に流れて反射板12の内側および外側を冷却する。
また、前記反射板12の内部を通る冷却風はフラッシュランプ13の周囲を流れて前記フラッシュランプ13を冷却する。
前記冷却風の、前記反射板の外側と内側とを流れるそれぞれの風量は、前記遮蔽板14の形状や配置、および反射板12の端壁12aに形成された通風口12bの形状や配置等により調節可能である。本実施例では、反射板の外側を流れる風量と内側を流れる風量との比は約4対1に設定されている。
冷却風は前記遮蔽板14により遮蔽されるので、前記反射板12の外側を流れる冷却風は、前記遮蔽板14に隣接する反射板12の外側面(反射板12の上流側の外側面)に接触して流れ難い。このため遮蔽板14を設けた場合には、遮蔽板14が無い場合に比較して、反射板12の上流側の外側面が冷却され難い。このため、反射板12の上流側部分(後側部分)が下流側部分(前側部分)に比較して過度に冷却されることを防止することができる。
また、冷却風は前記遮蔽板14により遮蔽されるので、前記ランプケース11内部の前記遮蔽板14の直後の領域では風速が低い。このため、前記反射板12の前記遮蔽板14の直後に配置された部分(反射板12およびフラッシュランプ13の上流側部分(後側部分)が、高速の冷却風により過度に冷却されることを防止することができる。
前記ランプケース11の後側から手前側に流れた冷却風は温度が上昇している。前記温度が上昇した冷却風は、第2送風機17の吸気口11aから吸い込まれて前記定着領域用紙ガイドG2の下方に吹き出される。前記温度が上昇した冷却風の吹き出し方向は、前記定着領域用紙ガイドG2の下方に吹き出された冷却風(温度が上昇した冷却風)が、前記定着領域用紙ガイドG2の後側部分の下面を加熱するように吹き出される。前記定着領域用紙ガイドG2の後側部分の下面を加熱するように吹き出された冷却風(温度が上昇した冷却風)は、トナー融解時に発生する定着噴煙回収や、脱臭、脱煙を行うエアーフィルタを備えた排気ダクト19から画像形成装置背面に排気される。
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1のフラッシュランプ式定着装置Fでは、冷却風を送り込んだ第1送風機16側(画像形成装置の後側)のフラッシュランプ13の表面温度は冷却風により低くなるが、前記冷却風は第2送風機17側(画像形成装置の前側)に行くにしたがって温度が上昇するので、フラッシュランプ13の第2送風機17側部分(前側部分)の温度は後側部分に比較して高くなる。この場合、定着領域Q2の前記第1送風機16側(後側)の温度が第2送風機17側(前側)の温度より低くなると、定着領域Q2を通過する用紙の第1送風機16側のトナーの定着不良が生じるおそれがある。
図4は前記図3に示すフラッシュランプ式定着装置の遮蔽板の作用を説明するための実験結果の説明図で、図4Aは定着領域と温度測定箇所を示す図、図4Bは前記4Aに示す温度測定箇所の測定温度を示す表である。
図4Aにおいて、遮蔽板14の直後の温度測定箇所をa、定着領域Q2の中央部の温度測定箇所をb、定着領域Q2の後端部(冷却風の下流端部)の温度測定箇所をcとする。
前記図3のフラッシュランプ式定着装置Fの第1送風機16のみを使用して、前記図4Aに示す温度測定箇所a,b,cの温度を測定したところ、図4Bに示す結果が得られた。
図4Bにおいて、前記遮蔽板14を設けた実施例1の場合、定着領域Q2の冷却風の上流側端部aの温度TaはTa=250℃、定着領域Q2の中央部bの温度TbはTb=268.8℃、冷却風の下流側端部cの温度TcはTc=276.5℃である。
したがって、前記遮蔽板14を設けた実施例1の場合、定着領域Q2の冷却風の上流端と下流端との温度差ΔT=|Ta−Tc|=26.5℃である。
また、図4Bにおいて、前記遮蔽板14を設けない従来技術の場合、定着領域Q2の冷却風の上流側端部aの温度TaはTa=228.8℃、定着領域Q2の中央部bの温度TbはTb=265.4℃、冷却風の下流側端部cの温度TcはTc=281.5℃である。
したがって、前記遮蔽板14を設けない従来技術の場合、定着領域Q2の冷却風の上流端と下流端との温度差ΔT=|Ta−Tc|=52.7℃である。
前記図4Bの実験結果から、遮蔽板14を設けた本実施例1の方が、遮蔽板14を設けない従来技術に比較して、定着領域Q2の温度のバラツキを小さくすることができる。
また、前記実施例1では、温度上昇した冷却風が第2送風機17により吸い込まれて前記定着領域用紙ガイドG2の前記第1送風機16側(後側)の下面に吹き付けられる。このため、前記定着領域用紙ガイドG2の後側部分の下面に吹き付けられて温度上昇した冷却風が、前記定着領域用紙ガイドG2の第1送風機16側部分(後側部分)の下面を加熱するので、前記第1送風機16側(後側)の定着不良の発生を防止することができる。したがって、前記定着領域Q2の温度分布を更に均一化することができる。
図4は定着領域の用紙幅方向の定着領域温度分布を示すグラフであり、図4Aは実施例1の定着領域温度分布、図4Bは従来技術の定着領域温度分布である。
なお、図4のグラフにおいて、横軸はフラッシュランプ13の前後方向の位置を表し、縦軸は定着温度を表す。
図4Aにおいて、実施例1の定着領域Q2の用紙幅方向の前記定着領域温度分布は、用紙幅方向(前後方向)において均一化される。したがって、本発明の実施例1の定着装置は、定着領域Q2の全領域に渡ってトナー像の加熱定着を適切に行うことが可能となる。
図4Bにおいて、従来技術の定着装置では、冷却風は定着領域Q2の前側(フラッシュランプ13前側)から送り込まれ、前記フラッシュランプ13奥側から画像形成装置外部に排気される。このため、前記フラッシュランプ13の奥側に比較して前側が冷却されるので、定着領域Q2は後側に行くにしたがって定着温度が上昇してしまい、定着領域Q2の全領域で均一なトナー像の加熱定着を行うことができない。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更実施例を下記に例示する。
(H01)前記実施例1において、第2送風機17を省略することが可能である。
(H02)ランプケース11内部に配置するフラッシュランプ13の個数を任意に設定可能である。
図1は本発明の実施例1の送り孔付き連続用紙搬送装置を備えた画像形成装置の説明図である。 図2は用紙搬送用のトラクタユニットの説明図であり、図2Aは連続用紙を搬送するトラクタユニットの斜視図、図2Bはトラクタユニットの説明図で前記図2AのIIB−IIB線から見た図である。 図3は前記図1に示す定着装置の説明図であり、図3Aは定着領域用紙ガイドの平面図、図3Bは前記図3AのIIIB−IIIB線断面図である。 図4は定着領域の用紙幅方向の定着領域温度分布を示すグラフであり、図4Aは実施例1の定着領域温度分布、図4Bは従来技術の定着領域温度分布である。
符号の説明
11…ランプケース、
12…反射板、
13…フラッシュランプ、
14…遮蔽板、
16…第1送風機、
G2…定着領域用紙ガイド、
P…用紙、
Q2…定着領域。


Claims (3)

  1. 次の構成要件(A01)〜(A04)を備えたフラッシュランプ式定着装置、
    (A01)定着領域の用紙下面をガイドする定着領域用紙ガイドの上方に配置され且つ用紙幅方向に延びて配置されたフラッシュランプと、前記フラッシュランプのフラッシュ光を前記定着領域用紙ガイドに向けて反射する反射板とを内部に収容するランプケース
    (A02)前記フラッシュランプおよび反射板の周囲を用紙幅方向の一端側から他端側に冷却風が流れるように、前記ランプケースの前記一端側から前記ランプケースの内部に冷却風を送風する第1送風機、
    (A03)前記冷却風による前記フラッシュランプの前記一端側部分の過度の冷却を防止するために、前記フラッシュランプケース内部の前記一端側に配置され且つ前記第1送風機から送風された冷却風が直接にフラッシュランプの周囲に流れ込むのを防止する遮蔽板であって、前記フラッシュランプの両端部の温度差を減少させる前記遮蔽板
    (A04)前記第1送風機で送風された風を前記用紙幅方向の他端側から一端側に向けて送風する第2送風機であって、前記定着領域用紙ガイドの前記一端側の下面に向けて排気する前記第2送風機。
  2. 下記の構成要件(A05)を備えたことを特徴とする請求項1記載のフラッシュランプ式定着装置、
    (A05)前記定着領域用紙ガイドと略平行に排気するように配置された前記第2送風機。
  3. 下記の構成要件(A06)を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のフラッシュランプ式定着装置、
    (A06)排気方向が変更可能な前記第2送風機。
JP2005066904A 2005-03-10 2005-03-10 フラッシュランプ式定着装置 Expired - Fee Related JP4687157B2 (ja)

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