JP4687146B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、この従来例は、DC-DCコンバータを使って、2つの蓄電装置を並列に接続する構成となっていてDC-DCコンバータを使用しているため、システムのサイズが大きくなるとともに、コストが高く、例えば、両蓄電池の両方の電力を使用してモータを駆動する場合、またはモータの起電力を蓄電する場合に損失が大きいなどの問題が生じる。
そこで、本出願人は、複数電源を用いて電圧変換をする電力変換装置(以下、MCIと称することがある。)であり、その複数電源の入出力電力の切り替えや配分などを自由にコントロールすることを可能とし、電圧源の供給電力を制御することを可能とする電力変換装置を開発した(特願2004-200483号)。また、当該変換装置では、インバータ損失とモータ損失の両方をより低減することが可能である。さらに、当該変換装置は、このような電力変換装置を搭載した2電源系車両を提供することも可能である。
直流電圧源の出力電圧から交流電圧波形をパルス状電圧で生成する電力変換装置であって、
前記直流電圧源は、共通電位を含めて3つ(以上)の電位を出力する電圧源出力部(端子)を備え、
前記電力変換装置は、前記3つ(以上)の電位の1つ(端子)を選択的に出力部に接続し、電圧を前記電力変換装置の出力部に印加するスイッチング手段を各々備え、
前記各スイッチング手段は、前記3つの電位のうち予め定められた2つの電位について交互に選択して前記出力部に接続して、前記出力部に印加する電圧のオンオフのパルス幅を制御することにより前記パルス状電圧を生成し(即ち、各スイッチング手段は、1つの電位を選択して接続し、その接続を切り替えることによりパルス状電圧を生成する)、
前記スイッチング手段は上流側素子と下流側素子とを含み、
各相における上流側素子のうち順方向素子(力行側の素子であり、図1のT1とT3、T6とT8、及びT11とT13)の駆動回路電源(例えば図1のEdrv2,Edrv5,Edrv6)を共通にし、
各相において同電位(電源)に接続される上流側素子(図1の上アーム及び中央アーム素子)のうち逆方向素子(回生側の素子であり、図1のT2,T7,T12,及びT4,T9,T14)の駆動回路電源(図1のEdrv4,Edrv3)を共通にし、
前記下流側素子(例えば図1の下アーム素子であるT5,T10,T15など)の駆動回路電源(例えば図1のEdrv1)を共通にした、
ことを特徴とする。
各相における上流側素子のうち順方向素子(例えば図1のT1及びT3)の駆動回路電源を、これら順方向素子の各駆動回路に並列に設けた第1のコンデンサ(例えばC1,C3)各々に充電する第1のブートストラップ回路(電源)として構成し、前記第1のコンデンサは前記下流側素子の駆動回路電源から給電され、
各相における上流側素子のうち逆方向素子(図1のT2及びT4など)の駆動回路電源を、前記第1のコンデンサ(C1,C3など)各々から(好適には各ダイオードD2,D4を介して)、前記上流側素子のうち逆方向素子の各駆動回路に並列に設けた第2のコンデンサ(C2,C4など)各々を充電する第2のブートストラップ回路(電源)として構成した、
ことを特徴とする。
前記第1のコンデンサ各々に対して第3のコンデンサをそれぞれ並列に設け、前記第3のコンデンサは前記下流側素子の駆動回路電源から給電され、さらに、前記第3のコンデンサ各々から前記第2のコンデンサ各々に給電できるように接続する、
(即ち、前記第1のブートストラップ回路に対し、前記下流側素子の駆動回路電源と上流側素子との間に、直列接続したダイオード(D5,D6,D11,D12,D17,D18)及び第3のコンデンサ(C5,C6,C11,C12,17,C18)をそれぞれ追加し、そのダイオードと前記第3のコンデンサの接続点から、前記第2のコンデンサ(即ち上流側逆方向素子の駆動回路の電源用コンデンサ)のプラス側に好適にはダイオードを介して接続する)、
ことを特徴とする。
前記第1のコンデンサ各々と前記下流側素子の駆動回路電源との間に、前記第1のコンデンサ側から前記下流側素子の駆動回路電源側への電流の流れを阻止するために第1のダイオードをそれぞれ設けた、
ことを特徴とする電力変換装置。
前記第3のコンデンサ各々と前記下流側素子の駆動回路電源との間に、前記第3のコンデンサ側から前記下流側素子の駆動回路電源側への電流の流れを阻止するために第2のダイオードをそれぞれ設け、
前記第3のコンデンサ各々と前記第2のコンデンサ各々との間に、前記第2のコンデンサ側から前記第3のコンデンサ側への電流の流れを阻止するために第3のダイオードをそれぞれ設けた、
ことを特徴とする。
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当する方法としても実現され得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
つまり
Vbh>Vbm ・・・(1)
Vbh−Vbm>Vbm ・・・(2)
である。
30は、それらの電圧を変換し交流電圧を生成することで交流モータ40を駆動する電力変換器である。この電力変換器30は、バッテリ10の供給電圧Vbhを安定化させるコンデンサC1と、バッテリ20の供給電圧Vbmを安定化させるコンデンサK2と、モータ40のU相、V相、W相それぞれとバッテリの共通電位電圧(以下0Vと記す)、バッテリ10の高電位側電圧、バッテリ20の高電位側電圧の中から1つだけを選択的に接続するスイッチ群31、32、33とから構成されている。
図8は、MCIにおけるU相の出力電圧波形を示すタイミングチャートであり、図9は、MCIにおけるU相のスイッチ群を構成するIGBTのゲート信号の状態を示す図である。以下、これらの図を用いて説明する。即ち、図8では、下記(a)〜(c)の3つの場合にU相のスイッチング素子のゲートに印加される信号を示している。図9ではU相の出力電圧を示している。
Vbhに接続されるスイッチ(U相:Tr11とTr12)をオフに保持して、Vbmと0Vに接続されるスイッチ(U相:Tr21とTr22、Tr31とTr32)を交互にオンオフすることによりPWM(パルス幅変調制御)を行う。この場合、低い電圧であるVbmをスイッチングすることになる(図8(a))のでパワー素子に発生する損失は小さくなり、電力変換器としてのスイッチ群31の損失は当然小さくて済む。また、この時モータに印加されるパルス状電圧は、低い電圧Vbmから生成されたものであるので高調波成分が少なくなりモータ40の鉄損が少なくて済む。
0Vに接続されるスイッチ(U相:Tr31とTr32)をオフに保持して、VbhとVbmに接続されるスイッチ(U相:Tr11とTr12、Tr21とTr22)を交互にオンオフすることによりPWMを行う。この場合、Vbhより小さい電Vbh-Vbmの電圧をスイッチングすることになる(図8(b))ため、パワー素子で発生する損失は最小で済み、電力変換器としてのスイッチ群31の損失は当然小さくて済む。また、この時モータに印加されるパルス状電圧は、Vbh-Vbmから生成されたものであるので高調波成分が少なくなりモータ40の鉄損が少なくて済む。
Vbmに接続されるスイッチ(U相:Tr21とTr22)はオフに保持して、Vbhと0Vに接続されるスイッチ(U相:Tr11とTr12、Tr31とTr32)のオンオフによりPWMを行う(図8(c))。この場合、弱め界磁電流が少なくて済むので電力変換器としてのスイッチ群31とモータ40の損失が少なくて済む。
以上のような動作により、モータには必要な電圧に応じて、大きさがVbm、Vbh−Vbm、Vbhの3種類の大きさのパルス状電圧を印加することができ、このような構成が好適である。一方、電位を等間隔にした場合、つまり、Vbh−Vbm=Vbmとした場合には、2種類の大きさのパルス状電圧しか生成できないため、この場合より損失が大きくなってしまう。以上のように、MCIでは従来例と比べ、直流電圧の電位の数が同じであっても電力変換器やモータの損失を小さくすることができる。
図1に本発明による電力変換装置の第1の実施例の回路構成図を示す。図に示すように、各スイッチング素子T1-T15は、上流側素子Upと下流側素子Doとに大別できる。この実施例のMCIでは、15個のスイッチング素子がある為、基本的には、15個の絶縁型DC/DCコンバータで電力を供給するが、各スイッチング素子のゲート電圧基準端子(通常は、エミッタあるいはソース)の電位が同一の場合は、駆動用電源を共用できるので、図1に示す様に、6個のDC/DCコンバータに集約できる(図1のEdrv1〜Edrv6がDC/DCコンバータを示す)。
図2に本発明による電力変換装置の第2の実施例の回路構成図を示す。図に示すように、各スイッチング素子は、上流側素子Upと下流側素子Doとに大別できる。各相の構成及び駆動方法は同様なので、1相分について構成を説明する。T1〜T5はスイッチング素子であり、それらにはそれぞれのゲートを駆動する駆動回路が接続されている。それぞれの駆動回路は、図示されていない制御回路から信号を受け取るフォトカプラが接続されている。T5の駆動回路は、下流側素子用の駆動回路用電源DC/DCコンバータ(Edrv)から直接供給される。その他の駆動回路は、それぞれの駆動回路電源端子に接続されているコンデンサ(C1〜C4)から供給される。ダイオードD1〜D4は、コンデンサC1〜C2に接続されており、それらの充電に使用される。
図5は、ブートストラップ回路電源の他の実施例を示す。図に示すように、各スイッチング素子は、上流側素子Upと下流側素子Doとに大別できる。図2の構成に対し、駆動回路用電源Edrvから、各相の下流トランジスタのコレクタに直列にダイオードとコンデンサが追加、接続されている。この動作を図6で説明する。追加されたC5,C6はT5がオンしたとき充電される。C2はT1がオンしたとき、電流経路(4)が成立し、C5の電荷がC2に充電される。C4への充電に関しては、C2と同様にT3がオンしたときC6に蓄えられている電荷がC4に充電される。このように、コンデンサC5,C6を追加したことにより、コンデンサC1,C3の電圧変動を削減することができる。
20 第2のバッテリ
Vbh バッテリ1の電圧
Vbm バッテリ2の電圧
30 電力変換器
40 交流モータ
K1、K2 コンデンサ
31、32、33 U相、V相、W相のスイッチ群
Tr11−92 スイッチ(IGBT)
T1-T15 スイッチング素子
Up 上流側素子
Do 下流側素子
T1,T3,T6,T8,T11,T13 順方向素子(力行側の素子)
T2,T7,T12,T4,T9,T14 逆方向素子(回生側の素子)
Edrv,Edr1-Edrv6 駆動回路電源
C1-C18 コンデンサ
D1-D18 ダイオード
Claims (5)
- 直流電圧源の出力電圧から交流電圧波形をパルス状電圧で生成する電力変換装置であって、
前記直流電圧源は、共通電位を含めて3つの電位を出力する電圧源出力部を備え、
前記電力変換装置は、前記3つの電位の1つを選択的に出力部に接続し、電圧を前記電力変換装置の出力部に印加するスイッチング手段を各々備え、
前記各スイッチング手段は、前記3つの電位のうち予め定められた2つの電位について交互に選択して前記出力部に接続して、前記出力部に印加する電圧のオンオフのパルス幅を制御することにより前記パルス状電圧を生成し、
前記スイッチング手段は上流側素子と下流側素子とを含み、
各相における上流側素子のうち順方向素子の駆動回路電源を共通にし、
各相において同電位に接続される上流側素子のうち逆方向素子の駆動回路電源を共通にし、
前記下流側素子の駆動回路電源を共通にした、
ことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1に記載の電力変換装置において、
各相における上流側素子のうち順方向素子の駆動回路電源を、これら順方向素子の各駆動回路に並列に設けた第1のコンデンサ各々に充電する第1のブートストラップ回路として構成し、前記第1のコンデンサは前記下流側素子の駆動回路電源から給電され、
各相における上流側素子のうち逆方向素子の駆動回路電源を、前記第1のコンデンサ各々から前記上流側素子のうち逆方向素子の各駆動回路に並列に設けた第2のコンデンサ各々を充電する第2のブートストラップ回路として構成した、
ことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項2に記載の電力変換装置において、
前記第1のコンデンサ各々に対して第3のコンデンサをそれぞれ並列に設け、前記第3のコンデンサは前記下流側素子の駆動回路電源から給電され、さらに、前記第3のコンデンサ各々から前記第2のコンデンサ各々に給電できるように接続する、
ことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項2また3に記載の電力変換装置において、
前記第1のコンデンサ各々と前記下流側素子の駆動回路電源との間に、前記第1のコンデンサ側から前記下流側素子の駆動回路電源側への電流の流れを阻止するために第1のダイオードをそれぞれ設けた、
ことを特徴とする電力変換装置。 - 請求項3また4に記載の電力変換装置において、
前記第3のコンデンサ各々と前記下流側素子の駆動回路電源との間に、前記第3のコンデンサ側から前記下流側素子の駆動回路電源側への電流の流れを阻止するために第2のダイオードをそれぞれ設け、
前記第3のコンデンサ各々と前記第2のコンデンサ各々との間に、前記第2のコンデンサ側から前記第3のコンデンサ側への電流の流れを阻止するために第3のダイオードをそれぞれ設けた、
ことを特徴とする電力変換装置。
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