JP4686804B2 - ピアノ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、表示画面を有するピアノに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、グランドピアノでは、液晶表示画面などを搭載したものがあり、この液晶表示画面に楽譜などを表示することができるようになっている。このようなグランドピアノでは、従来、譜面立てとして使用されていた部材に表示画面を埋め込んだものがあり、このようにすることにより特別な設置スペースを設けることなく表示画面の搭載を可能とするとともに、演奏者が見やすい位置に表示画面を配置できるいった効果も得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したような表示画面を搭載したグランドピアノでは、譜面立ての代わりに表示画面が設けられているため、譜面を譜面立てに載置して演奏することができない。上述した表示画面の上に譜面を載置することも考えられるが、この場合表示画面が損傷してしまうことも考えられる。また、譜面を載置しつつ、表示画面になんらかの表示を行わせて、それを使用者が参照することは不可能である。
【0004】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、通常の譜面立てを有するピアノの機能を損なうことなく、視認性がよい場所に表示画面を配置することができるピアノを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載のピアノは、筐体と、
棚板上に回動自在に支持される鍵を複数並設した鍵盤と、
前記筐体内部の前方側に配置され、前記鍵の動作に応じて打弦する打弦機構と、
前記鍵盤の上方側において前記鍵盤を構成する鍵が並設される方向に延在し、前記筐体に対して使用位置と収納位置との間で回動可能に支持される譜面立てとを備えるピアノにおいて、
前記譜面立てに対して前記鍵の並設方向のいずれか側に隣り合う位置に配置される表示装置であって、前記鍵盤の上方側において当該並設方向に対して前記筐体の範囲内に表示画面が位置する表示装置を有する表示装置と、
ユーザに操作される操作パネルを有し、ユーザによる前記操作パネルの操作に応じて、データを入力するデータ入力手段と、
前記データ入力手段から入力されるデータに基づいて、前記表示装置に表示すべき内容に応じた映像信号を送出する映像信号処理手段と
を具備し、
前記データ入力手段は、前記操作パネルが露出するように前記棚板内部に埋め込まれている
ことを特徴としている。
【0009】
また、請求項2に記載のピアノは、筐体と、
棚板上に回動自在に支持される鍵を複数並設した鍵盤と、
前記筐体内部の前方側に配置され、前記鍵の動作に応じて打弦する打弦機構と、
前記鍵盤の上方側において前記鍵盤を構成する鍵が並設される方向に延在し、前記筐体に対して使用位置と収納位置との間で回動可能に支持される譜面立てとを備えるピアノにおいて、
前記譜面立てに対して前記鍵の並設方向のいずれか側に隣り合う位置に配置される表示装置であって、前記鍵盤の上方側において当該並設方向に対して前記筐体の範囲内に表示画面が位置する表示装置と、
ユーザに操作される操作パネルを有し、ユーザによる前記操作パネルの操作に応じて、データを入力するデータ入力手段と、
前記データ入力手段から入力されるデータに基づいて、前記表示装置に表示すべき内容に応じた映像信号を送出する映像信号処理手段と
を具備し、
前記データ入力手段は、前記棚板内部と、前記棚板から突出した位置との間で移動可能になされている
ことを特徴としている。
【0010】
また、請求項3に記載のピアノは、請求項1または2に記載のピアノにおいて、
前記映像信号処理手段からの映像信号を受け取って前記表示装置の表示内容を制御するための制御信号を前記表示装置に送出する制御基板をさらに具備し、
前記筐体は、前記打弦機構が配置された部分の上方側に筐体本体に対して開閉可能に設けられるカバー部を有しており、
前記譜面立ては、前記カバー部の上面に回動自在に支持されており、
前記カバー部の下面には、前記制御基板が設けられていることを特徴としている。
【0011】
また、請求項4に記載のピアノは、請求項1ないし3のいずれかに記載のピアノにおいて、
前記棚板の上面には、前記データ入力手段と前記映像処理手段を接続する信号線が挿通させられる溝が形成されていることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
まず、図1は本発明の一実施形態に係るグランドピアノの鍵盤付近を示す側断面図である。本実施形態に係るグランドピアノのアクション機構や共鳴機構などは、従来の一般的なグランドピアノのアクション機構や共鳴機構と同様であるため、主要部のみ説明し、異なる箇所については詳述する。
【0013】
図1に示すように、棚板231の上方には、筬233が載置されており、筬233の上方には、鍵234が支持されている。鍵234は、筬233に突設されたバランスピン235を介して回動自在になされており、演奏者が図における左側である前端部を押し下げて演奏するようになっている。このような鍵234が図の紙面垂直方向である左右方向に並設され、鍵盤221が構成されている。
【0014】
筬233の上方には、鍵234と同数のハンマアクション機構236が併設されており、鍵234が回動すると、ハンマアクション機構236が作動し、そのハンマ237が図示せぬ弦を打弦して楽音を発生させるようになっている。
【0015】
このハンマアクション機構236の奥側には、弦を押さえるダンパー機構238が設けられている。符号239は、鍵盤の全長に亘って延在するダンパレールである。このダンパレール239には、ダンパーレバーフレンジ240を介して、前後方向に延びるダンパーレバー241の一端が回動自在にピン結合されている。ダンパーレバー241の自由端部である前端部には、ダンパブロック242が回動自在に取り付けられ、このダンパブロック242には、上方に延びるダンパワイヤ243が取り付けられている。
【0016】
このダンパワイヤ243の上方に、弦を上から押さえる図示せぬダンパが取り付けられている。ハンマアクション機構236によれば、回動された鍵234の後端部によりダンパーレバーフレンジ240が突き上げられ、ハンマ237が弦を打撃する直前に、ダンパが弦から上に離れるようになっている。これにより、押下されていない鍵234に対応する弦の共振が防がれる。
【0017】
ここで、図2〜図5は、本実施形態に係るグランドピアノの外観を示す。これらの図に示すように、このグランドピアノは、上述したハンマアクション機構236やハンマアクション機構236等が内部に配置される外郭曲練り側板(筐体本体)20を有している。外郭曲練り側板20内部には、上述した各機構に加え、弦を張設する駒や、この駒を支持する共鳴板等が配置されており、これにより鍵234の押下操作により発生する楽音を共鳴させることができる。なお、これらの共鳴機構は、従来のグランドピアノと同様である。
【0018】
外郭曲練り側板20の一端部20aには、屋根後21が回動自在に支持されている。この屋根後21を回動させることにより、外郭曲練り側板20の上部を開閉することができるようになっている。また、屋根後前部21を開放状態で支持するための突上棒23が設けられている。
【0019】
また、外郭曲練り側板20の前方側には、前部カバー25が設けられている。前部カバー25は、外郭曲練り側板20の開放した上部における屋根後21よりも前方側を覆うように設けられており、外郭曲練り側板20の左右両端に支持された軸26によって回動自在(図4中矢印方向)になされている。そして、図4中実線で示す閉じた位置と、図中一点鎖線で示す開放位置との間で移動可能になされている。
【0020】
前部カバー25の上面には、譜面立て40と液晶表示装置41が設けられ、譜面立て40の前側に譜面立て40に立てた譜面が滑り落ちないようにするための出っ張りまたは溝でなる滑り止め部42が設けられている。
譜面立て40は前部カバー25の左右方向にわたって延在して配置され、前部カバー25に対して回動自在に支持されている。
液晶表示装置41は、譜面立て40の演奏者側からみた右側に配置され、譜面立て40と同様に前部カバー25に対して回動自在に支持されている。
従って、譜面立て40と液晶表示装置41は、それぞれ前部カバー25に対して図示のように立てられた位置(使用時の位置)と、前部カバー25に対して沿って倒された位置(収納位置)との間で回動することができるようになっている。つまり、譜面立て40と液晶表示装置41は、それぞれ独立して使用位置や収納位置にセットできるようになっている。
これにより、液晶表示装置41を使用する場合のみ、液晶表示装置41を使用時の位置にすることにより、液晶表示装置41を使用しない場合は、液晶表示装置41を収納位置に回動させて、通常のグランドピアノとほぼ同様の外観で譜面立て40を使用することができるようになっている。また、液晶表示装置41と譜面立て40の両方を使用時の位置にすれば、液晶表示装置41の表示画面22と、譜面立て40に立てた譜面の両方を演奏者は見ることができる。
また、液晶表示装置41と譜面立て40の使用時の位置をそれぞれ独立して調整することができるので、演奏者は液晶表示装置41と譜面立て40をもっとも見やすい位置に調整することができる。
【0021】
図6に示すように、このグランドピアノでは、前框251が通常のグランドピアノよりも高い位置まで形成されており、閉止時には、この前框251の上部にクッション材252を介して前部カバー25の前端が配置されるようになっている。前部カバー25の下面には、上記液晶表示装置41の表示を制御するための制御信号を生成する制御回路が設けられた制御基板45が配置されている。この制御基板45と液晶表示装置41が図示せぬ信号線により接続されており、制御基板45から表示内容を制御する制御信号が液晶表示装置41に供給されるようになっている。このように、制御基板45を前部カバー25の下面に設けることにより、液晶表示装置41の構成部品を少なくすることができ、軽量化および薄型化が可能となる。
【0022】
前部カバー25は、外郭曲練り側板20の開放した上部を覆うことができるので、埃などの外郭曲練り側板20内部への侵入を防止することができる。一方、メンテナンス時等には、前部カバー25を回動させるといった簡単な操作で開放状態とすることができ、前部カバー25の下方に配置されるチューニングピンやハンマアクション機構などを容易に調整することができる。従来のグランドピアノでは、この前部カバー25が覆う部分を屋根後21に回動自在に設けられた屋根前が覆うようになっていた。このため、従来のグランドピアノの演奏時には、屋根前は開放した状態となっているが、このグランドピアノでは、演奏時にも前部カバー25を閉じることができ、その下方に配置されるアクション機構にほこりなどが侵入することを低減できる。また、前部カバー25は演奏時にも閉じることができるので、メトロノームなどのものを載置するスペースを従来のグランドピアノよりも大きくすることができる。また、従来のグランドピアノでは、屋根前と、譜面立て40を支持するための譜面台を別に設ける必要があったが、このグランドピアノでは、この前部カバー25が譜面立て40と液晶表示装置41を支持することができるので、部品数を削減することができる。
【0023】
なお、直線形状の前部カバー25に代えて、図7に示すように、通常のグランドピアノと同様の高さを有する前框251を用い、断面が湾曲した形状の前部カバーを用いるようにしてもよい。
【0024】
図1〜図3に示すように、棚板231の内部には操作コントローラ部(データ入力手段)50が埋め込まれており、棚板231の表面にこの操作コントローラ部50の操作パネル51が露出するようになっている。操作パネル51には、使用者が操作するボタンやつまみに加え、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)などの記録媒体を挿入するための挿入口が設けられている。このように、操作コントローラ部50を棚板231の内部に埋め込むことにより、通常のグランドピアノの外観とほとんど変わらなくすることができる。
【0025】
ところで、液晶表示装置41としてタッチパネル型のものを採用し、このタッチパネルで操作を行うことも考えられるが、本実施形態のように操作コントローラ部50を棚板231に埋め込むようにすれば演奏者により近い位置にボタン等の操作部が配置されることになり、操作性が向上する。
【0026】
次に、このグランドピアノに内蔵された液晶表示装置41の表示画面22の表示を制御する制御システムについて図8を用いて説明する。同図に示すように、この制御システムは、表示画面22と、操作コントローラ部50と、前部カバー25の下面に配置される制御基板45に設けられた制御回路52と、データ処理部(映像信号処理手段)53とを備えている。
【0027】
操作コントローラ部50は、使用者による操作パネル51のボタン操作などに応じて入力データを生成し、データ処理部53に送出する。また、操作コントローラ部50は、CD−ROMやフロッピーディスクなどの記録媒体に記録されたデータを読み取り、データ処理部53に送出する。
【0028】
データ処理部53は、CPU(中央演算処理装置)などから構成され、データ処理部53から入力されるデータに応じて各種処理を実行し、液晶表示装置41の表示画面22に表示すべき映像に応じた映像信号を制御回路52に送出する。ここで、データ処理部53は、小型化が可能であれば、上記操作コントローラ部50と同様に棚板231内に埋め込むようにしてもよいし、様々な機能を備えるやや大型のもの、例えばパーソナルコンピュータ等であれば、このグランドピアノの外郭曲練り側板20内部に配置するようにしてもよい。例えば、グランドピアノの2つの支柱の間に保持するようにすればよい。この場合、図9および図10に示すように、棚板231の上面にピアノの前方から後方に伸びる溝90を形成し、操作コントローラ部50(一般のパーソナルコンピュータのキーボードなどでもよい)とデータ処理部53とを接続するケーブル91(信号線)を溝90に挿通させるようにすればよい。このようにすると、操作コントローラ部50とデータ処理部53とを接続するケーブル91が外部に露出しないので外観上好ましい。また、このグランドピアノが棚板231上の筬233を左右方向に移動させるシフトペダルを有している場合にも、ケーブル91が棚板231の上面に露出しないのでこの移動動作の妨げとならない。
【0029】
図8に戻り、制御回路52は、データ処理部53から入力される映像信号を受け取って、液晶表示装置41を駆動する駆動回路に制御信号を送出し、これにより液晶表示装置41が駆動され、表示画面22に映像信号に応じた、例えば曲の楽音パラメータ等の表示がなされる。
なお、本実施形態においては、図示はしないが、ハンマーの打弦を阻止する消音機構、および鍵234、ハンマーまたは両者の動作を検出するセンサ、このセンサの検出結果に応じて楽音を電子的に発生する電子音源、鍵234を駆動するソレノイド等を有しており、通常演奏(演奏者の押鍵による演奏)、消音演奏(消音機構による打弦阻止)および自動演奏(ソレノイドによる鍵駆動)が可能となっている。そして、これらの構成も上記操作コントローラ部50の操作に応じて制御されるようになっているとともに、上記液晶表示装置41の表示画面22にこれらの制御等に対応する情報が表示されるようになっている。
【0030】
本実施形態に係るグランドピアノでは、譜面立て40の横に液晶表示装置41を配置したので、譜面立て40の機能を損なうことがない。また、液晶表示装置41は、鍵盤221の上方である演奏者の視線の真正面に配置されているので、視認性も優れている。
また、演奏者は、譜面立て40に譜面を載置して使用するのと同時に、液晶表示装置41の表示画面22の表示を参照することができる。
【0031】
また、譜面を載置しない場合には、譜面立て40のみを収納位置に倒しておくことも可能であり、一方、液晶表示装置41を使用しない場合には、液晶表示装置41のみを収納位置に倒しておくといったことも可能である。例えば、図11に示すように、2つのグランドピアノG1,G2を対向配置して2人の演奏者A,Bが連弾するような場合には、互いの演奏者の顔が見えるように液晶表示装置41のみを倒して収納するといったことが可能となる。仮に、ピアノのほぼ左右方向の全域にわたって延在する単一部材からなる譜面立てに液晶表示画面を設けた場合、譜面立てが左右方向に長く延在しているので、譜面の載置と表示画面の参照を同時に行える。しかし、譜面立てが左右方向に長いため、上述したような連弾時には互いの演奏者の顔が見えなくなってしまう。しかし、本実施形態に係るグランドピアノでは、上述したように液晶表示装置41を倒せば、このような問題を解消することができる。また、上述した単一部材の液晶内蔵譜面立ての場合、液晶表示装置が故障すると、液晶表示装置を内蔵した譜面立てを取り外さなくてはならない場合もある。この間、譜面を載置する場所がなくなってしまうが、本実施形態に係るグランドピアノでは、液晶表示装置41が故障して取り外しが必要となった場合にも、液晶表示装置41のみを取り外せばよいので、上記のような問題は生じない。
【0032】
なお、上述した実施形態では、液晶表示装置41が演奏者側からみて譜面立て40の右側に配置されるようになっていたが、これに限らず、譜面立て40の左側に配置するようにしてもよい。
【0033】
また、上述した実施形態では、操作コントローラ部50を棚板231に埋め込むようにしていたが、図12および図13に示すように、操作コントローラ部50を棚板231の内部と棚板231から突出した位置との間で移動可能に設けるようにしてもよい。図12に示すように、この変形例における操作コントローラ部50を格納した状態では、操作コントローラ部50が棚板231に形成された格納孔120内に収納されている。
【0034】
そして、図示せぬボタン等が押下されると、図13に示すように、操作コントローラ部50が棚板231の格納孔120内から手前側にスライドしてくるようになっている。これにより、ボタンやCD−ROM等の挿入口が配置された操作パネル51が露出し、使用者が様々な操作を行うことができるようになっている。なお、上述した操作コントローラ部50のスライド機構の駆動構成は、上述したボタンの押下等により自動的に行うものであってもよいし、手動で行うものであってもよい。
【0035】
ここで、操作コントローラ部50の表面部130を棚板231と同色に塗装すれば、操作コントローラ部50格納時には、外観を通常のグランドピアノとほとんど変わらなくすることができる。一方、使用時には、操作コントローラ部50を演奏者側にスライドさせることになる。従って、上述した実施形態のように操作パネル51の上下方向の長さを棚板231の高さ以下に抑える必要がなくなり、より大きな面積の操作パネル51を採用することができ、操作性を向上させることができる。
【0036】
また、このように操作コントローラ部50を棚板231から手前側にスライドさせる構造に限らず、例えば、棚板231下面から操作コントローラ部50を下方側にスライドさせて、棚板231から突出して露出する位置に操作コントローラ部50を移動させるようにしてもよい。
【0037】
さらに、図14に示すように、上述した実施形態における液晶表示装置41または液晶表示装置41および譜面立て40をそれぞれ左右方向にスライド可能にしてもよい。
液晶表示装置41と譜面立て40のそれぞれを左右方向にスライド可能にする場合、液晶表示装置41および譜面立て40をそれぞれスライド支持するスライド支持機構41a、41bの位置を前後させて、液晶表示装置41および譜面立て40をそれぞれグランドピアノの左右ほぼ全域にわたってスライドできるようにすればよい。このようにすれば、液晶表示装置41の表示内容を参照する場合には、液晶表示装置41をこのピアノの中央部などの見やすい位置に移動させればよい。一方、譜面を使用する場合には、譜面立て40をピアノの中央部などの見やすい位置に移動すればよい。
また、支持機構を液晶表示装置41、譜面立て40に対して共通に1つだけ設けるようにしてもよい。この場合、液晶表示装置41と譜面立て40を連結・離脱可能な連結部材等を使用すれば、液晶表示装置41、譜面立て40を連動させてスライドさせたり、各々独立してスライドさせたりすることができる。
【0038】
また、図15及び図16に示すように、液晶表示装置41については垂直および水平方向に首振り可能に支持してもよい。
この場合、図17(a)、(b)、(c)に示すように、前部カバー25の上面に支持部材335を設け、この支持部材335に液晶表示装置41を支持し、この支持部材335を垂直方向を軸方向とする回動軸336により前部カバー25に対して回動自在に支持するとともに、液晶表示装置41を水平方向を軸方向とする回動軸337により支持部材335に対して回動自在に支持する方法などを適用することができる。
このようにすれば、演奏者は、液晶表示装置41の水平および垂直方向の角度を調整することが可能となり、表示画面22と譜面立て40の向きを異ならせて、表示画面22の視認性がよくなるように液晶表示装置41の位置を細かく調整することが可能となる。
【0039】
また、前部カバー25は、上述した実施形態において説明したものに限らず、図17に示すような形状のものを用いるようにしてもよい。同図に示すように、この前部カバー25は断面L字状であり、カバー部25bとその後端側から上方に屈曲した支持部25aとを有している。そして、この支持部25aが軸26に軸支されている。ここで、図示のように前部カバー25は屋根後21よりも低い位置に配置されることになるため、カバー部25bの上面に上下方向に伸びる支持部材355を設け、譜面立て40と液晶表示装置41を高い位置で支持するようにしている。これにより、上記実施形態と同様の高さで譜面立て40と液晶表示装置41を支持することが可能となり、視認性を損なうことがない。また、上述したように通常のグランドピアノの前框251は、屋根後21よりも低い位置にあるが、このようなL字状の前部カバー25を設けることにより、従来のグランドピアノの前框251の高さを変更するといった改良を行うことなく、前部カバー25を通常のグランドピアノに後から取り付けることが可能となる。
【0040】
上述した実施形態においては、液晶表示装置を使用する場合について述べたが、様々な表示装置を適用することができる。
また、上述した実施形態においては、本発明をグランドピアノに適用した場合について述べたが、アップライトピアノに適用することができる。
なお、液晶表示装置41と譜面立て40の形状は、それぞれ様々な形状を適用することができ、また滑り止め部42がなくてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、通常の譜面立てを有するピアノの機能を損なうことなく、視認性がよい場所に表示画面を配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るグランドピアノのアクション機構の構成を示す側断面図である。
【図2】 前記グランドピアノの外観を示す斜視図である。
【図3】 前記グランドピアノの外観を示す正面図である。
【図4】 前記グランドピアノの外観を示す側面図である。
【図5】 前記グランドピアノの外観を示す平面図である。
【図6】 前記グランドピアノの構成要素であるカバー部付近の構成を示す側断面図である。
【図7】 前記カバー部の変形例を示す側断面図である。
【図8】 前記グランドピアノの制御システムの構成を示すブロック図である。
【図9】 前記制御システムの構成要素である操作コントローラ部の棚板への組み込み構造を示す側断面図である。
【図10】 前記制御システムの構成要素である操作コントローラ部の棚板への組み込み構造を示す平断面図である。
【図11】 2つの前記グランドピアノで連弾する様子を示す図である。
【図12】 前記グランドピアノの変形例における前記操作コントローラ部付近を示す斜視図である。
【図13】 前記操作コントローラ部使用時における前記グランドピアノの変形例における前記操作コントローラ部付近を示す斜視図である。
【図14】 前記グランドピアノの他の変形例の主要部を示す斜視図である。
【図15】 前記グランドピアノのさらに他の変形例の主要部を示す斜視図である。
【図16】 前記グランドピアノのさらに他の変形例を示す上面図である。
【図17】 (a)は前記グランドピアノのさらに他の変形例の構成要素である前部カバー付近を示す側断面図であり、(b)は前記前部カバー付近を示す正面図であり、(c)は前記前部カバー付近を示す平面図である。
【図18】 前記グランドピアノのさらにその他の変形例の構成要素である前部カバー付近を示す側断面図である。
【符号の説明】
20……外郭曲練り側板(筐体本体)、21……屋根後、22……表示画面、25……前部カバー、40……譜面立て、41……液晶表示装置、41a、41b……スライド支持機構、42……滑り止め部、45……制御基板、50……操作コントローラ部、51……操作パネル、52……制御回路、53……データ処理部(映像信号処理手段)、90……溝、91……ケーブル、120……格納孔、130……表面部、221……鍵盤、231……棚板、233……筬、236……ハンマアクション機構
Claims (4)
- 筐体と、
棚板上に回動自在に支持される鍵を複数並設した鍵盤と、
前記筐体内部の前方側に配置され、前記鍵の動作に応じて打弦する打弦機構と、
前記鍵盤の上方側において前記鍵盤を構成する鍵が並設される方向に延在し、前記筐体に対して使用位置と収納位置との間で回動可能に支持される譜面立てとを備えるピアノにおいて、
前記譜面立てに対して前記鍵の並設方向のいずれか側に隣り合う位置に配置される表示装置であって、前記鍵盤の上方側において当該並設方向に対して前記筐体の範囲内に表示画面が位置する表示装置と、
ユーザに操作される操作パネルを有し、ユーザによる前記操作パネルの操作に応じて、データを入力するデータ入力手段と、
前記データ入力手段から入力されるデータに基づいて、前記表示装置に表示すべき内容に応じた映像信号を送出する映像信号処理手段と
を具備し、
前記データ入力手段は、前記操作パネルが露出するように前記棚板内部に埋め込まれている
ことを特徴とするピアノ。 - 筐体と、
棚板上に回動自在に支持される鍵を複数並設した鍵盤と、
前記筐体内部の前方側に配置され、前記鍵の動作に応じて打弦する打弦機構と、
前記鍵盤の上方側において前記鍵盤を構成する鍵が並設される方向に延在し、前記筐体に対して使用位置と収納位置との間で回動可能に支持される譜面立てとを備えるピアノにおいて、
前記譜面立てに対して前記鍵の並設方向のいずれか側に隣り合う位置に配置される表示装置であって、前記鍵盤の上方側において当該並設方向に対して前記筐体の範囲内に表示画面が位置する表示装置と、
ユーザに操作される操作パネルを有し、ユーザによる前記操作パネルの操作に応じて、データを入力するデータ入力手段と、
前記データ入力手段から入力されるデータに基づいて、前記表示装置に表示すべき内容に応じた映像信号を送出する映像信号処理手段と
を具備し、
前記データ入力手段は、前記棚板内部と、前記棚板から突出した位置との間で移動可能になされている
ことを特徴とするピアノ。 - 前記映像信号処理手段からの映像信号を受け取って前記表示装置の表示内容を制御するための制御信号を前記表示装置に送出する制御基板をさらに具備し、
前記筐体は、前記打弦機構が配置された部分の上方側に筐体本体に対して開閉可能に設けられるカバー部を有しており、
前記譜面立ては、前記カバー部の上面に回動自在に支持されており、
前記カバー部の下面には、前記制御基板が設けられている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のピアノ。 - 前記棚板の上面には、前記データ入力手段と前記映像処理手段を接続する信号線が挿通させられる溝が形成されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のピアノ。
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JP11-288711 | 1999-10-08 | ||
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JP2000003957A JP4686804B2 (ja) | 1999-10-08 | 2000-01-12 | ピアノ |
Publications (2)
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