JP4686182B2 - 電池用セパレータ及び製造方法、並びに二次電池 - Google Patents
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Description
基材層と、
当該基材層の少なくとも1つの面に積層された閉塞層とを有する電池用セパレータであって、
前記基材層は、多数の貫通孔を有するとともに、オレフィン系樹脂であるプラスチックAを含有し、かつ、熱膨張性マイクロカプセルを含有せず、
前記閉塞層は、多数の貫通孔を有するとともに、ポリエチレンを含有するプラスチックBと熱膨張性マイクロカプセルとを含有し、
前記閉塞層は、熱膨張性マイクロカプセルをプラスチックB100重量部に対して5重量部以上80重量部以下で含有し、
前記プラスチックBは、前記プラスチックAより低い軟化温度を有し、かつ、熱膨張性マイクロカプセルは、所定温度以上で膨張することを特徴とする。
多数の貫通孔を有するとともにオレフィン系樹脂であるプラスチックAを含有し、かつ、熱膨張性マイクロカプセルを含有しない基材層と、閉塞層とを有する電池用セパレータの製造方法であって、
前記基材層の少なくとも1つの面に、前記プラスチックAより低い軟化温度を有するポリエチレンを含有するプラスチックBと、所定温度以上で膨張する熱膨張性マイクロカプセルと、水溶性物質とを含有する樹脂組成液であって、プラスチックB100重量部に対する熱膨張性マイクロカプセルの配合量が5重量部以上80重量部以下である樹脂組成液を塗布して樹脂層を形成する形成工程と、
前記樹脂層から水溶性物質を溶解させることにより除去して閉塞層を形成する除去工程とを含むことを特徴とする。
基材層2として、多数の貫通孔5を有するとともにオレフィン系樹脂であるプラスチックA4を含有するものを用いる(図4a参照)。一方、樹脂組成液として、オレフィン系樹脂であるプラスチックA4より低い軟化温度を有するポリエチレンを含有するプラスチックB6aと所定温度以上で膨張する発泡剤7aと水溶性物質9とを含有するものを作製する。例えば、プラスチックB6a、発泡剤7a及び水溶性物質9を、水等の溶媒に投入して、スーパーミキサー、リボンブレンダー、V−ブレンダー等の混合機により充分攪拌し均一に分散させて樹脂組成液を調製する。そして、上記樹脂組成液を、基材層2の少なくとも1つの面に塗布して樹脂層10を形成する(図4b参照)。樹脂組成液の塗布の方法としては、例えば、ロールコータ、フローコータ、スプレー、ディッピング、刷毛塗り等が挙げられる。なお、樹脂層10を、プラスチックB6aの軟化温度以上発泡剤7aの膨張開始温度以下の温度で加熱してもよい。
回分法、向流多段法等の一般的な抽出法により、樹脂層10から水溶性物質9を、20℃以上50℃以下の水等を用いて洗浄して除去する(図4c参照)。すなわち、水溶性物質9を溶解させることにより除去することにより、多数の貫通孔8を有するとともにプラスチックB6aと発泡剤7aとを含有する閉塞層3aを形成する。なお、水以外にも、樹脂層10形成後に水溶性物質9を溶解し得るものであり、かつ、樹脂層10形成後にプラスチックB6aを溶解しないものを用いてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例2は、本発明に含まれない。
(1)形成工程
多数の貫通孔を有するとともにポリプロピレンからなる基材層(商品名:NFシート、トクヤマ(株)製;厚さ100μm、空孔率60%)を用いた。一方、水分散型低密度ポリエチレン(商品名:ケミパールM200、三井化学(株)製;固形分40重量%、軟化温度75℃)100gと熱膨張性マイクロカプセル(商品名:マツモトマイクロスフェアーF−80VS、松本油脂製薬(株)製;膨張開始温度150〜160℃、平均粒子径5〜8μm)20gとポリオキシエチレン系アルキルエーテル型界面活性剤(商品名:ノイゲンEA197、第一工業製薬(株)製;固形分50重量%)5gとアクリル酸系アルカリ増粘剤(商品名:ボンコート3750、大日本インキ化学工業(株)製)3gと苛性ソーダ(固形分5重量%)0.3gとをプロペラ式混合機により充分攪拌し均一に分散させて樹脂組成液とした。そして、樹脂組成液を、基材層の1つの面にバーコーターによりWet18g/cm2で塗布して樹脂層を形成した。次に、樹脂層を、5分間130℃で加熱した。
樹脂層からポリオキシエチレン系アルキルエーテル型界面活性剤等を、60分間50℃の水に浸浸して除去した。次に、5分間100〜120℃で乾燥し、実施例1に係る電池用セパレータを得た。
(1)形成工程
多数の貫通孔を有するとともにポリプロピレンからなる基材層(商品名:NFシート)を用いた。一方、加熱溶融したポリエチレン(重量平均分子量Mw300000)100gとポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル10gとをプロペラ式混合機により混合し、さらに水(温度80℃)100gとを混合し、次いで高圧式乳化装置に通し、固形分50〜53重量%の水分散型ポリエチレン(乳化剤使用型)を得た。さらに、水分散型ポリエチレン(乳化剤使用型)100gと炭酸水素ソーダ5gとポリオキシエチレン系アルキルエーテル型界面活性剤(商品名:ノイゲンEA197)5gとアクリル酸系アルカリ増粘剤(商品名:ボンコート3750)3gと苛性ソーダ(固形分5重量%)0.3gとをプロペラ式混合機により充分攪拌し均一に分散させて樹脂組成液とした。そして、樹脂組成液を、基材層の1つの面にバーコーターによりWet18g/cm2で塗布して樹脂層を形成した。次に、樹脂層を、5分間120℃で加熱した。
樹脂層からポリオキシエチレン系アルキルエーテル型界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等を、60分間50℃の水に浸浸して除去した。次に、5分間100〜120℃で乾燥し、実施例2に係る電池用セパレータを得た。
熱膨張性マイクロカプセル20gに代えて、水分散型低密度ポリエチレン50gを使用した以外は、実施例1と同様に行って、比較例1に係る電池用セパレータを得た。
(1)厚さ
電池用セパレータの厚さをダイアルゲージ(ピーコック(株)製)で測定した。その結果を表1に示す。
下記式によって電池用セパレータの空孔率を算出した。その結果を表1に示す。
空孔率=(1−100X/0.95Y)×100[%]
X:電池用セパレータの重さ[g/dm2]
Y:電池用セパレータの厚さ[μm]
JIS−K7127に規定された方法にしたがって、引張試験機((株)島津製作所製)を用いて、25℃、65%RHにて測定した。試料片は測定方向に長さ15cm、幅1.5cm、厚さ0.01cmの短冊状に切り出し、初期引張チャック間距離は10cmとし、引張速度は200mm/分とした。その結果を表1に示す。
JIS P8117に準拠して測定した。測定装置としてB型ガーレーデンソメーター(東洋精機社製)を使用した。空気100ccが通過する時間を測定し通気度(ガーレー値)とした。
2:基材層
3、13:閉塞層
4、6、16:プラスチック
5、8:貫通孔
7:発泡剤
9:水溶性物質
10:樹脂層
17:熱膨張性マイクロカプセル
Claims (9)
- 基材層と、
当該基材層の少なくとも1つの面に積層された閉塞層とを有する電池用セパレータであって、
前記基材層は、多数の貫通孔を有するとともに、オレフィン系樹脂であるプラスチックAを含有し、かつ、熱膨張性マイクロカプセルを含有せず、
前記閉塞層は、多数の貫通孔を有するとともに、ポリエチレンを含有するプラスチックBと熱膨張性マイクロカプセルとを含有し、
前記閉塞層は、熱膨張性マイクロカプセルをプラスチックB100重量部に対して5重量部以上80重量部以下で含有し、
前記プラスチックBは、前記プラスチックAより低い軟化温度を有し、かつ、熱膨張性マイクロカプセルは、所定温度以上で膨張することを特徴とする電池用セパレータ。 - 前記熱膨張性マイクロカプセルの殻成分は、アクリロニトリルを主成分として重合させた熱可塑性樹脂からなり、かつ、前記熱膨張性マイクロカプセルの内部成分は、ノルマルブタン、ノルマルペンタン及びノルマルヘキサンからなる群から選択される少なくとも1つからなる請求項1に記載の電池用セパレータ。
- 前記プラスチックAは、ポリプロピレンを含有する請求項1又は2のいずれかに記載の電池用セパレータ。
- 前記熱膨張性マイクロカプセルの膨張開始温度は、50℃以上200℃以下である請求項1乃至3のいずれかに記載の電池用セパレータ。
- 前記プラスチックBの軟化温度は、50℃以上200℃以下である請求項1乃至4のいずれかに記載の電池用セパレータ。
- 前記閉塞層の厚さは、5μm以上200μm以下である請求項1乃至5のいずれかに記載の電池用セパレータ。
- 前記熱膨張性マイクロカプセルの平均粒子径は、1μm以上20μm以下である請求項1乃至6のいずれかに記載の電池用セパレータ。
- 多数の貫通孔を有するとともにオレフィン系樹脂であるプラスチックAを含有し、かつ、熱膨張性マイクロカプセルを含有しない基材層と、閉塞層とを有する電池用セパレータの製造方法であって、
前記基材層の少なくとも1つの面に、前記プラスチックAより低い軟化温度を有するポリエチレンを含有するプラスチックBと、所定温度以上で膨張する熱膨張性マイクロカプセルと、水溶性物質とを含有する樹脂組成液であって、プラスチックB100重量部に対する熱膨張性マイクロカプセルの配合量が5重量部以上80重量部以下である樹脂組成液を塗布して樹脂層を形成する形成工程と、
前記樹脂層から水溶性物質を溶解させることにより除去して閉塞層を形成する除去工程とを含むことを特徴とする電池用セパレータの製造方法。 - 請求項1乃至7のいずれかに記載の電池用セパレータが用いられた二次電池。
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