JP4686097B2 - ケーブル又は導管の視覚的確認用装置 - Google Patents

Description

【０００１】
本発明は、ケーブル組立体や導管を視覚的に確認することを目的とした装置に関する。より詳細には、本発明の目的は、電気の分野、電子の分野、電話の分野、コンピュータの分野、自動制御の分野等で用いられるリード線、ワイヤー又はケーブルの端部の位置をより簡単に確認することができ、さらに、流体を流すためのリジットな導管やフレキシブルな導管、また、水圧設備、空気圧設備又は他の設備に用いられるリジットな導管やフレキシブルな導管の端部の位置をより簡単に確認することができる装置を提供することにある。
【０００２】
比較的多くのワイヤー、ケーブル又は導管のネットワークを用いる様々な技術分野では、ワイヤー、ケーブル又は導管の一方の端部の位置を知ることによって、同じワイヤー、ケーブル又は導管の他方の端部の位置を確認することができることが実用上の問題を生じさせる。このようなケースは、特に、キャビネットやケース内に収容されたコンピュータ「ジャンパー」線と呼ばれるリード線や、電話の「パッチング」システム、又は、電気ケーブル組立体のワイヤーやケーブルによるものがあり、これらは、データ信号送信ワイヤーや給電ケーブル等である。
【０００３】
より詳細には、コンピュータリンク用の「ジャンパー」キャビネットのようなキャビネットの場合、多くの「ジャンパー」線がアクティブなコンピュータハードウェアとジャンパーパネルとの間を通っているため、リード線の一方の端部を探すために、他方の端部からリード線を、その長さ全体に亘ってたどっていくのは極めて困難である。従って、複数の分配ケーブル組立体が与えられたコネクタと、アクティブなハードウェアアイテムの複数のポートとの間にリンクが形成されている。
【０００４】
ケーブルやリード線の入力及び出力の位置を確認するための現在可能な方法は、以下に挙げる通りである。
最も簡単で最も直接的な方法は、視覚又は触覚による「フィジカル」な追跡である。しかし、この第一の方法は非常に実用的ではなく、多くのリード線が絡まっている場合には間違いの原因になる。
他の方法は、ラベリングアイテムによってケーブルやリード線の両端部にマーキングをすることよりなる。したがって、ケーブル又はリード線の各端部は理論上では確認できるが、（多数のリード線の中から）既に適当な位置にあるリード線の端部の位置を早急に確認するのが困難であることは明らかである。
また、外観の色が異なるものを用いることによってケーブルやリードを識別することも可能であるが、この方法には、十分なオプションがなく、有効な色の最大数は１０のオーダーである。
他の方法は、ケーブルやリード線を外し、それらを外した結果に従って、それらを識別することよりなるが、この方法では、外されたケーブルやリード線が繋がっているシステムの動作を一時的に停止させなければならず、この停止は多くの場合、受け入れられない。
利用可能な技術的なある解決方法は、特別なソフトウェアと特別なデータベースよりなる。しかし、この解決方法は、管理が複雑で、更新がエラーの原因となり、また、非常に高価でもある。
また、自動獲得システムを利用することも可能であるが、この方法は、各ケーブルやリード線に電気伝導体を付加しなければならず、この付加的な伝導体に電気信号が入る時に電磁干渉の原因となる。
【０００５】
米国特許第５６６６４５３号には、リード線やケーブル内に組み込まれた電気伝導体を介して給電される発光ダイオードによって端部の位置を確認するシステムを光ファイバケーブルや光ファイバリード線に設けることが開示されている。この解決方法は、位置確認すべき全てのリード線やケーブルに、電気回路や発光ダイオードのような特別な構成要素を組み込むことを必要とする。従って、このような解決方法は、装備しなければならないケーブルやリード線の数が大量にある場合には、非常に高価になる。加えて、このシステムの電気伝導体は電磁干渉を生じさせる。
【０００６】
最後に、米国特許第５６２５７３５号又はそれに対応するフランス国特許２７２５７９６号には、光ファイバを利用して、光ファイバの端部を正確に連結するために光ファイバの端部の平面の方向を決める光学的解決手段が開示されている。この文献は、ケーブルやリード線の端部の位置を確認したり、識別したりすることを目的としてなく、本発明の目的とは無縁のものである。
【０００７】
本発明の目的は、上述した従来の方法や手段の全ての問題点を排除することにあり、どのような数で、また、どのような設備であっても、リード線、ワイヤー、ケーブル又は導管によって形成されているリンクを切断することなく、従って、連結されたシステムの動作を停止させることなく、電磁干渉やその他の干渉を生じさせることなく、簡単で安価な方法で、リード線、ワイヤー、ケーブル又は導管等の端部を、正確に確認することができる装置を提供することにある。
【０００８】
この目的のために、本発明にケーブル組立体や導管を視覚的に確認するための装置は、各リード線、ワイヤー、ケーブル又は導管の内部又はその上に、前記リード線、ワイヤー、ケーブル又は導管の一方の端部から他方の端部へ伸びる少なくとも一つの光ファイバを備え、その又は各光ファイバの第一の端部が、光照射手段によって照射され得るようにリード線、ワイヤー、ケーブル又は導管の対応する端部の位置で利用可能であり、かつ、この光ファイバの第二の端部が、第一の端部で照射された光を回復することができるように、同じリード線、ワイヤー、ケーブル又は導管の他方の端部で利用可能である。
【０００９】
従って、本発明は、リード線、ワイヤー、ケーブル又は導管の一方の端部で光を照射すると、同じリード線、ワイヤー、ケーブル又は導管の他方の端部に簡単に認識可能な光信号が現れ、それにより、この他方の端部を識別することを可能にする光学的手段を組み込むことを基礎としている。
【００１０】
このような識別装置には多くの利点がある。
第一に、端部を捜すリード線等の長さや軌道がどんなものであっても、また、リード線等の総数がどんな数であっても、間違いを犯す危険なく、早急に、正確に識別することが可能になる。
リード線等の端部の位置の確認は、リード線等を外すことなく行うことができ、従って、連結されたシステムの動作中に電気的又は流体のリンクを切断することはない。
純粋な光信号を用いることで、どのような電磁干渉も生じさせない。
光ファイバが装備されたリード線等は、「万能(universal)」であり得、言い換えれば、特別な色や特注のラベルによって、それらを識別する必要性はなくなり、それにより、提案したシステムはより簡単に、かつ、安価に形成される。
提案したシステムは、リード線上に、付加的な電気伝導体や発光ダイオードのようなアクティブな要素を設けることを必要とせず、そのため簡単化でき、安価にできる。
さらに、装置が完全に「リバーシブル」であり、リード線及びそれらの光ファイバの二つの端部が同じ方法で形成されており、光を二つの端部の一方で照射するか、他方で照射するかは問題ではないので、構造及び使用が簡単である。
提案した装置は、リード線等が接続され得るシステムの修正や改良を必要としない。従って、この装置は、このようなシステムの構成から独立している。
最後に、本発明の必須要件を形成する装置は、その原理上、複雑で効果な電子システムを必要とせず、同時に、（もし必要であれば）、光ファイバ又はファイバによって伝達される光信号を受信して解析することが可能な光電子工学手段の使用に適合性がある。
【００１１】
本発明の好ましい実施例によれば、リード線、ワイヤー、ケーブル又は導管内に組み込まれた光ファイバは、曲げ戻された端部を備える。したがって、各光ファイバの両端部は適当な方向に向けられ、リード線等の両端が接続されたままの状態で、一方では、リード線等の一端に適切に光を照射することを可能にし、他方では、同じリード線等の他端で送られてきた光信号を簡単に見ることを可能にする。
【００１２】
本発明の一実施例では、光ファイバの端部、特に、曲げ戻された端部は、リード線、ワイヤー、ケーブル又は導管の二つの端部に設けられたコネクタ内にはめ込まれている。従って、コンピュータのジャンパーリード線の場合、光ファイバの端部は、規格化されたコネクタ、例えば、このようなリード線の端部に通常用いられる「ＲＪ−４５」型コネクタの内部にはめ込まれる。
【００１３】
前記光ファイバは二本の光りファイバから成り、二本の光ファイバが、リード線、ワイヤー、ケーブル又は導管の内部又はその上に相互に並行に配置され、これら二本の光ファイバの各端部は径方向に対向する向きに曲げ戻される。これにより、リード線等の対応する端部がどのような方向を向いていても、光を照射するため、及び伝達される光を見ることができるようにするための両方のために、二本の光ファイバの少なくとも一方の端部を容易に利用することが可能になる。
【００１４】
光ファイバの端部で光を照射する手段は、電源を提供する本体又はケースを備えた移動可能な附属品の形態で製造することができ、端部に白熱電球又は他の同等の光源が設けられた、好ましくはフレキシブルな細長い要素を有する。有利には、この端部には、さらに、内側へ反射し、リード線、ワイヤー、ケーブル又は導管の光を照射すべき端部を覆うように設計された全体として円錐形の中空端部要素が設けられる。従って、この附属品は、リード線等の端部にフィットされ得、その端部を覆い、その端部に白熱電球から照射された光線の焦点を集め、隣接するリード線やそれらの光ファイバの端部を照射することなく、そのリード線のその端部に配置された光ファイバの端部に光を集中させる。
【００１５】
同時に、同じ設計ではあるが、照射する光の色が異なる二つ又はそれ以上の光照射手段を使用して、二つ又はそれ以上のリード線の端部を、混乱の危険なしに、同時に確認することが考えられる。
【００１６】
有利には、光を照射するための移動可能な附属品は、クランプのような固定手段を備え、それをリード線や他の固定された要素上に固定して、作業中に作業者の手を離したままの状態にしておくことを可能にする。
【００１７】
本発明は、ケーブル組立体又は導管を視覚的に識別するための装置の実施例を示した添付図面を参照する以下の説明によってより明確に理解される。
【００１８】
以下、ジャンパーキャビネット内のコンピュータジャンパーリード線の両端部の位置を確認するための特有の応用例を示した図面を用いて本発明を説明する。
【００１９】
図１は、全体を符号２で示したコンピュータジャンバーキャビネットを非常に概略的に示している。このジャンパーキャビネット２は、アクティブであるか、又は分配目的で用いられるコンピュータハードウェア３，４，５を備え、これらは、通常、多数のジャンパーリード線６を介して相互に連結されている。公知の方法では、各ジャンパーリード線６は、その両端部に、各々、規格化された「ＲＪ−４５」型コネクタのようなコネクタ７及び８を備え、コンピュータハードウェア３，４，５に接続できるようにされている（図２も参照）。
【００２０】
図２〜図４に示すように、各ジャンパーリード線６は、一方のコネクタ７から他方のコネクタ８まで延びる従来の一つ又は複数の電気伝導体９とは別に、少なくとも一つの光ファイバ１０を備え、この光ファイバ１０は、リード線６の一方の端部から他方の端部にかけてリード線６の全長に亘ってのびている。
【００２１】
リード線６の外皮内に配置された光ファイバ１０は、曲げ戻し形状の第一端部１１を備え、この第一端部１１は、リード線６の第一端部のコネクタ７の中に部分的に嵌め込まれている。同様に、光ファイバ１０は、曲げ戻し形状の第二端部１２を備え、この第二短部１２も、リード線６の第二端部のコネクタ８の中に部分的に嵌め込まれている。
【００２２】
従って、第一コネクタ７が設けられたリード線６の端部にある光ファイバ１０の第一曲げ戻し端部１１に面して矢印Ｆで示す光を照射すると、光ファイバ１０の第二曲げ戻し端部１２に、光散乱Ｄが生じる。これにより、たとえリード線６が多数の同じリード線で囲まれていたとしても、間違いを犯すことなく、また、リード線６を切断することなく、光ファイバ１０の第二端部１２の位置は、色付きの光信号になるであろう光信号によって簡単に確認される。
【００２３】
光は、図１に概略的に示し、図３及び図４に詳細に示した全体を符号１３で示す移動可能なアクセサリを用いることによって、リード線６の一端に照射される。光照射用のアクセサリ１３は、本体、即ち、ケース１４を有し、このケース１４は、例えば、一つ又は複数のバッテリ１５から成る電源を収容している。本体１４は、フレキシブルな細長い要素１６によって延長され、この要素１６の自由端には一つ又は複数のバッテリ１５によって給電される小型白熱電球が配置されている。また、フレキシブルな細長い要素１６の自由端には、中空の端部要素１８が設けられている。この端部要素１８は、円錐形であり、長手方向のスリットを有し、コネクタ７に押し付けられ、及び／又はコネクタ７の上におかれ、リード線６の端部の周囲を塞ぎ得る。円錐形端部要素１８は、反射内面を有する。
【００２４】
従って、アクセサリ１３は選択されたリード線６の第一端部上に取り付けられ、次いで、白熱電球１７がつけられ、光ビームが発光され、光ビームが選択された一つのリード線６の光ファイバ１０の端部１１上に集光される。
【００２５】
また、光照射用のアクセサリ１３の本体、即ち、ケース１４は、有利には、図１に示すように、クランプ１９又はその他の固定手段を備え、ケース１４を、リード線６上に、又はジャンパーキャビネット２の一部に一時的に保持することを可能にする。
【００２６】
図５は、本発明による装置の実施例を示している。この実施例では、同じジャンパーリード線６の中に並行になるように二つの光ファイバ１０ａ及び１０ｂが配置されている。第一コネクタ７が設けられているリード線６の一方の端部で、二つの光ファイバ１０ａ及び１０ｂの各端部１１ａ及び１１ｂは、径方向に対向する方向に曲げ戻されている。同様に、第二コネクタ８が設けられたリード線６の他方の端部で、二つの光ファイバ１０ａ及び１０ｂの各端部１２ａ及び１２ｂが径方向に対向する方向に曲げ戻されている。従って、コネクタ７及び８がどのような方向を向いていても、リード線６の二つの端部の各々で、少なくとも一つの光ファイバ端部１１ａ又は１１ｂが光照射のために利用可能になり、少なくとも一つの光ファイバ端部１２ａ又は１２ｂを見ることが可能になり、正確に見分けられる光信号を伝達することが可能になる。
【００２７】
以下の事項は特許請求の範囲で限定した発明の範囲の中にある。
より多くの、又はより少ない光ファイバをリード線の中に、又はリード線の周囲に設けること。
光ファイバ内に光を照射するための他の手段を使用すること。
本発明に係る装置は、全ての種類のリード線、ワイヤー、ケーブル等に適用すること、また、他の流体導管に適用すること。
任意の種類の電気コネクタや流体コネクタによって、これらのリード線を製造すること。
【図面の簡単な説明】
【図１】 コンピュータリンク用「ジャンパー」キャビネットを非常に概略的に示した図である。
【図２】 光ファイバを装備したコンピュータジャンパーリード線を示している。
【図３】 光照射手段及び図２のリード線の端部の斜視図である。
【図４】 図３のＩＶ−ＩＶ線断面図である。
【図５】 本発明による二つの光ファイバを装備したリード線の実施例である。
【符号の説明】
２ ジャンパーキャビネット
３ ハードウェア
４ ハードウェア
５ ハードウェア
６ リード線
７ コネクタ
８ コネクタ
９ 電気伝導体
１０ 光ファイバ
１１ 光ファイバの第一の端部
１２ 光ファイバの第二の端部
１３ アクセサリ
１４ ケース
１５ バッテリ
１６ フレキシブルな細長い要素
１７ 白熱電球
１８ 端部要素
１９ クランプ

Claims (6)

1. 各リード線、ワイヤー、ケーブル又は導管(6)の中又は上に、前記リード線、ワイヤー、ケーブル又は導管の一端(7)から他端(8)までのびる少なくとも一つの光ファイバ(10)を設け、
   前記光ファイバ(10)の第一端部(11)を、リード線、ワイヤー、ケーブル又は導管(6)の対応する端部(7)で、光照射手段(13)によって照射できるように利用可能にし、
   前記光ファイバ(10)の第二端部(12)を、同じリード線、ワイヤー、ケーブル又は導管(6)の他端(8)で、第一端部(7)で照射された光を取り出すことができるように利用可能にし、
   リード線、ワイヤー、ケーブル又は導管(6)に組み込まれた光ファイバ(10)が、曲げ戻し端部(11,12)を備え、
   前記光ファイバ(10)が二つの光ファイバ(10a,10b)から成り、
   二つの光ファイバ(10a,10b)が、リード線、ワイヤー、ケーブル又は導管(6)の中又は上に相互に並行に設けられ、
   これら二つの光ファイバ(10a,10b)の各端部(11a,11b;12a,12b)が径方向に対向する向きに曲げ戻されている
   ことを特徴とするリード線、ワイヤー、ケーブル又は導管の位置を確認するためのケーブル組立体又は導管の視覚的確認用装置。
2. 光ファイバ(10a,10b)の曲げ戻されている端部(11a,11b;12a,12b)が、リード線、ワイヤー、ケーブル又は導管(6)の二つの端部に設けられているコネクタ(7,8)に嵌め込まれている
   ことを特徴とする請求項１に記載のケーブル組立体又は導管の視覚的確認用装置。
3. 光ファイバ(10)の端部で光を照射する手段が、移動可能なアクセサリ(13)の形態で構成され、 前記アクセサリ(13)が、電源(15)を収容する本体、即ち、ケース(14)を備え、 前記ケース(14)が、フレキシブルな細長い要素(16)によって延長され、 前記細長い要素(16)の一端に、白熱電球(17)又は他の光源が配置されている ことを特徴とする請求項１又は２に記載のケーブル組立体又は導管の視覚的確認用装置。
4. 光照射手段を形成する移動可能なアクセサリ(13)の細長い要素(16)が、中空の端部要素(18)を備え、 前記端部要素(18)が、円錐形であり、内面が反射的であり、かつ、光を照射する必要があるリード線、ワイヤー、ケーブル又は導管(6)の一端(7)を覆うように構成されている ことを特徴とする請求項３に記載のケーブル組立体又は導管の視覚的確認用装置。
5. 光照射手段を構成する移動可能なアクセサリ(13)が、クランプ(19)のような固定手段を備え、 該固定手段により、アクセサリ(13)を、リード線(6)又は他の固定要素上に保持可能にした ことを特徴とする請求項３又は４に記載のケーブル組立体又は導管の視覚的確認用装置。
6. 「ジャンパー」ケース又はキャビネット(2)の内部のコンピュータ「ジャンパー」リード線(6)の端部の位置確認のために用いられる ことを特徴とする請求項１〜５の何れか一項に記載のケーブル組立体又は導管の視覚的確認用装置。

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