JP4685499B2 - 弁用の磁気駆動装置 - Google Patents

Description

本発明は、アーマチャーと永久磁石とを含む弁、特に空気圧弁又は液圧弁のための磁気駆動装置に関するものである。

この種の磁気駆動装置は、ドイツ特許出願ＤＥ １０２０７８２８ Ａ１により公知であり、この場合、アーマチャーは分極される。該アーマチャーは輪形磁石形式の永久磁石を含み、該輪形磁石が磁束を案内する２個のリングの間に配置されている。輪形磁石は、アーマチャーの運動方向に対して直角に分極される。
ドイツ特許明細書ＤＥ １９７２２０３１ Ｃ２に示されている磁気・機械式動力システムの場合は、ソレノイドに接触している極性板が、ソレノイドの励起時に上昇する。この場合、磁束は、磁束案内板とソレノイドの軟鉄ポット壁との間に形成される分路エアギャップ内へ部分的に変位する。

本発明の目的は、弁用のコンパクトな磁気駆動装置であって、切り替えが最小化された装置、又は連続使用が可能な装置を得ることである。

この目的を達成するため、冒頭に挙げた種類の磁気駆動装置であって、永久磁石が磁性ペースト又は磁性フォイル（箔）から形成された磁気駆動装置を提案する。本発明は、具体的な形状の永久磁石が実現できる磁性ペースト又はフォイル（箔）ブランクを製造可能であるという知見に基づくものである。要求があれば、複雑な形状すら可能である。したがって、この永久磁石は、個別の要求に合わせた「注文品」として、特に３次元の形状で製造できる。

磁性ペースト又は磁性フォイルで形成された永久磁石は、磁気駆動装置の一部を概して代表することができる。本発明の好適実施例によれば、永久磁石が可動のアーマチャーに一体形成され、固定ソレノイドと協働する。
好適な一設計によれば、アーマチャーは、軸線方向に可動であり、少なくとも第１部材と第２部材とを含み、永久磁石は、軸線方向で第１部材と第２部材との間に配置されている。
第１部材と第２部材とは、好ましくはプレート形状に構成され、第２部材は、直接にソレノイドに対向し、第１部材は、ソレノイドへ向かって軸線方向に延びる延長部を有している。

加えて、この好適実施例では、半径方向の２次ギャップが、軸線方向で第１部材の延長部と第２部材との間に形成されている。
２次ギャップ内には、磁気不導性材料を配置してもよい。
ソレノイド及びアーマチャーの構成部材については、また周辺部材についても（例えばアーマチャーの並進駆動又は回転駆動を考えて）、材料や幾何形状を適当に選択することにより、複数の弁機能が実現できる。
本発明のその他の特徴及び利点は、以下の説明及び図面を参照することで明らかになろう。

本発明による弁用磁気駆動装置の基本構成は、図１から知ることができる。ポット１０は、その中心軸線Ａを中心として同心的に巻き付けられたコイル１２を有し、公知形式でソレノイドを形成している。ポット１０は、中心部分１０ａと壁部１０ｂとで形成されるＥ形断面を有している。中心軸線Ａの方向に可動のアーマチャー１４は、ソレノイドと対向配置されている。アーマチャー１４は、第１部材１６と、直接にソレノイドと対向する第２部材１８とを含んでいる。第１と第２の部材１６，１８は、双方とも事実上プレート形状であり、中心軸線Ａに対し直角に延びている。

永久磁石２０は、２部材１６，１８の間に配置されている。第１部材は、縁部にソレノイド方向へ延びる延長部２２を有し、該延長部がソレノイドと対向している。第２部材１８とソレノイドとの、特に延長部２２とソレノイドとの間のギャップは、作業エアギャップ２４と呼ばれる。２次ギャップ２６と呼ばれる半径方向ギャップは、延長部２２と第２部材１８との間に設けられている。磁気不導性材料、例えばプラスチックリング（図示せず）を、２次ギャップ内に配置してもよい。アーマチャー１４は、ばね部材（図１には示されていない）と結合されており、該ばね部材は、アーマチャー１４をソレノイドから離間させる方向へ付勢する。
永久磁石２０は、ＮｄＦｅＢ粉体を主成分とする磁性ペーストで形成され、該粉体で極めて特殊な磁石形状も実現できる。あるいはまた、永久磁石２０は、また磁性フォイルで形成され、該フォイル（箔）は、特定寸法にカットされる（フォイル−キャスト層）。該磁性フォイルも、同じくＮｄＦｅＢ粉体を主成分として製造される。永久磁石２０は、軸線方向に分極される。

図２は、本発明による磁気駆動装置内の磁束線の流れを示しており、この場合、アーマチャー１４は、非接触位置にあり、ソレノイドには正電流が通電している。この場合、コイル１２によって誘導されるソレノイド磁界が、永久磁石２０の磁界に加えられる。したがって、一方では、磁束は、ポット１０の中心部分１０ａから作業エアギャップ２４を経て第２部材１８を通過し永久磁石２０へと延び、他方、永久磁石２０からは、第２部材１８を通過して２次ギャップ２６を経て第１部材１６の延長部へ通じ、再び作業エアギャップ２４をへてポット１０の壁部１０ｂへと延びている。第１部材１６は、軸線方向で永久磁石２０へ出入する磁束線の「短絡」用である。この磁束経路の結果、アーマチャー１４に対しソレノイドの引力が働く。この引力は、ばね部材の付勢力より、おそらく大であり、したがってアーマチャー１４はソレノイドのほうへ移動して、最終的にはソレノイドに接触する。

図３に示したこの状態では、ソレノイドは通電されていない。作業エアギャップ２４は閉じられ、その結果、磁束線は、直接にポット１０の中心部分１０ａから第２部材１８へ延び、第１部材１６の延長部２２からポット１０の壁部１０内へ延びている。
アーマチャー１４を再びソレノイドから離隔させるには（戻り行程）、ソレノイドに負電流を通電する。すなわち、コイル１２によって誘導される磁界を永久磁石の磁界に向け、それによってアーマチャー１４に反発力を及ぼすようにする。それに対応する磁束線の経路が、図４に示されている。２次ギャップ２６は、再び第２部材１８から第１部材１６の延長部２２への磁束線の通過を可能にし、この場合、永久磁石２０の磁気閉回路が形成される。
２次ギャップ２６の寸法は、２次ギャップ２６内に材料を配置することで確実に一定に維持される。

図５ａ−図５ｄには、本発明による磁気駆動装置の４つの異なる変化形が略示され、それらの装置の特徴は、次の表に記載のとおりである：

図６は、本発明による磁気駆動装置を流体弁に使用した場合の図である。弁体３０は、ばね部材２８（この場合は形ばね）によって付勢され、弁座を閉じている。弁座は、圧力接続部Ｐと動作接続部Ａとの間に形成され、シール３４を有している。弁体３０は、磁気駆動装置のアーマチャー１４に結合されており、ソレノイドに正電流が通電されると、アーマチャーが上昇し、弁座３２が開放される。もとの位置へは、ばね部材２８の力だけで戻されるか、又は負電流をソレノイドへ通電して補助することで戻される。

本発明による磁気駆動装置の基本構成を示す断面図。（実施例１） 本発明による磁気駆動装置の磁束線を示す図。この場合、アーマチャーは非接触位置にあり、ソレノイドには正電流が通電されている。 アーマチャーが接触位置にあり、ソレノイドが非通電状態の場合の磁束線を示す図。 アーマチャーが接触位置にあり、ソレノイドが負電流を通電された場合の磁束線を示す図。 本発明による磁気駆動装置の変化形を略示した図。（実施例２−４） 本発明による磁気駆動装置の変化形を略示した図。（実施例２−４） 本発明による磁気駆動装置の変化形を略示した図。（実施例２−４） 本発明による磁気駆動装置の変化形を略示した図。（実施例２−４） 本発明による磁気駆動装置を備えた弁の断面図。

符号の説明

１０ ポット
１０ａ ポットの中心部分
１０ｂ ポットの壁部
１２ コイル
１４ アーマチャー
１６ アーマチャーの第１部材
１８ アーマチャーの第２部材
２０ 永久磁石
２２ 延長部
２４ 作業エアギャップ
２６ ２次ギャップ
３０ 弁体
３２ 弁座

Claims (4)

1. 弁用、特に空気圧弁又は液圧弁用の磁気駆動装置であって、該駆動装置が可動のアーマチャー（１４）と永久磁石（２０）とを含む形式のものにおいて、
   前記永久磁石（２０）が磁気ペースト又は磁気フォイルにより形成され、
   前記永久磁石（２０）が、可動のアーマチャー（１４）と一体形成されており、固定ソレノイドと協働し、
   前記アーマチャー（１４）が軸線方向に可動であり、少なくとも第１部材（１６）と第２部材（１８）とを含み、前記永久磁石（２０）が、軸線方向で第１部材（１６）と第２部材（１８）との間に配置され、
   前記第１と第２の部材（１６，１８）がプレート形状に構成され、前記第２部材（１８）がソレノイドに直接に対向しており、前記第１部材（１６）が、軸線方向でソレノイドに向かって延びる延長部（２２）を有し、
   半径方向の２次ギャップ（２６）が、軸線方向に対して第１部材（１６）の延長部（２２）と第２部材（１８）との間に形成されている、磁気駆動装置。
2. 磁気不導性材料が２次ギャップ（２６）内に配置されている、請求項１に記載された磁気駆動装置。
3. 前記永久磁石（２０）がＮｄＦｅＢ粉体を主成分として製造されている、請求項１又は請求項２に記載された磁気駆動装置。
4. 前記アーマチャー（１４）が、ばね部材（２８）によりソレノイドから離隔する方向へ付勢されている、請求項１から請求項３までのいずれか１項に記載された磁気駆動装置。

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