JP4685471B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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本発明は、自動車に搭載される電動パワーステアリング装置に関し、特に操舵トルクの制御に関する。
電動パワーステアリング装置の操舵トルク制御は、基本的にステアリングホイールを操舵したときに、ステアリングシャフトに加わる操舵トルクに応じた補助力をモータから操舵機構に与え、操舵力を補助するものである。
例えば、特許文献1に開示された電動パワーステアリング装置では、検出した操舵トルクと車速に基づいて目標電流値が求められ、モータに流れるモータ電流値をフィードバックして目標電流値とモータ電流値の差を0にする制御、すなわちモータ電流値を目標電流値に近づけるように電流フィードバック制御を行っている。
特開平06−239249号公報
このように従来は、モータ電流のみを制御媒体として電流フィードバック制御を行っているので、モータ自体のフリクションやトルク特性のバラツキおよびモータからの動力伝達系のフリクションなどの個々のバラツキの影響は吸収できず、その影響により操舵フィーリングが変化して安定しない。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、モータ特性や動力伝達系のフリクションなどの影響を吸収して安定した操舵フィーリングを得ることができる電動パワーステアリング装置を供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、アシストモータの駆動力がステアリング操舵力を補助する電動パワーステアリング装置において、操舵トルクを検出するトルクセンサと、車速を検出する車速センサと、ステアリングの舵角を検出する舵角検出手段と、前記舵角検出手段が検出した舵角からステアリングの角速度を算出する角速度演算手段と、前記トルクセンサにより検出された操舵トルクと前記車速センサにより検出された車速と前記舵角検出手段により検出された舵角に基づき目標角速度を演算し設定する目標角速度設定処理手段と、前記目標角速度設定処理手段により設定された目標角速度と前記角速度演算手段により算出される角速度との差が0となるようにアシストモータを駆動制御する角速度フィードバック制御手段とを備え、
前記目標角速度設定処理手段が、予め車速が0の条件で設定した操舵トルクに対する目標角速度の基本的な対応関係である基本ベース目標角速度特性を記憶する基本ベース目標角速度特性記憶手段と、前記舵角検出手段により検出された舵角を車速に応じた舵角に修正する修正舵角算出手段と、前記車速センサにより検出された車速および前記修正舵角算出手段により修正された修正舵角に適応するように前記基本ベース目標角速度特性記憶手段が記憶する基本ベース目標角速度特性を変更するベース目標角速度特性変更手段と、
前記トルクセンサにより検出された操舵トルクを前記ベース目標角速度特性変更手段により変更されたベース目標角速度特性に照らしてベース目標角速度を検索するベース目標角速度検索手段と、前記ベース目標角速度検索手段により検索されたベース目標角速度を車速に応じた目標角速度に修正する目標角速度算出手段とを備えた電動パワーステアリング装置とした。
請求項2記載の発明は、
前記角速度フィードバック制御手段が、請求項1記載の電動パワーステアリング装置において、前記目標角速度設定処理手段により設定された目標角速度と前記角速度演算手段により算出された角速度との差が0となるように目標電流値を演算し、前記目標電流値と前記アシストモータを流れるモータ電流値との差が0となるようにアシストモータを駆動制御する電流フィードバック制御手段を備えていることを特徴とする。
請求項1記載の電動パワーステアリング装置によれば、目標角速度設定処理手段により操舵トルクと車速と舵角に基づき目標角速度が演算され、角速度フィードバック制御手段によりこの目標角速度と角速度の差が0となるようにアシストモータを駆動制御するので、フィードバック制御の媒体とされるステアリングの角速度にはモータや動力伝達系のフリクションや特性のバラツキを包含しているため、角速度フィードバック制御手段はこれらの個々のバラツキの影響を吸収して安定した操舵フィーリングを得ることができる。
そして、目標角速度設定処理手段が、基本となる操舵トルクに対するステアリングの角速度の対応関係である基本ベース目標角速度特性を記憶する基本ベース目標角速度特性記憶手段を備え、車速と車速に応じた修正舵角に適応するように基本ベース目標角速度特性を変更し、変更したベース目標角速度特性に操舵トルクを照らしてベース目標角速度を検索し、ベース目標角速度を車速と舵角に応じた目標角速度に修正するので、この目標角速度に従ってアシストモータを角速度フィードバック制御することができ、モータや動力伝達系のフリクションや特性のバラツキの影響を吸収して安定した操舵フィーリングを得ることが容易にできる。
請求項2記載の電動パワーステアリング装置によれば、目標角速度と角速度との差が0となるように目標電流値を演算し、電流フィードバック制御手段により目標電流値とモータ電流値との差が0となるようにアシストモータを駆動制御するので、アシストモータ自体もモータ電流が目標電流値になるように効率良くフィードバック制御されてアシストモータの安定した駆動制御ができる。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図13に基づいて説明する。
本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置1の全体の概略後面図を図1に示す。
電動パワーステアリング装置1は、車両の左右方向(図1における左右方向に一致)に指向した略円筒状のラックハウジング2内にラック軸3が左右軸方向に摺動自在に収容されている。
ラックハウジング2の両端開口から突出したラック軸3の両端部にそれぞれジョイントを介してタイロッドが連結され、ラック軸3の移動によりタイロッドが動かされ、さらに転舵機構を介して車両の転舵輪が転舵される。
ラックハウジング2の右端部にステアリングギヤボックス4が設けられている。
ステアリングギヤボックス4には、ステアリングホイール(図示せず)が一体に取り付けられたステアリング軸にジョイントを介して連結される入力軸5が軸受を介して回動自在に軸支されており、図2に示すように入力軸5はステアリングギヤボックス4内でトーションバー6を介して相対的なねじり可能に操舵ピニオン軸7と連結されている。
この操舵ピニオン軸7のはす歯7aがラック軸3のラック歯3aと噛合している。
したがってステアリングホイールの回動操作により入力軸5に伝達された操舵力は、トーションバー6を介して操舵ピニオン軸7を回動して操舵ピニオン軸7のはす歯7aとラック歯3aの噛合によりラック軸3を左右軸方向に摺動させる。
ラック軸3は、ラックガイドスプリング8に付勢されたラックガイド9により背後から押圧されている。
ステアリングギヤボックス4の上部にはアシストモータMが取り付けられ、アシストモータMの駆動力を減速して操舵ピニオン軸7に伝達するウオーム減速機構10がステアリングギヤボックス4内に構成されている。
ウオーム減速機構10は、操舵ピニオン軸7の上部に嵌着されたウオームホイール11にアシストモータMの駆動軸に同軸に連結されたウオーム12が噛合して構成されている。
アシストモータMの駆動力をこのウオーム減速機構10を介して操舵ピニオン軸7に作用させて操舵を補助する。
なお、アシストモータMには、その回転駆動軸の回転を直接検出するロータリエンコーダ、レゾルバなどの回転角センサ28が設けられている。
ウオーム減速機構10のさらに上方に操舵トルクセンサ20が設けられている。
トーションバー6の捩れをコア21の軸方向の移動に変換し、コア21の移動をコイル22,23のインダクタンス変化に変えて操舵トルクTを検出している。
なお、トーションバー6の捩れを光学的に検出するトルクセンサでもよい。
前記操舵トルクセンサ20が検出する操舵トルクTおよび回転角センサ28が検出する回転数nとともに車速センサ25により検出される車速vに基づいてアシストモータMが駆動制御され、この操舵を補助する操舵トルク制御をコンピュータにより行う操舵トルク制御装置30の概略ブロック図を図3に示す。
操舵トルク制御装置30は、目標角速度設定処理手段31を備えており、同目標角速度設定処理手段31には前記車速センサ25から車速vが入力され、前記操舵トルクセンサ20から操舵トルクTが入力されるとともに、前記回転角センサ28が検出した回転数nに基づき舵角検出手段33が検出したステアリングの舵角θが入力され、目標角速度設定処理手段31はこれら車速v,操舵トルクT,舵角θに基づき予め記憶手段32が記憶する各種特性マップを用いて処理して目標角速度ωmを導き出し設定する。
なお、ステアリング舵角θは、舵角検出手段33により回転数nから求めたが、舵角センサにより直接舵角θを検出してもよい。
目標角速度設定処理手段31が設定した目標角速度ωmは、角速度フィードバック制御手段35に入力される。
一方で、前記舵角検出手段33により検出された舵角θに基づいて角速度演算手段34が舵角θを時間微分して角速度ωを演算している。
角速度フィードバック制御手段35は、このフィードバックされてきた角速度ωを入力し、前記目標角速度設定処理手段31が設定した目標角速度ωmとの差を0にするようなアシスト目標電流Imを演算し、電流フィードバック制御手段36に出力する。
電流フィードバック制御手段36によってこのアシスト目標電流Imとフィードバックしたモータ電流Iとの差を0にするように制御する駆動電流Idが演算されてモータ駆動回路26に出力されて、モータ駆動回路26のPWM制御によってアシストモータMが安定して駆動制御される。
なお、アシストモータMには、モータ電流Iを検出するモータ電流検出装置27が備えられ、モータ電流検出装置27が検出したモータ電流Iを電流フィードバック制御手段36にフィードバックしている。
操舵トルク制御装置30は、以上のように、目標角速度設定処理手段31により求められた目標角速度ωmに基づき角速度フィードバック制御手段35により角速度を媒体としてアシストモータMをフィードバック制御するものである。
ここに、目標角速度設定処理手段31による目標角速度ωmの導出過程において記憶手段32が記憶する各種特性マップが使用されるが、これらは予め最適な特性に設定されて記憶されたものである。
特性マップには、後にそれぞれ説明するが、舵角レシオ特性マップ32a,角速度レシオ特性マップ32b,修正保舵トルク特性マップ32c,シフトトルク特性マップ32d,ベース目標角速度特性マップ32eなどがある。
通常車両が走行中は、操向車輪が路面から受けるセルフアライニングトルクにより自然と舵角を0(中立位置)に近づけようとする復元力が働くので、舵角θに対する操舵トルクTは、切込み操舵時と戻し操舵時とでは、同じ舵角θでも異なり、図5に示すように、ヒステリシスが構成される。
なお、舵角θは、正の値が右舵角(θ>0)、負の値が左舵角(θ<0)を示す。
図5を参照して、ある車速で直進(舵角θ=0)していて右方向に操舵するとき、操舵トルクがTRsとなったところで実際に操舵が開始し、操舵トルクTとともに舵角θが大きくなる切込み操舵曲線に乗る。
そして舵角θで左方向の戻し操舵に入ると、切込み操舵曲線でなく、戻し操舵曲線に移動して操舵トルクTとともに舵角θが小さくなる所謂ヒステリシス曲線が形成されている。
左方向に操舵し戻すときも、同様で対称なヒステリシス曲線が形成されている。
舵角θが0の直進時の舵角θが0に保持される限界のトルクを保舵トルクと称すると、図5に示す車速時は、右方向の操舵による保舵トルクはTRsで、左方向の操舵による保舵トルクはTLsで、この保舵トルクTRs、TLs間のトルクでは舵角θが0に保持される。
車速v=0の停車時において、舵角θ=0に保持される保舵トルクTRo、TLoは、車輪と路面との静止摩擦により最も大きなトルクを示すことになる。
また、図5を参照して、任意の舵角θ´を保持する保舵トルクTRs´、TLs´間は、舵角θ=0のときの保舵トルクTRs、TLs間より狭い間隔となっている。
以上のことをもとに、前記目標角速度設定処理手段31により目標角速度ωmを導出する場合に、基本となる操舵トルクTに対するベース目標角速度ωbの対応関係を予め求め設定しておく。
この基本となる操舵トルクTに対するベース目標角速度ωbの関係である基本ベース目標角速度特性は、車速v=0の停車時にステアリングを据え切りにしたときのもので、図6に示す。
図6は、横軸に操舵トルクTをとり、縦軸にベース目標角速度ωbをとっている。
ここで舵角θ=0の状態から右方向に操舵し操舵トルクTを上げていくと、前記保舵トルクTRoまでは舵角θ=0が維持され、保舵トルクTRoから舵角の角速度が上昇する曲線が設定されている。
この保舵トルクTRoから操舵トルクTに対して上昇する最適な角速度を、ベース目標角速度ωbとして予め求め設定しておく。
この保舵トルクTRo以上の操舵トルクTに対するベース目標角速度ωbの関係を、マップとして記憶するのが、前記ベース目標角速度特性マップ32eであり、図7にベース目標角速度特性曲線として示す。
図7は、操舵トルクTの保舵トルクTRoとのトルク差ΔTを横軸にして、特性曲線の形状は図6に示す曲線と同じである。
図6において、舵角θ=0の状態から左方向に操舵したときの操舵トルクTに対するベース目標角速度ωbの関係は、上記右方向に操舵したときと全く対称の特性曲線を描くものである。
この図6の操舵トルクTに対するベース目標角速度ωbの基本となる関係は、車速v=0の特別の状態におけるもので、実際には車速vと舵角θにより保舵トルクTRo、TLoが移動し、保舵トルクTRo、TLoの移動とともにベース目標角速度特性曲線が横軸方向にシフトした操舵トルクTに対するベース目標角速度ωbの関係(図11参照)を用いて操舵トルクTからベース目標角速度ωbが求められる。
目標角速度設定処理手段31が、車速vと舵角θおよび操舵トルクTから最終的な目標角速度ωmを求める処理を行っており、この処理を行う制御ブロック図を図4に示す。
車速vによって保舵トルクTRo、TLoを修正する修正保舵トルク検索手段41が備えられており、同修正保舵トルク検索手段41は、図8に示す前記記憶手段32が記憶する修正保舵トルク特性マップ32cに照らして修正保舵トルクTRs、TLsを検索する。
図8に示すように、車速vに対して修正保舵トルクTRsは、車速v=0で保舵トルクTRoを示し、走り出して車速vが上がり始めると、保舵トルクは減少してある車速(低速)以上では略一定の値を示す。
したがって、図6に示す保舵トルクTRo、TLoは、車速vが上昇し始めると、ともに小さい修正保舵トルクTRs、TLsとなり、両者間の幅は狭くなり、ベース目標角速度特性曲線も操舵トルクT=0に近づく方向にシフトする。
図5の舵角θに対する操舵トルクTの関係において、修正保舵トルクTRs、TLsは舵角θ=0のときのもので、ある舵角θ´を持つときは、図5に示すように保舵トルクがTRs´、TLs´にシフトする。
この舵角θに対するシフトトルク量を、車速v=0のときに予め求め設定したシフトトルク特性マップ32dが図9に示すものである。
図9(1)が切込み操舵時の切込みシフトトルクTfwを示しており、図9(2)が戻し操舵時の戻しシフトトルクTbwを示している。
切込みシフトトルクTfwおよび戻しシフトトルクTbwは、ともに舵角に応じて上昇する特性を示す。
ただし、横軸の舵角は、車速vにより修正された修正舵角θsであり、同修正舵角θsを用いてシフトトルクを求める。
図10に示すような車速vに対する舵角レシオRθの舵角レシオ特性マップ32aを予め求め設定してあり、舵角レシオ検索手段42がこの舵角レシオ特性マップ32aに照らして車速vから舵角レシオRθを検索し、修正舵角算出手段43が舵角θの絶対値|θ|にこの舵角レシオRθを乗算して修正舵角θs(=|θ|×Rθ)を算出する。
舵角レシオ特性マップ32aは、図10に示すように車速v=0のとき、1.0の値を示し、車速vが上昇するに従い大きい値を示す特性であり、したがって修正舵角θsは舵角θを最低値として車速vが大きくなる程大きい値を示す。
車速vが大きくなると実際の舵角θより大きな修正舵角θsを用いて図9のシフトトルク特性マップ32dからより大きいシフトトルクを求めることになる。
これにより、高車速でのふらつき感を抑制でき、中立付近の操舵力をあまり高くせずに反力感を持たせている。
この修正舵角θsを用いて切込みシフトトルク検索手段44が、図9(1)の切込みシフトトルクマップに照らして切込みシフトトルクTfwを検索し、修正舵角θsを用いて戻しシフトトルク検索手段45が、図9(2)の戻しシフトトルクマップに照らして戻しシフトトルクTbwを検索する。
切込みシフトトルクTfwと戻しシフトトルクTbwが求まると、保舵トルク算出手段46が、先に検索しておいた修正保舵トルクTRs、TLsを、切込みシフトトルクTfwと戻しシフトトルクTbwに基づいてシフトして、実際の車速vで舵角θの走行状態において使用できる保舵トルクTR、TLを算出する。
こうして切込みシフトトルクTfwと戻しシフトトルクTbwによりシフトさせた操舵トルクTとベース目標角速度ωbの関係マップを、図11に示す。
図11(1)は、右操舵時のもので、修正保舵トルクTRs、TLsが右操舵トルク方向にそれぞれ切込みシフトトルクTfwと戻しシフトトルクTbwだけシフトして右方向保舵トルクTR(=TRs+Tfw)、左方向保舵トルクTL(=TLs+Tbw)となっている。
この保舵トルクの移動に伴いベース目標角速度特性曲線も右操舵トルク方向に同じシフトトルクだけ平行にシフトしている。
図11(2)は、左操舵時のもので、修正保舵トルクTRs、TLsが左操舵トルク方向にそれぞれ切込みシフトトルクTfwと戻しシフトトルクTbwだけシフトして右方向保舵トルクTR(=TRs−Tbw)、左方向保舵トルクTL(=TLs−Tfw)となっている。
この保舵トルクの移動に伴いベース目標角速度特性曲線も左操舵トルク方向に同じシフトトルクだけ平行にシフトしている。
この図11に示す車速vと舵角θにおける操舵トルクTとベース目標角速度ωbの関係マップまたは図7に示すベース目標角速度特性マップ32eを用いてベース目標角速度検索手段47により検出操舵トルクTからベース目標角速度ωbが求められる。
すなわち、図11を参照して、操舵トルクセンサ20により検出された操舵トルクTが右方向保舵トルクTRと左方向保舵トルクTL間にある場合(TL<T<TR)は、ベース目標角速度ωb=0であり、操舵トルクTが右方向保舵トルクTRより大きい場合(T≧TR)は、そのトルク差ΔT(=|T−TR|)に応じた右方向のベース目標角速度ωbが図7のベース目標角速度特性マップ32eから求まり、操舵トルクTが左方向保舵トルクTLより小さい場合(T≦TL)は、そのトルク差ΔT(=|T−TL|)に応じた左方向のベース目標角速度ωbがベース目標角速度特性マップ32eから求まる。
ベース目標角速度検索手段47により求められたベース目標角速度ωbは、目標角速度算出手段49により車速vによる修正を受けて最終的な目標角速度ωmが算出される。
図12に示すような車速vに対する角速度レシオRωの角速度レシオ特性マップ32bを予め求めて設定してあり、角速度レシオ検索手段48がこの角速度レシオ特性マップ32bに照らして車速vから角速度レシオRωを検索し、目標角速度算出手段49がベース目標角速度ωbにこの角速度レシオRωを乗算して目標角速度ωm(=ωb×Rω)を算出する。
角速度レシオ特性マップ32bは、図12に示すように車速v=0のとき、1.0の値を示し、車速vが上昇するに従い大きい値を示す特性であり、したがって目標角速度ωmはベース目標角速度ωbを最低値として車速vが大きくなる程大きい値を示す。
車速vが大きい程ステアリングの角速度も大きく速い操舵が求められる。
これにより、高車速での戻り速度と、特に手放し時の戻り速度の向上が図れる。
以上の目標角速度設定処理手段31により設定される目標角速度ωmの算出処理手順を、図13にフローチャートで示している。
同フローチャートに従って改めて順を追って説明する。
まず、ステップ1で舵角検出手段33により検出された舵角θを読込み、ステップ2で操舵トルクセンサ20により検出された操舵トルクTを読込み、さらにステップ3で車速センサ25により検出された車速vを読込む。
次のステップ4で舵角レシオ検索手段42により舵角レシオ特性マップ32a(図10参照)を用いて車速vから舵角レシオRθを検索し、ステップ5で角速度レシオ検索手段48により角速度レシオ特性マップ32b(図12参照)を用いて車速vから角速度レシオRωが検索される。
次のステップ6では、修正保舵トルク検索手段41により修正保舵トルク特性マップ32c(図8参照)を用いて車速vから修正保舵トルクTRs、TLsが検索される。
次のステップ7において、修正舵角算出手段43により舵角θの絶対値に舵角レシオRθを乗算して修正舵角θs(=|θ|×Rθ)が算出される。
そして、ステップ8で、切込みシフトトルク検索手段44および戻しシフトトルク検索手段45によりシフトトルク特性マップ32d(図9参照)を用いて修正舵角θsから切込みシフトトルクTfwと戻しシフトトルクTbwが検索される。
次のステップ9では、舵角θが負の値であるか否か、すなわちステアリングが左転舵状態にあるか否かを判別し、左転舵の場合はステップ12に飛び、右転舵の場合はステップ10に進む。
右転舵でステップ10に進むと、保舵トルク算出手段46により修正保舵トルクTRsに切込みシフトトルクTfwを加算することで右方向保舵トルクTR(=TRs+Tfw)が算出され、次のステップ11で修正保舵トルクTLsに戻しシフトトルクTbwを加算することで左方向保舵トルクTL(=TLs+Tbw)が算出され、ステップ14に進む。
一方、左転舵でステップ12に飛ぶと、保舵トルク算出手段46により修正保舵トルクTRsから戻しシフトトルクTbwを減算することで右方向保舵トルクTR(=TRs−Tbw)が算出され、次のステップ13で修正保舵トルクTLsから切込みシフトトルクTfwを減算することで左方向保舵トルクTL(=TLs−Tfw)が算出され、ステップ14に進む。
ステップ14に進むと、操舵トルクTが右方向保舵トルクTR以上であるか否かが判別され、操舵トルクT≧右方向保舵トルクTRであると、右方向の目標角速度ωmが求められる場合であり、ステップ17に進み、操舵トルクTと右方向保舵トルクTRのトルク差ΔT(=|T−TR|)を算出し、ステップ18で同トルク差ΔTから図7のベース目標角速度特性マップ32eに照らしてベース目標角速度ωbを検索し、ステップ19で同ベース目標角速度ωbに角速度レシオRωを乗算して目標角速度ωm(=ωb×Rω)を算出する。
この目標角速度ωmは右方向の目標角速度である。
先のステップ14で操舵トルクT<右方向保舵トルクTRであると判別されたときは、ステップ15に進み、操舵トルクTが左方向保舵トルクTL以下であるか否かが判別され、操舵トルクT≦左方向保舵トルクTLであると、左方向の目標角速度ωmが求められる場合であり、ステップ20に進み、操舵トルクTと左方向保舵トルクTLとのトルク差ΔT(=|T−TL|)を算出し、ステップ21で同トルク差ΔTから図7のベース目標角速度特性マップ32eに照らしてベース目標角速度ωbを検索し、ステップ22で同ベース目標角速度ωbに角速度レシオRωを乗算して目標角速度ωm(=−ωb×Rω)を算出する。
この目標角速度ωmは左方向の目標角速度である。
先のステップ15で操舵トルクT>左方向保舵トルクTLであると判別されたとき、すなわち左方向保舵トルクTL<操舵トルクT<右方向保舵トルクTRであるときは、ステップ16に進んで、目標角速度ωm=0とする。
このようにして車速v,舵角θ、操舵トルクTのときの目標角速度ωmが求められる。
目標角速度設定処理手段31により求められた目標角速度ωmは、前記したように角速度フィードバック制御手段35に入力され、角速度フィードバック制御手段35は、別途フィードバックされてきた角速度ωが目標角速度ωmに近づくように、両者の差を0にするようなアシスト目標電流Imを演算し、同アシスト目標電流Imに基づいてアシストモータMが駆動制御される。
アシストモータMのフィードバック制御の媒体としているステアリングの角速度ωは、アシストモータMやステアリングギヤボックス4等の動力伝達系のフリクションや特性のバラツキを包含しているので、角速度フィードバック制御手段35による角速度を媒体とするフィードバック制御は、これらフリクション等のバラツキの影響を吸収して違和感のない自然な安定した操舵フィーリングを実現することができる。
以上の実施の形態では角速度フィードバック制御手段35がアシスト目標電流Imを演算し、アシスト目標電流Imをもとに電流のフィードバック制御によりアシストモータMを駆動していたが、この電流フィードバック制御を削除して角速度フィードバック制御手段からの出力を、モータ駆動電圧としてモータ駆動回路に入力し、直接アシストモータMを駆動することも可能である。
本発明の一実施の形態に係る電動パワーステアリング装置の全体の概略後面図である。 ステアリングギヤボックス内の構造を示す断面図である。 操舵トルク制御装置の概略ブロック図である。 目標角速度設定処理手段の制御ブロック図である。 舵角に対する操舵トルクの関係を示す図である。 操舵トルクに対する基本ベース目標角速度特性を示す図である。 ベース目標角速度特性曲線を示す図である。 車速に対する修正保舵トルク特性を示す図である。 ステアリングの切込み時と戻し時の修正舵角に対するシフトトルク特性を示す図である。 車速に対する舵角レシオ特性を示す図である。 右操舵時と左操舵時の操舵トルクに対するベース目標角速度特性を示す図である。 車速に対する角速度レシオ特性を示す図である。 目標角速度設定処理手段による目標角速度の算出処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
M…アシストモータ、1…電動パワーステアリング装置、2…ラックハウジング、3…ラック軸、4…ステアリングギヤボックス、5…入力軸、6…トーションバー、7…操舵ピニオン軸、8…ラックガイドスプリング、9…ラックガイド、10…ウオーム減速機構、11…ウオームホイール、12…ウオーム、
20…操舵トルクセンサ、21…コア、22,23…コイル、25…車速センサ、26…モータ駆動回路、27…モータ電流検出装置、28…回転角センサ、
30…操舵トルク制御装置、31…目標角速度設定処理手段、32…記憶手段、33…舵角検出手段、34…角速度演算手段、35…角速度フィードバック制御手段、36…電流フィードバック制御手段、
41…修正保舵トルク検索手段、42…舵角レシオ検索手段、43…修正舵角算出手段、44…切込みシフトトルク検索手段、45…戻しシフトトルク検索手段、46…保舵トルク算出手段、47…ベース目標角速度検索手段、48…角速度レシオ検索手段、49…目標角速度算出手段。

Claims (2)

  1. アシストモータの駆動力がステアリング操舵力を補助する電動パワーステアリング装置において、
    操舵トルクを検出するトルクセンサと、
    車速を検出する車速センサと、
    ステアリングの舵角を検出する舵角検出手段と、
    前記舵角検出手段が検出した舵角からステアリングの角速度を算出する角速度演算手段と、
    前記トルクセンサにより検出された操舵トルクと前記車速センサにより検出された車速と前記舵角検出手段により検出された舵角に基づき目標角速度を演算し設定する目標角速度設定処理手段と、
    前記目標角速度設定処理手段により設定された目標角速度と前記角速度演算手段により算出される角速度との差が0となるようにアシストモータを駆動制御する角速度フィードバック制御手段とを備え、
    前記目標角速度設定処理手段が、
    予め車速が0の条件で設定した操舵トルクに対する目標角速度の基本的な対応関係である基本ベース目標角速度特性を記憶する基本ベース目標角速度特性記憶手段と、
    前記舵角検出手段により検出された舵角を車速に応じた舵角に修正する修正舵角算出手段と、
    前記車速センサにより検出された車速および前記修正舵角算出手段により修正された修正舵角に適応するように前記基本ベース目標角速度特性記憶手段が記憶する基本ベース目標角速度特性を変更するベース目標角速度特性変更手段と、
    前記トルクセンサにより検出された操舵トルクを前記ベース目標角速度特性変更手段により変更されたベース目標角速度特性に照らしてベース目標角速度を検索するベース目標角速度検索手段と、
    前記ベース目標角速度検索手段により検索されたベース目標角速度を車速に応じた目標角速度に修正する目標角速度算出手段と、
    を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記角速度フィードバック制御手段が、
    前記目標角速度設定処理手段により設定された目標角速度と前記角速度演算手段により算出された角速度との差が0となるように目標電流値を演算し、
    前記目標電流値と前記アシストモータを流れるモータ電流値との差が0となるようにアシストモータを駆動制御する電流フィードバック制御手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
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