JP2006232056A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】操舵トルクTを検出するトルクセンサ20と、車速vを検出する車速センサ25と、ステアリングの舵角θを検出する舵角検出手段33と、舵角検出手段33が検出した舵角θからステアリングの角速度ωを算出する角速度演算手段36を備え、前記操舵トルクTと車速vと舵角検出手段33により検出された舵角θに基づき目標角速度ωmを演算するとともに、目標角速度ωmを、舵角θに応じ且つ特に最大舵角近傍で厳しく制限する角速度リミット係数kにより制限した最終目標角速度ωmfを算出し、算出された最終目標角速度ωmfと前記角速度ωとの差が0となるようにアシストモータMを駆動制御する。
【選択図】図3
Description
本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置1の全体の概略後面図を図1に示す。
ステアリングギヤボックス4には、ステアリングホイール(図示せず)が一体に取り付けられたステアリング軸にジョイントを介して連結される入力軸5が軸受を介して回動自在に軸支されており、図2に示すように入力軸5はステアリングギヤボックス4内でトーションバー6を介して相対的なねじり可能に操舵ピニオン軸7と連結されている。
したがってステアリングホイールの回動操作により入力軸5に伝達された操舵力は、トーションバー6を介して操舵ピニオン軸7を回動して操舵ピニオン軸7のはす歯7aとラック歯3aの噛合によりラック軸3を左右軸方向に摺動させる。
なお、アシストモータMには、その回転駆動軸の回転を直接検出するロータリエンコーダ、レゾルバなどの回転角センサ28が設けられている。
トーションバー6の捩れをコア21の軸方向の移動に変換し、コア21の移動をコイル22,23のインダクタンス変化に変えて操舵トルクTを検出している。
なお、トーションバー6の捩れを光学的に検出するトルクセンサでもよい。
なお、ステアリング舵角θは、舵角検出手段33により回転数nから求めたが、舵角センサにより直接舵角θを検出してもよい。
一方で、前記舵角検出手段33により検出された舵角θに基づいて角速度リミット係数検索手段34が、記憶手段32に記憶された角速度リミット係数特性マップ32fを用いて角速度リミット係数kを検索する。
横軸が舵角θで正の値が右舵角(θ>0)、負の値が左舵角(θ<0)を示し、縦軸が角速度リミット係数kを示す。
なお、アシストモータMには、モータ電流Iを検出するモータ電流検出装置27が備えられ、モータ電流検出装置27が検出したモータ電流Iを電流フィードバック制御手段38にフィードバックしている。
特性マップには、後にそれぞれ説明するが、舵角レシオ特性マップ32a,角速度レシオ特性マップ32b,修正保舵トルク特性マップ32c,シフトトルク特性マップ32d,ベース目標角速度特性マップ32eなどがある。
なお、舵角θは、正の値が右舵角(θ>0)、負の値が左舵角(θ<0)を示す。
左方向に操舵し戻すときも、同様で対称なヒステリシス曲線が形成されている。
また、図5を参照して、任意の舵角θ´を保持する保舵トルクTRs´、TLs´間は、舵角θ=0のときの保舵トルクTRs、TLs間より狭い間隔となっている。
この基本となる操舵トルクTに対するベース目標角速度ωbの関係である基本ベース目標角速度特性は、車速v=0の停車時にステアリングを据え切りにしたときのもので、図6に示す。
ここで舵角θ=0の状態から右方向に操舵し操舵トルクTを上げていくと、前記保舵トルクTRoまでは舵角θ=0が維持され、保舵トルクTRoから舵角の角速度が上昇する曲線が設定されている。
この保舵トルクTRo以上の操舵トルクTに対するベース目標角速度ωbの関係を、マップとして記憶するのが、前記ベース目標角速度特性マップ32eであり、図7にベース目標角速度特性曲線として示す。
図7は、操舵トルクTの保舵トルクTRoとのトルク差ΔTを横軸にして、特性曲線の形状は図6に示す曲線と同じである。
車速vによって保舵トルクTRo、TLoを修正する修正保舵トルク検索手段41が備えられており、同修正保舵トルク検索手段41は、図8に示す前記記憶手段32が記憶する修正保舵トルク特性マップ32cに照らして修正保舵トルクTRs、TLsを検索する。
したがって、図6に示す保舵トルクTRo、TLoは、車速vが上昇し始めると、ともに小さい修正保舵トルクTRs、TLsとなり、両者間の幅は狭くなり、ベース目標角速度特性曲線も操舵トルクT=0に近づく方向にシフトする。
この舵角θに対するシフトトルク量を、車速v=0のときに予め求め設定したシフトトルク特性マップ32dが図9に示すものである。
切込みシフトトルクTfwおよび戻しシフトトルクTbwは、ともに舵角に応じて上昇する特性を示す。
ただし、横軸の舵角は、車速vにより修正された修正舵角θsであり、同修正舵角θsを用いてシフトトルクを求める。
車速vが大きくなると実際の舵角θより大きな修正舵角θsを用いて図9のシフトトルク特性マップ32dからより大きいシフトトルクを求めることになる。
これにより、高車速でのふらつき感を抑制でき、中立付近の操舵力をあまり高くせずに反力感を持たせている。
図11(1)は、右操舵時のもので、修正保舵トルクTRs、TLsが右操舵トルク方向にそれぞれ切込みシフトトルクTfwと戻しシフトトルクTbwだけシフトして右方向保舵トルクTR(=TRs+Tfw)、左方向保舵トルクTL(=TLs+Tbw)となっている。
この保舵トルクの移動に伴いベース目標角速度特性曲線も右操舵トルク方向に同じシフトトルクだけ平行にシフトしている。
この保舵トルクの移動に伴いベース目標角速度特性曲線も左操舵トルク方向に同じシフトトルクだけ平行にシフトしている。
図12に示すような車速vに対する角速度レシオRωの角速度レシオ特性マップ32bを予め求めて設定してあり、角速度レシオ検索手段48がこの角速度レシオ特性マップ32bに照らして車速vから角速度レシオRωを検索し、目標角速度算出手段49がベース目標角速度ωbにこの角速度レシオRωを乗算して目標角速度ωm(=ωb×Rω)を算出する。
車速vが大きい程ステアリングの角速度も大きく速い操舵が求められる。
これにより、高車速での戻り速度と、特に手放し時の戻り速度の向上が図れる。
以上の目標角速度設定処理手段31および目標角速度制限手段35により設定される最終目標角速度ωmfの算出処理手順を、図14にフローチャートで示している。
同フローチャートに従って改めて順を追って説明する。
次のステップ6では、修正保舵トルク検索手段41により修正保舵トルク特性マップ32c(図8参照)を用いて車速vから修正保舵トルクTRs、TLsが検索される。
そして、ステップ8で、切込みシフトトルク検索手段44および戻しシフトトルク検索手段45によりシフトトルク特性マップ32d(図9参照)を用いて修正舵角θsから切込みシフトトルクTfwと戻しシフトトルクTbwが検索される。
この目標角速度ωmは右方向の目標角速度である。
この目標角速度ωmは左方向の目標角速度である。
20…操舵トルクセンサ、21…コア、22,23…コイル、25…車速センサ、26…モータ駆動回路、27…モータ電流検出装置、28…回転角センサ、
30…操舵トルク制御装置、31…目標角速度設定処理手段、32…記憶手段、33…舵角検出手段、34…角速度リミット係数検索手段、35…目標角速度制限手段、36…角速度演算手段、37…角速度フィードバック制御手段、38…電流フィードバック制御手段、
41…修正保舵トルク検索手段、42…舵角レシオ検索手段、43…修正舵角算出手段、44…切込みシフトトルク検索手段、45…戻しシフトトルク検索手段、46…保舵トルク算出手段、47…ベース目標角速度検索手段、48…角速度レシオ検索手段、49…目標角速度算出手段。
Claims (3)
- アシストモータの駆動力がピニオン軸から左右に移動するラックを介して操舵輪に伝達しステアリング操舵力を補助する電動パワーステアリング装置において、
操舵トルクを検出するトルクセンサと、
車速を検出する車速センサと、ステアリングの舵角を検出する舵角検出手段と、
前記舵角検出手段が検出した舵角からステアリングの角速度を算出する角速度演算手段と、
前記トルクセンサにより検出された操舵トルクと前記車速センサにより検出された車速と前記舵角検出手段により検出された舵角に基づき目標角速度を演算しる目標角速度演算設定処理手段と、
前記舵角に対する角速度を特に最大舵角近傍で厳しく制限する角速度リミット係数の関係を予め角速度リミット係数特性として設定し記憶する記憶手段と、
前記舵角検出手段により検出された舵角を前記記憶手段に記憶されていた角速度リミット係数特性に照らして角速度リミット係数を検索する角速度リミット係数検索手段と、
前記目標角速度設定処理手段により設定された目標角速度を前記角速度リミット係数検索手段が検索した角速度リミット係数により制限した最終目標角速度を算出する目標角速度制限手段と、
前記目標角速度制限手段により算出された最終目標角速度と前記角速度演算手段により算出される角速度との差が0となるようにアシストモータを駆動制御する角速度フィードバック制御手段と、
を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記記憶手段が記憶する角速度リミット係数特性は、左右最大舵角近傍を除く間の舵角域での角速度リミット係数を1.0とし、左右最大舵角近傍から左右最大舵角に至るまでの角速度リミット係数を1.0から0に滑らかに減少させる特性とし、
前記目標角速度制限手段は、前記目標角速度設定処理手段により設定された目標角速度に前記角速度リミット係数を乗算することで最終目標角速度を算出することを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリング装置。 - 前記目標角速度設定処理手段が、
予め車速が0の条件で設定した操舵トルクに対する目標角速度の基本的な対応関係である基本ベース目標角速度特性を記憶する基本ベース目標角速度特性記憶手段と、
前記舵角検出手段により検出された舵角を車速に応じた舵角に修正する修正舵角算出手段と、
前記車速センサにより検出された車速および前記修正舵角算出手段により修正された修正舵角に適応するように前記基本ベース目標角速度特性記憶手段が記憶する基本ベース目標角速度特性を変更するベース目標角速度特性変更手段と、
前記トルクセンサにより検出された操舵トルクを前記ベース目標角速度特性変更手段により変更されたベース目標角速度特性に照らしてベース目標角速度を検索するベース目標角速度検索手段と、
前記ベース目標角速度検索手段により検索されたベース目標角速度を車速に応じた目標角速度に修正する目標角速度算出手段と、
を備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載の電動パワーステアリング装置。
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